2012年11月8日木曜日

朝日新聞デジタル:景気後退入りの可能性 動向指数、6カ月連続下落 - 経済―【私の論評】景気後退・雇用悪化を絶対に日銀のせいにしない日本大手マスコミの不思議!!

朝日新聞デジタル:景気後退入りの可能性 動向指数、6カ月連続下落 - 経済


景気動向指数  【榊原謙】内閣府は6日、企業活動の現状を示す経済指標が弱まっていることから、景気が後退局面に入った可能性が高いとする判断をまとめた。後退局面入りは2008年2月以来、4年ぶりとなる。  6日発表の景気動向指数(9月速報)のうち、景気の現状を示す「一致指数」(05年=100)が91.2となり、前月を2.3ポイント下回った。前月割れが6カ月続いており、景気の判断を前月の「足踏みを示して... -www.asahi.com

【私の論評】景気後退・雇用悪化を絶対に日銀のせいにしない日本大手マスコミの不思議!!
日銀とFRBの過去の金融政策を比較するといかに日銀がチマチマしていることか!
詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、日本ではこの手の経済記事海外と比較すると、本当不思議というか、あり得ないことがあります。今一度、上の記事全部を軽くでも良いから目を通してみてください。

そうです。日本銀行のことが全く掲載されていません。一言も触れられていいません。景気後退入の理由として、日銀の金融政策は、まったくスルーされています。上の記事で、前原氏も全く触れていません。これは、本当に日本だけの特異な現象です。そうして、このようなことは、朝日新聞に限りません。日本の大手の新聞、マスコミが、景気や雇用のことを論じるのに、日銀の金融政策には、ほとんど触れません。特に、雇用に関しては、まるで世界の中で日本だけが、経済の法則に反して、日銀の金融政策など全く関係ないかのような扱いです。全くもって、異常です。

普通の国ならば、景気・雇用ということになれば、まずは何をさておき、中央銀行の金融政策に関して真っ先に触れるのが常識です。なぜなら、一国の経済・雇用情勢は、中央銀行の金融政策に無関係ではないからです。様々な条件があり、場合によっては、あまり関係ない場合もありますが、そんなことは、例外中の例外です。これは、アメリカでも、EUでも、中国でも、世界中どこでも、当たり前の真ん中です。しかし、世界の中で日本だけが異なるようです。

これに関しては、前々から疑問に思っていて、日銀の金融政策や、これを報道する新聞などには、かなり疑問を感じていました。そうして、昨日SakurasoTVを観ていたら、このブログにもしばしば登場いただいている、経済評論家上念氏が、このことについて、わかりやすく解説していましたので、以下に掲載させていただきます。



この動画、経済評論家の上念司が、世に溢れる「経済ニュースのウソ」を暴いていく『メディアの嘘を見抜け』というチャンネル桜の動画です。今回は、何が何でもデフレ脱却政策を容認しようとしない日銀の反日・売国­的経済政策の原因について3つの仮説を立てています。詳細は、上の動画をご覧板だものとして、上念氏は、以下のような仮説をたてています。
3つの仮説 
1.バカ(二流官僚のプライド)

2.責任逃れ(OBコワイ)

3.外国のスパイ(憶測ですが・・・)
スパイキッズなら可愛いもんだが?_
私としては、この3つが複合しているのだと思います。特に、3に関して、前々からそうではないかと疑っています。前にも、このブログにも掲載したように、中国人民銀行の周小川が、日銀の金融緩和措置に懸念を表明したとたんに、日銀が追加金融川措置をとりやめることを発表したという事実もあります。

これらの仮説は仮説として、日本銀行がいつまでも、金融引締め措置に固執していては、いつまでたっても、デフレ・円高傾向が続き、日本経済が疲弊するのは明らかです。日銀が他国なみの、まともな金融緩和措置に転じれば、この流れは止まります。そうして、政府も財政出動すれば、デフレは、早期に解消されると思います。

上念氏によると、少し前までは、日銀が金融緩和措置をすれば、ハイパーインフレになるとする論者がいましたが、これにはあまりに無理があるので、最近では、日銀が金融緩和措置をすれば、スタグフレーションになるとする新たな金融緩和措置危機論があるそうです。

こんな与太話に惑わされるべきではありません。私自身も、スタグフレーションについて言及したことがありますが、それは、日銀が金融緩和をすると、スタグフレーションになるなどの与太話ではありません。

原発など、早期に全廃などして、日銀がそのまま金融引締めをやっていれば、原油などが値上がりした場合、景気は、悪いのに物価だけがあがるというスタグフレーションに陥る危機もあるかもしれないという掲載したまでです。誤解のないように掲載しておきます。

日銀が金融緩和をすると、スタグフレーションになるなど全く珍説といわざるをえません。それにしても、この日銀の異常暴走状況、もっと多くの人に知っていただき、これを止める世論が形成されることを願ってやみません。皆さんは、どう思われますか?



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中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!



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2012年11月6日火曜日

【万里の長城遭難】現地任せでツアー強行 大雪、コース下見なし…-【私の論評】私がドラッカー氏に救ってもらったトムラウシ山の教訓が生かされなかったのはなぜ?

【万里の長城遭難】現地任せでツアー強行 大雪、コース下見なし…:

記者会見で事故への対応等を説明するアミューズトラベルの板垣純一総務部課長(中央)ら=6日午前、東京都千代田区
平成21年に北海道・トムラウシ山で登山客ら8人が凍死した遭難事故の直後、観光庁はツアーの安全確保に問題があったとして、アミューズトラベルに業務停止(51日間)の処分を下した。今回の事故と符合する点も少なくなく、観光庁は近く、アミューズ社に対し、旅行業法に基づく事情聴取や立ち入り検査を行う方針。ルート設定や安全対策に問題はなかったのか。


【私の論評】私がドラッカー氏に救ってもらったトムラウシ山の教訓が生かされなかったのはなぜ?

現場近くの万里の長城。これは、山だ!!
このブログには、平成21年(2009年)に発生した、トムラウシ山での遭難事故について掲載したことがあります。

大雪山系遭難:「寒さ、想像超えていた」 ツアー社長会見―ドラッカーが救ってくれた苦い経験のあるトムラウシ山

詳細は、上の記事を読んでいただくものとして、いずれにしても、今回は万里の長城ということで、場所も条件も異なりますが、結局トムラウシ山での教訓が全く活かされなかったということです。全く残念です。この記事では、私自身が、トムラウシ山で遭難しかけたことを掲載しましたが、結局遭難はしませんでした。遭難しなかったにはそれなりのわけがあります。


第一には、寒さ対策だったと思います。トムラウシ山に行く前に、結構寒い思いをしたので、その後山に登る際には夏であっても、自分自身も、他の人たちにも、寒さ対策を十分に行うようにさせていたことが、遭難しないで済んだ最大の理由だと思います。他にも、ドラッカーが言っていたことで非常に役に立ったことがありました。これも、大きな理由の一つです。

ドラッカーが言っていたいたこととは、以下のようことです。以下に要点だけコピペしておきます。詳細は、元記事をご覧になって下さい。

これと同じ状況(管理者注:私達がトムラウシ山で迷ったこと)に陥ったあるパーティーの中に、ある男が地図を持っていて、その男がその地図を見ながら、自信をもって、あっちの方角に行けばよいと言ったので、みんなが、その男の言うことを信じて、その方向に進んでいき事なきをえたというものでした。 
しかし、実は、その男が持っていた地図というのは、その山の地図ではなかったそうで、全く関係ないところの地図だったそうです。この事例を出してドラッカーがいいたかったことは、企業経営にとっていかにビジョンが重要であるかでした。人は、行くべき方向がわかれば、安心する、力を結集するというものでした。そうして、ビジョンがたとえずれていたとしても、全くないよりははるかに良いことを力説していました。 
そのとき、わたしは、この話を思い出し、たまたま、札幌市内の地図を持っていたので、さっそくその地図を広げながら、「これは、この近辺の詳細地図です。あっちの方向に進めば間違いありません」とメンバーに言ったところ、あれだけ仲間割れしていたいたのに、たちどころに皆が同意して、私の言うことにしたがってくれました。私自身も、ほとんど勘で言っているだけですが、皆が私につきしたがってくれてたので、非常に安心感を持つことができました。
そうして、結局は遭難はせずにすみました。やっぱり、装備がまともで慌てないということが重要なことであると思います。こうしたことが、過去にあったので、トムラウシ山のあの遭難事件は、今でもはっきりと記憶に残っています。そうして、個人レベルでは、このような準備や心構えが絶対に欠かせないと思います。

山と名のつくところには、こんな格好で絶対に行ってはいけません。寒さに対する装備はかかせません!
今回のこの遭難者を出してしまったツアーなど、細かなことは本題ではないので、他のサイトに譲ることにしますが、結局現地任せで、現地では下見もせず、大雪であったにもかかわらずツアーを強行し今回の遭難事故になってしまったということです

さて、このツアー会社ほんの少し前に、同じような過ちをしていたのに、なぜ、また同じような過ちを繰り返したのでしょうか?この質問への回答は、要するに「危機管理体制」が全くできていなかったということだと思います。そうして、危機管理とは、テロ、事件、事故または災害の不測の事態に対して、被害を最小限にするための手段であり、クライシスマネジメントともいわれています。これが、最も妥当な答えであり、これは、誰も否定することはできないでしょう。

しかし、もっと根源的な質問があります。死者も出したような甚大な大失敗をしたにもにかかわらず、なぜこのような遭難事故が再び起こしてしまうような、杜撰な危機管理しかできなかったのかというものです。これには、たとえば、行政による監視機能とか、ツアー客の自己責任とか、いろいろな考え方があるとは思いますが、それは、さておき、このアミューズズ・トラベルという会社の経営という側面から述べます。

冬山でこの格好では、すぐに死んでしまいますね!!寒さ対策が必須です。それは、夏でも同じことです。
以前の記事でも、ドラッカー氏の話をだしましたが、今回もドラッカー氏の言っていることから教訓を導き出します。ドラッカー氏は、企業の自己目的が「企業利潤極大化」にかわって、「企業の生存」であるとする「企業生存説(theory of corporate survival)」を唱えました。このドラッカーの企業生存説に関するコンセプトは危機管理と深い次元でつながっています。

企業の危機管理を考える場合、収益性や生産性という視点に加え、広い意味での「企業の社会的責任」、あるいは「経営管理者の能力と育成/労働者の業績・態度」の確保こそが重要な条件となります。

そして、ドラッカーが主張していた「企業は継続(ゴーイング・コンサーン)するために利益を得るべきであり、利益を得るためだけに継続するのではない」、「企業が生存するためには、企業の生存に致命的な影響を与える各種領域ごとに一定の目標を設定し、この維持に最低必要な成果を確保すること」という原則があるということ、そして事業継続計画/事業継続管理の原点をいまいちど噛みしめる必要があると思います。

企業は、存続して顧客に奉仕しつつけることに意義がある!!
要するに、この企業の経営者は、企業の継続性(お客様にサービスを提供し続ける)ことよりも、目先の利益だけにとらわれて、安全性など無視して、結局企業の継続性を危うくしたということです。まったくもって、本末転倒です。この会社は、利用しないほうが良いです。本日、ホームページを検索してみたら、一時休止という表示がでていました。多くの人たちの苦情が殺到したので、休止したのだと思います。

おそらく、この会社、もう継続することはできないと思います。この経営者は、結局一時の利益と、会社の継続という二つ事柄を天秤にかけて、一時の利益をとったということです。経営者としては、あるまじき行為だと思います。皆さんは、どう思われますか?




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大雪山系遭難:「寒さ、想像超えていた」 ツアー社長会見―ドラッカーが救ってくれた苦い経験のあるトムラウシ山

【きょうの名言】危機管理がなっていない−【私の論評】確かに、日本の企業は、東電やを笑ってはいられないほど危機管理能力が低い!!

チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山落盤事故救出劇の背景にドラッカーが!!―【私の論評】私の危機も救ったマネジメント論の良い事例がまた増えた?





2012年11月5日月曜日

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!−【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!:


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[ ふっしーのトキドキ投資旬報 ]上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!



[藤野 英人]

最近、いくつか若手向け勉強会でお話をする機会を得ました。懇親会もそれぞれ参加して思ったことがあります。それぞれ素晴らしい若者たちですが、先の見通しが非常に暗いんです。日本の将来にとても悲観的で、未来を信じられなくなっている。

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【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

詳細は、上記の記事そのものをご覧いただくものとして、上の記事の結論は以下のようなものです。
もし今の日本が暗いと思っているならば、ひょっとしたらあなたは今、間違っている場所にいるか、みているポイントが狂っているの「かも」しれません。 
今必要なのは日本が悪くなることを冷静に分析する評論家でないことは明らかです。立ち位置を変えるか、少しだけ視点を変えるかすると、見え方が変わってきます。少なくとも自分の夢がないのは日本の将来がないからだと思うのはあまりにも残念すぎます。
この結論に関しては、私自身も大賛成です。そうして、上の記事では、現在の日本は、アメリカの1990年代に似ているということで、以下のようなグラフも示していました。

わたしも、このようなグラフ随分前にみたことがあります。それは、アメリカがITバブルに沸いたころです。ある経営誌で、1980年代末から、ITバブル絶頂期である、1990年代末にかけての、アメリカ企業の労働力人口に関する上のグラフと同じような内容のグラフでした。1990年代の前半には、まさに、起業間もないIT企業に労働力が移動していました。

1980年代末期から1900年代始めまでは、アメリカは不況にあえいでいました。しかし、不況の最中にあっても、次の時代の産業が芽吹いていて、それが、労働人口を吸収しつつあったということです。これは、現在の日本でも同じことがあてはまることだと思います。

そうして、1999年にはアメリカはITバブルの絶頂期でした。eトイズ、フリーマーケットなど、資産も顧客も収益もほとんどない会社が、インターネットと名がつくだけでもてはやされ、株価は狂ったように値上がりしました。そうして、このころアメリカのマスコミや、学者などが、このアメリカの好景気を「ニュー・エコノミー」と称して、「ITの力により、企業は在庫を持たなくてもよくなり、従来経済学でいわれていた、いわゆる在庫循環という概念はなくなり、アメリカの経済は、いわゆるニュー・エコノミーという呼ぶべき新たな段階に突入したので、この好景気は永遠に続く」というような論評を発表して、IT業界をもてはやしました。

アメリカの景気循環
しかし、このITバブルはものの見事に、2000年春頃にはじけました。ここを境に、多くのIT企業が破綻しました。残ったのは、たとえばアップルや、マイクロソフトなどのように、本当に優秀なところだけでした。ニューエコノミーということば、1930年代にアメリカで世界恐慌が起こる前にも、同じようなことがいわれました。これに関して、ドラッカー氏が、その著書『ニューソサエティー』という書籍の、巻頭言に掲載されています。


何でも当時ドラッカー氏は、投資会社に雇われて、最初の仕事は、雇われた会社の社長の書籍「株で絶対間違いなく儲ける方法」の校正をする仕事だったそうです。しかし、その会社ドラッカー氏が雇われてから、わずか1週間で、株価大暴落のため倒産してしまったそうです。

結局何が言いたいかとというと、このようなことは、大昔からある普通のことであるということです。景気が悪いと、多くの人たちは、悲観的になり、この不況は永遠に続くと思いがちですし、景気が良いと、この景気の良さは、永遠に続くと思いがちだということです。人類の歴史はある程度経済が大きくなってからは、まさにこの繰り返しです。しかし、過去の歴史が示すように、そのようなことはありません。過去には、オランダで、特殊なチューリップの株いくつかで、広壮な大邸宅が購入できたなんていうとんでもない時代もありました。多くの人が、チューリップの株の価値は永遠に続くと考えていました。しかし、この狂乱にもすぐにおさまりました。



そもそも、景気は循環するものです。景気が比較的良い時期が続けば、悪い時期が続き、悪い時期が続けば、今度は、良い時期が続きます。これは、昔からそうですし、これかも、続きます。無論、多少長いとか、短いくらいの差はありますが、根本はこの繰り返しです。政府や中央銀行ができることといえば、景気を永遠に支えることなど不可能で、せいぜい景気の変化を緩やかにすることくらいです。

このブログでは、過去に政府の財政政策の間違いや、日銀の金融政策の間違いを何度となく掲載してきました。そうして、実際日本は、失われた20年とも呼ばれるように、デフレ基調になってから、すでに20年代近く経過しています。そうして、これを批判するのは、何も私だけではありません。本日も以下のような記事をサイトで見つけました。

家電業界は売り上げ増減の8割が為替で決まる。1ドル=80円を放置して、経営者ばかりを責めるのは「木を見て森を見ず」だ。:

この記事は、高橋洋一氏によるものですが、高橋氏の記事は、このブログにも何回か掲載させていただき、そうして、この方の主張は、概ね正しいものと思います。そうして、この記事も正しいものと思います。

日銀は、日本の国民をいたぶり続けている
しかし、そうはいいながら、現在上記のグラフのように、起業間もない企業に多くの労働人口が吸収されているのも事実です。確かに、政府の財政政策や、日銀の金融政策は、酷いですし、他の先進国から比較すると幼稚であると言わざるをえません。これでは、なかなか、デフレ・円高が解消されないことも事実です。

しかしながら、現在こういう状況ですから、日銀の金融政策、政府の財政政策を非難することは当たり前ですし、これは、絶対に変えるべきです。

しかし、ここしばらく、デフレが続いたからといって、全く将来を悲観することはありません。いくら日銀が我を通そうと思っても永遠に通せるわけはありません。政府のあまりに酷い財政政策だって同じことです。実体経済をどこまでも、人為的に変え続けることなどできません。実際、デフレでこれだけ、日本経済をいたぶって、駄目にしても、日本は財政破綻しそうもありません。少なくとも、世界の金融市場は、日本は財政破綻しないものとして動いています。

そうであれば、いつかは、日本経済も、早い遅いは別にして、回復するとみて良いはずで、永遠に景気の悪さが続くわけではありません。であれば、先の短い、年配の経営者などは別にして、若い人たちが、将来に悲観する必要など全くありません。必ず良い時代がくるはずと信じて、今から準備を怠るべきではないです。

再び1930年代に、話を戻します。日本でも、1930年代に、世界恐慌の影響を受けて、昭和恐慌に陥り、景気が低迷しました。しかし、日本は、高橋是清によるリフレ政策により、世界で一番先に恐慌から立ち直りました。しかし、アメリカは、立ち直るが遅れて、最終的に立ち直ったのは第二次世界大戦がはじまって、少ししてからでした。そうして、恐慌中のアメリカというと、今では、悪いことばかりが考えられていますが、数々の文献を読んでいると、当時のアメリカは、意外と健全で活力に満ちあふていたことがわかります。だからこそ、戦争中には、経済も復活して、戦中から、戦後にかけて、超大国の道を歩むことができたのだと思います。



そうして、リーマンショック直後からしばらくのアメリカもかなり景気が落ち込んでいましたが、この期間もアメリカ人は意外と健全で、希望を失うことなく、過去の自分たちの無駄遣い、贅沢三昧を反省して、多くの人びとがそれまでの消費とは全く異なる消費活動を行うようになりました。これは、すでに、9・11同時多発テロの時代から見られた傾向でしたが、リーマン・ショック後かなり顕著になりました。それが、このブログにも何回か掲載したスペンド・シフトです。それは、以下のようなものです。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
日本でも、こうした傾向が特に震災以降みられるようになり、上記で労働力が移動している優秀な企業は、まだ無名ですが、このような消費傾向に良く対応しているのだと思います。そうして、おそらくこうした企業が従来の優秀だった企業に置き換わって行くのだと思います。私は、今の若い人たちも、こうした良い面での、アメリカの国民性を見習うべきと思います。少しばかり景気が悪いからといって、将来の希望まで捨て去る必要などさらさらありません。なぜなら、今の日本、恐慌時のアメリカと比較しても、良いことばかりだからです。今の日本は、過去20年以上わたって、対外金融資産(要するに外国に貸しつけているお金のこと)が260兆円で世界一です。個人資産も、アメリカについで未だに世界第二位です。

アメリカ人の楽観性は、日本の震災においてですら、発揮されました。震災が起こった次の週からアメリカでは、株価が跳ね上がりました。これは、日本の震災の規模が予想をはるかに上回るものであったため、復興のためには、相当の投資をしなければならないことが予想され、日本の景気がかなり良くなであろうことを、予期してのことです。震災自体は大変なことで、日本では、直後にはいわゆる自粛という現象がみられました。本来ならば、今頃日本は普通に復興などしていれば、古今東西の事例が示すように、かなり景気が良くなっているはずですが、政府が緊縮財政を続け、日銀が金融引き締めを続けるという、他国では考えられないような、常識はずれの、財政政策、金融政策をしているため、現状はそうはなっていません。これだけ、政府や日銀やマスコミが日本国を弱体化させるために、滅茶苦茶なことをしていても、これだけ経済力や国力を保っていられるのは、日本国民が優れているからにほかなりません。まさに、奇跡の国日本です。


こうした日本の特異性は、様々なところに散見されます。たとえば、人口に関しては、いわゆる、多民族複国家などをのぞけば、日本は世界第一位です。ほぼ単一民族で占められている国では、日本が一番人口が多いです。イギリス、フランス、イタリア、ドイツだって、人口は日本よりはるかに少ないです。韓国、北朝鮮をあわせても、日本よりは、はるかに人口が少ないです。よくひきあいに出される、人口の多い中国、インドなどは例外中の例外中にすぎません。日本のように、狭い国土に多く人がまとまって住んでいたり、そもそも言語も文化もほぼ同じ人々が住んでいるという国も他にはありません。本当に、素晴らしい市場です。こんなに恵まれた市場は、他にはありません。世界でこれだけ、密集して巨大なマーケットが存在する国はないでしょう。これだけの人数のマーケットに対して言葉が一つ、生活習慣もほほ同じというような国は他にありません。

日本で大国と思われているロシアですら、多民族複合国家であり、しかも、人口は、1億4千万で、日本よりわずか多いだけです。その他でも、調べるといくらでも、日本が独壇場である環境や、技術や、文化などいくらでもあります。料理の世界では、フレンチのシェフが、とうとう日本のように出汁を料理をつかいはじめたとか、そもそも、江戸時代に和食の文化がフレンチに大影響を及ぼしているとか、探してみると、まだまだたくさんあります。アップルのスティーブ・ジョブズは、明らかに日本文化の影響を受けて、自らのライフスタイルに取り入れていました。


また、世界には、神話が多くの残されていますが、たとえば、ギリシャ神話と、現代のギリシャ人との間には、何の関連性もありません。現代ギリシャは、皆さんもご存知のように、発展途上国にすぎません。イギリスには、ストーンヘンジがありますが、これも、現代のイギリス人とは何の関係もありません。古代エジプトと、現在のエジプトとは直接の関係はありません。しかし、日本の神話や、古墳、その他の古い文化財など、すべて現在日本に住んでいる日本人と直接関わりがあるものばかりです。以上あげれば、きりがないので、それに本日の本題とは、直接関係はないので、このあたりでやめておきます。


こんな国に見込みがないなどと思い込むのは、マスコミの刷り込みによるものがほとんどです。日本が駄目なら、世界を見回せば、地獄に落ち込んでいるような国々が数多くあります。歴史のある程度長い国であれば、現在いわゆる先進国であっても、過去には、戦争に負けて、他国の支配下にあったり、経済的にとてつもなく落ち込んだり、内乱にあけくれたなどということはいくらでもあることです。そのような国と比較しても、日本は、様々な資源に恵まれていますし、古い文化が息づいているいるにもかかわらず、革新的でもあります。

連合艦隊
上の日銀批判記事の高橋洋一氏も、何も日本が駄目とか日本の国民が駄目と言っているわけではありません。そうではなくて、日銀が駄目、政府が駄目と言っているのです。高橋洋一氏は、日本は今後80年間財政破綻することは全くあり得ないと自信たっぷりに語っていました。私も、そう思います。それどころか、日本のデフレが解消したときには、日本企業も、国民もとてつもない力を発揮して世界をリードするものと確信しています。


こんな国に将来が全くないなどということは、考えられません。それに、最近では、アメリカも中国も、EUでも景気に陰りがでています。それも、不況なのに、緊縮財政をするなどまるで、過去に日本がたどってきたような道を歩みかけています。

私自身は、日本のデフレ・円高は、そろそろ収束すると思います。いずれ近いうちに、政府の緊縮財政、日銀の金融引き締め政策は、何にもならないどころか、デフレ・円高の原因であることが、多くの人に理解され、世論の大勢を占めるようになれは、政府・日銀も世論を無視するわけにはいかなくなるからです。その日は、皆さんが思っているよりはるかに近いと思います。



現在の政権やその政権からあたかも独立しているように思い込んで我が世の春を謳歌しているようにみえる日銀や、日本を貶めて異国の為政者たちに力を貸すものどもも、所詮歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。このような国日本の未来は明るいです!!




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2012年11月4日日曜日

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国は世界で最もストレスの大きい国に:

中国人から「日本はストレスが多すぎる。中国は気楽で良いよ」なんて聞かれたのはほんの10年前。確かに日本社会もストレスが多いが、今や中国はそれを超えるストレス大国になってしまったようだ。レンタルオフィス世界最大手・英リージャスが行った調査によると、中国国内のサラリーマンが一年間に受けたストレスは世界で一番大きい事が分かった。



この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国のサラリーマンにストレスが多くなっているということは、マスコミなどの報道だけでは到底理解することはできません。なぜ、ストレスが高まっているかといえば、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

ノーベル文学賞の莫言氏は作品で、中国社会の矛盾あぶり出している。日本文学に影響を受けている。
これを理解するには、まずは、中国の過去の経済が、どのように発展してきたかを理解しなければなりません。それに関しては、日本の大手マスコミが報道しているようなことだけでは、到底理解できません。このことは、このブログにも過去にいく度か掲載してきたものです。以下にその最近のものを掲載しておきます。

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして以下に要点のみコピペしておきます。
どういうことか、さらに解説すると、日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。 
しかし、このような打ち出の小槌もそろそろ効き目がなくなってきたということです。なぜなら、今までだと、日本銀行の安全弁をあてにして、固定相場制の中で、元をかなり大量に刷り増したとしても、さほど危険はなかったのですが、今や、大量に刷り増しすると、ハイパーインフレになってしまいます。かといって、緊縮財政、金融引き締めをすれば、ただでさえ、景気が悪いのにさらに落ち込みます。このようなことは、なかなかできません。


さて、このことは、最近このブログにも登場する経済評論家 上念司氏が、雑誌正論12月号に、『日銀“退治”が中国経済を粉砕する』というタイトルで掲載していますので、下に簡単にその要点を記載させていただきます。この雑誌、他にもいろいろと面白い記事が満載ですので、実際に購読され、読まれることをお勧めします。

中国を支えているのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものだ。からくりはこうだ。 
慢性的な円高に苦しむ日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入している。国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっているのだ。つまり日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けた」ことになる。 
これ以上、日本経済が中国に振り回されないで済むにはどうしたらいいか。答えは簡単だ。日銀にデフレ政策をいますぐやめさせることである。
さて、上記を読んでいただければ、中国の経済発展に、日銀がいかに寄与しているか、おわかりいただけたものと思います。しかし、この日銀の中国にとっての、打ち出の小槌のような政策は、最近では効き目がなくなりつつあります。

現在中国では、バブルは崩壊し、経済は停滞しているものの、物価は最近は、ひところよりは、落ち着いてはいますが、上昇し続けています。これは、スタグフレーションといっても良い状況です。

実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

このような状況で、日銀が円高・デフレ政策により、中国に対して支援したとしても、本格的にダメになることは防げても、立ち直るところまではできません。中国が、これ以上元を擦り増しして、金融緩和をしたとしても、景気は良くならなず、物価が上昇し、スタグフレーションが進化するだけです。

このようなことを書くと、最近日銀は、政府と覚書をかわし、金融緩和をすることを約束しているので、中国では大変なことになると思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんなことは絶対にありません。日銀は、円高・デフレ政策を変えることはありません。それは、以下の動画をご覧いただけばご理解いただけるものと思います。


この動画は、SakuraTVによる、世に溢れる「経済ニュースのウソ」を暴いていく上念司の「メディアの嘘を見抜け!」というシリーズの中の一つです。今回は、日銀が政府に何の「制約」もなしに約束した事を、あたかも『中央銀行のコミットメント』のように報じるインチキ記事について、その抜け落ちている部分を解説しています。

要するに、日銀は、政府に対して金融緩和することを約束していますか、その約束たるや、普通は、約束としての項目として、ある程度の高い数値目標、期限、履行できなかった場合の罰則などが含まれるのですが、そんな項目は一つもなく、結局日銀は、政府との約束事守る気などさらさらないということです。

少し話がずれてきたので、話を本題に戻します。話の本筋は、中国のサラリーマンのストレスが増加していて、その背景には、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

もはや世界の工場ではなりたたない中国
中国の現在の経済体制は、まともな資本主義体制にあるわけではありません。形は、資本主義の形式をとていますが、実態は、国家資本主義体制です。この体制では、政治と経済の分離がなされていません。この体制では、資本主義体制におけるようないわゆる起業家のような努力などする必要はありません。というより、そんな努力を重ねても無駄です。必要なのは、私たちには、常識となっている起業家的努力ではなく、政府の中枢などの人物との人脈です。これさえあれば、小さな商売はもとより、大きな事業でも成功することを保証されたようなものです。それに、中国では、何も起業家にならなくても、官僚であれば、金儲けができたということもあります。

しかし、上で述べたように、このようなことも、最近ではだんだんとなりなりたたなくなってきたということです。何しろ、政府が経済をコントロールできなくなってきているわけですから、いくら、政府に人脈があったとしても、それは何の保証にもならなくなってきたということです。であれば、サラリーマンも昔のように人脈だけにこだわっているわけにもいかず、本気で市場に対応しなくてはいけなくなってきたということです。だから、ストレスも増してきたということです。

それに、いくら市場に本気で対応しようとしても、サラリーマンには限界があります。中国では、社会構造が著しく遅れています。なぜかといえば、過去において、中国は、社会構造など無視して、国家社会主義体制を推進することに注力してきたからです。しかし、この体制ももう破綻しかけているということです。中国が経済低迷から回復するには、もう過去のやり方は通用せず、国家資本主義体制から、資本主義体制に転換しなければならないということです。


そうして、これは、相当困難なことです。なぜなら、中国では、エリートと言われる人々でさえ、資本主義の意味がわかっていません。このためには、まずは、政治と経済の分離、民主化、法治国家化が必要不可欠です。しかし、中国の指導層には、このようなことは理解できません。なぜなら、誰も本当の意味での資本主義を経験したこともなく、本当に学んだこともないからです。それに、中国での資本主義体制の移行は、他国と比較しても、空前絶後の大きなものです。これほど、転換は、過去にどの国も経験したことがありません。だから、他国の事例も役に立ちません。

そうして、どこの国でもずいぶん前から終焉し、特に今世紀になってからは、どこの国にも残っていないような中国の古い社会構造がそのまま残ってしまいました。これは、過去においては、中国が、何か社会問題が起こったとしても、国家資本主義体制の推進ばかり優先して、それらをことごとく圧殺してきたからです。そうして、特に今世紀に入ってからは、日銀が円高・デフレ政策によって、中国の経済発展に寄与してからです。



麻薬による経年変化。わずか数年で、要望がすっかり変わってしまう!!
本来まともな資本主義体制には、まともな社会構造が必要不可欠であり、少なくとも他の資本主義体制の先進国では、社会構造を変えてきました。無論では、日本をはじめとする、他の国々の社会が問題がないかといえば、そのようなことはありません。まだまだ、理想的ではなく、理想を追求すべきです。しかし、中国では理想を追求するどころか、多くの高級官僚やエリートですら、このようなことをそもそも理解していません。だから、古い社会構造のままの環境で、サラリーマンが市場に本気に対応しようとしても、そもそも、限界があるのです。だから、ますます、ストレスが高まるのです。

社会構造そのものを変えないと、まともな資本主義体制は、体裁だけでも整えることすらできません。しかし、これを変えなければ中国の経済の回復はありえません。しかし、中国政府はこれを変えることは、本気では考えてはいないようです。これは、今までも、日銀の支援があったし、これからもあるであろうという希望的観測があるからだと思います。

現代中国の最大の矛盾。強制立ち退き。
しかし、このようなことが長続ききするはずはありません。日銀は、はからずも、中国を人間でいえば、麻薬漬けにしてしまったといえるかもしれません。しかし、先に述べたようにこのような麻薬漬け政策をつづけたとしても、日本を、デフレと円高で苦しめるし、中国は麻薬漬け体質からなかなか抜け出しにくくするだけです。日銀の白川総裁も、いい加減、中国麻薬漬け政策など、中国を駄目にしていずれ人民に恨まれるだけであろうことを認識していただきたいものです。

やはり、日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策をおわらせ、中国に新社会秩序を早期に打ちたてるためにも、日銀のとんでもない金融政策は、一刻もはやく終わらせるべきだと思います。そう思うのは私だけでしようか?

 

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2012年11月3日土曜日

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった−【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった

政界から一切身を引き趣味人として生きる細川氏
かつて自民党から政権を奪った細川護煕元首相、鳩山由紀夫元首相は改革を期待されながら、1年足らずで政権を投げ出した。国民には橋下維新への期待がある一方で、「どうせ総理になっても何もやれないのでは」と感じてしまうトラウマがあるのも事実である。

鳩山氏は、細川氏の生き方を見習うべきた!! この人には、もう政治を汚してほしくない!!
なぜ、改革派政権はいつも挫折するのか。

 総理大臣として国家の仕組みを根本から作り直す「本当の改革」は、いわば超高層建築のてっぺんで作業するとび職... 続きを読む
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【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

上の記事では、いかに総理大臣の権力がもろいものか、そうして、与党に対してどのくらい力があるかが鍵であることを示しています。確かにそうです。最近の日本の総理大臣の早期辞任は、野党からの追求などもありますが、党内部のまとまりが欠け内部から総理降ろしの声があがってそれが、辞任に拍車をかけている面があります。

霞ヶ関官庁街
だから、上の記事のようにただでさえ、プレッシャーの多い総理大臣の仕事をさらに、難しいものにしています。これは、過去の自民党でも、民主党でも全く同じことです。最近では、野田総理の様子が以下のように報道されています。



【スクープ最前線】野田酒浸り まぶた腫れ、目も充血…財務省もあきれ果て

 詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、相当プレッシャーがあるのは確かです。それも、半端ではないでしょう。このプレッシャーは、どこから来るかといえば、やはり、前財務次官勝栄次郎氏が退官したことが大きいものと思います。

以前は、増税法案を通すという目的があり、これに政治生命をかけると言っていたものが、通ってしまったことによる燃え尽き状況にあることと、さらには、増税までは、熱心に増税の必要性などをレクチャーしてくれ、ある意味では、人生の師でもある、勝栄次郎氏が退官し、次の大きな目標を見失っているのだと思います。


勝栄次郎氏は、高級官僚であるにもかかわらず腰も低く、かなり面倒見も良いということもあり、野田首相は、かなり頼りにしていたと思います。それに、増税で頑張っていたときには、自民党総裁谷垣氏も、増税賛成派であり、谷垣氏も、増税に関して勝栄次郎氏のレクチャーを受けており、この二人は、増税ツインともいって良いくらい、増税に関する考え方では一致していました。

敵方の政党の総裁が、当面政治生命をかける「増税」ということでは、考え方が全く一致していたことは、これほど力強いことはなかったでしょう。しかし、恩師である勝栄次郎氏が退官し、野田氏をサポートすることもなくなりました。それに、谷垣氏は、総裁選にでることもなく、安部新総裁にとってかわりました。

野田総理と増税ツインともいわれた谷垣元自民党総裁
安部新総裁は、野田氏とは、180度考え方が異なります。デフレから脱却しないうちは、増税しないと明言していますし、日銀の金融政策も変えるべきであると明言しています。このような、状況の変化で、大きな支えを二つも失った野田総理は、ほとんどレイムダック状態であり、孤独感もあり、かなりのプレッシャーを感じていることでしょう。

自民党安倍総裁
考えてみれば、上の記事でも指摘しているように、確かに、最近では与党に対する力の弱い総理大臣が多かったと思います。なぜなら、最近の特に自民党でも、民主党でも、選挙互助会的な性格が強いからです。もともと、基本的政治信条が異なるのに、一つにまとまっているからです。これは、次の総理大臣になる確率が現在では、一番高いと見られる、自民党安部総裁とて、同じことです。同じ自民党でありながら、安部総裁に対する自民党内の反対派は、3/4であると見て良いと思います。これは、実質的に、安部総裁が、以前総理を辞任したときの頃と変わらないと思います。

今回は、健康問題は克服された、安部新総裁ですが、上記のごとく、総理大臣の仕事は、本当に厳しく、プレッシャーが多く孤独なものでもあります。おそらく、総理大臣にふたたびなれば、ありとあらゆる勢力が、高い障壁となってたちはだかることでしょう。

立ちはだかる障壁を乗り越えなけれは!!
しかし、私たちには、希望もあります。上の記事では、小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3ヶ月だったとしていすが、小泉氏は、「自民党をぶっつぷしてやる」と公言していた人です。逆にいうとこのようなことを言っていても、3ヶ月も霞が関に権力を持っていることができたということです。上の記事では、ある財務省OBが以下のように述べたとされています。
官僚が総理の力を計るのは、与党にどのくらいの影響力を持っているか。与党が一致して総理の方針を支持すれば官僚は正面から抵抗できない。小泉氏が郵政選挙で反対勢力を駆逐し、自民党内に圧倒的な力を得た後の3か月ほどは、官僚は総理の顔色をうかがい、その言葉に無条件に従った。しかし、小泉氏が次の総裁選に出馬しないことがわかると、急速に求心力が落ちていった。
これは、事実だと思います。安部総理が退陣して5年、その後の麻生総理が退陣して、政権交代してから、 3年以上の月日が流れました。この間自民党は、下野したわけですから、自民党の主だった派閥も、結局下野していては、何ら意味がないことを悟ったと思います。そうして、政権与党に復帰したとして、またぞろ、総理下ろしなどやっていれば、ただの馬鹿です。

安部総裁が、総理になることができたら、自民党内の反対勢力も、安部総理のやることには協力すべきです。協力するのがどうしても嫌なら、自民党を出て、新政党をつくるか、他の政党にはいるべきです。内部で抗争するのではなく、まずは外部の敵である、官僚と戦うべきです。

石原慎太郎氏
しかし、官僚と戦うべきとはいっても、石原氏のように、官僚支配からの脱却をメインにするのではなく、安部新総裁が主張するように、まずは、日銀の誤った金融政策を一日もはやくやめさせることです。そうして、デフレ下の増税を見送り、デフレ対策を行うことです。ただし、安部総裁も、石原慎太郎氏も、最終的に目指すところは、同じことだと思います。しかし、今では、まずはデフレ対策だと思います。

こういうと、あたかも、官僚支配からの脱却は、後回しにして、経済問題を優先するように言っているに聞こえるかもしれません。しかし、そうではありません。財務省も、日銀も官僚によって運営されています。そうして、政府による積極財政、日銀による金融緩和政策はデフレ対策としては、当たり前の真ん中であり、すぐにも実施すべきものですが、結局過去20年もの間実行されず放棄されてきました。

円高・デフレ守護神の日銀白川総裁
そのため、日本は、円高・デフレの二重苦で、失われた20年を無為に過ごしてきました。この壁を破れば、経済は間違いなく好転します。そうして、官僚支配の一部を間違いなく崩すことになります。というより、崩さなければできません。そうして、経済が好転すれば、世論も味方になります。上記の記事にみられるように小泉総理が、霞が関に権力が持てたのも背景には、郵政選挙でもみられた世論の味方があったからです。世論の絶大なる味方なしに、「自民党をぶっつぶしてやる」と言っていた人が、党をまとめて、霞が関に権力を持てるはずがありません。

ただし、現在では、郵政民営化などでは、世論を味方につけることはできません。経済が好転し、デフレが収束し、円高が是正され、企業が一息つき、特に、雇用が本当に好転すれば、間違いなく世論を味方につけることができます。そのことに、もっと多くの政治家が気づくべきです。そのことにはっきり気づいているのは、今回の総裁選を見ている限りでは、自民党総裁候補者の中では安部総裁だけでした。

郵政選挙のときは世論が小泉を後押しした!!
だからこそ、まずは、日銀法改正、増税阻止を行う必要があるのです。こうすることによって、官僚支配の一角を崩し、世論を味方につけて、日銀法改正と、増税阻止を官僚支配からの脱却の一里塚とすべきなのです。安部新総裁もおそらく、このように考えて、日銀の金融政策の転換や、デフレなら増税見送りと明言しているのだと思います。

安部総裁が、総理だったころには、日銀の問題や、デフレ脱却のことを前面には打ち出してはいませんでした。そうして、短い在任期間中であったにもかかわらず、総理としては、教育基本法改正、防衛庁の防衛省への昇格などなど、多くの輝かし成果をあげていたにも関わらず、世論を味方につけることができませんでした。安部総裁は、こういうことの反省に立ち、熟慮に熟慮を重ねた上で、今後の政策の大枠を決定されているのだと思います。

日本国憲法の原本
そうして、安部総裁の頭の中には、総理だった頃の「戦後レジュームからの脱却」という言葉が刻み込まれていると思います。そうして、これは、本来自民党の党是であったはずのものです。ドイツでは、戦後何回か憲法の改正がなされています。日本だけが、今では、白日のもとにさらされた、馬鹿とソ連のスパイで構成されていた、GHQが作成した、日本国憲法を守り続けることは、全くおかしなことです。安部新総裁は、まちがいなくこういうことも変えていくことになります。これは、石原慎太郎氏も同じくそう考えています。

上の記事で、総理大臣の仕事は、プレッシャーが多く、障壁が高いこともおわかりになったことと思います。安部総裁が総理大臣になったとしても、民主党が政権交代したとき多く人が期待したように、すぐになにもかもが変わって、バラ色に変わるなどということはありません。抵抗勢力が多いので、薄皮一枚、一枚を剥がすように良くなり、変わっていくものと思います。だから、焦りは禁物です。

このブログでは、こうした安部総裁の動向を追跡しつつ、良い意味での世論形成にも寄与していきます。

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