東京・渋谷の街を、パート・アルバイトなどが加入する労働組合などが時給の引き上げを訴えてデモ行進した。「時給1500円」は世界的な潮流なのだという。
最近はファミリーレストランやファストフード店なども、人手不足で時給は上昇傾向にある。牛丼チェーン店などは深夜帯とはいえ「1500円」のところもあって、実現はそう遠くないのだろうか。
台湾のマクドナルド 写真はブログ管理人挿入 以下同じ |
東京・渋谷センター街では、参加者が「時給1500円、これが常識だ!」「働きすぎはもう終わり!」と声をあげた。
たしかに、ファストフード店などで働いている人の時給は1000円前後で、週5日8時間みっちり働いても200万円にも満たない。これでは生活に困るだろう。
とはいえ、1年ほど前から、外食アルバイトの人手不足は急速に深刻化。その様子は多くのメディアも取り上げた。
その一つが、牛丼チェーン店だ。「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは東京・新宿界隈などの都心店舗の時給を、深夜帯で1400~1500円の高い水準に置いた。同社の場合、深夜帯に働くアルバイトの「ワンオペ問題」で、東京都心などの一部店舗で一時休業や営業時間の短縮を強いられたこともあって、アルバイトを確保するため、店舗によっては時給を引き上げる必要があったとみられる。
2015年4月18日現在でも、すき家の新宿1丁目店や新宿NSビル店では、時給1120~1400円(深夜帯は1400円)を提示。時給の水準をみると、人手不足はなお続いているようだ。
一方、リクルートジョブズの「パート・アルバイト募集時平均時給調査」によると、首都圏、東海、関西の3大都市圏の2月の平均時給(募集時)は、前年同月から10円(増減率1.1%)増えて958円となり、20か月連続で前年実績を上回った。職種別では「専門職系」の前年同月比27円増(2.5%増)をはじめ、すべての職種でプラス。また、前月との比較では「販売・サービス系」(1円減の938円)や「営業系」(4円減の1109円)とマイナスとなるなか、「フード系」は4円増えて935円となった。
平均時給で1000円に届かないものの、近い将来に1000円を越えていく可能性はある。
1500円なら「日本が滅ぶ」との指摘も
そうした中で、インターネットには「マクドナルド」の時給が1500円になると「日本が滅ぶ」との指摘が飛び出し、話題になっている。
ファイナンシャルプランナーで、シェアーズカフェ・オンライン編集長の中嶋よしふみ氏が寄せたコラムで、「もしファストフード店の時給が1500円以上になれば、マックもロッテリアもすべてのお店がつぶれる」と、書いている。
中嶋よしふみ氏 |
これに対し、インターネットでは、
「数千年の歴史がある国も数百円の賃金で滅ぶんだな。あっけないものだ」
「国が滅ぶとか、500円すごすぎワロタ」
との反応があった。
その一方で、ちょっと飛躍しすぎでは、との見方も多く、
「トップ含め、上から給料減らせば数十億くらい簡単だろ」
「んなもん給与の安い正社員に置き換えておしまい」
「その程度で滅ぶようなら、いっそ消滅したほうが世のため。ただ、実際はそんなに脆弱じゃねーよ」
といった声も出ている。
【私の論評】また一人デフレ脳発見、デフレ脳ではこの先のトレンドは読めないと心得よ(゚д゚)!
私自身は、時給1000円から、1500円になるのは、今すぐではないにしても、いずれそうなる可能性は高いものとみています。ただし、これはデモなどとは全く関係ないです。デモをやろうが、やらなかろうが、全く関係なくいずれこうなっていく可能性が高いです。
中嶋よしふみ氏のようなことを言う人は、そもそも過去20年近くも、デフレが続いたということをあまり認識していないようです。
もし日本が過去20年間デフレではなく、緩やかにインフレであれば、そもそもビッグマックが370円などということは考えられないです。少なくとも、500円以上にはなっていたと思います。
日本以外の国は過去20年間は、デフレではなく緩やかなインフレだったので、マックの価格上がっています。EU諸国などでも、ほとんどの国で、外食しようとすれば、昼に何を食べても1,000円以上します。
それは、マックも例外ではありません。何かのセットを注文すると、国によっても違いますが、1000円以上します。これが、デフレでなかった国の常態です。日本は過去20年もデフレ傾向であり、マックの価格も高くなるどころか、低くなってしまいました。
ちなみに、1985年当時のマックのメニュー表をご覧になって下さい。
以下にメニューと価格のみ抜き書きしておきます。
中嶋よしふみ氏のようなことを言う人は、そもそも過去20年近くも、デフレが続いたということをあまり認識していないようです。
もし日本が過去20年間デフレではなく、緩やかにインフレであれば、そもそもビッグマックが370円などということは考えられないです。少なくとも、500円以上にはなっていたと思います。
日本以外の国は過去20年間は、デフレではなく緩やかなインフレだったので、マックの価格上がっています。EU諸国などでも、ほとんどの国で、外食しようとすれば、昼に何を食べても1,000円以上します。
それは、マックも例外ではありません。何かのセットを注文すると、国によっても違いますが、1000円以上します。これが、デフレでなかった国の常態です。日本は過去20年もデフレ傾向であり、マックの価格も高くなるどころか、低くなってしまいました。
ちなみに、1985年当時のマックのメニュー表をご覧になって下さい。
以下にメニューと価格のみ抜き書きしておきます。
1985年当時のマクドナルドのメニュー表デフレでなかった1985年のほうが、デフレの現在のよりも、価格が高いのは一目瞭然です。これは、国内の比較ですが、以下に世界のビッグ・マック価格ランキンク゛をあげておきます。
ハンバーガー 230円
チーズバーガー 280円
ダブルバーガー 350円
ダブルチーズバーガー 400円
フィレオフィッシュ 300円
ビッグマック 420円
フィレオフィッシュセット 680円
ビッグマックセット 800円
チキンマックナゲット5P 350円
ポテトS 180円
ポテトL 300円
ビッグマック価格ランキングを掲載します(対象国: 56ヶ国)。
※2015年1月時点の価格(1ドル=117.77円)
各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格。
ビッグマック指数(BMI)は、購買力平価説をもとに為替相場を推測する際の指標とされている。
順位 国名称 価格(円) 価格
(USドル)価格
(各国通貨)BMI
(%)地域 1位 スイス 888 7.54 6.50
(スイス・フラン)57.49 ヨーロッパ 2位 ノルウェー 742 6.3 48.00
(ノルウェー・クローネ)31.46 ヨーロッパ 3位 デンマーク 633 5.38 34.50
(デンマーク・クローネ)12.23 ヨーロッパ 4位 ブラジル 613 5.21 13.50
(ブラジル・レアル)8.7 中南米 5位 スウェーデン 585 4.97 40.70
(スウェーデン・クローナ)3.73 ヨーロッパ 6位 アメリカ 564 4.79 4.79
(USドル)0 北米 7位 フィンランド 559 4.75 4.10
(ユーロ)-0.83 ヨーロッパ 8位 カナダ 546 4.64 5.70
(カナダ・ドル)-3.14 北米 9位 ウルグアイ 545 4.63 113.00
(ウルグアイ・ペソ)-3.42 中南米 10位 フランス 532 4.52 3.90
(ユーロ)-5.66 ヨーロッパ 11位 ニュージーランド 529 4.49 5.90
(ニュージーランド・ドル)-6.21 オセアニア 12位 イタリア 525 4.46 3.85
(ユーロ)-6.87 ヨーロッパ 13位 イスラエル 524 4.45 17.50
(新シェケル)-7.14 中東 14位 イギリス 514 4.37 2.89
(イギリス・ポンド)-8.81 ヨーロッパ 15位 オーストラリア 509 4.32 5.30
(オーストラリア・ドル)-9.84 オセアニア 16位 ベルギー 505 4.29 3.70
(ユーロ)-10.5 ヨーロッパ 17位 ユーロ圏 502 4.26 3.68
(ユーロ)-10.98 ヨーロッパ 18位 ドイツ 501 4.25 3.67
(ユーロ)-11.23 ヨーロッパ 19位 スペイン 498 4.23 3.65
(ユーロ)-11.71 ヨーロッパ 20位 アイルランド 476 4.04 3.49
(ユーロ)-15.58 ヨーロッパ 21位 コスタリカ 472 4.01 2,150.00
(コスタリカ・コロン)-16.27 中南米 22位 オランダ 471 4 3.45
(ユーロ)-16.55 ヨーロッパ 23位 トルコ 467 3.96 9.25
(トルコ・リラ)-17.24 中東 24位 オーストリア 463 3.93 3.39
(ユーロ)-18 ヨーロッパ 25位 韓国 446 3.78 4,100.00
(韓国ウォン)-20.99 アジア 26位 フィリピン 432 3.67 163.00
(フィリピン・ペソ)-23.37 アジア 27位 アラブ首長国連邦 417 3.54 13.00
(UAEディルハム)-26.11 中東 28位 ギリシャ 416 3.53 3.05
(ユーロ)-26.22 ヨーロッパ 29位 シンガポール 415 3.53 4.70
(シンガポール・ドル)-26.4 アジア 30位 ポルトガル 409 3.48 3.00
(ユーロ)-27.43 ヨーロッパ 31位 エストニア 396 3.36 2.90
(ユーロ)-29.85 ヨーロッパ 32位 メキシコ 394 3.35 49.00
(メキシコ・ペソ)-30.07 中南米 33位 チリ 394 3.35 2,100.00
(チリ・ペソ)-30.13 中南米 34位 コロンビア 393 3.34 7,900.00
(コロンビア・ペソ)-30.26 中南米 35位 ペルー 392 3.32 10.00
(ヌエボ・ソル)-30.6 中南米 36位 アルゼンチン 383 3.25 28.00
(アルゼンチン・ペソ)-32.11 中南米 37位 ハンガリー 373 3.17 860.00
(フォリント)-33.84 ヨーロッパ 38位 日本 370 3.14 370.00
(円)-34.41 アジア 39位 タイ 358 3.04 99.00
(バーツ)-36.61 アジア 40位 パキスタン 351 2.98 300.00
(パキスタン・ルピー)-37.83 アジア 41位 サウジアラビア 345 2.93 11.00
(サウジアラビア・リヤル)-38.87 中東 42位 チェコ 344 2.92 70.45
(チェコ・コルナ)-39.06 ヨーロッパ 43位 ベトナム 330 2.81 60,000.00
(ドン)-41.41 アジア 44位 中国 326 2.77 17.20
(人民元)-42.19 アジア 45位 スリランカ 313 2.65 350.00
(スリランカ・ルピー)-44.59 アジア 46位 ベネズエラ 298 2.53 132.00
(ボリバル)-47.11 中南米 47位 台湾 295 2.51 79.00
(ニュー台湾ドル)-47.63 アジア 48位 ポーランド 292 2.48 9.20
(ズウォティ)-48.18 ヨーロッパ 49位 香港 286 2.43 18.80
(香港ドル)-49.37 アジア 50位 エジプト 271 2.3 16.93
(エジプト・ポンド)-51.91 アフリカ 51位 インドネシア 264 2.24 27,939.00
(インドネシア・ルピア)-53.26 アジア 52位 南アフリカ 262 2.22 25.50
(南アフリカ・ランド)-53.62 アフリカ 53位 マレーシア 249 2.11 7.63
(リンギット)-55.94 アジア 54位 インド 222 1.89 116.25
(インド・ルピー)-60.61 アジア 55位 ロシア 161 1.36 89.00
(ロシア・ルーブル)-71.51 ヨーロッパ 56位 ウクライナ 141 1.2 19.00
(フリヴニャ)-74.93 ヨーロッパ
これを見ても一目瞭然です。日本では、ビッグマックの価格が370円ですが、その他の国では、もっと高いことが良く理解できます。トップのスイスでは何と、888円です。
日本はかなり低価格です。何故このような状況になっているかといえば、他の国は日本のように長期にわたるデフレに見舞われず、日本のみがそうだったので、日本は先進国中では物価の低い国になってしまったのです。
デフレでは、物価も下がりますが、賃金も下がります。特に、パート・アルバイトの賃金はかなり下がりました。正社員の給料も下がりました。そうして、また物価が下がり、賃金も下がるという悪循環がつづきました。
そうして、デフレはハイパーインフレのように急激におこることはなく、年率でいうとせいぜい2%くらいにしかなることはありません。ハイパーデフレで急激に物価が半分になるなどということはありません。そのため、徐々に物価が下がっていくため、多くの人がそれに気づきません。しかし、着実に経済を蝕んでいきます。これが過去20年の日本であり、全くの異常状態でした。
しかし、平成13年4月からは、状況が一変しました。日銀が異次元の包括的金融緩和をはじめました。それで、物価は順調に上昇していて、特に非正規雇用を中心に雇用も改善していきました。しかし、昨年8%増税をしたため、この流れは止まり、マイナス成長となり、物価もあまりあがらず、雇用状況も足踏み状況となりました。
しかしながら、今年から雇用の改善は徐々にではありますが、また良くなりつつあり、さらに様々な経済指標に改善の兆しがみられます。
特に今年に「非正規雇用ばかり改善」などと、言われていたものが、正規雇用も改善されていることが明らかになりました。それについては、以下のツイートをご覧いただければ、良くご理解いただけるものと思います。
とにかく、これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。とにかく、従来「非正規がー」と非正規の雇用が増えるだけでは雇用は改善されたとは言えないなどという主張がありましたが、それも平成13年から変わりはじめ、平成14年からは、正規社員の増加が顕著になっています。しかも、これは8%増税の最中ですから、いかに金融緩和が雇用に効き目があるのかはっきりしたと思います。
もし、増税をしていなかったら、誰の目にも見えてはっきりわかるようにかなり雇用は改善されたと思います。
これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと詳細を理解することができます。
また、この記事に関する解説は、上記のツイートをした方がわかりやすくブログで解説しています。その記事のURLを以下に掲載します。
そうして、デフレでなかった時期では当たり前のど真ん中であった、同じ仕事を同じ時間だけ実施した場合、正規雇用よりも非正規雇用のほうが賃金が高いという状況になると思います。これは、デフレの日本ではそうではありませんでしたが、デフレでなかった頃の日本でも、デフレでない他国でも同じことです。デフレの時代の日本だけが狂っていたのです。
さらには、「実質賃金がー」という主張も間違いであることが近いうちに明らかになると思います。現状では、8%増税の悪影響が色濃く残り、増税分が賃金を押し下げ、実質賃金がさがった状況にありますが、景気が回復するにつれて、実質賃金も近いうちにあがります。
しかし、そんなことよりも、もし日本が今後デフレになったにしても、すぐに金融緩和を実行してデフレを短期間で収束できるようにり、緩やかなインフレが継続すると仮定すれば、デフレの世の中では夢物語のようなことがおきます。
緩やかなインフレのもとでは、毎年ではほんの僅かであっても、20年もたつと賃金が倍以上になるのは普通です。そうして、インフレ率を差し引いても、実質賃金が1.5倍以上になっているのは当たり前のことです。
しかも、これは同一の職業で、同一の職位であってもそうなるのが普通です。もし、少しでも職位が上がれば、2倍、3倍になることもあります。このようなことは、夢のようではありますが、緩やかなインフレであれば、それが常態です。
もう、このように世の中は変わりつつあります。しかし、この変化を察知できない人もいます。特に、過去のデフレが常態であると考える人にとっては、このような変化は理解できません。
このような人々の私はデフレ脳の人々と呼んでいます。そうでない人を、インフレ脳の人と呼んでいます。
過去のデフレの時代を常態とみなし、そこから一歩も出られない人も存在します。ブログ冒頭の、中嶋氏もその一人ではないかと思います。
彼は、過去のデフレを常態とみなし、マクドナルドのビックマックが370円のままの、状況を想定しているのだと思います。確かに、ビッグマックの価格がそのままで、パート・アルバイトの賃金が1500円になったとしたら、日本は滅ぶかもしれません。
しかし、物価が上がり、賃金も物価上昇分より幾分多めに上昇する時代はもう目前に迫っています。デフレから完璧に脱却して、緩やかなインフレになったとき、ファスト・フードのバイトの時給が1000円になっているどころか、1500円になっているかもしれないというのは容易に想像がつきます。特に、都市部の激戦地区ではパート・アルバイトの奪い合いになり、はやい時期にそうなるかもしれません。
私は、デフレ脳ではこの先のトレンドは全く読めないと思います。多くの人が過去の考え方を捨てて、インフレ脳に転換するべきです。
そうして、デフレはハイパーインフレのように急激におこることはなく、年率でいうとせいぜい2%くらいにしかなることはありません。ハイパーデフレで急激に物価が半分になるなどということはありません。そのため、徐々に物価が下がっていくため、多くの人がそれに気づきません。しかし、着実に経済を蝕んでいきます。これが過去20年の日本であり、全くの異常状態でした。
しかし、平成13年4月からは、状況が一変しました。日銀が異次元の包括的金融緩和をはじめました。それで、物価は順調に上昇していて、特に非正規雇用を中心に雇用も改善していきました。しかし、昨年8%増税をしたため、この流れは止まり、マイナス成長となり、物価もあまりあがらず、雇用状況も足踏み状況となりました。
しかしながら、今年から雇用の改善は徐々にではありますが、また良くなりつつあり、さらに様々な経済指標に改善の兆しがみられます。
特に今年に「非正規雇用ばかり改善」などと、言われていたものが、正規雇用も改善されていることが明らかになりました。それについては、以下のツイートをご覧いただければ、良くご理解いただけるものと思います。
とにかく、これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。とにかく、従来「非正規がー」と非正規の雇用が増えるだけでは雇用は改善されたとは言えないなどという主張がありましたが、それも平成13年から変わりはじめ、平成14年からは、正規社員の増加が顕著になっています。しかも、これは8%増税の最中ですから、いかに金融緩和が雇用に効き目があるのかはっきりしたと思います。
もし、増税をしていなかったら、誰の目にも見えてはっきりわかるようにかなり雇用は改善されたと思います。
これについては、以下のPDFファイルをご覧いただくと詳細を理解することができます。
経済財政諮問会議資料『賃金・雇用情勢について』より
また、この記事に関する解説は、上記のツイートをした方がわかりやすくブログで解説しています。その記事のURLを以下に掲載します。
「非正規雇用がー」の終焉これによれば、パートタイムの賃金も、着実に上がっています。そうして、正規社員への移行が増えているということになれば、パートタイムはますます減るわけで、そうなると、女性や高齢者の活用が進むと思います。それでもどうにもならない状況になれば、やはり賃金を上げざるを得なくなると思います。
そうして、デフレでなかった時期では当たり前のど真ん中であった、同じ仕事を同じ時間だけ実施した場合、正規雇用よりも非正規雇用のほうが賃金が高いという状況になると思います。これは、デフレの日本ではそうではありませんでしたが、デフレでなかった頃の日本でも、デフレでない他国でも同じことです。デフレの時代の日本だけが狂っていたのです。
さらには、「実質賃金がー」という主張も間違いであることが近いうちに明らかになると思います。現状では、8%増税の悪影響が色濃く残り、増税分が賃金を押し下げ、実質賃金がさがった状況にありますが、景気が回復するにつれて、実質賃金も近いうちにあがります。
しかし、そんなことよりも、もし日本が今後デフレになったにしても、すぐに金融緩和を実行してデフレを短期間で収束できるようにり、緩やかなインフレが継続すると仮定すれば、デフレの世の中では夢物語のようなことがおきます。
緩やかなインフレのもとでは、毎年ではほんの僅かであっても、20年もたつと賃金が倍以上になるのは普通です。そうして、インフレ率を差し引いても、実質賃金が1.5倍以上になっているのは当たり前のことです。
しかも、これは同一の職業で、同一の職位であってもそうなるのが普通です。もし、少しでも職位が上がれば、2倍、3倍になることもあります。このようなことは、夢のようではありますが、緩やかなインフレであれば、それが常態です。
台湾のマクドナルド |
もう、このように世の中は変わりつつあります。しかし、この変化を察知できない人もいます。特に、過去のデフレが常態であると考える人にとっては、このような変化は理解できません。
このような人々の私はデフレ脳の人々と呼んでいます。そうでない人を、インフレ脳の人と呼んでいます。
過去のデフレの時代を常態とみなし、そこから一歩も出られない人も存在します。ブログ冒頭の、中嶋氏もその一人ではないかと思います。
彼は、過去のデフレを常態とみなし、マクドナルドのビックマックが370円のままの、状況を想定しているのだと思います。確かに、ビッグマックの価格がそのままで、パート・アルバイトの賃金が1500円になったとしたら、日本は滅ぶかもしれません。
しかし、物価が上がり、賃金も物価上昇分より幾分多めに上昇する時代はもう目前に迫っています。デフレから完璧に脱却して、緩やかなインフレになったとき、ファスト・フードのバイトの時給が1000円になっているどころか、1500円になっているかもしれないというのは容易に想像がつきます。特に、都市部の激戦地区ではパート・アルバイトの奪い合いになり、はやい時期にそうなるかもしれません。
私は、デフレ脳ではこの先のトレンドは全く読めないと思います。多くの人が過去の考え方を捨てて、インフレ脳に転換するべきです。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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