2014年1月1日水曜日

中国 国際包囲網で日本に圧力か―【私の論評】中国は、年末・新年にかけて安倍総理のモノマネ・コピー外交始動!理念なき外交は効を奏するはずもなく、ますます世界で孤立感を高めるだけか(゚д゚)!


外交能力のない習近平のツケを払わなければならない 中国 王毅外相

中国の王毅外相はロシアなどに続いて31日夜、韓国のユン・ビョンセ外相、アメリカのケリー国務長官と相次いで電話会談しました。中国としては安倍総理大臣の靖国神社参拝を批判するみずからの立場への理解を求め、日本に対する圧力を強めるため、国際的な包囲網を築こうとしているものとみられます。

中国外務省は、中国の王毅外相と韓国のユン・ビョンセ外相が31日夜、電話で会談し、安倍総理大臣が靖国神社に参拝したことについて意見を交わしたと発表しました。

このなかで王外相は、「中国と韓国はそれぞれ安倍総理大臣の靖国神社参拝を厳しく非難している」としたうえで、「われわれの反応は正義で、正当なものだ」などと述べたということです。

また王外相は31日夜、アメリカのケリー国務長官とも電話会談し、日本の問題についても意見交換したとしています。

王外相は30日にはロシアとドイツの外相、それにベトナムの副首相兼外相ともそれぞれ電話で会談し、日本の問題について意見を交わしています。

中国としては安倍総理大臣の靖国神社参拝について批判するみずからの立場への理解を求め、沖縄県の尖閣諸島を巡っても対立する日本に対して圧力を一層強めるため、国際的な包囲網を築こうとしているものとみられます。

中韓 靖国参拝巡り温度差も
中国の王毅外相と韓国のユン・ビョンセ外相は31日夜、電話で会談を行いましたが、中国政府の発表では安倍総理大臣の靖国神社参拝を厳しく非難したとしているのに対し、韓国政府は発表の中で参拝について直接触れておらず、微妙な立場の違いが表れる形となりました。

中国の王毅外相と韓国のユン・ビョンセ外相は31日夜、およそ1時間にわたって、電話で会談を行いました。

中国外務省によりますと会談の中で、王毅外相は、安倍総理大臣が靖国神社に参拝したことについて「中国と韓国はそれぞれ厳しく非難している。われわれの反応は正義で、正当なものだ」と述べ、ユン外相も参拝に反対する韓国政府の厳正な立場を表明したとしています。

しかし、韓国政府は、この電話会談についての発表の中で、靖国参拝については直接言及せず、「相互の関心事について協議した」とするにとどめており、中国政府とは微妙な立場の違いが表れる形となりました。

今回、韓国が中国と完全に同調することは避け、抑えた対応を示した背景には、日韓関係の改善を強く求めるとともに、韓国が中国との結びつきを強めていることを警戒するアメリカ政府に対する配慮があるものとみられます。

一方でユン外相は「日本の歴史認識が誤っていることを国際社会で広げていく」としており、今月上旬にアメリカを訪問して行われるケリー国務長官との会談で両外相がどのような姿勢を示すのか注目されます。

靖国参拝の趣旨を粘り強く説明へ
政府は、安倍総理大臣の靖国神社参拝を巡って、中国と韓国の反発が続いていることから、不戦を誓うための参拝だったことなどを引き続き粘り強く説明し、理解を求める努力を重ねていくことにしています。

政府は安倍総理大臣の靖国神社参拝について、戦没者に尊崇の念を示し、不戦を誓うためであり、安倍政権の歴史認識や外交姿勢に変化はないなどとしており、安倍総理大臣は参拝のあと記者団に対し、「中国や韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは毛頭ない。日本は戦後、平和国家としての歩みをひたすら歩んできた。これからも謙虚に礼儀正しく、誠意を持って説明し、対話を求めていきたい」と述べました。

ただ、中国と韓国の反発が続いていることから、政府は、安倍総理大臣が参拝した趣旨に加え、戦没者のために手を合わせるのは世界共通のリーダーの姿勢であることなどを引き続き粘り強く説明し、理解を求める努力を重ねていくことにしています。

米「日中関係で意見を交わした」
アメリカ国務省のサキ報道官は31日、NHKの取材に対し、「ケリー長官は王毅外相と、北朝鮮情勢や中東情勢、それに日中関係について意見を交わした」として、日中関係について話し合ったことは認めたものの、安倍総理大臣の靖国神社参拝が具体的に議題にあがったかどうかの言及は避けました。

ただ、アメリカ政府は、日本と中国や韓国が、地域の平和と安定のためにも協力を進めるべきだとしていることから、今回の電話会談でも中国側に対し、日本との関係改善に向けた取り組みを促したものとみられます。

【私の論評】中国は、年末・新年にかけて安倍総理のモノマネ・コピー外交始動!理念なき外交は効を奏するはずもなく、ますます世界で孤立感を高めるだけか(゚д゚)!

上の記事、何やら中国が日本包囲網をつくるかのような印象を与える記事ですが、これって、一昨年に安部総理が企図して、昨年いっぱいかけて、中国に対して実施してきたのと同じことをやるということです。

安部総理、昨年はインドやASEAN諸国はもとより、アメリカ、モンゴルやロシアなど、とにかく中国を取り囲む殆どの国を精力的歴訪して、じわりじわりと事実上中国包囲網をつくりあげてきました。外相が、電話をかけるなどという低次元で効き目の薄いようなものではなく、安部総理自身が外遊して、直接相手側の国家元首と面談するという、強力なやり方です。この方式は、各国で大絶賛を浴びてきました。これについては、昨年このブログでも掲載させていただきましたので、以下にその記事のURLを掲載します。

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昨年東南アジアを歴訪した安倍総理
これに対して、中国では、安部総理が靖国神社参拝をうけて、そこから動き出しています。しかも、外相がこのような行動を開始しています。まったく、遅いと言わざるを得ません。この慌てぶり、やはり、安部総理は絶対に今年は靖国参拝はしないであろうと、踏んでいたのだと思います。全く、最近では、いつも中国は、安部総理に出し抜かれています。今後も、予想もつかず、安倍外交に翻弄されています。これらかも、翻弄され続けるでしょう。

習近平は昨年、米国を訪れ、オバマと会談するなどのことをしましたが、ほとんど成果をあげられませんでした。アメリカ訪問直後に、米国で、日米合同軍事演習が行なわれ、オスプレイに自衛隊員が同乗したり、日本の空母型の護衛艦に、オスプレイが着艦したりの、大軍事演習が行なわれました。それも、島嶼防衛を意識した軍事訓練も手広く行なわれました。オバマ、習近平会談が大失敗だったのは、以下の動画をご覧いただいても良く理解できます。



オバマは、以前にもこのブログに掲載したように、尖閣は日本の領土であることをはっきり表明しないなど、中国に対しては及び腰であるところはあるものの、習近平がアメリカから引き上げた途端、日米合同大軍事演習(ドーンブリッツ」を行い、中国を牽制しました。この訓練では、先ほども述べたように、日本の空母型護衛艦に、オスプレイが着艦と、発艦をしました。そのときの画像が下のものです。



さて、安部総理のこうした昨年の外交は、何も突然始まったものではなく、はっきりとした理念にもとづいて行っています。その理念とは、一昨年の暮れにサイトに英文で掲載されています。その翻訳文と、元の英文サイトを以下に掲載します。
アジアの民主主義セキュリティダイアモンド

 2007年の夏、日本の首相としてインド国会のセントラルホールで演説した際、私は「二つの海の交わり」 ─1655年にムガル帝国の皇子ダーラー・シコーが著わした本の題名から引用したフレーズ─ について話し、居並ぶ議員の賛同と拍手喝采を得た。あれから5年を経て、私は自分の発言が正しかったことをますます強く確信するようになった。 
 太平洋における平和、安定、航海の自由は、インド洋における平和、安定、航海の自由と切り離すことは出来ない。発展の影響は両者をかつてなく結びつけた。アジアにおける最も古い海洋民主国家たる日本は、両地域の共通利益を維持する上でより大きな役割を果たすべきである。 
 にもかかわらず、ますます、南シナ海は「北京の湖」となっていくかのように見える。アナリストたちが、オホーツク海がソ連の内海となったと同じく南シナ海も中国の内海となるだろうと言うように。南シナ海は、核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原潜が基地とするに十分な深さがあり、間もなく中国海軍の新型空母がよく見かけられるようになるだろう。中国の隣国を恐れさせるに十分である。 
 これこそ中国政府が東シナ海の尖閣諸島周辺で毎日繰り返す演習に、日本が屈してはならない理由である。軽武装の法執行艦ばかりか、中国海軍の艦艇も日本の領海および接続水域に進入してきた。だが、このような“穏やかな”接触に騙されるものはいない。これらの船のプレゼンスを日常的に示すことで、中国は尖閣周辺の海に対する領有権を既成事実化しようとしているのだ。 
 もし日本が屈すれば、南シナ海はさらに要塞化されるであろう。日本や韓国のような貿易国家にとって必要不可欠な航行の自由は深刻な妨害を受けるであろう。両シナ海は国際海域であるにもかかわらず日米両国の海軍力がこの地域に入ることは難しくなる。 
 このような事態が生じることを懸念し、太平洋とインド洋をまたぐ航行の自由の守護者として、日印両政府が共により大きな責任を負う必要を、私はインドで述べたのであった。私は中国の海軍力と領域拡大が2007年と同様のペースで進むであろうと予測したが、それは間違いであったことも告白しなければならない。 
 東シナ海および南シナ海で継続中の紛争は、国家の戦略的地平を拡大することを以て日本外交の戦略的優先課題としなければならないことを意味する。日本は成熟した海洋民主国家であり、その親密なパートナーもこの事実を反映すべきである。私が描く戦略は、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイアモンドを形成することにある。 
 対抗勢力の民主党は、私が2007年に敷いた方針を継続した点で評価に値する。つまり、彼らはオーストラリアやインドとの絆を強化する種を蒔いたのであった。 
 (世界貿易量の40%が通過する)マラッカ海峡の西端にアンダマン・ニコバル諸島を擁し、東アジアでも多くの人口を抱えるインドはより重点を置くに値する。日本はインドとの定期的な二国間軍事対話に従事しており、アメリカを含めた公式な三者協議にも着手した。製造業に必要不可欠なレアアースの供給を中国が外交的な武器として使うことを選んで以後、インド政府は日本との間にレアアース供給の合意を結ぶ上で精通した手腕を示した。 
 私はアジアのセキュリティを強化するため、イギリスやフランスにもまた舞台にカムバックするよう招待したい。海洋民主国家たる日本の世界における役割は、英仏の新たなプレゼンスとともにあることが賢明である。英国は今でもマレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとの五カ国防衛取極めに価値を見いだしている。私は日本をこのグループに参加させ、毎年そのメンバーと会談し、小規模な軍事演習にも加わらせたい。タヒチのフランス太平洋海軍は極めて少ない予算で動いているが、いずれ重要性を大いに増してくるであろう。 
 とはいえ、日本にとって米国との同盟再構築以上に重要なことはない。米国のアジア太平洋地域における戦略的再編期にあっても、日本が米国を必要とするのと同じぐらいに、米国もまた日本を必要としているのである。2011年に発生した日本の地震、津波、原子力災害後、ただちに行なわれた米軍の類例を見ないほど巨大な平時の人道支援作戦は、60年かけて成長した日米同盟が本物であることの力強い証拠である。 
 私は、個人的には、日本と最大の隣国たる中国の関係が多くの日本国民の幸福にとって必要不可欠だと認めている。しかし、日中関係を向上させるなら、日本はまず太平洋の反対側に停泊しなければならない。というのは、要するに、日本外交は民主主義、法の支配、人権尊重に根ざしていなければならないからである。これらの普遍的な価値は戦後の日本外交を導いてきた。2013年も、その後も、アジア太平洋地域における将来の繁栄もまた、それらの価値の上にあるべきだと私は確信している。 
以下原文(英文)が掲載されているサイト
http://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe
安部総理の理念については、上の文章を読んでいただければ、ご理解いただけるものと思いますますので、ここに説明は加えません。それにしても、この内容、日本のメディアはどこもほとんど報道していません。本当に困ったものです。こんなこところからも、私が常日頃、日本のメディアの大部分は、中国御用メデイアであると語っていることの真意をご理解いただけるものと思います。

これなしに、昨年の安部総理の外交は全く理解できません。安部総理は、こうした理念を最初に明らかにし、その後、この理念にそって着々と外交成果をあげました。

これに対して、習近平は、オバマ対談で失敗したのが、懲りたのか、その後外交では目立った動きをしていません。それに、習近平には、安部総理のような外交理念がありません。今回の、安部総理の靖国訪問に対して、とってつけたように、実施しはじめた王毅外相による、対日本国債包囲網構築外交、とてもうまくいくとは思えません。おそらく、安部総理の1/10も効果をあげることはできないでしょう。それどころか、世界でますます孤立感を高めることになるだけです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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