2014年12月24日水曜日

強まる習政権の「恐怖政治」 胡錦濤派“粛清” 有力者全滅の可能性も―【私の論評】習近平は、権力を掌握できるか否かの正念場!しかし、掌握したとしても対日本政策は変わらないどころかますます悪化する(゚д゚)!


握手を交わす習近平(左)と胡錦濤(右) 写真はブログ管理人挿入以下同じ

中国の習近平国家主席が「恐怖政治」を強めている。胡錦濤前国家主席の側近、令計画・人民政治協商会議副主席が「重大な規律違反の疑い」で共産党の取り調べを受けたのだ。習氏による腐敗撲滅運動の一環で、その標的は、江沢民元国家主席率いる「上海閥」から、胡氏が率いる中国共産主義青年団(共青団)出身者で構成する「団派」に移ったといえる。識者は「団派全滅もあり得る」と分析している。

中国各紙は23日付で、令氏が規律違反の疑いで調査を受けていることを国営通信、新華社電を掲載して報じた。香港紙、東方日報は同日、令氏一家には計370億元(約7100億円)の預金があるほか、日本の京都に豪邸を所有していると報じた。
令計画氏

令氏は山西省出身。共青団で政治活動を始めて胡氏と懇意になり、胡氏が2003年に国家主席になると、政権の大番頭役である秘書として絶大な権力を握った。ところが、12年3月、息子が北京市内でフェラーリに女友達を乗せたまま死亡事故を起こして左遷されていた。

令氏の失脚には前兆があった。山西省政協副主席だった実兄の令政策氏は6月に拘束された。義兄の王健康・同省運城市副市長は8月から当局の調査対象になり、10月には弟の令完成氏も当局に身柄を拘束された。令氏の外堀はすでに埋められていた。

周永康氏
 共産党指導者が失脚すると、その取り巻きも罪を問われる。周永康前政治局常務委員の事件に絡み、すでに約500人が拘束されたといわれる。

「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は「習氏は今後、団派に対する大規模な粛清を行う可能性がある。胡氏は大丈夫だろうが、団派の有力者が全滅することもあり得る」といい、こう続けた。

「月刊中国」発行人 鳴霞氏

 「令氏の腐敗情報は以前から、米国の中華系ニュースサイトが報じていた。京都の豪邸の写真や不動産情報まで流れていた。そこには、令氏以外の共産党幹部の腐敗情報も出ている。習氏は独裁権力を強固にするため、強引な形で“政敵”を次々と失脚させている。先日、失脚した薄煕来・元重慶市党委員会書記の海外資産が没収された。令氏など団派の関係者は日本国内にもいる。日本の政財界に知己も多い。みんな戦々恐々としているのではないか」

【私の論評】習近平は、権力を掌握できるか否かの正念場!しかし、掌握したとしても対日本政策は変わらないどころかますます悪化する(゚д゚)!

昨年3月中国人民政治協商会議の開幕式に出席した習近平国家主席(上段右)と令計画氏(下段)

中国や北朝鮮などの国は、やはり恐ろしい国です。いくら権力の中枢に登ったとしても、権力闘争に負けてしまえば、追放されたり、命を奪われたり、財産を没収され、社会的に抹殺などされてしまいます。要するに、失脚という言葉で表現される、こういう独裁体制の国でおこる惨劇です。

まさに、習近平は、権力闘争の真っ最中であり、次々と政敵を葬り去りつつあるのです。

この件に関しては、前々から兆候があり、このブログでもそれについて掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載させていただきます。
中国、高官ら40人超不審死 事実上「粛清」との声も 汚職撲滅キャンペーンで―【私の論評】二種類の亡霊が示す、中国の政治権力闘争は命がけであることと出鱈目さ加減!こんな国に将来はない(゚д゚)!
不審死を遂げた遼寧省高級人民法院(高裁)ナンバー2の女性副裁判長、徐安生氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国の高官が相次いで不審死を遂げている事実を掲載しました。そうして、さらに、現在の中国には、二種類の亡霊がいることを掲載しました。

亡霊のうち、一つは、超不審死を遂げた人々の亡霊です。もう一つは、実体のない公務員という幽霊です。中国には、仕事をしていないのに政府から給与を得ていた「幽霊公務員」が16万人もいたことが判明しました。

この記事を書いた時点では、高官が超不審死を遂げていたのでずが、これに関しては当然のことながら、権力闘争の一環であるのは間違いなかったものと思います。

ただし、この時点では、地方政府の幹部が不審死を遂げていたのですが、最近では、さらに上の層が対象になってきています。

いずれ、もっと上の層まで行くことが十分予想されます。そうなると、胡錦濤自身にも追求の手がおよぶことも十分考えられます。

習指導部が発足した2012年11月の共産党大会から先月下旬までに、国家指導者級幹部3人、党指導部の党中央委員3人を含む、少なくとも57人の政府機関や地方政府の指導者級以上の幹部が失脚しました。李東生元公安次官など周永康氏の元側近も10人近く含まれます。

習が反腐敗運動を掲げて周氏ら潜在的な対抗勢力をたたくのをみて、中国政府の官僚は、習氏の怒りを買えばあらぬ腐敗を追及されかねないとすっかり萎縮しているようです。「今は目立たないのが得策だ。どこで虎の尾を踏むか分からない」。習氏の明確な意向が見えない分野では大胆な政策提案をできない状況にある、と政府関係者は漏らしています。

反腐敗運動を逆手に取り、出世競争のライバルを汚職の疑いで密告する例も増えているといます。汚職調査を受けることを苦にした公務員の自殺者も相次いでいます。

次の標的は、習氏がまだ人事を掌握しきれていない中国軍のようです。制服組トップだった徐才厚・前中央軍事委員会副主席は10月末に収賄罪などで起訴されました。その後、軍幹部への取り調べは厳しくなり、11月には取り調べを受けた馬発祥・海軍中将が飛び降り自殺をする事件も起きました。
飛び降り自殺した 馬発祥・海軍中将

軍内では軍の既得権益に切り込む習氏への反発が少なくありません。習氏が思惑通り、反腐敗運動を名目に軍をも掌握できるかは依然予断を許さない状況です。

それにしても、中国は完全に狂っています。習近平は、他の官僚らの不正を追求していますが、習い一族の蓄財など、ニューヨーク・タイムズや、ブルームバーグがすっぱぬいており、その額たるや、天文学的であり、四億ドル弱にものぼるとされています。そうして、その資産は、香港不動産が中心だそうです。

それに、以下のような信じがたい報道もされています。
習氏専用機で象牙密輸 国際環境団体が報告
習近平専用機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の犯罪集団が、昨年3月の習近平国家主席や中国政財界幹部によるタンザニア公式訪問を利用し、大量の象牙をタンザニアで買い付けて不法に持ち出したとする報告を発表しています。

タンザニアを訪問した習

このニュースでは、習自体は、直接関係ないような報道ぶりですが、そんな馬鹿な話はないと思います。習自身がかかわっていた可能性も十分あると思いますし、もし仮にそうでなかったとしても、このようなこと、もし日本の閣僚以上のような人が、政府専用機で、このような事態が発生したとしたら、とんでもない大騒ぎになるはずです。

そもそも、政府専用機だからといって、まともに管理もしていなければ、専用機で密輸などという不祥事が発生したら、その専用機を利用した閣僚のクビは飛ぶでしょうし、場合によっては、総理大臣の辞任騒ぎにまで発展する可能性があると思います。

本当に、中国は私達日本人からは、常識を逸脱したトンデモ国家であることは間違いありません。

失脚相次ぐ中国の現実から、現状では、習近平が権力を掌握できるか否かの正念場であることがわかります。しかし、権力を掌握してもしなくても対日本政策は変わらないどころかますます悪化することでしょう。

もう年末で、今年も終わりが近いです。2015年の日中関係はどうなるかなど、予め十分予想がつきます。良くなることは、一切ありえません。来年は、「終戦70周年」にあたります。この時にこそ、習政権は「歴史問題」で日本を激しく叩くつもりだからです。

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