2013年12月4日水曜日

日銀の決算は赤字でも気にする必要なし 政府と連結して考えれば些細な事―【私の論評】国や国際財政、金融を家計と同レベルて考える政治家・官僚をこの世界から駆逐しよう!なぜなら、彼らはあまりに幼稚すぎて、国ましてや世界のことなどに考えることなどできないから(゚д゚)!

日銀の決算は赤字でも気にする必要なし 政府と連結して考えれば些細な事

ローレンス・サマーズ元財務長官

日銀が9月中間決算で、5年ぶりに中間黒字になったと発表した。一方で、異次元緩和終了時には赤字になり、国庫納付金を納められなくなるとの報道もある。日銀の決算はどうやって決まるのだろうか。

日銀の仕事を簡単に言えば、カネを刷るか(金融緩和)、刷らないか(金融引き締め。カネの回収)だ。資産(国債など)の購入と同時にカネを刷るというのが、他の企業ではできない「発券銀行」たるゆえんだ。カネは利息なしだが、購入資産には利息が付く。要するにカネを刷ればするほど、日銀は儲かる仕組みだ。

1年の利益は、購入資産の利息分だけだが、それがずっと続くわけで、それらを合算すると、利益は購入資産金額、つまりカネを刷った分の総額(正確には通貨発行の経費を引いた分)になる。これを経済学では通貨発行益(シニョレッジ)という。

日銀の通貨発行益の1年分が毎年の日銀の利益になるが、ここから経費を差し引いて国庫納付金となり、政府の収入になる。それが財政支出を通じて、実物経済に投入されるという流れだ。1年分ではあまり大きくないが、通年合算ベースでは100兆円弱となり、長期的には物価上昇の原動力になる。

・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・

もっとも、日銀関係者は、日銀決算に異常にこだわることがしばしばある。日銀は政府の子会社なので、日銀単独の数字だけで見てはならず、政府と連結して考えるのが正しい。日銀決算への異常なこだわりは、日銀関係者が庭先だけを見ているのだ。それが、異次元緩和終了時に日銀が赤字になって大変だ、という議論につながっている。

しかし、実際には異次元緩和が終わるときには、景気は良くなっているはずだ。景気が良くなれば財政状況も良くなっているはずなので、日銀の赤字など、政府と連結して考えれば、ささいなことになる。

かつてローレンス・サマーズ元財務長官が来日したとき、ある会食があった。同席した日銀幹部は、やはり庭先だけを考えて、「金融緩和して金利が上昇したら日銀の決算が危なくなる」と一生懸命に説明した。これを聞いたサマーズ氏は、ばかにしたように「So What?(それで?)」といった。広い視野を持つべき日銀幹部が目先のことや日銀だけしか見えないことにあきれたわけだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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【私の論評】国や国際財政、金融を家計と同レベルて考える政治家・官僚をこの世界から駆逐しよう!なぜなら、彼らはあまりに幼稚すぎて、国ましてや世界のことなどに考えることなどできないから(゚д゚)!

国や世界の金融・経済を家計のように考える政治家・官僚がいる(゚д゚)!


上の記事で高橋陽一氏が官僚を批判して指摘している「庭先しか考えない」という言葉、これはもっといてしまえば、国の財政や、金融を「家計」のように考えてしまう主婦感覚といっても良いと思います。

日本やアメリカ、いや世界中にこのような主婦感覚の政治家や官僚がたくさんいます。彼らは、あまりに幼稚なので、本来政治家や官僚になってはいけない人々だと思います。サマーズ元財務長官があきれかえって、「So What?」と言いたくなるような、政治家・官僚は日本にも外国にも掃いて捨てるほどいます。

国の財政、金融、事業における財務・金融など家計と同じようにしか考えられない人は、本来、政治家、官僚、企業経営者もしくは幹部になってはいけません。

貿易赤字とか、国際収支とか、赤字になれば家計と同じように駄目だと考えます。これって、何も国の経済の赤字を示してませんから(゚д゚)!ものすごい貿易赤字になっても、豊な国もあれば、そうでもない国もあります。こんな間違いは、少し知恵を絞れば、古くはリカードの比較優位論などの内容などような理論は誰もが思いつくはずです。たとえリカードを知らなくても、良く良く考えてみれば、誰にでも理解できることです。

リカード

財政赤字だって、そうです。財政赤字だからといって、それが必ずしもとてつもなく悪いことでばかりであるということはありません。政府の財政が赤字でも国としては、まっ黒々ということもあります。今の日本はまさしくその状況にあります。政府は借金をしていますが、日本国自体は、260兆超ものお金を外国に貸し付けています。

このような状況のときは、何が間違えているかといえば、デフレである場合がほとんどです。要するに、デフレで政府が借金をしなければ、日本の経済がまわらないという状況です。しかし、こんなものは、本来、日銀が紙幣を刷りませば、それですぐに収束するものです。こんなときに、財政赤字だからといって、政府支出を減らしたり、増税などしたりすれば、ますます財政赤字が増えるだけです。

債務危機で自分でサンドイッチを買いにいったオバマ大統領

アメリカだって、偉そうなことはいえません。債務上限をあげることに反対した議員が大勢いて、実際、米政府一部閉鎖と債務不履行の危機という馬鹿げた理解に苦しむことになりました。こうしたアメリカの議員たちも、債務というと、家計の債務と全く同じように考えたわけです。本当に馬鹿馬鹿しいです。

債務上限をひきあげたからって、それが家計のように即赤字になると考えるのはあまりに幼稚です。アメリカのドルは、アメリカ国内の金だけであるわけではありません。世界のお金でもあります。債務上限をあげれば、たとえば、海外でドルがだぶついていれば、外国からお金を借りて、アメリカ国内のお金を増やして、だぶつきを減らすこともできます。


米ドルはアメリカ国内の貨幣であるばかりでなく、世界の貨幣でもある

そんなことしたら、アメリカは借金だらけになって大変だと、主婦感覚の議員はいうかもしれません。しかし、たくさん借りても、それが家計のようにすぐ赤字になるとでもいうのでしょうか?このあたりがおかしいです。FRBは、米ドルを刷ることができます。たとえば、お金をいっぱい借りても、刷りませば借金などにはなりません。そんなことより、アメリカ国内のドルの流通量、外国流通量などを考えて、両方とも極端に多かったり、少なかったりしないように調整しなければなりません。そのためにも、債務上限はある程度高いほうが調整しやすいです。きちきちではどうしようもありません。世界もアメリカも困ることになります。外国からの借金が絶対嫌だというのなら、アメリカはドルを基軸通貨にするべきではありません。

こんなこともわらずに、アメリカの議員の中には、(債務上限引き上げ=ドルを刷ることができない一般家庭)iのようにみなし、とにかく借金の上限をあげることは家計と同じように悪いこととみなし、債務上限の引き上げに反対するなどという愚行を行い、挙句の果てに、米政府一部閉鎖と債務不履行の危機を招いてしまいました。全く、愚かとしかいいようがありません。

そうして、このようなことは本当に実害があります。たとえば、日本が円高傾向になったのは、アメリカの馬鹿な議員どもにより、アメリカの貿易赤字は、日本の貿易黒字のせいだと決めつけ、さもさも、日本だけが貿易などでアメリカをさておいて、一人勝ちしているとみなし、これをバッシングするという愚行をしました。そもそも、先に述べたように、貿易黒字とか、赤字などは国の富とは直接関係ありません。

貿易黒字でも、貧しい国もあれば、貿易赤字でも豊な国が普通に存在することをみれば、これは、そんなに頭を使わなくても、小学生にでわかることです。

しかし、アメリカの愚鈍な政治家どもは、たまたま貿易黒字の日本を目の敵にして、円高にするようにせまり、日本の政府もこの誤りを指摘することなく、お茶を濁し続けた結果、日本はデフレに陥りました。

日本はアメリカの愚鈍な政治家どもの故なきパッシングで円高となった

その後は、今度は中国の馬鹿官僚がアメリカと同じような主張をはじめ、日本政府はこれにもお茶を濁し続け、結局円高政策をとってしまい、デフレはますます深化して今日に至っています。

しかし、これも、今年の4月から、異次元の包括的金融緩和を行うことにより、円安傾向にふれ、ようやっと日本は、円高呪縛から解かれつつあります。

これで、やれやれと思っていたたら、自民党の大多数の馬鹿議員どもが、またぞろ、財政赤字を家計の赤字のように考えて、増税に舵を切ってしまいました。本当に愚かです。増税すれば、またぞろ、デフレが深化して、増税したとしても、税収は減ってしまいます。財政赤字を家計のように考えてしまう、愚がまた繰り返されました。

デフレとは、貨幣現象であり、日銀が貨幣を多く刷りませば、いずれデフレから立ち直ることがてきます。そのため、日銀が包括的金融緩和をやっているというのに、わざわざ、それに棹さすバカ真似が繰り返されました。

日本でも、アメリカでも、EUでも、政治家や官僚で、国の経済や、国際経済をあたかも家計のように考えて、とにかく、赤字という項目をなくし、黒字という項目さえ増えれば、国の経済、世界経済がよくなると頑なに信じている大馬鹿ものが大勢いるようです。

日本でも、外国でも、たいてい経済が極端に落ち込むのは、このような政治家や官僚が跋扈しているときのようです。それが、(国、国際金融・経済=家計)のように単純に考え、愚かな行動をとることにより、経済が極端に落ち込みます。

日本では、このようなことが、過去20年間も繰り返され、本来はデフレの底に沈むことなどあり得ない日本経済を破茶目茶にしました。過去20年もデフレだった、私たち日本人は、他のどの国の人々よりも、国の金融・財政=家計と同じとみなす、官僚や、政治家により、とんでもない目にあってきたわけです。



サマーズ元財務長官「So What?(それで?)」といわれた、日銀幹部など、その典型です。この馬鹿も、日銀という政府の一下請けを、あたかも家計のように考えるという愚の骨頂ぶりです。本当に、日銀さえ良ければ、あとはどうでも良いのか、政府や国家のことは何も考えないのかと思ってしまいます。もうここのような錯誤をし続ける、官僚、政治家には、政治の表舞台が去ってもらうべぎてす。こういう幼稚な連中は、そもそも、本来政治に関わってはいけないはずです。

まず、日本から退治して、その後には世界からも放逐すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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