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2013年11月15日金曜日

小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」―【私の論評】最低30年くらいは原発は止められないことはわかっている!次世代エネルギーの先鞭をつけることは意義深いこと!しかし小泉氏はこれに先鞭をつけられない!それは、次世代の消費者が決めること(゚д゚)!

小泉氏「反原発」発言の背後にある「組織」



「反原発」に転じた? 小泉純一郎元首相だが、先日、日本記者クラブで「将来は原発をゼロにする」などと力強く講演し、各種メディアで大きく報道された。しかし、マスコミは皆分かっているが、背後の組織のことを伝えていない。その背後とは何か。さらには「ダメ元でノーベル平和賞を狙っているのでは」との声も出ており、ミステリアスな部分も多い。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

小泉氏の政界引退後の活動を一般には知られていなかったものの、実は背後関係はなかなか「派手」なものであることはマスコミ関係者の間では周知であった。

「国際公共政策研究センター」という民間シンクタンクで顧問に就任しているのが小泉氏。これはどういったシンクタンクなのか。

 同センターは、理事長に政治・経済評論家の田中直毅氏、会長には元トヨタ会長で元経団連会長の奥田碩氏が、また理事にも御手洗冨士夫キヤノン会長兼社長ら、そうそうたる面々がそろっている。

 小泉氏はセンターでの肩書きこそ顧問であるが、「政界を引退した小泉氏を支えるために立ち上げられた団体で、財界が資金を集めたようです。特に発起人は奥田さんで、何の意向もないのか、とは言い切れません」とマスコミ関係者が言う。

 活動は同センターが後ろ盾にあり、8月のオンカロ視察の際には、不思議なことに東芝、日立など原発プラントメーカーも帯同だったそうで、財界とは蜜月を保ちながらも、意図が不明で謎も多い。

この記事の詳細ははこちらから(゚д゚)!

【私の論評】最低30年くらいは原発は止められないことはわかっている!次世代エネルギーの先鞭をつけることは意義深いこと!しかし小泉氏はこれに先鞭をつけられない!それは、次世代の消費者が決めること(゚д゚)!

原発を廃炉にしたからといって、すぐ安全になるわけではない

上の記事から、小泉元首相は、「国際公共政策研究センター」という組織がバックにあり、この組織は次世代エネルギーを開発するシンクタンクであり、小泉氏は、このシンクタンクによって、世界の次世代エネルギーに先鞭をつけたいというのが真相のようです。

原発を、即刻廃炉にしたとしても、現在使用されている現在の原発の燃料、使用済み核燃料ともに、これからも長年わたって、存在しつづけ危険であることには全く変りがありません。廃炉イコール安全ではいないのです。なのに、急に原発廃炉などを言い出したのは、本当はそんなことは不可能であると最初からわかってはいるものの、首相時代にも披瀝された小泉氏のパフォーマンスであり、今のところあまりかえりみられていない、次世代エネルギーの周知のための下準備であると考えられます。

そうしてこの背景として、一時脚光を浴びた風力、太陽光発電などのドイツ型自然エネルギーは、アメリカなどもそれを踏襲する動きがあったのですが、実際に様々な国で稼働してみたものの、実際にはエネルギー効率も良くなく、今後いかに何かこれに関わる技術が開発されたにしても、サブ的エネルギーとしては使えるものの、それ以上にはなり得ないということがはっきりと認識されつつ有るのだと思います。

次世代エネルギーに関しては、世界各国でありとあらゆるものが開発されたり、実用化されつつあります。しかし、今のところどれが本命になるかは全くわかりません。

こうした小泉氏の動きに対して、穿った見方をする人もいます。その典型例は、以下の動画を御覧ください。



上の動画では、小泉氏はアメポチで、一目瞭然であり、要するに日本がこれからもアメリカの石油メジャーのために、日本の原発を廃炉して、毎年4兆円もの石油代金をアメリカに収めるための、活動であるとしています。

私は、無論石油メジャーはそのような考えはあるとは思いますが、それは成功するとはとても思えません。それほど、日本の政治家や官僚が馬鹿だとは思えません。

考えてみれば、アメリカだって、トウモロコシを材料にして、バイオエタノールをつくっていますし、そのスタンドが様々なところに設置されるようになっています。今では、負の遺産となっています。ただ、法律が生き残っているので、ほんどの人が使用しないにもかかわらず、配給体制は維持されているという異常な状況になっています。

バイオエタノール配給スタンド


小泉氏は、いずれ次世代エネルギーの時代は間違いなく来るものとして、これに日本が先鞭をつけるべきであり、そのために、余生を捧げようと考えているのだと思います。

しかし、バイオエタノールの教訓をみてもわかるように、あるいは、過去の化石燃料である石炭から、石油への転換が行なわれた歴史をみてみれば、小泉氏はエネルギー転換に先鞭を付けらる人にはなり得ません。

小泉氏と、その背後の組織が次世代エネルギーへの先鞭をつけらるということを信じるに足る、エビデンスはありません。もし、頭の良い人間が、設計してエネルギー転換を計画的に実現できるというのなら、共産主義も成功しているはずです。しかし、共産主義による設計主義は、全くの間違いであったことが今日明らかになっています。

とにかく、小泉氏は、一大ムーブメントを起こそうとしているようですが、それは現状では無理です。それは、過去の歴史が厳然としてそれが不可能であることを実証しています。

エネルギーだけではなく、世界で大成功を収めている産業はすべて、共産主義のように、頭の良い人や、組織が計画して実現したものは一つもなく、様々な民間企業が、互いに他社を出し抜こうといろいろ研究していて、最初がどの企業のものが成功するのかどうか全くわからず、しばらくやっているうちに、結局どれが一番かということが消費者が継続的に購入することが明らかになり、そうなった時にはじめて、その産業が成り立つことがわかり、その産業が勃興することになります。

そうして、過去の化石燃料の中でも、最初は石炭エネルギーなどが使われていて、石油エネルギーへ転換したときの事を考えていただきたいと思います。特に、移動の手段としての、車の普及にともない、石油エネルギーが一番の座を占めていきました。しかし、それでも他の化石燃料などもまだ、用いられていましたが、車の普及により、石油が手に入りやすくなると、それが暖房などにも一般に用いられ、さらに消費量が増え、今や何からなにまで石油ということになりました。

これは、私たちも、その一部を実際に見てきた変化です。石炭などが、石油に転換するにも、最初から現在までの道のりをたどれば、軽く30年以上はたっています。

これから、次世代エネルギーに転換していくには、過去の歴史のように、原発、石油、その他がいろいろ使われ、いずれどれかが、長い時間をかけて、消費者に選ばれ続けるようになり、転換していくものと思います。30年以上もかかるということであれば、とても小泉氏などが今の時点で先鞭をつけるなど、夢物語であり、とても無理です。この動き、いずれ時がたてば、多くの人に忘れ去られると思います。

最新のiPadAir ノキアはiPad、iPhoneの原型をすでにアップルが発売する
数年前に開発していたという。民間企業ですら、このような間違いがある。
ましてや、政府やシンクタンクのような組織がいくら頑張っても次世代産業
やエネルギーを開発することはできない。



石油メジャーなども、いくら小泉氏をもちあげたとしても、日本に4兆円も毎年石油代金をさらに支払わせるなど、なかなかできるものではありません。やはり、消費者が選ぶエネルギーが一番です。しばらくは、現在原発に反対している人でも、今すぐ廃炉にしても、安全性は確保されないことなどを理解すれば、原発も使用するということになると思います。

それに、30年もすれば、危険な核融合ではなく、核分裂による比較的安全な核エネルギーを使用できる条件が整うかもしれません。これ以外も、かなり多くのエネルギー源が見つかっている可能性も大です。

今から50年前の、世界の大都市で最大の問題は、馬糞の処理でした。そのようなものは、今日では、全く問題ではありません。30年後以降の世界を今と同じように考えれば、そこに誤謬が生まれます。

小泉氏はもとより、私たちもそのような誤謬にとらわれるべきではありません。小泉氏がこれからできることといえば、次世代エネルギーの開発に先鞭をつけることではなく、現在使用中や、使用済みの核燃料の安全で合理的な処分方法の開発です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年10月15日火曜日

ドラッカーの言う「改革の原理としての保守主義」とは何か ―【私の論評】 保守主義の本質は 左右、新旧とは関係ない。自由で機能する社会を前提として、その都度具体的な問題を解決していくという原理だ!!


ドラッカー氏の若い頃の写真、いつも晩年の写真なので本日はこれを掲載

「保守主義とは、明日のために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的な問題を解決していくという原理である。これ以外の原理では、すべて目を覆う結果をもたらすこと必定である」(ドラッカー名著集(10)『産業人の未来』)

改革のためのドラッカーの方法論は、“保守主義”である。しかし、昔がよいとして昔を懐かしみ、昔に戻せという思想ではない。

英語では、コンサーバティズムである。しかし、この英語にも、昔に戻せ、という保守反動的なニュアンスがある。そこで、“活力ある保守主義”という言い方がされたりする。ドラッカーも、これには困り、あるときは“正統保守主義”と言い、あるときは米国と英国の“伝統としての保守主義”という言い方をする。

それは、第1に、過去のためのものではない。正統保守主義とは、「明日のため」のものである。あくまでも未来志向のものである。

正統保守主義とは、第2に、なんらかの青写真に沿って社会を形成しようとするものではない。なんらかの万能薬を服さしめようとするものでもない。

それは、ケース・バイ・ケースで問題を解いていこうとするものである。医学にしても、万能薬を求めているあいだは進歩しなかった。風邪には風邪、腹痛には腹痛の治療を求めてから急速な進歩が見られた。したがって、それは、「具体的な問題を解決していくものである」。

正統保守主義とは、第3に、手持ちの道具、役に立つことが実証ずみの道具を使って問題を解こうとするものである。理想的な道具を新たに発明しようとしても無理である。「それは、既に存在するものを基盤とし、既に知られているものを使うものである」。

かくしてドラッカーは、改革のための原理は、保守主義たるべしとする。

「第一に、過去は復活しえないことを認識することが必要である。第二に、青写真と万能薬をあきらめ、目前の問題に対する有効な解決策をみつけるという、控え目で地味な仕事に満足することを知ることが必要である。第三に、使えるものは既に手にしているものだけであることを知ることが必要である」(『産業人の未来』)

【私の論評】 保守主義の本質左右、新旧とは関係ない。自由で機能する社会を前提として、その都度具体的な問題を解決していくという原理だ!!

保守主義は、もともとこのようにレッテル貼りできるものではない

保守主義というと、右だとか、昔を懐かしみ昔にもどることだとか、さらには、世の中の様々な出来事考え方をあてはめて、こういう考え方や、行動をする人は保守的、そうでない人は革新的、左翼的、などと決め付ける人が多いです。しかし、こういう人たちは、保守主義の何たるかを全く理解していません。

本来の理想的な保守主義とは、上の記事で、ドラッカーが定義しているものをいいます。では、具体的には、どういうことなのか、日本の最近の事例を用いて、以下に説明しようと思います。本日は、アメリカの保守主義の女の子の写真とともに掲載します。

アメリカの保守派のポスター

たとえば、「戦後体制からの脱却」これは、今の日本では大改革ですが、この考えに立脚するということは紛れもなく保守主義です。1945年から今まで、そうしてこれからも、日本は「戦後体制」のままであり続けます。「戦後体制」とは、第二次世界大戦の戦勝国による戦後の枠組みにより、世界のあり方を決めようという体制のことです。

実際、国連憲章では、日本とドイツに対する「敵国条項」が今でも生きています。そのため、日本など今だに自国の軍隊さえ持てず、国家としては反独立状態にあります。

この体制を終わらせようというのが、「戦後体制からの脱却」です。そうして、これは、今の日本では大改革のように思われていますが、その本質は、日本を戦前の独立国家に戻そうという試みですから、保守主義的な試みであり、本来の保守主義者ならそうしようと思うのが当然のことと思います。

そうして、 そのために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的に問題を解決するという方式をとるのが、保守主義です。ここで、内乱、内戦などの戦争や、革命をしようとすれば、それはすでに保守主義から逸脱しているということです。



そうして、ドラッカー流に保守主義的に「戦後体制から脱却」を整理してみます。

第一に、過去は復活しえないことを認識することが必要である。

過去の大日本帝國をそのまま、復活することはできないと認識することが必要です。時代背景も違いますし、国際環境も、社会・経済的にみても、全く異なる現在、過去の大日本帝国を復活するのは、不可能であり、新たな形の真の独立国日本を目指すべぎです。安倍総理の「美しい国日本」とは、まさしくそうした日本を指しているのだと思います。



第二に、青写真と万能薬をあきらめ、目前の問題に対する有効な解決策をみつけるという、控え目で地味な仕事に満足することを知ることが必要である。

優秀な人が青写真を描いて、その通り実行すれば、成功するなどという保証は全くありません。こういうやり方を設計主義といいますが、実際、人類は、共産主義で設計主義の間違いを学び終えたばかりです。優秀な人が、理想の社会や経済の設計図を描き、それをそのまま実行すれば、すべては成功し薔薇色になるなどということはありません。

安倍総理は、まずは、アベノミクスという目前の問題から手をつけました。まずは、日本の本来の潜在可能性からみれば、非常弱くなった経済を復活させることは、戦後体制からの脱却につながる、地味な仕事てもあります。そうして、この道も平坦な道ではなく、4月の時点では、井資源の包括的金融緩和に踏み切ったため、一歩進んだように見えましたが、来年4月からの増税をせざるを得なくなったことから、一歩後退していしまいました。しかし、すくなくとも後戻りはしていません。


第三に、使えるものは既に手にしているものだけであることを知ることが必要である」(『産業人の未来』)

最近話題のアベノミクスに関してし、三つの矢があります。そのうちの、二つ目までの矢は、保守主義的政策といえます。第三番目の矢は、保守主義的ではありません。これには、異論のある方もいるかもしれませんが、私はそうだと思っています。

世界恐慌の真っ只中にあった、1930年代に、現在のアベノミクスのような手を打って、世界の中で一番はやく、恐慌状態から抜け出ることができました。高橋是清による、金融緩和政策と、財政政策です。アベノミクスの第一、第二の矢は既に手にしているものであるといえます。そうして、この二つの矢を早めに同時に放てば、ドラッカーが語っているように目を覆うようなことにはなりません。

しかし現在は、第二の矢を打つどころか、増税を決めてしまいました。これでは、アベノミクスも効き目が現れるまで時間が相当かかります。とにかく、今は増税による景気の落ち込みを避けるために、一刻も早く財政出動をするべきです。

そうして、アベノミクスの第三の矢である成長戦略は、ドラッカーのいう保守主義的な革新からすれば、実施すべぎてはないということになります。なぜなら、成長戦略のほんんどは、官僚の描いた理想像にすぎず、これはドラッカーの言う、青写真、万能薬にすぎません。手持ちの道具、役に立つことが実証ずみの道具ではありません。


官僚は、使えるものは既に手にしているものだけであることを知らないようです。そりゃそうです。官僚は、民間営利企業の研究・開発者とは違います。すべからく、世の中の新しい試みは、民間企業などが、試みて、成功したものだけが、広まります。広まるまでは、どの企業の何が成功するかなどわかりません。それに、新たな成長戦略など、着手してからものになるまで、少なくとも10年はかかります。

官僚による青写真など、設計主義の最たるものです。官僚による設計主義は、かつての共産主義のように成功することはまずないでしょう。

いずれにせよ、現在政権の座にある、保守政党を標榜する自民党は、今一度ドラッカーの言う保守主義の本質に目覚めるべきです。

日本の真性保守の源流でもあった中川氏を忘れない(゚д゚)!


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