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2018年11月19日月曜日

【瓦解!習近平の夢】ペンス氏、「中国共産党」への宣戦布告 講演で宗教弾圧を指摘―【私の論評】日本も世界の"信教の自由"に貢献すべき(゚д゚)!


ペンス副大統領

 「国際社会は一体となって、各地の残虐行為をやめさせなければならない」

 キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)が声明を出すなど、これまで70年近く、対立する関係にあったのが、“無神論者”の集団、中国共産党が統治する中国だった。

 世界各国のカトリック教会において、司教の任命権はバチカン、すなわちローマ法王にある。だが、中国政府はそれを「内政干渉だ」と拒絶し、共産党の主導で、バチカンとは独立した形でカトリック団体を設立し、独自に司教の任命を行っていた。

 一方、キリスト教に帰依する中国国内の人民たちは、中国政府の監視や干渉から逃れて活動する教会、いわゆる「地下教会」へ通っていた。信者数が増え、規模が大きくなった地下教会に対して、中国政府は、見せしめ的にカトリックの神父や、プロテスタントの牧師を拘束したり、教会や関連施設を破壊するなどの弾圧を続けていた。

 そのようななかで、今年9月下旬、「バチカンが中国と司教任命権問題で暫定合意」という衝撃のニュースが世界を駆けめぐったのだ。しかも、習近平政権が、ウイグル、チベット民族などへの宗教弾圧をますます強めていることを、人権団体やジャーナリストが、数々の証拠とともに告発していた最中の、いわば「あり得ない合意」だった。

 中国のキリスト教信者数は、政府の公式統計によると、プロテスタントが3800万人、カトリックが600万人とされている。ここに「地下教会」へ通う信者も含めると、総計で2倍強の9000万人以上と推測されている。

 習政権は4月、『宗教白書』という文書を発表したが、ここには、「宗教の中国化を進める」と記されていた。地下教会を含む宗教組織を、今後、共産党の管理下に置き、党を支持するよう誘導していく算段であることが分かる。

 事実「宗教情報員」システムも稼働している。中国統一戦線工作部に任命された情報員の主な仕事は、宗教活動を含む一般住民の生活と、「隠れた危険」をはらむ思想や活動を、各地区の宗教事務局に適宜報告することだ。情報員にはわずかながら報酬も支払われるが、反対に報告を怠ると罰金が科される。これはまさに、毛沢東時代の文化大革命と同じ、チクリ社会であり恐怖政治の幕開けである。

 それにしても、なぜバチカンが暫定合意したのか?

 「欧州でカトリック教徒の教会離れ、信者減が顕著に進んでいたから」との解説もあるが、“無神政党”に乗っ取られるとの危機感がなければおかしい。

 マイク・ペンス米副大統領は10月4日、ワシントンのハドソン研究所で講演し、「邪悪な中国共産党」との戦いを呼びかけた。ペンス氏は敬虔(けいけん)なカトリック信者でもある。「(宗教を含む)自由と民主」「法の下の平等」「人権」という価値観を持たない、習政権への宣戦布告である。

 日本の政財官界もいい加減、「神の存在なき隣国」との付き合い方を、抜本的に見直すべき時に来ているはずだ。=おわり(ノンフィクション作家・河添恵子)

【私の論評】日本も中国の"信教の自由"に貢献すべき(゚д゚)!

米国の国務省は5月29日、各国の信教の自由に関する2017年版報告書を発表しました。報告書では特に北朝鮮について、宗教活動に携わった人々が処刑・拷問・殴打・逮捕の対象になるなど、「苛酷な状態」に置かれていると指摘されています。


北朝鮮では、宗教の自由を侵害する事例が昨年だけで1304件発生しており、政治活動や宗教活動が理由で政治犯収容所に拘束されている人々が、約8~12万人に上るとの推計も示されています。

「宗教の自由問題」担当の特別大使として、2月からトランプ政権の国務省に加わったサム・ブラウンバック氏は、同日の記者会見で、「米朝首脳会談でも、信教の自由の問題が議論のテーマになる」との見通しを示しました。

自身もローマ・カトリック信者であるサム・ブラウンバック氏

トランプ大統領は5月3日、信仰に関する新しい部署「信仰・機会イニシアチブ」をホワイトハウスに設置する大統領令に署名しました。

9日付クリスチャン・トゥデイによると、トランプ氏は、「この部署の役割は、宗教団体が平等に政府の基金に預かり、信条を実践する権利を平等に持つことを保証するものです。この措置を取る理由は、多くの問題や大きな課題を解決する上で、信仰の方が政府よりも力強いことをわれわれは知っているからです。神よりも力強い存在はありません」と述べています。

米国や他国における信教の自由を守ろうとするトランプ氏の決意の表れとも捉えられます。

今回発表された報告書の中では、チベット仏教徒、ウイグルのイスラム教徒、法輪功の学習者などに対して、中国政府が行っている宗教弾圧についても言及されています。

5月30日付大紀元時報では、「中国は憲法で、国民には宗教と信仰の自由があると定めているが、中国共産党の利益にならない宗教を『脅威』と定め、支配と統制を行っている」「中国共産党政府は『愛国的な宗教活動』だけを認めており、登録されていない宗教の信仰者に対しては拷問、心身の虐待、拘束、不当な有罪判決を下している」と報じられました。

トランプ米政権は、世界の宗教の自由を保護する立場を強く打ち出しており、7月25~26日に宗教の自由を推進する閣僚級会合を開催しました。


米ワシントンD.C.で80か国の外相が出席した閣僚会議が中心となる、宗教の自由週間では、Bitter Winterが司会を務めるディスカッションが開幕イベント(上 写真)となり、中国で行われているウイグル族、法輪功、全能神教会への弾圧について話し合いました。

この会議において、弾圧されている各宗教の当事者に取材したレポーターによると、それぞれが口をそろえて述べていたことは、「アジアの大国である日本への期待」でした。アジアの多くの国が中国の経済力に依存している中、日本を頼りにしている人権活動家が多いことがうかがえます。https://jp.bitterwinter.org/tag/ministerial-to-advance-religious-freedom/

また、このレポーターによば、中国や北朝鮮で、「信教の自由」を求めて中国共産党や金正恩政権の弾圧に耐える人々の話に触れることで、「信教の自由」がいかに大切なものであるかを実感できるとしています。

ペマ・ギャルポ氏

日本に亡命しているチベット人学者のペマ・ギャルポ氏は、「宗教がなければ、善悪の区別ができません。善悪の区別がないところに、正義はありません」と述べました。日本人へのメッセージを求めると、「日本の方には、現在、どれほどの自由を享受できているのかを認識するとともに、他の国で自由を奪われて苦しんでいる人々にも関心を持っていただきたい」と述べました。

そもそも、中国や北朝鮮の独裁政権が国民を拘束して拷問したり、あらゆる自由を奪ったりしているのは、人間を「機械」としか見ていないためです。その背景には、神も仏も信じない「無神論国家」であることがあります。日本としても、アジアに信教の自由を広める動きを後押しする必要があります。

日本国憲法20条には「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」とあります。信教の自由は具体的には、(1)内心における信仰の自由、(2)宗教活動の自由、(3)宗教結社の自由の3つを意味します。

つまり、たとえ反社会的な内容であっても、個々人の心の中で信仰し、行動として表さない限りにおいては何ら制約を受けません。そして、布教活動を始めとする宗教活動や宗教団体を結成することに対しても自由が与えられています。

ただし、宗教活動が反社会的であったり犯罪行為を伴う場合は、その自由も制約を受けざるを得ないことはいうまでもありません。また、宗教団体の信教の自由と個人のそれとを同等に論じることはできないです。個人の自由を基本とする現行の憲法下では、宗教団体を構成する個人の信教の自由がまず優先されると考えられます。

このような日本では、たしかに特定の宗教に属している個人を弾圧するなどということはありません。

また、昔から八百万の神として、神々を受け入れ、他国に比較すると、互いに過激な摩擦を起こすこともなく、他国にみられる宗教戦争もなく、長い間過ごしてきたという伝統もあります。

そのような日本は、信教の自由を強く主張できると思います。だからこそ、先にも掲載したように、弾圧されている各宗教の当事者口をそろえて「アジアの大国である日本への期待」を述べたのでしょう。

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2018年10月10日水曜日

米中対立激化 「米国の能力見せつける」米海軍、台湾海峡で大演習へ 経済だけでなく軍事でも中国封じ込め―【私の論評】日本はまずは国会で悪魔中国の実体を暴くことから始めよ(゚д゚)!

米中対立激化 「米国の能力見せつける」米海軍、台湾海峡で大演習へ 経済だけでなく軍事でも中国封じ込め

8日、北京で行われた王毅国務委員兼外相との会談でのポンペオ米国務長官

 米中対立が日に日に過熱している。マイク・ポンペオ国務長官と王毅外相による8日の米中外相会談は、互いに非難を応酬する“異例の展開”となったのだ。マイク・ペンス米副大統領も先週、中国を名指しして、経済、軍事両面で覇権主義を強め、米国の選挙に介入していると痛烈に批判している。米海軍は来月、警告のため、南シナ海や台湾海峡で大規模示威行動を実施することを提案した。米国は貿易戦争だけでなく、中国との軍事的チキンレースに勝ちきる構えだ。

 「われわれは、中国の取った行動に大きな懸念を抱いている」「われわれの間には根本的な不一致がある」

 ロイター通信によると、北京で8日に行われた米中外相会談の冒頭、ポンペオ氏はこう述べた。

 これに対し、王毅氏は「中国の核心的利益を損なう誤った言動を直ちにやめるよう要求する」と抗議した。報道陣の面前で、両外相は歯にきぬ着せぬ過激な発言で互いを批判した。

 今回の訪中では、ポンペオ氏と習近平国家主席との会談も予定されていたが、急きょ見送られたという。

 ポンペオ氏に限らず、ドナルド・トランプ米政権は「対中敵視」姿勢を鮮明に打ち出している。

 ワシントンの政策研究機関で4日、中国政策について演説したペンス氏は「中国は今、ほかの全アジア諸国を合わせたのと同じぐらいの軍事費を使い、陸上、海上、空中、宇宙における米国の軍事的優位性を侵食しようとしている。彼らは米国を西太平洋から追い出し、同盟国を支援できないようにしようとしている。しかし、彼らは失敗するだろう」と、中国共産党を露骨に批判した。

ワシントンの政策研究機関で4日、中国政策について演説したペンス氏

中国は現在、南シナ海で岩礁を埋め立てて軍事基地化し、台湾統一を公言し、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域に、軍艦や公船を侵入させている。9月末には、南シナ海で「航行の自由」作戦を行っていた米イージス駆逐艦に対し、中国の駆逐艦が衝突寸前といえる約40メートルの距離まで異常接近した。

 ペンス氏はこれを、「無謀な嫌がらせ」と断じ、「自由に航行し、飛行し続ける」と表明した。

 さらに、ペンス氏は、米国の知的財産権侵害や、11月の中間選挙で共和党の勝敗を左右する重要州で、中国がプロパガンダなどで干渉していることなどを1つ1つ暴露し、次のように言い切った。

 「中国がトランプ大統領の米国第一主義を挫折させようとしているが、大統領は決して屈することはない」

 トランプ政権の「対決姿勢」は、軍事行動にも表れようとしている。

 CNN(日本語版)は4日、《米海軍、大規模示威行動の実施を提案 中国への警告》という見出しの記事で、米海軍が11月に太平洋軍による複数の作戦を実施するよう勧告する案を策定したと報じた。

 作戦の目的について、CNNは「米軍の艦船や戦闘用航空機、部隊などを投入して集中的に演習を実施することで、複数の前線で迅速に敵に対抗できる米国の能力を見せつける狙いがある」とした。

 注目の示威行動が行われる場所としては、南シナ海や台湾海峡の中国領海付近を挙げた。

 習政権を「安全保障上の脅威」と位置づけるトランプ政権は7月、「対中貿易戦争」に踏み切っただけでなく、軍事的にも積極的行動を続けている。9月下旬には、核兵器搭載可能な戦略爆撃機「B52」を、南、東シナ海で飛行させて軍事的プレゼンスを示した。

 ペンス氏の演説や、米海軍の動きをどう見るべきか。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「米国は今、中国に『関税戦争』を仕掛けているが、不公正な経済慣行を改めさせると同時に、軍拡資金を枯渇させるという目的がある。軍事面でも演習を強化しており、経済、軍事両面で中国の封じ込めに入ったといえる」と解説する。

 示威行動が行われる場所も重要だ。

 島田氏は「南シナ海は、米太平洋艦隊と中東に派遣されている艦隊をつなぐ極めて重要ポイントで、米国には譲れない場所だ。中国は勝手に人工島を造り、その周りを領海だと主張しているが、国連海洋法条約に入っていない米国は力によって既得権益を確保してきた。今後も『通行の自由を邪魔するものは排除する』という方向で行くだろう」と語った。

【私の論評】日本はまずは国会で悪魔中国の実体を暴くことから始めよ(゚д゚)!

トランプ米政権は、安全保障と通商の両面から中国と対決し、「新冷戦」の到来を覚悟したようです。ペンス副大統領がワシントンで4日行った演説は、かつてレーガン元大統領がソ連を「悪の帝国」と呼んだ瞬間を彷彿とさせるものです。


米国はこれまで、国際秩序を無視した中国の影響力拡大を見過ごしてきましたが、ペンス演説は「それらの日々を終わりにする」との決意を表明しました。トランプ政権に求めることがあるとすれば、素早く同盟国との戦略調整に入ることす。

いつの時代も、貿易戦争は先端技術の争奪に根差しています。19世紀の英国も、20世紀の米国も、その時代の先端技術を制して覇権を握りました。今回の米中貿易戦争も、21世紀の覇権をどちらが握るかの戦いです。

ペンス副大統領の演説は対決が貿易戦争にとどまらず、安全保障、人権分野に関しても、米中関係を「リセット」すると宣言したものです。とくにペンス氏は、中国が11月の米中間選挙をターゲットに「米国の民主主義に干渉している」ことを重視しています。

サイバー攻撃を仕掛け、大学やシンクタンクに資金を流し、ジャーナリストの行動を制限して、米国の民主主義システムを妨害していることを非難しました。

演説で耳目を引いたのは、北京が自国民の自由と人権を抑圧するため、2020年までにすべてを共産党の監視下に置く「オーウェル的システム」の導入を目指していると糾弾したことです。

これは、英国の作家ジョージ・オーウェルが描く全体主義小説「1984年」の陰鬱な世界を指しています。人々が社会主義の名の下に自由を奪われ、反政府的な言動の一切が封じられる世界です。中国に進出する日米欧の企業内にまで「党組織」の設置を強要される異常さも浮き彫りにしました。

映画「1984」より

すでにトランプ大統領は国連安保理で、中国が中間選挙を標的に妨害行為をしているとして怒りを爆発させています。これは、中国が「トランプ後」の米国大統領が、トランプ氏ほど対中強硬姿勢はとらないとの考えから介入してきたとの判断によるものです。

だが、ペンス演説はこの大統領個人の情念を超えて、ボルトン大統領補佐官、マティス国防長官の考え方が色濃く反映したものであるといいます。この対中観の変化は、決して政権内のタカ派に限ったものではありません。

米国人はソ連による初の人工衛星打ち上げ(スプートニク・ショック)のように、出し抜かれたと判断したときに、強烈な対抗心を燃やす傾向があります。



すでに米議会は、超党派の厳しい対中姿勢を反映し、国防権限法などを通じてトランプ政権に対抗策を義務付けています。中国企業による投資の審査を厳格化し、インドや台湾との防衛協力を強化する条項も盛り込まれています。

米国の厳しい対中姿勢に対し、最近の安倍政権は習近平政権の対日友好ムードを受け入れているようにも見えますが、安易に日米引き離しの策に乗るべきではありません。中国の覇権主義的な動きを阻むためにも、同盟国として米国との協調すべきです。

そのためには、このブログでも何度か掲載しているように、まずは中国共産党の悪魔ぶりをトランプ政権のように徹底的に暴く必要があります。

それを暴く米国のように舞台装置をを設置すべきです。その舞台装置とは、米国議会に設置された「米中経済安保調査委員会」です。

これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
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詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より「米中経済安保委員会(U.S.-China Economics and Security Review Commission(略称 USCC)」に関する部分のみを引用します。
この委員会は2000年に新たな法律により、「米中両国間の経済と貿易の関係が米国の国家安全保障にどう影響するかを調査して、議会と政府に政策上の勧告をする」ことを目的に常設されました。議会の上下両院の有力議員たちが選ぶ12人の委員(コミッショナー)が主体となり、米中関係を背景に中国側の軍事や外交の実態を調査するわけです。 
各委員は中国の軍事、経済、外交などに詳しい専門家のほか、諜報活動や安保政策の研究者、実務家が主になります。最近まで政府や軍の枢要部に就いていた前官僚や前軍人、さらには上下両院で長年、活躍してきた前議員たちも委員を務めます。そしてそのときそのときの実際の中国の動き、米中関係の変動に合わせて、テーマをしぼり、さらなる専門家を証人として招いて、公聴会を開くのです。 
同委員会は毎年、その活動成果をまとめて、年次報告書を発表する。その内容は詳細かつ膨大となります。最終的には米国の政府と議会に対中政策に関する提言をするわけです。同委員会の事務局も中国や軍事、諜報に関する知識の抱負なスタッフで固められ、特定テーマについての報告書を委員たちとの共同作業で定期的に発表しています。
米国の中国研究はこのように国政レベルできわめて広範かつ具体的なアプローチが多いです。中国の多様な動向のなかでも米国側が最も真剣な注意を向けるのはやはり軍事動向だといえます。この米中経済安保委員会はまさに中国の軍事動向と経済動向の関連を継続的に調べているのです。
以下に最近の大統領の一覧を掲載します。この一覧表を見ると、この委員会は、2000年に創立されていますから、ビル・クリントン大統領任期の末期に設立されたということです。


この間の対中関係をふりかえってみます。

クリントン政権のときの、1996年に行われた台湾総統選挙で李登輝優勢の観測が流れると、中国軍は選挙への恫喝として軍事演習を強行しました。基隆沖海域にミサイルを撃ち込むなどの威嚇行為を行ない、台湾周辺では、一気に緊張が高まりました。

人民解放軍副総参謀長の熊光楷中将は、アメリカ国防総省チャールズ・フリーマン国防次官補に「台湾問題にアメリカ軍が介入した場合には、中国はアメリカ西海岸に核兵器を撃ち込む。アメリカは台北よりもロサンゼルスの方を心配するはずだ。」と述べ、アメリカ軍の介入を強く牽制しました。

アメリカ海軍は、これに対して、台湾海峡に太平洋艦隊の通常動力空母「インデペンデンス」とイージス巡洋艦「バンカー・ヒル」等からなる空母戦闘群(現:空母打撃群)、さらにペルシャ湾に展開していた原子力空母「ニミッツ」とその護衛艦隊を派遣しました。その後米中の水面下の協議により、軍事演習の延長を中国は見送り、米国は部隊を海峡から撤退させた。その後中国軍(1996年当時、主力戦闘機はSu-27やJ-8やJ-8II)は軍の近代化を加速させています。

この時の総統選挙は結果、台湾独立志向の李登輝が台湾人特に本省人の大陸への反感に後押しされ地滑り的な当選を果たしたため、中国軍のミサイル演習は童話「北風と太陽」で見られる典型的な逆効果だったと結論付けられています。

このような中国絡みの出来事があったからこそ、クリントン政権の末期に「米中経済安保委員会」が設置されたのだと思います。

ジョージ・W・ブッシュのときは、ブッシュ大統領は、少なくとも年一回は記者会見を開催し、テレビで中国の批判をしていました。この批判には、同委員会からの情報がかなり役立ったと思われます。

ブッシュのときに、中国はWTOに加盟しました。この加盟を米国はかなり期待していたようですが、結局米国は中国に裏切られることになりました。

そうして、オバマ大統領の期間においては、中国はとんでもない行為をたび重ねましたが、結局「戦略的忍耐」の美名のもとに、米国は中国に対して非難や批判はしたにもして、結局何もしませんでした。

トランプ大統領になって、米国ははじめて批判・非難するだけではなく、対中貿易戦争を仕掛けるなど具体的行動に打ってでるようになりました。

これら全期間にわたり、各政権においてUSCCの情報はかなり有効に利用されてきたと考えられます。

中国と対立する決断をしたトランプ大統領

そうして、トランプ政権においては、過去のUSCCのすべての情報を統合して、従来いわれきたように、中国が経済発展すれば、やがて、先進国のような体制になるだろうというような考えは、きっぱりと捨てたのでしょう。それどころか、中国は米国の覇権に挑戦して、少なくとも世界の半分を中国の覇権の及ぶ範囲にしようともくろんでいると結論づけたようです。

だからこそ、トランプ政権は、単に批判・非難するだけではなく、実行動に出たのです。これから先も様々な行動にでるでしょう。特に、中国の経済力がかなり弱まってしまい、ロシアなみ(GDPは韓国より若干下回る)に国力がかなり落ちても、覇権主義への野望を捨てない場合は、何らかの軍事行動を起こすのではないかと思います。

日本の国会にはすでにいくつも委員会がありますが、このような委員会を設置し、報告書を公表したり、公聴会を開催して、 米国のように悪魔中国の実体を暴くべきです。

日本の本格的な対中国戦略はそこから始めるべきです。このような委員会を設置して、米国のように貿易戦争などの実行動に出るまでには時間がかかります。しかし、それでも大丈夫です。米中の対立はこれから、少なくと10年、長ければ20年かかります。

今は、まだやり始めたばかりです。いずれ、ここぞというときに、米国が他国の力を要する時がきます。そのときに協調行動が取れれば良いのです。

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