トランプ大統領 |
北朝鮮情勢が緊迫している。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件などを受け、ドナルド・トランプ米大統領が最終決断を迫られているのだ。「兄殺し」もいとわない狂気のリーダーに、核・化学兵器搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を握らせれば、世界の平和と安定が脅かされかねない。ジャーナリスト、加賀孝英氏の独走リポート。
「あいつ(正恩氏)は異常だ! テロリストだ! トランプ大統領は、そう吐き捨てたようだ」
旧知の米情報当局関係者はそう語った。
驚かないでいただきたい。朝鮮半島有事が秒読みで迫っている。
米国は、国連安保理決議を無視した新型中距離弾道ミサイルの発射(12日)や、猛毒の神経剤VXを使用したマレーシアでの残忍な正男氏殺害事件(13日)を受け、新たな「作戦計画=正恩氏斬首作戦」を準備した。
米国はこれまで、北朝鮮に対して「作戦計画5015」を用意してきた。どこが違うのか。米軍関係者が明かす。
「5015は、北朝鮮の核・軍事施設など約700カ所をピンポイント爆撃し、同時に、米海軍特殊部隊(ネービーシールズ)などが正恩氏を強襲・排除する。新作戦計画は、特殊部隊の単独作戦だ。国際テロ組織『アルカーイダ』の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン殺害時と同じだ」
米国は2011年、パキスタンでビンラーディン殺害を決行した。米軍の最強特殊部隊が深夜、ステルス型ヘリコプターなどに分乗して、潜伏先上空からロープで降下し、わずか40分の銃撃戦で成し遂げた。
オサマ・ビンラディンの殺害を報ずるオバマ大統領
「ビンラーディンにつけられたコードネームは『ジェロニモ』だった。正恩氏にもコードネームがつけられた」といい、米軍関係者は続けた。
「作戦部隊はすでに朝鮮半島周辺の所定の場所に待機している。トランプ大統領の決断待ちだ。正恩氏の隣にわれわれの協力者がいる。正恩氏は100%逃げられない」
事態は緊迫している。以下、複数の米政府関係者らから得た情報だ。
「米国は昨年末から、中国に『米国の作戦計画の黙認』『正恩政権崩壊時の介入方法』について事前協議を申し入れた。トランプ氏と習近平国家主席による9日の米中首脳電話会談でも出た。中国は逃げている」
「米ウォールストリート・ジャーナルが24日に一部報じたが、北朝鮮は水面下で『正恩氏直結の女』こと北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長の訪米と、元米政府当局者との非公式接触を打診していた。命乞いの訪米だが、米国は崔氏の入国ビザの発給を拒否、蹴飛ばした。米国の断固たる決意だ」
一方、正恩氏は狂乱状態のようだ。
「正恩氏は米国におびえて、周囲を罵倒し、暴れ、影武者を立てて、居場所が特定されないよう、地下にある5カ所の秘密部屋を転々とし、隠れている」
3月には、正恩政権殲滅(せんめつ)を目的とした史上空前規模の米韓合同軍事演習が始まる。
■加賀孝英(かが・こうえい)
【私の論評】正恩は、習近平によって斬首される(゚д゚)!
韓国にはすでに昨年の段階で、米軍の金正恩斬首部隊が配置されています。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを掲載します。
在韓米軍、「金正恩斬首」の特殊部隊を配備―【私の論評】戦争に傾く混迷の2016年以降の世界を日本はどう生き抜くのか(゚д゚)!
この記事は、昨年の2月5日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
在韓米軍がこのほど、第1空輸特戦団と第75レンジャー連隊所属の特殊部隊を韓国にローテーション配備した。
同部隊は、イラク戦争やアフガニスタンでの戦闘に投入され、敵の要人を暗殺する「斬首作戦」などを担ってきた。核・生物化学兵器などの大量破壊兵器(WMD)の除去作戦も行う。
在韓米軍の発表によれば、「特殊部隊は韓国特殊戦司令部と共に特殊戦司令部準備態勢や能力増大のための訓練を行う」という。訓練には、特殊部隊を極秘潜入させる米空軍のMC-130J支援機も投入される予定。
在韓米軍がこうした発表を行うのは異例。これは、はっきそうは言ってはいないものの、米軍が金正恩斬首部隊を韓国に配置したということを表明しています。
この斬首部隊は引き続き今年も、韓国に駐留しています。オバマ政権と同じく、トランプ政権も、条件が揃えば、金正恩を斬首する構えに変わりがないようです。
このような事実を前提に考えると、北朝鮮の故金正日総書記の長男、金正男氏が殺害された事件の背景には、“核のドミノ現象”を避けたい思惑で一致している米国と支那が水面下で進めていた、金正恩暗殺計画の頓挫があったかもしれないということがいえるかもしれません。
アメリカ軍は上に掲載したように、昨年、「斬首部隊」韓国入りさせ、すでに訓練も終了し、スタンバイ状態にありました。一方の支那も、ここにきて人民解放軍の特殊部隊を支那朝国境付近に備えたと言われていました。
習近平は、度重ねて強行する北朝鮮の核やミサイルの実験に堪忍袋の緒が切れており、直接手を下さなくとも朝鮮人民軍に働き掛けてクーデターを起こさせようとしていた可能性は、ゼロではないでしょう。そもそも、北朝鮮のミサイルは米国には未だ到達する水準にありませんが、支那には現在の水準でも十分届きます。
金正恩にブチ切れている習近平 |
アメリカと支那が“戦略的忍耐”を強いられているあいだに、北朝鮮は核の小型化や潜水艦発射弾道弾の発射実験まで行い、さらには大陸間弾道弾のエンジン燃焼実験にも成功したと吹聴したことで、北朝鮮の大量破壊兵器がアメリカ本土に到達する日が差し迫っています。
こうした現状で、朝鮮人民軍に宮廷クーデターを働き掛けている時間的な余裕はなく、いまこそ最も有効な手段として考えられたのが金正恩の暗殺だった可能性が大です。
ところが、昨年末に行われたアメリカ大統領選挙により新たなリーダーが誕生しました。支那は正恩暗殺のような大きな外交政策を決定できる余地がなくなりました。
しかし、米国と支那は共に、正恩の暗殺で国際社会から批判される危険性が非常に小さいです。それどころか逆に世界から称賛を受ける可能性すらあります。むしろ、中国には2つの面で好都合なのです。
米国特殊部隊が暗殺を決行した場合、朝鮮半島の将来に対する主導権は米国と韓国の両国が握りますが、支那側が米国より先んじた場合には、朝鮮半島の将来に対して強い発言権を行使できます。
支那が“正恩暗殺”というカードを切れば、アメリカはその後の朝鮮半島の統治について、支那主導の路線を追従せざるを得なくなります。そうなれば、支那は金正日総書記の長男であった金正男氏の政権を擁立し、北京寄りの緩衝国家を構築する腹づもりであったことでしょう。
まさに、金正恩は米国と支那のいずれかによって、暗殺されようとしたところを、まさかの先制攻撃に出て、金正恩氏を暗殺することにより“その可能性”を毒で制圧してしまったのです。
こうなった以上、米国と支那は果たしてどう動くでしょうか。正恩がパンドラの箱を開けてしまったことだけは間違いありません。
中国の特殊部隊「雪豹部隊」 |
金正恩が兄の正男氏を毒殺した後の今回の演習テーマはどうなるのか金正恩はまさに戦々恐々としてるに違いありません。しかし、米韓の手によって金正恩の首を取ることは現実的にかなり難しい面があることは否めないです。
なぜなら刺客である韓国人やアメリカCIA工作員を北朝鮮国内に密かに送り込むことは極めて困難であるし発見されやすいからです。
それよりも金正恩の首を獲れる可能性が高いのはやはり支那です。兄の正男氏の毒殺後に支那が北朝鮮の全面的な石炭輸入禁止を行ったことは金正恩の「斬首作戦」の始まりを告げてると言っても良いかもしれません。
金正恩はその若さゆえに歴代の金一族がタブーにしてきた支那への対立を剥き出しにし、支那の保護下にあった正男氏が支那の国外にでた途端に毒殺してしまったのですから、支那は隣国である北朝鮮のリーダーとして金正恩政権の存続を決して許さないでしょう。
正男殺害でパンドラの箱を開けてしまった金正恩 |
米国による斬首作戦よりも、貿易関係者や商人を装って工作員を北朝鮮の領土内に何食わぬ素振りで多数送り込み北朝鮮国内の不満分子を扇動し、毒殺された正男氏の長男キム・ハンソルをリーダーに立て正義のためのクーデターを起こさせるという方がより現実味があります。
表向きには中国がクーデターに加担したことがわからないまま金正恩を北朝鮮の人々の手で討ち取ったことにできる確実な「斬首作戦」です。悪行の限りを尽くしている金正恩に対して怒り心頭の習近平政権こそ、金正恩を斬首する可能性が高まってきました。
いずれにせよ、それが、来週になるのか数年後なのかはわかりませんが、金正恩は米国、支那のいずれかの実行部隊の条件が揃えば、斬首される運命にあるとみるべきです。
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