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2017年2月5日日曜日

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱―【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱

アパホテルに向けて行進する在日支那人の団体=5日午後、東京都新宿区
ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、支那当局が猛反発している問題で、日本在住の支那人らが5日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

 デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している支那人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。約300人(主催者発表)の参加者が午後3時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。「中日友好」「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

 デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。「JAPANが好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。

 デモを主催した来日10年になるという支那人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。今回声を上げたのは勇気ある支那人だ」などとコメント。年齢や名前などは明らかにしなかった。

【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

アパホテルに向けて行進する支那人団体
この在日支那人らによるデモは、あっけないほどに淡々としたものだったようです。このデモには支那政府が関与しているものと考えられますが、さすがに支那政府にも最近の世論調査の内容が影響しているものと考えられます。

内閣府が昨年3月12日付で発表した「外交に関する世論調査」によると、支那に「親しみを感じない」と答えた人が前年比0.1ポイント増の83.2%に達し、昭和53年以降で過去最高となりました。やはり、尖閣諸島(沖縄県石垣市)など東シナ海での高圧的な海洋進出、南シナ海での傍若無人な振る舞いなどを背景に支那への不信感は頂点に達しています。

主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
また、習近平が主席になって以来、支那国内では反日デモがほとんど起こらなくなりましたが、なぜそのようなことになったかといえば、反日デモを放置しておくとほとんどの場合いつの間にか反政府デモになってしまうという現象が続いたからです。

いわゆる支那の反日デモ多くは、官製デモであることが多かったのですが、官製デモにも多くの一般人民が参加して、加熱するといつの間にか反政府デモになってしまうという現象も続きました。そのため、政府がいわゆる反日デモ規制したため、反日デモが影を潜めてしまったのです。

2010年より以前には、支那国内にはかなり多くの反日サイトがありましたが、これも放置しおくと、いつの間にか反政府的書き込みが増え、反政府サイトのようになってしまうという現象が続いたにので、2010年以降から政府が規制するようになったので、現在支那にはいわゆる反日サイトがなくなってしまいしまた。

日本在住の支那人による北京オリンピックの聖火リレー応援
これは、国威発揚のため支那政府が行ったもの
支那政府としても、北京オリンピックの長野での聖火リレー応援のような、大量の人員を集合させ、支那の旗を大勢が振り回すようなことをすれば、日本国民の支那に対する感情がさらに悪化するおそれがあることと、日本国内でも大掛かりなデモをすれば、これがいつの間にか反支那政府デモになってしまうことも恐れたのだと思います。

日本などの外国で支那人が反政府デモを行えば、支那の威信にも大きく傷がつく可能性もあります。それを支那政府がおそれたため、あまり過激なものにはしなかったのでしょう。

しかし、たとえそうであったとしても、支那人による「アパホテル抗議デモ」を 容認した警察、法務省や関係各省を我々日本人は平然と見過ごしてはいけないです。 ここは「日本国」です。 反日プロパガンダによるデモを 公然と許すべきではないのです。 

今回このデモを主催した「中日民間友好委員会」なる団体は、デモの届けをして許可されているのです(下写真が許可書)。これは外国人主導による、一企業へのデモが許可されたということです。このような前例が出来たら、今後恐ろしいことになる可能性もあります。


それにしても、警察はなぜ許可したのでしょう。本来許可すべきではないのでしょうが、 今回の許可によって、国内に潜む危ない支那人、及びそのシンパの日本人をおびき寄せて顔写真付きのリスト化ができます。おそらく公安警察はこのチャンスを捉えてそのようなことを密かに行っているものと思います。それに、支那人の危険性を日本人に啓蒙する事にもなると思います。

1民間企業の経営者の書いた書籍がその経営者の経営しているホテルに置かれていることを問題だとして、仮に一国の政府が批判し、それに加えてこのようなデモも開催するというのですから、本当に支那は狂っています。

日本をはじめとする、まともな先進国ではさすがにここまでのことはしません。やはり、支那は常識が欠けているのです。本来外国の一民間企業の行動などコントロールすべきではないし、そもそもしようと思ってもできません。

支那政府はコントロールしてはならないものをコントロールしたことによって過去に何度も失敗しています。それについては、以前このブログにも掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】支那 止まらぬ資金流出、人民元の下落 習政権の慢心が自滅招く―【私の論評】行き着く先は超元安とハイパーインフレしかない支那経済(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より以下に一部を引用します。
支那政府は、農民から収奪した土地を工業団地や商業地などに転換して不動産バブルを演出したにもかかわらず、供給が需要を大きく上回ってマンションやショッピングセンターが「鬼城(ゴーストタウン)」だらけになってしまいました。そこで習近平政権は投機の受け皿を不動産から株にシフトし、株投資を煽って株高に誘導しました。不動産の次は株の官製バブルを演出しました。
ところが、それは元々政府のやるべき仕事ではありません。株価は、将来得られるであろう企業収益の現在価値です。本来企業の業績が良くならない限り、株価は上がらないのです。その本質を支那政府は理解せず、株式市場にカネを突っ込んで、なりふり構わぬPKO(株価維持策)を続けました。しかし、支那企業の業績は伸びていないのですから、当然の結果として株価は2015年夏から下落し始めました。
すると今度は大量保有株主の株式売却を半年間禁止し、違法売買の摘発を強化しはじめました。しかし、株価が下がっている時に株を売れないことほど株主にとってストレスになることはありません。そのため、大量保有株主の株式売却解禁と同時に株価は大幅に下落しました。株価の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」制度を新設後5日間で2回も発動したのですが、それがまた呼び水となって、さらに株価は下落するという悪循環に陥ってしまいました。
突然の株価下落で唖然とする上海市民
これら一連の動きから、世界中から支那政府は資本主義経済を全く理解してないという事実が露呈ししてしまったので、現在世界中がある種のパニック状態に陥っています。支那政府は欧洲がやっているような感じのつもりで上へ下へと支那経済をコントロールしようとしてきたつもりなのですが、いまやヨーヨーの紐が伸びきったように何をもってしてもコントロール不能になってしまったのです。
考えてみれば、そもそも、南シナ海を埋め立てて支那の軍事基地にするという発想も、領土問題など存在しないのに日本の固有の領土である尖閣諸島を自国の領土であると主張したりすることも、本来コントロールしてはならいないものをコントロールしようとしているということです。

アパホテルに対する批判もこれと同じです。しかし、懲りない支那です。これからも、コントロールしてはならないものをコントロールしようとして、何度も失敗して反省することもなく、やがて衰えて消えていくのでしょう。

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2016年11月28日月曜日

韓国のデモが「民主主義の成熟」扱い&日本批判に繋がる怪―【私の論評】韓国礼賛メデイアは、さらに恥の上塗りをするだけに終わる(゚д゚)!

韓国のデモが「民主主義の成熟」扱い&日本批判に繋がる怪

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 支持率が4%を下回る異常事態となっている朴槿恵大統領の退陣を求めて、韓国では連日、退陣要求デモが行われている。その様子を、日本のメディアはワイドショーも含めて盛んに報道しているが、その様子を奇妙な論調で称賛する人たちがいる。なぜ、その称賛の論拠が妙なのか、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

 * * *

 韓国で毎週のように朴槿恵大統領退陣要求デモが発生しているが、これを機に妙な発言をする者がネットに多数登場した。それは簡単に言うと「韓国は民主主義が成熟している」という意見で、「羨ましい」という声まであった。

 どれだけ日本で抑圧された生活をしているのかはわからないが、4週目は126万人参加ともいわれるデモを考えれば、民主主義が足りないため人々が怒っていると解釈するのが妥当で、「デモに大勢が集まる=民主主義が成熟している」と考えるのは大間違いである。

 こうした発言をしている人たちは、いわゆる「リベラル」の側の人々で、ツイッターを見ると昨年の国会前安保法制デモを礼賛し、米大統領選前日のTPP反対デモも礼賛している人々とかぶる。

 当然デモをする権利は民主主義では認められており、かつての薬害エイズ問題等の隠れたイシューを浮かび上がらせる効果はあるだけに、必要とあらばデモはした方がいい。しかしながら、デモに大人数が参加するのを見て「羨ましい」というのは常軌を逸している。それだけの人間が国家に対し不満を持っている状況は、民主主義が機能しているとは言わない。

朴槿恵大統領の辞任要求デモに何故か巨大な慰安婦像
が登場?これと反日とは無関係なはずでは・・・・・・
 翻って日本のデモの状況を見ると、安保法制デモには最大で12万人が集まったというが、この時もリベラルの人々はこの成果を誇った。だが、人口が日本の半分以下である韓国の126万人デモとはまったくレベルの違う話である。それだけ日本国民が現在の政権運営にさほどの不満を持っていないことの表われで、民主主義が機能していると言えよう。

 デモについてはリベラル派は完全にダブルスタンダードになっている。「アラブの春」は民主化運動の代表例ではあるが、この時の解釈は「ついにアフリカ・中東でも民主主義を求める市民の思いが噴出した」とある。これは正しい解釈である。ならば、今回の韓国のデモも同様に解釈すべきなのだ。

 それなのに「羨ましい」「すごい」と絶賛し、そこから「それにひきかえ日本は……」と日本批判に繋げる。要するに安倍政権が独裁政権で、国民はそこに飼い慣らされて黙り込んでいると言いたいわけだ。さらには今回朴氏を操る崔順実被告の存在が明らかになったが、これをリベラル派の皆さまは「韓国のマスコミと検察は機能している」と言い放つ。

 いえいえ、ここまで放置していたマスコミと検察が機能しているわけないでしょ……と考えるべきだが、ネットの一部ではとかく韓国についてはホメたがる勢力が存在する。

 彼らが、正直なぜここまで韓国を礼賛するのかがよくわからないのだ。韓国は羨ましがるほどの国なのか。「ヘル朝鮮」という言葉が韓国の若者の間でちょっとしたブームになったというが、超学歴社会でありながらコネが幅を利かせ、大財閥が国の経済の実権を握る遅れた民主主義国家である。若者が不満を持つ気持ちはわかる。

 しかしながら、日本のリベラルはなぜかここでツイッターで「#ヘル日本」というハッシュタグをつけて日本批判を展開する。う~ん、皆さん、韓国に移住すれば?

なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2016年12月9日号

【私の論評】韓国礼賛メデイアは、さらに恥の上塗りをするだけに終わる(゚д゚)!

上の中川淳一郎氏の主張は正しいです。ただし、多少筋が通らないとこもありますので、本日は、以下にそれを掲載します。

このブログでは、日本のメディアによる韓国での朴槿恵大統領辞任要求デモの報道はメディアが、馬鹿なのかあるいは北朝鮮のスパイであるかのいずれかであると断定しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【痛快!テキサス親父】韓国の大規模集会、親北朝鮮勢力のにおいプンプンしてくるぜ 統一プラカードに同じ言葉―【私の論評】単純に朴槿恵辞任が正義と語る奴らは、北朝鮮スパイか馬鹿のいずれか(゚д゚)!
朴槿恵退陣」のプラカードを手にソウルのデモに集まった人々
中川淳一郎氏の上の記事で筋の通らないところは、この記事をご覧いただければ、良くご理解いただけるものと思います。

この記事では、以下のようなことを掲載しました。

まずは、西岡力氏の主張です。
第1に大規模なデモを主催している勢力が過激な親北反体制派であることがほとんど伝えられていない。 
第2に半島全体の政治スペクトラム(各政治勢力の配置)の中で事件を位置づける見方がほとんどない。 
その結果、韓国の自由民主主義体制が重大な危機を迎えているという事態の本質が分からない。
このような主張が、中川氏には全くみられません。韓国が昔から、北朝鮮からのありとあらゆる勢力による浸透に悩まされ続けてきたのは、周知の事実です。

中川氏は、"デモについてはリベラル派は完全にダブルスタンダードになっている。「アラブの春」は民主化運動の代表例ではあるが、この時の解釈は「ついにアフリカ・中東でも民主主義を求める市民の思いが噴出した」とある。これは正しい解釈である。ならば、今回の韓国のデモも同様に解釈すべきなのだ"としていますが、これは、正しい部分もあり、正しくない部分もあります。

正しくない部分としては、このデモ自体がまずは、親北朝鮮勢力により始められたものであり、「民主主義を求める市民の思いの噴出」を利用して、あのような大規模なデモになっているということです。

無論、確かにデモの参加者の中には「民主主義を求める市民」も大勢参加してはいるでしょうが、この市民たちは、親北朝鮮勢力に扇動されているという意識が希薄なようです。

そうして、この記事では以下のようなことも主張しました。
朴槿恵大統領のスキャンダルのみならず、韓国の歴代大統領の多くは任期途中や退任後に、亡命や暗殺、投獄、自殺など過酷な運命にさらされています。

とにかく、大統領をめぐっては何度も問題がおこつているわけです。であれば、大統領制によ統治のシステムに何か根本的な問題がはるはずです。このように、何度も同じような問題が発生するということは、最早朴槿恵氏個人の倫理的な問題ではなく、システムの問題であり、このシステムを変えないかぎり、これからも何度も同じことが発生し、問題の根本的解決にはなりません。

だから、統治のシステムの改善・改革が必要であるというのが私の主張でした。そうして、大統領制による統治のシステムを些細に分析すれば、当然のことながら、西岡氏の主張するような問題も明らかになり、それに対処することにもなったはずです。
しかしながら、この視点を全く捨て去ったとしても、中川氏が主張するような問題が日本のリベラル・左派に存在することは確かです。

この点でも全く日本のリベラル・左派は馬鹿で愚鈍なのですが、親北朝鮮による一般市民への扇動や、韓国に親北朝鮮政権が出来た場合の危機や、大統領制による統治の欠陥による危機などには、全く気づかずに、中川氏が語るように、「韓国は民主主義が成熟している」という意見で、「羨ましい」という声まで出る始末では、もう何というか認知症のレベルなのではないでしょうか。

彼らの脳内には、何らかの問題があって、物事をそのようにしか解釈できないというのですから、本来は、病院に行って治療を受けるべきでしょう。

若いうちはまだ良いのでしょうが、現在の鳥越さんくらいの年齢になったあたりから、かなり酷い症状がでてくることが懸念されます。もう、正常な人の愚鈍のレベルを超えているのではないかと思います。

認知症の症状
日本のテレビ局はこのような人にコメントなどさせておいて良いのでしょうか。まあ、それで良いのかもしれません。「ヒラリー・クリントンが絶対優勢」とか、「トランプは、馬鹿な奴で大統領にはなれない」というような、日本のメディアを信じこんで見ていた多くの視聴者は完璧に裏切られました。

現在の韓国報道に対しても、多くの人がそもそも視聴しないか、視聴したとしてもかなり距離を置いて視聴していることでしょう。

日本のメディアは最近の韓国報道でさらに、恥の上塗りをするだけです。

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2015年9月19日土曜日

【相撲俵論】デモも景気も祭典も「祖国があってこそ」元小結・舞の海秀平
―【私の論評】私たちは、安保法案反対派や、かつての日本画壇のように、閉鎖空間の住人になってはいけない(゚д゚)!

【相撲俵論】デモも景気も祭典も「祖国があってこそ」元小結・舞の海秀平

舞の海秀平氏 写真はブログ管理人挿入以下同じ

今回はどうしても相撲のことを書く気になれない。

テレビの天気図には、初めて耳にする線状降水帯が居座っていた。早く太平洋側にそれてくれないかと、手で払いのけたくなる。

暴れ出した川は堤防を決壊し、民家や田畑を飲み込んでいった。津波よ、雨よ。まだ復興を遂げていない東北を、そして東日本を沈める気か。

現場には勇敢に自然災害に立ち向かい、次から次に命を救う自衛隊員の姿があった。

男性がしがみつく電信柱にもう少し踏ん張ってくれと祈る。男女がそれぞれ抱えた2匹の犬には、ヘリコプターに乗り込むまで大人しく抱かれていてくれと手を合わせた。

クリックすると拡大します
強風で苦戦しながらも必死に助け出す隊員を見ていると、「いとしきニッポン」(石井英夫著、清流出版)の最終章「祖国」で引かれた画家藤田嗣治(つぐはる)のエピソードを思い出した。

彼は戦時下に戦争画を描いたことで「戦争協力者」として、戦後になって画家仲間からの非難を浴びた。人が無数に重なり合って刺し合ったり打ち合ったりする絵を見たことがある。

実際は国民の戦意をあおるものではなく、戦争の恐ろしさを伝える、むしろ“反戦画”だったのではないか。

藤田嗣治画伯

藤田は追われるように日本を離れ、パリに移住。再び祖国の地を踏むことはなかった。

「祖国を捨てたのではない。祖国に捨てられたのだ」と夫人は聞いた。もっとも、繰り返し聞く音楽、普段口にする食事は日本のものばかりだったという。

のちに手記で戦争にまつわる絵を描いた理由について語っている。

「この恐ろしい危機に接して、わが国のため、祖国のため子孫のために戦わぬものがあったろうか。平和になってから自分の仕事をすればいい。戦争になったこの際は、自己の職業をよりよく戦争のために努力して然るべきものだと思った」

言葉を失い、ひれ伏すしかない。

いま、事が起これば存在自体を“違憲”とされがちな自衛隊に頼るしかなくなる。災害だけに限ったことではない。有事が起きたとき、海外で同胞が命の危機にあってもこのままでは黙って見ているしかない。

自衛隊がここまでしてくれたら救えたのにと悔やむのか、自衛隊がここまでしてくれたからこそ救えたと感謝するのか。

デモで声を張り上げるのも、景気対策も、スポーツの祭典も「全ては祖国があってこそ」。藤田はこうも語っている。「何んとでも口は重宝に理屈をつけるが、真の愛情も真の熱情も無い者に何ができるものか」と。(元小結 舞の海秀平)

【私の論評】私たちは、安保法案反対派や、かつての日本画壇のように、閉鎖空間の住人になってはいけない(゚д゚)!

舞の海氏の主張は、正しいです。本当に重要な事柄に関しては、意外と専門家などよりも、他の道で精進した方のほうが正鵠を射た発言をするものです。

その道の専門家であるはずの日本の主流派の憲法学者などは、一つの信条に凝り固まって、少数派の京都学派の「憲法9条は、国際紛争の解決の手段として、武力を行使することは禁じているが、自衛のための武力行使まで禁ずるものではない」という解釈など完璧に無視して、自分たちの考えだけが正しいものとして、安保法案は「違憲」と断定しました。

のみならず、安保法案の違憲、合憲など本来司法が判断すべきものであるにもかかわらず、「違憲」とはっきり断定してしまっています。本来なら、「自分の立場からは違憲の疑いがある」程度の表現にすべきでした。これは、言葉遣いの間違いの次元です。

これにより、日本の主流派の憲法学者らは、安全保障の話をするには不適格であることを暴露ししまったと思います。

舞の海氏の「全ては祖国があってこそ」との指摘は正しいです。憲法は祖国があってこそであり、祖国は憲法があってこそなど全くありえず、本末転倒です。日本の憲法学者らは、憲法を完璧に正しいものとして、そこから現実をみて、現実が正しい、間違いというとんでもない認識を持っています。

本来の憲法学とは、憲法の解釈や適用および憲法上の諸現象を研究する学問です。法学の一分野として、国家の組織及び作用に関する基礎法を研究することを目的としています。現在の日本の主流の憲法学者らは、人間のつくった憲法典をあたかも経典のように、絶対善であるかのごとくにみなして、それに即しているかいないかだけを研究するという態度です。これでは、とても学問と呼べるような代物ではありません。

こういう人たちに、安全保障の問題など語る資格はありません。

本来語る資格のある人たちは、北朝鮮による拉致被害者やその家族や、イラクに派遣された自衛隊員の方々だと思います。実際に、過去の安保の瑕疵等により、被害あわれた方々の意見を聴くべきです。国会で、国会議員や識者などの意見ばかり聴いて、当事者の意見も聴かないというのは全くバランスを欠いています。

そうして、今回の戦争抑止法案を「戦争反対」などと語る方々は、以下の二点を無視しています。

まずは、日本はすでに集団的自衛権を発動しているという事実です。日本にアメリカ軍の基地がある、日本がアメリカにアメリカ軍の基地を提供しているということは、集団的自衛権の発動にほかなりません。

NATOは、集団的自衛権の良い事例です。NATOの条約を締結してる国々が、NATOの指揮下で、ある国の軍隊を他国に駐留させたり、ある国の軍隊が、他国の国の陸上や、領解、領空を通過させることができます。もし、NATOに加盟していない国に対してそのようなことはできません。これを考えれば、日本はすでに集団的自衛権を行使しているし、日本意外の国々はそうみなすのが当然です。

集団的自衛権を完璧に否定するということになれば、アメリカ軍は日本から撤退しなければならなくなります。そうなると、現状と同程度のの安全保障を実現するだけでも、防衛費は10倍以上になるとされています。そんなことは、とても今すぐ実現できるものではありません。

それに、国連憲章のからみもあります。国連憲章では、どの国にも自衛権を認めています。この自衛権は、個別的自衛権と、集団的自衛権の両方を含んでいます。

そうして、国連に加盟している国々に対する義務も定めてあります。もし、戦争が発生した場合、過去の国際連盟のようにただ呼びかけるだけではなく、現実に力で抑えて、平和を守るために加盟国に義務が課されています。

どのような義務かといえば、国連に加盟した国々は、空軍の待機部隊を保持して、戦争が始まった場合世界のどこへ飛んでいけるようにしなさいと明記されています。

この空軍の待機部隊持ってる国というのは、実はごく少ないです。しかし、この日本のように、自衛権を個別的と、集団的とで分けて、過去においては、個別的自衛権だけやってたから、集団的自衛権は認められないというならば、これは本来は、国連の加盟国としての資格がありません。

そもそも、憲法解釈による集団的自衛権の行使を含む安保法制を成立させるべきではないとする方々は、米軍の速やかな撤退と、国際連盟から脱退をする覚悟があって語っているのかはなはだ疑問です。

さて前の海氏は、ブログ包頭の記事で「人が無数に重なり合って刺し合ったり打ち合ったりする絵を見たことがある」と指摘しています。その絵とはおそらく以下のものだと思います。

藤田嗣治作『サイパン島同胞臣節を全うす』
以下では、藤田嗣治とこの絵について掲載します。

戦前のパリで活躍し,乳白色の柔らかな肌の女性ヌード画や子供の柔和な絵で国際的に有名な画家です。

第二次大戦中,日本の軍部は戦地に画家を派遣して国威発揚,戦意高揚のための戦争画を描かせたことは有名です。当時活躍していた有名・無名画家のほとんどがこれに参加し,その中心的な役割を果たしたのが藤田嗣治でした。

そして日本は敗戦を迎えましたが、美術界はGHQの追及を恐れて、「全て藤田がしたことです。私たちは藤田に騙されて絵を書いただけです。悪いのは藤田です」と彼一人に戦争責任を負わせ(実際にはGHQが画家個人の責任を追求したことはなかったが)、自分たちの責任はなかったことにしたのです。

それまで、「私にも戦争画を描かせてください」と藤田に取り入って阿諛追従した画家たちは一夜にして態度を変えたといいます。まさに、「鬼畜米英」から「強くて優しいマッカーサー」の大転換です。これ以後、藤田はそんな日本画壇に嫌気が刺したのか、日本を離れてフランスに帰化し、二度と帰ることはありませんでした。

しかし,戦争翼賛画家の藤田は実は戦争を賛美した絵を描いていなかったのです。それが『サイパン島同胞臣節を全うす』です。この絵画では「バンザイクリフ」に追い詰められ、自決していった日本人の最後の悲惨な姿が描かれています。最後のなけなしの抵抗をする男たち、死ぬ前に赤ん坊に最後の乳を飲ませる母親、小刀で自分の喉をかき切ろうとしている女たち、死化粧にと髪を櫛り最後の身支度をする女たち、そして断崖絶壁から次々に身を投じる女たちの姿が、恐ろしいばかりの迫真性と迫力で描かれています。

しかも藤田は、終戦後もこの絵に、何かに取り憑かれたように筆を入れていたといいます。その結果として生まれた絵には血の匂いと死臭が漂い、絶望と暴力と苛烈な死が生々しく描き尽くされています。

これは絶対に「戦争賛美画」ではありません。これは戦争という暴力と惨禍を容赦なく抉り出した傑作であり、戦争という人類最大の愚行を告発する絵です。軍部翼賛体制に組み込まれたはずの藤田嗣治が、画家の目で戦場を観察し、その本質を抉り出して白日のもとにさらけ出してしまったのです。

戦争を賛美し、戦意高揚のために絵を描いたはずだったのに、絵描きとしての本能がその裏に隠されている死臭を嗅ぎ分け、戦争の愚かしさと醜さを無意識のうちに描いてしまったのだと思います。それは、軍部からの命令でもなければ、犠牲者の追悼でもなければ、悲劇の告発でもありません。画家の本能に従って止むに止まれずに描いたものだろうと思います。

これぞ畢生の大作であり一世一代の傑作です。恐らく、これに匹敵する戦争画はゴヤの『1808年5月3日』と版画集『戦争の惨禍』くらいしかないと思います。もしも藤田嗣治の作品がこれ一枚しか残っていなかったとしても、彼の名は不朽の画家として記憶されるべきです。

また、藤田嗣治の戦争画を他にもみたことがありますが、『サイパン島同胞臣節を全うす』のような作品化、他のものも戦争を鼓舞するようなものではありませんでした。他のものは、戦争画だというのに、静的であり、穏やかでありとても戦争を彷彿とされるものではありませんでした。

藤田嗣治は、戦争画を描いた動機について、ブログ冒頭の記事で以下のように語っています。

「この恐ろしい危機に接して、わが国のため、祖国のため子孫のために戦わぬものがあったろうか。平和になってから自分の仕事をすればいい。戦争になったこの際は、自己の職業をよりよく戦争のために努力して然るべきものだと思った」

藤田嗣治は戦争について、日本がどうの米国がどうのという次元ではなく、無論かつての日本画壇とも異なる、開かれた空間における人類の愚かさという次元で捉えていたものと思います。

私は、大東亜戦争に関して、日本だけが悪いなどという考えは成り立たないと思います。参加したすべての国々に、落ち度があります。無論日本にも落ち度があります。

ここでは、その落ち度について詳しくは述べませんが、あの戦争に関して日本だけが責められるということでは著しく公平性に欠けると思います。

しかし、当時のすべての国々に落ち度があったことを無視して、当時の日本が悪の権化で、好戦的であり、その悪玉精神が今も残っており、また戦争できるようにするために、安倍自民党が戦争法案を通そうとしているなどの考えにどう考えても同調することはできません。

藤田嗣治が現在存命していたとしたら、無論のこと安保法案には賛成の立場をとったものと思います。彼がフランスから舞い戻って今の日本の状況をみたとしたら、安保法制に反対する愚かな人々を見て、かつて彼を「戦争協力者」として排斥した、日本画壇の人々を見るようで、嫌気がさし、やはりフランスに舞い戻ったことでしょう。

当時の日本画壇も、今の安保法案に反対の人々も、藤田の傑作絵画のように、開かれた意味での、人類共通の愚かさに立脚するものではなく、閉鎖空間における自分たちの理屈のみを絶対視する愚かな集団に過ぎないことを看破したと思います。

そうして、この愚かな集団は、当時の閉鎖空間にの住人であった日本画壇が、藤田嗣治を放逐したような行為を、彼らが閉鎖空間から出ない限り、繰り返すであろうことを予言したと思います。



実際に、閉鎖空間に住み、自分たちの考えだけが正しいという人々は、必ずといっていいほど、分裂し最終的に争いをはじめてとんでもないことをするか、とんでもない状況に追い込まれています。それは、過去の過激派などを見ていても理解できます。

それにしても、当時の日本画壇が藤田嗣治のみを放逐したということで、他に犠牲者が多数出なかったことは幸いといえば、幸いだったと思います。おそらく、藤田嗣治という人がいなければ、犠牲者はもっと多かったかもしれません。

安保法制でも、デモで声を張り上げるのも、景気対策も、スポーツの祭典も「全ては祖国があってこそ」だからこそ、我々は自分だけが正しいという、閉鎖空間の住人になってはいけないし、閉鎖空間があるなら、それを打破するか、なききものにしていく必要があるのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年12月30日月曜日

中国、反日カード出尽くし? 連日批判もデモなし 国内安定優先―【私の論評】安倍総理にキリキリ舞させられて、進むも地獄、退くも地獄の政権運営を強いられている習近平が反日できない、いくつもの理由(゚д゚)!

中国、反日カード出尽くし? 連日批判もデモなし 国内安定優先

4日前の北京市内 スモッグでデモどころではない?

【北京=矢板明夫】安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国の政府要人は連日のように厳しい批判談話を発表し、日本に対する強い姿勢を示している。しかし、具体的な報復措置は発表されておらず、各地の活動家が公安当局に申請した反日デモはすべて却下されたという。共産党関係者は「前最高指導部メンバーの汚職疑惑を抱えている習近平指導部はいま、国内の安定を最優先にしている。対日カードもそのほとんどを使ってしまっており、有効な手段が取れずに困っている」と理由を指摘している。

安倍首相の参拝を受けて、中国政府高官は次々と日本批判を展開した。「日本側は引き起こされる結果を引き受けなければならない」(羅照輝・外務省アジア局長)、「日本が引き続き対立を激化させるなら中国も最後まで相手をする」(王毅外相)、「安倍首相は自らの過ちを正さなければ歴史の失敗者になる」(楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員)。いずれの発言も対抗措置を強く示唆するものといえる。

北京の日中関係者の間では、安倍首相が参拝した26日中にも、程永華駐日大使の召還を含め、経済制裁が発表されるといった観測が浮上した。しかし、29日夕の段階で具体的な制裁措置などは実施されていない。

中国外務省関係者は「駐日大使を一時帰国させる案があったが、一度帰国させると、日本に戻すタイミングがなかなか見当たらないため、慎重論が強い」と話す。また、2010年秋の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で発生した中国漁船衝突事件を受けて、中国はレアアースの対日輸出を減らすなど経済制裁を実施したが、結果として中国側が受けたダメージの方が大きく、今回は経済制裁を実施しない可能性が高いという。

さらに、首脳会談や閣僚級交流は、尖閣諸島が国有化された昨年9月以降、すでに停止している状態で、これ以上の措置は取れないという。

尖閣国有化の際は中国全土で反日デモが展開され、日本への「圧力」となった。しかし、周永康前政治局常務委員の汚職疑惑への捜査が大詰めを迎えている現在は、党内の権力闘争が激化している。周永康氏の支持者が反日デモを利用して反発する可能性もあり、「党指導部はこの時期の反日デモには否定的だ」(共産党筋)という。

中国共産党の機関紙、人民日報傘下の環球時報は、日本への対抗措置として安倍首相らを「中国で歓迎を受けない人物」のブラックリストに入れ、5年間入国禁止にするなどの措置を取るよう提案する社説を掲載した。党指導部内に存在する意見の一部との見方もあるが、外務省関係者の間では「自分で手足を縛るようなものだ」と反対論が強い。

【私の論評】安倍総理にキリキリ舞させられて、進むも地獄、退くも地獄の政権運営を強いられている習近平が反日できない、いくつもの理由(゚д゚)!

28日、習近平国家主席が北京市内の肉まん屋に現れ、自ら肉まんなどの
買い物をしたあと、市民に交じって店内で食事をした。28日、習近平国家
主席が北京市内の肉まん屋に現れ、自ら肉まんなどの買い物をしたあと、
市民に交じって店内で食事をした。
北京では、28日、習近平国家主席が北京市内の肉饅屋で買い物をして、それを店内で食べるというパフォーマンスをしました。本来だとこんなことをしている場合じゃないはずです。安倍首相の安国参拝に対する報復措置をやつぎばやに出しているはずです。そんなこともせず、こんなパフォーマンスをやっているのには、それはそれなりの背景があります。

中国が昨年のように、大規模な反日大規模官製デモができないのには、いくつかの理由があります。そもそも、中国の反日大規模デモは、ほとんどが官主導によるものです。昨年のデモは、習近平が指揮したものが多いです。それに関しては、このブログにも掲載したので、その記事のURLを以下に掲載します。
【中国の本性】習近平氏が反日デモを指揮? 尖閣巡り「習VS胡」激化―【私の論評】犯罪者が国家元首になる国家とはいかに?!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、昨年のあの反日デモは、まだ主席になる前の習近平だったのです。以下に、この記事の要点のみ掲載させていただきます。

姿をくらまし2週間ぶりに公の場に姿を見せた習近平国家副主席される写真=2012年9月15日 
詳細は、元の記事をご覧いただくものとして。上記の記事の要点は、一番最後の、「習近平氏は、反日デモと尖閣強奪作戦を指揮していたようなのだ」。というところです。これに関しては、私は、多いにありそうなことだと思います。 
以前からこのブログには、反日デモは「官製デモ」であり、中国共産党内部の内部抗争であり、国家によるものということを掲載してきました。そうして、熾烈な派閥抗争であることも掲載してきました。どんな形であれ、習近平が最初から絡んでいることは、明々白々であると考えていました。 
反日デモの期間に丁度、姿をくらましていたので、場合によっては、反習派に捕まって拉致監禁されていたのかと思っていましたが、その後何もなかったかのように姿をあらわしていました。この行方不明には、中国国内でも、日本国内でも様々な憶測が飛び交っていましたが、未だに決めてになる情報・報道はありません。であれば、上の記事の黄氏のように考えるのが妥当です。 
だから、上の記事を読んでも、「やっぱり」ということで少しも驚きませんでした。私としては、とにかく、今回の反日デモおよび尖閣上陸は、自分たちの覇権の強さをみせつけるためと、人民の目をそらせるためなどの複合的な理由から、どちらが、仕掛けたのはかはわかりませんが、間違いなく、習近平も絡んだ、熾烈な派閥抗争が背景にあることは、最初からわかっていました。
さて、習近平昨年は、大規模反日デモと尖閣上陸を指揮していたのに、本年は、安部総理が靖国参拝をしても、その数日後に、中華饅頭店に姿を表し、買い物をしてさらに中で食べるなどのパフォーマンスまでするというこの違いはどこからでてくるのでしょうか?上の記事では、反日カード出尽くしなどとしていますが、そんなことはありません。何かが変わらない限り、今回だって、反日デモを含む、大規模な反日キャンペーンをやっていたはずです。

このように変化した理由に関しては、いくつかの背景があります。

その一つ目としては、昨年までは日本が金融引締め政策ばかりやって、中国にとってはかなり有利だったのですが、それにうってかわり、今年は4月から日本は、異次元の包括的金融緩和政策を行っているという違いがあります。そうして、もともと、中国の経済は、不動産バブルの崩壊などで、低迷していたのが、日本の金融緩和によってとどめを刺されようとしています。

中国経済は、お尻に火がついているどころか、大火事になっています。日本の金融緩和に加えて、昨年の大規模官製反日デモにより、日本企業が中国からかなり引き揚げていて、これを引き戻さなければ中国経済は持たないので、習近平政権は焦っているのです。

実際、中国経済は対日関係の悪化もあり、火の車の状態です。7~9月期の国内総生産(GDP)実質成長率は前年同期比7・8%増でしたが、不動産開発などによる“力ずくの公共投資”で体裁を整えたのが実情でした。不動産市況が下落すれば、地方政府などがシャドーバンキング(影の金融)などから高利で調達した20兆元(約320兆円)以上の資金が、一気に不良債権化する可能性は否定できません。

対日関係の改善が死活問題といえる地方政府は、習政権の対日強硬外交を無視するかのように、今年夏ごろから日本企業向けの投資説明会を相次ぎ開催しました。こうした地方の声を受け、習政権は今年9月、中国最大の複合企業・中国中信集団(CITIC)の常振明会長ら「中国企業家代表団」の訪日を認めざるを得なかったのです。

とはいえ、権力基盤を固め切れていない習氏にとって、国内で「日本に降伏した」との印象を与えるのは、自殺行為に等しいです。4月に訪中した河野洋平元衆院議長との会談で、汪氏が「今日の中国の発展は、日本や日本企業の支援と協力に助けられたところが大きい」と発言した際には、国内のネット上で「売国奴」「切腹しろ」などと批判を浴びました。

それに二つ目は、中国にとって、これを抜本的に変える改革はなく、一時しのぎの改革しかできないという不安定要因があります。これについては、このブログにも掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
中国人民銀、短期金利上昇通じ無秩序な貸出に警告―【私の論評】我々は、中国金融シスタムの崩壊の序曲を見ているのかもしれない!金がなくなりつつある中国の官僚不正マネーの熱銭取り込みという改革は本当に効果があるのか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の不動産バブルの実質的な崩壊、さらに、日本の包括的金融緩和を引き金として、中国には、海外から熱銭があまり入り込まなくなってしまいました。熱銭とは、中国の官僚・富裕層などが、蓄えた金を海外に移しているのですが、そのお金を中国投資するため、中国に再度入れるお金のことをいいますが、その金は膨大で、これが中国の発展を支えてきました。

しかし、これがあまり入らなくなってきたのです。それは、当然のことです。不動産バブルは、実質上はじけていますし、投資が一巡して、ただでさえ、投資先が少ないのに、それにくわえて日本の包括的金融緩和により、元高傾向になり、元高を是正しようとして、中国人民銀行が、金融緩和をすれば、こんどはハイパーインフレがおこりそうです。こんな状況の現在の中国には投資先として目ぼしいものがありません。これでは、熱銭が入り込む余地はなく、実際に中国では熱銭不足で、ごく最近では、短期資金が不足するありさまです。これに関しては、中国人民銀行が、かなり資金を注入したので、解消はしたものの、これもいつまでもつかもわかりません。

これに対する対策として、目ぼしいものは、何と海外に流れた不正マネーの取り込みです。李克強首相の主導で上海に「自由貿易区」が9月に設置されましたが、大幅に規制が撤廃された同区の進出企業234社のうち外資は21社に過ぎず、大半は国有企業です。

党中央が国家全体の予算と金融を支配し、地方政府と国有企業に資金を配分、党官僚が支配する地方政府や国有企業がそのカネを投資して、開発や生産に関与して収益を上げるというシステムの中での、自由ビジネス特区であり、主要プレーヤーは党官僚なのです。

党官僚は「市場重視の改革」、すなわち経済自由化で利権拡張の機会を得るので、不正資金は今後さらに膨張します。不正資金は、香港経由などで海外にいったん移されたあと、「外資」を装って還流します。大半は投機的で「熱銭」と呼ばれ、規模は半端ではありません。

こんなことが、いつまでも続けられるはずがありません。いずれ、中国の金融システムは、熱銭切れで、崩壊することでしょう。

3つ目としては、あいかわらず、暴動の数が多くて半端ではないということがあります。中国では、元々暴動が多く、建国以来2万件といわれていましたが、2010年以降は、さらに増えて、年平均8万件とされています。そうして、最近では、法輪功だけではなく、さまざまな新興宗教が生まれていて、中国の新興宗教の数は数百といわれています。この状況は、過去中国では、統一された大帝国が、崩壊するということが何度となく繰り返されてきましたが、その末期の姿に良く似た状況で。

この状況で、大規模な反日デモを行ったとすれば、その反日デモがいつの間にか、反政府デモに変わって、それこそ、内乱にまで発展する可能性も大です。こんな状況では、とても、昨年までのような、大規模な官製反日デモなどできる状況ではありません。やれば、大変なことになる可能性が高いです。

中国の暴動、中国では日々数百件の暴動が発生している

さらに、4つ目として、中国の幹部は安部総理にキリキリ舞させられているということです。中国の習近平をはじめとする、中国の幹部にとって、安部総理の行動は、過去のどの日本の総理大臣とも異なり、予想もつかず、その真意を汲み取ることが難しいのです。これは、安倍第一次内閣と比較してもそうなので、中国の幹部の焦燥感は相当なものになっています。

これに対するイラツキの表明が、されている記事があります。以下は、ある中国のサイトの記事です。
日本の高官の訪中パフォーマンスにあきれる中国
これも、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の最後の部分のみ掲載させていただきます。
安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている。そうなれば中国は疲労困憊し、馬鹿げて見えることだろう。中国の正確な手法は「傍観者」になることだ。せいぜい安倍政権には踊らせておこうじゃないか。我々はひまわりの種をつまみながらお茶を飲み、彼らが踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しめば良いのだ。 
中日の外交対立は、徐々にこのような情勢に向かいつつある。安倍首相は就任以来、中国に対して数えきれないほどさまざまな、硬軟織り交ぜた呼びかけをした。中国の指導者は一言もこれに応じず、中国側の回答はすべて外交部の報道官が代わりに行った。表面的には日本側が絶えず積極的に攻めに出ているように見えるが、実際には中国側はこれを静観し日本に対する心理的な強みを蓄積している。これは中日の外交対立にとって有利であり、中国社会の対日心理の調整にとっても極めて重要である。
安部総理は、安全保障のダイヤモンドを標榜し、総理大臣に就任して以来、周辺諸国を歴訪し、着々と対中国包囲網を築いています。そうして、従来の総理大臣のように、自ら中国に訪問するようなことはしません。安部総理は、中国に対しては、ノータッチのタッチを決め込んでいるようです。へたに関われば、厄介なだけです。これは、正しい選択です。中国が折れなければ、これを続けるべきですし、その極めつけは、靖国参拝です。中国が何を言おうともそんなことは全くお構いなしというノータッチのタッチでじわりじわりと、中国を孤立化させています。

安部首相のステップにあわせて、踊っているのは中国か?

上の記事では、「安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている」としていますが、まさにその状況になっています。また、「安倍首相は就任以来、中国に対して数えきれないほどさまざまな、硬軟織り交ぜた呼びかけをした。中国の指導者は一言もこれに応じず、中国側の回答はすべて外交部の報道官が代わりに行った」としていますが、安部総理の中国に対する姿勢も、これと同じです。これだけ中国をキリキリ舞いさせた日本の首相は、安部総理がはじめだと思います。

習近平が、中国経済を立て直すためには対日関係を改善しなければならないのですが、国内向けには、日本を悪者に仕立て、人民の憎悪を日本向させるため、対日強硬のポーズを取らざるをえません。しかし、それも最近では、習氏は現在まさに、「進むも地獄、退くも地獄」の政権運営を強いられているのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年12月28日土曜日

沖縄県庁に千人なだれ込む 辺野古埋め立て承認反対で―【私の論評】10人から2000人へ?マスコミ報道のギャップから読み取る、沖縄の真実!デモ参加者も潜在意識の中では「屈支那異」(くっしない)(゚д゚)!


2013年12月27日(金)13時21分配信

名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認に抗議し、沖縄
県庁内で気勢を上げる人たち=27日午後、那覇市
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向け、名護市辺野古沿岸部の埋め立てを仲井真弘多知事が承認した27日、県民の間では行政のトップが下した決断に激しい怒りや困惑が広がった一方、評価する声もあった。県庁1階ロビーには反対派の市民約千人がなだれ込み、座り込みを続けるなど混乱も見られた。

県庁前の広場では抗議集会が開かれ県民ら約2千人(主催者発表)が集結。手には「不承認」と書いた赤いプラカードを掲げ「知事に辞めてもらう」「埋め立てを許さない」と次々にシュプレヒコールを上げた。

【私の論評】10人から2000人へ?マスコミ報道のギャップから読み取る、沖縄の真実!デモ参加者も潜在意識の中では「屈支那異」(くっしない)(゚д゚)!

さて、この日と同じ日に、産経では同じ内容につき、以下のような報道をしていました。

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古への移設に反対するグループ約10人は27日午前、 沖縄県庁の1階ロビーで反対演説を行った。ただ、通行人が足を止めることもなく、反対運動は盛り上がっていない。
反対派グループは拡声器を使って「知事は辞めろ」「県民を裏切りる行為だ」などと仲井真氏を批判。 政府による辺野古埋め立て申請の承認撤回を呼びかけ、メディアの注目は集めた。  
ソース 産経ビス
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131227/mca1312271119015-n1.htm 
画像 沖縄県庁(左奥)前に集まった名護市辺野古の埋め立てに反対する人たち=27日午前
http://www.sankeibiz.jp/images/news/131227/mca1312271119015-p1.jpg
同じようなニュースなのに、片方では参加者10人としており、もう一方では1000人としていて、このあまりの違いは一体どうしてなのだろうと思ったのですが、良くみてみると、上の記事はネタもとが、共同通信であり、27日午前のものです。もう一方の記事は、ネタ元は、産経ビズであり、27日の午後ということで、午前と午後の違いということです。できたら、両方とも時間を掲載していただきたいものです。

要するに、産経は午前中の事実を伝え、共同通信は午後の事実を伝えたわけです。同じ事実でも、午前と午後の違いです。それにしても、午前中にはほとんど人が集まっておらず、午後にはおそらく、数百人程度は集まったというのが事実だと思います。おそらく、午後の集合時刻にデモ参加の人たちの大半が、集まったのだと思われます。

集合時間に大半が集まるとは、これは、自主的ではなく、背後に何らかの団体、組織があるのだと思います。自主的に反対するなら発表前の午前中から反対運動をするはずです。もっと大人数が集まっていても良いはずだと思います。

しかし、産経がはっきりと発表したように、10人というのは、いかに午後の運動が作為的に行われたかを象徴しているようです。

これに関しては、以下のようなツイートがあります。
これについて、真偽は定かではありませんが、それにしてもありそうな話です。いずれにしても、完全に情報戦の様相を呈してきたようです。沖縄で敗北すれば中国共産党はね後がないので必死でなのだと思います。いずれにしても、動員された数百人が沖縄全体の声を代弁していると考えるのは全くの間違いです。

主催者側の発表では、2000人が集まったといいますが、この中には、どこの何人だかわからない、はっきりいえば、中国人も多数動員されているのではないかと思います。それに、2000人はオーバーです。おそらく、数百人でしょう。

それにしても、今回はデモ参加者の中にも、これがかなり重要なこととは認識できていなかったのだと思います。だから、午前中の10人の参加者という結果になったのだと思います。ただし、中国はかなり焦燥感を抱いているのだと思います。

米軍が沖縄から軍隊を引き上げるということは、暗に尖閣問題・沖縄問題に米軍はかかわらないことを示すことになります。そうなれば、中国としては、まずは尖閣、次には沖縄と、領土的野心を満足させる機会が増えることになります。民主党時代に、県外移設に傾いていたことは、中国にとっては、まさに願ったりかなったりというところだったと思います。

今回の埋め立てを認めれば、鳩山さんが総理大臣のときに勉強に勉強を重ねた結果ようやっとわかったように、沖縄に駐屯する米海兵隊の戦略的重要性はますます増している中、中国に対峙す世界最強の軍隊がここに恒久的にとどまることになるわけです。日本の自衛隊だけでも、中国としてはかなりやっかいな存在なのに、ここにアメリカの海兵隊がとどまるということは、中国の太平洋への出口を塞がれているのと同じです。

そりゃ、中国としては必死です。それに、沖縄の海兵隊はやっかいなことに、中国の大嫌いなオスプレイまで配備しています。あんな怪物みたいな、航続距離の長いものを多数配備されては、沖縄から中国本土の一部までカバーされしまい、中国が尖閣や沖縄のどこかに上陸してもすぐに発見されて、海兵隊を派遣されて、あっという間に勝負がついてしまいます。ゲリラ戦で挑んでも、無駄です。

こんなことは、少し考えれば誰にでもわかることです。きっと、上記のデモに参加した人たちも、なんとなく、潜在意識の中ではそのことがわかっていて、一部の中国人や、新左翼系の熱心な人間は、別にして、大部分の人は消極的で、だからこそ、午前中には10人しか集まらないなどということがおこったのだと思います。


今回の抗議活動では、「屈しない」という赤いバナーのようなものを参加者の多数が手にしていますが、私はこの文字が「屈支那異」(意味としては、支那のおかしさに屈しないくらいの意味か?)と見えてきました!!あまり、語呂合わせは得意ではないので、少し苦しいですが、どなたかもっと面白い語呂合わせを考えられた方いらっしゃったら、コメントにでも残していただければ幸いです。

日本人の大多数は、鳩山さんよりは頭がまともだと思いますので、いくらこのようなデモを挙行しても、これは沖縄の声ではなく、たんなる虚構にすぎないことを多くの人が学習したと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年7月20日金曜日

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」―【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」

週プレNEWS 7月19日(木)6時20分配信


デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」 週プレNEWS 7月19日(木)6時20分配信 昨年3月の東日本大震災よりずっと前、2006年から「原発を通した戦後日本社会論」をテーマとして福島原発周辺地域を研究対象に活動してきた、同県いわき市出身の社会学者・開沼(かいぬま)博氏。著書『「フクシマ」論』では、原発を通して、日・・・・・・・・

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!

製造業などの中小企業を就業されている方や経営者の方々、その他、日本の内需を支える多くの方々、そうなるとうちのようなところも含まれますが、今の脱原発論議どう思われますか?


今は、先がどうの安全性がどうのというより、計画停電の実施や電力料金の値上げに関心がいっているのではないかと思います。日本国内の電力に依存して、商売や事業を営んでいる方々、テレビで繰り広げられる脱原発運動、それも前後のみさかいもなく、すぐに全原発を止めよなどという社会運動に関して本当ににがにがしく思っていらっしゃるのではないでしょうか。


それに、電力が止まるともろに影響をかぶる医療関係者や、生死に影響が出る患者さんなども表には出さなくても、そう思っているに違いありません。それに、農家だって、農林水産業だって、影響を受けます。デモに参加している人だって必ず影響を受けます。今はまだ、目立たず理解されていないでしょうが、いずれ本格的に影響が出てきたときに、これらデモに参加していた人たちも、デモなど外での活動はできるかもしれませんが、職場や家庭でそのようなことを言い出せば、逆に攻撃されるようになると思います。もうすでに、多くの企業の経営者などは反原発を無邪気に唱える連中は、社会のことも、それに、もっと直接的な、会社の存続も考えない愚か者であると考えているに違いありません。


それは、当社だって同じです。当社のような会社だって、配達は自動車ですが、店では電気がないと商売になりません。店舗運営の責任者は、計画停電に神経を尖らせています。こんなときに、従業員が、原発反対と唱え出したら、どういうことになるでしょうか?そういう従業員に愛情を持てるでしょうか?

海外の原発反対運動
最近は、不倫騒動で話題を提供している(そんなこ とはどうでも良いのですが)あの橋下大阪市長だって、このことを十分理解しているからこそ、大飯原発の稼働を渋々ながら結局は認めたのです。もし、橋下市長がこれにどこもでも、反対し続けていて、稼働を認めなかったとしたら、十中八九政治生命を失ったことでしょう。将来的に国会議員くらいにはなれても、それだけでお終いになったことでしょう。政治家は政策立案能力がとか、法案を考える能力は無論のことですが、その時々の政局に関する政治屋としての臭覚が欠かせません。橋下さんは、こうした臭覚を持っているということでは、評価できると思います。

不倫騒動で記者会見する橋下市長
さて、脱原発運動の無謀さ、これとは一見関係のないようにみえる、脱自動車社会など思い浮かべると良く理解できると思います。自動車に関しては二つほどの論点があります。


まず最初の論点は、自動車の直接的な危険です。考えてみれば、自動車がかかわる交通事故は、毎年多くの死傷者がでます。これは、原発による直接間接の被害者をはるかに上回っています。これは、確かに危険です。そうして、事故撲滅などの運動が毎年繰り返されています。しかしながら、車社会は、あまりにも社会に浸透してしまっているため、車自体を否定してしまっては、社会が成り立たないということで、これを主張する社会運動などは聴いたことがありません。あくまで、事故撲滅をうたっています。



そうして、様々な取り組みがなされています。あのGoogleが自動運転する車を開発していることもこのブログで掲載したことがあります。いずれ、このような自動車も実用化され、今の車よりも、はるかに安全な車が走るようになり、より安全な車により、安全性の高い社会が実現されることと思います。

Google無人自動車ロボット
そうして、二つ目の論点は、電気自動車に関する無邪気ともいえる、期待です。電気自動車が、環境に負荷を与えないなどという単純な思い込みです。現在の電気自動車は、ガソリンスタンドのような充電所や、家庭のコンセントから電力を供給します。確かに、電気自動車自体は、電気を補給したあとは、二酸化炭素も、排ガスも放出さずに、一見クリーンなようにみえます。確かに運転している人には、良いかもしれません。


しかし、良く考えてみてください。これは、本当でしょうか?それは、この電力がもともとどこから供給されるのかを考えてみれば誰にでも理解できる話です。そうです。これらの電力は、すべて既存にある発電所から供給されているのです。既存の発電所が変わらない限り、何も変わらないという図式です。既存の発電所がたまたま、火力であったとすれば、電気自動車は化石燃料をつかわず、二酸化炭素も、排ガスも排出しないですが、火力発電所は、電気自動車を走らせるために、二酸化炭素や排ガスを放出することになります。それでは何も変わりはないのです。自分の手元で、排出されないだけであって、自分の目に見えないところで、間違いなく排出されているし、化石燃料が消費されているということです。


であれば、単純に、自然エネルギーで電気自動車に電気を提供するようにすれば良いなどという人もいるかもしれません。しかし、一体電気自動車を動かすためにどの程度の風力発電施設や太陽光発電施設を設置しなければならないことになるのでしょうか?さらに、これらを安定的に供給するために、いくつの蓄電池など設置すれば良いことになるのでしょうか。

ちなみに、すでに太陽光で走るソーラーカーなるものが存在しますが、あれは、実験段階にあるだけで、とても実用性はありません。帆船はあっても、風力自動車なるものは、みたこともありません。であれば、自然エネルギーによる、実用的な電気自動車を安定的に動かすことも机上の空論にすぎないことが理解できると思います。

ソーラーカーレース
いずれにしても、車の事故、排ガスの人体への影響、化石燃料の消費が、社会にとって危険だからといって、車の運用をすぐ廃止しろということにはなりません。それは、車が、あまりにも、社会に根をおろしているため、これをすぐに廃止すれば、社会に及ぼす悪影響は、誰にでも理解できるからです。原発即停止などと声高に主張する人など、ちょうど、電気自動車に乗って、自分はエコしているなどと自惚れているようなものです。社会のことなど何も考えていません。

上の記事では、「燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」としていますが、その通りだと思います。原発推進派であろとなかろうと、すぐに原発廃炉などと唱える輩は、何も考えていたいない、ただの愚か者だと思います。それに、原発反対派が見過ごしていること、このブログでも掲載したことがありますが、たとえば、原油価格の高等による、コストプッシュインフレによる弊害が十分考えられます。原油が値上がりしているので、それが、物価を押しあげるにもかかわらず、不況の状態であるスタグフレーションが考えられます。こうしたことが起これば、企業の海外移転はますます、進みます。そうなれば、日本の国力は弱まり、中国を利することになります。

私たちは社会全体を考えて、50年後のことまでは、技術革新などなかなか予測できない面がありますから、少なくとも今後30年以内のことを時系列て考え、社会全体に及ぼす影響を考慮して、日本国家のエネルギー政策を考えていくべきです。それは、何も、政治家官僚だけではなく、私たち国民も同じことです。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?



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