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2019年8月1日木曜日

韓国「ボイコットジャパン」はブーメラン…韓国側のLCCなど直撃! 日本経済への打撃は限定的か ―【私の論評】日本ボイコットで国民大挫折を招き政権支持率を劇的に下げる韓国(゚д゚)!


ソウルの日本大使館前で日本製品の不買運動をする韓国の高校生ら=7月26日

 日本政府の輸出管理強化を受けて、韓国では日本製品をボイコットしたり、日本行きの旅行をキャンセルしたりする動きが出ていると報じられている。日本に対する反撃として、どこまで有効なのだろうか。

 韓国のSNSで「ボイコットジャパン」がトレンドとなっている。ある調査によれば、半数近くの人が賛同しているという。これを高いとみるかどうかだ。

 SNSでは、日本製品の代替物として韓国製品のリストも出回っている。ただし、リストに出ている日本企業の売上高に占める韓国市場の比率は数%以下であり、不買運動の影響は限定的だろう。

 日本への旅行を控えるというボイコットもある。これは、実際に影響が出ているようだ。

 まず、基本的なデータを押さえておこう。2018年の韓国からの日本への訪問者は753・9万人と、中国からの838・0万人に次いで2位。3位は台湾からの475・7万人だ。しかし、18年の訪日外国人旅行消費額でみると、韓国は5881億円と、中国の1兆5450億円に次ぐ2位だが、3位の台湾の5817億円と大差ない。

 ちなみに、1人あたりの消費額でみると、中国18・4万円、台湾12・2万円なのに対し、韓国は7・8万円と低い。

 最近の状況は、韓国から日本への訪問者は減少している。昨年6月から今年5月までの毎月の訪問者数を対前年同月比で平均してみると、韓国は4・6%減だ。ただし、中国は10・2%増、台湾は0・3%減なので、韓国からの訪問者の減少は中国が補って余りがある。中国からの訪問者の消費単価は大きいので、全国平均であれば、韓国からの訪問者数減が日本の消費に与える影響は、あまり大きくないだろう。

 むしろ、韓国からの訪問者数の減少は、韓国の旅行業者やLCC(格安航空会社)事業者など韓国側の企業に悪影響が出ているというリポートもある。先行きの業績悪化を懸念して韓国LCC各社の株価も低迷している。

 韓国からの日本への訪問者は九州や関西など西日本地方が中心なので、地域によっては多少の影響はあるかもしれない。今後は韓国からの訪問者がさらに減少する可能性もあるので、注意は必要である。

 もっとも、過去にも竹島問題などで韓国はこうしたボイコット運動をしてきたが、長続きせず、効果はなかったという見方が多い。

 過去に日本製品を良いと判断して購入したはずで、その購買行動は習慣依存があるので、外部からのボイコットの刺激を受けても、抜本的に変えるのは難しい。日本製品の代替物としての韓国製品が本当に優位なら、とっくに日本製品は飽きられていたはずで、わざわざボイコットの対象にする必要はない。

 また、日本への訪問でも、日本の消費に影響を与える前に、韓国国内の旅行業者やLCC事業者のほうが先に悪影響を受けてしまうだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本ボイコットで国民大挫折を招き政権支持率を劇的に下げる韓国(゚д゚)!

上の記事では、韓国の最近の状況を述べていますが、もっと根本的な観点から韓国の日本に対するボイコットなどが限定的になることをあげてみます。

日本と韓国

まずは、韓国の国土面積は約10万200平方キロと、約37万8000平方キロの日本の3分の1以下です。そのうえ2016年の国内総生産(GDP)は韓国が1兆4110億ドル、日本が4兆9390億ドルでした。GDPでは規模でも1人あたりGDPでも日本のほうが韓国を上回っています。

韓国は香港やシンガポール、台湾と並んで「アジア四小龍」と呼ばれ、その経済力が評価されていますが、「小龍」が存在するということは「大龍」も存在するということです。小龍に日本が入っていないのは「日本は『小龍』ではないからです。日本と中国の経済力は「大龍」と呼ぶにふさわしいものだからです。

確かに、今では国全体では、日本のGDPは中国以下ですが、一人あたりのGDPということでは中国や、韓国よりもはるかに上です。

韓国のGDPは東京都のGDPと同次元という状況です。東京都が日本全体と争い、特に不買運動をしたとしても、どの程度の効果があるのか甚だ疑問です。

そもそも、製品やサービスのボイコットが効力を持つのは、経済規模が同程度かもしくは自国のほうが大きい場合に効果を出すことができるのであって、自国よりはるかに経済規模の大きい国に対して経済制裁などしても無意味です。

しかも、韓国と日本の場合産業構造が似通っており、日本の製造できないもので韓国が製造できるものはありません。であれば、韓国から輸入できなくても日本で製造を増加すれば良いだけです。

さらに韓国に輸出できなくなっても、もともと韓国のGDPが小さいことから、それによる不利益も少なく、現在経済のをかなり伸ばしつつあるベトナムやインドなどに振り向ければそれで良いです。

それに日本の場合デフレ続きで、さらに消費増税などするから、個人消費が減るのであって、今後減税などすれば、個人消費が上向き、経済規模の大きい日本なら、それだけで韓国への輸出よりはるかに大きな内需を見込むことができます。

高麗大学経済学科の教授は新聞社の取材で、不買運動の対象となっている消費財が日韓貿易に占める割合は15%しかなく、日本に影響に与えることはないと述べています。

さらに、日本はこれまでに自然科学分野でノーベル賞受賞者を数多く輩出し、米医学界最高の賞とされるラスカー賞の受賞者も日本は複数輩出しています。他にも日本は世界的権威のある賞の受賞者を多数輩出していますが、韓国には自然科学分野のノーベル賞受賞者はおらず、世界的権威のある賞の受賞者も日本人より圧倒的に少ないのが現状です。

韓国の自然科学分野でのノーベル賞受賞者は未だに0人

現状では、韓国の製造業はディスプレイパネルや半導体などの分野で日本を上回る競争力を持つのですが、これすらも日本の技術がなければ成り立たないことが最近あきらかになりました。国全体の国際競争力ではやはり日本のほうが韓国を上回わってています。

世界経済フォーラムが発表している「世界競争力報告」のデータによれば、年によって変動はあるものの日本のランキングは一桁台であるのに対し、韓国は20位台です。現状では、韓国と日本を比較すること自体が間違いであり、日韓の競争力は同じ次元にあるものではありません。



以上のようなデータからも韓国で日本製品やサービスのボイコット運動をしたとしても、日本への影響は限定的でしょう。

日本のビール会社の韓国でのもうけが減ろうと、トヨタ車が韓国で売れなくなろうと、韓国人観光客が減ろうと、日本政府が「安全保障に絡む国策」を変えることはありません。

だから不買運動の行きつく先は、国力大浪費の揚げ句の果てに“国民的大挫折”でしかないです。それは政権浮揚力の劇的低下に直結することになります。

そうした見通しが立つ中で、不買運動は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長阻止運動と結びつき、「トータルな反日運動」の色彩を強めつつあります。北朝鮮も「韓国はGSOMIAを破棄しろ」と“指令”しているようです。

従北ポピュリズム政権にとっては、「GSOMIAの自動延長を拒否して日本に大打撃を与えてやった」と喧伝することが唯一の逃げ道かもしれないです。しかし、それでも韓国にとって何のメリットもありません。結局のところ、韓国は「国民的大挫折」に向かってまっしぐらで、それはとりもなおさず、政権の支持率の劇的低下につながるのみです。

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