2009年9月14日月曜日

F35のエンジンが損傷 日本の次期戦闘機候補-安全保障のビジョンがなければ「死の商人」と同じ?

F35のエンジンが損傷 日本の次期戦闘機候補(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
F-35 Lightning II

 米航空機器大手ユナイテッド・テクノロジーズは13日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の候補で、開発中の次世代戦闘機F35用の試作エンジンが、11日に実施した性能評価試験で損傷したことを明らかにした。

 同社は、飛行実験用の機体には既に試験済みのエンジンが搭載されており、F35の開発計画に影響はないとしている。だが、主要部品の損傷だけに開発の行方を不安視する声が上がりそうで、日本のFX選定作業に影響する可能性もある。

 FX選定では、日本が有力候補としていた最新鋭戦闘機F22の禁輸措置を含む2010会計年度(09年10月~10年9月)国防歳出法案(予算案)を米上院歳出委員会が可決。防衛省は残る5機種の中からF35を軸に作業を進めようとしていたばかりだった。

一方F22に関しては、モレル米国防総省報道官は7月15日の記者会見で、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補と位置づけられている米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの輸出に反対する考えを表明していた。

 モレル報道官はその理由について、「日本やその他の国にとって、輸出仕様のF22は非常に高価だ。次世代戦闘機F35の開発に(米国と)ともに費用をかけたほうが、資金のよりよい使い方だ」と述べた。

 同報道官はF35に関して、F22と違って当初から同盟国などへの輸出向けの生産を計画しているため、「共同開発によって、(調達のための)費用を減らすことができる」と指摘した。さらにF22は米空軍でしか運用されていないが、F35は海軍や海兵隊も運用できるように開発されているとして、幅広く使える航空機であると説明した。

 F22の輸出は現在、法律で禁止されているが、議会からは日本などへの輸出を検討すべきだとの声が出ていた。F22を日本に売却する場合、米軍が調達する際の2倍近くの1機約2億5千万ドル(約230億円)程度になるとみられていた

安全保障のビジョンがなければ「死の商人」と同じ?
宇宙航空研究開発機構の資産は、4,165億円だそうです。そうすると、この資産を全部売って、F22の購入にあてたとして、単純に割り算するとたかだか18機しか買えないということになります。戦闘機の値段などあってないようなものですが、それにしても膨大だということが良くわかります。これに比べると、JAXAあたりは、最近では、HTVを打ち上げ、新たなビジネスの種を生み出そうとしていることなどを考えると、本当に低予算で素晴らしい成果をあげていると思います。

F35についても、性能評価試験で損傷とは、やはり不安材料・懸念材料になると思います。いくら、F22よりは廉価とはいっても、相当高い買い物ですから。

JAXAが低予算で、かなりの成果を収めていることや、これからの宇宙ビジネスの新時代の幕開けをしたことを考えると、ジェット戦闘機なども今回のFX選定は別にして、将来的には日本で開発した方がはるかに優秀でコストパフォーマンスの高いものが出来上がると思います。

以前このブログに、F22は、日本の技術がなければ、開発できなかった旨を掲載しました。F22日本の塗装技術がなければつくることはできませんでした。それも、日本の中小企業の塗装技術です。この戦闘機の機体を開発したのは、ロッキード・マーチン社ですが、この会社、日本からノウハウを無料、無条件で導入した炭素繊維複合一体成形加工技術を生かし、F22とF35の開発につなげました。

日本には、潤沢な資金(政府、国民の資産レベルにおいて)もありますし、先のHTV打ち上げで実証された高度な技術もあります。宇宙産業の技術はすべて軍事に転用可能であるといっても過言ではありません。第二次世界大戦中はすべて自主開発していました。今日でも、それは可能と考えます。アメリカに技術を供与してできあがった戦闘機をアメリカ国内の倍で買い取るなどといことはしなくても良いと思います。

日本国内で優秀な戦闘機を製造して、日本の安全保障に寄与し、さらには、アメリカやヨーロッパなどにも販売すれば良いと思います。そうすれば、高い開発費もかなり抑えることができます。

しかしながら、新政権は安全保障、外交、軍事に関するビジョンがありません。このあたりがはっきりしていなければ、戦闘機を購入するにしても、開発するにしても、あるいは開発した戦闘機を売ろうにも方向性が定まりません。これなしに、戦闘機をつくったり、配備したり、海外に売るということは、単なる「死の商人」ということになってしまい、いわゆるまともな国家が行うことではありません。明確なビジョンがないということは、どのような兵器をつくるのか、つくったとして熱心に売るべき相手、そうではない相手も区別がつかないということです。ビジョンがないということは、前政権のものをそのまま引き継ぐということでしょうか?

まずは、新政権これらに関して、ビジョンを明確に打ち出してもらいたいものです。しかし、本来ならば、これらのビジョンは、国家の基本をなす最重要事項であることから、マニフェストにも書かれていないというならば、書き忘れたとか、重要度が低いからなどということはありえず、前政権の方針をそのまま引き継ぐと解釈するのが妥当だと思います。新たなものを打ち出せば、国民に対する裏切り行為ということになると思います。

しかし、そうなったとしても、仕方ないかもしれません。なぜなら、国民の投票でしかも、圧倒的大勝利で選ばれたのが、今回の新政権だからです。いずれにせよ、国際関係を無視したとんでもないビジョンを打ち出して「ならず者国家」になることだけは避けていただきたいものです。



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3 件のコメント:

鳥海摩耶 さんのコメント...

当方ブログにコメントありがとうございました。

F-Xの国内開発は、正直に言えば厳しいものがあるのではないかと思います。
極めて魅力的というか理想的な話ではあるのですが、最初から独自開発の意思がなかった今回のF-Xでは、今から設計しても配備までこぎ着けるには20~30年は必要でしょう。
ただ、独自開発できる環境を作る事は必要だと思います。
それも合わせて、しっかりとした安全保障政策を策定する必要があるというご意見には大賛成です。
相対的に自衛隊の戦力が低下している現状を見れば、一方的な兵力削減には心底うんざりします。
中長期的な視野を備えた安全保障政策をぜひ検討していただきたいものですが・・・。
それができていれば今こんな事にはなっていなかったのかもしれません。

山田 豊 さんのコメント...

鳥海麻耶様 コメント有難うございます。今回のFXには、もう間に合わないでしょうが、次のFX選定時には、独自開発をできるように今から体制を整えるべきだと思います。
しかし、おっしゃるとおり現政権ではむりかもしれません。
政治の基本は、国内のことだけではなく、外交、安全保障、軍事も、もう一方で重要なことなのですが、新政権ではこれが抜けています。残念なことです。

カルゴン さんのコメント...

この平和な時期にこそ独自開発を選択してもらいたいですね。
専守防衛専用でいいのだから、それほど欲張った機体はいらないような気がしています。
なので低コストでそこそこの戦闘機を数多く持ったほうがいいのです。
F22を200機持つより、国産戦闘機を400機持つくらいの考えでいいと思いますけどね。
低コストでの開発製造はもともと日本のお家芸だったはず。

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