2015年4月15日水曜日

AIIB 独首相が日本に参加呼びかけ―【私の論評】AIIB不参加バス乗り遅れ説を語り、TPP参加絶対反対を唱える輩は明らかに中国スパイ(゚д゚)!

AIIB 独首相が日本に参加呼びかけ


中国が設立を提唱しているAIIB=アジアインフラ投資銀行を巡って、安倍総理大臣と、参加を表明したドイツのメルケル首相が、今月初めに電話会談し、メルケル首相が日本も参加するよう呼びかけていたことが分かりました。政府は、ドイツなどと情報交換するとともに、日本と同様に参加に慎重な姿勢を示すアメリカと連携して、今後の対応を検討することにしています。

AIIB=アジアインフラ投資銀行を巡っては、創設メンバーとして銀行の枠組み作りの交渉に加わることができるとされた先月末までに、イギリスやドイツなどヨーロッパの先進各国のほか、ロシア、ブラジル、韓国なども参加を申請しました。

これに対し日本は、参加した場合に求められる財政負担が最大でおよそ30億ドル(約3600億円)と試算されることに加え、組織運営の透明性などが懸念されるなどとして、同様の懸念を示すアメリカと共に申請を見送りました。

こうしたなか、安倍総理大臣が、参加を表明したドイツのメルケル首相と今月初めに電話会談を行い、AIIBへの対応を巡って意見を交わしていたことが分かりました。

このニュースの詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】AIIB不参加バス乗り遅れ説を語り、TPP参加絶対反対を唱える輩は明らかに中国スパイ(゚д゚)!

メルケルのこの行動は、はっきり言って内政干渉です。前から、非常識だとおもっていたのですが、やはりというところです。日本とドイツの立場は、全く違います。ドイツからみれば、中国の脅威などたいしたものではありません。

中国がドイツを侵略しようとした場合、ロシア領内を通過し、さらに東ヨーロッパを通過したあげくにようやっと侵攻ということになります。

この違いがわからないメルケルは、常識外れと言われても仕方ないと思います。もし、現在GNPが日本の五分の一で、インドよりも小さくなってしまった小国ロシアが、もっと強大な国であって、GNPも今よりももっと大きく、強い国であったとして、ロシアがAIIBのようなものを設立して、日本が加盟していて、ドイツが加盟していなかったとして、安倍総理がドイツにも参加を求めるような行動をしたらどうおもうことでしょうか。

それこそ、おせっかい、内政干渉というものでししょう。メルケルは頭が悪いのでしょうか。日本に来ていたときには、日本の脱原発などを提唱していました。そんなドイツでは、今でもいくつかの原発は稼働していますし、フランスから原発で発電した電気をかなり導入しています。

そんな国が日本の脱原発を提唱するなど、これも内政干渉そのものであると思います。

人は表面だけでは判断できない。それは国際金融機関も同じ。

それにしても、中国としては何としてでも日本に参加させたい意向なのだと思います。だからこそ、メルケルに働きかけ、安倍総理大臣を説得させようと試みたのだと思います。なぜそこまでするのでしょうか?

AIIBは、中国主導の国際金融機関であり、国際金融機関は、海外での活動において相手国政府との関係などで民間金融機関では情報収集がやりにくい分野において存在意義があります。また、国際金融機関は単純に公的な金融活動をするだけではなく、一国の外交戦略の一環でもあります。その意味で、各国の国益がぶつかり合う場でもあります。

AIIBは、参加国は40ヵ国を越えるでしょうが、中国が資本の40~50%を出資し、本部が北京、中国人がトップを務めます。一方、日米が主導し、67ヵ国・地域が加盟するアジア開発銀行(ADB)は日本と米国の出資が10%台、総裁は日本人ですが本部はフィリピンに置かれています。この点、両者は似て非なるものです。

中国だけで出資の半分を占める予定であることから、ガバナンスの点で大いに問題があります。たとえば、AIIBの融資について理事会の関与がほとんどありません。極端な話、中国トップがある国へのインフラ投資を政治判断したら、AIIBはプロジェクトの採算性などを度外視して融資するということも十分あり得ます。現在すでに、中国は台湾の参加を断っており、ガバナンスに疑問符がついています。

そうして、AIIBは中国主導であるということは、最終的には中国がその後ろ盾になるわけです。ということは、その格付は中国と同等になるということです。中国の格付けは、トリプルAのアメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAす。シングルAということは、現在の韓国より低いです。

さて、中国、日本、アメリカのCDSレートをみると、それぞれ、1.38%、0.35%、0.19%です(4月10日現在)。ということは、中国主導のAIIBと日米主導のADBは、資金調達コストで1%以上の近い差ができるということになります。

だとすると、アメリカと日本が参加しなければ、AIIBそのものの地位が三流になるにとどまらず、AIIBの資金調達コストが高いので、AIIBの貸出金利が高くなり、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)と競争しても、分が悪く勝負にならないことになります。日米が参加すれば、地位があがり資金調達コストも下がります。

このため、中国は必ず日米に参加を求めてきます。さらに、中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、国際金融業務のノウハウも乏しいということもあります。また、このブログにも掲載したように、中国においては不正に海外に流れた金がここ最近でも、400兆を超えるというとんでもないことになっていて、中国内の金融が空洞化しています。いずれアジアで実績のある日本に水面下では協力を求めてくることになります。

いくら魅力的に装っても駄目なものは駄目

今回のメルケルの安倍総理説得は、こういう中国側の意図が働いたものです。今後、さらに参加を促すことが考えられます。その機会を狙って、理事会が実質的に関与できるようにさせることが望ましいです。それができないようであれば、永遠に参加しなければ良いのです。だからこそ、日本はAIIBに今焦って参加する必要性など全くありません。

さて現在のところ、アメリカもAIIBに参加していませんが、次の政権はいざしらず、オバマ政権は参加することは考えられません。まずは、キューバとの国交回復という当面の仕事があります。これは、比較的短期間にできますが、AIIBに参加ともなれば、出資が必要になりますが、これには予算が必要で議会との調整が必要です。

となると、オバマ政権の間はなかなか難しいです。それに、キューバとの国交回復は、キューバを含め中南米に中国が進出していることの対抗策という性格もあります。つまり、中南米というアメリカの庭先を中国に勝手にさせないという意図です。この点からも、キューバとの国交回復が優先ととみられるので、近いうちにアメリカがAIIBに加盟するということは考えられません。

オバマ大統領とキューバのカストロ国家評議会議長は
11日、訪問先のパナマ市で約1時間にわたって会談

それにしても、このようなことを知ってか知らずか、AIIB不参加、バス乗り遅れ説を語る、マスコミや識者のうちで、TPP参加絶対反対を唱える人、これはもう、明らかに中国スパイです。

無論、様々な観点から、TPP参加に懸念を示すのは良いですが、AIIB参加には、さら大反対というのなら理解できますが、不参加をバス乗り遅れというのであれば、あまりに中国にとって都合の良い言い草なので、中国スパイと判断せざるを得ません。

そういう人マスコミでも、識者で結構多いです。本当にわかりやすいです。スパイならスパイらしく、もっと正体を明かさないように、言論に注意を払えといいたいです。本当にわかりやすいです。馬鹿丸出しと言いたくなります。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】


英紙報道「米国の打撃」 中国は早速「歓迎」 中国主導の国際インフラ銀に仏独伊も参加へ―【私の論評】日本のGDPの80%iにあたる400兆円が海外に消え金融が空洞化した中国!振り込め詐欺は騙すほうが悪いが、今の中国には騙されるほうが悪い(゚д゚)!

中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!

知られざる中国の「海上民兵」―漁船が軍事組織に―【私の論評】海上民兵は便衣兵と本質的に同じ!!米国は、南京虐殺事件の虚偽を認めない限り、便衣兵に悩まされることになる(゚д゚)!

【関連図書】

中国の今を知っていただくための雑誌を以下に掲載しました。いずれもキンドル版です。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:アメリカ<中国?」〈2015年 4/14号〉 [雑誌]
CCCメディアハウス (2015-04-07)
売り上げランキング: 291

等身大の中国経済(ニューズウィーク日本版e-新書No.28)
CCCメディアハウス (2015-02-23)
売り上げランキング: 1,688
週刊ニューズウィーク日本版 「特集:中国の新常態」〈2015年 3/31号〉 [雑誌]
CCCメディアハウス (2015-03-24)
売り上げランキング: 2,665

0 件のコメント:

ウクライナで変わった戦争の性格 日本の専守防衛では対処困難 米戦争研究所ケーガン所長―【私の論評】日本の安全保障強化に向けたISWの指摘と憲法改正の必要性

ウクライナで変わった戦争の性格 日本の専守防衛では対処困難 米戦争研究所ケーガン所長 まとめ ウクライナ戦争が従来の戦争の性格を変え、新型兵器の登場が日本の防衛姿勢を脅かしている。 ロシアの野望はNATOや米国主導の国際秩序の破壊に及び、これが日本やアジア太平洋地域に脅威をもたら...