2013年12月30日月曜日

中国、反日カード出尽くし? 連日批判もデモなし 国内安定優先―【私の論評】安倍総理にキリキリ舞させられて、進むも地獄、退くも地獄の政権運営を強いられている習近平が反日できない、いくつもの理由(゚д゚)!

中国、反日カード出尽くし? 連日批判もデモなし 国内安定優先

4日前の北京市内 スモッグでデモどころではない?

【北京=矢板明夫】安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国の政府要人は連日のように厳しい批判談話を発表し、日本に対する強い姿勢を示している。しかし、具体的な報復措置は発表されておらず、各地の活動家が公安当局に申請した反日デモはすべて却下されたという。共産党関係者は「前最高指導部メンバーの汚職疑惑を抱えている習近平指導部はいま、国内の安定を最優先にしている。対日カードもそのほとんどを使ってしまっており、有効な手段が取れずに困っている」と理由を指摘している。

安倍首相の参拝を受けて、中国政府高官は次々と日本批判を展開した。「日本側は引き起こされる結果を引き受けなければならない」(羅照輝・外務省アジア局長)、「日本が引き続き対立を激化させるなら中国も最後まで相手をする」(王毅外相)、「安倍首相は自らの過ちを正さなければ歴史の失敗者になる」(楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員)。いずれの発言も対抗措置を強く示唆するものといえる。

北京の日中関係者の間では、安倍首相が参拝した26日中にも、程永華駐日大使の召還を含め、経済制裁が発表されるといった観測が浮上した。しかし、29日夕の段階で具体的な制裁措置などは実施されていない。

中国外務省関係者は「駐日大使を一時帰国させる案があったが、一度帰国させると、日本に戻すタイミングがなかなか見当たらないため、慎重論が強い」と話す。また、2010年秋の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で発生した中国漁船衝突事件を受けて、中国はレアアースの対日輸出を減らすなど経済制裁を実施したが、結果として中国側が受けたダメージの方が大きく、今回は経済制裁を実施しない可能性が高いという。

さらに、首脳会談や閣僚級交流は、尖閣諸島が国有化された昨年9月以降、すでに停止している状態で、これ以上の措置は取れないという。

尖閣国有化の際は中国全土で反日デモが展開され、日本への「圧力」となった。しかし、周永康前政治局常務委員の汚職疑惑への捜査が大詰めを迎えている現在は、党内の権力闘争が激化している。周永康氏の支持者が反日デモを利用して反発する可能性もあり、「党指導部はこの時期の反日デモには否定的だ」(共産党筋)という。

中国共産党の機関紙、人民日報傘下の環球時報は、日本への対抗措置として安倍首相らを「中国で歓迎を受けない人物」のブラックリストに入れ、5年間入国禁止にするなどの措置を取るよう提案する社説を掲載した。党指導部内に存在する意見の一部との見方もあるが、外務省関係者の間では「自分で手足を縛るようなものだ」と反対論が強い。

【私の論評】安倍総理にキリキリ舞させられて、進むも地獄、退くも地獄の政権運営を強いられている習近平が反日できない、いくつもの理由(゚д゚)!

28日、習近平国家主席が北京市内の肉まん屋に現れ、自ら肉まんなどの
買い物をしたあと、市民に交じって店内で食事をした。28日、習近平国家
主席が北京市内の肉まん屋に現れ、自ら肉まんなどの買い物をしたあと、
市民に交じって店内で食事をした。
北京では、28日、習近平国家主席が北京市内の肉饅屋で買い物をして、それを店内で食べるというパフォーマンスをしました。本来だとこんなことをしている場合じゃないはずです。安倍首相の安国参拝に対する報復措置をやつぎばやに出しているはずです。そんなこともせず、こんなパフォーマンスをやっているのには、それはそれなりの背景があります。

中国が昨年のように、大規模な反日大規模官製デモができないのには、いくつかの理由があります。そもそも、中国の反日大規模デモは、ほとんどが官主導によるものです。昨年のデモは、習近平が指揮したものが多いです。それに関しては、このブログにも掲載したので、その記事のURLを以下に掲載します。
【中国の本性】習近平氏が反日デモを指揮? 尖閣巡り「習VS胡」激化―【私の論評】犯罪者が国家元首になる国家とはいかに?!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、昨年のあの反日デモは、まだ主席になる前の習近平だったのです。以下に、この記事の要点のみ掲載させていただきます。

姿をくらまし2週間ぶりに公の場に姿を見せた習近平国家副主席される写真=2012年9月15日 
詳細は、元の記事をご覧いただくものとして。上記の記事の要点は、一番最後の、「習近平氏は、反日デモと尖閣強奪作戦を指揮していたようなのだ」。というところです。これに関しては、私は、多いにありそうなことだと思います。 
以前からこのブログには、反日デモは「官製デモ」であり、中国共産党内部の内部抗争であり、国家によるものということを掲載してきました。そうして、熾烈な派閥抗争であることも掲載してきました。どんな形であれ、習近平が最初から絡んでいることは、明々白々であると考えていました。 
反日デモの期間に丁度、姿をくらましていたので、場合によっては、反習派に捕まって拉致監禁されていたのかと思っていましたが、その後何もなかったかのように姿をあらわしていました。この行方不明には、中国国内でも、日本国内でも様々な憶測が飛び交っていましたが、未だに決めてになる情報・報道はありません。であれば、上の記事の黄氏のように考えるのが妥当です。 
だから、上の記事を読んでも、「やっぱり」ということで少しも驚きませんでした。私としては、とにかく、今回の反日デモおよび尖閣上陸は、自分たちの覇権の強さをみせつけるためと、人民の目をそらせるためなどの複合的な理由から、どちらが、仕掛けたのはかはわかりませんが、間違いなく、習近平も絡んだ、熾烈な派閥抗争が背景にあることは、最初からわかっていました。
さて、習近平昨年は、大規模反日デモと尖閣上陸を指揮していたのに、本年は、安部総理が靖国参拝をしても、その数日後に、中華饅頭店に姿を表し、買い物をしてさらに中で食べるなどのパフォーマンスまでするというこの違いはどこからでてくるのでしょうか?上の記事では、反日カード出尽くしなどとしていますが、そんなことはありません。何かが変わらない限り、今回だって、反日デモを含む、大規模な反日キャンペーンをやっていたはずです。

このように変化した理由に関しては、いくつかの背景があります。

その一つ目としては、昨年までは日本が金融引締め政策ばかりやって、中国にとってはかなり有利だったのですが、それにうってかわり、今年は4月から日本は、異次元の包括的金融緩和政策を行っているという違いがあります。そうして、もともと、中国の経済は、不動産バブルの崩壊などで、低迷していたのが、日本の金融緩和によってとどめを刺されようとしています。

中国経済は、お尻に火がついているどころか、大火事になっています。日本の金融緩和に加えて、昨年の大規模官製反日デモにより、日本企業が中国からかなり引き揚げていて、これを引き戻さなければ中国経済は持たないので、習近平政権は焦っているのです。

実際、中国経済は対日関係の悪化もあり、火の車の状態です。7~9月期の国内総生産(GDP)実質成長率は前年同期比7・8%増でしたが、不動産開発などによる“力ずくの公共投資”で体裁を整えたのが実情でした。不動産市況が下落すれば、地方政府などがシャドーバンキング(影の金融)などから高利で調達した20兆元(約320兆円)以上の資金が、一気に不良債権化する可能性は否定できません。

対日関係の改善が死活問題といえる地方政府は、習政権の対日強硬外交を無視するかのように、今年夏ごろから日本企業向けの投資説明会を相次ぎ開催しました。こうした地方の声を受け、習政権は今年9月、中国最大の複合企業・中国中信集団(CITIC)の常振明会長ら「中国企業家代表団」の訪日を認めざるを得なかったのです。

とはいえ、権力基盤を固め切れていない習氏にとって、国内で「日本に降伏した」との印象を与えるのは、自殺行為に等しいです。4月に訪中した河野洋平元衆院議長との会談で、汪氏が「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と発言した際には、国内のネット上で「売国奴」「切腹しろ」などと批判を浴びました。

それに二つ目は、中国にとって、これを抜本的に変える改革はなく、一時しのぎの改革しかできないという不安定要因があります。これについては、このブログにも掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
中国人民銀、短期金利上昇通じ無秩序な貸出に警告―【私の論評】我々は、中国金融シスタムの崩壊の序曲を見ているのかもしれない!金がなくなりつつある中国の官僚不正マネーの熱銭取り込みという改革は本当に効果があるのか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の不動産バブルの実質的な崩壊、さらに、日本の包括的金融緩和を引き金として、中国には、海外から熱銭があまり入り込まなくなってしまいました。熱銭とは、中国の官僚・富裕層などが、蓄えた金を海外に移しているのですが、そのお金を中国投資するため、中国に再度入れるお金のことをいいますが、その金は膨大で、これが中国の発展を支えてきました。

しかし、これがあまり入らなくなってきたのです。それは、当然のことです。不動産バブルは、実質上はじけていますし、投資が一巡して、ただでさえ、投資先が少ないのに、それにくわえて日本の包括的金融緩和により、元高傾向になり、元高を是正しようとして、中国人民銀行が、金融緩和をすれば、こんどはハイパーインフレがおこりそうです。こんな状況の現在の中国には投資先として目ぼしいものがありません。これでは、熱銭が入り込む余地はなく、実際に中国では熱銭不足で、ごく最近では、短期資金が不足するありさまです。これに関しては、中国人民銀行が、かなり資金を注入したので、解消はしたものの、これもいつまでもつかもわかりません。

これに対する対策として、目ぼしいものは、何と海外に流れた不正マネーの取り込みです。李克強首相の主導で上海に「自由貿易区」が9月に設置されましたが、大幅に規制が撤廃された同区の進出企業234社のうち外資は21社に過ぎず、大半は国有企業です。

党中央が国家全体の予算と金融を支配し、地方政府と国有企業に資金を配分、党官僚が支配する地方政府や国有企業がそのカネを投資して、開発や生産に関与して収益を上げるというシステムの中での、自由ビジネス特区であり、主要プレーヤーは党官僚なのです。

党官僚は「市場重視の改革」、すなわち経済自由化で利権拡張の機会を得るので、不正資金は今後さらに膨張します。不正資金は、香港経由などで海外にいったん移されたあと、「外資」を装って還流します。大半は投機的で「熱銭」と呼ばれ、規模は半端ではありません。

こんなことが、いつまでも続けられるはずがありません。いずれ、中国の金融システムは、熱銭切れで、崩壊することでしょう。

3つ目としては、あいかわらず、暴動の数が多くて半端ではないということがあります。中国では、元々暴動が多く、建国以来2万件といわれていましたが、2010年以降は、さらに増えて、年平均8万件とされています。そうして、最近では、法輪功だけではなく、さまざまな新興宗教が生まれていて、中国の新興宗教の数は数百といわれています。この状況は、過去中国では、統一された大帝国が、崩壊するということが何度となく繰り返されてきましたが、その末期の姿に良く似た状況で。

この状況で、大規模な反日デモを行ったとすれば、その反日デモがいつの間にか、反政府デモに変わって、それこそ、内乱にまで発展する可能性も大です。こんな状況では、とても、昨年までのような、大規模な官製反日デモなどできる状況ではありません。やれば、大変なことになる可能性が高いです。

中国の暴動、中国では日々数百件の暴動が発生している

さらに、4つ目として、中国の幹部は安部総理にキリキリ舞させられているということです。中国の習近平をはじめとする、中国の幹部にとって、安部総理の行動は、過去のどの日本の総理大臣とも異なり、予想もつかず、その真意を汲み取ることが難しいのです。これは、安倍第一次内閣と比較してもそうなので、中国の幹部の焦燥感は相当なものになっています。

これに対するイラツキの表明が、されている記事があります。以下は、ある中国のサイトの記事です。
日本の高官の訪中パフォーマンスにあきれる中国
これも、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の最後の部分のみ掲載させていただきます。
安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている。そうなれば中国は疲労困憊し、馬鹿げて見えることだろう。中国の正確な手法は「傍観者」になることだ。せいぜい安倍政権には踊らせておこうじゃないか。我々はひまわりの種をつまみながらお茶を飲み、彼らが踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しめば良いのだ。 
中日の外交対立は、徐々にこのような情勢に向かいつつある。安倍首相は就任以来、中国に対して数えきれないほどさまざまな、硬軟織り交ぜた呼びかけをした。中国の指導者は一言もこれに応じず、中国側の回答はすべて外交部の報道官が代わりに行った。表面的には日本側が絶えず積極的に攻めに出ているように見えるが、実際には中国側はこれを静観し日本に対する心理的な強みを蓄積している。これは中日の外交対立にとって有利であり、中国社会の対日心理の調整にとっても極めて重要である。
安部総理は、安全保障のダイヤモンドを標榜し、総理大臣に就任して以来、周辺諸国を歴訪し、着々と対中国包囲網を築いています。そうして、従来の総理大臣のように、自ら中国に訪問するようなことはしません。安部総理は、中国に対しては、ノータッチのタッチを決め込んでいるようです。へたに関われば、厄介なだけです。これは、正しい選択です。中国が折れなければ、これを続けるべきですし、その極めつけは、靖国参拝です。中国が何を言おうともそんなことは全くお構いなしというノータッチのタッチでじわりじわりと、中国を孤立化させています。

安部首相のステップにあわせて、踊っているのは中国か?

上の記事では、「安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている」としていますが、まさにその状況になっています。また、「安倍首相は就任以来、中国に対して数えきれないほどさまざまな、硬軟織り交ぜた呼びかけをした。中国の指導者は一言もこれに応じず、中国側の回答はすべて外交部の報道官が代わりに行った」としていますが、安部総理の中国に対する姿勢も、これと同じです。これだけ中国をキリキリ舞いさせた日本の首相は、安部総理がはじめだと思います。

習近平が、中国経済を立て直すためには対日関係を改善しなければならないのですが、国内向けには、日本を悪者に仕立て、人民の憎悪を日本向させるため、対日強硬のポーズを取らざるをえません。しかし、それも最近では、習氏は現在まさに、「進むも地獄、退くも地獄」の政権運営を強いられているのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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