2015年4月19日日曜日

人手不足で上がる労働者の時給 「1500円」になるのは目前なのか―【私の論評】また一人デフレ脳発見、デフレ脳ではこの先のトレンドは読めないと心得よ(゚д゚)!

人手不足で上がる労働者の時給 「1500円」になるのは目前なのか

東京・渋谷の街を、パート・アルバイトなどが加入する労働組合などが時給の引き上げを訴えてデモ行進した。「時給1500円」は世界的な潮流なのだという。

最近はファミリーレストランやファストフード店なども、人手不足で時給は上昇傾向にある。牛丼チェーン店などは深夜帯とはいえ「1500円」のところもあって、実現はそう遠くないのだろうか。

台湾のマクドナルド 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
ファストフード店などで働く労働者の賃金アップを求める世界的な取り組み「ファストフード世界同時アクション」が2015年4月15日、東京・渋谷など24都道府県30都市で繰り広げられ、首都圏青年ユニオンなどに加入するパート・アルバイトの若者らが「時給1500円」の実現を訴えた。

東京・渋谷センター街では、参加者が「時給1500円、これが常識だ!」「働きすぎはもう終わり!」と声をあげた。

たしかに、ファストフード店などで働いている人の時給は1000円前後で、週5日8時間みっちり働いても200万円にも満たない。これでは生活に困るだろう。

とはいえ、1年ほど前から、外食アルバイトの人手不足は急速に深刻化。その様子は多くのメディアも取り上げた。

その一つが、牛丼チェーン店だ。「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは東京・新宿界隈などの都心店舗の時給を、深夜帯で1400~1500円の高い水準に置いた。同社の場合、深夜帯に働くアルバイトの「ワンオペ問題」で、東京都心などの一部店舗で一時休業や営業時間の短縮を強いられたこともあって、アルバイトを確保するため、店舗によっては時給を引き上げる必要があったとみられる。

2015年4月18日現在でも、すき家の新宿1丁目店や新宿NSビル店では、時給1120~1400円(深夜帯は1400円)を提示。時給の水準をみると、人手不足はなお続いているようだ。

一方、リクルートジョブズの「パート・アルバイト募集時平均時給調査」によると、首都圏、東海、関西の3大都市圏の2月の平均時給(募集時)は、前年同月から10円(増減率1.1%)増えて958円となり、20か月連続で前年実績を上回った。職種別では「専門職系」の前年同月比27円増(2.5%増)をはじめ、すべての職種でプラス。また、前月との比較では「販売・サービス系」(1円減の938円)や「営業系」(4円減の1109円)とマイナスとなるなか、「フード系」は4円増えて935円となった。

平均時給で1000円に届かないものの、近い将来に1000円を越えていく可能性はある。

1500円なら「日本が滅ぶ」との指摘も

そうした中で、インターネットには「マクドナルド」の時給が1500円になると「日本が滅ぶ」との指摘が飛び出し、話題になっている。

ファイナンシャルプランナーで、シェアーズカフェ・オンライン編集長の中嶋よしふみ氏が寄せたコラムで、「もしファストフード店の時給が1500円以上になれば、マックもロッテリアもすべてのお店がつぶれる」と、書いている。

中嶋よしふみ氏
それによると、ファストフードに限らず、最低賃金の大幅な引き上げは低い時給で働いている人にはプラスだが、結果的には雇用の減少や販売価格の上昇による需要減を招き、国内産業の衰退につながり、「負のスパイラルに陥る」などと説明している。

これに対し、インターネットでは、
「数千年の歴史がある国も数百円の賃金で滅ぶんだな。あっけないものだ」
「国が滅ぶとか、500円すごすぎワロタ」

との反応があった。

その一方で、ちょっと飛躍しすぎでは、との見方も多く、
「トップ含め、上から給料減らせば数十億くらい簡単だろ」
「んなもん給与の安い正社員に置き換えておしまい」
「その程度で滅ぶようなら、いっそ消滅したほうが世のため。ただ、実際はそんなに脆弱じゃねーよ」

といった声も出ている。

【私の論評】また一人デフレ脳発見、デフレ脳ではこの先のトレンドは読めないと心得よ(゚д゚)!

私自身は、時給1000円から、1500円になるのは、今すぐではないにしても、いずれそうなる可能性は高いものとみています。ただし、これはデモなどとは全く関係ないです。デモをやろうが、やらなかろうが、全く関係なくいずれこうなっていく可能性が高いです。

中嶋よしふみ氏のようなことを言う人は、そもそも過去20年近くも、デフレが続いたということをあまり認識していないようです。

もし日本が過去20年間デフレではなく、緩やかにインフレであれば、そもそもビッグマックが370円などということは考えられないです。少なくとも、500円以上にはなっていたと思います。

日本以外の国は過去20年間は、デフレではなく緩やかなインフレだったので、マックの価格上がっています。EU諸国などでも、ほとんどの国で、外食しようとすれば、昼に何を食べても1,000円以上します。

それは、マックも例外ではありません。何かのセットを注文すると、国によっても違いますが、1000円以上します。これが、デフレでなかった国の常態です。日本は過去20年もデフレ傾向であり、マックの価格も高くなるどころか、低くなってしまいました。

ちなみに、1985年当時のマックのメニュー表をご覧になって下さい。



以下にメニューと価格のみ抜き書きしておきます。
1985年当時のマクドナルドのメニュー表
ハンバーガー        230円
チーズバーガー      280円
ダブルバーガー      350円
ダブルチーズバーガー  400円
フィレオフィッシュ      300円
ビッグマック         420円
フィレオフィッシュセット  680円
ビッグマックセット      800円
チキンマックナゲット5P  350円
ポテトS           180円
ポテトL            300円
デフレでなかった1985年のほうが、デフレの現在のよりも、価格が高いのは一目瞭然です。これは、国内の比較ですが、以下に世界のビッグ・マック価格ランキンク゛をあげておきます。


ビッグマック価格ランキングを掲載します(対象国: 56ヶ国)。
※2015年1月時点の価格(1ドル=117.77円) 
各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格。
ビッグマック指数(BMI)は、購買力平価説をもとに為替相場を推測する際の指標とされている。
順位国名称価格(円)価格
(USドル)
価格
(各国通貨)
BMI
(%)
地域
1位スイス8887.546.50
(スイス・フラン)
57.49ヨーロッパ
2位ノルウェー7426.348.00
(ノルウェー・クローネ)
31.46ヨーロッパ
3位デンマーク6335.3834.50
(デンマーク・クローネ)
12.23ヨーロッパ
4位ブラジル6135.2113.50
(ブラジル・レアル)
8.7中南米
5位スウェーデン5854.9740.70
(スウェーデン・クローナ)
3.73ヨーロッパ
6位アメリカ5644.794.79
(USドル)
0北米
7位フィンランド5594.754.10
(ユーロ)
-0.83ヨーロッパ
8位カナダ5464.645.70
(カナダ・ドル)
-3.14北米
9位ウルグアイ5454.63113.00
(ウルグアイ・ペソ)
-3.42中南米
10位フランス5324.523.90
(ユーロ)
-5.66ヨーロッパ
11位ニュージーランド5294.495.90
(ニュージーランド・ドル)
-6.21オセアニア
12位イタリア5254.463.85
(ユーロ)
-6.87ヨーロッパ
13位イスラエル5244.4517.50
(新シェケル)
-7.14中東
14位イギリス5144.372.89
(イギリス・ポンド)
-8.81ヨーロッパ
15位オーストラリア5094.325.30
(オーストラリア・ドル)
-9.84オセアニア
16位ベルギー5054.293.70
(ユーロ)
-10.5ヨーロッパ
17位ユーロ圏5024.263.68
(ユーロ)
-10.98ヨーロッパ
18位ドイツ5014.253.67
(ユーロ)
-11.23ヨーロッパ
19位スペイン4984.233.65
(ユーロ)
-11.71ヨーロッパ
20位アイルランド4764.043.49
(ユーロ)
-15.58ヨーロッパ
21位コスタリカ4724.012,150.00
(コスタリカ・コロン)
-16.27中南米
22位オランダ47143.45
(ユーロ)
-16.55ヨーロッパ
23位トルコ4673.969.25
(トルコ・リラ)
-17.24中東
24位オーストリア4633.933.39
(ユーロ)
-18ヨーロッパ
25位韓国4463.784,100.00
(韓国ウォン)
-20.99アジア
26位フィリピン4323.67163.00
(フィリピン・ペソ)
-23.37アジア
27位アラブ首長国連邦4173.5413.00
(UAEディルハム)
-26.11中東
28位ギリシャ4163.533.05
(ユーロ)
-26.22ヨーロッパ
29位シンガポール4153.534.70
(シンガポール・ドル)
-26.4アジア
30位ポルトガル4093.483.00
(ユーロ)
-27.43ヨーロッパ
31位エストニア3963.362.90
(ユーロ)
-29.85ヨーロッパ
32位メキシコ3943.3549.00
(メキシコ・ペソ)
-30.07中南米
33位チリ3943.352,100.00
(チリ・ペソ)
-30.13中南米
34位コロンビア3933.347,900.00
(コロンビア・ペソ)
-30.26中南米
35位ペルー3923.3210.00
(ヌエボ・ソル)
-30.6中南米
36位アルゼンチン3833.2528.00
(アルゼンチン・ペソ)
-32.11中南米
37位ハンガリー3733.17860.00
(フォリント)
-33.84ヨーロッパ
38位日本3703.14370.00
(円)
-34.41アジア
39位タイ3583.0499.00
(バーツ)
-36.61アジア
40位パキスタン3512.98300.00
(パキスタン・ルピー)
-37.83アジア
41位サウジアラビア3452.9311.00
(サウジアラビア・リヤル)
-38.87中東
42位チェコ3442.9270.45
(チェコ・コルナ)
-39.06ヨーロッパ
43位ベトナム3302.8160,000.00
(ドン)
-41.41アジア
44位中国3262.7717.20
(人民元)
-42.19アジア
45位スリランカ3132.65350.00
(スリランカ・ルピー)
-44.59アジア
46位ベネズエラ2982.53132.00
(ボリバル)
-47.11中南米
47位台湾2952.5179.00
(ニュー台湾ドル)
-47.63アジア
48位ポーランド2922.489.20
(ズウォティ)
-48.18ヨーロッパ
49位香港2862.4318.80
(香港ドル)
-49.37アジア
50位エジプト2712.316.93
(エジプト・ポンド)
-51.91アフリカ
51位インドネシア2642.2427,939.00
(インドネシア・ルピア)
-53.26アジア
52位南アフリカ2622.2225.50
(南アフリカ・ランド)
-53.62アフリカ
53位マレーシア2492.117.63
(リンギット)
-55.94アジア
54位インド2221.89116.25
(インド・ルピー)
-60.61アジア
55位ロシア1611.3689.00
(ロシア・ルーブル)
-71.51ヨーロッパ
56位ウクライナ1411.219.00
(フリヴニャ)
-74.93ヨーロッパ

これを見ても一目瞭然です。日本では、ビッグマックの価格が370円ですが、その他の国では、もっと高いことが良く理解できます。トップのスイスでは何と、888円です。

日本はかなり低価格です。何故このような状況になっているかといえば、他の国は日本のように長期にわたるデフレに見舞われず、日本のみがそうだったので、日本は先進国中では物価の低い国になってしまったのです。

この日本のデフレは、古今東西例をみないほど、深刻で長期にわたるものでした。あまりにも長い間、デフレが続いたので、多くの人々にとってデフレは常態となってしまいました。

台湾のマクドナルド
デフレでは、物価も下がりますが、賃金も下がります。特に、パート・アルバイトの賃金はかなり下がりました。正社員の給料も下がりました。そうして、また物価が下がり、賃金も下がるという悪循環がつづきました。

そうして、デフレはハイパーインフレのように急激におこることはなく、年率でいうとせいぜい2%くらいにしかなることはありません。ハイパーデフレで急激に物価が半分になるなどということはありません。そのため、徐々に物価が下がっていくため、多くの人がそれに気づきません。しかし、着実に経済を蝕んでいきます。これが過去20年の日本であり、全くの異常状態でした。

しかし、平成13年4月からは、状況が一変しました。日銀が異次元の包括的金融緩和をはじめました。それで、物価は順調に上昇していて、特に非正規雇用を中心に雇用も改善していきました。しかし、昨年8%増税をしたため、この流れは止まり、マイナス成長となり、物価もあまりあがらず、雇用状況も足踏み状況となりました。

しかしながら、今年から雇用の改善は徐々にではありますが、また良くなりつつあり、さらに様々な経済指標に改善の兆しがみられます。

特に今年に「非正規雇用ばかり改善」などと、言われていたものが、正規雇用も改善されていることが明らかになりました。それについては、以下のツイートをご覧いただければ、良くご理解いただけるものと思います。




とにかく、これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。とにかく、従来「非正規がー」と非正規の雇用が増えるだけでは雇用は改善されたとは言えないなどという主張がありましたが、それも平成13年から変わりはじめ、平成14年からは、正規社員の増加が顕著になっています。しかも、これは8%増税の最中ですから、いかに金融緩和が雇用に効き目があるのかはっきりしたと思います。

もし、増税をしていなかったら、誰の目にも見えてはっきりわかるようにかなり雇用は改善されたと思います。

これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと詳細を理解することができます。
経済財政諮問会議資料『賃金・雇用情勢について』より

また、この記事に関する解説は、上記のツイートをした方がわかりやすくブログで解説しています。その記事のURLを以下に掲載します。
「非正規雇用がー」の終焉
これによれば、パートタイムの賃金も、着実に上がっています。そうして、正規社員への移行が増えているということになれば、パートタイムはますます減るわけで、そうなると、女性や高齢者の活用が進むと思います。それでもどうにもならない状況になれば、やはり賃金を上げざるを得なくなると思います。

そうして、デフレでなかった時期では当たり前のど真ん中であった、同じ仕事を同じ時間だけ実施した場合、正規雇用よりも非正規雇用のほうが賃金が高いという状況になると思います。これは、デフレの日本ではそうではありませんでしたが、デフレでなかった頃の日本でも、デフレでない他国でも同じことです。デフレの時代の日本だけが狂っていたのです。

さらには、「実質賃金がー」という主張も間違いであることが近いうちに明らかになると思います。現状では、8%増税の悪影響が色濃く残り、増税分が賃金を押し下げ、実質賃金がさがった状況にありますが、景気が回復するにつれて、実質賃金も近いうちにあがります。

しかし、そんなことよりも、もし日本が今後デフレになったにしても、すぐに金融緩和を実行してデフレを短期間で収束できるようにり、緩やかなインフレが継続すると仮定すれば、デフレの世の中では夢物語のようなことがおきます。

緩やかなインフレのもとでは、毎年ではほんの僅かであっても、20年もたつと賃金が倍以上になるのは普通です。そうして、インフレ率を差し引いても、実質賃金が1.5倍以上になっているのは当たり前のことです。

しかも、これは同一の職業で、同一の職位であってもそうなるのが普通です。もし、少しでも職位が上がれば、2倍、3倍になることもあります。このようなことは、夢のようではありますが、緩やかなインフレであれば、それが常態です。

台湾のマクドナルド

もう、このように世の中は変わりつつあります。しかし、この変化を察知できない人もいます。特に、過去のデフレが常態であると考える人にとっては、このような変化は理解できません。

このような人々の私はデフレ脳の人々と呼んでいます。そうでない人を、インフレ脳の人と呼んでいます。

過去のデフレの時代を常態とみなし、そこから一歩も出られない人も存在します。ブログ冒頭の、中嶋氏もその一人ではないかと思います。

彼は、過去のデフレを常態とみなし、マクドナルドのビックマックが370円のままの、状況を想定しているのだと思います。確かに、ビッグマックの価格がそのままで、パート・アルバイトの賃金が1500円になったとしたら、日本は滅ぶかもしれません。

しかし、物価が上がり、賃金も物価上昇分より幾分多めに上昇する時代はもう目前に迫っています。デフレから完璧に脱却して、緩やかなインフレになったとき、ファスト・フードのバイトの時給が1000円になっているどころか、1500円になっているかもしれないというのは容易に想像がつきます。特に、都市部の激戦地区ではパート・アルバイトの奪い合いになり、はやい時期にそうなるかもしれません。

私は、デフレ脳ではこの先のトレンドは全く読めないと思います。多くの人が過去の考え方を捨てて、インフレ脳に転換するべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


6月の実質賃金大幅減 米紙、アベノミクスの先行きを不安視 格差拡大にも懸念―【私の論評】増税始めるのが早すぎたってだけのこと。アベノミクスは第一の矢印しかちゃんと効いていない。もう少しすると、アベノミクス無効論が巷をにぎわすが、これに惑わされてはいけない(゚д゚)!


40歳未満の非正規社員57%が「自活できない」 9割が年収「300万円未満」-【私の論評】ちょっとまってくれ、非正規社員の多くが自活できないのは、デフレのせいではないのかい!朝日新聞をはじめとするメデイアの虚偽報道によって創作されたもう一つの歴史問題に注目せよ(゚д゚)!

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2015年4月18日土曜日

自民、政権批判発言に照準 テレ朝・NHK聴取―【私の論評】自民党による事情聴取で大騒ぎして萎縮するマスコミは、とっくに中国スパイに蹂躙されている(゚д゚)!

自民、政権批判発言に照準 テレ朝・NHK聴取

朝日新聞デジタル



 自民党が17日、テレビ朝日とNHKの経営幹部を呼んで、個別番組の問題について異例の事情聴取をした。特に自民は、コメンテーターが菅義偉官房長官を名指しで批判したテレ朝の「報道ステーション」に照準を合わせる。国はテレビ局に対し、許認可行政指導の権限を持つだけに、政権を握る自民のこうした対応が、報道の萎縮につながるおそれがある。

自民がテレ朝・NHK幹部聴取 BPO申し立て検討も
■党内からも「圧力」懸念の声

「二つの案件とも真実が曲げられて放送された疑いがある」。17日、自民党本部で開かれた党情報通信戦略調査会。国会議員やテレ朝とNHKの幹部を前に、調査会長の川崎二郎・元厚生労働相は語った。

一つは、テレ朝の「報道ステーション」でコメンテーターが菅氏を名指しし、「官邸のみなさんにはものすごいバッシングを受けてきました」などと発言した件。もう一つは、NHK「クローズアップ現代」で「やらせ」が指摘されている問題だ。

自民の狙いはテレ朝の「報ステ」だ。この日の事情聴取は、テレ朝の約30分に対し、NHKは15分。調査会幹部の一人は「NHKはどうでもいい。狙いはテレ朝だ」と話す。

3月27日夜の古賀茂明氏の発言後、政権の対応は早かった。菅氏は30日の記者会見で「まったくの事実無根」と古賀氏の発言を否定。「放送法があるので、テレビ局がどう対応されるか見守りたい」と述べた。テレビ局を所管する総務相を務めた佐藤勉国会対策委員長は、テレ朝幹部から国会内で説明を受けた。

菅氏と佐藤氏は、国会運営などについて日頃から頻繁に意見交換する仲だ。自民党幹部は「長官や佐藤氏が動かなかったら、テレ朝は番組での謝罪だけでやり過ごそうとしただろう」と話す。菅氏は17日の記者会見で、放送局への事情聴取について党から相談を受けたかと問われ「ありません」と否定した。

調査会関係者によると、川崎氏や佐藤氏ら調査会幹部は3月30日、問題だとした番組の映像を確認。その場で「(テレ朝幹部を党に)呼ぼう」と一致した。

自民党の情報通信戦略調査会に臨むNHKの堂元光副会長(左)
とテレビ朝日の福田俊男専務=17日午前、東京・永田町の党本部
 複数の調査会メンバーは、党がテレ朝だけに政治的な圧力をかけたと思われないよう、「やらせ」問題を抱えたNHKも一緒に呼ぶことにしたと明かす。

自民は今後、NHKと民放で作る第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」へ申し立てを検討する。党幹部の一人は、仮にBPOの出す勧告や見解が甘いとみれば、「身内組織のBPOでは役割を果たせない」として「不要論」を持ち出し、政府が直接、抑え込むことができる展開も描く。

自民がここまで報道に敏感になる背景には、政権から転落した経験がある。報道による政権批判を放置すれば、支持率の下落につながりかねない。政権維持には、報道の自由への介入と取られたとしても、批判の芽を摘んでおきたいという思いもある。党中堅幹部の一人は「かつての自民は懐の深さがあった。下野して永久に与党ではないことを知り、変わった」と語る。

党内には「私なら呼ばない。ただでさえ衆院選のときに報道に圧力をかけたと言われているのに」(幹部の一人)との批判の声もある。(蔵前勝久)

続きを読む

【私の論評】自民党による事情聴取で大騒ぎして萎縮するマスコミは、とっくに中国スパイに蹂躙されている(゚д゚)!

さて、この件を巡る大騒ぎについて、産経新聞の記者阿比留瑠比は、フェイスブックで以下のようなコメントをしています。


まさに、この通りだと思います。そもそも、今回の件は、政府によるものではなく、自民党によるマスコミへの事情聴取です。こんなことは、上記のように多党でも行ってきたことです。共産党だって、かつてはマスコミに申し入れをしたこともありました。阿比留氏が語るように、マスコミには日々、申し入れや、お願いをされたり、あるいは恫喝などもされていると思います。

政府が、BPO不要論などを持ちだしたとすれば、問題があるかもしれませんが、これは自民党によるものであり、自民党の中に普段からマスコミの報道の仕方を快く思っていなかった人間が、このような発言をしたからといって、政府がすぐにそのようなことをすることは全く考えられません。

それにしても、マスコミの報道はかなり酷いものがあります。ブログ冒頭の表にある安倍総理がテレビの番組の中で批判した街角インタビューも酷いものでした。これについては、このブログでも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。

安倍首相に「言論の自由」あるか 「TV報道を批判」めぐり論戦―【私の論評】この程度のことでテレビ局が萎縮するというなら、普段から萎縮して左翼のいいなり放題になっているということだ! だから既存テレビ局の崩壊は近い(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部のみ以下に抜粋させていたたできます。
"「NEWS23」(TBS系)がアベノミクスで景気回復の実感を得ているかについて「街の声」を集めたVTRを放送。5人中4人が「僕は全然恩恵受けていない」などど否定的なコメントを放映した。"としていますが、実際これでは昨年暮当時であっても、全く世相を反映していません。以下にその問題になった部分を含むnes23の番組の内容を掲載します。
問題となっている、インタービューは、17分46秒あたりからです。
NEWS23は、相当頭の悪い人か、興味の範囲が自分を中心とした半径1メートルくらいしかない人の意見を恣意的に選んで放映したとしか思えません。 
このインタビューの後の安倍総理の説明も、ごくまともであり、当たり前のど真ん中を話しているだけです。

これは、偏向報道だといって差し支えないです。偏向報道が疑われるような、報道内容について、首相が懸念を表明するのはごく自然な反応です。

NEWS23としては、これが偏向報道でないと主張するのであれば、報道において、インタビューした人の選考基準など明らかにすべきものと思います。それを明らかにしないということは、自ら偏向報道をしていることを認めるようなものです。
この安倍総理の発言を不適当とするなら、安倍総理には言論の自由がないということになります。とんでもないです。

それに、テレ朝の「報ステ」での、古賀氏の発言は誰がどう見ても、「放送事故」です。NHKのクローズアップの問題にしても、完璧に「やらせ」です。

明らかな「誤報」、明らかな「印象操作」、明らかな「放送事故」、明らかな「やらせ」に関して、自民党という組織が、それに対して意見を言うことを大問題とするならば、これこそが言論の弾圧ではないでしょうか。

この程度のことで、マスコミが萎縮するとか、弾圧を受けているなどとするのであれは、まさに阿比留氏が語っているように、自分たちは弱くて無力でへたれの根性なしだと言っているなものであり、だとすれば、マスコミはもうすでに、悪辣な中国スパイや左翼などに蹂躙されていいなりなっているのではないでしょうか。

だからこそ、頻々と偏向報道を繰り返し、やらせや、印象操作が頻々と発生するのではないでしょうか。

それにしても、私は上記のような問題ならさほど心配はしていないのですが、マスコミが自虐的歴史観の立場にたって、いつまでも、偏向・虚偽報道を続けることのほうが余程心配です。

特に大東亜戦争に関するマスコミによる刷り込みは酷いものがあります。本来の日本は、米国以外の諸国に対しては完勝しています。ノモンハン事件においては、日本が完敗と従来は言われていましたが、ソ連崩壊後のロシアによる文書公開により、日本側は被害が大きかったものの、勝利していたことが明らかになっています。

対米戦においては、あまりにも戦略がお粗末すぎて、負けるべくして負けたのですが、勝つ公算は十分にあり、日露戦争の時のように、講和に持ち込める可能性は十分にありました。しかし、今の日本ではなぜか、米国相手の戦争は、最初から全く勝ち目のない無謀な戦いだったとされています。

しかし、これは後からの米国などによる刷り込みによるものです。それをさらに、日本のマスコミが国民に徹底的に刷り込んだため、今では、対米戦争は、最初から負けることが決まった無謀なものであったとされています。

さらに、実は日米は戦争する必要性など全くなかったという史実もマスコミはほとんど報道しません。日米が戦争になったのは、ソ連の画策によるところが大きいということが全く知られていません。

強力に見えたソビエトも今や存在しない

当時の米国の中枢部にはコミンテルンが300人以上も浸透していました。日本の、近衛内閣もかなりコミンテルンに浸透され、これらが両国が戦争するように画策していたことは、今やベノナ文書や、ソ連崩壊後のロシアによる文書公開で明らかになっています。

そのソ連も、米国側の諜略や、共産主義体制の瑕疵から、崩壊し戦後70年もたった現在、日本が過去の呪縛にとらわれたままで良いはずはありません。これは、欧米諸国にとっても良いことはありません。虚偽の歴史に耽溺していても何も良いことはないはずです。

しかし、私は、戦後70年を経て、ソ連も崩壊し、それに続いて中国も崩壊しそうな現在であるにもかかわらず今も続く“占領体制”の呪縛を日本国民がいずれ自ら解く時が目前に迫っていると信じています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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