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2020年7月21日火曜日

今こそ5Gからファーウェイを締め出すとき— 【私の論評】今日の英国の行動は、まさに中国の将来を予感させるもの!(◎_◎;)

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岡崎研究所

今年の1月、英国のボリス・ジョンソン首相は、5G通信網へのファーウェイの参入について、核になる重要な通信網からは除外する、35%以下の制限をつける、という条件付きで、それを容認した。当時、それを聞いたトランプ大統領が激怒したというニュースが流れた。


米国では、2019年5月に、ファーウェイは安全保障上好ましくない企業として商務省のリストに登録され、大統領は、同社との取引を原則禁止する大統領令に署名した。更に、今年の5月15日、米国は、ファーウェイへの部品供給元である台湾の「台湾半導体製造会社(TSMC)」のアリゾナ州への工場誘致と、ファーウェイへの制裁強化を発表した。

6月30日、英デジタル・文化・メディア・スポーツ大臣のダウデン氏は、議会において、英国は将来的にファーウェイを5Gに使用しないだろうと述べた。これは、米国のファーウェイへの制裁を受けての英国の政策転換であった。英国政府高官は、セキュリティ上信頼性が低くなったファーウェイを使用するわけには行かなくなったと説明する。

この件に関し、英国の秘密情報部(MI6)の元長官ジョン・サワーズが、7月5日付の英フィナンシャル・タイムズ紙で、ジョンソン首相がファーウェイの英国からの締め出しを決めたが、全ての西側の民主主義国家が中国のより攻撃的手法に対し、団結して断固たる態度で臨むことが肝要である、と述べている。

サワーズの論説の見出しは、「英国は、その5G網からファーウェイを締め出すべきである」(The UK should bar Huawei from its 5G network)であり、最初の部分はファーウェイを中心に論じているが、途中から最近の中国のより攻撃的な対外手法に論点を移している。論説は中ほどで、「全ての西側民主主義国家が、中国のより攻撃的な手法に対し、団結して断固たる態度で臨むことが肝要である」と言っているが、これが、論説が一番言いたかったことであろう。

サワーズは、論説の中で、過去6か月で過去6年よりも習近平主席の中国が分かった、と述べているが、最近、中国の対外関係でのより攻撃的な手法が目立つ。

南シナ海でのベトナム漁船への攻撃、中印国境での中国兵のインド軍への攻撃などがあったが、香港での国家安全維持法の制定もその一環と考えてよいだろう。

このような攻撃的な手法は最近「戦狼外交」と言われている。「戦狼」とは、2015年と 2017年に中国で大ヒットしたアクション映画シリーズのタイトルで、国内外の敵から中国の国益を守る戦いに身を投じる戦士を意味するらしい。中国の環球時報は4月に欧米に戦いを挑む中国の「戦狼外交官」を称賛したという。習近平はこのような攻撃的な対外手法を今後とも続けるのではないか。

それに対して、西側諸国は、サワーズの言うように、団結して断固たる態度で臨む必要がある。そして中国が攻撃的な対外手法を続けることが中国にとって得にならないことを知らしめることが重要であろう。

今や世界第2の経済大国となった中国と関係を持たないわけにはいかない。これは貿易面のみならず、投資面においても言えることだろう。要は中国に対する過度の依存が政治的リスクを伴うものであることを常に自覚して行動することが必要であると思われる。

【私の論評】今日の英国の行動は、まさに中国の将来を予感させるもの!(◎_◎;)

ここのところ、英国は矢継ぎ早に、中国への対抗措置を打ち出しています。

今月、19日に英国は、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のイスラム系少数民族に対する中国政府の対応に「吐き気を催すような甚だしい人権侵害」があると非難し、「深い憂慮」を表明しました。 人権団体や専門家は、ウイグル人をはじめとするチュルク語(Turkic)系の少数民族100万人超が拘束され、各地の強制収容所群に収容されているとみています。

中国の劉暁明駐英大使は19日朝、BBC番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演し、新疆ウイグル自治区でウイグル人が目隠しをされて列車に乗せられている様子に見えるドローン映像を見せられて、「何の映像か分からない」と述べのべました。 劉大使はさらに、中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人女性の不妊手術や妊娠中絶を強制しているという現地報道を否定しました。

ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)英外相は、新疆ウイグル自治区で強制不妊手術や大量拘禁が行われているとの報告に、もっと国際社会が注目する必要があると主張し、「吐き気を催すような甚だしい人権侵害が行われているのは、明らかだ」「深く、深く憂慮している」とBBCに語りました。

今月14日付の英紙タイムズは、空母「クイーン・エリザベス」を中核とする空母打撃群が来年初め、初の本格任務として極東に派遣される計画が進んでいると、英軍高官らの話をもとに報じました。

2017年に就役した「クイーン・エリザベス」は、全長約280メートル、排水量約6万5000トンで、英海軍史上最大級の艦船。艦橋が前後に2つある特殊な形状をしています。自衛隊も導入する垂直離着陸可能な最新ステルス戦闘機「F35B」を運用します。

英国が、東アジアを含めたグローバルな安全保障にコミットする姿勢として大きな意味を持池ます。『クイーン・エリザベス』は、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦『いずも』より大きく、米海軍の原子力空母『ロナルド・レーガン』よりは小さいスケールです。

クイーン・エリザベス
人権や民主主義の本家である英国が見せた今回の果敢な対応は、歴史的な一歩です。次は、フランスやドイツなど欧州の他の先進国の姿勢が問われるでしょう。これまで尻込みしていた国も、米英に追随するケースも出てくるはずです。中国が反発して報復に出れば、かえって国際社会から見放されることになるでしょう。

英国がこのような姿勢に転じたのは、なんといっても香港の問題があるでしょう。中国が6月末、香港に施行した国安法は、中英共同宣言で保障した2047年までの「高度な自治」に明確に違反するものです。香港の旧宗主国である英国をはじめ、米国や日本など先進7カ国(G7)は事前に、国安法導入に「重大な懸念」を伝える外相共同声明を発表していたが、中国はまったく聞く耳を持ちませんでした。

ボリス・ジョンソン英首相は今月初め、統治時代に香港市民に発行した「英国海外市民(BNO)旅券」の保有者を対象に、英市民権を付与する道筋をつける意向を表明しました。英国は、香港で中国に理不尽な思いをさせられたので、覚醒したと言えるでしょう。

それ以前の英国は、中国とのビジネス関係を失いたくなかったせいでしょうか、かなり歯切れの悪いものでしたが、完璧に吹っ切れたようです。

ボリス・ジョンソン英首相
昨年、トランプ大統領が、中国経済に大きなボディブローをくらわし、習近平を土俵際まで追い詰めたところで新型コロナウイルスが起こりました。トランプの経済制裁により、殆どの中国の産業の輸出がストップし、中国不動産バブルも弾け始めています。中国経済はやがて崩壊すると多くの人が言っています。

しかし中国共産党はしぶとく、簡単には崩壊しないでしょう。習近平はコロナウイルス災害を逆手に取り、形勢の挽回に動き出しました。こうした疫病によるショックを封じ込むのは、情報統制をし、人民を犠牲にする全体主義的な中国共産党国家の方が民主主義国よりやり易いです。

中国はコロナウイルスを封じ込めるために、徹底した都市のロックダウンをし、ITにより個人の行動管理を実行しました。キャシュレスの支払い記録、スマートフォンによる個人の位置情報と全国に張り巡らせた監視カメラ網による顔認証のデータをもとに感染を終息させつつあるといわれています。

4月8日に武漢の都市封鎖を解除し、中国は、いち早くコロナウイルスを退治したので,まだコロナウイルスと闘っている国ぐにを助けるとして、マスク外交や医師団を派遣するという大キャンペーンを繰り広げており、その情報戦を繰り広げています。

習近平は素早く中国内では最早奴隷同然のウイグル人をも動員して、中国の産業の生産開始の号令をかけました。中国はコロナウイルスが発生しても、半導体と通信機器の生産は中断することなく稼働を続けてきました。

こうして中国はこのコロナウイルスを逆手に取って、米国の覇権の座に迫ろうとしていると見るべきです。リーマンショックの時も、中国は、間髪を入れず4兆元を投下し、結果的にこれで輸出を伸ばして貿易黒字として米ドル3兆ドルを獲得し、この資金で中国は「一帯一路戦略」を進めたのです。それにより中国は米国に挑戦できるという自信を得たのです。

米中がデカップリングしても、中国は14億人の市場を持っており、その中で新しい生産・市場関係を創り、経済を維持することができるでしょう。更に一帯一路でアジア、ヨーロッパ、アフリカを取り込み、版図を更に拡大していく可能性があります。

しかし、習近平が恐れているのはトランプが仕掛けようとしてる「米国による中国在米資産の凍結」、「米国の中国に対するコロナウイルス災害に対する賠償訴訟」、「在中国の日本企業とアメリカ企業の中国からの引き上げ」、「米国株式市場に上場している中国企業の上場廃止」等々です。

そこにきて、今回の英国の動きです。この動き、日本はもとより、EU諸国もいずれ巻き込むでしょう。そうして、トランプ氏の対中国制裁に追づいすることになるでしょう。

そしてこれは、「共産党の内部の抗争」、「中国の民衆の政府への反乱」へと結びつくことになるでしょう。

共産党内部の抗争は間違いなく激化します。中国共産党員のほとんどは、共産党員になることにより、中国では最も重要な人脈を得られるから入党します。なぜ人脈が必要かといえと、もちろん金儲けのためです。

この人脈が曲者で、ある特定の人物が失脚すると、それに連なる人脈も同じく失脚するというのが常です。そうして、習近平の失政により、財産を凍結されたりして実害を受けた共産党員は、習近平に恨みを抱くことになるでしょう。

金の切れ目が、縁の切れ目です。そのような共産と幹部が増えるに従い、中国共産党の統治の正統性は崩れていくことになるでしょう。そうなれば、民衆の反乱につながることになります。

そうして、中国共産党は崩壊することになるかもしれません。そうでなければ、米国は、中共を経済的に弱体化させ、少なくともソ連崩壊後のロシアのような状態にまで弱体化させることになるでしょう。

崩壊直前のモスクワ。物資不足のためどこへ行っても行列が目立った

かつての、ソ連は日本に追い越されるまで、GDP世界第二位でした。今日のロシアのGDPは、韓国もしくは、東京都と同程度の水準です。10位以内にすら入っていません。

現在は、復活しましたが、軍事費も日本のそれを下回ってる時もあったほどです。ただし、そうは言いながら、現在のロシアは、旧ソ連の核と軍事技術やノウハウを継承しているので、決して侮ることはできません。旧ソ連の核弾頭は、今でもロシアに温存され、いつでも発射できます。

しかし現在の状況では、ロシアが一国で、大規模な軍事作戦を遂行したり、米国のように効果のある経済制裁などはできません。今では、米国抜きのNATOとも戦争はできないでしょう。すれば、負けます。

旧ソ連は、第二次世界大戦に勝利して、当時の東欧等から様々な資産を奪い、特に東独から多くの科学者を連れてきて、彼らに軍事や宇宙開発、民生品の開発をさせ、経済発展をしました。これは、50年代の米国の経済学者によって暴露されました。

その経済学者によると、ソ連の経済は簡単すぎるほど簡単で、投入=算出でした。50年代でも、他国の資源や技術を奪い続け、多くの資源を投入することによって、経済発展していたのです。つまり、何の付加価値もつけずにただ、投入されたものを算出するだけの経済だったのです。

この意味するところは、放置しておいても、ソ連経済は崩壊するということでした。その後のソ連は、体質的にあまり改善されることなく、崩壊しました。

ソ連邦の人口は、最大で約3億でした。今日のロシアは1億4千万人です。これに比して、中国の人口は、現在約14億人ですから、先にも述べたように、中国は自国の経済だけでも十分成り立つ可能性があります。

ただし、ソ連は、第二次世界大戦直後から他国から奪って資源で、経済的にも超大国になり、それだけでなく、強大な軍事力を用いて、自らの経済圏を作り、他国の資源を簒奪したり、今の中国と同じく、他の先進国の技術を剽窃し、しばらくは超大国として経済発展を続けることができました。

しかし、中国は違います、当初は発展途上国であり、最近GDPを伸ばして、国全体では世界第二のGDPを達成しましたが、一人当たりのGDPでは、英国にも及びません。さらに、致命的なのは、「一帯一路構想」は未だ、構想の段階であり、それに向けての準備はなされていますが、旧ソ連のように、他国の富を簒奪できるような状況ではありません。逆に、現在は様々な国々に投資をする方が多いです

例えば、スリランカのハンバントタ港が2017年7月より99年間にわたり中国国有企業・招商局港口にリースされています。これは、中国がスリランカに投資をして、それをスリランカ政府が返すことができず、借金の方として、中国に取られたようなものです。

これでは、一見中国丸儲けのように見えますが、ハンバントタ港を所有している事は、利益にはなりません。この港が金のなる木であれば、スリランカをそれを手放すことはあり得ません。では、どうなるかといえば、管理費が嵩むだけの話です。これでは、何の富も生み出しません。

中国の国際投資は、国際投資の常識(自分の国よりはるかに経済発展している国に投資すると儲かる)を知らないためか、このようなものばかりです。

この状況で、米国から経済冷戦を挑まれ、さらに英国などの国々も次々とこれに同調すれば、中国も旧ソ連と同じ運命を辿ることは想像に難くないです。

今日の英国の行動は、まさに中国の将来を予感させるものです。

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2020年5月21日木曜日

コロナ後の世界、「スペインかぜ」後に酷似する予感―【私の論評】社会は緩慢に変わるが、今こそ真の意味でのリーダーシップが必要とされる時代に(゚д゚)!

コロナ後の世界、「スペインかぜ」後に酷似する予感
恐慌によるブロック経済、国内では二・二六事件、そして大戦

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

「われわれには多くの措置を講じることが可能だ。関係を完全に断ち切ることもできる」

 中国との関係について、米国のトランプ大統領がそう断言したのは、今月14日のことだった。米国メディアのインタビューに答えたものだ。

「中国には非常に失望した。中国は新型コロナウイルスの流行をなすがままに任せるべきではなかった」

トランプ大統領は中国のコロナ対応に失望

 感染者が150万人超、死者も9万人超の世界最大となった米国。経済活動の再開を急ぐトランプ大統領に、反発の声も大きい。このままではこの秋の大統領選挙にも影響する。思うようにいかない苛立ちは、発生源の中国に向かう。国内の批判も、共通の敵を意識させることで目先を変えようという意図も見え隠れする。

1世紀前の出来事と恐ろしいほど符合

 「習近平と非常に良い関係にあるが、今は話したいとは思わない」

 インタビューでそう語った翌日の15日、トランプ政権は、中国の通信機器最大手「華為技術」(ファーウェイ)に対する禁輸措置を強化すると発表した。携帯電話の中の半導体でもアメリカが関わったものは、外国製品であれ、輸出を禁止する、したければアメリカ政府の許可をとれ、というものだ。

 これを受けて、すぐさま半導体受託生産の世界最大手、世界シェアの5割を占める台湾積体電路製造(TSMC)が、ファーウェイからの新規受注を停止した。世界のサプライチェーン(供給網)の分断がはじまっている。

 一方の中国も、新型コロナウイルスの発生源でありながら、世界に先駆けて克服した国として、諸外国への支援を積極的に打ち出している。ところが、その一方で海洋進出を強化。4月中旬には、かねてから埋め立て、軍事拠点化を進めてきた南シナ海に新たな行政区「西沙区」と「南沙区」を設置すると発表。5月8日には、4隻の中国公船が尖閣諸島周辺の領海に侵入し、このうち2隻が日本の漁船を追いかけ回した“事件”も発生している。

 12日には、新型コロナウイルスの発生源について独自の調査が必要と表明した豪州に対して、食肉の輸入禁止措置をとった。さらに19日からは、豪州産の大麦に80%超の関税を上乗せしている。FTAを結ぶ中国は豪州にとって最大の輸出相手先である。

 もはや、ここへきての米中両国の強硬姿勢と囲い込みは、“ポスト・コロナ”を見据えた動きとも見てとれる。

 だとすると、もっと深刻に考えなければならないことは、およそ1世紀前に起きた出来事と、現在とが恐ろしいほどにリンクしていることだ。

自国優先でブロック経済化

 100年前にも「スペインかぜ」と呼ばれた新型インフルエンザのパンデミックが起きた。最初は米国からはじまり、第1次世界大戦に派兵された米軍のテントから世界中に拡散されていった。当時、中立国だったスペインだけが実態を公表したことから「スペインかぜ」という名が付けられた。この新型感染症が、第1次世界大戦を終わらせたとも言われる。1919年にはパリで講和条約が結ばれている。

 このパリ講和会議では、米国のウィルソン大統領が国際協調と、国際連盟の設立を説いた。ところが、いざ設立となったところで、言いだしたはずの米国が参加していない。もともと他国には干渉しないモンロー主義(孤立主義)を外交の柱としていた米国では、議会が参加を否決した。

 現在の米国でも、自国第一主義を唱えるトランプ大統領が、新型コロナウイルスの世界保健機関(WHO)の対応は中国寄りだとして、拠出金を停止してしまった。脱退すら示唆している。国際協調の足並みからはずれかけている。

 大戦終結から10年後の1929年には、世界恐慌が襲った。いまの世界の状況は、その10年の間の出来事がひと塊になってやって来ているようなものだ。

 当時の世界恐慌に主要国はブロック経済で立ち向かった。自国優先主義、保護主義に走って、植民地との貿易関係を強化。列強が独自の貿易圏を作り、それ以外の国や地域とは、高額の関税をかけて貿易を著しく阻害する。

 習近平国家主席が打ち出した広域経済圏構想「一帯一路」は、「債務のわな」にはまった支援先の国々を実質的に植民地にしているようなものだ。

 いまでは、経済ブロックが米中対立の二極化となりつつある。当時のブロック経済による世界の囲い込みと分断が、やがて第2次世界大戦を招いたことは言を俟たない。

寒村の窮状を憂う声が二・二六事件へと

 米国の株価の大暴落からはじまった世界恐慌は、日本にも影響した。それも農村部の困窮は著しく、農家の娘が女郎として売られていくという惨状もあった。

 そういえば、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史が、ラジオ番組でこう発言したことが、女性蔑視として厳しい批判に曝されている。

「コロナが終息したら絶対面白いことあるんですよ。美人さんがお嬢(風俗嬢)やります。短時間でお金を稼がないと苦しいですから」

 これも当時を彷彿とさせ、ポスト・コロナを予言するものとも言える。ある意味で経済を理解している。だが、それは当時からして、そうした窮状に追い込まれる悲劇であって、それを「面白いこと」と言ってしまうところに、大きな間違いがある。

 そんな悲惨な当時の農村から陸軍に入った部下の話を聞いた青年将校たちが「昭和維新」を掲げて決起する。それが二・二六事件だった。

【1936年】陸軍(昭和11年)▷反乱軍の拠点「山王ホテル」前(二・二六事件)

 いまの時代にクーデターということは考え難いが、日本政府はコロナ対策に「新しい生活様式」を打ち出している。他者との距離を保ち、食事も対面を避ける。感染拡大には第二波、第三波も予測される。そんな事態がいつまで続くのか。それで延期された東京オリンピックが迎えられるのか。二・二六事件の4年後に予定されていた1940年の東京オリンピックも幻に終わっていることを付け加えておく。

【私の論評】社会は緩慢に変わるが、今こそ真の意味でのリーダーシップが必要とされる時代に(゚д゚)!

1918年、ワシントンD.C.のウォルター・リード病院でインフルエンザ患者の脈を取る看護婦

上の記事では、スペイン風邪との対比で現在の世界がどう変わっていくかを推論しています。しかし、COVID-19とスペインかぜを比較してみると、そこには数々の相違点があります。

まず、この2つは全く異なる病気であり、その病気の原因となっているウイルスも異なります。COVID-19の原因はコロナウイルスであり、スペインかぜやこれまで登場した他のインフルエンザパンデミックを引き起こしたインフルエンザウイルスではありません。

致死率の年齢別の分布も全く違います。1918年のスペインかぜは特に新生児や若い世代の人々にとって脅威的でした。COVID-19の原因となっているコロナウイルスは、特に高齢者にとって致命的なものだと見られています。

また、スペインかぜの大流行に関してはたくさんの国がその情報を非公開にしようとしていたのに対し、現在はデータや研究、ニュースなどが完全ではないにしろシェアされていることから、過去とは状況がとても異なります。

同時に、現在ではかつてとは比較にならないないほど世界がつながっているのも事実です。1918年当時は線路や蒸気船が世界をつないでいる程度でしたが、飛行機が発達した現在では、人もウイルスもごく短時間で世界中を移動することが可能となっています。

保険医療のシステムやインフラも当時とは大きく異なっています。スペインかぜが世界を襲ったのは、抗生物質が発明される前だったことから、おそらくほとんどの死亡はインフルエンザウイルスそのものによるものではなく、細菌による二次感染だったことが考えられます。

2008年の発表で、Morensらは「スペイン風邪の死者のほとんどは上気道の細菌によって引き起こされた二次感染による細菌性肺炎が原因だった可能性がある」と述べています。

また、ヘルスシステムだけではなく、当時の世界は健康状態や生活環境が全く異なっていました。1918年に被害を受けた人たちの大部分はとても貧しい層の人たちであり、その多くの人は栄養失調状態にありました。

世界人口のほとんどが当時は劣悪な健康状態にあり、高い人口密度に加え、衛生状態も悪く、衛生基準自体が低いことが当たり前の時代でした。それに加え、世界のほとんどの地域は戦争で弱っていた時代です。公的な物資は少なく、多くの国々がその資源の多くを戦争に使い切った後だったわけです。

世界の大部分が今では豊かになり、健康状態も良好に保たれています。しかし、そんな今の世界において、やはり一番懸念されているのは、COVID-19の大流行によって一番打撃を受けるのは、貧しい層にいる人々だろうということです。

これらの相違点が示すことは、1世紀前の大流行から学びを得ようとする場合、我々は慎重にならなくてはならない、ということです。

しかし、人々の健康状態が良好に保たれている国でさえ、パンデミックが与える影響ははかり知れない、ということスペインかぜは我々に教えてくれます。新しい病原体は恐ろしい破壊をもたらし、それが何百万という命を奪うことになるかもしれません。

このように、スペインかぜという歴史上の大流行は、我々に警鐘を鳴らしてくれるだけではなく、大きなパンデミックの発生に対して十分備えておこうという動機を与えてくれるものであり、長年多くの研究者たちによって常に注目されてきた事例なのです。

スペイン風邪後の世界には、核兵器も存在しておらず、現在でいうと通常兵器といわれるもので軍備がなされていました。そのため、世界大戦が起こる可能性は十分にありましたし、実際二度にわたって起こってしまいました。

しかし、核兵器のある現在では、様相が違います。核兵器を使ってしまえば、自国だけではなく、世界が崩潰する可能性があります。そのため、先進国や大国で武器を用いた戦争は現実的ではなくなりました。

そのため、現在の戦争は、兵器ではなく情報戦や経済制裁を用いる戦争に変わっています。コロナ禍直前から、米中対立は激しくなっていましたが、コロナ禍移行も激化しつつあります。

米中対立はコロナ禍後ますます顕になってきた

コロナ禍で甚大な被害を被った米国以外の先進国なども、中国に対する反発が高まっており、中国対米国をはじめとする先進国の戦いの様相を呈しつつあります。

それに対して、中国はコロナ禍を奇貨として、EU等には従来からの微笑外交の延長線上のマスク外交を展開し、台湾、日本に対しては、東シナ海で攻勢にでており、南シナ海でも活動を活発化させています。

これを米国などの先進国は、許容することはないでしょう。米国等は、これからも中国に対して、中国自らが体制を変えるか、変えなければ、世界に影響を及ぼすことができない程度まで経済を弱体化させることになるでしょう。

これに関しては、第二次世界大戦後の米ソ冷戦が、ソ連崩潰で終了したように、時間がかかるでしょうが、いずれソ連が崩潰したように、現在の中国共産党の崩潰と、中国の体制変換という形でいずれ終焉することでしょう。ただし、やはり短くても10年、長ければ、20年以上かかるかもしれません。

その間に、世界は米国を中心とする多数の国々による貿易圏と、中国を中心とする、少数の国々による貿易圏に分かれるかもしれません。いずれにせよ、決着するまでには、時間がかかり、これによる変化は比較的緩慢なものになることが予想されます。

次に、日本をはじめとする先進国の国内の変化としては、どのようなことが考られるでしょうか。様々なところで、大変化が起こり、コロナ禍以前とは全く異なる社会になるとしている識者も大勢います。

コロナの後に世界は変わるのでしょうか。結論から言うと、劇的に社会が変わっていく、いわゆるパラダイムシフトは私は、起こらないと思います。

それどころか、人々が思ったいいる以上に元の社会に戻ろうとすると私は考えています。

それはなぜかというと、それが多くの人々のとって一番ラクだからです。社会は変化を求めているようですが、実際に、自分自身を変えていこうと思っている人がどれくらいいるでしょうか。

何か新しい取り組みを始めようと思っている人はそんなに多くはないのではないかと思います。変化を強要されているところは、致し方なく取り組んでいるのが現状だと思います。

コロナの終息後でも私自身も含めて多くの一般的な人たちの考え方は変わらないでしょう。

これを変えようと思う人はかなり意識が高いと思います。意識が高いという言い方は褒めているわけではなく、流行りにのっている部分もかなりあると思うのです。そういう意味です。これは、いわゆる意識高い系の方々には耳が痛いのではないかと思います。ただし、意識高い系とは、本当に意識が高い人という意味ではありません。そうではなく、意識が高いふりをしている人と言ってもよいかもしれません。

つまり、ほとんどの人にとってソーシャルディスタンスを継続させていったり、テレワークなどのデジタルな暮らし方にシフトしていくことは大変なことだと思います。何しろ、今でも家庭でのWIFI普及率は、思いの他低いことをある調査で知り、驚いたばかりです。あるいは、携帯電話は使用しているものの、パソコンの使用率も思いの他低いです。そのため、急激に社会が変化していくパラダイムシフトはおこらないと思います。

では、社会は元どおりになっていくのでしょうか。私自身は、変わらないところがあるように、変わるところがあるとも思っています。それはどこかと言うと、苦しんでも変えざると得ないという人たち。つまり主に経営者達の考え方です。私は、どちらかというとこちらに属しているのでよく分かります。

よく考えてみると、米中対立を基本とする現在の世界の変化も同じです。この動きはコロナ禍以前からはっきりしていました。変わるべきものが、コロナによってはっきり目に見えるようになってきたということです。従来では、中国批判をすると、反発する人も結構いましたが、最近はそういう人も少なくなって来たように思います。

コロナによってそれなりに自粛をしたり、仕事も変化をしなけばならない人もたくさんいたと思います。

ただ、今現在も一番苦しんでいるのは経営に携わっている人たちだと思います。あるいは、社会事業を営んでいる人たちです。なぜなら、先を読むこと。そしてチャレンジすることがとても難しい社会になってしまったからです。

例えば今皆さんが、これから新しいイベントをやってくださいと言われたらどうしますか?ほとんどの人がとりあえずは今はやめておきましょうと答えるはずです。そういった中で次の答えを出さなければいけないリーダー達はとても難しい選択を強いられています。

現在のリーダーといわれる人は、小さな組織レベルでも、企業レベルでも、地方自治体レベルでも国家レベルでも、いやがおうでも、リーダー的行動が求められているのです。

変わると思って挑戦する人もいれば、元に戻ると思って投資する人もいるかも知れません。ただ、どちらにしても難しい選択であることに変わりありません。だから、一番変わっていくのはリーダー達の行動だと思います。社会は変わらないように思えて、実はゆっくりと舵を切り始めています。

コロナで変わるのではなく、変えなければならないタイミングが今ということです。それをコロナが顕にさせたということです。社会はいつもゆっくりと変化をしていきます。緩慢に変化していくので、よほどの目利きでないと気づきません。

人間の生活もやっぱり変えなければいけないことがでてきます。格差の激しい社会だったり、地球にとって良くないような発展だったりは、いずれにせよ変化しなければならないと思います。また、発展途上国の防疫体制、衛生管理なとも変化させなくてはならないです。

急激なパラダイムシフトは起こらないものの、コロナがあろうがなかろうが、変わらなければいけないものは変わっていくのです。コロナはそれを顕にしただけなのです。

今はそれを一部のリーダー達がかなりの負担を強いられながら、変化していくように求められているのです。


そうして、今こそ経営学の大家ドラッカー氏の語るチェンジ・リーダーの条件を見つめ治す時が来たようです。

ドラッカーしは、チェンジ・リーダーについて次のように述べています。
昨日を捨てることなくして、明日をつくることはできない。しかも昨日を守ることは、難しく、手間がかかる。組織の中でも貴重な資源、特に優れた人材を縛りつけられる。(『明日を支配するもの』)
ドラッカーは、1980年代半ば以降、少なくとも企業の世界では、変化への抵抗という問題はなくなったといいます。内部に変化への抵抗があったのでは、組織そのものが立ち枯れとなります。こうしてて、変化できなければつぶれるしかないことは、ようやく納得されたのです。
しかし、変化が不可避といっても、それだけでは死や税のように避けることができないというにすぎません。できるだけ延ばすべきものであり、なければないに越したことはないというにとどまります。
変化が不可避であるのならば、自ら変化しなければならないのです。変化の先頭に立たなければならないのです。変化をコントロールできるのは、自らがその変化の先頭に立ったときだけなのです。特に、急激な変化の時代に生き残れるのは、変化の担い手、すなわちチェンジ・リーダーとなる者だけなのです。
当然、チェンジ・リーダーたるための条件が廃棄である。成果が上がらなくなったものや貢献できなくなったものに投下している資源を引き揚げなければならないのです。
チェンジ・リーダーであるためには、あらゆる製品、サービス、プロセス、市場、流通チャネル、顧客、最終用途を点検する必要があります。しかも、常時点検し、次々に廃棄していかなければならないのです。
第一に、製品、サービス、プロセス、市場、流通チャネル、顧客、最終用途の寿命が、「まだ数年はある」といわれるようになった状況では、廃棄が正しい行動なのです。
第二に、製品、サービス、プロセス、市場が、「償却ずみ」を理由として維持される状況に至ったならば、廃棄が正しい行動なのです。
第三に、製品、サービス、プロセス、市場が、これからの製品、サービス、プロセス、市場を「邪魔する」ようになったならば、廃棄が正しい行動なのです。
ドラッカーは、次のようにも語っています。
イノベーションはもちろん、新しいものはすべて、予期せぬ困難にぶつかる。そのとき、能力ある人材のリーダーシップを必要とする。すぐれた人材を昨日に縛りつけていたのでは、彼らに活躍させることはできない。(『明日を支配するもの』)
リーダーシップについてドラッカーは次のように述べています。
リーダーシップとは人を引きつけることではない。そのようなものは煽動的資質にすぎない。仲間をつくり、人に影響を与えることでもない。そのようなものはセールスマンシップにすぎない。(『現代の経営』)
リーダーシップとは仕事であるとドラッカーは断言します。リーダーシップの素地として、責任の原則、成果の基準、人と仕事への敬意に優るものはありません。(このあたりは、是非ドラッカー著の『マネジメント』を参照していただきたいです)

リーダーシップとは、資質でもカリスマ性でもありません。意味あるリーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見えるかたちで確立することです。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者なのです。

リーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく望ましいかを考え抜きます。リーダーの仕事は明快な音を出すトランペットになることだとドラッカーは言います。

リーダーと似非リーダーとの違いは目標にあります。リーダーといえども、妥協が必要になることがあります。しかし、政治、経済、財政、人事など、現実の制約によって妥協せざるをえなくなったとき、その妥協が使命と目標に沿っているか離れているかによって、リーダーであるか否かが決まるのです。

ドラッカーは多くの一流のリーダーたちを目にしてきました。外交的な人も内省的な人もいました。多弁な人も寡黙な人もいました。

そうして、ドラッカーは次のように断言しています。
リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。(『プロフェッショナルの条件』)
上でも指摘したように、コロナ後の社会は緩慢に変わっていくので、見極めが難しいです。 油断していると茹でガエルになりかねません。しかし、あらゆる組織において、今こそ真のリーダーシップが求められているのは確かなようです。

コロナによる変化自体はあらゆる組織にとって公平なものであり、マイナスであったりプラスであったりするのは、変化に対する私たちの反応によるものなのです。

コロナ後の世界において、あらゆる組織が、個人をも受益者としてくれるであろうものは、変化に直面したときの柔軟性なのです。

私自身、最終的には世界経済は素早く回復し、これまでの他の大きな変化を吸収してきたように、この大規模な変化を取り込む可能性が大だと思います。

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2015年5月31日日曜日

タマキ フジエが東京都観光ボランティアのユニフォームをデザイン―【私の論評】未来の日本人のライフ・スタイルを予感させ、海外からも賞賛され、共感を得られる野心的なものにして欲しい(゚д゚)!



タマキ フジエ(TAMAKI FUJIE)」のデザイナー藤江珠希が、東京都観光ボランティアのユニフォームをデザインした。今日東京都庁で行われた「舛添知事 定例記者会見」で「おもてなし東京」というロゴが入ったメンズ、ウィメンズの2種類を初披露。外国語で観光案内等を行う「街なか観光案内」のボランティアスタッフが着用する。

東京都は、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、観光ボランティア活動を通じて外国人旅行者に東京の魅力を紹介する「街なか観光案内」をスタート。2020年までに新宿、浅草等10地域で展開される予定で、今回の会見では藤江珠希がデザインした観光ボランティアスタッフのユニフォームが発表された。舛添知事は「色々なデザインを出してもらい、分かりやすいということからこのユニフォームを選びました。ユニフォームを活用して、観光客の方に向けたサービスを展開していきたい」とコメントしている。

タマキ フジエは、立教大学卒業後、アントワープ王立芸術アカデミーを経て、セントラルセントマーティンズ美術大学ファッションプリント科に入学した藤江珠希が手がけるブランド。2014年には「Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のアマチュア部門最終審査会とプロ部門のジョイントショーで、自身初のファッションショーを行ない注目を集めた。

【私の論評】未来の日本人のライフ・スタイルを予感させ、海外からも賞賛され、共感を得られる野心的なものにして欲しい(゚д゚)!

それにしても、このユニフォームはあまりにダサすぎるのではないかと思います。とてもじゃないですが、一流デザイナーがデザインしたものとは思えません。

気になったので、まずは「街なか観光案内」の内容を調べてみました。東京都のサイトに説明に掲載されていたので、それをそのまま以下に掲載します。

「おもてなし東京」が始動!街なか観光案内を新宿、上野で開始します
-東京都観光ボランティアのチーム名・ユニフォーム決定!-
平成27年5月29日 
産業労働局
観光ボランティアが街なかで外国人旅行者に積極的に声を掛け、外国語で観光案内等を行う「街なか観光案内」を6月19日から新宿、上野を皮切りに実施します。今後、外国人旅行者が多く訪れる地域で順次展開していきます。 
 また、これにあわせて、観光ボランティアがチームとして一体感を感じられるよう、チーム名及びユニフォームを決定しましたので、お知らせします。今後の観光ボランティアの活躍にご期待ください。 
1 街なか観光案内
(1) 活動開始日
平成27年6月19日(金曜)より
(2) 活動日
毎週金曜日・土曜日・日曜日(週3日)
(3) 活動時間
11時00分~17時00分
※開始日はイベントを開催予定のため、活動時間は異なる。
(4) 実施場所
新宿駅西口周辺、上野駅周辺(27年度)
※28年度以降、外国人旅行者が多く訪れる地域で順次展開予定
(5) 活動内容
ボランティアが2人1組となり、街なかを巡りながら外国人旅行者に声をかけ、観光案内や道案内を行うほか、各種情報を多言語で提供。
2 チーム名及びユニフォーム
(1) チーム名
「おもてなし東京(OMOTENASHI TOKYO)」
一般応募の中から決定(応募総数882件)
(2) ユニフォーム
都がビジネスを支援している有望な若手デザイナーの中からコンペにより選ばれた藤江珠希氏がポロシャツ、帽子、カバンをデザイン
画像
<ユニフォーム>

画像
<チーム名のロゴマーク>

  
それから、このユニフォームをデザインしたデザイナーの写真を以下掲載します。

藤江珠希さん
今年のFashionsnap.comの1月3日の記事に、『2015年に注目したい期待の若手国内ブランドベスト9』という記事が掲載されており、藤江玉希さんは、6位になっていましたので、その部分のみ以下に掲載させていただきます。

"6番・ライト:「タマキ フジエ(TAMAKI FUJIE)

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初のショー開催、アレキサンダー・マックイーンの下で経験を積んだ実力者

立教大学卒業後、アントワープ王立芸術アカデミーを経て、セントラルセントマーティンズ美術大学ファッションプリント科に入学したデザイナーの藤江珠希氏。在学中にアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の下で研修し、2013年春夏からタマキ フジエを展開しています。色の置き方や異素材を組み合わせた服作りに定評があり、「2014 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のアマチュア部門最終審査会とプロ部門のジョイントショーで初めてランウェイショーを経験。ショー後には「ショーはもういいかなと思いましたね(笑)」と語った藤江氏。そんな同氏の控えめなところから6番・ライトにしました。
"


なにやら、新進気鋭のすごいデザイナーのようですが、それにしては、ブログ冒頭のデザインはあまりにいただけないと思うのですが、それにはわけがありそうです。Twitterでみているとそれを匂わせるような記事も掲載されていましたので、そのTweetを以下に引用させていただきます。
確かに、ユニフォームのデザインとグラフィックのデザインとは異なる人の手によるということで、その面のチグハグ感もあります。

そのあたりについては、以下のようなTweetもあります。
このような見方もありますが、そもそも、制服のデザインそのものがダサいし、何やらこの色使いなどみると、何やら想起されるものがあります。それは、何かといえば大韓民国の国旗太極旗の色使いです。

このような感覚は、私だけなのかと思ったら、ジャーナリストの西村幸祐氏も似たような感覚を持たれているようで、以下のようなTweetをされています。
このTweetを見ていて、「まるで半島デザイン」というのは、最初は言い過ぎのような感覚を持ちましたが、色づかいはまさしく太極旗を想起させるものであることと、さらに関連するTweetをみていると、以下のようなものを発見し、そういう感覚を持つ人もけっこういるということに共感を覚えました。

それに、以下のような舛添知事の発言も発見しました。
【舛添知事定例会見録】観光ボランティア「ソウルと同じようなことやりたい」赤いユニホームに対抗?、東京はブルーに
ソウルの観光ボランティアに説明を受ける舛添知事
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみ引用させていただきます。
 「最後の報告ですが、このたび、観光ボランティアによる『街なか観光案内』を新たに開始しますので、お知らせします。ソウルに行ったときに、『動く観光案内所』ということで、赤いユニホームのボランティアが、例えば私が歩いていると、『日本人の方ですね。何か困ったことはありますか』と日本語でしゃべって、いろいろ案内してくれる。 
 こういうことをやろうということで、これまで東京都を訪ねる外国人旅行者に対し、観光ボランティアによる都庁案内ツアーとか、観光スポットをめぐるガイドサービスを提供してきました」 
 「これに加えて、6月19日から新たに、街の中で『韓国の方ですか』『中国の方ですか』『アメリカの方ですか』と声をかけて外国語で案内を行う『街なか観光案内』を、まず新宿駅、上野駅を皮切りに開始します」 
 「そこで、チーム名とユニホームを決定しました。まずチームの名前は『おもてなし東京』。
ユニホームは、都がビジネスを支援している有望な若手デザイナーの藤江珠希さんにデザインしていただきました。 
(ボランティアには)今回、作成したユニホームを着用してもらい、
『これはおもてなし東京チームだな』とすぐに分かるようにしたい」
このような、舛添知事の発言をみると、やはり韓国風デザインは舛添知事からででいるような気がします。そもそも、最初からデザイナーに、韓国の観光ボランティアの制服など見せていて、そこからデザインを依頼したということも考えられます。

それにしても、このデザインでは、以下の比較写真をみてもわかるように、李朝朝鮮の衛兵の衣装を彷彿させるし、そもそもダサいということで、観光ボランティアをやろうという人もこれを着用しなけばならないということになれば、意欲がそがれる人も多くなるのではないかと思います。

左が李朝朝鮮の衛兵の衣装、右が東京の観光ボランティアの衣装

たかが、制服と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、制服がかわいいということで、入学者が増加した女子校などもあります。決して馬鹿にはできません。

制服の着こなしの良い女子高生。これは制服というよりは、マフラーで女子力アップ?
かわいさ2割増し!?いや、もっと?しかし、観光ボランティアの制服では・・・・・
優れたファションとは、人々のスタイルを表現するものです。フランスの有名な、ココ・シャネルは、女性ファションの大改革を行い、女性の新しいライフスタイルを確立しました。それまで、女性とはかくあるものという、スタイルに基づいて創作されていた、窮屈な女性ファションをことごとく破壊し、今では普通になっている新しい女性のライフ・スタイルを確立しました。

ココ・シャネル

東京オリンピックまでには、まだ間があります。着用する人の年齢や、好みや、新しい日本人のライフスタイルも考慮にいれて、これから新たなデザインのものを複数作成するとか、経費を抑えたいなら、服装はボランティアに任せて、そのかわり服装の規定を定めるというような方向性も考えられると思います。

もし、服装をボランティアにまかせたとしても、選考要件として、ファションセンスの良さを入れて、服装は「東京オリンピック後の新しい日本人のライフスタイルを想起させるもの」という規定を設けてはいかがでしょうか。百花繚乱となるでしょうが、その中でも方向性が見えてきた興味深いものになるかもしれません。

ココ・シャネルは「失敗しなくちゃ成功はしないわよ」と語っています。あのダサさは、失敗の域にあると思います。

とにかく、あまりにダサい半島風デザインはいただけないです。これを強制着用ということにでもなれば、ボランティアの数が減るかもしれませんし、それに人権問題にもなるのではないでしょうか。国旗ゃ校歌斉唱を問題にする、左翼の方々がこれを問題にしないのも不思議です(笑)。

東京の観光ボランティアのユニフォームが、もし単なる半島からの移入ということであれば、あまりに志が低すぎます。未来の日本人のライフ・スタイルを予感させ、海外からも賞賛され、共感を得られるものでありながら実用的な野心的なものにして欲しいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?



【関連図書】

ファッションは、その時代の人々のライフ・スタイルも表現するものです。かの有名な、ココ・シャネルは、「私は流行をつくっているのではない。スタイルをつくっているの」という名言を残しています。

ココ・シャネルにより、世界の女性のスタイルは様変わりしました。ファションを見れば、それを着用している人のスタイルがわかります。以下の書籍は、写真集であり、多くの人々のスタイルを表すファションもビジュアルで見ることができます。

そのスタイルから見ても、戦前の日本や、大正・昭和初期の日本が、暗黒ではないことが理解でき、「戦前暗黒史観」などは誤りであることが良く理解できます。それは、日本だけではなく、日本統治下の朝鮮も同じことです。そういう見方をすると、なぜ日本の戦後教育ではこれらの真実を封印してきたのか、憤りを覚えます。

スタイルを見れば、一目瞭然です。是非ご覧になって下さい。

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