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2020年4月9日木曜日

ワイドショーが拡散「隠れコロナ死」いる!? 厚労省に取材すると…担当者「決して数字に隠蔽はない」―【私の論評】日本がPCR検査を限定して成功している背景には、CT普及率世界一という背景が(゚д゚)!


日本のマスコミは「隠れコロナ」「隠れコロナ死」を煽るがそれは本当なのか?

新型コロナウイルスによる日本国内での死者数が、世界的に少ないことをめぐり、テレビの複数のワイドショーで、「一般の肺炎患者に、実は隠れた患者がいるのではないか」「PCR検査が少ないから、肺炎による死者に紛れ込んでいる疑いがある」と発言する識者や出演者がいる。視聴者が大いに動揺しそうな疑惑だけに、厚労省の担当者に聞いた。

 同省がまとめた2018年の人口動態統計によると、日本では1年間に肺炎を発症した患者で約9万4000人が亡くなった。365日で割ると1日あたりでは257人の計算だ。

 一方、新型コロナウイルスの感染者数は8日午前0時時点で累計4453人、死者は98人にとどまる。米国(感染者36万8449人、死者1万8人)や、イタリア(同13万2547人、同1万6523人)などに比べると、かなり少ない。

 そこで、冒頭のワイドショーが拡散している疑惑について、新型コロナウイルス対策にあたっている厚労省結核感染症課に問い合わせた。

 同課の担当者は「一般の肺炎患者には、生前の段階から全員にCT検査を実施している。これは、新型コロナウイルス感染の有無を調べる1つの指標としてだ。急に搬送先で原因不明で亡くなった肺炎患者がいれば、死後、CT検査を行うこともある。その結果、コロナ感染が疑われる事例には漏れなくPCR検査に回し、詳細に原因を突き止めている。その確定診断結果を、新型コロナウイルスの死者数などとして、公表している。決して数字に隠蔽はない」と語っている。

 テレビは「公共の電波」を借りて放送しており、放送法第4条には「公安及び善良な風俗を害しないこと」「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と記されている。

【私の論評】日本がPCR検査を限定して成功している背景には、CT普及率世界一という背景が(゚д゚)!

上の記事では、CTについての記述があります。実は、日本はCTの台数が世界一です。これは、以下のグラフをごらんになれば、一目瞭然です。




他の国では、大病院に行かないと、CT検査は受けられませんが、日本の場合だと診療所にも設置されているところが多く、CT検査自体は特別なものではなく、日常的な検査となりました。私自身も何度か受けた経験があります。ちなみに、MRIもかなり普及しています。皆さんの中にもCT検査をしたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

CT検査で、コロナウイルスに感染しているかどうかは、断定はできませんが、その疑いがあることはすぐにわかります。あるいは、肺炎でないこともすぐにわかります。

中には、全く別の病気の疑いで、CT検査をしたところ、コロナ肺炎の疑いが出てきたため、PCR検査をして陽性となったという事例もあります。

このため、医療現場ではCTで検査し、コロナウイルス感染が疑わしい場合は、PCR検査をする流れができているそうです。これは、何もコロナウイルス肺炎に限らず、他の病気でも同じで、特に肺疾患であれば、レントゲン検査や、CT検査をしてから、他の検査をするというのが普通のようです。これは、日本では当たり前の流れなので特に意識されていないようです。


PCR検査をすぐに実施しないのは、以前のこのブログでも掲載したように、PCR検査反定立の正式な数字はないため政府関係者もはっきり言わないし、テレビなどでも言及されないのですが、誤判断の確率はだいたい3~5割だそうです。簡易検査だとこれをさらに上回るそうです。

以下のようなことも言われています。
  • 感度……その病気にかかっている人が、陽性と判定される確率
  • 特異度……その病気にかかっていない人が、陰性と判定される確率
新型コロナウィルスのPCR検査の場合、感度は 30〜70%程度、特異度は 99%以上ではないかと推測されています(未確定)。
これが意味することは、野放図な検査は意味なしということです。 仮に専門医の目利きで有病である判定率を70%まで上げたとします。それでも健康な人間を30%も入院させてしまうことになるのです。もし、あまり目利きでない人が実施すると、健康な人間を70%も入院させてしまうことになります。
PCR検査は、感度は低いのですが、特異度は高いですから、PCR検査だけをして判定した場合、陽性でなくても、陽性であると診断される率も高いのです。逆に、病気にかかっていない人が陰性であると判断される率は高いのです。
これは特に特異度に関しては納得できるところがあります。PCRの検体は、被験者の鼻に綿棒を入れ、鼻の粘膜から採取します。その時に、採取の仕方が下手で、ウイルスの採取ができないようなやり方をしたとしも、あるいは上手でウイルスがあれば採取できるような方法で実行できたとしても、元々ウイルスがなければ陰性になるのは当然のことです。
いずれにせよ、PCR検査だけをしてその結果で、陽性の人を全員入院させると、本当は陰性の人まで入院させてしまう率もかなり高いということになります。だからこそ、最近ではたとえ陽性とでても、症状が軽い人や、症状のない人は病院にすぐに入院させるのではなく、ホテルなどに滞在させるようになっているのでしょう。
日刊ゲンダイでは、以下の記事で、CT検査に関して以下の記事でデマを撒き散らしています。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、
まさか“隠れコロナ”? 東京都で「インフル・肺炎死」急増の不気味
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
 もうひとつ、先月28日の会見で、安倍首相が質問されてもいない「肺炎死」について長々と語り出したことへの違和感だ。 
PCR検査の数が少ないけども、死者の数が多いということではありません」 
「死者の数、肺炎で亡くなっている方が実はコロナではないかとおっしゃる方がいるんですが、コロナウイルスの場合は、専門家の先生たちがこれはみんな、私も確認したんです」
「肺炎で亡くなった方については、基本的に肺炎になって最後はCTを必ず撮ります。CTにおいて、間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、これ、必ず、だいたいPCRをやっておられます」 
 要するに、間質性肺炎の場合はPCR検査をしているから、他の細菌性肺炎などと混同することはないと言いたいようだ。逆に言えば、間質性肺炎と判断されなければ検査は行われない。何度も念押ししていた「必ず」が最後に「だいたい」にトーンダウンしたのも気になる。 
 最近は、新型コロナに感染しても肺には異常が表れないケースも海外で確認されている。実態を把握するには、やはり片っ端から検査するしかないのだろう。 
 こんな時に政府の発表が信用できないことほど不幸なことはない。
この記事で、「肺炎でなくなった方」というのは、何らかの自覚症状が出て、普通に病院に赴いた人ではなく、たとえば、行き倒れのように亡くなった方とか、あるいは、病院に行ったのですが、すぐにかなり重篤になり、亡くなってしまった場合の人なのでしょう。いわば、例外的な人々なのでしょう。

安倍総理は、「死者の数、肺炎で亡くなっている方が実はコロナではないかと」という疑惑を晴らすために、このような例外的な人の話を敢えてしたのだと考えられます。

こういう例外的な人は、当初にCT検査をしないうちに亡くなったということは十分に考えられることです。だから、まさしく死後にCT検査をしたのです。

もし、最初から普通に病院に行ったのなら、そもそも最初からCT検査を実施し、 コロナウイルス肺炎の疑いがあれば、PCR検査をしているものと思います。PCR検査をしなかったとしても、コロナウイルス肺炎の疑いありという記録は残ることになります。だから、死後にCT検査をするというのは、例外的だと思われます。

さらには、日本の場合、CT台数が、世界一多いため、CT検査→コロナ肺炎の疑い→PCR検査という流れが普通にできているのでしょう。

これが、日本があまりPCR検査を実施しなかった理由と思われます。この事実は、日本がクラスター追跡に成功した背景ともなっていると考えられます。

今後どのようにコロナ肺炎感染がどのように推移していくのかは、まだ未知数ですが、今後もCT検査をしてから、PCR検査をするという流れは変わらないと思います。

まさに、日本がPCR検査をあまり多くしなくても、というより、野放図に検査をしなくてもすんでいるのは、背景にCTの台数が世界有数であるという事実があると思われます。

このあたりは、日本でももっと調査して、海外の感染症専門家が日本ではPCR検査をしないから、感染者数はもっと多いのではないかという疑惑を晴らすべきです。

そうして、海外の感染症専門家が感染者数がもっと多いという疑惑を抱いるとすれば、彼らは当然のことながら死者数の少なさも疑問に思います。その彼らの疑問に応えるかのような、ワイドショー「隠れコロナ死」なるデマを封じるべきです。

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