2013年12月24日火曜日

中国人民銀、短期金利上昇通じ無秩序な貸出に警告―【私の論評】我々は、中国金融シスタムの崩壊の序曲を見ているのかもしれない!金がなくなりつつある中国の官僚不正マネーの熱銭取り込みという改革は本当に効果があるのか(゚д゚)!

中国人民銀、短期金利上昇通じ無秩序な貸出に警告

中国人民銀行

24日の中国短期金融市場では、中国人民銀行(中央銀行)がオペ(公開市場操作)を通じ290億元を市場に供給したことに伴い、6カ月ぶりの高水準となっていた金利は低下した。

当局が不動産バブルや資金利用効率の悪化を懸念する中、人民銀行は不動産や地方政府向け融資といった分野への無秩序な簿外の貸し出しが抑制されるよう望んでいる。一方、短期金利の上昇を通じて市中銀行に定期的な警告を与えているかのような人民銀行の手法に市場関係者はいら立ちを強めている。

みずほセキュリティーズアジア(香港)のアナリスト、ジム・アントス氏は「これ(人民銀行の手法)が事実ならば、金融当局として非常に無責任だ」と指摘した。

人民銀行は、短期金融市場には十分な流動性があり、特に3000億元(490億ドル)を先週供給してからは流動性が潤沢になったとし、主要行は資産や負債に応じた流動性管理を強化する必要があると説明。一方、トレーダーらは、7日物レポ金利が先週と23日に10%に向けて上昇したとして、市場における流動性は不十分だと指摘する。

ただ、市場関係者らは、人民銀行はいかなる銀行のデフォルト(債務不履行)も回避するだろうと予測。現時点で、短期金利が30%まで上昇した6月の信用逼迫(ひっぱく)よりも状況が悪化するリスクへの懸念は小さいようだ。

大手国有銀行(上海)のトレーダーは「人民銀行は状況を理解していると思うが、市場抑制策を無視して上昇する不動産価格に直面すする中、人民銀行は依然として市中銀行のレバレッジを縮小することに積極的だ」と述べた。

【私の論評】我々は、中国金融シスタムの崩壊の序曲を見ているのかもしれない!金がなくなりつつある中国の官僚不正マネーの熱銭取り込みという改革は本当に効果があるのか(゚д゚)!

中国人民銀行が大量の流動性供給を行いました。これは、要観察です。以下にプライムレートなど掲載しておきます。

中国:SHIBOR・プライムレート12月24日分(一覧表)
12月24日(ブルームバーグ):上海銀行間取引金利(SHIBOR)およびローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)の一覧は以下の通り。現地時間午前11:30に公表される。
===================================================================
        12月24日   12月23日   12月20日   12月19日   12月18日
                   2013       2013       2013       2013       2013
===================================================================
LPR         
 1年            5.7300     5.7300     5.7300     5.7300     5.7300
-------------------------------------------------------------------
SHIBOR      
 翌日物          4.1450     4.5150     3.9270     3.8460     3.5880
 1週間          6.1970     8.8430     7.6540     6.4720     5.9020
 2週間          5.7610     8.2460     7.0030     6.2180     5.0790
 1カ月          6.6050     7.6560     7.5300     7.1012     6.7650
 3カ月          5.5174     5.5160     5.4580     5.4239     5.3850
 6カ月          4.8369     4.8151     4.7818     4.7487     4.7054
 9カ月          4.8622     4.8422     4.8135     4.7816     4.7423
 1年            4.8856     4.8656     4.8353     4.8013     4.7634
===================================================================
               12月24日   12月23日   12月20日   12月19日   12月18日
                   2013       2013       2013       2013       2013
===================================================================
               ------------ 前日差(ベーシスポイント) ------------
LPR         
 1年              0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
-------------------------------------------------------------------
SHIBOR      
 翌日物          -37.00      58.80       8.10      25.80      11.80
 1週間         -264.60     118.90     118.20      57.00     144.30
 2週間         -248.50     124.30      78.50     113.90      52.70
 1カ月         -105.10      12.60      42.88      33.62      53.00
 3カ月            0.14       5.80       3.41       3.89       3.13
 6カ月            2.18       3.33       3.31       4.33       4.46
 9カ月            2.00       2.87       3.19       3.93       4.66
 1年              2.00       3.03       3.40       3.79       2.99
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注1:上海銀行間取引金利(SHIBOR)は2007年1月4日に導入。主要銀行18行の提示金利を平均したレート。注2:ローンプライムレート(LPR)は2013年10月25日に導入。主要銀行9行の最優良顧客への貸出し金利を加重平均したレート。
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Ailing Tan または atan193@bloomberg.net

上の表のように、金利も下がっています。中国の短期資金不足については、ここ数日いろいろ報道されていました、代表的なものを以下にあげておきます。
中国短期金利、動揺続く 1週間物8.843%まで上昇(23日)
中国:短期金利が上昇-人民銀のオペでも資金不足緩和されず (20日)
短期資金不足は、290億元を市場に供給したことで、何とか収束したようですが、この短期資金がどこから来たのか等、今後要注意です。これ自体が、すぐに中国の金融システムの崩壊を示すものとは言えないと思いますが、それにしても、中国の金の動きは、要注意です。

とかにく、中国では熱銭が少ない状況になっています。やはり、これが、短期資金不足の背景にあるものと思います。

熱銭不足については、このブログでも以前掲載したのでその記事のURLを以下に掲載します。
【ビジネスアイコラム】不正マネーを取り込む中国式改革 ―【私の論評】民主化も、政治と経済の分離も、法治国家化もされてない中国は、分裂の危機にある!人民解放軍瀋陽軍区の動きに着目せよ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、中国では少し前から、熱銭(中国の官僚などが外国などに移した大量のマネーを中国に再び投下する資金のこと)が不足がちだったの、何と官僚の不正マネーを取り込むことにより、その不足を補う改革をはじめたという、驚くべき事実を掲載しています。以下に要点のみ掲載します。
3中総会
中国共産党は先の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で、「全面的な改革深化」を決議した。西側メディアは一斉に、政治改革なしの経済自由化の限界を警告したのだが、ないものねだりだ。実利優先の党官僚は利権拡張の餌により不正マネーを取り込む成長モデルにギアシフトした、とみるべきだ。 
早い話、李克強首相の主導で上海に「自由貿易区」が9月に設置されたが、大幅に規制が撤廃された同区の進出企業234社のうち外資は21社に過ぎず、大半は国有企業である。党中央が国家全体の予算と金融を支配し、地方政府と国有企業に資金を配分、党官僚が支配する地方政府や国有企業がそのカネを投資して、開発や生産に関与して収益を上げるというシステムの中での、自由ビジネス特区であり、主要プレーヤーは党官僚なのである。 
党官僚は「市場重視の改革」、すなわち経済自由化で利権拡張の機会を得るので、不正資金は今後さらに膨張する。不正資金は、香港経由などで海外にいったん移されたあと、「外資」を装って還流する。大半は投機的で「熱銭」と呼ばれ、規模は半端ではない。
3中総会の内容は、全く内容のないものであり、出された声明も具体的なものは何もなく、結局何も改革はなしというお粗末極まりないものでした。経済対策は、結局不足した熱銭を不正熱銭で補うということだけです。これでは、限界があります。

3中総会の前にも、中国国内の熱銭不足を補う動きがありました。そうして、その舞台は何と、我が国日本でした。これも以前このブログで紹介したので、以下にそのURLを掲載します。
市場から消えた中国マネー4兆円の怪 ~緊迫する尖閣との関連性~―【私の論評】消えた中国マネー4兆円は、中国国内の熱銭不足の解消に遣われただけ!日本が金融緩和という最強「対中カード」を握ったことをマスコミが報道しないのはなぜ(゚д゚)!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、何と今年日本からは、中国マネーが一斉に4兆円ほども姿を消しています。そうして、これは、どうやら、中国の熱銭不足を補うためのものとしか考えられません。以下に要点のみ掲載しておきます。

日本市場から一斉に姿を消した中国マネーの上位内訳
消えた中国マネーが憶測を呼んでいる。中国政府系ファンド『OD05オムニバス』が9月中間決算を機に、日本の主要企業の大株主から次々と姿を消したのだ。その数、判明しているだけで実に127社。今年3月期には167社(3月決算以外の24社を含む)の大株主ベスト10に登場していたのだから、まさに“激減”の言葉がピッタリである。 
・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
むこれは、まさしく、中国政府の中国国内の熱銭不足への対応です。これをもって、中国に4兆円超の資金を投入したか、その準備をしたということです。無論中国政府は、そんなことはおくびにだしませんが、熱銭不足で、中国の不動産バブルが崩壊したりするのを防ぐ目的で投入されたものと考えられます。 
何とか、急場をしのぐために、必死で準備したのでしょう。日本株など、これからデフレ収束にむかえば、さらに価値が上昇する可能性も十分ありますが、そんな呑気なことは言ってはおられなかったのでしょう。これは、日本側の理由によるものでもなく、ましてや中国の外交カードなどとは何の関係もありません。銭がなくなったので、当座をしのぐために、準備をしたということです。元を刷りませば、インフレが亢進するため、熱銭がますます入らなくなるため、苦肉の策だったのだと思います。
熱銭不足を補うための方法が、海外から不正熱銭の呼び込みという方策しかない中国、これでは何の抜本的解決にもならず、これから常に資金不足に悩まされます。

私たちは、今中国の金融システムの崩壊の過程を眺めているのかもしれません。いますぐ、中国の金融システムが崩壊するとは考えられませんが、今のままでは、じわりじわりと弱っていき、いずれ崩壊します。それが、2年後になるのか、3年後になるのか、あるいは5年後になるのか、今は予想がつきませんが、とにかく今のままでは、崩壊するのは必定です。

それにしても、なぜマスコミは、資金不足のみ報道して、この事実を報道しないのでしょうか?やっぱり、マスコミは、所詮中国の味方なのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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