27日、中国記者協会の幹部が「中国には虚偽報道が多すぎる」 と指摘した。写真は「記者の日」に中国各地で行われたイベント。 |
同書記は「これほど短期間にこれほど多くの虚偽報道が出るのは、建国以来めったにないこと」と危機感を示した。虚偽報道の範囲も芸能やスポーツが多かったのが、最近では政治、経済、社会、文化にまで拡大。報道元も小規模の新聞・雑誌だったのが、都市報や経済報などの大手新聞にも広がり、さらには党の新聞や雑誌にまで及びつつあるという。
こうした現状を受け、「国民は新聞や雑誌などのメディアから中国共産党指導部と政府の権威を感じている。メディアは中国共産党と政府の声と言っても過言ではない。虚偽報道の頻出が国民に与えるマイナスの影響は計り知れない」と警告した。
中国政府は虚偽報道、有償報道、低俗な報道、有害広告を報道界の「4大公害」と呼び、2010年11月23日からこれを是正するための「三項学習教育」活動を展開している。「三項学習」とは、江沢民前国家主席が発表した「3つの代表」の重要思想、マルクス主義新聞(報道)観、職業精神、職業道徳について学習すること。
同書記は「教育活動が始まってもいまだに複数のメディアが堂々と虚偽報道をしている」と指摘。例として、国家発展改革委員会が物価の抑制と安定に着手したことを受け、複数のメディアが「製糖会社が生産を減少したり停止したりしている」と報じた問題を取り上げ、「こうした報道は国民の混乱を引き起こす。しかも事実ではないため、同委員会が釈明する羽目になった」と苦言を呈した。
【私の論評】中国虚偽報道は建国以来のものであり、最近はじまったことではない!!
中国の虚偽報道に関しては、建国以来行われていることであり、上記の記事は何今更という感じです。少なくとも、中国でも、知識人なら全員そう思っていることでしょう。
たとえば、毛沢東が大量虐殺を行ったことは、ほとんど報道されていません。これは、確かに虚偽報道ではありませんが、現実にあったことを発表しないということは、虚偽であることにかわりはありません。これに関しては、以前このブログにも、「共産主義黒書」に書かれてある内容として紹介したことがあります。
毛沢東は、昭和32年(1957)2月27日、「49年から54年までの間に80万人を処刑した」と自ら述べています。(ザ・ワールド・アルマナック1975年版)。周恩来は、同年6月、全国人民代表大会報告で、1949年以来「反革命」の罪で逮捕された者のうち、16%にあたる83万人を処刑したと報告しています。また、42%が労働改造所(労改、強制収容所)に送られ、32%が監視下に置かれたと述べています。
毛沢東は、その後もさまざまな権力闘争や失政を続けましたが、丁抒らの研究によると、大躍進運動と文化大革命によって、2,000万人が死に追いやられたとされています。
『共産主義黒書』では、ジャン・ルイ・マルゴランが、ほぼ信頼できる数値として、内戦期を除いた犠牲者の数を、次のように総括的に提示しています。
・体制によって暴力的に死に至らしめられた人
700万~1,000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」としてラーゲリに収容され、そこで死亡した人
約2,000万人
・昭和34~36年(1959~61)の「大躍進期」に餓死した人
2,000ないし4,300万人
すでに毛沢東が死去してから、50年以上も経過したというのに、未だに中国はその真相を明るみにだしません。それに、最近では、天安門事件の数字など虚偽のものしか発表されていないのは明らかです。
それに、極めつけは、尖閣問題でしょう。中国領土でもないものを中国領土と言い張るあの、傍若無人さをみれば、中国の報道などほとんどが虚偽であることがわかるはずで。
それに、このブログでは、中国の発表するGDPの数字はほとんど虚偽であることを再三にわたって、その査証もあげつつ掲載してきました。だから、ここでは、再度詳細を掲載はしませんが、下の【関連記事】のところに、URLを貼りつけておきますので、まだ、読まれていない方は是非ご覧になってください。
このような国の報道は、いわゆる、事件・事故の類、それも、政府に直接関係のない報道以外は、全くの虚偽か、あるいは何らかの意図が組み込まれていると解釈するのが普通だと思います。
それに、中国では、建国以来毎年平均で、現在に至るまで、2万件の暴動が発生していますが、その事実も一切発表されません。しかし、大暴動の場合などは、最近では隠しおおせないせいですか、ある程度は発表されるようにはなっています。それこそ、インターネットがない時代でも、中国の大規模暴動はたまたま、その場にいた外国の記者などのレポートで垣間みることができていました。あるいは、観光客が現地をおとずれて、現地の人から知ることができたりしたものです。まさに、人の口に戸はたてられないという事だと思います。
では、何故いまさら上のようなことが、報道されるのかといえば、やはり、最近の通信インフラの踊るべき進展によるものだと思います。一昔まえなら、政府が発表したり、報道機関が報道した内容でも、ほとんどの人がその真偽を確かめようにも、そのすべがなかったのだと思います。
しかし、最近では、ご存じのようにインターネットがあるし、それに、携帯電話も普及しました。携帯電話では、話だけではなく、メールなども送ることができます。ほんの少し前なら、中国の奥地であれば、普通の人が通信設備にアクセスしようと思っても、ほとんどできないし、アクセスして、情報を発信したとしても、簡単に遮断することができました。今は、そうはいかないということです。
だから、上の記事は全く間違いであり、中国では建国以来虚偽報道が蔓延していたのですが、昔は、それを確認する手段がなかったので、虚偽であるとは確認できなかっただけで、今では、インターネットや、携帯電話などがあるので、多くの人が虚偽であると確認できるようになったということです。
さて、中国の虚偽報道に関しては、もともとがそうなので、そんなものだとして、あまり気にかける必要もないとは思います。
しかし、中国発の、「まだまだ発展し続ける中国経済」などのいわゆる中国幻想には注意しておく、必要があるでしょう。最近、多くの人が中国のバブル崩壊などをいう人が増えてきていますが、私自身は、もうすでに2年くらい前から中国のバブル崩壊は始まっている可能性すらあると思っています。
なぜ、そのようなことを言うかといえば、私たち日本人には、バブル崩壊の経験があるからです。ただし、バブルと一口に言っても、数値的に確認できる「バブルの崩壊」と、体感的な「バブルの崩壊」にも最大で数年程度のずれがあったという事実です。
データ上、バブルの崩壊は1990年11月頃始まりましたが、必ずしも誰もが直ちにそれを体感したわけではありません。バブルの崩壊を経済学的現象ではなく深刻な社会問題ととらえるとき目安となる時期は、全国的に地価の下落が明確となり、有効求人倍率や新卒の求人倍率が大きく低下し、企業の業績悪化により学生の内定取り消しも相次いだ(就職氷河期も参照)1993年頃から、不良債権問題や株価低迷によって大手金融機関が次々と破綻に追い込まれた1997年頃にかけての間であり、それまでは(事実としてバブル崩壊が始まっていたにもかかわらず)それを認識できずに楽観的でいたり、そうでなくても、まだ持ち直すかもしれないと期待していた人々がほとんどだったと見られれます。
また、経済政策の失敗によって1997年以降の景気が極端に悪化し、リストラや採用抑制が一層激しくなっているため、本格的に実害をこうむった1990年代後半~2000年代前半を特にバブル崩壊による景気悪化と振り返って捉えている人も多いです。
中国幻想にとりつかれている人たちは、日本のバブル崩壊を真摯に振り返ってほしいです。現実に日本で、バブル崩壊が始まったのは、1990年です。
ジュリアナ東京2008 |
あのバブルの申し子といわれる、ジュリアナ東京は、バブル景気崩壊直後の1991年5月15日に総合商社・日商岩井(当時)とイギリスのレジャー企業・ウェンブリーの共同出資により設立されました。正式名称は「JULIANA'S TOKYO British discotheque in 芝浦」。芝浦1丁目の「第三東運ビル」の1階と2階の吹き抜けを使用し、総面積は1200m²で、最大3,000人以上を収容できる規模でした。上の写真は、2008年に一日限りの復活ということで催されたときの、イベンとの模様です。
この施設ができたときのことは、はっきり覚えています。当時、バブルの崩壊を数字的には把握していた私はは、かなりの違和感を覚えたものでしたが、世の中そんなものです。このあたりでは、その後失われた20年が待っていることなど予期できた人はほとんどいなかったでしょう。一時景気が悪くなっても、半年、1年で元に戻るくらいの感覚でいた人が多かったと思います。
日本では、こうした感覚の問題でしたが、中国では違うかもしれません。まさに、官製による好景気バーチャルワールドが展開されていて、本当はすでに数年前に、バブルが崩壊しているにも関わらず、ひたらすら、政府によってその事実が糊塗されているだけかもしれません。
このブログにも掲載したように、中国の公表するGDPなどの統計数値はかなり疑問です。それに、大量の大学生が就職できないでいる現実をみてください。中国では、少なくとも、GDP成長が8%を切ると、新規に生まれる労働者の雇用を吸収できなくなるといわれています。であれば、数年前から、大量の学生が就職できないということは、8%を切っていたと考えるのが当たり前だと思います。
中国幻想に酔って、中国に投資、中国で事業などはり切っている会社や、人、ジュリアナ東京のお立ち台で踊っている女の子のようなものかもしれません。さて、いつまで、踊り続けていられることやら?
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