2012年7月1日日曜日

【日本の解き方】動き出す200兆円公共投資!増税談合で利権分け前か―【私の論評】デフレ脱却には、やはり、政府による財政出動と、日銀による金融緩和の両方が不可欠!!

【日本の解き方】動き出す200兆円公共投資!増税談合で利権分け前か:



公共投資の復権を考えている人が出始めてきた。自民党は「国土強靭化法案」を今国会に提出している。10年間で総額200兆円をインフラ整備などに集中投資するという。

公共投資をすれば名目GDP(国内総生産)が伸びるという人もいるが、名目GDP伸び率と名目公共投資伸び率のデータを見ると関係はない。理論的には公共投資の需要創出効果はあまりない。十分な金融緩和がないと円高を誘発し輸出減となるという、いわゆる「マンデル=フレミング効果」があるからだ。

そもそも総額200兆円が先に出てくるのがおかしい。本来、公共投資は個々のプロジェクトでみて、便益と費用の比率(B/C)は1を上回っていれば採択し、下回っていたら不採択である。先に総額を決めるというのは、こうした個々のプロジェクトごとの採択基準を無視することにつながる。

それは筆者の大蔵省時代の経験からもいえる。公共投資のB/Cの計算チェックを行った。個別プロジェクトでB/Cが1・00という例が多く、それらはすこし間違いを探すと1・00未満になってしまう。そのような事例が多くなったら、チェックをしなくてもよいと言われた。予算総額が決まっていて、そのままでは予算をつけられなくなるからであろう。

建設投資を見ると、確かに投資額が減っている
もっとも、その時の経験ではB/Cが3以上だと不採択(B/Cが1未満)にはならなかった。後日、海外出張して公共投資担当の人とも話したが、やはり同じようなことを言っており、ドイツやニュージーランドではB/Cの採択基準を3や4に設定しているということだった。

そこで、経済財政諮問会議で同様な提案をしたことがあるが、国交省などから強硬な反対があって、実現しなかった。当時の高速道路で採択基準を「3」にすると採択路線は6割も減少になるからだ。逆にいえば、日本の公共投資の採択基準はそれだけ甘いわけだ。

今回は社会保障に使うから大丈夫という理屈であったが、早くも利権たっぷりの公共投資に化けようとしている。デタラメな増税だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】デフレ脱却には、やはり、政府による財政出動と、日銀による金融緩和の両方が不可欠!!

上の記事を読まれて、皆さんはどう思われたでしょうか?私自身は、高橋洋一氏には従来から、注目しており、氏の意見はもっともであるといつも納得しています。

ただ、今回は、真正面から字面のみ読めば鵜呑みにできない点があります。ただし、裏読みをすれば、高橋氏は、無秩序なインフラ整備には賛同出来ない旨を表明しているのであり、さらに、日銀による金融緩和なしに、デフレからの脱却は困難であることに警鐘を鳴らしていると読み取るべきと思います。

高橋洋一氏
ましてや、自民党など、増税しておいて、無秩序なインフラ整備を多めに行えば、増税しても何も問題ないと考えているとすれば、とんでもない間違いであることを強調したいのだと思います。

確かに、こう考えているとすれば、とんでもないことだと思います。デフレの最中に、増税と、インフラ整備を同時行うのは、危険極まりない行為であると思います。理屈の上では、増税しても、インフラ整備を多めにやれば、国民の所得が増え何も問題ないかのようにも見えます。

福岡市のインフラ整備
しかし、経済というのはバランスが重要ですから、まず、最初は、増税などしないようにして、金融引締めで、暴走している日銀を日銀法改正などで、金融引締め一辺倒ではない金融政策に変更するという担保を確保したうえで、大規模な財政出動をして、税収を増やし、そうこうしているうちに、デフレから脱却したどころか、景気が加熱して、ハイパーインフレになりそうな状況になってきた場合、増税や緊縮財政、金融引締めを実施するというのが、順当な行き方です。

私自身も、従来は、政府の財政出動ばかり期待していたところがありますが、やはり、日銀が金融引き締めばかりやっている最中に、財政出動をしても、短期的には効果があるかもしれませんが、長期的にはデフレ克服までには至らないと思います。

さて、これに関しては、いろいろいと情報が錯綜しており、真実が把握しにくい状況になっています。真実に一歩でも近づくために、以下では、政府の税収に限って、情報を整理していきたいと想います。


さて、上の記事を論評する前に、税収に関してここ30年程度をふりかえっておきます。消費税をはじめて日本で導入して、3%の増税にしたときには、1989年のことで、日本国経済は、インフレ基調であったため、増税した翌年には、税収は増えました。ところが、その翌年から減りはじめ、その次の年は、3%にした年を下回りました。

その後、インフレは収束し、税収は減り続けました、次に、消費税を3%から5%に引き上げた1997年には、若干税収があがりました。ただし、このときはまだ、日本は統計上は、デフレに突入していませんでした。ただし、翌年の1988年に日本経済は、完璧にデフレ基調に移行しました。その後、税収が増えるどころか、1997年の税収を上回ったことはありません。

このデフレの原因は、主に政府による増税を含む緊縮財政と、日銀による金融引き締めによります。特に、1988年から、日銀法が、改悪され、日銀の暴走大勢が露となり、これ以降、完璧に金融引き締め政策を継続するようになりました。とにかく、インフレで冴えなければ良いという具合で、多少のデフレは辞さないという考えで金融政策を定め、実行しているようです。

金融引締め一辺倒で円高を誘導し、中国・アメリカに利する
ことばかり追求する日銀、いずれの国の中央銀行なのか?
しかし、経済学的に、ゆるやかなインフレ(2%から6%くらいまで)は悪性インフレとはいえず、さほど害はないですが、デフレの場合は、ゆるやかなデフレなど存在せず、デフレであること自体が、経済の重篤な病といえます。そもそも、ハイパーインフレは存在しますが、ハイパーデフレなるものは、存在しません。

モノの価値が、一夜で低くなり、モノを買うためにお札を山のよう支払うようなことはあっても、その逆に一夜にして、モノの価格が安くなり、昨日払った金額の1/10で、本日は、同じ商品を購入できるなどということは歴史が始まって以来一度もありません。たとえ、0.5%のデフレであっても、経済の病であることにはかわりありません。大変なことです。そうして、最大でも、年率2%程度のデフレしか、人類は経験したことがありません。



そのため、インフレは誰でもすぐに認識できますが、デフレは意外と多くの人が認識できないため、人の病気きでいえば、自覚症状のない癌のようであり、人によっては、デフレを経済の癌と呼ぶ人もいるくらいです。現在の日本のように、デフレが、14年間も続く異常な状況にいると、デフレが慢性化して、異常な状況を認識しない、ゆでガエル状況の人がでてきます。野田総理や、安住財務大臣などは、今がデフレであり異常な状態であるとは、本当は認識していないのかもしれません。

当時ライブドアの社長だった、堀江貴文氏も今や牢の中
2001年小泉政権になり、この政権は、2006年まで継続した。2003年から、2006年にかけて、税収が増えていますが、これに関しては、小泉政権による、国債の日銀引受は禁じ手でも何でも無く高橋洋一氏主導で、毎年やっていたため、この対策により小泉政権下では1ドル120〜130円台の円安をキープしていました。結果として、日銀に、金融緩和政策を実施させたことになります。この時期に、いわゆる堀江貴文によるライブドア事件、村上ファンド事件が発生したことは記憶に新しいです。


村上ファンドの村上氏、いまはこの人も牢の中
小泉政権は、2006年までしか存続しなかったため、これ傾向は、2008年でピタリと終焉しています。2007年には、税収があがっていますが、これは、小泉政権が終焉して、高橋洋一氏が第一線を退いても、結果としてマネタリーベース(市中で出回っているお金)が、多めであったため、このような結果になったものと推察します。



2008年(平成20年)9月24日から2009年(平成21年)9月16日まで続いた麻生政権による2008年における、予算策定により、2009年中は大規模な財政出動が行われ、景気の拡大がみられました。ちなみに、この30年間で、緊縮財政を行わなかったのは、麻生政権と、小渕政権のみです。おぶち政権のときは、株価が回復して、2万円台だったことをご記憶の人も多いと思います。その後、民主党政権に政権交代し、「コンクリートから人」をスローガンとして、緊縮財政に戻ったため、昨年の3月に発生した、震災による復興需要も、帳消しされ、現在でも、デフレ基調にあります。

平成の幕開けを伝えた、在りし日の小渕氏

また、日銀は、1%のインフレ目処を発表したため、市場も好感し、一時株価が上昇するなどの現象もみられたが、結局追加緩和策などとりやめとなり、あいかわらず、金融引き締め的な金融政策から、脱し切れていません。

未だ記憶にあたらしいニュージーランド地震
私自身は、上の記事で、高橋氏が、日本の公共投資のB/Cが、ドイツやニュージーランドではB/Cの採択基準を3や4に設定しているといいますが、日本とドイツや、ニュージーランドとは、根本的に異なるところがあります。それは、日本は、これらの国に比較して、自然災害が極めて多いということです。最近、ニュージーランドでは地震がありましたが、その後発生した、日本の、地震や津波の被害とは比較しようもなく規模が小さいです。また、日本では、地震は、他国に比較すれば、頻繁に発生します。


毎年繰り返される台風による被害
それに、日本には、これらの国にはない、台風による風水害その他の災害が毎年のように発生しています。さらに湿度も高く、インフラが痛みやすい条件が揃っています。だから、日本のB/Cがこれらの国より、多少甘くなるのは、当然のことと思います。それに、このブログの冒頭で示したグラフのように、建設投資など、数十年前の水準にまで下がっています。そのため、最近では、老朽化したインフラが目立っていることも事実です。そのため、経済効果が薄いにしても、やるべき公共工事は実施しなければなりません。それに、同じ公共工事でも、経済効果が高いものは、優先的に実施するべきと思います。

しかし、高橋氏は、自民党による国土強靱化は、10年間で総額200兆円をインフラ整備などに集中投資ということだけで、どのような投資をするのか、そのビジョンがはっきりしていないことを批判しているのだと思います。


そうして、忘れてはならないのは、日本のデフレ脱却は、まずは、日銀によるデフレ促進策をやめさせること、その上で、今後の日本のあるべき姿に向けた、強力な財政出動を行うべきことです。日銀の金融政策が変わらない限り、円高は是正されず、となれば、産業の空洞化は避けられません。だからこそ、この両輪が揃わない限り、あり得ないということです。


経済も、人体のように均整のとれたプロポーションであらねば?
それに、増税しつつ、インフラ整備に多大な資金投下するということは、癌患者に対して、癌の進行を止めるどころか、進行させるような外科手術を施し、それと同時に抗癌剤を投与するような、ハチャメチャなやり方です。こんなやり方をすれば、癌患者がどうなるのか、わかったものではありません。とんでもないことです。高橋氏は、だからこそ、上の記事のような言い回しになったのであり、順番など間違えていなければ、上のような言い方はしなかったと思います。経済は、人体が均整がとれてなければ、問題があるのと同じように、時間軸も含めた種々様々なバランスのもとに成り立っていることを忘れてはいけないということです。


みなさんは、どう思われますか?





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2012年6月30日土曜日

「傘かしげ」あなたはできますか? 「江戸しぐさ」でモテるマナー美人―【私の論評】「江戸しぐさ」と「武士道」は日本人の精神の支柱!!

「傘かしげ」あなたはできますか? 「江戸しぐさ」でモテるマナー美人:



みなさんは「江戸しぐさ」というのをご存じですか?
NPO法人「江戸しぐさ」によると「江戸商人のリーダーたちが築き上げた行動哲学で、人間関係を円滑にするための知恵」だそう。
生活の知恵として、現代にも通じるところがあったので、さっそくご紹介したいと思います。
■ こぶし腰浮かせ
...空席をつくるためのマナー。混雑している電車でバッグを椅子に座らせて知らん顔をしている人、... 続きを読む
■著者データ
マイスピ
ウェブサイト: http://www.myspiritual.jp/news/
【私の論評】「江戸しぐさ」と「武士道」は日本人の精神の支柱!!

江戸しぐさの、しぐさは仕草ではなく思草と表記します。もともと商人しぐさ、繁盛しぐさといわれ、商人道、哲学として語られています。多岐にわたる項目が口伝により受け継がれたといいます。


現代の世相に鑑み江戸人の知恵を今に生かそうという観点から教育界などで注目され始めています。かつ、一部小中学校の道徳の時間にも取りあげる動きも広がっています。商家に伝わる門外不出の未公開の処世術あるいは、倫理観、道徳律、約束事ともいうべきものですが、未公開かつ口伝であったことから正確たる文書は現存せず芝三光(しば・みつあきら)(本名=小林和雄)とその後継者により普及されてきました。


評論家の牛島靖彦によればそもそも商人(あきんど)しぐさを「江戸しぐさ」と命名したのは、江戸講最後の講師とされる、芝三光であるといいます。本件江戸しぐさを伝えてきたのはわずか一人であり、存在とか内容についても江戸時代の常識と一致しない部分があると批判する意見もありますが、商家の精神とか江戸人の知恵がちりばめられており、その本質とか存在意義を著しく損なうまでには至っていません。その後、芝の弟子の一人であった越川禮子が後継者として名乗りを上げられ、NPO法人を設立され江戸しぐさの普及宣伝活動を行っていらっしゃます。

上の記事でも、江戸しぐさについて掲載ていますが、以下に他のしぐさも含めて再度掲載させていただきます。

傘かしげ
雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと

肩引き
道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと
時泥棒
断りなく相手を訪問し、または、約束の時間に遅れるなどで相手の時間を奪うのは重い罪(十両の罪)にあたる。
うかつあやまり
たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと。
七三の道
道の、真ん真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は緊急時などに備え他の人のためにあけておくこと。
こぶし腰浮かせ
乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること。 
逆らいしぐさ
「しかし」「でも」と文句を並べ立てて逆らうことをしない。年長者からの配慮ある言葉に従うことが、人間の成長にもつながる。また、年長者への啓発的側面も感じられる。
お心肥やし(おしんこやし)
体を肥やすのではなく、心を豊かにして、学問を学び、人格を磨きなさいという言葉。学問もを学ぶということも、ただ書物を読んで知識を付けるのではなく、実際に自分で体験し、考えることが大事だと教えています。
打てば響く
鐘や太鼓がたたけば即座に鳴るように人間も打てば響く、つまり気配りをして、即行動する機敏さが尊ばれました。
三脱(さんだつ)の教え
江戸のルールでは、初対面の人に「年齢」「勤め先」「身分」を聞いてはいけないとされ、これを「三脱の教え」といいました。失礼にあたるというより、余計な情報が入ることで一種の色眼鏡で相手を見てしまい、その人の素顔や本心を見通せなくなることを恐れたのです。これは、現代でも十分通用する考え方といえますね。特にビジネス上の出会いならともかく、それ以外の出会いでは、三脱の教えは、今でも堅く守るべきです。
はいはい
世間を広くするも、狭くするも自分の料簡次第である。「はいはいの修養、いかがの注意」まずハイと返事をして、人の意見を聞きなさい。その内容をじっくり吟味して、もし疑問や意見があれば、ところで、この点はいかがでしょうかと、伺いをたてなさい。昔の人はこう言って自分を戒めた。
ゆびきりげんまん、死んだらごめん

子どものころ、こんなことを言った覚えはないだろうか。「指切りげんまん。嘘ついたら針千本飲ます」この後に「死んだら御免」と続く。約束した以上、命ある限り、約束を果たすのが当たり前。こんな覚悟を示したものだった。
「江戸しぐさ」皆さんはどの程度身についているでしょうか。私は、こうしたことは、子供の時分に母や祖母から教わったと思います。母方の先祖は、ずっと商人でした。特に「江戸しぐさ」という言葉は知らなくても、上のようないわゆる道徳教育はされていました。

「傘かしげ」とか、「肩引き」、「七三の道」、「こぶし腰浮かせ」など、何も意識せず、意識せずに行っている所作だと思います。ただし、上の記事のように「傘かしげ」などしない人も増えいるようで、非常に残念です。最近では、歩道を自転車で走る人もいて、しかも、3列並びで、話をしながらなどという人もいます。歩道ならば、人が混み合っているところなら、当然自転車から降りて、手押しで歩くべきです。あまり混み合っていなくても、一列縦隊で走るべきと思います。



このブログにも書いたことがありますか、いわゆる、社会性ということがいわれています。最近では、この社会性を図る尺度SQ(Social Quotient)などが開発され、実際に測定することもできます。私は、これで、社員の社会性を測定したこともあります。



そうして、このような測定方法が書いてある書籍には、測定方法とか現代の社会性などについては書いてあるのですが、肝心要の社会性を養う方法など書かれてありませんでしたる。インターネツトで調べてみたら、相手のいうことを良く聴くということがあげられていました。しかしながら、これらは、あまりにも当たり前といえば当たりまえです。

しかしなが、そんなことは日本では昔から十分に教育されてきたということです。それも、特に学校とかそんなところではなく、家庭内で当たり前にされてきたということです。それが、上の「江戸しぐさ」というものだと思います。こういうことを子供の頃から、躾けられて、育った子供は、育つ過程において、自然に社会性を身につける事ができるのだと思います。

江戸時代の商家の娘の服装
さて、上の例は商人の家庭によるものですが、武家にも無論このようなものはあります。それは、「武士道」というものです。これは、日本の近世以降の封建社会における武士階級の倫理及び価値基準の根本をなす、体系化された思想一般をさします。父方は、武家の出してので、私は、両方の影響を受けたと思います。

教育者で思想家の新渡戸稲造など、文学・思想に大きな足跡を残したキリスト者達(新渡戸、内村鑑三、植村正久など)による異文化接合の形として顕われたのが、もう一つの「武士道」でと呼ばれているものです。ここでは、武士道のことを記載してしまうと、長くなってしまうので、これについては、また、別の機会に述べます。


それにしても、商人も、武家も、このように子供からきちんと躾けられていた日本人は、子供の頃から、かなり社会性が高かったものと思います。そこにもってきて、さらに、武家は武家の藩校、町人は町人の学校で、比較的若い時代に徹底した詰め込み教育を行ったということが、日本の先進性につながったのだと思います。こうした、早期の教育がなければ、日本も、他のアジアと同じように他国の植民地になっていたかもしれません。

江戸時代に末期にいたっても、日本では近代的な大学や、大学院のような施設は存在しませんでした。しかし、子供の頃は、上記のような躾けがなされ、ある程度大きくなって大学に入るくらいまでの年齢までは、徹底的な詰め込み教育がなされた日本人は、当時からクリエーティブであり、あの偉大な明治維新を成し遂げたことができたのです。

明治維新の立役者 坂本龍馬
大学などに入る年齢の頃には、躾けや、詰め込み教育が終了していなければなりません。そうして、はじめて、大学教育やそれに続く大学院教育があります。今の日本は、上の記事に掲載してある、日本の古の知恵をすっかり忘れ去っているようです。ごく最近まで、「ゆとりの教育」などというおろかなことが行われてきました。それに、家庭での躾けもおろそかにされてきました。しかし、これらは、本来は、日本人の精神の支柱であったはずです。

今こそ、私達日本人は、上記のような古を思い出し、子供の頃の躾け、若年層の詰め込み教育を実施し、日本のことを知る、真の国際人を養成していくべきです。その一歩なるのが、上記の商人の知恵でもある「江戸しぐさ」や、「武士道」だと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年6月29日金曜日

アップルへ3つの提言:「修理困難な機器は、人類を危険な道へ導いている」―【私の論評】はじめてタワー型のパソコンを購入してみて理解できたこれらの提言!

アップルへ3つの提言:「修理困難な機器は、人類を危険な道へ導いている」:



iFixit社は電子機器の修理に関するオンラインコミュニティを運営するほか、世界中に修理用パーツを販売。オープンソース形式でつくられる修理マニュアルと、製品分解レポートで定評がある。同社のカイル・ウィーンズCEOから、アップルへの3つの提言。
1.地球上のすべての人々が、さまざまな革新的技術を使えるようにすること(世界人口の12%を占めるに過ぎない先進国だけでなく)。

2.環境や社会へ壊滅的な影響を及ぼすようなハードウェアの製造方法をなくすこと。
3.さまざまな資源の採掘量をいまよりも大幅に減らすこと。たとえばコンゴ共和国でのコルタンをめぐる争いから発展した内戦から、米モンタナ州バークレイピットでの大災害まで、資源採掘が原因で様々な惨事が起こっており、いまでも中国やアフリカでは同じような悲劇が繰り返されている。
コンゴ共和国の位置

電子機器のメーカーにとっては、保証期間が過ぎた製品は姿を消してくれたほうがありがたい。消費者に新しい製品を売り込めるからだ。しかし、現実の世界はそれほどすっきりとしたものではない。リサイクルされる電子機器は全体のごく一部にすぎない。また、リサイクルされるものにしても、切り刻まれ、部品の原料ごとに仕分けられるにすぎない。電子機器を粉々にするのは資源の浪費であり、その製造に費やされたエネルギーの無駄遣いでもある。さらに悪いことに、レアアースやコルタンなど多くの鉱物資源はまったく回収されていない。



われわれが、さらに多くの電子機器を作り続ける理由はなんだろうか。われわれは、必要とするほぼすべての電子機器をすでに製造しているといっても過言ではない。携帯電話にしても、今年以上に多くの台数を来年つくる必要はなくなっている。また、テクノロジーが進歩したおかげで電子機器の生産台数が増えたわけでもない──手元にあるものをうまく活かすことが下手なだけだ。使われなくなった携帯電話が抽出の奥で眠っている、といったことはおそらくどの家庭でもあることだろう。その携帯電話で、ほかの誰かが助かる可能性もあるのに、である。

捨てられた携帯電話の山
理想的な世界では、誰かが使わなくなった電子機器は、専門家が修理して使える状態に戻し、別のユーザーのもとに渡っていくことになる──iFixitはそうしたエコシステムの一部である。修理の方法に加えて、コンピュータの買い取りや部品の再販も手がけている。私はかつて、手書きのメモが付されたコンピュータを受け取ったことがある。そのメモには次のような言葉が書かれていた。



「さよならiBook。たくさんのコンピュータとなって生まれ変われますように(”Goodbye, iBook. In your death, may you give life to a dozen more computers.”)」

この記事の詳細は、こちらから Wired


【私の論評】はじめてタワー型のパソコンを購入してみて理解できたこれらの提言!

私が、生まれてはじめていじったパソコン、シャープMZ-2000、記憶装置はカセットだった
私が、パソコンというものはじめて、いじったのは、いわゆるディスプレイ一体型といわれるもので、ディスプレイとパソコン本体とキーボードが一体となったものを購入しました。その次に自分ではじめて購入したのが、やはり、ディスプレイとパソコン本体が一体になったものでした。キーボードだけは、分離されていました。

左私が昔購入したパソコンPC98CV21,右は、マッキントッシュ

その後購入したものは、数台になりますが、すべてノートパソコンでした。そうして、一昨年iPadを購入しました。そうして、昨年暮れ近くに、ノートパソコンがハードディスクが、クラッシュしてしまいました。このノートパソコンは、良く、使わなくなったテレビにつなぎ、USBキーボードをつないで、使うこともありました。こうすることにより、デスクトップのようにして自宅で使っていました。

私が最後に購入したノートパソコン、購入してから、2年と数カ月でハードディスクがクラッシュした
外出するときは、iPadを持って出かけるという感じでした。iPadを購入する前は、ノートパソコンを持って外出していましたが、iPadを購入してからは、もっぱらiPadを持って外出するようになりました。無論そのときには、wifiルーターも携行していました。

購入した初代iPad

さて、上にも書いたように、昨年暮近くに、ノートパソコンのハードディスクがクラッシュしてしまったのですが、その当時から、あまりハードディクスにデータを溜め込まないようにしていたので、あまり実害はなかったのですが、ITunesで購入した、音楽は、あきらめざるを得ませんでした。これは、200曲以上もあったので、ショックが大きかったですが、半分近くは、DVDにとってあったので、それだは、何とかなりました。
現在使用しているwifiルーター、Uread-8000
そんなことがあったのですが、普通なら、ここで、ノートパソコンを買い換えるのですが、とりあえず、iPadがあったので、それを使っていました。しかし、ブログの更新などには、ソフトキーボードだけでは、さすがに入力が遅くなるので、結局お正月に、アップルの純正キーボードがアップルストアで普段よりも、安く売っていたので、これを購入し、しばらく、iPadをノートパソコンのようにして使っていました。

しかし、やはり、パソコンがないと、不便なこともあるので、いずれ購入しようと、いろいろと見てはいましたが、 IPadでほとんど用が足りていたので、安いものがあれば、という感覚で、じっくり探していました。そうして、ある日、価格コムをみていたら、何とeマシンというメーカー(実体は、Asus)が、タワー型の小さめのものを2万4900円で販売しているではありませんか。
最近購入した、emachainesのタワー型パソコン
内容としては、AMDのCPUで、デュアルプロセッサーであり、3.2GHzであり、ハードディスクは、500G、そのかわり、ディスプレイも、キーボードもついておらずというもので、外部スピーカーは、ついているというものでした。OSは、Windows7で32ビット版で、メモリは、2Gという代物でした。そうして、なぜか、ゲーム用の、グラフィク・アクセサレーターはついているというものでした。

価格コムでみていたら、8ギガにメモリを換装して、OSもwindows7の64ビット版に入れ替えて使っている人の記事も掲載されていたので、これは、テレビをディスプレイに使えるし、それに、USBキーボードもあることから、これを購入すれば、すぐに使えると思い、いずれ、このように換装しても良いだろうと考え、購入してしまいました。それから、このパソコン無線LANには、対応していなかったので、無線LAN用のUSB端子(amazonで数百円)もついでに購入しました。

購入した無線LANの端子(右)。左は1円玉。すぐにインターネットにつながった
そうして、実は、購入直後は、もっと考えてから購入すれば、良かったとも考え後悔していたのですが、いざ、パソコンが届けられ実際今自宅で使用していますが、使いはじめてから、全く後悔していません。32ピット版で、メモリが2Gしかないのですが、アクセラレータがついているせいでしょうか、何と、かなり高性能なパソコンでないとできないような、バトル系のオンラインゲームもできるではありませんか。そんなところから、購入直後の後悔はふっとんでしまいました。

現在使用しているiPhone3GS。iPhoneは、OSが新しいのになったら、買い換え
ようと思っていましたが、iOS6も使えるようなので、しばらく使うことになりそうです。

そうして、いずれ、windows8が登場してきたら、メモリを8ギガに増やし、64ビット版のものにしようと考えています。このようなことをしても、メモリは、今なら数千円にすぎません。

さて、ここまで、いろいろと書いてきましたが、一見上の記事と関連がないようにも見えるでしょうが、私は、多いに関係があるとおもいます。従来は、ノートパソコンばかり使ってきましたが、これは、メモリは入れ替えることができ、実際に入れ替えて使っていたこともあります。しかし、ハードディスクは入れ替えができるようですが、私自身は、取り替えたことはありません。


しかし、iPadを購入して以来、ノートパソコンの必要性がなくなったため、はじめて、タワー型のパソコンなるものを購入してから、考えが変わりました。今後、私は、ノートパソコンは購入しないことでしょう。もう、タブレットがあれば、特にノートパソコンは不要ですし、それに、今回タワー型を初めて購入して、いろいろいじってみて、タワー型の良さが良く理解できました。

メモリも、CPUも、ハードディスクも、アクセラレーターも自分で交換できます。であれば、故障したときなど、上記の記事にもあるように自分で直すことができるわけです。それに、古くなれば、新たに、部品を購入してきて、新たなものにすることができるわけです。



いまさらながら、自分が、ノートパソコンにこだわっていたのか、不思議に思えてきます。それにしても、Apple製品は、iPadも、iPhoneも、電池すら自分で交換できません。これは、やはり、かなり不便だし、不経済です。

こういうことを考えると、やはり、上の記事のアップルへの3つの提言、社会のことを考えれば正しいような気がします。そうして、この社会という言葉は、あのスティーブ・ジョブズの言葉である、「社会にone more thingを付け加えよ!!}という言葉を思い出します。ジョブズ氏が、生きておられたら、この3つの提言をどう受け止めることでしょうか?興味のつきないところです。

そうして、この3つの提言。考えてみると、このブログにも掲載した、アメリカでは随分前から顕著になっており、日本でも顕著になってきた、あのスペンド・シフトという消費動向にかなりフイットしていると思います。

スペンド・シフトとは、以下のような消費の動向です。

1.自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。 
2.ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。 
3.モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。 
4.有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。 
5.消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。

JOHN GERZEMA: LIQUID LIVING AND MODULAR
 HOMES 住まいで、スペンド・シフトを牽引する女性
さて、上のスペンド・シフトに関して、上の提言と、私が購入したタワー型パソコン等との対比など試みたいと思います。

まずは、Appleの製品は、ステータス・シンボルであり、これを持っているだけで、カッコいいと思えます。確かに、格好が良いです。しかし、今回タワー型のパソコンを購入して、その価格がとてつもなく安いことと、さらに、自分で部品を購入してきて、いろいろと、作り変えることができることを知り。より、自分が賢くなったように思います。

そうして、2番目は、残念ながら、地域が潤うようにお金をつかうということには、なっていません。今回の場合、地域ではなく、Asusという台湾の企業が潤うことになります。

3番目の、絆を深めるということにも繋がってはいません。

4番目の、有名企業でなくても、信頼できる企業から買うというのは、あたっているかもしれません。Asusは最近、結構有名になりましたが、このタワー型パソコンは、emachinesというブランドで販売されていて、有名ではありません。今回使ってみて、信頼できるものであれば、これはあたりということになります。


消費するだけではなく、自ら創造する人になるというのは、私自身は、パソコンや、iPadを用いて、ブログを創作するなどの行動を起こしていますから、創造する人の部類になっていると思います。そうして、タワー型のパソコンを使ってみて、これから、いろいろいろ、部品を購入してきて、パソコンの構成を変えるようになれば、こちらの面でも、創造する人になれるのではないかと思います。


YouTubeでも、有名な英語教師のセクシーブロガー
さて、こうした消費動向が興隆している最中であれば、確かに、上の3つの提言も、かなりフイットすると思います。いまのところ、確かに、アップルは、イノベーションで、独走状態ですが、将来的には、そうとばかりは言っておられなくなるかもしれません。


他社が比較的安いタブレットで、修理しやすいとか、さらに、いろいろ部品を買い換えれば、発展させていくようなものを開発し、しかも、それが、地域の親しい人によって、販売されていて、個々人のニーズを良く知り抜いており、いろいろ、部品に対してアドバイスしてくれるような店ができたとしたら、上の消費トレンドにピッタリであり、今後かなり伸びていくかもしれません。

皆さんは、どうお考えになりますか?

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