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2016年5月13日金曜日

【痛快!テキサス親父】トランプ旋風には理由があるんだぜ 日本では伝えられない米国の危機的事情―【私の論評】たった1割しか保守系メディアが存在しない米国で国民は保守を見直し、覚醒しつつある(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】トランプ旋風には理由があるんだぜ 日本では伝えられない米国の危機的事情

トニー・マラーノ氏
 ハ~イ! みなさん。

 米大統領選の共和党指名争いで、不動産王のドナルド・トランプ氏(69)が指名獲得を確実にしたぜ。日本では、過激な発言ばかりが報道されているようだが、今回は、日本のメディアではきっと分からない、トランプ氏を後押しした米国の危機的な事情について説明したい。

 トランプ氏がカリフォルニア州で集会を開いた際、会場の外で激しい抗議活動が行われた。世界各国のメディアはその現象だけを取り上げて、「トランプ氏に抗議殺到」などと伝えていたが、伝統と規律を重んじる米国民の感覚・感情はまったく違うものだった。

 抗議団の中では、多くのメキシコ国旗が得意げに振られていた。メキシコからの不法移民が多数参加していることは一目瞭然だったぜ。さらに、プラカードに書かれたメッセージなどから、抗議団に社会主義者が入り込んでいることも明らかだった。

 米国は「移民の国」だ。俺の先祖もイタリアから移住してきた。米国の「建国の理念」に賛同する移民たちが、わが国に活力を与え、発展させてきた。ただ、それは合法でなければならない。トランプ氏が「不法移民を強制送還させる」と主張していることは、ある意味当然といえる。

 社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。

 彼らが、トランプ氏を政治的に貶めようとすればするほど、それが逆効果になっている。米国民の多くは「抗議団=米国を3等国に転落させたい連中」とみている。最近、テロリストを支持する集会が開催されたことが、トランプ氏への得票につながったことも、米国民は知っている。
 かつて、カリフォルニア州は米国全体の流れを決めていたが、今や、他の49州の「軽蔑の対象」でしかない。現在のトランプ旋風は「伝統的な米国を守れ」という国民的運動ともいえる。

 俺は、日本でも危機的な事態が起きていることを知っているぜ。不法滞在している連中が日本を壊そうと画策・暗躍しているうえ、一部の政党や教育現場、メディアにも「反日勢力」が浸透している。

 日本は世界屈指の歴史と伝統を持つ国であり、成熟した伝統や文化を大切にしながら、時代に合わせて新しい手法や思考を取り入れてきた。だが、そこに悪意(=日本を壊す)があったらどうするんだ?

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。俺は、日本は日本らしさを守ってこそ、日本だと思うぜ。

では、また会おう!

 トニー・マラーノ

【私の論評】たった1割しか保守系メディアが存在しない米国で国民は保守を見直し、覚醒しつつある(゚д゚)!

上のテキサス親父の記事では、"社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。"としています。

米国リベラル・メディアの偏向を揶揄するポスター

それでは、米国では、政治的に保守といわれる人々と、そうではない人々の比率はいかほどのものなのでしょうか。

その前に、日本はどうなのかを概観してみます。日本においては、保守と革新(非保守)の割合は、55年体制が築かれた当時では、2:1といわれていました。保守派が圧倒的に多かったわけです。

55年体制(ごじゅうごねんたいせい)とは、日本において、与党第1党は自由民主党が占め政権を維持し、野党第1党は日本社会党が占めていた体制。1955年(昭和30年)に保守が合同し自由民主党を築いた後この構図が成立したためこう呼ばれます。
初出は政治学者の升味準之輔が1964年(昭和39年)に発表した論文「1955年の政治体制」(『思想』1964年4月号)です。

この保守と革新の“2:1”の比率は、保守分裂のため社会党が第1党になった1947年(昭和22年)の総選挙の時点で既に現れていました。

55年体制は、自由民主党から日本社会党への政権交代が実現できない一方、保守政党は国会で憲法改正のための3分の2以上の議席を確保できなかったことから、政権交代と憲法改正のない体制とされています。


戦後しばらくは、いわゆる諸派・ミニ政党がしばしば議席を獲得していました。しかし55年体制成立以降は、参議院で一時的にミニ政党が進出した時期もありますが、衆議院で議席を獲得することはほとんどなくなりました。

とはいいながら、現在の自民党をご覧いただくとわかるように、保守派の議員も大勢いるにはいるのですが、現在の自民党は、それ以外にも、リベラル派や左翼に近いような人たちも混じっています。

政治信条が異なっても、自由民主党という看板の下に集っています。結局、自民党=保守派とは呼べない状況になっています。

そうなると、一見非保守派のほうが優勢のようにもみえますが、一方野党第一党の現在の民進党も、保守派の議員がいます。

結局自民党は、選挙のために政治信条の異なる人々が集う、まるで選挙互助会のような組織です。そうして、民主党(現民進党)も自民党をコピーしたような、選挙互助会組織です。ただし、コピーした分だけ、劣化しています。それを私たちは、民主党が政権与党だった時代に嫌というほどみせつけられました。

このような状況ですから、保守といわれる人々はどの程度なのか、それを特定するのは難しいです。それに、単純に保守といっても、受け取る人によって、その定義が異なります。だから、保守はどのくらいいるのかということは、政治の世界ですら、それを特定するのは難しいです。

ここで、保守の意味を正確に定義します。保守とは、保守主義の立場をとる人たちの集まりということになります。そうして、保守主義(ほしゅしゅぎ、ラテン語: Conservatismus、英: Conservatism)とは、古くからの伝統・習慣・制度・社会組織・考え方などを尊重して、古くからの伝統・習慣・制度・社会組織・考え方を保存したり、維持するために、急激な改革に反対する社会的立場や政治的立場です。

そのような立場を取る者のことも保守(英: Conservative)、あるいは、保守派と呼びます。対義語は革新もしくは進歩主義。一言でまとめると、中庸の徒ということになると思います。

『論語』で中庸について述べている部分

「中庸」という言葉は、『論語』のなかで、「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と孔子に賛嘆されたのが文献初出と言われている。それから儒学の伝統的な中心概念として尊重されてきた。だがその論語の後段には、「民に少なくなって久しい」と言われ、この「過不足なく偏りのない」徳は修得者が少ない高度な概念でもあります。

ただし、これは、保守主義の理想であり、ここまで定義を狭めてしまうと、本当の意味での保守などあまり存在しないことになってしまいます。理想は、理想として、無理のない定義としては、「偏りのない」くらいで良いと思います。過不足なくまで定義に盛り込むと、それはもはや超人であり、それにあてはまる人はあまりいなくなることでしょう。

「偏りがない」を中庸として、中庸の徒が保守とするならば、政治の世界でも2〜3割くらいはいそうです。国民の中にも、少なくとも2〜3割くらいはいそうです。これに近い人も含めると、もしかしたら5割もいるかもしれません。

ところがです。米国はとんでもない状況になっています。なんと、いわゆる保守といわれる人々が本当は日本かそれ以上も存在しているにもかかわらず、メディアはリベラル・左派が9割という状況になっています。それは、以下の動画をご覧いただくとおわかりいただけるものと思います。



何と、アメリカでの特にマスコミの保守と非保守の割合は、1:9だというのです。ほとんどが、非保守の左翼、リベラルなのです。アメリカ最近は、いくぶん衰えたといえ、世界一の超大国です。経済的にも、軍事的に世界一ですが、何とマスコミには保守派1割しか存在しないということで、テキサス親父が語る"社会主義者の増長は、米国型リベラリズムが、民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取った結果だ。彼らは幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれた。洗脳だ。自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」なのだろう。"と語っていることの意味が良くわかります。

とにかく、アメリカの保守の伝統や、価値観など数十年間でズタズタに引き裂かれ、破壊されてしまったというのが実情だと思います。

政治の世界では、今でもおそらく、マスコミが1:9の比率で保守が圧倒的に少ないということで、保守系の意見はほとんど無視されてしまうのです。そのため、保守派が発言したり、著述をしても、ほとんど取り上げられないというのが実情なのです。それは、教育、映画などの大衆娯楽に及ばず、ありとあらゆる方面でそうなっているのです。

日本はアメリカに比較すればメデイアなども保守が多目なのだと思います。とはいいながら、日本は敗戦国であるため、圧倒的に非保守に牛耳られているアメリカのメディア影響をかなり受けています。だから、保守がアメリカよりも比較的多くても、教育会や司法、マスコミなど多くの分野で非保守が幅を効かせているだと思います。

そうして、メデイアの世界では保守対非保守の比率が米国では、1:9ということで保守は過去のアメリカ社会は非保守が築いてきたのですが、その社会では、アメリカの保守派はリベラル等に負けっぱなしであることに多くの保守系米国民が、憤りを覚えたり、反感を覚えたり、危機感を感じているのです。


そうして、その受け皿になっているのが、トランプ氏なのです。そうして、上の動画でも語られているように、米国はリベラルに乗っ取られるため、トランプに関しては、ネガティブな報道しかせず、それを多くの日本人が鵜呑みにしているのです。

トランプ氏は、このアメリカの現状を何とか変えなければならないということで、大統領になろうとしているのです。そうして、選挙資金を自前で全部用意できるトランプ氏でなければ、このようなことはできません。現在のアメリカは、非保守に牛耳られているため、他の候補者では、選挙資金を非保守に頼らざるを得ません。だからこそ、過去においては非保守の立場は揺るがなかったのです。

しかし、これまでしばらく続いた候補者とは違い、トランプ氏は他者に操られておらず、これからも操られないことでしょう。これが、いずれは米国保守の反転攻勢の一里塚になるかもしれません。

この事実が日本では全く報道されないので、日本ではトランプは色物、際物扱いをされているのです。

トランプ氏が大統領になれば、非保守がアメリカを牛耳ってきた実体が暴かれ、アメリカ国民の多くは保守を見直し、覚醒すると思います。たとえ、トランプ氏が大統領になれなかったにしても、この傾向は続くことでしょう。

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2015年7月1日水曜日

【世界を斬る】オバマ政権の対中弱腰外交で米政府は危機的状況 相次ぎ辞任する専門家―【私の論評】世界の平和はオバマに脅かされている!日本も現実に真摯に向き合い、まともな安保論議を(゚д゚)!

2015.07.01

2年前の米中首脳会談。9月会談の中身は…

米国防総省から最近、ハドソン研究所に移ってきた中国専門家が私にこう言った。

「この9月、2年ぶりに米国で米中首脳会談が開かれる。オバマ大統領が、習近平主席に対して中国の不法な領土侵略やサイバー攻撃を厳しく非難し、『止めなければ断固たる措置をとる』と警告しなければ、米国の国際的な指導力は一挙に失われる」

ワシントンでこうした意見が出始めているのは、習主席の訪米の前触れともいえる中国の恫喝外交がすでに始まっているからだ。

6月23日から2日間にわたって、ワシントンの国務省で開かれた米中経済戦略会議の席上、米側が米政府機関に対する中国の無法なサイバー攻撃について抗議したところ、中国側は強圧的な態度でこう反撃した。

「米国は事実をしっかり調査したのか。感情的にならず、対応策を考えてから提案を行うべきだ。一方的に中国を攻撃し続ければ、事態は悪くなるだけだ」

米側は最新技術を駆使して、一連のサイバー攻撃が民間企業を装った中国軍の情報機関によって行われたことを突き止めている。そのうえで、抗議したが、中国側は傲慢な姿勢を崩さなかった。

このように中国が、国際法から、とうてい認められない行動をとり続けているにもかかわらず、オバマ大統領は中国との友好関係を強調し、迎合的な姿勢を崩そうとしない。この結果、米政府内では深刻な混乱が始まっている。

オバマ大統領は、基本的に米国の経済的な利益のみを考えて中国との協力関係を強化しようとしている。中国とのビジネス関係が悪化すれば、立ち直り始めた経済が再び後退すると心配しているのである。そのうえ、米国には、中国と肩を組んで世界秩序を維持するのが現実的な国際政策であると考えている指導者も少なくない。

中国の脅威に直面している日本や東南アジアの国々は、米国に頼るだけでなく、まず中国の不法行為を阻止するという確固たる政治的姿勢を示し、自らその能力を持つ必要に迫られている。

■(ひだか・よしき)

この記事の詳細は、こちらから!

【私の論評】世界の平和はオバマに脅かされている!日本も現実に真摯に向き合い、まともな安保論議を(゚д゚)!

このブログでも何度か、オバマの弱腰については指摘してきました。結論から言うと、ウクライナ問題を複雑化させ、ロシアのプーチンをして軍事的冒険にださせたのはオバマです。

ISISに対しても、煮え切らない態度を取り続け、対応が遅れてしまったため、結果としてISISを台頭することになってしまったのもオバマのせいです。

上記の問題に関しては、多くの専門家が、早めに対応すべきとしてきたものをオバマはすべて後手、後手にまわって、結局問題をより複雑化させてしまいました。

尖閣問題もそうです。本来オバマは、より問題が複雑化する前に日中間にはもともと、領土問題などないとはっきり声明を発表すれば良いものを、またまた時期を完璧に逸したタイミングで懸念は示したものの、未だに日中間に領土問題は存在せずという声明は発表していません。

そもそも、アメリカは第二次世界大戦の戦勝国であり、終戦直後の国連の分類では、第二次世界大戦に参加し、勝利した第一国であるはずです。日本は、第二次世界大戦に参加し、負けた第二国です。

現在の中韓は、この分類でいえば、第二次世界大戦に参加しなかった国、すなわち第三国です。

第二次世界大戦で、ドイツや日本と真っ向から戦い、多大な犠牲を出して、戦後体制が築かれ、アメリカはその戦後体制の中でダントツのトップの座を占めているはずです。

にもかかわらず、オバマ大統領は、第三国の今の中国風情に、はっきりとモノが言えないのですから、呆れて二の句が継げないです。

完璧にレイムダックと化したオバマ
一体どうなっているのかと言いたいです。日本はいわば、残念ながらアメリカの持ち物のようなものであり、自分の持ち物なら持ち物で、それなりの対応をとるべきです。中国が尖閣周辺で示威行動をするようになった時点で、はっきりと声明をだし「俺の持ち物に手を出すな」という意思表示をはっきりして、軍事的にもそれ相当の対応をしていれば、尖閣問題の恒常化、より一層の複雑化は防げたはずです。

中国の軍事力など、アメリカには到底及ばないことははっきりしており、もし米中が戦争にでもなった場合、中国はなすすべもなく負けてしまうことははっきりしています。空母や艦船も、戦闘機も、戦車も、前近代的なものばかりで、日本近海での海戦、空戦では、中国は日本の自衛隊にも惨敗してしまう程度の実力です。

サイバー部隊も、アメリカのほうがはるかに優秀です。優秀な人材の、奥行きも幅も、到底中国には及びもつきません。

中国は将来の有望な市場になるという考えもありますが、そんなのはいつのことになるやらわかりません。それにもともと、アメリカのGDPに占める輸出の割合など、数%に過ぎません。

その数%のうちのさらに中国向けということになれば、ほんの微々たるもので、世界一の経済大国のアメリカからすれば、中国向け輸出があろうが、なかろうが、そんなものは誤差の範囲に収まる程度のものです。

アメリカの対中国輸出は誤差の範囲内


たとえ、これから10倍に伸びたとしても、誤差の範囲のようなものが10倍に増えたからといって、そんなものは微々たるものです。そのようなものを当て込んで、中国にモノが言えないとしたら、本末転倒も甚だしいです。

それに、このブログでも何度も掲載しているように、中国の現体制はとうていこれからも継続するとは考えられません。おそらく、中国は分裂するとみるのが妥当です。分裂しなかったにしても、現体制は近い内に崩れます。昨日も示したように、中国の西端には第二イスラム国の脅威が忍び寄っています。

そんな現体制の中国に、遠慮したりおもねたりするのは、全く愚かなことです。そんなことは、インテリジェンス面でも、優れたアメリカはしっかりと認識していると思います。しかし、オバマは理解していないようです。

それにしても、オバマの前まではまだ良かったです。たとえば、ブッシュ大統領のときは、悪いこともありましたが、少なくとも中国に対しては、一線を引いていしました。

ブッシュ大統領は、少なくとも年一回くらいは、会見を開いて、中国に対して、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関して、注文をつけ、まともになるように促していました。

ブッシュ大統領

このまま、オバマが中国の習近平と9月の会談にのぞめば、またまた及び腰で、まともな対応は期待できません。

このブログでも示したように、アメリカは今後しばらく、軍事費を削減します。その記事のリンクを以下に掲載します。
「米国の抑止力、とりわけ日本に対するそれを低下させる」中国軍の戦力増強に危機感-米委員会が年次報告書―【私の論評】国内の増税見送り、解散総選挙で見逃され勝ちな世界の動き、アメリカ議会の動きを見逃すな!アメリカは、日本の改憲を望んでいることを忘れるな(゚д゚)!
海岸防衛から大洋海軍を目指す中国海軍
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にアメリカの軍事予算はすでに減っているし、これからしばらくは削減されることはあっても、増大することはないことを示す部分のみ引用します。

 

この、グラフを見てもわかるように、アメリカの国防予算は、減少傾向です。 
米国防総省(ペンタゴン)のヘーゲル国防長官は昨年2月24日、陸軍の兵力を現在の約52万人から44万─45万人規模に削減、実現すれば、米陸軍の規模は第2次世界大戦に参戦する前の規模に縮小すると発表しました。今後10年間で約1兆ドル(約102兆円)の歳出を削減する案を模索中で、2015年度の国防予算は約4960億ドル(約51兆円)といいます。 
昨年の3月1日、オバマ大統領は予算管理法(Budget Control Act)によって規定されていた「sequestration」条項の発動に追い込まれました。 
この「sequestration」という用語は、多くのアメリカ国民にとってもなじみの薄い言葉であり、もちろん日本ではさらに聞きなれない言葉です。英和辞典にはこの単語の訳語として「隔離、流罪、隠遁、(法)係争物第三者保管、財産仮差し押さえ、接収、(医)腐骨化、(化)金属イオン封鎖」といった訳語が列挙されていますが、今回発動された「sequestration」には、「強制歳出削減」あるいは「自動歳出削減」といった訳語が与えられています(本稿では「強制削減」と呼称します)。 
強制削減は、アメリカにおいて史上初めて実施されることになりました。そのため、その本当の影響はなかなか理解しにくいと言われています。 
アメリカでは、今回の強制削減の発動は金融・経済界ではすでに織り込み済みであり、アメリカや世界の株式市場や経済動向に対する影響はそれほど深刻なものではないといった見方がなされています。しかし、最大の削減対象となる国防関係は極めて甚大な影響を受けることになり、アメリカ軍事戦略そのものの修正を余儀なくされかねない状況に直面しています。
及び腰のオバマはこれからも任期中は、まともな外交は期待できません。さすがに、9月の習近平との会談では、一方的におもねるようなことはないでしょうが、さりとて、厳しく抗議するということもないでしょう。

オバマ大統領の任期は2017年1月までです。まだ結構あります。これまでの期間、アメリカはまともな外交はできないでしょう。

尖閣問題では、オバマはこれからも、結局何もしないでしょう。そうなると、日本は今国会でも論争になっている安保法案を成立させて、米国だけではなく、インド、オーストラリア、ASEAN諸国なども含めて、集団的自衛権を行使できるようにして、中国を封じ込めなければならないはずです。

次の大統領はオバマよりはましでしょうが、それでも、どの程度まともに中国に対峙するかはまだ見えません。及び腰オバマの在任中にどれだけ、中国がつけあがり、何をしでかすかなど分かったものではありません。

転ばぬ先の杖という言葉もあります。かねてより、このブログでは集団的自衛権は、人権と同じく、自然権であり、憲法や法律が成立する以前の根源的な権利であることを主張してきました。日本でも、これを当然として、議論をすすめなければなりません。

オバマにより、世界の平和は危機にさらされています。今こそ、野党もマスコミも、そうして無論国民も、日本の安全保証に関する問題を真摯に論議し、日本の平和や安定はもとより、アジアの平和と安定と繁栄を確かなものにするため、現実に真摯に向き合うべきだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年4月20日月曜日

危機的状況の中国経済 “外資流出”対処に必死 追加緩和もガタガタ―【私の論評】習近平と岡田には、何も新しいことは発信しないという共通点が!このままでは、両者とも座して死を待つばかり(゚д゚)!


習国家主席は危機的状況の中国経済をどう立て直すのか

中国経済が危機的状況を深めている。中国人民銀行(中央銀行)は金融機関から預金の一定割合を強制的に預かる預金準備率を20日から1・0%引き下げる金融緩和策を打ち出した。外資の流出への対処に必死な様子がうかがえ、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本の参加を求めている理由もこのあたりにありそうだ。

中国は1~3月期国内総生産(GDP)成長率が7・0%と6年ぶりの低水準に落ち込んでおり、預金準備率を引き下げることで、企業が金融機関から資金を借りやすくするのが狙いだ。

中国では預金準備率を0・5%ずつ上げ下げするのが一般的で、1・0%も一気に引き下げたのはリーマン・ショック直後の2008年11月以来。世界的な金融ショック並みの危機感を中国当局が抱いていることになる。

人民銀は昨年11月と今年3月に利下げも実施しており、立て続けの緩和策を打ち出した。

さらには鉄道など大型公共事業の認可といった景気下支え策を連発、株価こそ急騰しているものの、目立った効果は表れていない。通貨供給量は政府目標を下回っており、中国からの外資の流出が止まっていない様子がうかがえる。

週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「インフラ投資以外に成長産業分野が存在しない中国の矛盾が噴出するなか、AIIB設立で解決しようとしている」と指摘する。

習近平国家主席はインドネシアで開かれるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の首脳会議に出席、安倍晋三首相と接触する可能性もある。AIIB参加を直接頼むのかも注目されそうだ。

【私の論評】習近平と岡田には、何も新しいことは発信しないという共通点が!このままでは、両者とも座して死を待つばかり(゚д゚)!

上の記事では、中国経済の現在の危機的状況のみを掲載していますが、その原因については語っていません。原因に関しては、あまりにも馬鹿馬鹿しいというのが事実で、ここでうだうだと説明しません。以下に、これを説明する上念司氏の動画を掲載します。


さて、上の動画で解説しているように、非常に馬鹿馬鹿しいことにより、中国の経済は崩壊するのは、最初からわかっていたことであり、それが日本の金融緩和をきっかけとして、いよいよ表に出てきたというのが、今の中国の姿です。

そうして窮余の策として、ブログ冒頭の記事にあるように、「インフラ投資以外に成長産業分野が存在しない中国の矛盾が噴出するなか、AIIB設立で解決しようとしている」のです。

今の中国にとっては経済を回復させるための窮余の策が、AIIBなのです。これがうまく行かなければ、中国経済は崩壊します。しかし、仮に米国や日本がこれに参加して、うまくいったにしても、これも一時しのぎにしかなりません。中国経済崩壊までの期間を一時的に伸ばすだけです。

実は、2008年のリーマン・ショックにより、中国の経済は崩壊していたのですが、それを何とか自転車操業的に最近まで引き伸ばしてきたものが、日本が金融緩和に転じたため、円安・デフレ解消方向に向かったため、これにより、元々駄目な中国の経済が窮地に陥っているので、それを何とかしようとしてAIIB構想をぶちあげたわけです。

こんなバスなら乗り遅れたくないが、AIIBは?

しかし、中国が後ろ盾となるインフラ投資銀行では、格付けも低くなるため、資金調達コストが高くなるため貸出金利も当然高くなります。これでは、最初から他の国際金融機関との競争に負けており、勝負にならないわけですし、自国の金融もままならない中国は、国際金融のノウハウもほんどないわけで、これは、最初から頓挫するのが決まったようなものです。

安倍晋三首相は20日夜のBSフジ番組で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、「疑問が残されたまま入っていいことはない」と述べ、参加に慎重な姿勢を重ねて示しています。米国は、オバマ大統領が入ろうとしたとしても、議会の厚い壁があるので、ほんど絶望的です。これで、中国は最後の頼みの綱も絶たれたわけです。

ところで、民主党の岡田克也代表は本日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について「6月末の設立協定制定に影響力を発揮できるのであれば、今から交渉に加わるのも選択肢ではないか」と述べたそうです。「主要7カ国(G7)の協調が日本が入る前提だ」とも語ったそうです。

本日午前、早稲田大学で公演する岡田民主党代表

一体どうなっているのでしょう。もし民主党政権が続いていたなら、喜び勇んですぐに加入したと思います。まさに、中国の思う壺ですね。

こんなことしか言えないからでしょうか外国人記者からは、岡田氏の言動は物足りないようです。岡田克也代表は本日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見を行っています。外国メディアの記者からは「民主党から(安倍政権の政策への)代替案が出てこない。国民を興奮させる政策を打ち出すべきだ」などと批判が続出しました。

岡田氏は「次の選挙を考えたときに、有権者が興奮するが、実はあまり中身のない政策を打ち出すべきか。それとも、冷静に判断してもらえる正直な政策、ただ、あまり興奮はしないかもしれない政策を打ち出していくべきか。これは重要な選択肢だ」となどと反論しました。

ただ外国メディア記者からは「自民党との差別化を図るべきだ」などの注文が相次ぎ、岡田氏は「違いは示している。人口減少、財政危機などについて誠実に応え、夢が持てる政策を打ち出していく」と説明しました。

日本外国特派員協会で記者会見する民主党の岡田代表
確かに、民主党は自民党を攻めきれていないです。これでは、まともに野党の役割は果たせていませんし、果たせないです。

それにしても、習近平も岡田氏にも共通点があるようです。中国も、民主党も危機に貧しているのですが、岡田氏といういうか、民主党は自民党に変わる代替案も出せず、国会では政策論争はほとんどできず、くだらない個人攻撃ばかり繰り返しています。本当は危機的状況なのに、まるでそうではないかのように、何も新しいことを発信しません。

中国も表面的には、変わっているものの、海外からの金を導入して、インフラ整備することで経済を発展させることばかり考えて、内需を拡大することを全く考えていません。何も新しいことを発信しません。そういわれてみれば、民主党もなぜか、金融緩和は内需拡大策でもあるのに、これには消極的です。

これでは、両者とも座して死を待つばかりです。習近平と岡田は、こんなことでリーダーといえるのでしょうか。情けない限りです。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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週刊ニューズウィーク日本版 「特集:中国の新常態」〈2015年 3/31号〉 [雑誌]
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トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能性も...「本当に怖い存在」習近平の中国との関係は?―【私の論評】発足もしてない政権に対して性急な結論をだすべきではない

トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能性も...「本当に怖い存在」習近平の中国との関係は? まとめ トランプ次期大統領はNATO加盟国に国防費をGDP比5%に引き上げるよう要求し、ウクライナへの支援は継続すると伝えた。 現在のNATOの国防費目標はGDP比2%であり、ク...