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2019年6月28日金曜日

トランプ氏「安保破棄」発言で“憲法改正”後押し!? G20前に衝撃発言「日本に米国守る義務ない…不公平だ」 識者が分析「防衛・安全保障のあり方を熟考する契機に」―【私の論評】トランプ氏は、警告の意味もこめ、日本が自主的に憲法改正に踏み切るよう促した(゚д゚)!


トランプ氏(左)は、安倍首相の悲願成就に協力したのか

ドナルド・トランプ米大統領が、「日米同盟の根幹」に関わる衝撃発言を放った。米テレビのインタビューで、日米安全保障条約に基づく防衛義務は一方的だとの強い不満を表明したのだ。米ブルームバーグ通信が直前、トランプ氏が「日米安保条約の破棄」に言及したと報じていただけに、この発言は深刻といえる。大阪で28日から開催されるG20(20カ国・地域)首脳会合に合わせた日米首脳会談の主要テーマにもなりそうだ。左派陣営の中には「日米同盟廃棄だ」などと小躍りする向きもあるが、識者の中には「自国の防衛・安全保障のあり方を熟考する契機になる」「安倍晋三首相の憲法改正を後押しする発言では」といった分析もある。

 「日本が攻撃されたら米国は第3次世界大戦を戦うだろう。米国はいかなる犠牲を払っても日本を守る。それなのに米国が攻撃されたとき、日本はその状況をソニーのテレビで見ていられる」

 トランプ氏は26日、FOXビジネステレビの電話インタビューで、こう語り、米国の同盟国への負担が重すぎるという持論を展開した。

 この直前、さらに踏み込んだトランプ発言が報じられていた。ブルームバーグ通信は24日、トランプ氏が私的な会話で「日米安保条約は不平等だ」として、「破棄」に言及したと報じたのだ。

 日米当局は強く否定したが、トランプ氏は2016年の大統領選中にも「米国が攻撃されても、日本は何もしない」「在日米軍は撤退してもいい」などと発言したことがある。

 米国民の中にも、自国が「世界の警察官」の役割を担って、多額の軍事費を支出していることに不満を感じる声は多い。

 だが、日米同盟はそれほど単純ではない。

 1960年に改定された日米安保条約は、日本の施政権下における武力攻撃について、日米が「共通の危険」に対処すると定めている。一方、日本側は米軍への基地提供義務を負っている。「非対称ながらも双務的」な同盟関係である。

 日米安保は米国にとっても重要だ。

 神奈川県横須賀市に司令部がある米海軍第7艦隊は、太平洋だけでなく、インド洋も管轄し、地球の半分を活動範囲としている。沖縄の米空軍嘉手納基地は、羽田空港の約2倍の広さがあり、極東最大の米空軍基地である。在日米軍撤退となれば、米国は世界の覇権を失うことになる。

 自由主義国家のナンバー1と2による日米同盟は、アジア太平洋や世界の平和・秩序維持に重要な役割を担っている。共産党独裁の中国による覇権拡大を阻止する強固な防波堤でもある。

 トランプ氏がG20への出発直前、衝撃発言を放った真意について、「来年の大統領選挙を見据えた選挙対策」とか、「日米貿易交渉で譲歩を迫る狙い(ディール)」「在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)などの増額要求」といった見方が出ている。

 ネット上では、左派陣営を中心に「安倍首相の外交的敗北だ」「日米安保廃棄」「沖縄・米軍普天間飛行場の辺野古移設は中止すべきだ」「米国への依存体質から抜け出そう」などと盛り上がっている。

 夕刊フジは26日午後、ブルームバーグ通信の報道を受けて、東京・新宿で街頭演説を終えた共産党の志位和夫委員長を直撃した。

 志位氏は「トランプ氏は『日本はもっと(米軍の駐留経費を)負担しろ』という文脈で言っており、とんでもない話だ。そこで(日本側が)『日米安保条約は止めないでください。何でも負担しましょう』となると、トランプ氏の言うがままになる」と述べた。

 そのうえで、「私たち(=共産党)の考えは、日米安保条約は国民多数の合意で破棄をし、対等で平等の日米友好条約に変え、本当の独立国をつくることだ」と強調した。同党は党綱領に「自衛隊の解消」「日米安保条約の廃棄」を堂々と掲げている。

 ■日米安保破棄なら防衛コスト23兆円?

 日米安保を廃棄すれば、日本は自主防衛に踏み切るしかなくなる。その防衛コストについて、「年に22兆3000億~23兆8000億円かかる」との防衛大学校教授の試算もある。年金どころではない。日本の社会保障費が吹っ飛んでしまう。

 そこで、防衛コストについて指摘すると、志位氏は「(試算には)どんな根拠があるんですかねえ」と語った。

 まったく違う見方もある。

 トランプ氏は「日本人に『自分の国は自分で守る』という覚悟を持たせ、憲法改正を後押しする意図があったのでは」と分析するものだ。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は当初、「フェイクニュースか?」と首をひねったが、大阪G20の隠れテーマが「対中包囲網の構築」であることから、次のように深読みした。

 「米国は長く、日本の軍事大国化を防ぐため、平和憲法と日米同盟で押さえ付ける『瓶のフタ論』をとってきた。だが、トランプ氏は以前から『経済大国の日本が米国頼りなのはおかしい』という疑問を明言してきた。米中対立が激化するなか、トランプ氏は『日本も憲法を改正して、自分の国は自分で守る国になるべきだ』『米国とともに共産党独裁の中国と対峙(たいじ)してほしい』とのメッセージを込めた可能性がある」

 トランプ流で、安倍首相の憲法改正を激励したのだろうか。

【私の論評】トランプ氏は、警告の意味もこめ、日本が自主的に憲法改正に踏み切るよう促した(゚д゚)!

最近の報道では、トランプ大統領が日米安保破棄について語ったことが報道されていますが、その背景には米国ではすてに、オバマ政権の頃から日本は改憲すべきであるとの声が議会で高まっていたことがあります。

それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
 GHQによる日本国憲法草案
1946年(昭和21)2月13日、外相官邸で行われた日米会談の席で、政府の「憲法改正要綱」は、あまりに保守的内容であるとして拒否され、GHQ起草の案(マッカーサー草案)が提示された。この草案は、GHQ民政局部内で極秘裏に起草されたもので、主権在民・象徴天皇・戦争放棄などを規定していたため、政府側に大きな衝撃を与えた。

この記事は2010年のものです。詳細はこの記事をごらんいただくものとして、もうすでにこの頃からら、米議会では日本は改憲すべきという勢力のほうが、護憲勢力よりも大きくなっていたのです。

この記事の冒頭部分を以下に引用します。
米国議会が日本の憲法第9条を日米共同防衛への障害と見なし、改憲を望むようになった――。 
この現実は日本の護憲派にはショックであろう。だが、米国議会上下両院の一般的な認識として、日本側の憲法9条の現行解釈による集団的自衛権の行使禁止は、「より緊密な日米共同防衛には障害となる」というのである。
同じく以下のこの記事から私による結論部分を引用します。
憲法を改正して、パランス・オブ・パワーの一角を担う覚悟がなけば、いずれ選択できる道は二つしかありません。それは、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になることです。いますぐ、ということはないでしょうが、今後10年以内には、おそらくどちらかの道を選ばざるをえない状況に追い込まれます。あなたは、どの道を選びますか? 
しかし、私達としても、当然のこととして、どらの道も選びたくはありません。であれば、憲法を改正して、バランス・オブ・パワーの一角を担うしかありません。
この動きは近年さらに強まっていました。それについても以前このブログで取り上げたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米国議会で高まってきた「日本は憲法改正せよ」の声―【私の論評】米国大統領は平時には世界“最弱”の権力者である理由とは?
米国・ワシントンD.C.の国会議事堂。米国議会で日米同盟の片務性を批判する声が高まってきた
この記事は2017年3月4日のものです。トランプ氏が大統領に就任して間もない頃です。
 米国のトランプ政権は日米同盟の堅持と尖閣諸島の共同防衛を確約している。その一方でこのほど、民主党の有力議員が米国議会で“日本は憲法を改正しない限り米国の公正な同盟パートナーにはなれない”“現状では米国は尖閣を防衛すべきではない”という主張を表明した。 
 日本側の憲法が原因とされる日米同盟の片務性は、これまで米国側から陰に陽に批判されてきた。だが、これほど真正面からの提起も珍しい。日本側としても真剣に受け止めざるをえない主張だろう。
・・・・・・・・・・・・一部省略・・・・・・・・・・・

 公聴会ではまず議長のヨホ議員が、中国の南シナ海での人工島造成や軍事基地建設を膨張主義だとして非難し、中国による東シナ海での日本の尖閣諸島領域への侵入も米国の同盟国である日本への不当な軍事圧力だと糾弾した。

 そのうえで同議員は、オバマ政権下の米国のこれまでの対応が中国をまったく抑えられなかったと指摘し、日本などの同盟国と連帯して対中抑止態勢を構築することを提唱した。その前提には、トランプ政権が日米で尖閣を共同防衛する意思を表明していることがもちろん含まれていた。

 ところがこの委員長発言の直後、民主党を代表して発言したブラッド・シャーマン議員が驚くほど強硬な語調で日本を批判したのである。

ブラッド・シャーマン民主党議員 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 「トランプ政権が日本の施政下にある尖閣諸島の防衛を約束したことには反対する」 
 中国の海洋進出を非難する前にトランプ新政権の対日安保政策に反対を唱える発言に、私は驚かされた。シャーマン議員はさらにショッキングな発言を続けた。 
「日本は憲法上の制約を口実に、米国の安全保障のためにほとんど何もしていない。それなのに米国が日本の無人島の防衛を膨大な費用と人命とをかけて引き受けるのは、理屈に合わない。日本側はこの不均衡を自国の憲法のせいにするが、『では、憲法を変えよう』とは誰も言わない」 
 「2001年の9.11同時多発テロ事件で米国人3000人が殺され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国は集団的自衛権を発動し、米国のアフガニスタンでの対テロ戦争に参戦した。だが、日本は憲法を口実に、米国を助ける軍事行動を何もとらなかった。その時、『日本はもう半世紀以上も米国に守ってもらったのだから、この際、憲法を改正して米国を助けよう』と主張する政治家が1人でもいただろうか」 
 シャーマン議員は公聴会の満場に向けてそんな疑問を発すると同時に、日本やアジアに詳しい専門家の証人たちにも同じ質問をぶつけた。
 シャーマン議員はカリフォルニア州選出、当選11回のベテランである。民主党内でもかなりのリベラル派として知られる。そんなベテラン議員が、日米同盟が正常に機能するためには日本の憲法改正が必要だと主張しているのである。
シャーマン議員は以下のような発言もしました。

「2001年9月の9.11同時多発テロ事件では米国人3000人が殺され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国は集団的自衛権を発動し、米国のアフガニスタンでの対テロ戦争に参戦しました。しかし、日本は憲法を口実に、米国を助ける軍事行動を何もとらなかった。その時、『日本はもう半世紀以上も米国に守ってもらったのだから、この際、憲法を改正して米国を助けよう』と主張する日本の政治家が1人でもいたでしょうか」

トランプ政権からでもなかなか出てこない過激な主張であり、日本に対する手厳しい批判でもありました。

しかし、この主張には無理な側面もあります。なぜなら、日本国憲法は日本が自主的に定めたものではなく、当時の米国によって作成されたものだからです。それは、バイデン元副大統領もそのように発言していました。そのため、日本が米国の要請に従い憲法を変えるというのなら、米国もそれ相当のことをしなければならないです。

まずは、極東軍事裁判の一方的な判決、さらには、その後のGHQの統治などの誤りを認めるべきです。そうすれば、日本は自主的に憲法改正をしやすい状況を醸成できます。

以下にこの記事の【私の論評】の結論部分を掲載します。
日本が米国の要請よって、憲法を変えるなどということになれば、日本としてもただ変更するというのではなく、当然のことながら、米国と日本の関係を大東亜戦争前の日米が戦争するなどとは思いもよらかなった頃の関係に近いものに戻すことを条件とすべきです。 
このようなことをいうと、そんなことは全く不可能と思われるかもしれませんが、私はそうでもないと考えます。なぜなら、米国の保守本流派とされる人々は、そもそもソ連の防波堤となって戦っていた日本と米国が戦争したは間違いだったと考えているからです。 
そもそも、ルーズベルトが全体主義のソ連と手を組んだことが間違いの始まりだったとしています。こういう米国保守本流の考え方からすれば、米国と日本の関係を大東亜戦争前の日米が戦争するなどとは思いもよらなかった頃の関係に戻すという考えは受け入れやすいかもしれません。
スターリン(左)とルーズベルト(右)
ただし、大東亜戦争前と現在とでは国際情勢が違いますから、全くその頃と同じということてはできません。しかし、日本としてはまずは国連の常任理事国入りは当然の前提条件とすべきです。
そうして、日本が自主防衛をするようになってにしても、日米の同盟関係は維持するという条件も前提条件とすべきでしょう。そうして、日米同盟の双務性を堅持すことも条件とすることは当然のことです。
その上でなら、米国による要請も受け入れて良いと思います。ただし、自分の国を自分で守ること、すなわち防衛戦争をできるようにすることや実際にすること自体は、米国とは関係なく、本来独立国としては、当然のことです。これができないというのは、日本は未だ独立国ではないという証です。
ただし、米国議会の日本に対して憲法改正圧力は、日本にとって憲法改正にはずみをつけるということから、日本政府は大いに利用すべきものと思います。
上にでできたブラッド・シャーマン議員は、最近も日本を鋭く批判しています。ご存知のように、米国連邦議会では2018年11月の選挙で野党の民主党が下院の多数を制しました。多数党は議会の全委員会の長ポストを握り、議題や審議の手続きを仕切ることができます。下院で共和党と民主党の勢力が逆転したことで、2019年初頭からは民主党議員たちが議事進行の先頭に立つようになりました。

なかでも活発なのは外交委員会です。外交委員会のなかで日本についての政策を審議するのが「アジア太平洋・不拡散小委員会」(Subcommittee on Asia, the Pacific and Nonproliferation)です。この小委員会の委員長に新たにブラッド・シャーマン議員が就任しました。

現在、下院外交委員会のメンバーは民主党26議員、共和党20議員です。この委員会は活動がきわめて活発です。この5月に入ってからでも、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、人権、大量破壊兵器などに関する問題を幅広く取り上げて、12回も公聴会を開催しました。

そのなかでもとくに活発に動くメンバーが、カリフォルニア州選出のブラッド・シャーマン議員です。同議員は1997年以来、当選7回、外交委員会全体において民主党側議員のなかで委員長に次ぐ筆頭議員の立場にあります。また、民主党リベラル派としてトランプ政権への反発も激しく、トランプ大統領への弾劾決議案の提出を何度も試みてきました。

そのシャーマン議員が、下院外交委員会の「アジア太平洋・不拡散小委員会」委員長に就任したのです。下院外交委員会では、地域別、主題別に6つの小委員会を設けています。そのなかで日本や中国などアジア関連の課題を専門に扱うのがアジア太平洋・不拡散小委員会です。

このような意見の持ち主が、米国連邦議会のなかで日本への関わりが最も大きい小委員会委員長ポストに就いたのです。このことは日本側でも銘記しておくべきでしょう。そうして、米国においては平時には米国の大統領の権限は世界最弱であることも銘記しておくべきでしょう。ただし、米国では超党派で中国に対峙していて、こと中国に関することでは、大統領に権限が集まりつつあることも事実です。

米国の保守本流派とされる人々は、そもそもソ連の防波堤となって戦っていた日本と米国が戦争したは間違いだったと考えていることは、上でも述べましたが、米国のリベラル派である民主党のシャーマン議員にはそのような歴史観はないようです。

現状のまま、米国が日米同盟を断ち切るようなことがあれば、喜ぶのは中国です。米軍が日本からひきあげれば、中国は嬉々として、日本を占領しにやってくるでしょう。ロシアや北朝鮮、もしかすると韓国もそうするかもしれません。

そうして、日本の富と技術力を簒奪して、冷戦や制裁を勝ち抜くことでしょう。それどころか、日本の無能な官僚などは追い出し、自ら財政・金融政策などを抜本から変え、日本経済を成長させ、さらに莫大な富を得て、経済力で米国を追い抜き、世界を手にいれるかもしれません。そうなれば、世界は闇です。

そんなことは、日米双方にとって良いことは一つもありません。日米は互いに協力しつつ中国と対峙するために、やはり日本が自主的に憲法を変えやすい状況を醸成していくべきです。

トランプ発言の背景には、このようなことがあるのです。トランプ氏としては、警告の意味もこめ、日本が自主的に憲法改正に踏み切るよう促したとみるべきです。

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2018年8月14日火曜日

「米朝決裂なら、最大の戦犯は文氏だ」米情報当局関係者が衝撃発言 北の日本人男性に拘束に外事警察関係者は怒り爆発 ―【私の論評】朝鮮半島問題は米にとって対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎない(゚д゚)!

「米朝決裂なら、最大の戦犯は文氏だ」米情報当局関係者が衝撃発言 北の日本人男性に拘束に外事警察関係者は怒り爆発 

スクープ最前線

北の金正恩氏と南の文在寅氏(左から)

 北朝鮮の卑劣な謀略が警戒されている。ツアー旅行で訪朝した日本人男性が拘束されたが、「対日カード」として悪用しかねないのだ。「北朝鮮の非核化」をめぐり、ドナルド・トランプ米政権の堪忍袋の緒が切れかかるなか、「日米同盟の絆」を揺さぶる狙いなのか。トランプ政権の、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する激しい怒りとは。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情勢をリポートする。

 「人質以外の何ものでもない。スパイなど100%あり得ない。なぜ、いまなのか。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮は、人質解放を武器に『3つの謀略』を考えていそうだ。あまりにも卑劣だ」

 旧知の外事警察関係者は、こう怒りを爆発させた。

 拘束された日本人男性は、滋賀県出身の映像クリエーター(39)とみられる。外国の旅行会社のツアーで北朝鮮に入り、軍事施設もある西部の港湾都市・南浦(ナムポ)で拘束された。

 「3つの謀略」とは以下の通りだ。

 (1)「北朝鮮の非核化」問題で、日本は米国と協力して対北強行姿勢を止めない。日本を黙らせて、北朝鮮側に寝返らせる。

 (2)9月の自民党総裁選前に、工作員と左派メディアを動員して「安倍晋三首相だから事件が起きた」と世論操作、安倍首相の「総裁3選」を徹底的に潰す。

 (3)人質解放を条件に、「日本人拉致問題は解決済み」と認めさせ、日本に北朝鮮への経済支援を行わせる。

 「ふざけるな!」だ。日本政府は現在、北京の大使館ルートなどを通じて早期釈放を呼び掛けている。

 米大学生、オットー・ワームビア氏のケースとの類似点も心配だ。

 ワームビア氏は一昨年1月、北朝鮮旅行の帰国直前、スパイ容疑の濡れ衣を着せられ、17カ月間拘束された。昨年6月、昏睡(こんすい)状態で解放された。だが直後に死亡した。

 トランプ大統領以下、米政府高官は激怒し、「ワームビア氏は正恩政権に殺された。責任は(正恩氏に)負わせる」という糾弾声明を出した。日本も断固たる声明を出すべきだ。

金も文もどちらも信用できないトランプ大統領は憤懣やるかたない

 実は、米朝関係が再び緊張している。

 外務省関係者は「米国は北朝鮮への圧力をさらに高める。北朝鮮が米朝首脳会談での約束、『非核化』を裏切っているからだ。北朝鮮は『朝鮮戦争の終戦宣言』だけを要求し、具体策をすべて拒否している。米朝決裂もある」と語った。

 こうしたなか、北朝鮮が「死神」と恐れるジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が5日、FOXニュースの番組で「正恩氏は今年4月、板門店(パンムンジョム)での南北首脳会談で、韓国の文大統領に対して、『非核化を進める、1年以内にやるつもりだ』と約束した」と、爆弾事実を暴露した。

 これは、文氏側がトランプ氏側に報告した機密情報だ。トランプ氏は、同盟国の文氏を信じて、6月に米朝首脳会談を強行した。

 ところが、韓国大統領府(青瓦台)の報道官は、ボルトン氏の発言について「私は知らない」と逃げた(朝鮮日報7日)。何たる対応だ。以下、複数の米情報当局関係者から入手した情報だ。

 「韓国の対応は『文氏が正恩氏と組んで、ウソで米国をだました』と白状したようなものだ。ボルトン氏の発言は、南北双方に『米国をなめるな!』と突き付けた最終警告だ。韓国はいま、康京和(カン・ギョンファ)外相以下、韓国政府要人が『終戦宣言を出してくれ』『経済制裁を緩和してくれ』と、米国に泣きついている。徹頭徹尾、北朝鮮の言いなり。米国は激怒している。米朝決裂の場合、最大の戦犯は文氏だ」

 トランプ政権は、国連安保理の対北制裁決議を破って、北朝鮮産の石炭を「ロシア産」などとして偽装輸入していた韓国企業に対し、独自制裁を科す構えをみせている。

 米情報当局関係者の情報はこう続く。

 「韓国関税庁が10日、韓国企業の偽装輸入を発表したが、米国は昨年から何度も警告していた。文政権が米国を裏切り、偽装輸入を黙認していた重大疑惑がある」

 トランプ氏は「あいつは何者だ!」「恩知らず!」と周囲に口にするほど、「反米反日従北」の文氏が嫌いだ。

 最後に、米軍筋から入手した重要情報を報告する。

 「米国は密かに『米朝決裂Xデー』の設定と、その直後に展開する対北軍事作戦(=海上封鎖や軍事攻撃を含む)の再検討を始めた」

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。

【私の論評】朝鮮半島問題は米にとって対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事のような見方は当然あると思います。特に、ツアー旅行で訪朝した日本人男性が拘束されたことは断じて許すことはできません。

ただし、私は米朝が決裂したとして、その戦犯は文在寅であるとの見方は、一方的であるかもしれないと思っています。

何しろ、文在寅が何をいおうが、それどろか、文在寅が存在しようがしまいが、米国は「北が核放棄」をしなければ、北を攻撃する腹積もりでいると思うからです。

なぜそのようなことがいえるかといえば、米朝会談は米国の一方的な大勝利に終わっているからです。しかし、日本のマスコミなどはそのような見方をしていないようです。

米中首脳会談で大勝利したトランプ大統領(左)

確かに、マイク・ポンペオ国務長官は訪朝し、北朝鮮の高官らと交渉を進めているし、安倍首相や河野太郎外相とも会談を重ねているのですが、北朝鮮に具体的な非核化の動きがないのは事実です。

そのため、日本のマスコミなどは米朝首脳会談において、トランプ大統領はさしたる成果もあげることができず、失敗だったとみるむきも多いようです。

しかしこの見方は全くの間違いです。今後の北朝鮮の行く先は三択そうして、究極的には二択しかありません。ここに北朝鮮を追い込んだことが、シンガポール会談の成功なのです。
三択の一つ目は、朝鮮半島の非核化により、北朝鮮が核を放棄することです。
二つ目は、一応サインしたけれども、北朝鮮が引き延ばし策を駆使して、核施設の廃棄をしないということです。

この場合、アメリカの対応は明確で、経済制裁の一層の強化です。あまりに長引くようであれば、アメリカ側から交渉の中止・中断を通告することになるでしょう。

一つのメルクマールは、今年中の現地査察でしょう。今年中に米軍がIAEA(国際原子力機関)の査察に同行して北朝鮮国内に入らなかったら、アメリカが断固とした対応措置をすることは間違いないです。この場合は、その後米国による北攻撃ということになるでしょう。

三つ目は、北朝鮮が会談の約束をすべて反故にして、核・ICBMの実験を再開する場合です。この場合、米国は北を攻撃することになるでしょう。

煎じ詰めていえば、北が核を放棄して米軍の攻撃を免れるか、核を放棄せず結局米国の攻撃を受けるかの二択しかないということです。

この二択、北朝鮮がいずれを選んでも、米朝首脳会談を成功と評することができます。
 
なぜなら、北が核を放棄しなかった場合、米国は攻撃できる絶好の正当性を確保できることになったからです。世界が注視している中、両首脳が共同声明にサインを交わしています。その約束を北が破り捨ててしまったら、その見返りとして攻撃をされても「致し方ない」と、世界中の誰もが思うことでしょう。

もし、北が核放棄をせずに、米国が北を攻撃した場合、中国やロシアなど表面上は米国を非難するかもしれませんが、他国のほとんどはそれに同調することはなく、中露が米国に対して具体的措置をとるということはできないでしょう。

トランプは非常に巧みな交渉術によって、北朝鮮を究極の二択に追い込むことに成功したのです。これがシンガポール会談が大成功だったと私が評価する所以です。

トランプ政権はこれを最初から企図して、米朝首脳会談を開催し、北朝鮮を追い込んだのです。だから、そもそも、韓国などの北との交渉など、最初からほとんど意味を持たず、今後も持ち得ないのです。

そうして、北問題というともう一つの側面があります。それは、米国の本命は対中国戦略だということです。米国にとっては、北の問題など対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎないということです。

米国にとって、北朝鮮は対中国戦略を実行する上での一つの駒に過ぎず、金正恩が対中国の駒として動くつもりで、その証として核放棄をすれば、北の存続を認めるかもしれません。

この意味では、歴史は繰り返しているのかもしれません。日露戦争当時も、日本にとっては半島は日本の対露戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎませんでした。本命はあくまで露でした。露の脅威がなければ、日本が半島に進出することもなかったでしょう。

しかし、北が核放棄もせず、金正恩が米国の駒として動くつもりがないならば、米国は中国に対する見せしめとして、北を攻撃することでしょう。そうして、先にも述べたように、その場合、米国は世界中のいずれの国からも非難されたり、報復されたりすることも危惧せずに、北をフリーハンドで攻撃することができるのです。

米国が北を攻撃すれば、中国が実行支配する南シナ海の環礁埋立地も攻撃されるかもしれないと脅威や疑念を抱かせるには十分効果があるものと思います。

南沙諸島の現状(黄色が中国の実効支配)クリックすると拡大します

トランプ政権としては、徹底的に対中国貿易戦争で中国を追い込んだ上で、北を攻撃して崩壊させ、中国の様子をみて、米中会談を開催し南シナ海からの撤退を約束させるかもしれません。

これも、米国側は米朝首脳会談で北朝鮮を追い込んだのと同じように、中国も二択に追い込み、結局米国が南シナ海の環礁埋立地を攻撃しても、米国は世界中のいずれの国からも非難されたり、報復されたりすることも危惧せずに、攻撃することができるようにすることでしょう。

これは、一見困難なようにもみえますが、私は意外と簡単だと思います。何しろ、中国による南シナ海の実効支配は、国際司法裁判所でも正当なものとは認められてないからです。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年7月12日、南シナ海での中国の海洋進出を巡り、中国が主権を主張する独自の境界線「九段線」に国際法上の根拠がないと認定しています。


もともと、中国は国際法を破っているわけですから、これを米国が軍事攻撃して、原状復帰させても、中国が文句を言えた筋ではないのです。

ただし、現状のまますぐに米軍が攻撃すれば、中国・露はこれを批判し、それだけでなく何らかの対抗措置をうちだしてくる可能性は大きいです。

ただし、先ほど述べたように、対中国貿易戦争や、これから始まる本格的な対中国金融制裁で、中国が経済的にかなり弱体化し、さらに露も中国弱体化に参画させた暁には、米中首脳会談を開催して、中国を南シナ海から撤退するか、そのまま居座るかの二択に追い込み最終的に決着をつけるというやり方もできると思います。

ただし、これは今すぐにではなく、5年もしくは10年後くらいに可能になることでしょう。そのときはトランプ政権でない可能性もありますが、ポストトランプ政権でも、習近平が終身主席すなわち現代の皇帝になることを宣言してからは、パンダハガー(対中国融和派)は影を潜め、ドラゴンスレイヤー(対中国強硬派)が力をつけているので、この路線はトランプ政権が基礎をかため、継承されることになるでしょう。

このように全体の方向性を俯瞰してみると、やはり韓国の存在など、米国の対中国戦略における一つの制約条件にすぎず、文も金もこれに大きな影響を及ぼすことなどできないでしょう。

そうして、最後に忘れてはならないことがあります。それは、やはり拉致被害者問題や、今回日本人男性が拘束されたことです。これらの人は、もし米国が北を攻撃することになれば、今のままだとその救出は米国や韓国などに依頼するしかありません。

自国民を救出できないような国は独立国とはいえません。憲法改正が間に合わないというのなら、憲法解釈の変更や時限立法などもあわせて、自衛隊が北に赴いて救出することができるようにすべきです。

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トランプ氏の「お客様至上主義」マーケティングから学べること まとめ トランプ元大統領は、テレビタレントとしての経験を活かし、有権者のニーズを理解した明確なメッセージを発信している。 彼のマーケティング力とキャラクター演技力が、選挙戦での成功に寄与している。 対立候補陣営は、高額な...