クリエイティビティは「野生の勘」のように捉えられがちですが、実は、ロジカルなプロセスを経て生まれるものだそうです。
【私の論評】イノベーションに不可欠な創造的思考は、ひらめき、思いつき、野生の勘によってではなく、体系的なプロセスから生まれる
詳細は、上記の記事を御覧いただくものとして。まずは、上記の記事を読んでいただくものとして、いかに、上の記事の結論でもある、創造的思考のロジカルなプロセスを掲載します。
ちなみに、上記の記事では、後から訂正されるかもしれませんが、項目名が、「1.浸透」と「2.浸透」と同じになっていましたが、この記事の英語の元記事では、「2.incubation」となっていましたので、これは、単純な間違いだと思います。そのため、「2.孵化」と訂正しておきました。また、下の箇条書きで、( )の部分は、私が付加した内容です。これは皆さんに理解しやすくするため、該当する内容で自分が実際にやってみて効果があったものを掲載してみました。
1. 浸透
創造性を要するタスクが出たら、創造系タスクモードに切り替えてこれにどっぷり漬かり、研究する。
(とにかく、タスクに関することをインターネット、書籍、新聞、雑誌あるいは、人に聴いたり、あるいは、外にフィールドワークに行ったりして、徹底的に調べて、調べて、調べまくる。フィールドワークでは、当然のこととして、スマホなど携行して、写真や動画をとる。当然のこととして、スマホの位置情報は、使用するようにします。これは、後で思わぬときに役立ちます。この段階では、徹底的に時間を使い、短期間にさまざまなものを調べて、自分の頭にインプットする。 場合によっては、マインド・マップを作成したり、簡単なまとめ書きなどする。この時には、時間など無視しても良い、場合によっては徹夜などもしても良い。ただし、多くの人に見られるように、時間がないからといって、この時点ですぐにレポートをまとめようという人があまりに多すぎる、この時点で書いてしまえば、陳腐なものになるのは必定である。)
2. 孵化
右脳が創造的に思考できるよう、落ち着いた空間でじっくり考える。
(浸透の段階が終わったら、休憩をとる。タスクが小さなものであれば、1時間とか、数時間、タスクがかなり大きいものであれば、少なくとも、一晩ゆっくり寝て、場合によっては、数日休んでから、落ち着いてゆっくり考える。この時点では、調べ物は極力避ける。手持ちの材料で徹底的に考える。どうしても、足りない場合は、浸透が足りなかったものとみなし、再度、浸透プロセスに戻る。あまり休憩の時間をとれない場合は、その代わりにタスクとは、全く関係のない仕事などをして、とにかく、いったんタスクから完全に遠ざかって、その後にゆっくり落ち着いて考える。とにかく、考えまくる。)
3. 啓示
気分転換する。いつもデスクに向かっているなら、どこか外出しても良し。日常の環境から離れると「あ! そういうことか!」と、ふとひらめく瞬間に出会える。
(一度徹底的に考え抜いてみた後で、そこで、良いアイディアが出ようと出まいと、意図的に気分転換をする。外出して、カフェに行ったり、とにかく全く関係ないことをする。犬の散歩をしたりする。これが、仕事の都合上できない人は、あまり頭を使わない作業などをして、とにかく、いったんは、タスクのことを考えないようにする)
4. 検証
自分のインスピレーションを検証し、形作る。
(アイディアなどひらめいたら、とにかく、メモをするなり、先にマインド・マップを作成しているなら、付加したり、つくりなおしたりする。この時点での、ひらめきは、上記のプロセスを経ない「ひらめき、思いつき、野生の勘」とは異なり、有効であり、有用なものである。その後に、必ずレポートにまとめる。レポートには、グラフ、表、写真など用いる。また、レポートは、読み手に理解して行動してもらうために書くようにする。そうして、最終的には、効果的なプレゼンテーションも考える)
さて、創造的な思考は、上記のようなプロセスを経るということですが、無論、私もこの考えには賛成です。このブログでは、過去にも創造性に関する事柄を掲載したことがあります。その内容とも、一致するものだと思います。机にかじりついてばかりいても、フィールドワークと称して、とにかく、現場にばかり行っているというのも良くないです。また、とにかく、ただ考え続けるというのも良くないです。おおまかに言って、上記のようなプロセスを経る必要があると思います。このプロセスを経ずに、ただの思いつきや、しゃかりきに、とにかく闇雲に頑張るだけでは、創造的思考はできずに、陳腐な考えしか浮かびません。
さて、イノベーションには、創造的思考が不可欠と思います。イノベーションは、創造的思考や、その後の実行動さらに、その後の変化も含む概念です。創造的思考のみでは、イノベーションは達成できません。実行動があって、はじめて、できることです。ドラッカーは、イノベーションに関して、以下のように述べています。
イノベーションとは、思いつきや、ひらめきではない。それは、起業家に特有の道具であり、変化を機会として利用するための手段である。それは体系としてまとめ、学び、実践できるものである。
イノベーションが必然であって、大きな利益が必然である分野、すなわちイノベーションの機会が既に存在している分野において、単なる資源の最適化にとどまることほど、リスクの大きなことはない。したがって、論理的にいって、起業家精神こそ、最もリスクが小さな道である。
起業家精神にリスクが伴うのは、一般に、起業家とされている人たちの多くが、自分がしていることをよく理解していないからである。つまり方法論を持っていないのである。彼らは初歩的な原理を知らない。このことは、特にハイテクの起業家についていえる。そのため、特にハイテクによるイノベーションと起業家精神は、リスクが大きく困難なものとなっている。
さて、イノベーションとその基ともなる創造的思考には、どとらにも、プロセスがあり、方法論があるということです。 これを知らずに、ひらめき、思いつき、野生の勘などに頼る人は、自分では気付かずに、自分に対しても、組織に対しても、リスクをおかしているということです。
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