2012年2月7日火曜日

2012年の春夏ファッションに「絶対外せない流行色」発表−【私の論評】今年のカラーは、何を意味するか?!

2012年の春夏ファッションに「絶対外せない流行色」発表



シーズンごとに変りゆく、トレンド。トレンドの変化で影響を受けるのは、ヘアスタイルにメイク、ファッション、小物など、実に多方面にわたります。

そんなトレンドは、単にコレクションブランドが作り上げているのではなく、“その時代に理想とされる女性像”や“求められているライフスタイル”がファッションなどに落とし込まれて完成していると言っても過言ではありません。

なかでも、沢山のアイテムに反映されるのが“色”! デザインよりも色の方が、ヘアやメイクにも影響を与えますよね。特に、今年の春夏は、色が大きな存在感を発揮する予感……。

では、そんな今年の春夏に注目される流行色は、一体どんな特徴を持ってあるのでしょうか?

■1:ちょっぴり大人なキュートさ! “クール系パステルカラー”

ルイ・ヴィトンにプラダなど、多くの注目ブランドがパステルカラーを用いたラインを展開。しかし、甘いムードだけを漂わせるパステルではなく、その色合いも特徴的です。(上の写真は、ルイ・ヴィトンの2012年春夏フアッション)

パステルカラーといえば通常、ベビーピンクやライトイエローなどを想像しますが、今年の春夏に特に注目すべきは、グリーンやブルー、パープルなどのクール系のパステル!

多くのメディアで、2012年春夏のトレンドキーワードのひとつに挙げられているのが、可愛らしさに気品高さが加わった、ちょっぴり大人系のロマンティックスタイルです。ちょっぴり大人のクールさが交じったパステルカラーは、幅広いブランドでこの春夏展開されそうな予感。

■2:ガーリーなのにちゃんと上品! “白”は今年も大本命!

春夏の定番カラーといえば、“白”ですが、今年もやっぱり多くの人に愛されそうです。ニナリッチはレースを用いた、全身白一色のコーディネートを展開しており、他のブランドでも白をメインにしたコーディネートが目立っています。


清潔感がありながら、可愛らしい! そんな白はファッションだけではなく小物などにも多く用いられそうです。

女性らしさが溢れるスタイルが注目されているため、いかにも甘い! スタイルにならないためにもヘアスタイルはラフなアレンジなどが、引き続き人気を集めそう。

パステルカラーに白など、まさに春夏の気分を一層アゲてくれそうなカラーを前に、寒さが早く過ぎ去り、ポカポカ暖かい春が待ち遠しいですね。


【私の論評】今年のカラーは、何を意味するか?!

昨年の今頃、流行る色と言われていたのが、赤、ビンクでした。しかし、震災が発生してから、実際に売れたのは、ベージュとか、淡い青色などでした。また、バレーシューズが例年よりもかなり売れました。やはり、消費者にも震災の影響があったものと思われます。これについては、昨年のこのブログにも掲載しました。

今年は、どうなるのでしょうか?

さて、クール系のパステルカラーとは、色としては、どのような意味を持つのでしょうか?パステルカラーとは彩度が低く、明度が高い色のことです。


近頃気づくのは、好きな色を訊ねると 「パステルカラー」と答える若者が多いこと。色彩心理の見地から、いわゆる「パステルカラー」に見られる深層心理とはどんなものなのか、のぞいてみましょう。  


先ず、パステルカラーといっても、本来は単に薄い淡い色、というのではありません。実は、くすみのある彩度の低い、かつ明度の高い色を指す言葉なのですが一般に「春になるときれいで軽やかなパステルカラーがあふれる…」 というように、ただ明るくて薄めの淡いトーンの色を考えてしまうことでしょう。


本当は、白い絵の具を混ぜてできあがる白みがかった(白濁した)薄い色なのです。でも、そんな細かいことはここでは置いておいて、いわゆるベビー服などにふさわしい、明るくて薄くて軽い優しい色の種類、ということにしましょう。
 
さて、パステルカラーに見られる共通の性格は『曖昧』ということでしょうか。どんな色でも、白い絵の具を混ぜてしまうと、色味が少なくなって薄くやわらかい印象に変わるでしょう。つまり、本来の赤や青や緑が、どんどん薄くなってしまいにはちょっと見ただけでは、区別ができないほど白っぽい色になってしまうのです。


パステルカラーとは、もともとが赤でも青でも緑でも、薄く淡く変わることによって、違いが小さくなっていった色なのです。だから、パステルカラーはあいまい。どっちつかず、極端を嫌う、モラトリアム的性格の現われなのです。


自分を追い込みたくない、人からも干渉されたくない、もうちょっと もうちょっと、や、ちょっと待って、の逃げ腰です。他人に対して自己主張できない気の弱さや、優しさ、人の良さ。 ダイレクトなショックには耐えられない、そんな危険に遭遇しないで済むようにいつも注意深く生きているのです。


もうひとつ、パステルカラー気質には自己防衛本能なるものが とても働いている、自己に対するアンテナの鋭さがあります。傷つきやすく、それでいて何か救いを求めようと手を伸ばしている そんな繊細で、かつ頼りなげな姿が典型的なパステルカラー気質といえるでしょう。


以下にルイ・ヴィトンの2012年春夏物フアッションの画像を掲載します。






次に白は、どういう意味を持つのでしょうか?

白色。清潔で清楚なイメージを与え、クリーンな印象を与える色。健康には一番良い色。膨張色、進出色、軟らかい色、軽い色のイメージ効果を持っています。


白は空間を広く感じさせてくれます。汚れていないイメージや汚してはいけないというイメージが働くので白は神聖なものに多く使われる色です。白はリセットして新しいスタートを決意させる色です。


邪気を払ってくれる白は人間関係を円滑にしてくれます。白は他の色の個性を引き出すので他を交わり相手の個性を引き出します。汚れが目立ちやすいという難点がある。


白が好きな人、あるいは、白が気になるときの心理状態としては、正義感や高い理想を求める完璧主義です。この色を好む人の性格は真面目、機能的・実用的なものを好みます。


さて、最近は、世界同時不況にみまわれそうです。これらの、色は、やはり、こうした時代背景を読んでのことだと思います。


それでは、プラダはどうなのでしょう。以下に、プラダの2012年春夏の水着の写真を掲載します。









なにか、とても明るくて浮き浮きしてきますね。水着は、ドレスとはもともと、用途が違いますから、色づかいも変わるのが当然だと思いますし、それに、プラダはもともと、ハイクラスの人々のファションですから、世の中の景気などとは関係ないのかもしれません。確かに、普通のものに比較すれば、桁が違います。一般の人は購入するものではありません。だから、景気には、左右されないのかもしれません。

冒頭でも掲載させていただたように、昨年は、赤、ピンクが流行るといわれていたのに、震災後は、ベージュとか、淡い青でした。これは、震災が影響していたと思います。今年は、震災のショックから立ち直ったのですが、震災を契機に日本の消費に潮目がきています。

これについては、以前のブログでも掲載しましたが、いわゆるスペンド・シフトという傾向がかなり顕著になってきています。スペンド・シフトに関しては、当該記事を読んでいただくものとして、その要点を以下に記載しておきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
さて、このように消費傾向がかわりつつある、日本国内です。昨年のように、大手アパレル主導のカラーが、根付かなかったように、今年も、消費者主導のカラーになるのでしょうか?それとも、いつもの年のように大手アパレルに大きく影響されたカラーになるのでしょうか?興味のつきないところです。

さて、私自身は、今年は、他国はそんなことはないでしょうが、年内の景気は緩やかに回復していくものと思います。最大の懸念は、増税です。しかし、本年度は、増税されることはありません。本年、来年と、消費が拡大し、税収も増え、平成14年度あたりには、景気を良くすれば、増税する必要がないという認識が、酷いマクロ経済音痴の政治家にも広まれば良いと思っています。そうして、同じ消費をするにしても、上記のスペンド・シフトのような希望の消費がますます、広まれば良いと期待しています。気持的には、プラダの水着のカラーようにいきたいものです。



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2012年2月6日月曜日

強化ガラスを支える近未来の一日を描い映像−【私の論評】コーニング社は、新たな技術は同じ産業内から来ないという、ドラッカーの至言を実践し続けている!!

強化ガラスが支える近未来の一日を描いた映像:

強化ガラスを作っているコーニング社が作った映像っぽいですな。こういう未来系インターフェースデザインが好きな方は是非どうぞ。


↑ 11分ちょいと少し長いですが。

なんだか見ていると「スマホよりもタブレット」という時代が来るのかなあ、という気がしないでもない。

» ガラスが支える一日 2: さらに広がるコーニングのビジョン。 – YouTube


【私の論評】コーニング社は、新たな技術は同じ産業内から来ないという、ドラッカーの至言を実践し続けている!!



上と、似たような別バージョンのものもあります、それが下の動画です。


これは、ご存知、光通信などに用いられるグラスファイバーを製造販売するCorning(コーニング社)のコマーシャルです。これは、通信用光ファイバーのシェアでは世界一の企業です。 通信といえば、ひと昔前は、金属の線によるものというのが、相場でしたが、この光ファイバーによって、その常識は覆されたということです。

しかし、この光ファイバーを全世界の津々浦々まで、張り巡らすことは、至難の技です。確かに、ファイバーで一度線を張ってしまえば、速度はとてつもなく早くできるし、光ファイバーは金属と違い、腐食くすることがないので、良いといえば、良いです。しかし、そのための経費は莫大なものになりますし、さらに設置するまでに長い期間を要します。

そのため、最近んでは、スマートフォンの普及ともあいまって、電波によるもののほうが、先に普及しつつあります。だからこそ、コーニングは、このような技術開発を開始し、このような未来の生活を提案しているのだと思います。このような、ものは、従来から、映画がなどに前から、出てきていたと思います。以下のそれらの映画の中から、スチル写真を掲載します。






この戦略は結構うまくいくのではないかと、思います。最近発表された、モトローラ社のタブレット Xoom2は、本体は多少水をこぼしても大丈夫な防滴仕様 (Splash Guard) ですし、画面はコーニングの化学強化ガラス Gorilla Glass で保護しています。Corning社は150年以上の歴史を持つ素材メーカーで、ここ数年ポータブルガジェットに向いた丈夫なガラスの開発に取り組んできました。その成果がゴリラガラスというわけです。うっかり落としてしまいそうな、あるいはタッチ操作に夢中でつい叩き割ってしまいそうなスマートフォンがここ数年で増殖していることを考えると、なかなか慧眼だったと言えます。素材としてはイオン交換処理により表面に圧縮応力を持たせた化学強化ガラス (アルミノシリケートガラス)にあたり、傷を「押し返す」ことで割れることを防ぎます。
Xoom2


丈夫というのは、言い換えればこれまでのガラスより薄く、軽くできるということ。スマートフォン市場の拡大に目を向けつつ、今後は家電や車、地下鉄などへの採用を目指していく計画です。というわけでDroidやS9、Adamoをお持ちの方はいますぐ窓から放り投げ......ることは推奨しませんので、かわりにMotion Computing社のゴリラガラス採用タブレットの広告動画を掲載しておきます。



このような強化ガラスがすでにできているわけですから、後は、強化ガラス自体に動画がを映し出す技術ができれば、上のような未来いの鏡のようなものも実現するわけです。おそらく、強化ガラス自体でなくても、かなり薄い幕に画像を映し出すような開発は今でも、行われていますから、これを強化ガラスにサンドイッチのように挟めは、できるのではないかと思います。

このような話をみるにつけ、私は過去のこのブログの記事にもいく度か掲載した、ドラッカーの言葉、ますます、信憑性がますばかりだと思います。詳細はそれをみていただくものとして、以下にその要点だけらコピペしておきます。

現代の技術は、同じ産業内から生まれてくるのではない。全く別の分野から生まれてくる。たとえば、製薬の分野がそうだ、今や新しい製薬は、バイオテクノロジーの分野から生み出されている。通信の分野もそうだ、この分野の新技術である光通信に用いる、光ファイバーは、通信分野の企業や研究所から生まれたものではない、コーニング社と言うガラス製造の会社から生まれたものである。もはや、特定の分野の産業で使われる技術は特定の分野の企業や研究所から生まれてくるのではく、全く別の分野から生まれてくる。だから、トップマネジメントは、自分の属する産業内のことにだけ感心をもっていてはならない、他の分野にも関心を持つべきである。

これに関しては、ドラッカー氏が存命のとき、10年以上前に掲載されたものです。その当時、無論、コーニング社は、ゴリラ・ガラスがなど開発していませんでした。現在もし、ドラッカー氏が生きていらしたら、コーニング社のゴリラ・ガラスの開発や、上記のような同社の戦略をみたら、小躍りして喜ぶことでしょう。

しかし、日本の企業に対しては、どうでしょうか。無論いろいろなメーカーが他分野の技術を取り入れることは、当たり前のようになりました。しかし、コーニング社のように、従来では考えられなかったような分野に飛び込み、さらに、上記のようにはっきりとした長期ビジョンを持っているところは、あまりないのではないかと思います。みなさんは、どうお思いになりますか?

【私の論評】 

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2012年2月5日日曜日

少量のアルコールは抗ストレス力を増して寿命を延ばす効果ありと判明!−【私の論評】統計学的には、ずいぶん前から実証されているワインの効果

少量のアルコールは抗ストレス力を増して寿命を延ばす効果ありと判明!:
  

人体へのプラス効果は今後の検証が待たれるそうですが...

あくまでも体長1mmの線虫で実証された効果に過ぎないとのことですけど、少量のアルコールを摂取することで、飛躍的に寿命が延びてしまう驚きの研究結果が発表されていますよ!

オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載されたUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のスティーブン教授が率いる研究チームの論文によると、少量のアルコールを与えられた線虫は、過度のストレス環境にさらされてもマイナス面での影響が最小限に抑えられ、通常の平均寿命である10~15日の倍になる20~30日まで寿命が延びたみたいですよ。ただし、逆に多量のアルコールを摂取した線虫は、一気に寿命が縮まって多大のダメージを受けることも発見されています。


実は当初はコレステロールが健康に及ぼす影響を研究していたようですが、その過程で偶然、今回のアルコールの効用を発見するに至ったことも明らかにされていますね。実験に用いられた線虫は、一部で人体の構成と非常に似通った遺伝子メカニズムを有しているため、人間にも同じような抗ストレス力のアップや長寿命効果をアルコールがもたらしてくれる可能性について、現在さらなる研究が進められています。寝る前にお酒を飲むのはよくないのかもしれませんけど、これは愛飲家には朗報となるかもしれませんね~

[PLoS One via The Register]

Andrew Tarantola(米版/湯木進悟)

【私の論評】統計学的には、ずいぶん前から実証されているワインの効果

上の記事の場合だと、生物学的な実験に基づいています。このような実験の結果は、初めてのような気がしますが、統計学的な実験では、もうずいぶん前から行われていて、ワインの効果が実証されています。


有名なものとしては、フレンチ・パラドックスという現象を解明するために行われたものがあります。フレンチパラドックス(英: French paradox)とは、フランス人が相対的に喫煙率が高く、飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心臓病に罹患することが比較的低いことが観察されていることを言います。フレンチパラドックスの用語は、フランスのボルドー大学の科学者であるセルジュ・レナウド博士による造語です。

赤ワインが心臓疾患の発生率を減少させることを推定したこのパラドックスの説明が、1991年に米国の「60 Minutes」で放映されたときは、赤ワインの消費量が44%も増加し、いくつかのワイナリーは、製品に「健康食品」のラベルを付ける権利の獲得のためにロビー活動を始めました。


このフレンチパラドックスについては、反論する医師、科学者も大勢いました。そこで、デンマークでかなり長期にわたって食事どきにワインを適度に飲む人と、そうではない人との間でどのくらい差異があるのかを実験したところ、明らかに適度に飲む人のほうが、心臓病になる確率が低いことがわかりました。これが、60ミニッツでも報道されたわけです。この番組私も見た記憶があります。


ただし、これに関しては、アルコールもさることながら、ワインに含まれるボリフェノールの効果や、ワインの酸化防止剤である、微量の亜硝酸塩の効果もあるそうです。だから、適度なアルコールだけが、健康に良いという結果ではありませんが、ワインが健康にある程度良いということはいえそうです。

ただし、飲み過ぎはどのような実験でも悪い結果がでているようですから、飲めば飲む程良いということは絶対にありません。この実験がデンマークで行われた背景としては、まず、デンマークでは、実験を開始した頃には、食事をするときに、ワインを飲むという習慣のある人が少なかったということもありました。この実験の結果が出た後では、この結果が多くの人が知るところとなり、デンマークでもかなりワインの消費が伸びたそうです。

それから、ポリフェノールということであれば、コーヒーにも含まれていますが、これに関しては、スウェーデンで実験が行われたことがあります。刑期の長い囚人たちを本人たちの好みで、二つにわけて、片方には、食事に毎回コーヒーを与えて、もう片方には、コーヒーは与えず別な飲み物を与えるようにしました。


その結果、コーヒーを飲んだグルーブの囚人たちは、みな長生きしたそうです。

ワインやコーヒーなど適度に飲むというのであれば、健康に良さそうです。皆さんも適度にたしなんで、健康的な生活を送られてはいかがでしょうか。ただし、飲み過ぎに関しては、ワインもコーヒーも良いことはないようです。これには、十分お気をつけ下さい。



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2012年2月4日土曜日

【石原新党】基本政策判明「皇室は男系男子」「国軍保持」 - MSN産経ニュース−【私の論評】海外の普通の国の水準からいえは、保守色を前面に押し出しているとはいえず、当たり前の真ん中である!!



東京都の石原慎太郎知事が、たちあがれ日本の平沼赳夫代表らとともに結成を目指す新党の基本政策の草案が2日、分かった。「国のかたち」「外交・防衛政策」「教育立国」など7分野で構成され、憲法9条改正や、男系存続のための皇室典範改正、首相公選制-を明記。保守色を前面に押し出した内容となる。


基本政策は、7分野29項目あり、項目ごとに具体策を明記。前文では「グローバリゼーション」や「地球市民社会」などを幻想と断じ、「一国家で一文明」の日本の創生を訴える。

憲法改正に関しては、9条改正による国軍保持▽国会一院制と大選挙区制導入▽改正手続きを定めた96条の改正-を掲げる。

外交・防衛分野では「自立日本」を掲げ、日米同盟の深化▽防衛産業の育成▽「南西防衛戦略」推進▽核保有に関するシミュレーション-などを明記する。


経済・財政政策は、100兆円規模の政府紙幣発行、国の財政の複式簿記化-など。エネルギー政策としては2040年までの原子力エネルギーゼロを掲げる。このほか、国家公務員3分の1削減▽平成版教育勅(ちょく)語(ご)起草▽フラット税制-なども盛り込まれる。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120203/stt12020312050001-n1.htm


【私の論評】海外の普通の国の水準からいえは、保守色を前面に押し出しているとはいえず、当たり前の真ん中である!!

上の記事では、保守色を前面に押し出したなどとしていますが、私は、そんなことはないと思います。これは、世界標準からみれば、ごく当たり前のことであり、中道だと思います。その根拠について、いくつか、以下にあげてみようと思います。

■「グローバリズム」「地球市民社会」は幻想、一国家一文明

「グローバリゼーション」や「地球市民社会」などを幻想と断じ、「一国家で一文明」の日本の創生は、当然といえば、当然です。国家が消滅するということを最初に言い出したのは、ドイツの哲学者カントです。これに関しては、過去のブログにも掲載したことがあります。それを以下にコピペします。
すでに産業革命の時代の初期から、国家間の経済的な相互依存性は国家主義的な情熱よりも強く作用するするはずであると説かれてきました。最初にこれを言ったのはカントでした。「国家の死滅」を現したカール・マルクスも、1950年代、60年代のバードランド・ラッセルなどの最高頭脳が、国民国家の死を予告してきましたが、その通りにはなりませんでした。
旧ソ連邦のミハエル・ゴルバチョフ氏も、国民国家よりも、経済的な結びつきの方が強いだろうと考えていたのが、旧ソビエトの解体でそうではなかったことがはっきりしました。 
国家間の経済的に依存性とは、今でいえば、「グローバリズム」「地球市民社会」のようなものです。国家主義的情熱とは、日本でいえば、上記の「一国家で一文明」という考え方です。現在でいうところの、「グローバリズム」「地球市民社会」のようなものを最初にカントが言い出し、バードランド・ラッセルなどの最高頭脳が予告したのですが、その通りにはなっていないということです。旧ソ連法に所属していた国々も、ソ連法に属していることよりも、国家的情熱を選び独立したということです。確かに、これらの国々は、天然ガス・原油の供給、その他物資の輸入などのことを考えれば、独立するよりは、旧ソ連法に属していたほうが経済的には、有利でした。にもかかわらず、独立したということです。

また、国際連合などの国際的な会議など、日本では、"善意の集まり"と考えられているような、会議のほとんどは、国同士のエゴのぶつかり合いであり、謀略が渦巻いていると考えるのが常識です。平和日本のニッポン人だけが、そうは考えず、"善意の集まり"と考えているだけです。

世界は、そんなに甘いところではありません。一時、アメリカとソ連の冷戦で、世界は、二国間の対立のもとでの、平和を享受してきました。現在、その冷戦構造は、崩れて、世界は新たな秩序を模索している段階にあります。

しかし、世界は、二国間の冷戦構造も含めて、それこそ、ウェストファリァ条約の時期と本質的には何も変わっていません。その時々で、覇権の強い国、弱い国があるだけの話で、ずっと、5〜6くらいの国が、覇権争いをしつつ、バランスを保ってきたというのが実体です。冷戦時には、これが、アメリカとソ連という二つの国で、バランスが保たれていたというだけの話です。


この冷戦構造が崩れてから、あろうことか、アメリカはこのパワーオブバランスからいっときソ連が消えたことをもって、アメリカ一国でそれを行おうとして、失敗を続けています。これは、もともと、無理な話です。冷戦構造の一極を維持・拡大しようとしたことが、ソ連崩壊の原因の一つにもなっていたのは確かだと思いますが。アメリカが、一曲構造を堅持しようとすれば、アメリカもソ連の二の舞になることは必定です。

それから、一国家一文明に関しては、特に日本おいては、当然のことと思います。これは、何も、日本人の私が強調しなくても、アメリカ人のサミュエル・ハンティントンがその著書「文明の衝突」の中で書いています。ハンティントン氏は、日本はあまりにユニークなどので、中国を中心とする、東アジア文明の中ではなく、日本文明とせざるを得なかったとしています。これについては、ここで述べると長くなるので、当該ブログの記事をご覧になってください。

グローバリズムに関して、インターネットなどで、世界中の情報が簡単にすぐに入ってくるようになったため、情報共有に関しては、確かに、そのようなことがいえますが、それ以外では、まだまだ、日本以外の他の国全部が、まずは、国益を重視しています。こんな、世界の現実をみないで、グローバリズムとか、地球社会市民などと曰う人間は、ただの馬鹿かお人好しです。これに関しては、保守も革新もないです。

■憲法改正など

これに関して、あまりに当然といえば、当然のことです。いまの日本国憲法は日本が、アメリカ人の占領状況にあった最中に、出来上がったものであり、日本国民による日本の憲法改正ではありません。いつまでも、金科玉条のように護憲というのは、許されないことです。この憲法のGHQによる草案作成に全面的に関わった人物のなかには、あろうことか、あとから、ソ連のスパイ(コミンテルン)であることが明らかになり自殺したという人物かいるくらいです。

この憲法は、アメリカ側の日本弱体化の意図だけではなく、コミンテルンの日本弱体化の意図も潜んでいるということです。このような憲法改正を施行し、何十年もたてば、政府も弱体化するのは、当然の帰結です。前政権の自民党政権もずいぶん疲弊し弱体化し、その後の民主党政権はどうしようもないことがいまや周知の事実ですが、現在の憲法をそのままにしてきたことの当然の帰結でもあります。それに、アメリカ議会でさえ、日本国憲法改正派が多数派になっています。改憲は当然のことと思います。こんな憲法をそのまま維持しようとるする人達のほうが完璧におかしいです。

その他、9条改正による国軍保持▽国会一院制と大選挙区制導入▽改正手続きを定めた96条の改正もとくに、保守的ということはないと思います。どれも、当然といえば、当然のことと思います。

■外交・防衛分野

日米同盟の深化▽防衛産業の育成▽「南西防衛戦略」推進▽核保有に関するシミュレーション-などを明記する。これらも、全く、保守的であるなどとは、思えません。これらを検討するのは当然のことと思います。核保有に関して、議論すらできない、タブー状態というのは、全くおかしなことです。


それから、「南西防衛戦略」の推進に関しては、これを考えないほうが、異常です。本日も北京大学教授が日本との戦争を話題にしている記事をみつけました。詳細は当該記事をご覧いただくものとして、以下にその要旨だけを掲載しておきます。


2012年2月2日、日本政府が尖閣諸島周辺の無名の39島に名称を付けると発表したことを受け、中国で「抗日機運」が高まっている。米華字サイト・多維新聞が伝えた。

中略

記事は、こうした日本に対する反発の高まりから、日中両国が目指す「過去を水に流して友好関係を築く」ことは難しくなってきたと指摘。双方の政府が「和すれば互いに利あり、争えば共に傷つく」ことを訴えていかなければ、「日中再戦」を求める民意を抑えることはできない、と指摘した。

大学教教授といえば、痩せても枯れても、インテリといわれる人々であるわけですから、普通ならこんな馬鹿げた歴史や、国際ルールをたがえたようなことは、言うはすがないのですが、おそらく、この教授は中国共産党を代弁しているだけと思います。日本なら、たとえ政府べったりの御用学者でも、このような低水準のことは言わないと思います。まあ、はっきりいえば、ただの馬鹿ですが、こんなことを平気で要求する馬鹿が現実に存在するわけですから、この周辺に対して備えをするというのは、他国なら当然のことであり、これをもって、保守的などとはいえないと思います。馬鹿がいいがかりをつけて、殴りかかってきたら、殴り返すというのが普通の人だと思います。こういう人を保守と呼ぶのであれば、世界のほとんどの人は保守系ということになります。

■経済財政政策

ここにも、他国なら、ごく当然のことがあげられています。その中でも、100兆円規模の政府紙幣発行、国の財政の複式簿記化なども、当然のことと思います。

私は、石原さんは以前から、経済に関しては、弱いと思っていました。たとえば、都営銀行は、最初から理念が間違えているので、失敗するだろうと思っていましたが、やはり、思ったとおりになりました。都営銀行の設立理念は、中小企業は、銀行からお金借りられないから、苦しいというものでしたが、これは、根本的に間違えています。今の中小企業はデフレで仕事がないから、大変なのであって、仕事がないのに、銀行からお金を借りられても救いにも何にもならないのです。要するに、金融緩和(銀行からお金を借りやすくする)だけではダメで、これに加えて、国か、自治体による思い切った財政出動(中小企業の仕事をつくる)をしなければダメだということです。これは、デフレ脱出のときの、常套手段です。どちらか、一方が欠けていてはうまくはいかないのです。


このことを見抜くことができない、石原さんは、経済は、ダメだと思っていましたから、ひょっとしたら新党も経済に関しては期待できないかもしれない思っていましたが、これら二つをもってしてもまともであることがわかりました。

まず、デフレで脱却の原資としては、最低100兆円は必要です。これを単年度に突っ込むまでの必要はないでしょうが、2、3年で大規模に突っ込む必要があります。これとともに、無論金融緩和必要ですが、これは、政府の仕事ではなく、日銀の仕事なので、あえて、草案には盛り込まなかったのだと思います。それに、震災があってから、復興のために円の需要が高まることは最初から予測できたことですが、それにもかかわらず、日銀は、増刷拒否の姿勢を崩しません。こんなことをしていれば、円高になるのは当たり前のことです。このような、日銀の煮え切らない態度から、新党は、日銀はあてにできないので、このような政策を打つのだと思います。



それから、国の財政の複式簿記化については、これは、たいしたことがないようにも思われる方も、いらっしゃるかもしれませんが、これは、実はかなり大事なことです。

そもそも、日本国政府が、すぐにも財政破綻するようなことを、あろうことか、国民一人あたりの借金が700万円にものぼるとして、野田総理大臣が、国民をミスリードするようなことを平気で国会で語っていましたが、これは、私のブログでも指摘したように、全く間違いであり、これは、正しくは「赤ん坊まで入れて、日本国民は、一人当たり700万円の価値のある銀のスプーンをくわえて生まれてきている」と言い換えなければなりません。

このような間違いやミスリードがなぜおこるかといえば、政府や地方自治体の財政の簿記が企業のもののように、複式簿記ではなく、単式簿記になっていることにも大きな原因があります。単式簿記では、確かに、、政府がかなりの借金をしていると同時に、かなりの金融資産を持っていることを見逃してしまいがちです。これが、個人んの場合だと、たとえ、大きな借金をしたとしても、その個人が金融資産をもっていれば、この個人資産から、借金を差し引きして、それが、ブラスなら債務過多になっていないことがすぐにわかります。この過ちは、貸借対照表の読み方がわからずに、全体を見ずに、一部だけみて借金が多いと騒いでいると同じようなものです。

実際日本国貸借対照表でみれば、政府が借金をしているのと同時に特別予算などの形で、他国に例がないほどの、金融資産を保有しています。さらに、対外金融資産(日本が外国に貸している金融資産から日本が外国から借りている金融資産を引いたもの)が過去20年間世界一です。こんなことをみれば、日本が借金まみれとみるのは、全くの間違いであることがわかります。これだけ、お金が有り余っている国は他にありません。日本の景気か良くないのは、有り余るお金が、市中に出回ることがなく、日銀の金庫や、市中銀行に借り手のないお金が堆積されているからです。なぜ、そうなるかといえば、デフレだからです。だから、政府やるべきことは、まずは、デフレの克服であり、増税ではありません。デフレ対策としては、政府の積極財政、日銀の金融緩和の両方が必要です。これは、高校の政治経済で教えるような基本的な方法です。

新党では、政府紙幣や、複式簿記化など、かなり具体的な内容で、デフレ脱却を目指していることがうかがわれます。財務省も過去には、複式簿記化を検討していた時期があります。それは、以下のURLをご覧になればわかります。

http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/prev_fy2002/bs1609.pdf

過去には、このようなことを検討していた財務省ですが今は、その片鱗すらみられません。やはり、今は、増税を念頭においているため、このような情報で、増税キャンベーンがうまくいかなくなることを懸念しているのだと思います。

このブログでは、過去に何回も、日本国の貸借対照表を掲載して、日本国が、すぐにも財政破綻しそうであるなどの見解は、全くの間違いであることを掲載してきました。それについては、本日は、本題ではないので、本日は、詳細は掲載しません。それについては、以下の【関連記事】のところに、コピペしておきますので、是非ご覧になってください。

それにしても、これについても、保守だ革新だのは、全く関係のないことだと思います。他のことも、ここでは、とりあげると長くなってしまうので、ここでやめておきますが、どれをとっても、保守的とは思えません。唯一皇室は男系男子というところだけが、保守的ともみえますが、これとて、本来は保守だの革新などは関係ないと思います。これは、皇室内の問題であって、私達が口に出していう話題ではありません。だれが、他者の家内のことについて、嘴をはさむことができるでしょうか?ましてや、それが皇室であってはなおさらです。新党は、この問題に口を挟む必要はないという見解のもとで、元通りなにもかえないという意思表示をし他のだと思います。


左に傾くボディ?

以上新党の草案をみてきましたが、本当にどれをとっても、特に保守的ということはないと思います。この内容をみて、保守的だと思う方々、それこそ、ものの見方をグローバルに切り替えてください。世界標準では、これを保守などといいません。当たり前の真ん中をいく、政策だと思います。このような見方をすることが、現実を踏まえた真の「グローバリズム」だと思います。皆さんは、いかがですか?もし、この内容をみて、保守的だとか、右翼的だと感じるなら、あなたの体は左に傾いているかもしれません(笑)。


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2012年2月3日金曜日

【きょうの名言】危機管理がなっていない−【私の論評】確かに、日本の企業は、東電やを笑ってはいられないほど危機管理能力が低い!!




日本企業にはある特定の1人に仕事が大量に偏ってしまう傾向がある。その人が退社したり、いなくなって機能しなくなることがよくある。

@shiraishi_unsoさんがツイートする。

「仕事を大量に任されている先輩社員がインフルエンザでダウン。ボスは「この忙しい月末にダウンするなんて、自己管理いや危機管理が出来ていない!けしからん!」と怒っているが、社員一人が倒れたくらいで機能しなくなる組織...」

他の人では代わりは利かないということは当然あるのだろう。ただ、このボスは「危機管理ができていない」とまで言っているが、百歩譲って「自己管理」までは認めても、「危機管理」は100%ボスのせいだ。

【私の論評】確かに、日本の企業は、東電や国を笑ってはいられないほど危機管理能力が低い!!

危機管理能力というと、他の国はどんなことをやっているかという格好の事例として、以下のようなものがあります。

アップルでは信用できるまで新人にフェイクの製品を開発させる


詳細は、当該記事をごらんいただくものとして、以下に要旨のみコピペしておきます。
アップルがわざとフェイクの情報を社員に吹き込んで、外部に漏れた情報の中身でリーク犯を特定するのは割とよく知られてますが、なんと新採用の社員には一定期間とりあえずフェイクの製品を開発してもらって信用に足る人間かどうかテストすることもあるんだそうです。
さすが、時価総額世界一の企業のやることです。というかこの世界では、知的財産の保護に気を使いすぎても過ぎではないことを示す査証なのかもしれません。最近では、アップルもいわゆる戦略などはオープンにしたり、また、新製品の発表がやたらとはやく、まだ製品化されるずっと以前から発表されるなどのことがあります。特に、記憶に新しいのは、アップルのAirという薄型のパソコンは、何と発売の1年以上も前から、製品の詳細がYouTubeに掲載されており、Appleが発売する以前に、中国では、偽者が出回っていました。このように、正式なチャネルを通じて発表するように戦略的に情報を出すことと、情報漏えいとは、異なるということです。

これと対照的なのが、日本です。これは、何も、政府や、東電のような企業ばかりではありません。以下のような事例もあります。

ガジェ通日誌「ネットで何でもしゃべってしまう人と本気で仕事ができるのか」 

これも、詳細は上の記事を御覧になっていただくものとして、この記事の冒頭に結論めいたこと書かれていたので、それを下にコピペしておきます。
なんでもネットで喋ってしまう人とうまく仕事できるのか、という話です。昨今ツイッターになんでも書いてしまって問題になっている人がいますが、そういう人と一緒に仕事をするとこを想像してみてください。普通は怒られて終わり、となるんでしょうが、そのまま放置してたらどうなるのか。想像するに「その人の周りで情報が空洞化して孤立化してしまう」てなことになりそうです。情報の壁ができて、最終的には会議にも呼ばれなくなります。だんだん仕事がしづらくなります。(下の写真は本文とは関係ありません、イメージ画像です)


一人休むと、仕事にすぐ支障がででしまうとか、仕事の内容であっても、ネット上ですぐに喋ってしまう人がいるなど、これじゃ、危機管理も何もあったもんじゃないですね。

これらは、危機管理の中でも、いわゆる情報の扱いに関するものだと思います。一人休むと、仕事が滞るということは、情報共有がなされていないということです。何でもネットで喋ってしまうということは、守秘義務が不明確ということです。これらも、一つ間違えば、大変な危機をもたらすことになります、笑い事ではすまされなくなります。

このブログでも過去にこれに関した、記事を掲載したことがあります。中国のハニートラップに関する記事などです。

中国「ハニートラップ」恐るべき実態 標的は日本外交官から民主活動家まで―【私の論評】超限戦の古典的手口!!財務省のトラップはそんなに甘いの?!!

「中国出張に持っていったiPadは捨てなさい」米メディアが驚きの安全指南―中国メディア―【私の論評】世界は、謀略が渦巻いているのが常識!!日本だけが、この常識が通用しない!!!

上記のような事例をみれば、情報の扱いに関しては、気をつけ過ぎて、過ぎるということはないと思います。アメリカでも、ロシアスパイのAnna Chapmanの問題がありました。下のような女性にとても親切にしてもらえたら、彼女に抗える人は少ないかもしれません、それに気がつかないうちに、情報をぬきとられるということもあるのだと思います。


このようなことは、何も、インターネットが当たり前になった昨今ではなく、それ以前からありました。私が知っている限りでも、銀行に関するものがありました。これは、もうすでにその銀行がなくなってしまったからこそ、今では話せる事例ですが、旧北海道拓殖銀行では、銀行の窓口の女性行員が、喫茶店で仲間内との談笑の中で、ある会社が財務的に危機にあることを軽い気持ちで喋ってしまったところ、それが多くの人が知るところとなり、当該企業の信用問題になってしまったということがありました。(下は、旧拓銀の一階部分)


また、これは、別の銀行の話ですが、あろうことか、居酒屋で、上司が部下に融資の結果など報告させ、その内容の中で、その居酒屋居合わせた顧客が、自分の会社に関わることもあったので次の日に会社の上層部に伝え、無論、それが銀行のほうにも伝わり、上司は降格、部下は、左遷ということになったという事例がありました。こちらのほうも、実話でしかも、私自身がその場に偶然居合わせたものですが、この銀行は現存しているところなので、どの銀行かまではここには掲載しません。

こんなことは、うっかりしていれば、どの企業でも、誰にでも起こりえることです。特に、地位が上にあがれば、あがるほどこのような危機は増していきます。まさに、気をつけ過ぎても過ぎることはないと思います。


しかし、気をつけるだけでは防ぐことはできません。企業の中でも、比較的高い地位にある方は、上記のようなアップルのようなやり方はあまりにコストがかかって、できないかもしれませんが、たまに、ガセネタなど、複数の人間に伝えてみて、そのガセネタの伝わり具合を見て、怪しい人間を特定して、処分するなどのことをすべきと思います。

また、普段から、人事などが、行動指針や行動規範などを明確にして、それを社員などに徹底しておく必要があることは、いうまでもありません。

規範の中には、たとえば、取引先から贈答品をもらったらそれは会社がもらったものなので、必ず上司に報告させ、贈答品も上司に渡させるとか、取引先とは、個人的に年賀状を交わすなとか、ゴルフ、呑み会など、取引先から誘われた場合は必ず、上司に報告させるとか、それに情報共有を含めて社内の情報の取り扱いなど、しっかり規範を定めて、徹底させることはいうまでもありません。これができない企業は、アップルのような企業になることは望むことすらできないと思います。


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2012年2月2日木曜日

「タブレット電話」Galaxy Noteは成功するか−【私の論評】大きな電話、小さなタブレットは必要か?

「タブレット電話」Galaxy Noteは成功するか


韓国Samsung社から発売される『Galaxy Note』は、5.3インチのSuper AMOLEDディスプレーを搭載し、われわれがこれまで見てきたうちで最大の「スマートフォン」となる。成功するかどうかを分析。


【私の論評】大きな電話、小さなタブレットは必要か?



詳細は、上の記事を読んでいただくものとして、大きな電話、小さなタブレットタブレットともいえる、この『Galaxy Note』のようながジエットは売れるのかどうか私の思うところを下に掲載します。

まずは、売れる可能性としては、あり得るというのが、私の結論です。ただし、やはり、ニッチな商品になることは否めないと思います。なぜこのようなことをいうかといえば、実際にある風景をみたからです。それは、どのような風景かといえば、私の勤める会社である、ピザ・テンフォーのあるお店のアルバイトの学生が、iPadを電話としても用いているのを見たのです。電話として使う場合には、無論ヘッドフォンを使っていました。

Galaxy  Noteで電話する人

その方は、携帯電話は持っておらず、3G通信でiPadの通信を行っており、iPadを電話のかわりにも使っていました。iPadは、デイパックの中にいれて、いつでも持って歩いているそうです。自宅では、古いバソコンはあるものの、それはほとんど使わないそうです。はじめて見たときには、本当に驚いてしまいました。

確かに、学生などで、いつもテキストとなど持ち歩いている人とか、日々比較的大きめのバッグを持ち歩いている女性などには、普段持ち歩くバッグの中のものが一つ増えたという感じくらないなのかもしれません。ただし、書籍や、書類など日々たくさん鞄の中に持ち歩いている人にとっては、うまくすると、その書籍や、書類など電子化してガジエットに入れることによりかえって、軽くなったりかさばらなくてすむのかもしれません。


たまたま、自分の店でこんな風景を見てしまったからには、他にもこのようなことをしている人は大勢いるのかもしれません。考えてみれば、この学生アルバイトのようにすれば、いわゆる電話も、バソコンもいらず、iPad一つで間に合ってしまいます。これは、経済的です。こういう人たちにとっては、『Galaxy Note』は、選択肢の一つになり得ると思います。

それから、画像・動画については、もっぱらiPadで見るようになっています。さらに、最近では、AppleTVによって、大画面のTVで見ます。なぜなら、やはり、iPhoneの画面は小さいので、HDのものであっても、それがHDなのかどうかもよく分からないからです。これなど、iPadでみると、HDはHDとはっきりわかります。これは、iPhoneくらいの画面で見ていると、はっきり区別はつきません。iTunesで購入した、HDの映画など、iPhoneでみている限りHDかどうかは、わかりません。やはり、これが、5インチ台の大きさのディプレイになれば、ずいぶん違ってくるのだと思います。




私自身は、iPadとiPhoneを二つとも持っており、最近では、両方とも常時携行しています。ごく最近では、ワイヤレスキーポードも非常に軽いので一緒に持ち歩いています。そうして、最近は、iPhoneを使う頻度がかなり低くなっています。以前iPhoneしか持っていなかったときと比較すると、本当に半減以下という感じです。まずは、Kindleなどの電子書籍はほとんどiPadで読むようになりました。なぜかといえば、iPhoneは、字が小さくて、特に英語の文章を読むときなど、本文を読むなら良いですが、添付の辞書の文字はあまりにも小さくかなり読みにくいからです。Galaxy Noteくらいの画面があれば、これもiPhoneから比較すると、かなり読みやすくなると思います。



それから、英語学習アプリなど、ほとんどiPadで使うようになりました。これも、理由は、iPhoneでは、あまりに字が小さ過ぎて、読んで読めなくはないのですが、やはり、大きいので読んだほうが学習には適しているからです。これも、Galaxy Noteならかなり読みやすいことでしょう。
それに、大きい分存在感があって、置き忘れや、失くすようなこともなくなるような気がします。ということで、『Galaxy Note』には、有利な状況があると思います。


さて、次に小さなiPhoneと比較的大きなiPadの両方を持っていることの利点も掲載しておきます。まず、私自身の場合は、外出中は、iPhoneはいつも、シャツや背広のポケットにいれてあり、iPadは鞄の中です。電話は、むろんかかってきたら、すぐに取り出してiPhoneで応答します。メール、SNSなどについては、簡単にコメントするなら、iPhoneでします。長いものなら、どこか、場所を見つけて、iPadにワイヤレスキーボードを接続して、これで書きます。ブログなどもこれで書いてしまいます。これには、Bloggsyというアプリを使っています。ただし、これでは、ラベルがつけられないので、ラベルは、iPadのsafariで、bloggerのHTML形式の編集画面(safariだとこちらしか使えない)から入力しています。


それからiPadで英語のKindleの電子書籍など読んでいるときなど、Kindleに添付されている英英辞書を見るのですが、それ以外に英和の辞書を見たいときには、iPhoneのから辞書にアクセスしてみます。これは、何というか、パソコンでいえば、マルチウィンドウのような感じで使っています。iPadでは、マルチウィンドウができないので、これは、かなり重宝しています。ただし、こうした使いかたには、注意を要します。たとえば、iPadでGoogleの検索エンジンで検索しつつ、さらに、iPhoneなどで同じGoogleの検索エンジンを使おうとた場合など、要するに二つで同時にGoogleのアカウントを使用しようとした場合、警告が流れてきて、一時的に使用不要になる場合があります。


これは、Google側が、本人ではなく、他人がなりすましで、アカウント使おうとしていると判断するのだと思います。このような場合には、スマホのほうに電話がかかってきて、自動音声でコードを伝えてきます。そのコードをパソコンに入力すると、使えるようになります。私の場合、二度ほどこういうことがありました。その後は、そのようなことはありません。これは、Google側が、パソコンもiPhoneも私のものであるということを認識したということだと思います。



こんなことを考えてみると、『Galaxy Note』のような、大きな電話電話、小さなタブレットともいえるガジエットは、使う人とによって、使い勝手が良くなったり、悪くなったりするのだと思います。


どういう人が使うかといえば、やはりノマド系の人が最も使いますが、ノマド系の人の中でも、営業関係の人が最も重宝するのではないかと思います。こういう系の人たちは、あまりキーボードを打つなどのことは、必要ではなく、むしろ情報を得ることに重きを置いていると思います。であれば、iPadまでは、必要はないと思います。iPhoneなどでも十分だと思いますが、これだと画面が小さ過ぎなので、やはり画面は、大き目のほうが良いです。たとえば、仮想的に自社のバソコンをiPhoneなどの画面に写し、情報を得るなどの場合でも、やはり、画面は大きめのものがやりやすいです。さらに、お客様に資料や資料をみていただくときも、iPhoneだと小さ過ぎて訴求力は劣るかもしれません。そのようなことを考えると、こういう系の人達には、『Galaxy Note』は魅力的に見えるのではないかと思います。


ノマドで、IT系の人とか、その他クリエイティブ系の人で、かなりキーボードを打つとか、画像・動画を多用するというのなら、最低限、iPad+キーボードの組み合わせは必要だと思います。それどころか、高性能のモバイルパソコン以上のものが必要だと思います。こういう人達には、『Galaxy Note』は、あまり魅力的にはみえないことでしょう。


学生などの若い世代の中には、iPhoneがあれば、iPadなどいらないという主義の人もいますが、このような人たちにも、Galaxy Noteが支持される可能性もあると思います。確かに、Galaxy Noteがあれば、さらに、大きなタブレットなど必要ないかもしれません。






いずれにせよ、大きな電話、小さなタブレットは、ニッチな製品になるとは思いますが、ニッチな人々に絶大に支持される製品になる可能性が大だと思います。このニッチな人々がオピニオンリーダーとなり市場を広げていくことになるかもしれません。


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2012年2月1日水曜日

アマゾンが売上過去最高も純利益は大幅減−【私の論評】民間企業も国家も減益になっても、投資すべきときには投資せよ!!



米Eコマース大手アマゾンドットコムが1月31日発表した2011年第3四半期(10~12月)決算は、売上高こそ前年同期比35%増の174億3000万ドル(約1兆3280億円)となったものの、純利益は同58%減の1億7700万ドル(約135億円)と減益だった。

売上高は過去最高となったが、販売コストがかさんだために、純利益は大幅減益で事前の市場予想を大きく下回った。

タブレット端末のキンドル・ファイアは、累積販売台数は数百万台で、年末までに前年同期比2.8倍に増加したという。(上の写真は、AmazonのCEOのジョン・ベゾズ氏)

【私の論評】民間企業も国家も減益になっても、投資すべきときには投資せよ!!

Amazonが売上過去最高でも、純利益は大幅減ということだそうですが、これは、おうおうにしてあることです。売上があがっても利益がでないとはいっても、主に二つのケースがあります。まずは、古い商売ばかりやって、利益率が減ったために利益がでないというものです。もう一つは、次の時代に備えて、ヒト、モノ、情報などに投資をしていて、そのために利益があがらないというものです。

Amazonの場合は、もちろん後者であると思います。特に、キンドル・ファイアは、累計で数百万台も売れたそうですから、これは、以前のブログでも書いたようにほとんど採算割れに近い価格で販売していますから、減益するのは無理もないことだと思います。

企業はこのように、時には次のステップに進むために、身をかがめなければならないときがあります。人も、身をかがめなれば、大きな跳躍ができないのと同じことです。こんなことは、誰でも知っていることて、あまりにも当たり前だと思う人も多いことだとは思います。


しかし、現実はそうではありません。多くの人が、これに気づかずに、次の跳躍に備えて身をかがめようとはしませんでした。その、成れの果てが、今の日本です。


まずは、バブル直後の日本です。多くの企業が、不良債権処理に走り、ほとんどの企業が銀行からお金をかりることもなく、とにかく、投資は後回しということで、せっせと処理に走りました。多くの企業ががこのようなことに集中してしまったため、国全体でみれば、銀行からお金を借りて投資する企業がほとんどなくなってしまったので、市中には、お金が出回らなくなりました。


そのため、日本は不況に見舞われるようになりました。それまでの歴史にはなかったタイプの不況にです。このような構図を見破ったのが、あのリチャード・クー氏ですが、彼は、このタイプの不況に『バランスシート不況』と名付けました。これは、あまりに当たり前のことなのですが、その当時のあまりに多くの企業が次の時代に向かっての跳躍の準備をしなかったということで、それが、引き金となって不況が長い間続いてしまいました。


さて、このような不況が長引き、しまいには、デフレになりました。そうして、そのデフレが今に至るまで続いているのが現在の状況です。では、こうした最中にあって、企業は何をすべきかといえば、Amazonがやっているように、次のステップに向かって、身をかがめる行為です。たとえ、減益になっても、次の時代に向かっての投資のはずです。しかし、現在の日本企業は、全部とはいいませんか、ためこむばかりで、なかなか、次の時代に向けての投資をしようとしません。

しかし、これは、何も企業だけが悪いというわけではありません。デフレを放置している日本政府にも問題があります。これだけ、デフレであれば、物が売れず、企業のほうも投資を控えるのは当然のことです。過去本当に、日本政府は、投資をしてきませんでした。公共工事も、かなり減っています。バブル直前の頃比較すると、毎年半分という有様です。そのため、多くの地方で、あと数年で、道路や、橋や、トンネルなどが、耐用年数を過ぎて危険な状況です。これは、完全に公共工事をやらなさすぎの水準です。他の先進こくと比較しても、最低水準です。これでは、景気が悪くなるも当然といって良いくらいです。

これは、過去の自民党政権も、今の民主党政権も同じことです。次の時代に向けて、跳躍するにしても、まずは、このような、公共工事を実施しなければなりません。それらが、まともになっておらず、国土の安全や、効率性など確保されなければ、一体どうやって、跳躍するというのでしょうか?

それに、本年は、昨年の3.11の震災による復興を本格的に取り組むはずの年であったはずです。この震災による被害に関して、ただ元に戻すというだけではなく、全く新しい考えで、新たな地方都市を作り出すとか都市計画だけではなく、新たな産業構造を生み出すきっかけにするとかすれば、それこそ、次の跳躍のための良い準備となるはずなのに、今の政府はそうはしません。

こういう風にみていけば、今の企業や、政府や日本銀行は、ジェフ・ベゾズ氏とは正反対のことをしているわけです。とくに 、政府は、いまのこのデフレにタイミングて、増税しようとさえしています。日銀も、これだけ、震災の復興のため、円需要が増しているにもかかわらず、増刷拒否の姿勢を崩さず、大規模な金融緩和政策をするつもりはありません。これでは、どうしようもありませんね。

一体彼らは、何を考えているのでしょうか?過去の記事の歴史をみても、これは、理解できることです。高橋是清は、昭和恐慌のときデフレ対策として積極財政、金融緩和策をとり、日本の昭和危機を素早く切り抜けました。橋本龍太郎は、デフレにのときに、増税をして大失敗して、国民に詫び入れました。インフレのときに、増税、積極財政、金融引き締めをする。デフレのときには、減税をして、緊縮財政、金融緩和をするべきことは、高校の教科書にも掲載されているようなマクロ経済政策の基本中の基本です。何も難しいげんりでもなんでもありません。普通の大人が、普通に考えれば、理解できることです。

次の時代に向けて、跳躍するために、身をかがめ、企業なら、Amazonのように減益をしても、次の時代に備える、国なら、高橋是清のように、次の時代に備えるため、積極財政をして、金融緩和をするということが、最近の政治家や企業家は、理解できないようです。


企業家も、政治家も、Amazonのジョン・ベゾズ氏のように、減益でも投資すべきときに、投資しなければならないという基本中の基本中を学ぶべきです。日本では、多くの人が、国や企業のことを、定期的に跳躍の必要な存在とは認められないようです。ずっと跳躍しなければ、だんだん衰退していくばかりです。一体いつから日本は、こんなことになってしまったのでしょうか? 本当に困ったものです。


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