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2018年9月21日金曜日

北方領土問題は今度こそ動くのか 「2島返還論」のタブーを解禁するとき―【私の論評】GDPが東京都より若干小さい小国ロシアを文字通り小国にすれば、北方領土はすぐ返還される(゚д゚)!

「2島返還論」のタブーを解禁するとき

北方領土の国後島を訪問したロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領
(当時、2010年11月1日撮影、資料写真)

 自民党総裁選挙で、安倍首相が3選された。3期目に積み残した課題は多いが、その1つは北方領土問題だ。9月12日にウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムで、ロシアのプーチン大統領は、突然「前提条件なしで年末までに平和条約を結ぼう」と提案したが、安倍首相はその場では答えなかった。

 これについて総裁選挙では、石破茂氏が「領土交渉が振り出しに戻った」と批判したのに対して、安倍首相は「ロシアはいろんな変化球を投げてくるが、ただ恐れていてはだめだ」と否定的ではなかった。1956年の日ソ共同宣言から動かなかった北方領土問題は、今度は動くのだろうか。

北方領土は「日本固有の領土」か

 多くの日本人は「歯舞・色丹・国後・択捉の北方4島は日本固有の領土だ」という政府見解を信じているだろうが、問題はそれほど自明ではない。歴史的には、この4島に日本人が住んでいたことは事実だが、国境線は動いた。

 外務省ホームページによると、1855年、日魯通好条約で、択捉島とウルップ島の間の国境が確認された。1875年の樺太千島交換条約では、千島列島をロシアから譲り受ける代わりに樺太全島を放棄したが、1905年のポーツマス条約では日本が南樺太を譲り受けた。

 1945年2月のヤルタ会談で南樺太と千島列島をソ連の領土にするという密約が結ばれたが、これには法的根拠がない。1945年7月のポツダム宣言では、日本の主権が「本州、北海道、九州及び四国並びに連合国の決定する諸島」に限定されると規定したが、この宣言にソ連は署名していない。

 日ソ中立条約に違反して1945年8月に参戦したソ連は、北方4島を武力で占領したが、その後も日本とは平和条約を結んでいない。1951年のサンフランシスコ平和条約で日本は「千島列島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄」したが、この条約にソ連は参加していない。

 1956年の日ソ交渉では、領土問題について日ソ間で意見が一致する見通しが立たないため、戦争状態の終了と外交関係の回復を定めた日ソ共同宣言を締結した。このとき「歯舞群島及び色丹島は平和条約の締結後、日本に引き渡す」と明記されたが、国後・択捉については何も決まっていない。いつまでも日ロ関係を混乱させている北方領土問題とは、この2島の問題に過ぎないのだ。

2島返還論という「変化球」

 プーチン大統領の提案は「平和条約を結んでから領土問題を話し合おう」というものだが、2島を「平和条約の締結後、日本に引き渡す」という約束を実行するなら検討に値する。彼は「いま思いついた」と言ったが、このように重要な問題について思いつきで発言するとは考えにくい。おそらく日ロの事務レベルでは合意できなかったので、彼の独断で提案したのだろう。

 その真意は分からないが、最近のロシア経済の苦境から推定すると、平和条約を結んで経済を回復しようということかもしれない。ロシアはずっと「クリル諸島(千島列島)はすべてロシアの領土だ」と主張しており、クリル諸島には北方4島がすべて含まれているので、歯舞・色丹を返還するだけでも彼らにとっては譲歩だ。

 だが日本政府の定義では、4島は千島列島に含まれないので、2島だけ返還すると「固有の領土」である国後・択捉を放棄することになる。2島返還論は外務省がずっと否定してきたもので、自民党も反対してきた。ところが今回、自民党でも右派と見られていた安倍首相が、これに前向きともとれる態度を取ったのは意外だ。

 日本政府が4島返還の原則を変えない限り平和条約は締結できないが、国後・択捉を返還されても日本人が移住することは困難で、経済的メリットはほとんどない。割り切って考えると、安全保障と2島の領有権のどっちが重要かというバランスの問題だろう。

「4島か2島か」より大事な問題

 2島返還論は、この62年間タブーだった。「それは戦後のドサクサにまぎれてソ連が不法占拠した主権侵害を事後承認するものだ」という主張は、筋論としては正しいが、それが日本政府の一貫した方針だったわけではない。

 サンフランシスコ条約で「千島列島」の領有権を放棄したとき、国会で吉田茂首相は南千島(国後・択捉)は千島列島に含まれると答弁した。日本も一時は、2島返還で平和条約を結ぼうとしたという説もある。

 2016年の日ロ首脳会談のときプーチン大統領は、1956年の日ソ交渉のとき、アメリカのダレス国務長官が重光外相に「もし日本がアメリカの利益を損なうようなこと(2島返還)をすれば、沖縄は完全にアメリカの一部となる」と述べたと記者会見で語った。つまりアメリカは2島返還で平和条約を結ばないよう、日本に圧力をかけたというのだ。

 これが「ダレスの恫喝」といわれる話で、プーチン大統領がそれを引き合いに出したのは、「日本も本当は2島返還を考えていた」と言いたいのだろうが、そういうアメリカ政府の方針は外交文書で確認できない。そういう経緯があったとしても、2島返還を正当化する根拠にはならない。

 それより大事な問題は、もし歯舞・色丹が返還されたら、そこに自衛隊や米軍の基地を設置するのかということだ。これはロシアにとっては脅威になるが、日本にとっては2島返還でも基地を置くことができれば重要な意味がある。領土問題は国家主権の問題であるとともに、日米同盟の問題である。

 原則論としては、4島返還が正しい。ここで日本が妥協すると、今後ロシアとの外交交渉でなめられるという懸念もあるだろう。だが日本とロシアのような大国間で平和条約が締結されていない状況は異常であり、安全保障の上で問題がある。

 平和条約では領土を確定するので、そこに2島返還を書けばいい。かつて日ソ中立条約を破って参戦したロシア人だから約束を守らないかもしれないという不信感もあるが、そういうことを言い出したら外交交渉はできない。このへんは外交テクニックの問題だろう。むしろ障害は、これまで固く2島返還を拒否してきた外務省にある。

 北方領土は、プーチン大統領と信頼関係を築いた長期政権の安倍首相にしか解決できない厄介な問題だ。そろそろタブーは解禁し、2島返還論を議論してもいいのではないか。

【私の論評】GDPが東京都より若干小さい小国ロシアを文字通り小国にすれば、北方領土はすぐ返還される(゚д゚)!

上の記事を書かいた方、なぜロシアがあそこまで北方領土の返還を渋るのかその理由がわかっていないようです。それがわかり、それに対象する方法を実行すれば、意外と北方四島はすんなりと返ってくるかもしれません。

ロシアがかたくなに北方領土返還を拒む理由筆頭は、軍事的理由を挙げることができます。

ロシアの核戦略上、北方領土が接するオホーツク海が極めて重要な位置を占めているのだ。これが、北方領土返還を嫌がる隠された理由です。

オホーツク海に潜むロシア太平洋艦隊所属の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)は、米本土を核攻撃できます。ロシアにしてみれば、北方領土、とりわけ、オホーツク海に面する択捉島、国後島の2島を日本に返還することは、ロシアの戦略原潜の安全にとってマイナスになってしまうのです。これが北方領土問題をややこしくしているのです。
 
この問題は冷戦時代に遡ることらができます。SSBNは、潜水艦の特性から海面下に潜むことができ、核戦争の最後まで生き残りを図ることができます。

そのため、冷戦時には、米ソ戦の決をつけるべく両国は相手国が最終的な核攻撃を行うか、この残存を梃子に戦争終結交渉に持ち込むかするだろうとみていました。まさに、最終的な核攻撃の前に、SSBNは、最後の切り札の役割を担うと考えられていたのです。
 
ソ連の海軍戦略は、このSSBNの安全確保を最重要の柱として組み立てられました。この作戦構想は、その区域には何ものも入れない、いわゆる『聖域化(たとえばオホーツク海の聖域化)』であり、専門用語では『海洋要塞戦略』と呼ばれました。

極東においても『海洋要塞戦略』の登場により、オホーツク海およびその周辺海域が、核戦略上の中核地域となるに至ったのです。

地上戦に敗れるようなことがあっても、SSBNの安全が確保されるかぎり、第二次大戦のドイツや日本のように無条件降伏を押し付けられることはない。そのような要求には『相互自殺』の脅しをもって応えることができるからです。

ソ連のアメリカに対する核戦略上の「最後の切り札」が、オホーツク海に潜む戦略原潜(SSBN)だったのです。そして、ソ連が崩壊してロシアになった今でも、この構図は基本的に変わりません。だからこそ、ロシアは今でも北方領土を返還することを渋るのです。

このあたりを認識した上で、産経新聞の論説副委員長・榊原智が四島返還の決め手について現実的な提案をしています。その記事のリンクを以下に掲載します。
【風を読む】四島返還の決め手はこれだ 論説副委員長・榊原智
北海道・根室半島の納沙布岬(左下)沖に浮かぶ
北方領土の歯舞群島=2016年12月、北海道根室市

この記事比較的短いので全文以下に引用します。
 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が22回目の会談をしたが、北方領土問題の進展はなかった。それどころかプーチン氏は、領土問題棚上げの平和条約締結という身勝手な提案をする始末である。 
 中立条約を破って侵攻し、不法占拠を続ける旧ソ連・ロシアが悪いに決まっているが、憤っているだけでは始まらない。そこで北方四島返還につながる秘策の一端を披露してみたい。 
 戦後日本の対露交渉上の問題点を、安倍政権も抱え込んでいる。ロシアにとっての北方領土の軍事的価値を十分に意識せず、その価値を突き崩す努力をしてこなかったという点だ。 
 ロシア人は日本人の想像以上に軍事を重視する。北方四島の広さの93%を占める択捉、国後両島はオホーツク海に面しており、この海にはロシアの核ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN、戦略原潜)が潜んでいる。北欧のバレンツ海に配備された戦略原潜と並ぶ、対米核攻撃用の虎の子だ。 
 米国がロシアに先制核攻撃をしても戦略原潜は生き残って米本土に報復核攻撃を行う。この死活的に重要な戦略原潜があればこそ、ロシアは米国の核攻撃を抑止でき、最悪でも無条件降伏を免れると考え、自国を米中両国と並ぶ「大国」と見なすこともできる。 
 択捉、国後両島の返還が実現すれば自衛隊や米軍がオホーツク海で潜水艦狩りをしやすくなる。日本がそれはしない、北方領土に基地も置かないという約束を持ちかけても、自国の国防の根幹と世界的地位に関わるためロシアは決して同意することはないだろう。 
 では、日本はどうすべきか。防衛省自衛隊の知見を対露外交に取り込むべきだ。知恵を絞って先端の科学技術で自衛隊の能力を高め、有事には北方領土を利用せずともオホーツク海に潜むロシアの戦略原潜とそこから発射される核ミサイルを迅速に無力化できる態勢を黙って整えればいい。これは専守防衛に反しない。共同経済活動よりも有効な返還促進策であり、対露交渉が進むこと請け合いだ。
これは、かなり現実的です。 確かに、有事には北方領土を利用せずともオホーツク海に潜むロシアの戦略原潜とそこから発射される核ミサイルを迅速に無力化できる態勢を整えれば、ロシアが北方領土にこだわる理由はないし、これと北欧のバレンツ海に配備された戦略原潜も無効化できようになれば、ロシアは名実ともに小国になり果てるからです。

ロシアが小国というと、怪訝に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のロシアは経済的にみても、科学技術や国の体制や人口をみてもとても大国とはいえません。小国と呼ぶのがふさわしいです。

なぜなら、まずはGDPは日本の東京都よりも若干小さいです。韓国と東京都はだいたい同じくらいのGDPです。現在のロシアのGDPはなんと韓国よりも若干小さなくらいの規模なのです。

そうして、産業構造は過渡に石油や天然ガスに頼る状況であり、その他は軍事技術は別にして、さしたる技術などありません。その意味ではまさしく発展途上国と言っても良いくらいです。

さらに、人口は1億4千万人であり、日本の1億2千万人より若干多いくらいです。あの広大な領土にこの人口です。これは、中国には遠く及ばないですし、インドにも及びませんし、米国にも及びません。

これでは、とてもロシアを大国などとよぶわけにはいきませんが、ただし上の記事にもあように、米国がロシアに先制核攻撃をしても戦略原潜は生き残って米本土に報復核攻撃を行います。この死活的に重要な戦略原潜があればこそ、ロシアは米国の核攻撃を抑止でき、最悪でも無条件降伏を免れると考え、自国を米中両国と並ぶ「大国」と見なすことができているのです。

このことだけが、かろうじて現在にのロシアが「大国」扱いされるわけですが、それを除けば、ロシアの実体は小国と呼ぶにふさわしいです。

ロシアの戦略原潜

そうして、ロシアの原潜の潜むバレンツ海とオホーツク海の聖域を完璧に無効化してしまえば、ロシアは名実ともに小国になるわけです。そうなれば、経済大国日本が交渉すれば、ロシアは4島返還にも応ずることでしょう。

そのような状況になれば、なんといっても一番の脅威は中国です。ロシアは世界でもっとも長く中国と国境を接している国でもあります。中国もロシアのように一人あたりのGDPでは米国はおろか日本にも及ばないですが、それでも人口が13億79百万人と桁違いに多いです。

さらに、最近では経済力を伸ばし軍事力も伸ばしています。現在のロシアにとって、最大の軍事的な脅威は、中国です。

今のところは、ロシアは「大国」扱いで、中国がロシアの領土等に対して野心を抱いたにしても、かなり簡単に屈服させることができます。しかし、将来はどうなるかはわかりません。現状でも、ロシアと中国の国境があいまいになり、多数の中国人がロシア領に越境して、様々な活動や事業を実施しています。この状況は国境溶解として、このブログでも以前紹介したことがあります。

日日中国の脅威が増しつつあるロシアでは、いずれ中ロ関係を大事にするより、日米英同盟に接近することも十分考えらます。

さて、ロシアのオホーツク海の戦略原潜の聖域無効化する方法ですが、これについては榊原智氏も明らかにはしていません。

まず最初に考えられるのが、潜水艦です。南シナ化では、すでに日米の潜水艦がチョークポイントに潜み、中国の原潜等の監視にあたるほか、訓練なども行い、中国の喉元にあいくちを突きつけたような状況にあることこのブロクでも解説しました。

このように、日米がオホーツク海に多数の潜水艦艦を配置するというやり方もあると思います。ただし、中国は未だに南シナ海を中国の戦略原潜の聖域には未だしていません、というか出来ない状態にあります。

未だ中国が聖域化していない海域に、日米が潜水艦を配置したとしても、軍事的な対立は起こりにくいですが、すでにロシアが聖域化しているところに日米が潜水艦隊を常駐させるようなことをすれば、軍事的な緊張が極度に高まることになります。ただし、ロシアの対潜哨戒能力は日米と比較してかなり低いですし、ロシアの経済規模からすれば、これに対応することは限られています。実際に潜水艦を配置されてしまうと、ロシアは太刀打ちできなく亡くなるのは事実です。

これに変わる方法はないかと考えてみましたが、あります。それについては、以前もこのブログで紹介したことがあります。その記事のリンクを掲載します。
潜水艦の時代は終わる? 英国議会報告書が警告―【私の論評】水中ドローンが海戦を根底から覆す(゚д゚)!
海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」

 これまでの「対潜水艦戦」(以下、ASW)は、少数の艦艇および有人機によって実行されていた。これらの仕事は、広大な荒野で逃亡者を探す少人数の警察のようなものだった。最も可能性の高い逃走ルートや隠れ家に戦力を集中させて、幸運を祈るだけであった。
 
 しかし、安価な無人機の登場によって、逃亡者の逃走は不可能になる。一人ひとりの探知能力は低いものの何千人もの応援が警察の側につき、隅から隅まで全域を探索するようになるからだ。 
 小型偵察ドローンが米軍を中心に増加している。精密攻撃が可能な小型無人機もイスラエルなどで登場してきている。
 しかも最近の米国防総省は、大量の小型ドローンを「群れ」として使う研究を進めている。例えば、米海軍は「コヨーテ小型偵察無人機」というASW対応の小型無人機を開発した。コヨーテ小型偵察無人機は哨戒機から投下されるや飛行形態に変形し、熱センサーで水温を測定し、風速・圧力などの様々なデータを収集可能する。 
 そもそも偵察機を飛ばす必要はなくなるかもしれない。米海軍が開発した小型水上無人機「フリマ―」は、今までASWの主力であったソノブイ(対潜水艦用音響捜索機器)の代替になる可能性がある。
 また、やはり米海軍が開発した「セイル・ア・プレーン」は、飛行機であると同時に偵察時は水上で帆を使って帆走し、太陽発電と波力発電で充電できる偵察機である。
 水中グライダー式の小型無人機もある(水中グライダーは推進機を持たず、浮力を調整することで水中を上下しながら移動する)。大阪大学の有馬正和教授が開発した「ALEX」は低コストの水中グライダーである。有馬教授は、1000ものALEXのような無人機の群れで構成される巨大な共同ネットワークで海洋研究調査を行うことを提唱している。
このような空中、海上、水中のドローンを開発して、 自衛隊の能力を高め、有事には北方領土を利用せずともオホーツク海に潜むロシアの戦略原潜とそこから発射される核ミサイルを迅速に無力化できる態勢を整えるのです。

分解したシーグライダー(水中ドローンの一種) ワシントン大学応用物理研究室が、
地球温暖化による氷河の変化を観察するため開発したもの  軍事転用もすすみつつある

無論最初は潜水艦等とドローンの混成であっても良いと思います。聖域から比較的離れたところに日米潜水艦隊が潜み、多数のドローンが隠密裏に聖域を常時監視し、何かあればすぐにドローンが潜水艦に連絡し、潜水艦や艦艇、航空機がすぐに攻撃をするという方式でも良いと思います。

ただし、将来は監視から攻撃までドローンがすべて行うという方式が望ましいと思います。これによって、ロシアの潜水艦は誰から攻撃されているかも、いつ攻撃されたのかもわからないうちに、海の藻屑と消えているような方式が望ましいと思います。

監視型、攻撃型のドローンを数百から数千もオホーツク海のロシアの戦略原潜の聖域に常時設置して、普段から哨戒任務にあたらせ、もしものことがあればすぐに原潜とミサイルを攻撃して無力化できるようにするのです。

そうして、実際にオホーツク海で多数のドローンを用いた演習をして、ロシア側にみせつけるのです。

これは、「はやぶさ」で惑星探査ができる技術力を持つ日本ならば、短期間のうちにできるはずです。

これにより、ロシアを文字通り小国化することができます。小国化したロシアは、日米と対立するよりは、日米に接近し、中国の脅威を払拭したいと考えるに違いありません。そのときに、日本がロシアと北方領土交渉すれば、かなり有利に交渉できるのは間違いありませんし、おそらく北方四島は日本に返還されるでしょう。

しかし、こうしたことをしないで、返還交渉をしたとしても、二島返還ですら相当難しいと思います。今こそ、発想の転換が必要です。

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2016年1月11日月曜日

露の国家基金「2019年初めに底つく」 資源頼み、欧米制裁…プーチン政権さらに窮地―【私の論評】小国ロシアの底が見え始めた最近のプーチンが、軍事的存在感の増加に注力するわけ?


ロシア プーチン大統領

2008年のリーマン・ショック時にロシア経済を下支えた、石油や天然ガスの税収を基盤とする露政府の基金が19年にも枯渇する見通しであることが明らかになった。財政赤字を補填(ほてん)するための基金からの支出に歯止めがかからないことが原因だが、資源収入頼みの経済政策の行き詰まりが背景にある。欧米の制裁で基金に要請が急増している企業支援も困難になる可能性があり、プーチン政権にも痛手となりそうだ。

露政府は石油・ガスの採掘・輸出税収が潤沢な際にその一部を積み立てており、赤字補填に使う「予備基金」と、景気刺激策に利用する「国民福祉基金」の2つの国家基金を抱えている。ロシアはリーマン・ショックの直撃で09年には経済成長率がマイナス7.9%に落ち込んだが、その後政府が実施した巨額の景気対策の原資となったのが、これらの基金だ。

しかし露中央銀行がこのほど発表したリポートによると、政府は15年1~10月に赤字の埋め合わせに予備基金から1兆5600億ルーブル(約2兆4400億円)を使い、16年にはさらに2兆1370億ルーブルを使うと予測。このペースで支出を続ければ、17年には国民福祉基金も赤字補填が必要となり、「19年初めには両者が底をつく」と指摘した。

露政府の見通しの甘さも事態の悪化に拍車をかけた。政府が昨年10月に承認した予算原案は原油価格を1バレル=50ドルに設定。現在は同30ドル台で推移し、この水準が維持されれば、石油・ガス関連の税収が想定を大幅に下回るのは確実だ。

さらに基金には欧米の経済制裁で資金調達が困難になった企業から「次々に支援要請が来ている」(日露貿易筋)状況とされる。制裁発動後、国営石油最大手ロスネフチや独立系天然ガス企業ノバテクなどが相次ぎ露政府に支援を要請。ドボルコビッチ副首相は「石油や輸送、農業分野の企業まで支援の原資として基金に言及しているが、すべてに足りる訳がない」と警告したが、企業や金融機関向けの複数の支援が承認されたもようだ。経営危機にある政府系の開発対外経済銀行(VEB)も、基金からの支援が見込まれている。

融資は返済を前提としているが、金額が増大すれば基金の運用が圧迫されるのは必至。基金の存続が困難になれば国家による企業支援も難しくなり、露経済には大きな痛手となる。

【私の論評】小国ロシアの底が見え始めた最近のプーチンが、軍事的存在感の増加に注力するわけ?

衰退するロシアのGDP

ロシアの国旗柄の水着
上の記事を見ていて、気になるのかGDPです。どのような状況にあるのか、以下に掲載します。まずは、以下にロシアの最近のGDPの推移などについて掲載します。

ロシア政府は昨年11月15日までに、昨年7~9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比で4.1%減少したと報告していました。3四半期連続のマイナス成長で、同国経済が深刻な後退局面にあることを改めて示していました。

ただ、今年第2四半期の4.6%減と比べ、下げ幅は改善しており、最悪の不況期は脱したとの見方もエコノミストの間に出ていました。第3四半期の改善は製造業の盛り返しが要因とも見ていました。

ロシア経済は2014年以来、ウクライナ危機などに伴う欧米諸国の経済制裁発動や原油価格の低下に伴って悪化していました。ロシアのメドベージェフ首相は昨年4月、経済制裁の影響で同国は1000億米ドルを超える損失を被るとの推定数字も明らかにしていました。

ロシアが主要な歳入減としている原油価格は昨年半ば以降、60%も急落。自国通貨ルーブルもドルに対し暴落しており、同年初期以降、半値の水準となっています。インフレ率も急騰していました。

国際通貨基金(IMF)はロシアのGDPは昨年通年で3.8%のマイナス成長になると予測。今年は0.6%縮小するとも予想していました。インフレ率については今年が15%増、来年は平均で8.6%増とし、国民の家計に打撃を与えると見ていました。

今年も引き続き、厳しい状況に見舞われるのは確実のようです。

一方世界比較ではどのような状況なのか、以下に掲載します。このデータは、2014年年末のものです。

2014年度のGDPランキングには例年と比較して2つの特徴がありました。1つは、それまで著しくGDPを伸ばしてきて、それがブーチン人気にもつながっていたロシアが、ウクライナ問題により、西側諸国による経済制裁の挟み撃ちを受け、世界第8のエコノミーとしての 座から後退し、世界トップ8から転落する兆しを見せたことです。もう1つは、日本と中国のGDP差が拡大し、日本のGDPが中国の半分に満たなく なっていることでした。

ロシアのGDPのランクには、国際原油価格の下落と西側諸国による制裁が主に影響していいました。さらに、ロシア国内の消費需要にも落ち込みが見られました。

この時期日本と中国のGDP差が広がっていた主な要因としては、日本円の対ドルレートがそれまでの2年で大きく下がったことによるものです。 アベノミクス実施の2年で日本のGDPは1兆2000億ドル(約140兆9000億円)縮小しました。さらにご存知のように、8%増税の悪影響もありました。
▽2014年GDPランキングトップ10(単位は兆ドル)

(1)米国 17.4
(2)中国 10.4
(3)日本 4.8
(4)ドイツ 3.8
(5)フランス 2.9
(6)英国 2.8
(7)ブラジル 2.2
(8)イタリア 2.13
(9)ロシア 2.06
(10)インド 2.05
日本のGDPが下がったことには、残念に思う人も多いと思います。中国の半分以下ということにショックを受けた人もいたかもしれません。

しかし、金融緩和政策を継続しつつ、8%増税をしたということで、円安になり、経済はマイナス成長をしたということが響いていると思います。本来、増税をしなけはれマイナス成長ということはなかったはずです。

しかし、日本の場合は輸出がGDPに占める割合は、15%程度ですし、円安ということになれば、輸出産業にとっては黙っていても、価格競争力がつくということで、良いことです。

さらに、円安ということになれば、日本は過去20年以上も対外金融資産(外国に貸し付けているお金)が世界一でしたが、円安ということで、これらの資産が日本国内に投資されるようになります。

さらに、従来輸入していたものも、国内から調達したほうが安上がりということで、国内産業が盛んになり、景気も良くなります。

日本の場合は、あまりにも長い間デフレだったので、それを治すための調整過程にあるということです。だから、これをもって日本の実力とするのはまだ時期尚早です。ましてや、これをもってアベノミクス大失敗などというのは大きな間違いです。

それと、中国の経済統計はかなりでたらめなので、実際の中国のGDPはかなり低く、現実にはドイツ以下の可能性すらあると指摘する経済学者もいるほどです。

話が横道にそれてしまいましたが、14年度においても、ロシアのGDPをみると、日本の半分以下です。2010年には、ロシアのGDPは世界10位にも入っておらず、インド以下でした。それが、最近の経済成長で、インドを追い越しました。しかし、2014年には伯仲しています。

2015年の統計はまだですが、おそらくインドに追い抜かれているどころか、世界10位の座からも落ちている可能性が濃厚です。

さらに、ロシアの経済は、日本のようにこれから良くなるという兆しも全く見られません。

ロシアは領土が広大なので、なぜか今でも大国と見られがちですが、その見方は間違いです。日露戦争の頃のロシアは確かに超大国でした。当時のロシアのGDPは日本の8倍でした。

しかし、そのロシアも今では、GDPは日本の半分以下です。円安の影響を勘案すると、実際には半分どころか、1/4程度とみなすのが、妥当だと思います。

日本より深刻なロシアの人口問題




そのロシアですが、人口は1億4千万人ほどです。日本の人口が約1億2千万人ですから、日本より2千万人ほど多い程度です。あの広大な領土と比較すると、本当に少ないです。

さらに、ロシアには大きな人口問題があります。日本の人口問題も深刻ですが、ロシアのそれは、日本のそれに輪をかけて深刻なものです。

2005年、日本の人口は1899年以来初めて減少し、人口減少社会が現実のものとなりました。今後は人口減少の問題が少しずつ深刻化してくると予想されます。

人口の減少は、日本をはじめとする一部の先進国に限られた問題ではありません。実はBRICsの一角を構成するロシアも同じ問題に直面しています。つい最近までのロシアは原油など資源価格が高騰していたので、資源供給国のロシアは高成長を謳歌していましたが、資源価格が下落したこれからは、人口減少の問題がロシア経済を直撃する恐れがあります。

ロシアの人口は、1950年代から80年代までは増加を続けていましたが、92年に1億4870万人近くでピークに達し、その後は減少傾向で推移しています。直近の2005年は1億4320万人(前年比マイナス0.46%)となっています。


今後は人口減少のスピードがさらに加速するとみられ、2050年には1億1180万人と90年時点の4分の3程度まで人口規模が縮小する見込みです。2005年時点でロシアの人口は日本の1.1倍となっていますが、今後人口減少が日本よりも各段に速いスピードで進むため、2050年には人口が日本(1億1120万人)と同程度の水準になります(図表)。

では、なぜロシアで人口の減少が進んでいるのでしょうか。その理由として、出生率の低下と死亡率の上昇が同時に進行、自然減少に歯止めがかからないことが挙げられます。

まず、出生率の低下ですが、これは1955年に妊娠中絶が合法化され、また70年代に子供を1夫婦につき2人までに制限することを推奨する政策がとられて以降顕著となりました。当時の政府は、人口爆発が発生して飢饉になることを恐れていたのです。

80年代には政府が出産を奨励する政策へと方向転換したため、出生率にやや改善の動きがみられましたが、90年代に入ると、旧ソ連崩壊後の混乱もあって経済的理由により出産を自主的に抑制する夫婦が増え、再び出生率の低下に直面しています。

また、平均寿命の短縮化も人口減少に拍車をかけています。もともとロシアは広大な国土に恵まれていながらも人間が生活していくにあたっての自然環境が厳しく、平均寿命はそれほど長くはなかったのですが、近年ではそれがさらに短くなってきています。

ロシアでは1965~66年平均の69.5歳をピークに寿命の低下が進行しており、90年に69.2歳、2000年に65.36歳、そして2002年には64.8歳となりました。平均寿命が今でも伸び続けている日本とは対照的です。

2002年では、日本人男性の平均寿命が78.4歳、米国人男性の平均寿命が74.6歳ですから、ロシア人男性は日本人男性に比べて20歳、米国人男性に比べて16.2歳も寿命が短いことになります。このまま平均寿命の短縮化傾向が続けば、ロシア人男性の寿命は、「人生50年」とのたまっていた織田信長の時代まで遡ってしまう恐れがあります。

男性の平均寿命の短縮化は、成人男性の死亡率上昇によるところが大きいと考えられます。背景には、健康に害を及ぼすアルコール濃度の高いウォッカの摂取量が増加していることがあります。実際、アルコール中毒による男性の死亡者は毎年相当数に上っており、夫婦の離婚の原因についても、最多の理由は夫のアルコール中毒です。

さらに、自殺率の上昇も男性の平均寿命を縮めています。世界保健機関(WHO)の調査によると、ロシアの自殺率は、90年の10万人あたり26.5人から95年に同41.5人と急上昇した後、2000年が同39.4人、2002年が同38.7人と高原状態にあります。2002年の年間自殺者数は5万5330人にも及びました。とくに男性の自殺率が高く、95年が10万人あたり72.9人、2000年が同70.6人、2002年が同69.3人となりました。2002年の国際比較をすると、ロシアはリトアニア(自殺率は44.7)に次いで世界で2番目に自殺率が高くなっています。

以上は少し古い資料ですが、今でも趨勢に変化はありません。

プーチンが、軍事プレゼンスに注力するわけ?


モスクワの独立空挺団に所属する24歳の女性兵士、Yulia Kharlamovaさん
経済でも、人口でも陰りの見えるロシアが今でも持てる力としては、軍事力が最大のものです。特に軍事技術に関しては今でもトップ水準にあります。

だからこそ、プーチンは、これを最大限に活かして、ロシアの優位を保とうと躍起になっているのだと思います。だからこそ、ウクライナや最近では中東で軍事的な行動に出て、ロシアの存在感を高めようとしているのだと思います。

とはいいながら、今のロシアは仮に経済が落ち込まなくても、すでにEUと軍事的にまともに対峙することはできません。無論、アメリカとは問題外です。

そうして、ご存知のように隣には、人口13億人の中国が控えており、中ロの国境は世界で最も長い国境線で接しています。

これらを守備するだけでも、とてつもない経済力と努力を必要とします。今や大国ではなくなった、ロシアには問題が山積しています。

日本は、今や小国と成り果てたロシアを等身大に見て、北方領土問題の返還など、強力に推し進めていくべきです。今後、5年くらいが、最大の山場かもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年3月24日月曜日

大国に媚びる朴大統領、クリミア情勢に異例のダンマリを決め込む体たらく ―【私の論評】すでにロシアは日本と比較しても大国ではない!安部総理にとって、朴槿恵はオバマに恩を売るための単なる一時的な外交上の道具に過ぎない(゚д゚)!

大国に媚びる朴大統領、クリミア情勢に異例のダンマリを決め込む体たらく 

反日には声高な朴槿恵大統領(右)だが、クリミアを
併合したロシアのプーチン大統領にはダンマリを決め込む

 朴槿恵(パク・クネ)大統領率いる韓国政府が、ウクライナ南部クリミア自治共和国を併合したロシアに対し、腰の引けた姿勢に終始している。併合に形ばかりの抗議声明を発表しているが、ロシア政府との高官協議ではクリミアの話題にすら触れなかったのだ。米国の同盟国であり、法の支配を重んじる旧西側諸国の一員としては異例の対応。まるで“プーチン恐怖症”に陥ったかのようだ。

 プーチン大統領がクリミア自治共和国のロシア連邦への併合を宣言した18日、ソウルでは、韓国外務省の李京秀(イ・ギョンス)次官補が、ロシアのモルグロフ外務次官と次官級政策協議に臨んでいた。

 「クリミアの問題は政策全般を議論する政策協議会の議題ではなく、ロシア側から特別な言及もなかった」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 韓国にとってロシアは、米国、サウジアラビアに次ぐ自動車輸出先第3位の魅力的な市場でもある。ウクライナ情勢を受けたルーブル安で輸出額は減少傾向にあり、クリミア併合への抗議でロシアの怒りを買うのは得策ではないというわけだ。

 最近も、韓国は手痛い思いを味わっている。

 ソチ冬季五輪のフィギュアスケート女子で、韓国の金妍児(キム・ヨナ)がロシア選手に敗れたことを受け、韓国のネットユーザーがプーチン氏のフェイスブック(FB)に批判の書き込みを集中させた。この直後、核兵器を搭載できるロシア空軍の戦略爆撃機が韓国の防空識別圏を飛行したため、韓国内では「プーチン氏が『FBテロ』に激怒した」との憶測まで飛び交った。

 大国におもねる韓国の外交姿勢は、対中外交でより顕著だ。

 前出の室谷氏は「その証拠に、中国によるチベット、新疆ウイグルへの弾圧、人権問題にも何も言わない」と指摘する。

 中国は韓国にとって最大の貿易相手国だけに、「韓国政府だけじゃなく、マスコミも一緒になって中国の人権問題を無視している」(室谷氏)のが実情という。

 韓国政府は、日本海について、韓国名「東海」も併記するようしつこく主張するが、中国沿岸部が接する黄海に関しては韓国名「西海」を併記するよう求めることはほとんどない。

 ご都合主義、ここに極まれり-と言いたくなる対外姿勢だが、それもこれも「韓国が日本は強くないと見ているから」(室谷氏)に他ならない。安倍晋三政権としては、日米韓首脳会談でも韓国におもねらず、毅然(きぜん)とした外交を続けるのが得策といえそうだ。

【私の論評】すでにロシアは日本と比較しても大国ではない!安部総理にとって、朴槿恵はオバマに恩を売るための単なる一時的な外交上の道具に過ぎない(゚д゚)!

このブログでも、何回か掲載してきたように、今のロシアは大国ではありません。GDPは日本の1/5、人口は一千万人日本より多い程度です。にもかかわらず、隣に人口13億人の中国が接しています。脆弱この上ないです。

これについては、詳細は以下の記事をご覧になって下さい。

安倍首相と習主席を天秤に したたかなプーチン大統領 北方領土は…―【私の論評】小国ロシアの外交に学ぼう!!だが、インド・アセアンと中国とを両天秤にかけて見せた安倍総理の外交手腕のほうが凄いかも!

大国でなくなったロシアなど、本来ならば、アメリカ+EUの敵などではありません。本気で戦争をすれば、すぐに負けます。そもそも、長期にわたる戦争継続能力などありません。

本来、オバマもEUも徹底的に強気に出ていれば、ロシアには選択の余地などなかったと思います。ただし、過去の大量の核の遺産があること、さらには、長期にわたる軍事技術の蓄積などがあるだけです。

これも、長期的に見れば弱体化していくのは目に見えています。だからこそ、プーチンは、日本などとの関係を強化したいと考えているのです。

こんな、ロシアに苦言の一つも言えない、朴槿恵はやはり、日本を舐めきっているのだと思います。韓国など、本来、軍事的にも経済的にも日本の敵ではありません。プーチンなみの強面外交などをするとか、軍事力を強化するなどのことをすれば、すぐに静かになります。それは、今や小国になり果てたロシアへの朴槿恵の対応をみていれば良くわかることです。

しかし、これに対しても安部総理は、着々と準備をしていると思います。それに関しては、昨日のこのブログの記事にも掲載しました。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一体どういうことなのか、抜粋して掲載させていただきます。
独立総合研究所の青山繁晴氏が安倍晋三総理大臣の恐るべき外交戦略を解説しています。 
青山繁晴氏は、安倍首相が従軍慰安婦問題の原因である河野談話の見直しをしないという発言を行ったのは朴槿恵大統領を日米韓首脳会談に引っ張りだし北朝鮮の崩壊を恐れているアメリカオバマ大統領に恩を売る為であり、また、ロシアがウクライナ領のクリミア自治共和国の編入に際して、日本が名目だけの制裁しかしていない理由もプーチン大統領に恩を売って北方領土返還に結びつけようとしていると解説しています。 
すべては、安倍首相の日本をアメポチから脱却させようとする深謀遠慮だと青山氏は解説しています。
本来小国ロシアは、大国米国の敵ではない

これに関しては、本日また新しい動きがありました。その動きを示している記事のURLを以下に掲載します。
首相「未来志向の関係に」 日米韓、初の首脳会談へ 新事実出れば新談話も
 安倍晋三首相は23日午後(日本時間同日夜)、政府専用機でオランダに到着した。オランダ・ハーグでの「第3回核安全保障サミット」などに出席。現地で、オバマ米大統領と、朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領との日米韓首脳会談を開く。出発に先立ち羽田空港で、同首脳会談について「未来志向の日韓関係に向けた第一歩としたい。東アジアの安全保障について率直な意見交換をしたい」と強調した。 
 こうしたなか、自民党の萩生田光一総裁特別補佐は同日、フジテレビ系「新報道2001」に出演し、慰安婦募集の強制性を認め、日本と日本人を貶め続けている1993年の「河野洋平官房長官談話」の検証について「新たな事実が出てくれば、新しい談話を発表すればいい」と語った。 
 これに対し、韓国外務省はいつものように「極めて不適切な発言だ」「容認できない」などと反発した。 
 ただ、新しい談話については、菅義偉官房長官や自民党の三原じゅん子女性局長もすでに、夕刊フジのインタビューに「戦後70年となる2015年に、未来志向の安倍談話を出す」「十分に検証された首相談話を出せるのは安倍首相しかいない」と語っている。
安部首相は、河野談話をくつがえす、新談話をいずれ発表しようとしていると思います。そうして、深謀遠慮によって、アメリカのオバマを懐柔し、日本がロシアに対して、名目だけの制裁しかしないことにして、プーチン大統領に恩を売って北方領土返還に結びつけようとしているのです。

河野談話に変わって安倍談話が公表される日がくる?

小国ロシアに対して、このような外交を展開しようといている、安部総理の目には、韓国の朴槿恵な゛と全く写っていません。安部総理にとって、朴槿恵はオバマに恩を売る単なる一時的な道具に過ぎず、韓国など眼中にないのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年3月3日月曜日

ウクライナ危機が試すオバマ米大統領の手腕-日中韓に影響も―【私の論評】泣き虫オバマは、中国を御せないどころか、小国ロシアにも舐められてしまった(゚д゚)!

ウクライナ危機が試すオバマ米大統領の手腕-日中韓に影響も

泣き虫オバマ?
3月3日:ウクライナ危機でオバマ米大統領のロシアとの協力を進める外交戦略が危うくなっている。シリア内戦を終わらせ、イランの核開発を阻止し、米国および同盟国のアフガニスタンからの軍隊撤退を容易にするため大統領はロシアの協力取り付けを狙っていた。

ウクライナ危機での対応がオバマ大統領の外交手腕に対する懸念を高めることになれば、イスラエルとパレスチナとの和平交渉や北朝鮮の核開発計画、アジアにおける中国の強硬姿勢などさらに幅広い問題に影響が及ぶ可能性もある。一部の批評家は大統領の外交交渉における粘り強さに疑念を呈している。

ロシアがウクライナへの軍事力行使をちらつかせていることで、欧州の指導者は一斉にロシアを非難し、クリミア半島からの軍の撤退を求めている。冷戦時代に後戻りしたようなウクライナでの緊張で、オバマ大統領は危機の真っただ中に身を置くことになった。

米国務次官を務めたニコラス・バーンズ氏はワシントンに本部を置く外交政策調査機関アトランティック・カウンシルが2日開いた電話会見で、「オバマ大統領は自らの任期において最も難しい国際危機に直面している」と指摘した。

ロシアとの対立深刻化に加え、オバマ大統領は領有権の主張を強める中国や、シリアとイラク、それに北アフリカにおけるイスラム原理主義活動の揺り戻し、イランとの核交渉、エジプトやベネズエラ、タイなどでの政情不安に対処することになる。中国の姿勢はアジアでの対立を深め、日本や韓国でのナショナリズムを刺激している。

【私の論評】泣き虫オバマは、中国を御せないどころか、小国ロシアにも舐められてしまった(゚д゚)!

強面プーチン?

オバマは一体どうしてしまったのでしょうか?今に至るまで、ロイアの行動を激しく非難するどころか、未だ自分から意見を表明するようなことはしていません。この姿勢は、ほんとうにいただけません。

安部総理は、ものごし柔かではありますが、ロシアに対して自制を促すメッセージを自ら送っています。その動画を以下に掲載します。



オバマ大統領も、本来であれば、最低限安部総理くらいの声明は発表すべきでしょう。いくら、シリア内戦を終わらせ、イランの核開発を阻止し、米国および同盟国のアフガニスタンからの軍隊撤退を容易にするため大統領はロシアの協力取り付けを狙っているにしても、言うべきこと言うべきでしょう。

あまりの、弱腰ぶりで、きっとウクライナでも、そのプレゼンスはないものと受け取られても仕方ないと思います。そうして、ロシアには舐められてしまったことでしょう。

アメリカは、今でも超大国であることには、変わりありませんが、ロシアといえばアメリカと比較すれば今では、小国に過ぎません。これに関しては、以前のこのブログでも掲載しました。

そのURLを以下に掲載します。

旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ロシアの小国ぶりを以下にいさします。
実は一昨年、ロシアのGDPは、とうとうブラジルとインドに抜かれてしまい、世界10以内から滑り落ちてしまいました。
現在、ロシアのGDPは日本の3分の1以下なのです。日露戦争の頃は、ロシアのGDPは日本の8倍でした。100年間(正確には80年間)で日露の国力は大逆転したのです。


 2010年各国のGDP
1.アメリカ
2、中国
3.日本   5兆4500億ドル
4、ドイツ
5、フランス
6、イギリス
7、ブラジル
8、イタリア
9、カナダ
10、インド

・ ロシア  1兆4650億ドル
こんな国が、アメリカなみの、ミサイル防衛網など、構築できるわけがありません。それから、中国が世界第二位の経済大国になったのは、日本のおかげでもあります。それは、このブログに、何回か掲載してきたことですが、日銀が、いつまでも、執拗に増刷拒否など金融引締めをするものですから、固定相場制の中国は、自国の元を好きなだけ、擦りまししても、日本の円が担保となり、インフレを免れてきたということです。しかし、それも、最近では、効き目がなくなりつつあります。日本銀行がまともになったら、中国は、あっという間に、経済大国の座からすべり落ちることでしょう。


現在のロシアは、経済的には世界10位の座からも滑り落ちているというこで、とるにたらない小国になりました。人口だって、日本が1億2千人万程度ですが、ロシアは1億4千万人に過ぎません。それが、あの広大な領土に点在しているということで、地政学的にみても、脆弱でありとても大国とはいえません。

人口13億人の中国と国境接し、しかも、中国はかなりの経済成長をしました。こんな状況では、風前の灯火と見られても仕方ないのに、なぜかロシアは今でも大国とみられています。

それには、いろいろな理由があるでしょうが、プーチンのイメージ戦略によるとこもあるでしょう。今回でも、ウクラナイがロシア側から離反する動きを見せれば、、すぐに軍事行動に打って出る構えをみせました。

アメリカは超大国的な動きができなくなった?
それにしても、オバマの動きは対照的です。確かに、 オバマ大統領は自らの任期において最も難しい国際危機に直面しています。しかし、これは今に始まったことではありません。オバマ大統領は、もうすでに、難しい国際危機に直面して、弱腰ぶりを印象づけ、いろいろな地域でブレゼンスを失ったとみるべきかもしれません。

シリア内戦、日本の尖閣問題が、複雑になったこと、中国の南シナ海での蛮行など、オバマ氏のプレゼンスの低さが招いたり、助長した点は否めません。

このような弱腰大統領の現在のアメリカは、日本にとってもあまり頼りにならない同盟国になりつつあります。過去のアメリカの歴史が示すように、今後さらに、オバマよりヘタレの大統領が出てくる可能性もあります。将来のことを考えれば、日本も独自で自国を防衛できるようにしておくべきものと思います。まずは、自衛隊が日本国の領土を十分防衛できる体制を整えておくべきでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年2月9日日曜日

安倍首相と習主席を天秤に したたかなプーチン大統領 北方領土は…―【私の論評】小国ロシアの外交に学ぼう!!だが、インド・アセアンと中国とを両天秤にかけて見せた安倍総理の外交手腕のほうが凄いかも!


日本選手団の入場行進時に、地面に映し出された日本、
地図の北海道周辺。雲のようなもので北方領土は見えない

【モスクワ=遠藤良介】ソチ五輪開幕式に合わせた安倍晋三首相の訪露はロシアで好感されている。ただ、プーチン大統領は6日、ソチを訪れた各国首脳の中で最初に中国の習近平国家主席と会談しており、日中両国を天秤(てんびん)にかけて国益の最大化を図る姿勢が鮮明だ。北方領土問題では、露外務省が日本側の受け入れられない歴史認識を振りかざし、日本に「譲歩」を迫る構図となっている。プーチン政権は「愛国主義」による支持基盤強化に動いてもおり、領土交渉を大胆に動かせる状況にはない。

中国国営新華社通信によると、プーチン氏は6日の中露首脳会談で「日本の軍国主義による中国などアジア被害国に対する重大な犯罪行為を忘れることはできない」と述べ、2015年に予定される戦勝70周年の記念行事を共同開催する考えを示した。ただ、露主要メディアはこの内容を報じておらず、日本を刺激することを避けたい政権の意向があったもようだ。

プーチン氏は中国との友好関係を最重要と認識しつつ、日本との関係改善によって中国を牽制(けんせい)し、課題の極東・東シベリア開発にも日本の協力を得たい考えだ。北方領土問題については、「平和条約の締結後に色丹、歯舞を引き渡す」とした日ソ共同宣言(1956年)を軸に解決する考えを変えていないとされる。

昨年の領土交渉再開以降、ロシア側は「第二次大戦の結果として四島はロシア領だ。これを認めねば交渉は始まらない」との立場を突きつけ、国連憲章の旧敵国条項まで持ち出して北方四島の領有を正当化してきた。ロシア側の歴史認識を強硬に打ち出し、日本に「政治決着」という名の譲歩を要求している形だ。

プーチン氏の支持率は長期的な低落傾向で、経済の見通しも暗い。国内向けに領土問題での「弱腰」は見せられない状況だ。政権は公務員や国営企業従業員、地方住民といった層の支持を固め直そうと、保守路線を鮮明にしてもいる。「大戦での勝利」を強調し、旧ソ連時代を美化する「愛国主義」はその中核をなす要素といえ、日本側の歴史認識は容認できない。

【私の論評】小国ロシアの外交に学ぼう!!だが、インド・アセアン諸国と中国とを両天秤にかけて見せた安倍総理の外交手腕のほうが凄いかも!


11だけが、現在のロシア連邦、それ以外はソ連崩壊後独立。
1.アルメニア、2.アゼルバイジャン、3.ベラルーシ、4.エストニア、
5.グルジア、6.カザフスタン、7.キルギス、8.ラトビア、9.リトアニア、
10.モルドバ、11.ロシア、12.タジキスタン、
13.トルクメニスタン、14.ウクライナ、15.ウズベキスタン


このいきなり小国ロシアというタイトルには、驚くかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、現在のロシアはその表現がぴたりと当てはまります。ソ連のときには、確かに大国であった時期もあるのですが、冷戦構造によるアメリカとの軍拡競争に敗れ、国内の経済・社会がなおざりになり、それが直接の引き金となって、ソビエト崩壊後のロシアは、まさに発展途上国のような状況でした。

それをプーチンらが努力して、何とか経済をまともにして、現在に至っているロシアは、新興国といっても良い状況で、もはや大国ではありません。経済的にも、軍事的にも小国に過ぎません。軍事的には、まだ大国と見る向きもあるようですが、実際はそうではありません。ただ、過去のロシアのときの、核兵器などをそのまま継承しているため、未だ多くの人々が大国扱いしているだけですす。

これらの核兵器もいずれ耐用年数を過ぎます。そのときも、ロシアが核大国でいられるのか、はなはだ疑問です。いずれこの方面でも、このままでは中国・インドなどにとって変られる可能性も大です。ただし、それまでには、まだまだ長い期間がありますし、大量の核兵器に用いる、核物質を所有していることだけは事実です。であれは、核拡散防止条約など無視して、核物質を売りさばくような国になるかもしれません。そうなれば、まさに、犯罪大国になるかもしれません。

このブログでは、以前も現代ロシアの小国ぶりについて掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にロシアの小国ぶりの部分のみをコピペさせていただきます。
このブログには、以前ロシアの声というサイトについて掲載したことがあります。そのときにも、掲載しましたが、ロシア人口は、日本の1億二千万と比較して、わずか、二千万ほど多い、1億4千万ほどにすぎません。さらに、その中の支配階層である、ロシア人といえば、多民族も存在するため、単一民族の日本人よりも少ないです。 
そうして、無論のことは中国とは陸続きです。ロシアは、中国に対しては、昔から、何か領土問題や、利益が衝突するがあったときには、強大軍事力を駆使して、中国をやり込め、譲歩することはほとんどありませんでした。そうして、中国もロシアの強大な軍事力の背景があるため、一方的に押されてきたといのが、今日までの姿です。 
 
さて、上の記事では、米国のアジア及び中東におけるミサイル防衛システムの構成について公開したとありますが、アメリカは、冒頭の図のように、7重にも及ぶ多層的なミサイル防衛網を構築しています。米国ミサイル防衛システムそのものの詳細については、こちらを参照してください。 
これを公表するということは、中国のミサイル封じ込めに、成功したか、成功しつつあるということであり、中国にとっては、かなりの脅威となるものと思われます。 
 
これに関して、なぜロシアが上記のような報道をするかといえば、やはり、ロシア自体が、かなり中国の最近の軍拡に脅威を感じているということにほかなりません。 
陸続きで、ロシア全土をあわせてですら、10倍以上の人口を持つ仮想敵国が陸地を接して存在しているということですから、いつも潜在的に脅威にさらされているわけです。 

 
であれば、このようなニュースは、ロシアにとっても好都合であり、利用できるものはなんでも利用して、中国の脅威を削ごうとの意図があるものと見えます。 
しかし、アジアや中東に配置した、ミサイル防衛システムは、あくまでも、アメリカ本土防衛のためのものであり、まかりまちがって、中国のミサイルがロシアを目指しても、それを打落す仕組みにはなっていません。 

 
であれば、ロシアにとては、相変わらず、何も変わらないわけで、ロシアも独自でミサイル防衛網をきずかなければならないということです。しかし、それは、なかなか難しいのかもしれません。だから、上記で軍拡競争という言葉がでてくるのだと思います。現ロシアは、軍拡競争には巻き込まれていないということを誇示したいのだと思います。 
でも、これは、本当の誇示になるのでしょうか、もともと自国の原潜の処理も自国で行えないロシアは、国家として無責任な国です。 
 
それもそのはずです。実は一作昨年、ロシアのGDPは、とうとうブラジルとインドに抜かれてしまい、世界10以内から滑り落ちてしまいました。 
現在、ロシアのGDPは日本の3分の1以下なのです。日露戦争の頃は、ロシアのGDPは日本の8倍でした。100年間(正確には80年間)で日露の国力は大逆転したのです。

 2010年各国のGDP
1、アメリカ
2、中国
3.日本   5兆4500億ドル
4、ドイツ
5、フランス
6、イギリス
7、ブラジル
8、イタリア
9、カナダ
10、インド

・ ロシア  1兆4650億ドル
こんな国が、アメリカなみの、ミサイル防衛網など、構築できるわけがありません。それから、中国が世界第二位の経済大国になったのは、日本のおかげでもあります。それは、このブログに、何回か掲載してきたことですが、日銀が、いつまでも、執拗に増刷拒否など金融引締めをするものですから、固定相場制の中国は、自国の元を好きなだけ、擦りまししても、日本の円が担保となり、インフレを免れてきたということです。しかし、それも、最近では、効き目がなくなりつつあります。日本銀行がまともになったら、中国は、あっという間に、経済大国の座からすべり落ちることでしょう。
ロシアの弱体化は明らかです。現状の小国ロシアに領土問題などで譲歩する必要など全くありません。日本は、日本銀行に金融引締めをやめさせ、円高誘導をやめさせ、また、世界第二位の経済大国に返り咲くべきです。それに、いますぐするしないは、別にして、核武装の論議をはじめるべきです。それだけで、ロシア、中国、北朝鮮はかなり脅威に感じることでしょう。
さて次に、日本がロシアから学ぶぺき外交姿勢をあげてみます。どこの国々でも、隣どおしの国々は、仲が悪いのが普通です。世界で最も平和な国境はおそらく、アメリカとカナダの国境です。ここは、両国の間を自由に行き来できます。国境紛争などもありません。こんな、平和な国境はここくらいなものです。

中国とロシアも例外なく仲はあまり良いとはいえません。長年、国境紛争が絶えなかったのですが、数年前に中国の一方的な譲歩によって、解決しました。しかし、これは、どこの国でも同じことです。陸地でも、海でも、国境接している隣国とは仲が悪いというのは、普通のことです。この国境紛争も実は、ソ連時代から何度もあったことなのですが、ソ連時代ではなく、ロシアになってから解決しています。それも、その条件たるや、ロシアの一方的な要求に完璧に屈した形のもので、これは、中国国内ではほとんど報道していませんが、これを知ったら中国人民もかなり怒るであろうような内容です。

現在のロシアは、ソ連の最盛期と比較すれば、単なる小国に過ぎないのですが、ロシアのプーチンは、国境紛争でも一度たりとも、譲歩も妥協することなく、いつでも対決する姿勢を鮮明に打ち出していました。どこまでも、強面ロシアの体制を崩すことはしませんでした。それにしても、すでに小国になったロシアとはいえ、核兵器は持っているし、軍隊の練度なども落ちたとはいえ、中国よりはまともですから、全く妥協するつもりも、その素振りも観せませんでしたし、今でもそうです。だから、中国は今でもロシアに対しては日本に対するような強行姿勢はみせたことがありません。

イヌ好きのプーチン大統領、手前は24年に、秋田県の佐竹敬久知事が大統領に贈った秋田犬「ゆめ」


それから、さらに数年後、中国の漁船がロシアの港湾にロシア側が臨検するので、停泊するようにと命令していたにもかかわらず、逃げ出したため、ロシア側は機銃掃射しました。その結果、中国漁船には多数の死傷者が出たのですが、それでも、中国側は、非難するようなことは全くありませんでした。ましてや、これをきっかけに戦争に持ち込むなどということなど、考えも及ばなかったようです。

これだけ、強行姿勢を貫き、もし実際に軍事行動でもおこせば、プーチンは、今でも完膚なきまでに中国を徹底的に攻撃することでしょう。こうした、姿勢の国には、中国は手も足も出ないようです。今や小国であるロシアに対してもこの有り様です。

では、日本だってロシアのように中国に接したら、中国もロシアに対するように日本にも低姿勢になるとは思いませんか。私は、そう思います。

日本の歴代の政権は、そんなことは及びもつかず、まるで腫れ物にでも触るように、中国に対応してきました。だから、中国は増長したのです。

民主党政権のときも、中国に対しては及び腰過ぎましたし、このブログにも最近掲載しているように、オバマ政権もかなり及び腰でした。この日米の反応をみた中国は、増長してしまったのです。だから、尖閣や南シナ海のように中国の挑発を招いてしまったのです。

これが、ロシアのようにソ連時代から一環して、中国に対する強行姿勢を崩していないとか、少なくともブッシュ政権時代のような対決姿勢を崩さなければ、今日のように中国は増長していなかったことでしょう。

しかし、安倍政権になってからは、風向きが変わりつつあります。プーチン大統領は、中国と日本を両天秤にかけるような行動をしていますが、安部総理はそれどろか、安全保障のダイヤモンドという構想をぶちあげて、両天秤どころか、インド、アセアン諸国、モンゴル、ロシアなどを矢継ぎ早に電撃訪問をして、対中国包囲網を着々と整えつつあります。

そうして、それには、ロシアのプーチン大統領も、大きな関心を持っています。自分が対中国強行姿勢を貫いた経験から、安部総理もそれに近いことを考えていることを見抜いているものと思います。それに、プーチンは中国はいずれかつてのソ連のように崩壊するものと睨んでいると思います。

また、韓国に関しては、プーチンははなから相手にしていません。これは、このブログでも紹介した子どかありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
プーチン氏 韓国告げ口外交に不満持ち露韓首脳会談に遅刻か―【私の論評】反日やっても、何も変わらず!ますます、韓国の国際的地位を弱め、国内では不満を高めるだけ、韓国はやるべきことをやれ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、プーチンは露韓首脳会談にわざと遅刻して、韓国などはなから眼中にないことをはっきりと示したのです。これに対して、朴槿恵や韓国マスコミが露骨に批判したかといえば、今のところそのようなことはありません。

ロシアのプーチンからすれば、韓国など全くとるに足りない国であるということを身を持って示したということだと思います。なにしろ、韓国はそもそも、一度も外国とまともに戦争をして勝ったこともありません。日露戦争で負けた日本とは違います。人口も六千万ほどしかない国であり、これは日本の半分です。それに経済的に見てもとるに足りない国です。韓国のGDPは日本の一都市である東京のGDPくらいしかありません。

狩りをするプーチン。国内でも、強面を演出?

このように、ロシアは中国に対して強行姿勢を貫き、韓国には一見非礼なことをしてまでも、無関心であることを相手に知らしめています。これは、本当に日本も見習うべきと思います。こんなプーチンですから、日本と中国とを両天秤にかけるようなことは朝飯前です。それにしても、小国になってからも、大国に近いような外交スタンスを崩さず、押しまくるプーチンは凄いです。

しかし、本当は安部総理の外交手腕のほうが、凄いかもしれません。なぜなら、安部総理の外交は、それ以前の民主党の及び腰外交というマイナスの外交から始まっているからです。私は、安部総理も中韓などに対しては、いずれロシアのように強硬路線で臨もうとしてるのと思います。今は、その序章に過ぎないと思います。

いずれ、強行路線をとることを前提として、今はその下準備として様々国々を歴訪して、安全保証のダイヤモンドを固めようとしているのだと思います。そうして、このブログにも掲載しているように、ノータッチのタッチと、いざというときに、強硬路線をとるという外交姿勢を構築するために、今は着々と実績を積み上げているのだと思います。それは、今や小国に過ぎないロシアのプーチンが一番良く知っているかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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