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2012年7月18日水曜日

【国際政治経済学入門】税収減、失業増…消費増税失敗 英の教訓―【私の論評】増税はまだ本決まりではない!!まだ防ぐ機会はある!!

【国際政治経済学入門】税収減、失業増…消費増税失敗 英の教訓:



ロンドン五輪まであと1週間余り。英国全土は、聖火リレーなど華やかな関連行事で沸いている。が、経済社会に目を転じてみると、かなり暗い。

2010年5月に発足したキャメロン保守党・自由民主党連立政権は、さっそく付加価値税率17.5%を11年1月から20%に引き上げる緊縮財政政策を決定した。他にも銀行税を導入するほか、株式などの売却利益税の引き上げ、子供手当など社会福祉関連の予算削減にも踏み切った。他方で法人税率を引き下げ、所得税控除額も12万円程度引き上げ、成長にも多少配慮した。(グラフ下参照)

こうして国内総生産(GDP)の10%まで膨らんだ財政赤字を15年度までに1.1%まで圧縮する計画なのだが、結果は無残である。

グラフを見ればよい。付加価値税収は11年から激減し、この5月までの1年間でも前年同期比でマイナス8.4%減である。個人消費動向を示す消費者信頼指数は08年9月のリーマン・ショック時よりもっと冷え込んでいる。景気の悪化を受けて、所得税収、法人税収とも前年同期比マイナスに落ち込んだ。政府債務残高のGDP比は11年末で85.7%(10年末79.6%)と増え続けている。


窮余の一策が、中央銀行であるイングランド銀行(BOE)による継続的かつ大量の紙幣の増刷(量的緩和)政策である。BOEといえば、世界で初めて金(きん)の裏付けのない紙幣を発行し、フランスなどとの戦争費用を政府に提供した中央銀行であり、その大胆さは世界でもずぬけている。

BOEは11年秋から英国債を大量に買い上げ、ポンド札を金融市場に流し込んでいる。BOEはリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)に呼応して量的緩和第1弾に踏み切ったが、インフレ率が上昇したのでいったんは中断していた。

インフレ率は5%前後まで上昇したが、そんなことにかまっていられず、ことし5月にはリーマン前の3.7倍にまでマネタリーベース(MB)を増やした。幸い、インフレ率は需要減退とともにこの5月には2.8%まで下がった。国債の大量購入政策により、国債利回りも急速に下がっている。ポンドの対米ドル、ユーロ相場も高くならずに推移し、ユーロ危機に伴う輸出産業の競争力低下を防いでいる。


英国のお札大量発行は増税に伴う経済災害を最小限に食い止める大実験なのだが、財政政策面ではブレーキをかけたまま、金融政策でアクセルを踏むわけで、効果ははかばかしくない。

量的緩和政策を渋る日銀が、今後仮に英国のように政策転換したとしても、脱デフレや景気てこ入れ効果は限られるかもしれない。

自動車など主要企業は国内生産に見切りをつける。若者の雇用機会は失われ、慢性デフレで細った勤労者の家計はジリ貧になる。税収は減り、財政悪化に加速がかかる。

衆院解散総選挙が気になる増税3党はあわてて、東日本大震災からの復興予算の上積みや「列島強靱(きょうじん)化」を名目にした公共事業の積み上げを言い出す始末で、いかにもドロナワ式だ。景気が気になるから、増税前に財政のばらまきに走ると言うなら、建設国債でも発行して大型財政出動に踏み切るのが王道というものだ。まずは、英国の増税失敗を教訓にして消費増税を撤回すべきなのだ。

(特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】増税はまだ本決まりではない!!まだ防ぐ機会はある!!



イギリスのインフレ率

上の記事にもある、イギリスの経済について、あのノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏が、以下のようなことを語っています。


インフレ懸念論は大間違いだときっぱり言い切るぼくらに対して,イギリスが反例に出されることがあった――「イギリスは高失業率な上にあちこちで経済停滞がみられるけれど、インフレ率は上がりっぱなしじゃないか!」なんてね。これはたんに一度っきりの特別な出来事(ポンドの下落、付加価値税の引き上げ、一次産品の値上がり)が続いただけで、インフレはやがて低くなっていくよ、と反論しても、バカにされたっけ。
これは、不況時であっては、増刷するべしというクルーグマンらの主張に対して、そんなことをすれば、ハイパーインフレになるだけで、不況から脱することはできないとする人々から、良くイギリスが引き合いに出されていたことに対するクルーグマンの反証です。




これは、上の記事にもあるように、イギリス中央銀行であるイングランド銀行(BOE)による継続的かつ大量の紙幣の増刷(量的緩和)政策を打ち出し実際にインフレが続いていたことから、クルーグマンなどが言っていること間違いであるとして、格好の事例として、増刷反対派などが良く引き合いにだしていたものです。

上で、クルーグマンを馬鹿にした人たちの中には、無論、政治家も含まれます。しかし、上のグラフを見ている限り、クルーグマン氏を馬鹿にした人たちが馬鹿だったということです。

本当に馬鹿で間抜けですね。私も、イギリスのインフレ率はいずれ下がっていくものと思っていました。本当にそのとおりになりました。それにしても、ハイパーインフレ論者って、どうして、現実を見ようとしないのでしょうか。

増税して、増刷ですから、不自然といえば、不自然です。本来は、増税せずに、景気対策として、財政出動ならびに増刷をして、景気が回復して、インフレが加熱してきたところで、増税するべきでした。こんな異常なことをするから、増刷の効果が薄れて、景気がなかなか浮揚しません。当たり前の真ん中です。

そうして、このようなことがわからない政治家が、他の国にもいます。無論、それは、消費税増税で三党協議をした民主・自民・公明の政治家です。こちらの馬鹿さ加減は、上の馬鹿よりもはるかに上回っています。

上のインフレ率のグラフを見て下さい。イギリスは、ここしばらく、1%以下にインフレ率が下がったことがありません。しかし、日本はといえば、デフレです。デフレとは、このグラフで、インフレ率が0未満ということです。

そうして、日銀は、インフレ目処1%などと称して、何やら、インフレ率を1%以上にするというのてではなく、上限を1%にすることにばかりこだわっています。!%を少しでも超えそうな勢いになると、追加緩和措置をすぐに取りやめるという状況です。あいかわらず、金融引締めばかりやっています。

このような状況で、増税したとすれば、増税する前からイギリスよりも悪い状況なのに、さらに、これを悪化させるだけです。イギリスの反省から学ぶまでもなく、今の日本で必要なのは、政府による大規模な財政出動と、日銀による量的緩和による金融緩和です。この二つを同時にやることです。

それになのに、全く逆のことをやり続けデフレを維持し、それどころか、今度は、増税でさらにとどめを刺そうとしています。

こんなことをすれば、本当に上の記事のように、若者の雇用機会は失われ、慢性デフレで細った勤労者の家計はジリ貧になる。税収は減り、財政悪化に加速がかかることになります。


増税法案は、マスコミなどではもう本決まりのような扱いですが、そんなことはありません。まだ参議院を通過していません。それに、平成14年の4月から増税するか否かは、来年の9月に決定します。


まだ、増税を防ぐ機会が二度あるということです。特に、来年9月までには、必ず衆議院議員選挙があるものと思います。私たちは、この機会を最大限に生かして、増税を絶対阻止するため、増税を主張する馬鹿な候補者ではなく、増税しないことを主張する候補者に一票を投じるべきと思います。皆さんは、どう思われますか?



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2012年4月23日月曜日

古谷主税局長 歴史的答弁「デフレ下の増税は税収減らす」−【私の論評】増税などの緊縮財政は、デフレを克服してからの話!! コルセットだって、締めてばかりいては、色気もなにもあったものではない!!

古谷主税局長 歴史的答弁「デフレ下の増税は税収減らす」

西田昌司「参議院予算委員会 質問 2012.4.4」


上の動画の説明、以下のように素っ気のないものですが、実は、消費税の増税に関して、歴史的答弁といっても良いくらいの答弁がなされています。
参議院予算委員会にて質問
・小川法務大臣の問題について
・中国農産物等輸出推進協議会問題について
・消費税の増税について
動画の45分くらいから47分くらいが歴史的答弁です。私は、西田議員での国会質問は、見られるときは、見ているのですが、この画像は、見逃していました。本日は、このブログにも時々登場する上念 司氏のツイートにこのことが掲載されていたので、このブログでも、これを話題とします。

【私の論評】 増税などの緊縮財政は、デフレを克服してからの話!! コルセットだって、締めてばかりいては、色気もなにもあったものではない!!

さて、以下に西田議員と、古谷主税局長とのやりとりの核心部分のみを掲載します。

西田参議院議員
「デフレ下で増税したら、税収は増えますか?」

古谷一之財務省主税局長
「減ります」
 西田参議院議員 
大事なことなのでもう一度繰り返します。
「デフレ下で増税したら税収は増えますか?」

古谷一之財務省主税局長
「減ります」

西田参議員議員
ちなみに、主税局長とは、徴税の責任者のことです。財務省主税局とは、財務省のサイトからそのままコピペすると、以下のような仕事をしています。
主税局は、国の税制の企画・立案を行っています。
税制は、我が国の経済社会活動を適切に運営するために必要な公的な財やサービスを提供するため、国民各層にそのための経費の負担を求める仕組みです。
現在、我が国は、少子・高齢化社会や経済活動のグローバル化に直面しています。主税局は、公平(税を負担する能力に応じて課税する)、中立(経済活動に歪みを与えないようにする)、簡素(国民に分かりやすい仕組みにする)の3つの租税原則を踏まえながら、毎年度の税制改正(年度改正)を通じて、その時々の経済社会の実像や将来像、さらには、財政の実像や将来像に留意しながら、望ましい税制「あるべき税制」の構築に取り組んでいます。
一般の人にもわかりやすいように言うと主税局長とは、マルサの総元締めです。

古谷さん、よくここまではっきりと言い切ったものだと思います。この答弁を引き出した西田さんの手腕んも大したものだと思います。

なぜ古谷さんがここまで踏み込んだ答弁をできたかといえば、まるで、すみからすみまで、増税オンリー派のように思われた財務省の中にも、古谷さんのように増税反対派が存在していて、しかも、地位からいって、その頭目とみ目されることです。、なんてばらしてはいけません。このような動きも見逃さないためにも、国会答弁はできたら見た方が良いです。今回は、増税の話題ですが、その他のことも良く理解できることがあります。そうはいっても、朝から晩まで、逐一リアルタイムでみていられるとは限りません。

そんなときに備えて、twitterなどで、その道の専門家など、フォローしておけば、テレビや、動画など、みるべきものをツイートしたりしています。私も、上の動画は見逃していて、いわゆる専門家のツイートをみていたら発見したものです。


それにしても、デフレの時期の増税など、上のグラフをみても理解できるように、絶対に税収はあがらないことは、すでに、マクロ経済学でも、証明ずみですし、全くマクロ経済学を知らなくなても、過去の統計を調べれば、デフレ時の、増税は、失敗することははっきりしています。

下のグラフは税収を示したものです。日本政府の税収は、最も多いときには、60兆円を超えていました。それが、昨年は、40兆円台です。では、60兆円を超えなくなってから、現在まで何があったかといえば、ほとんどの人が忘れているようですが、消費税の3%から、5%への値上げです。これを実施して以来一度も、消費税が3%であった時の税収を上回ったことはありません。

それから、消費税を導入したときには、一時税収があがっていますが、この時代を思い返して見れば、土地価格は毎年上昇し、家賃も上昇し、物価もあがり、賃金も上昇するのが当たり前でした。そうして、こんなことは、ここ20年ないことなので、大方の人は忘れているのではないかと思います。それに、若者は、誰一人知らないと思います。もう、日本は、統計数値でも明らかなように、20年近くもデフレになりっぱなしです。そんなときに、デフレ対策を打つとして、減税をはじめとする政府による、積極財政をする、日銀による、金融緩和をするというのならわかりますが、増税して、緊縮財政をするとか、日銀によって、金融引き締めばかりやってきたというのが実態です。

先日は、日銀が金融引き締めばかり結果として行うことについて、これがなぜいけないかについて、女性のガードルを例にとって述べました。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、以下にその部分を掲載します。
経済とは、バランスが重要ですから、いくら、金融引き締めが、日銀のDNAであるからといって、常時引き締めをやっていれば、目だった引き締めなど永遠にできないのは、当たり前のことです。どこかで、緩めて、どこかで締めるということによりはじめて胸躍る、大胆な、引き締めができるというものです。
 
こんなこと、何も小難しい経済理論でなくても、理解できることです。たとえば、ガードルやブラだって、全部締めていれば、たるみが目立たないだけになるだけです。全部緩めていれば、そもそも、何の役にもたちません。やはり、締めるところは締めて、緩めるところは緩めるから美しい曲線が造形できるのです。全部締めっぱなしだと、色気も何もあったものではありません。
財政だって同じことです。財務省には、日銀と同じような、「緊縮財政が勝ち」というDNAがあるのでしょうか?あるのかもしれません。なにせ、日本では、江戸時代から、財政対策というと、「緊縮財政」を行って、もともこもなくしたという記録が残っていましすし、それに、アメリカに端を発した、あの世界恐慌では、日本も大きな影響を受けていて、いわよる昭和恐慌にみまわれていましたが、そのときの対策も、結局「緊縮財政」でした。これを高橋是清が、これを改め、積極財政に踏み切ったところ、日本はすばやく不況から脱することができました。

現在も、昭和恐慌のときと同じように、デフレが長期間続いています。緊縮財政がDNAだったにしても、華麗で大胆な、緊縮をするためには、どこかで、財政を緩めてなければ、いつまでたっても、大規模な緊縮財政はできません。であれば、大胆な緊縮財政をやるためには、どこかで、財政をゆるめて、大規模な公共工事など行う必要がります。今の日本は、民主党が「人からコンクリート」というスローガンで、結局緊縮財政です。この緊縮財政も、20年も続き、公共工事など、先進国中では、最低レベルの水準にまで、落ち込んでいます。そのため、耐用年数が過ぎて、わたれなくなった橋や、トンネルなどがでてきています。これから、年数を経ればもっとでてきます。そのうち、崩落するものもでてくるでしょう。まさに、今は、本来的には、公共工事のやりどきだと思います。

そうして、こんなこと、何も難しい経済理論など知らなくても、簡単に理解できることです。そうです、あの女性用のコルセットだって、ウエストをくびれて見えるように、胸から下を腰から上を締めています。これが、胸も、腰から下もすべて締めたらどういうことになるでしょうか?そうして、しまえば、うのくびれたウエストの線はだせまんせん。そうなれば、色気も何もあったものではありません。

やはり、緩めるとろは、緩めて、締めるところは、締めるから、豊かで美しいカーブを造詣できるのです。経済だって、金融だって、普段の私たちの生活だってそうです。いつも、締めてばかりいては、駄目になることは目に見えています。
 しかし、こんなことは、本当は、財務省の人たちは、全員了解ずみの簡単な理屈だと思います。だからこそ、いままで、増税一辺倒だと思われていたのに、古谷主税局長は、上のようにまともなことをことを答弁しています。ということは、緊縮財政は、財務省のDNAとばかりも言い切れないようです。

財務省としても、このまま増税して、緊縮財政を続ければ、非常に経済が停滞してまずいことになるというのは、十分理解しているのではないかと思います。ただし、野田さんや、谷垣さんの財政ブレーンである、財務省トップは異なるのだと思います。この人は、もう退官するのが近いですから、自分の名誉だけに注目して、最期にはなばなしい、増税という緊縮劇を演出したいのだと思います。去る人は、どうでもいいでが、これからも、しばらく財務省に残り続ける若い人たちは、一体どうなるのでしょうか?

民主党は、そのころには、とっくに政権の座から降りているから、どうでもいいのかもしれませんが、そのころには、民主党とは別の政権が政権を担っていることとなります。そうなれば、時の政府は、増税による悪影響をまずは、民主党政権時代の負の遺産ということで、野田さんや、当時の閣僚のせいであることを公表するでしょう。そうして、その頃には、民主党は野党になっているか、雲散霧消しているので、その頃の政権や、国民の憤怒の矛先は、財務省に向かうことになります。

そうなれば、財務省のいわゆる増税派には、降格その他の厳しい措置が待っていると思います。それこそ、降格はもとより、あの日銀独立による、大蔵省解体財務省設立のように、財務省自体が解体の憂き目にあうかもしれません。そうして、その頃には、与党にいるか、野党にいるかはわかりませんが、きっと、徹底的に、財務省の増税派を追求することでしょう。当然、民主党の責任も追求するでしょうが、何といっても、財務省への風当たりは強くなるでしょう。第二の「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件も発生するかもしれません。

そんなことにならないためにも、古谷主税局長は、あのような答弁をして、自らの意思をはっきりさせたのだと思います。あるいみ、アリバイ作りのようなところもあると思います。財務省のかたがたには、省益のためにも、自らの保身のためにも、増税には、反対していただきたいものです。こうした背景から、今回の古谷氏の発言は、歴史的な答弁になると思います。



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