2014年12月19日金曜日

経済対策3.5兆円に 27日にも決定 地方支援で規模拡大―【私の論評】8%増税悪影響は甚大、対策を怠れば、デフレからの脱却は遠のく!しかし、最も警戒しなければならないのは昼行灯の似非識者と財務省か(゚д゚)!

経済対策3.5兆円に 27日にも決定 地方支援で規模拡大


 政府は足踏みが続く景気の底上げに向けた緊急経済対策を、3.5兆円規模で編成する方針を固めた。27日にも閣議決定して2014年度補正予算に盛り込む。地方自治体が実施する商品券や旅行券などの発行を補助するほか、自然災害の復旧事業などにも充てる。当初は2兆~3兆円程度を想定していたが、地方の消費喚起や中小企業対策などを上積みする。

財源は今年度税収の上ぶれ分などをあて、新規国債は発行しない。予算案は来年1月下旬に召集予定の通常国会に提出し、2月中旬ごろの成立をめざす。

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】8%増税悪影響は甚大、対策を怠れば、デフレからの脱却は遠のく!しかし、最も警戒しなければならないのは昼行灯の似非識者と財務省か(゚д゚)!

この緊急経済対策、無論実施すること自体には賛成なのですが、それにしても金額があまりにも少なすぎます。これについては、経済評論家の上念司氏も私と同じような考えのようで、以下のようなツイートをしています。
今年4月からの消費増税によって、それまで2%以上だった実質経済成長がマイナスにまで低下してしまいました。このため、年率換算で国内総生産(GDP)は15兆円ほど失われました。これによる税収減は国と地方合わせて3兆円にものぼります。

20年度の均衡化達成を目指すという、財政再建のために、8%増税したにもかかわらず、プライマリーバランスは、前年度の経済成長率でほとんど決まりますから、巷で良く言われているように、10%の消費増税先送りをしたから財政再建計画の達成が難しくなったのではなく、8%の消費増税をしたので難しくなったというのが真実です。

これが、予定どおりに10%増税などしていたら、財政再建はさらに道が険しくなったことでしょう。このことは、このブログでも、増税するずっと前から主張してきたことですが、それが現実のものになったということです。

そうして、消費増税によってGDPギャップ(需要と供給の差)も15兆円ほど生じてしまいました。景気を再度成長軌道に乗せるために景気対策が必要になりましたから、この意味でも財政再建計画を遅らせる要因になっています。

これらのことから、最早増税は、財政再建のために行うものという認識は、全くの間違いであったことが白日のもとに晒されました。

現状では、増税は景気にも悪影響を及ぼすし、財政再建にもマイナスということで、百害あって一利なしということが、もともとはっきりしていたのですが、数字上でもはっきり裏付けられた形となりました。

それにしても、まともなエコノミストの間では、このような議論が行なわれているというのに、とんでもないことを言う大学教授がいます。これも、上念氏がツイートしていました。
この土居教授、慶応大学の経済学部の教授だそうです。経済学とはいっても、様々な分野があり、それこそ、ミクロ経済学もあり、様々な分野があることは知っています。だから、マクロ経済学以外の研究をしている学者も大勢いることは知っています。

しかし、それにしても、一応教授という肩書がついているのであれば、専門馬鹿であってはいけないと思います。少なくとも、そなに詳しくはないまでも、マクロ経済の基本はおさえていて欲しいものです。こういう教授が大学教授、それも一流大学の教授であるということは本当に問題だと思います。

それにしても、この土井教授の発言、選挙後のものだったと思います。まあ、選挙前であれば、財務省への応援のつもりと解釈もできますが、総選挙後で、しかも与党が圧勝した後での発言だとすれば、本当に理解に苦しみます。

この教授野菜の値段を知らないのではとさえ思ってしまいます。キュウリ一本、千円などとか、そのようなことであれば、この教授のいうこともわからないではありませんが、常識で考えれば、どう考えても野菜不足でGDPがあれほど落ちるとは考えられません。

この手の流言は、以前にもありました。それは、GDPの低迷は、天候不順によるものとするものでした。これについいては、このブログにも、高橋洋一氏の反論記事を掲載して、論評を加えました。

無論、今年程度の天候不順はほとんどGDPに影響を与えません。だから、天候不順による野菜不足も無論、GDPには、ほとんど影響がありません。

少し、横道にずれてしまいましたが、なぜこのようなことを書いたかといえば、せっかくまともなエコノミストなどがまともに論議をしようとしても、なぜか、たいそうな肩書のついた識者といわれる人々が、全く事実にもとづかないトンチンカンな論議をし、それをメディアが吟味もしないで、報道するので、今の日本では、多くの人々がこれに、幻惑されて正しい判断ができなくなっているということです。

今回の選挙の直前にも、マスコミや識者が盛んに、「予定通り増税すべき」と言い立てていました。はっきり、言いますが、こういう主張をしていた、マスコミや識者は、全く信用できません。これから、彼らの主張はことごとく退けるべきです。

さて、少し脱線しました。話を元に戻します。

現在8%増税の悪影響が続いており、10%増税を見送ったからといって、これが是正されるわけではありません。だから、これに対する経済対策を実行する必要があります。

しかし、ブログ冒頭の記事の3.5兆円だけではどうにもなりません。今の日本は、一刻もはやくデフレからの脱却を成し遂げなければなりません。そのためには、積極的な財政出動をしなければなりません。

そのためには、私は国債を刷っても良いと思います。現在国債を刷ってでも、お金をつくって、経済対策をして、デフレから脱却して、さらに加熱気味になったとき、増税をすれば、今度は税収がかなり増えます。デフレでさえなければ、デフレの現状よりは、はるかに税収が増えて、それで、財政再建は必ずできます。

ちなみに、高橋洋一氏は、国債に頼らなくても、十分財政再建目標は達成できるとしています。それに関する記事のURLを以下に掲載します。
円安による含み益は10兆円以上ではないか 外為特会活用で国民に還元を
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、高橋氏は、経済対策の財源として以下のような提言をしています。
 景気対策などで財政支出を惜しんではいけない。別に国債発行に頼ることもない。いわゆる「埋蔵金」を活用すればいいのだ。今の段階なら、円安で含み益が10兆円以上あると思われる外国為替資金特別会計(外為特会)の活用がいい。もちろん、外為資金百数十兆円すべてが埋蔵金ではなく、あくまで含み益の部分である。
頭を使えば、このようなこともできるわけです。私としては、国債を発行して、さらに、税収上振れ分や、円安含み益や、その他の埋蔵金、たとえば政府資産の売却なども含む、ありとあらゆる手を使って、30兆円規模の経済対策を行うべきと思います。

本来、こういうことを考えるのが、財務省や識者の役割だと思います。そんなこともしないで、ただただ、増税を推進しようとしてみたり、上の土居教授のような馬鹿げた発言ばかりするというのなら、彼らは単なる昼行灯(ひるあんどん 役立たずという意味)とみなすべきです。しかし、この昼行灯にもいろいろいて、土井教授のようにすぐわかる嘘をつくならまだしも、もっともらしいことを様々なことを根拠に述べ立てるので、多くの人は幻惑されやすいです。

現在の日本では、まともな経済対策をするには、こうした昼行灯どもを無力にするしか方法がありません。今回の選挙で、まずは安倍総理がこれらをかなり無力化しました。しかし、これからもこうした無力化をどんどん継続していく必要があります。そうでないと、また奴らが息を吹き返し、とんでもないことをしだすかもしれません。まるでゾンビのような奴らです。

とにかく、桁は一桁ではなく、二桁の経済対策を行なわなければ、焼け石に水で、デフレからの脱却もしていない状況での8%増税というとんでないことをしてしまったことの挽回は不可能だと思います。

そうして、経済対策としては、公共工事の供給制約のある現在では、所得税減税と、給付金が最も良い方法であることは、いうまでもありません。

安倍総理は、総選挙で大勝を収めたのですから、安倍総理はこれらの昼行灯に全く影響を受けることなく、フリーハンドでどんどん新たな経済対策を打っていただきたいと思います。

私は、そう思いますます。皆さんは、どう思われますか?

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