2009年11月15日日曜日

今週の秋葉原情報 - USB3.0オンボードのマザーボードが発売に、拡張カードも続々と―現在ではあまり意味もないし、情報漏えいの危険すらある?

今週の秋葉原情報 - USB3.0オンボードのマザーボードが発売に、拡張カードも続々と(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/11/15/akibapc/index.html

現在ではあまり意味もないし、情報漏えいの危険すらある?

確かに、USB3は速いでしょうが、でも、現在ではあまり意味がなくなっているような気がします。私自身、最近では、ほとんどUSBは使わなくなりました。以前は、使っていたこともありましたが、私用で使っていたものは、3回ほど紛失したことがあります。

その後、紛失しないためのアイディアを考えました。それは、USBメモリを購入すると、延長コードがついてくることがありますが、その延長コードをつけっぱなしで携行するようにしました。メモリだけだと小さくて、存在感もなくつい紛失などということもありますが、さすがに、30センチ以上もあるコードをつけていると、なくすということはなくなりました。

それでも、頻繁に使っていると、いろいろ面倒なこともおこりました。たとえば、頻繁に使っているうちに、パソコン本体に入っているものが最新のものか、USBメモリに入っているのが最新のものか分からなくなって、ワードのデータを古いものに書き換えてしまったり、写真のデータも、古いものに置き換えてしまい、あたらしいものがなくなったなどということもありました。

こうしたことが何回かあったことと、最近では、クラウドコンピューティングが発達してきたので、USBメモリを使うことはやめました。さらに、最近会社でも、会社のコンピュータでUSBメモリでのデーターの受け渡しは厳禁ということになり、各人のパソコンのUSBメモリの入り口を使えなくしました。

それでも、未だ、なんら支障がありません。たとえば、どうしても、自分のパソコンと、他者との間でデータなどを共有したいと思ったときには、Google Docsを用いて共有します。写真などもPicasa Web albumなどを利用するので、全く支障がありません。さらには、Dop Boxなどの便利なオンライン・ストーレージ・ツールもできているので、ほとんどUSBを使わなくても事が足りるようになりました。マイクロソフトからは、Sky Driveというオンライン・ストーレージが、リコーからもquanp.net提供されています。これからは、USBよりオンライン・ストーレージの方が使いやすいし、スマートだと思います。

まあ、私なら、新しくパソコンを購入して、それにUSB3.0がついていれば、ひょっとして使うこともあるかもしれませんが、それ以外では使うことはないでしょう。

まあ、皆さんも、私用で用いるデータなら良いとしても、会社のデータなど、間違ってもUSBにいれて携行しないほうが良いと思います。最近、この手のデータ流出かなり多いです。私のように私用のデータなら、なくなっても、「ああ、惜しかった」くらいですみますが、会社のデータなら、それではすみません。著しく信用を失墜する場合すらあります。

Web2.0に次ぐ一大トレンド「クラウドコンピューティング」の正体-パソコンはソフトがなければ、ただの箱ではなくなった!!

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2009年11月14日土曜日

米、アジアに積極関与 オバマ大統領都内で演説―隠れた意図を読み取ろう!!

米、アジアに積極関与 オバマ大統領都内で演説(この内容すでにご存知の方、この項は読み飛ばしてください)

 来日中のオバマ米大統領は14日午前、都内のサントリーホールで、今後の米国のアジア政策の全体像を示す演説をした(写真左)。「米国は太平洋国家」と述べ、経済成長を続けるアジアでの多国間の枠組みづくりに積極的に関与する姿勢を訴えた。北朝鮮やイランの核開発を非難し、「核兵器のない世界」をアジアでも実現したいと語る一方、「日韓の防衛のため効果的な核抑止を維持する」と述べ、同盟国に「核の傘」を保証する方針も明確に示した。

 オバマ氏が地域政策を語るのは、イスラム世界との融和を説いた6月のカイロ演説、アフリカでの民主主義定着の重要性を訴えた7月のガーナのアクラでの演説以来となる。

 米国がアジア・太平洋地域の一員であることを強調。米アジア関係の強化にとどまらず、核廃絶、地球温暖化対策、貿易自由化など地球規模のあらゆる課題に一緒に取り組みたいとの姿勢を明らかにした。

◇オバマ大統領演説の要旨

■訪日の意義

 大統領として初めてのアジア訪問の最初の訪問地として東京に滞在出来ることを光栄に思う。幼い頃、母が私を鎌倉に連れてきて大仏を見上げたものだ。ただ、私は抹茶アイスの方に夢中だったのだが。昨晩の夕食会では抹茶アイスが出て、鳩山首相に思い出話を聞いてもらったことに感謝したい。日本人の温かさやもてなしの心は忘れられない。

 今回、鳩山首相には丁寧なもてなしを受けた。在位20周年を迎えた天皇、皇后両陛下にお会いする名誉にも恵まれた。また、ここへ来たからには、(福井県)小浜(おばま)市民への表敬と感謝の念を表明しないわけにはいかない。

 今回の歴訪をここから始めた理由は単純だ。就任以来、私は米国のリーダーシップを新たにし、相互利益と互いの尊敬に基づく世界との、新たな関与の時代を追求してきた。アジア太平洋地域における我々の努力は何よりも、試練に耐え、活力のある日米同盟に根ざすものとなる。

 就任当初から、我々は結束を強化してきた。2か月後、同盟は50年を迎える。(当時の)アイゼンハワー大統領は、両国が「対等と相互理解を下地とする不朽のパートナー関係」を築きつつあるのだと述べた。

 同盟は我々の共通の価値観、つまり、自らの指導者を選び、自らの夢を実現する自由な人々の民主的権利への信条を反映しているものだからこそ維持されてきたのだ。

 だからこそ、歴史上重要な今この時、我々は同盟を再確認するだけでなく、深化させることで合意した。沖縄の米軍再編に関する2国間合意の履行のため、合同作業部会を通じて迅速に動くことに合意した。同盟が発展し、将来の状況に適応していく時、我々は常に対等で相互理解に基づくパートナーシップという、アイゼンハワー大統領の精神に合致することを目指していく。

■太平洋国家

 米国は、大西洋沿いの港や都市の連なりとして始まったと言えるかもしれないが、何世代にもわたる太平洋国家でもあった。アジアと米国は、この大海によって隔てられているのではない。結び付いているのだ。

 私自身の人生がそれを物語っている。私は、ハワイで生まれ、少年時代をインドネシアで過ごした米大統領だ。私の妹のマヤはジャカルタ生まれで、後に中国系カナダ人と結婚した。私の母は東南アジアの村で、女性たちが、ミシンを買ったり、世界経済へ足掛かりを得る教育を受けたりできるよう手助けをして、10年近く働いた。環太平洋地域で私の世界観は形成された。

 この地域の出来事が米国における我々の生活に直接かかわるがゆえに、米国はこの地域の将来に責任を担うということを、すべての米国人に知ってほしい。この地域で、我々は多くの商売を行い、多くの商品を買う。この地域で、我々は我々の商品の多くを輸出し、それによって自国の雇用を創出している。この地域での核兵器獲得競争のリスクが、世界中の安全保障を脅かしている。アジア太平洋地域の新興国と途上国抜きでは、エネルギー安全保障や気候変動の課題も解決できない。

■中国

 米国が中国の台頭をどう見るか多くの人が疑問を抱いているのを知っている。一体化の進んだ世界では、ゼロサムのゲームは必要ではない。他国の成功をおそれる必要もない。影響圏の拡大を競い合うのではなく、互いに協力できる分野を開拓することが、アジア・太平洋の発展につながる。

 ほかのあらゆる国への対処と同様に、米国は中国に対して自国の利益に焦点をあてて接していく。まさにこのために、相互が関心のある問題で、中国との実務協力を求めることは重要だ。なぜなら、21世紀の課題に単独で対処できる国はなく、米国と中国は、ともに課題に対応することで発展できるからだ。だから、我々は中国が世界でより大きな役割を果たそうとすることを歓迎する。中国の協力が、経済回復という我々の取り組みに重要なのは明らかだ。中国はアフガニスタンとパキスタンにおける安全と安定を増進させた。そして地球規模の不拡散体制に関与し、朝鮮半島の非核化の追求を支持している。

 だからこそ、米国に中国封じ込めの意図はない。中国との関係強化は、米国とほかの国との2国間同盟の弱体化につながらない。逆に、強力で豊かな中国の興隆は、国際社会の強さの源となりうる。それゆえ、我々は米中間の戦略・経済対話を深め、軍同士の意思疎通を改善していく。米中両国はすべての問題で合意することはないだろう。米国は、すべての人々の宗教と文化の尊重を含む我々の基本的価値観を訴えることをやめないだろう。しかし、我々は憎悪でなく、協力の精神で議論を進めていくことができるだろう。

■経済・温暖化

 我々は、国際的な経済構造改革への歴史的一歩を踏み出しており、世界20か国・地域(G20)は経済協力の最も重要な議論の場となっている。日本は、主要8か国(G8)の主要メンバーとして、国際的な金融の枠組みを形成していく中で、これまでも、そしてこれからも重要な役割を担うことになる。

 今回の景気後退がもたらした貴重な教訓のひとつは、経済発展をアジアからの輸出と米国の消費者だけに依存することの限界だ。

 米国が世界中で輸出を拡大することは、米国にとっては雇用対策となる。輸出は、給料のいい雇用を数多く、米国民にもたらしている。輸出を少し増やすだけでも、数百万の雇用をもたらす効果がある。

 米国は(私の就任以来)、気候変動に関して、これまでにない多くの対策を講じてきた。最新の科学技術を取り入れ新エネルギーに投資し、気候変動を巡る国際的交渉にも関与してきた。

 コペンハーゲン(12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議=COP15)での成功が容易であるといった幻想は抱いていない。だが、すべての国が責任を受け入れなければならない。米国を含め、主要排出国は明確な削減目標を持たなければならない。発展途上国も、金融や技術面での支援を受けながら、排出削減に効果的な対策を講じることが必要になる。

 しかし、我々はこの21世紀の挑戦に直面しているときでさえ、20世紀の遺産、つまり核兵器の脅威という我々の安全保障への脅威に対処するためさらに努力していかなければならない。

 (演説を行った)プラハで私は、米国が世界から核兵器をなくすと誓約し、その目標を成し遂げるための包括的な行動計画を明らかにした。私は日本がこの計画に参画してくれたことをうれしく思っている。核兵器によって何が起きうるのか、日米両国ほど知っている国はない。我々は核兵器のない将来をともに模索していかなければならない。これは、我々の共通の安全保障の基礎であり、人類への大いなる試練である。まさに我々の将来は、不安定な状態なのだ。

 ここではっきりさせたい。核兵器が存在する限り、米国は、韓国と日本を含む同盟国の防衛を保障するため強力で効果的な核抑止力を維持するだろう。

 しかし、我々はこの地域において、エスカレートする核競争が、安全保障と繁栄の成長を衰退させることを認識しなければならない。我々は、核拡散防止条約(NPT)がうたう条件を支持するよう求められている。NPTは、すべての国に核を平和利用する権利を与え、核保有国に核軍縮の責任を課し、非核保有国には核を持たないよう求めている。

 まさに、日本は核を持たないという道をとることによって、真の平和と力を得ることができる実例を世界に示している。この数十年間、日本は、核開発を拒否し、平和的な核エネルギーの恩恵を受けてきた。このことにより、日本の安全保障を強固なものにし、その地位を高めた。

 我々の責任を果たし、私がプラハで明確にした計画を進めるため、国連安全保障理事会で、全会一致の決議を採択し、この国際的な努力に応じた。来年、核安全保障サミットを開き、今後4年以内に世界の攻撃されやすい核物質を安全に管理するという目標を前進させる。

■北朝鮮・ミャンマー

 世界的な核不拡散体制の強化は、特定の国だけに向けられたものではない。すべての国々が責任を果たすということだ。イランも対象であり、北朝鮮も対象である。

 この数十年間、北朝鮮は核兵器の開発を含み、対決と挑発の道をたどってきた。その道がどの方向へ行くのかは明らかだ。我々は北朝鮮に対する制裁を強化した。我々は、北朝鮮の大量破壊兵器の開発を制限するため、最も広範囲な国連安保理の決議を採択した。我々は脅威に屈せず、行動を通じ明確なメッセージを送り続ける。言葉だけではない。国際的な義務を果たさない限り、北朝鮮には不安定な安全保障しかない。

 北朝鮮にとって、将来を得る道は明らかだ。6か国協議に戻ることだ。NPTへの復帰を含め、既存の取り組みを支持すること、完全かつ検証可能な朝鮮半島の非核化を支持することだ。近隣諸国との国交正常化は、日本の拉致被害者の家族が、全面的な説明を受けた時に初めて可能になる。もし、北朝鮮が国民の生活を向上させ、国際社会に参加したいのであれば、これらが、北朝鮮政府が取るべきすべての方法である。

 ミャンマーに対して米国は、長年にわたり制裁と関与の両面で取り組んできたが、ミャンマー国民の生活向上にはつながらなかった。我々は今、(軍事政権の)指導部との直接協議に乗り出し、民主改革に向けた具体的な措置がない限りは現在の制裁は継続することを明確にすることにした。我々は、平和で繁栄する民主的なミャンマーを支援する。ミャンマーがこの方向に進めば、米国との良好な関係は可能だ。

 取られるべき措置としては、(民主化指導者)アウン・サン・スー・チーさんを含む政治犯の無条件解放や少数民族との紛争終結、民主化勢力や少数派グループと将来構想を分かち合うための真の対話がある。

■結び

 米国はこうした措置を通じてアジア・太平洋での繁栄と安全、人間の尊厳を向上させていく。日本は常に、地域における米国の取り組みの基軸であり続け、米国は日本との緊密な友好関係を通じ行動する。

 こうした絆(きずな)の形成は、前世紀半ば、太平洋地域の戦火が鎮まった後にさかのぼる。米国が日本の安全と安定に関与したのはその頃のことだ。日本がその後、世界で最も速く力強い経済成長、いわゆる「日本の奇跡」を果たしたのは、国民の勤勉さに加え、米国の関与があったからだ。

 奇跡を果たしたこの地域の歴史は、太平洋の両岸での雇用創出や地球温暖化防止が可能であることを教えてくれる。これは日本や地域の国々と米国の共通の目的なのだ。

 太平洋地域出身の初の米国大統領として、この死活的に重要な地域における米国の指導力を強化し、持続させていくことを、私は断言する。〈おわり〉こういう

隠れた意図を読み取ろう!!
こういう演説を聴いて、そのまま額面どおり受け取る人は、余程人が良い人か、それともコミュニケーション能力がない人だと思います。このような演説は、どうしても、あたりさわりのないものになってしまいますが、その中でも、現在のタイミングとか、オバマ大統領の考え、現在の世界状況や、アメリカ国内、日本国内など勘案して何を意図しているのか探るべきです。

■訪日の意義
これに関しては、普通は、リップサービスで、月並みなことが多いはずで、確かにオバマ大統領の演説も、月並みでありますが、その中に一点だけ具体的な内容を盛り込んであります。「沖縄の米軍再編に関する2国間合意の履行のため、合同作業部会を通じて迅速に動くことに合意した」というくだりです。要するにこれは、普天間基地のことを言っているわけですが、ここにわざわざ、具体的なものを入れているということは、アメリカ側がこれに関して、日本に対して釘を刺しています。これは、短期では日米関係で最重要と捕らえているということです。日本側として、早期に約束を履行する必要があります。

■太平洋国家
ここで最も重要なのは、日本で行う日本人向けのスピーチであるにもかかわらず、わざわざ米国人に呼びかけるていることです。「この地域の出来事が米国における我々の生活に直接かかわるがゆえに、米国はこの地域の将来に責任を担うということを、すべての米国人に知ってほしい」。これは、環太平洋地域におけるアメリカが履行する約束を示していると受け取るべぎです。この地域の核問題を含め、大きな関心を払っていて、しかも、関心を持つだけでなく、責任という言葉からわかるように、具体的行動も行うことを示唆しています。中国であろうと、北朝鮮であろうと、インド、ロシアであろうと、もしこの地域のアメリカの覇権を乱すものが現れた場合、実力行使も辞さないという強い意志の現れと受け取れます。

■中国
ここでは、やはり、わざわざ中国という国名を出し、中国重視の姿勢をはっきり打ち出しています。現在、中国と米国の貿易は、アメリカ側がかなりの貿易赤字を出していますが、いずれにせよ、貿易額が従来とは異なり飛躍的に伸びてしまった現実は無視できないわけです。従来、歴代の大統領は、ブッシュ大統領の時までは、年1度くらいは、いろいろなスピーチの中で必ず中国の民主化や、政治と経済の不分離、法治国家化されていないことについて苦言を呈していましたが、オバマ大統領の演説からはすっかり影をひそめました。アメリカ経済も、それだけ中国の経済頼みの部分があることを暗に示しています。これをわざわざ、日本でのスピーチで話すということは、こうしたアメリカの姿勢を日本にも理解していもらいたいということを暗に示しています。これは、何もオバマ大統領になったからということではなく、たとえば、現在ブッシュが大統領であったとしても、同じことだと思います。

■経済・温暖化
「今回の景気後退がもたらした貴重な教訓のひとつは、経済発展をアジアからの輸出と米国の消費者だけに依存することの限界だ。

 米国が世界中で輸出を拡大することは、米国にとっては雇用対策となる。輸出は、給料のいい雇用を数多く、米国民にもたらしている。輸出を少し増やすだけでも、数百万の雇用をもたらす効果がある」。

というくだりからは、現在のアメリカの貿易赤字の問題にアメリカ国内および、オバマ大統領が重大な関心を抱いていることが受け取れます。オバマ大統領自身にも、アメリカの貿易赤字がプレッシャーになっていることをうかがわせます。

地球温暖化に関しても、述べていますが、これに関しては、地球温暖化二酸化炭素説に関して反証なども多いながら、現在アメリカも原子力政策などとからんで、地球温暖化二酸化炭素説を正しい説としておくほうが、アメリカとして国益にかなっていると判断していることがうかがえます。こういう勢力がオバマの背後にあることを常日頃から考えておくことが重要です。ブッシュの場合は、テキサスの石油関連企業などが背後についていたため、地球温暖化対策にはあまり熱心ではありませんでした。ブッシュのときとは、異なる勢力がオバマを動かしているとみるべきです。

核兵器廃絶に関しては、アメリカでも、核兵器の維持がとてつもない経費がかかることが明らかになってきたこと、さらには、現在地球上には、人類を数百回殺してもまだあまりあるほどの核兵器があることから、世界的規模で、核兵器をダウンサイジングしたいと考えていることがわかります。現状は、アメリカに限らず、核保有国である先進国は、金融危機で、どこの国の財政も逼迫ぎみです。であれば、持っているだけ無駄で、維持費も相当かかる、古いタイプの核兵器など一刻も早く処分したいというのが、本音です。ただし、アメリカの覇権を維持するため少数の最新鋭の核兵器は残す腹です。ただし、これを進めるにしても、やはり、核兵器廃絶の錦の御旗が必要ということです。まさか、金がかかるから、大量の核の配備はやめようなどという本音を出してしまっては、多くの人にアピールすることはできません。

また、わざわざ、日本は核を持たないといことを語り、日本は米国の核兵器の傘にあったことにより、安全保障を強固にすることができたのであり、アメリカなしでは不可能だったと釘を刺しています。

■北朝鮮・ミャンマー
北朝鮮、イランなどの核兵器に関して、牽制をしています。不安定な安全保障という言葉を使い、アメリカの軍事介入の可能性も示唆しています。

ミャンマーに関しては、最近、私のブログにも掲載したように、アメリカ国内では、いわゆるBoutique Issue(マスコミなどで大きく報道されると、関心が向くが、大きく報道されなければ、無関心な事柄程度の意味)という批判もあったため、そのための気遣いも忘れていません。

■結び
結びでは、再度アジア・太平洋地域の重要性を取り上げるとともに、「日本の奇跡」は国民の勤勉さに加え、アメリカの関与があったことを付け加え、日本に対して、というよりは、これは、鳩山政権に対して大きく釘を打っています。日本の過去をあまり顧みていないような新政権に対して、アメリカをないがしろにさせないという意思の現れです。

最後に、アジア・太平洋地区での、アメリカの指導力の強化を持続することを断言し、この地域におけるアメリカの覇権はことからも衰えることなく、持続することを強調しています。これからは、経済破綻の瀬戸際にあるイギリスを筆頭に、EUは没落する一方で、世界の中心はインド、日本、中国などの国々が存在する環太平洋地区に移りつつあることは確かです、アメリカは、環太平洋の国家として、これからアジア地区の覇権を維持しできれば発展させていきたいという並々ならぬ決意の表れととれます。


さて、私の裏読みはこのくらいで終えておきますが、皆さんは、どのように思われたでしょうか?他の読み方をした人などいらっしゃいましら、是非コメントなどお願いします。

なお、私が今回こうした裏読みを披瀝させていただいたのは、何も、私の稚拙な裏読み能力などを披瀝したいためではありません。もともと、私にとって、国際政治など門外漢です。そんなことよりも、こうした裏読みを意図して、意識してすることにより、かなりの思考訓練になることをお伝えしたかったのです。

私たちのような実業にかかわる人間は、いつでも、仕事上のコミュニケーションでも、何か情報一つとっても、普段から裏読みをするとか、いろいろな角度から検討するとか、あるいは、何か一つの事象を誰かから聞いたとしても、それだけではなく、複数の人間から情報を聞き出し、必ず裏を取っておく習慣が絶対に必要です。そうした、能力を養うためにも、オバマ大統領の演説など格好の教材になるのではないかと思います。また、実業に携わっていない人であっても、表面だけ捕らえているのではなく、周りの人の空気を読む能力が高まると思います。何しろ、ビジネス上などでは、特に人事情報など永遠に真実は、わからないということもありますが、オバマ大統領の演説であれば、いずれ、国政として実現されたりして、それが、報道されます。そのときになってから、やはり、あの裏読みは当たってたなど検証できます。ただし、本当の真実は、少なくとも25年くらいたってからでないとはっきりしないことも多々ありますが、そういう内容については、真実を知りたければ、長生きする以外に方法はありませんね。

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2009年11月13日金曜日

仕分け、スパコン補助金「限りなく見送りに近い」―事業仕分け結局は、巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つか?

仕分け、スパコン補助金「限りなく見送りに近い」(この内容すでに、ご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

仙谷大臣は、「事業仕分け=文化大革命」だと語っていたそうだが、
文化大革命は結局は何ももたらさず徒労に終わったどころか、中
国人民に大災厄をもたらした。事業仕分けもそうなるのだろうか?

 政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)は13日午前、東京・市ヶ谷の国立印刷局職員用体育館で、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の3日目の作業を始めた。

 独立行政法人理化学研究所などが行っている次世代スーパーコンピューター開発のための補助金(267億5900万円)が「効果が国民に見えない」などとして「限りなく予算計上見送りに近い削減」とされた。

 総務省関連では、国が財源不足の地方自治体に配分する地方交付税についも議論し、「制度の抜本的な改革を行う」と判定された。抜本的改革の中身について、仕分けチームの総括役である枝野幸男・民主党元政調会長は「客観性を高めて、政策誘導で交付税を使っていることを見直す」と説明した。

 議論では、地方交付税総額を抑制すべきだとの意見も相次いだ。「交付税総額を決める地方財政計画そのものを廃止すべきだ」との意見も出た。
 地方交付税は小泉政権の三位一体改革で約5・1兆円が削減され、「地方の疲弊につながった」との指摘がある。原口総務相は10年度予算の概算要求で今年度の交付税総額より約1兆1000億円増額するよう「事項要求」で求めている。

 一方、仕事と家庭の両立支援のため、厚生労働省が財団法人21世紀職業財団を通じて事業所を助成する「両立支援レベルアップ助成金」(30億4500万円)と「短時間労働者均衡待遇推進等助成金」(10億2700万円)について、いずれも同財団を通じて支給する仕組みを廃止するよう求めた。同財団が厚労省の天下り先となっていることや、管理費が高額になっていることが問題視され、「財団ありきで助成金が流れている」と指摘した。

 このほか、情報通信関連の新興企業に資金面から支援を行う「情報通信分野のベンチャー企業支援」(5000万円)、情報通信分野で専門知識を持つ人材を育成する「高度ICT人材育成支援事業」(7300万円)が、「民間に同種の取り組みがある」などとして廃止。遠隔医療や児童・高齢者の見守りなどに情報通信技術を活用するモデル事業に交付金を支給する「安全・安心i―City推進事業」(81億9900万円)、学校教育に電子黒板や無線小型端末を導入する「ICT利活用型教育の確立支援事業」(10億100万円)は、ともに予算計上見送りとなった。

事業仕分け結局は、巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つか?



行政刷新会議の作業グループが始めた予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」では、事業の廃止、予算計上見送り、予算削減など、各省庁にとっては厳しい「判定」が相次いでいます。政府は2010年度予算案に結果を反映させる考えです。しかし、行刷会議自体には予算を削減する権限はなく「判定」が実現するかは、鳩山由紀夫首相の指導力にかかってきそうです。

「意思決定しているわけではない。権力行使ではなくスペシャリストの考え方を述べている」。平野博文官房長官は12日、事業仕分けの判定を下す作業グループの活動をこう表現しました。仙谷由人行政刷新相も記者団に「政治的な判断は入ってこざるを得ない」と語りました。

この事業仕分けの結末どうなることでしょうか?私は、ほとんど実効性はないと思います。現在実施してるいる事業仕分けなど、結局、民主党政権が何かをしていることを国民に分かりやすくするだけであって、実効性も何もない空虚なものだと思います。

テレビでも、事業仕分けの様子が報道されていて、ワールド・ビジネス・サテライトにも出ている、フェルドマン氏が参加している様子が写されていました。フェルドマンさん、気持ちよさそうに力を入れて話していましたが、確かに事業仕分け実行グループは「気持ちが良い」と思います。企業経営においても、打ち合わせなどで勇ましい発言をして「気持ち良く」なる人もいますが、自分だけが気持ち良くなっても仕方がないわけで、結局は、何かを変えて「成果」をあげなければ何も評価されないのです。

また、いろいろな社会問題に対処するにしても、善意だけとか、「こんな社会問題がある、この問題はこうすれば解決できるに違いない」と語り合っているだけでは何にもなりません。結局は成果をあげなければ意味がありません。

民主党の事業仕分けは、企業活動でいえば、マーケティングをせずに、プロモーション(販売促進)ばかりやっているようなものだと思います。民主党の幹部は、マーケティングと、プロモーションの違いも分からない経営者のようなことをしているだけで、実行部隊も本当に実りの少ないことをしているだけだと思います。まさしく、事業仕分けは、政権交代をした民主党が前政権がいかに大きな無駄をしており、その無駄(すべて無駄かどうかは別次元の話)を公表することにより、民主党が国民のために役に立っていることを示すための、ほとんど頭を使わなくても手っ取り早くでき、短期的に国民にアピールできるプロモーションに過ぎないと思います。

まず、企業活動でいうところのマーケティングとは何でしょぅか?マーケティングとプロモーションに関して多くの人が勘違いをしています。大企業の中にもマーケティング事業部という肩書きの人が、テレビのインタビューなどで発言していることがありますが、その内容は「マーケティング」ではなく、「プロモーション」であるというようなことが散見されます。何か、プロモーションの延長線上にマーケティングがあるだとか、マーケティングの考えを実行することがプロモーションであるかのような考えを持つ人もいます。両者は、またく違います、似てもいません。

経営学の大家ドラッカー氏は、マーケティングを以下のように定義しています。

 「本物のマーケティングというものは、顧客から、つまり顧客の人口統計、現実、欲求、価値観から出発する。「わが社が売りたいと思うのは何か」と問いはしない。「顧客が買いたいと思うのか何か」と問う。また、「これこそ、わが社の製品にできること」と、いいはしない。「これこそ、顧客が探し求め、価値を認め、必要としている満足感である」というのである」

 マーケティングの究極的な狙いは、「顧客というものをよく知って理解し、製品サービスが「顧客」に「ぴたりと合って」ひとりでに売れてしまうように」し、「販売を不要にしてしまうことである」

まさに、この「販売や、販売促進を不要にしてしまうこと」こそ、マーケティングの究極の目的です。

マーケティングをする際の技法の一つに、「ストア・コンパリゾン」というものがあります。ストア・コンパリゾンとは、日本語に直訳すると「店舗比較」です。小売業や、飲食業で自分の店を良くしようというときに、自分の店だけを見ていていてはなかなか実態が浮かんできません。だから、自分の店と同じような業態の他社の店舗、できれば、近くの店、近くに店がなければ、似たような環境にあるところの店を見に行き、自分の店と比較するのです。

さて、このストア・コンパリゾン、あまり経験のない人や、経験があっても、成果を上げられない人に実施させるというどういうことになるでしょうか?競争相手の店に行って、「あれが、駄目だった」「これが、駄目だった」「■の××が最悪だった」「○の△が駄目だった」が駄目だったなどという報告ばかりです。こういうストアコンパリゾンのやり方は、最低です。相手の欠点をみるだけであれば、はっきりいって小学生にもできることです。こういう報告をする経営コンサルタントがいたら、まずは、「最低級」のコンサルタントだと思って間違いありません。

しかし、良く考えてみてください。そこに、店があって、お客さまがいらしているということは、悪いことばかりではなく、良いことがあるから来ているのです。だから、本当に役に立つのは、良い点なのです。悪いことばかりではなく、良いこともあるのです。悪いことばかり目について、それを積み上げたとしても、良いことを探すことができなければ、その店が存在して、お客を獲得している理由がわかりません。それでは、何のために、ストア・コンパリゾンをしているのかわからなくなってしまいます。

それだけではありません。ストア・コンパリゾンをするにしても、いわゆる、マーケティング戦略がなければ、結局、成果の出せるコンパリゾンは、できなくなります。先ほど、マーケティングの本質は、「顧客というものをよく知って理解し、製品サービスが「顧客」に「ぴたりと合って」ひとりでに売れてしまうように」し、「販売を不要にしてしまうことである」と掲載させていただきましたが、これに関して、長期的なビジョンがなければ、結局、成果の出ない、月並みで何も役に立たない比較しかできなくなってしまいます。

さて、事業仕分けに話を戻します。民主党には、残念ながら、20年後、30年後の日本という国をどうしようというビジョンがないため、効果のある事業仕分けにはなっていないと思います。たとえば、スパコン関しても、将来IT産業をどの次元まで高めていくのかなどのビジョンがなければ、表面的に見える無駄遣いは減らせても、根本的な判断はつかないと思います。さらに、そもそも、なぜ、現場で無駄が発生するのか、その根本原因は、何なのか、それを許容するシステムは何なのか、それに対して、新たな法律が必要なのか、あるいは、あたらな仕組みが必要なのか、あるいは根本的にインフラを改める必要があるのかが、はっきりしていなければ、成果はあげられません。

さらに、ストア・コンパリゾンとの関係でいえば、民主党は、悪いことばかり見て、良いところは、みていません。これは、先にも述べたように、小学生でもできるようなことです。役人の中にも、どうしようもないような木っ端役人から、有能で善意あふれる人もいるはずです。さらに、日本の官僚システムのすべてが悪いわけではなく、成果をあげているとこもあれば、成果をあげられない場合もあるはずです。では、成果を挙げられている部分は、どこなのか、あるいは、過去に成果をあげられたのに、今は成果が挙げられないというのであれば、何が変化したのか、を見なければ、本質を見ることはできません。

この事業仕分け、現場で出てくる、現象をさらっただけで、その根本原因を探っているわけではありません。医者でいえば、根本原因をつきとめず、治療もせずに、患者が頭が痛いといえば、頭痛薬を投与して、腹が痛いといえば、胃腸薬を与えるだけの、対症療法だけしているようなものです。今のままでは、根本原因が取り除かれずに、実際に予算をつくってみたら、無駄がほとんど省かれていないという状況になると思います。

そうなると、どうなるのか?結局は、大きな掛け声をかけて行ったわりは、あまり、改善・改革など実現せず、かえって、国民の不満や、閉塞感など、増長することになると思います。今の事業仕分け、国民に錯覚、錯誤を生み出してしまいます。事業仕分けによって、簡単に無駄排除されたはずであるとの誤った観念を植え付けてしまいます。でも、現実は違います。このままでは、前政権がだしていた無駄は簡単に事業仕分けで省けたはずなのに、まだまだ、無駄かあるということになり、結局は、民主党に大きなブーメランとなって振り返ってくることになると思います。

民主党は、以前にもこのブログに掲載したように、他にも多くのブーメランを抱えています。それらに加えて、今回のさらに大きなブーメランに襲われたら、命脈を絶たれることになると思います。

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2009年11月12日木曜日

あえて「客単価↑」の狙いは-飲食業界客単価上昇の傾向をどう見るか?

あえて「客単価↑」の狙いは

2009.11.11


客単価上昇の傾向をどう見るか?
昨日ワールドビジネス・サテライトを見ていたら、外食産業での単価上昇のことが報道されていたので、前から、少し気になっていたので本日はこれに関して掲載します。

居酒屋チェーンのワタミは12日、東京・大田にファミリーレストランの1号店「ごちそう厨房(ちゅうぼう) 饗(きょう)の屋」を開業しました。客単価は2100円と、すかいらーくの「ガスト」の750円などと比べ高めに設定。普段使いよりも家族で記念日に食事する需要を開拓します。ただ強気の価格が受け入れられるかは不透明です。

1号店の店舗面積は約260平方メートルで、4人がけのテーブル席中心に129席と標準的なファミレス並み。メニューは定食を中心に約70種類を用意。定食の価格は1500~2500円前後に設定、豪州産牛肉を使った「霜降り牛の石焼ステーキ膳」(3129円)など高額の商品もそろえます。メニューに関しては、下のURLからご覧になることができます。

◇ファミレス衰退の原因は?
さて、この新しい業態、お客に受け入れられるどうか、注目です。飲食業界の雄である、マクドナルドは、低価格路線は維持してはいるというものの、一回り大きなハンバーガー「クォーター・パウンド」も人気です。また、以前このブログにも掲載したように、たとえば、2000円の商品(とても一人では食べきれない)を1000円に割り引くなど、個食の権化のようでもあったハンバーガーを「共食」にしようという試みを実施しています。

ファミリーレストランというと、その名のとおり、家族などでの「共食」を前提とした業態でもあります。最近、スカイラークのファミリーレストラン型業態の最後の店が店じまいしたばかりです。このファミリーレストランの単価は1000くらいだったと思います。

飲食業界は、ここ10年くらい叙々に売上が落ちていましたが、一般にはこれを単に不況のせいにしていました。しかし、実際には消費者が変わりつつあったとの証ではないかと思います。これに対応することが十分できていなかったのかもしれません。従来型の業態であるスカイラークの終焉は、それを示していたのかもしれません。

こちら函館には、以前このブログにも掲載したように、函館の独特の食文化のせいか、いわゆる、全国チェーンのファミレスは、ありませんでしたが、函館のローカルのファミリーレストランがありました。しかし、それも、2年くらい前から姿を消しています。ここのメニューもいわゆる、ごく当たり前の鉄板に載った、ハンバーグや、エビフライでした。客単価も1000円前後ではなかったと思います。

典型的な従来型のファミリーレストランのイメージは、以下のようなものだったと思います。

肯定的なイメージ特徴

  • 比較的綺麗で清潔な店舗、開放感のある広い店内にマイカーで行ける駐車場がある。
  • 料理の値段が全般的に値ごろ感があり利用しやすい。
  • メニューが幅広く、和・洋・中など多種多様な料理が楽しめる他、キッズメニューも多い。

否定的・マイナスイメージでの特徴

  • カジュアルレストランなど、ファミリーレストランより客単価の高い形態の店舗と比べると料理の味が劣ることが多い。これは大量生産・工場生産などの理由に起因する。
  • 子供が騒いでも周りが気にしない雰囲気である。
  • ドリンクバー設置店での若年層(これに限らず、低価格商品の注文で長時間居座る客)の溜まり場、客席放置。
  • 喫煙席と禁煙席が分かれてはいるものの仕切りがない店舗もある。

ファミリーレストランは、その誕生した時代の消費者にのニーズを満たす業態です。先月の、10月29日。ファミリーレストランの元祖とも呼べる「すかいらーく」は、川口新郷店(埼玉県)を最後に39年の歴史に幕を閉じました。この30年くらいて、消費者ニーズも相当変わっているのだと思います。

いまや、上記で示したファミレスの肯定的イメージも、当時とは違って肯定的ではなくなったのだと思います。

「比較的綺麗で清潔な店舗、開放感のある広い店内にマイカーで行ける駐車場がある」というのが、駐車場を備えていない店舗もたくさんあった当時としては斬新でもあったのでしょうが、現在では当たり前になり、画一的でなんの変哲もない面白みもない店になってしまったということだと思います。今では、綺麗・清潔なのが当たり前で、何の差別化にもならないし、開放感あふれるといっても、今では無機質にしか感じられないのだと思います。

料理の値段が全般的に値ごろ感があり利用しやすい」ものが、今では、「安いのはいいのだが、それだけで、何も訴えるものがない。家で自分で作ったほうが美味しいとか、レトルト食品や、冷凍モノとそう変わらない、デパ地価で買ってきたもののほうが美味しい」ということになってしまったのです。

それに、ファミレス設立当初は、確かに家族の人数も多く、家族みんなでということになると、5人以上もで行ったので、単価もファミリー全部で個々が1000円のものを頼んだとしても、5000円以上にもなったものが、今では、核家族化、少子化が進んだため、3000円~4000円ということになり、安すぎということになったこともあると思います。であれば、最近では個食化も進んでいて、家族全員がそろって食事をすること珍しいので、せっかくの家族の外食だから何か思い出に残るように、もっと高くても良いというように変わってきているのだと思います。

それこそ、今だと、新築の家であれば、おしゃれな開放的なダイニング・キッチンが主流でシステムキッチンも標準で備えられており、システムキッチンには使いこなしているかいないかは、別にしても、オーブンなども設置されています。そこでいつも食べているような、料理、たとえば鉄板プレートに載った安い冷凍ハンバーグを家族全員でわざわざファミレスで食べても白けるだけで何の感動どころか、味も素っ気もないのではないかと思います。

「メニューが幅広く、和・洋・中など多種多様な料理が楽しめる他、キッズメニューも多い」というのも、今となっては、幅が広すぎでちょっと突っ込むとすぐに奥行きがなくなってしまうのだと思います。たとえば、洋物メニューはあるものの、ハンバーグ、カレー、エビフライ、グラタンなど、画一的で、イタリアンの定番であるラビオリを食べたいとおもってもまずはないとか・・・・・。和食でも、天ぷら、刺身、焼き魚など、特に珍しくもないメニューの組み合わせしかありません。ファミレスに何回か行ってしまえば、画一的なメニューなので、食べたいものがなくなってしまうなどのこともあったと思います。

さて、以上の従来は肯定的なイメージだってものが、今の時代ではマイナスになり、さらに上にあげたマイナスイメージもそのまま残っています。これらを統合して考えてみると、最早、伝統的なファミレスの役割は日本では終焉したのだと思います。最近の外食チェーンの不況は、必ずしも、マクロ経済のせいばかりではなく、こうした変化に対応してこなかったということもあると思います。ファスト・フードなどの単価の安い業態は高くするとか、高い業態を創設する、高級レストランなどの業態は、単価を低くするとか、低い業態を創設することなしに、根本的には既存の業態のまま運営し、顧客のニーズに応えられなかったというのが実態だと思います。

◇新たな業態の可能性は?

さて、従来型のファミリーレストランがその役割を終えて、業績が悪くなって以来、飲食業界の動きは、低価格化でした。最初は、これで一見成功したようにもみえました。しかし、その先頭を走っていた、マクドナルドも、100円マックは、今も継続してはいますが、アイテムも少なく、従来のようなプロモーションも行っていません。このように、マックは今でも、低価格路線を維持はしていますが、積極的に維持しているわけではありません。これについては、以前もこのブログに掲載してありますので、そちらをご覧ください。牛丼、焼肉など他の低価格業態も今では、決して良いとはいえません。

日本の飲食業界、特にレストラン業界に限ってその特徴をアメリカなどとの比較であげてみると、いわゆる高級レストラン(客単価1万円前後以上)と、ファストフードを含める町の洋食屋さん、カレー屋さん、蕎麦屋さんなど廉価な業態は豊富にあるのですが、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は極端に少ないのではないと思います。本来、こうした業態がもっと生まれてきても良いはずです。あまり高くないところでかといって、本当に安いところには行きたくないと思ったとき、意外と行ける店がありません。それでも、東京都内なら、何とか探していけないこともないですが、ここ函館をはじめ地方都市では皆無といっても良い状況です。

しかし、ここ10年ほど、日本の景気はパットせず、景気が伸びいてた金融危機直前でも、「実感なき好景気」といわれていて、飲食業界もあまり思い切ったことはできなかったのだと思います。しかし、本当は、顧客のほうは変わっていて、もはや、ファミレスのような業態はごめんだし、かといつて、本当に高級なところには、ごくたまにしか行けないという意識になっていたのだと思います。

数年前に、いわゆるファスト・カジュアルという業態が日本にもできかけたことがあり、マクドナルドでも、マックダイニングという業態をたちあげました。モスバーガーでも緑モスをたちあげたのですが、あまりパットしませんでした。いわゆる1000円ハンバーガーなども売り出したのですが、一時的な流行で終わってしまったようです。やはり、実感なき好景気などの状況さらには、金融危機などによってこの動きはいったん止まったかのようになっているのだと思います。

しかし、消費者の根底にある変化は変わらず、そのため、既存のファミレスも生き残ることができなかっだと思います。だとすれば、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は、まだまだ見込みがあるはすです。

ワタミは、いろいろな業態を持っています、また新しい業態を創設する力も十分あります。将来的には、客単価3000円以上のレストランを狙うにしても、今の景気の状況をみて、2000円程度の業態に最初にチャレンジし、様子を見ているのではないでしょうか?客単価が3000円であれば、サービスも一段上のいわゆるカジュアル業態のレストランにすることができます。だから、現状ではファミレスの業態として、価格は高めにして、ファスト・カジュアルのような業態としているのだと思います。それと、景気が回復したとしても、おそらく、2000円のファミレスなら残れると踏んでいるとおもいます。1000円では無理だと判断しているのだと思います。おそらく、1000円台のレストランは、ラーメン屋、カレー屋、洋食屋さん、その他個人経営のものなどで日本では十分事足りるし、個性が豊かであって、とても、チェーン店などは太刀打ちできないのだと思います。

私は、この不景気が終焉した後には、客単価が3000円~10000円以下のいわゆる、カジュアルの業態が日本にも根付く番ではないかと思います。現在は、少子高齢化の傾向にあります。子供の数は減っていますが、少ない子供によりお金をかけるという傾向があります。それに、若者ならまだしも、ある程度の年齢のいった高齢者が単価の安い外食ばかりしているというのも、あまりに侘しいと思います。子供の頃、その当時の日本では珍しくもなかった極貧生活を過ごし、現代日本人とは異質のメンタリティーの代表格でありその末期の層ともいえる、政治家の鈴木宗雄さん(61)は、幼少のころ父親とラーメン屋に行って、ラーメンを食べ終わって、お腹がいっぱいになって、スープを飲まないでいたら、「スープも御代に含まれているんだ!!全部飲み干せ」と怒られたそうです。

このような時代や、このような時代の痕跡が残っていたようなファミレスが創設されたばかりの頃は、ラーメン一杯でも、外食すれば、それなりに満足があったでしょうし、ファミレスなど家族で行ったら、それだけで特に子供などは有頂天になれたのでしょぅが、今はそうではありません。たまに家族で行く外食ですから、やはり、良いものを召し上がり、良いサービスを受けていただきたいものです。今まで熱心に働いてきた多くの日本人には、それだけの資格があると思います。高級レストランのほかに、ファストフードとか、1000内外のレストランという選択肢では、あまりにアンバランスです。やはり、ファストカジュアル、カジュアルの日本の飲食業界が提供すべきです。また、そうしたことが、外食業界を活気づけ、内需拡大にもつながります。

いずれ、アメリカやヨーロッパと比較して、数も少なく、貧弱な、カジュアル業態と、ファストカジュアル業態の店が日本にも興隆していくと思います。日本でも、アメリカ直輸入のような、ファストカジュアルの1000円ハンバーガーというようなものではなく、日本独自の和食やその他、創作料理などを含む、ファスト・カジュアルや、カジュアルレストランの新たな業態が開発されて、興隆していくと思います。

マクドナルドも、ワタミもそうした時代が来ることを予期しつつも、今の景気状況を踏まえ、現状にあわせた運営や、業態を創設して、着々と新たな時代に備えているのだと思います。


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