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2020年3月7日土曜日

前例のない大胆政策…安倍政権は「消費減税」決断を! 財務省は必死に抵抗するだろうが…ここが政権の「正念場」だ―【私の論評】積極財政と金融緩和政策の両輪で、増税と武漢肺炎による景気低迷に対処せよ(゚д゚)!


安倍総理

新型コロナウイルスが、世界と日本の経済に大打撃を及ぼしそうだ。株価はすでに急落している。これから、実体経済に波及するのは避けられない。どう対応すべきか。

 結論から先に言えば、私は昨年10月、10%に引き上げた消費税率を元の8%に戻すべきだ、と思う。財務省は必死で抵抗するだろうが、今回の事態はそれほど深刻、かつ前例がない。安倍晋三政権の英断を望みたい。

 多くの読者は、いくらなんでも増税したばかりの消費税を減税するとは「あり得ない」と思われるかもしれない。だが、私は単に自分が期待するだけでなく、「首相の政治判断としても、十分あり得る」と思っている。

 なぜなら、安倍首相は2月29日の記者会見で、次のように語っていた。

 「各地の主要な株式市場において、軒並み株価が大きく下落するなど、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく」

 この「インパクトに見合うだけの政策」というフレーズは、私の記憶にない。安倍政権は「コロナ・ショック」がどれほどひどくなっても、それに見合う景気刺激策を展開する決意なのだ。そんな刺激策は減税しかない。

 これまで、日本で景気下支えと言えば、大型公共投資のような歳出拡大策ばかりが展開されてきた。だが、本来は歳出拡大だけでなく、減税もある。実際、ドナルド・トランプ政権を含め、米国では減税が多用されている。

 日本が減税に消極的なのは、財務省が抵抗するからだ。彼らは大きな声で言わないが、「予算のバラマキ」こそが権力の源泉になっている。減税すれば、それだけ原資が小さくなるので、彼らは必死で抵抗するのだ。

 だが、今回の事態は、財務省の都合に耳を傾けているような場合ではない。コロナ・ショックは、2008年のリーマン・ショックを上回る可能性もある。2月27日には、米国のダウ平均株価が過去最大の下げ幅を記録した。

 危機の終わりが見えないどころか、日本も米国も試練は始まったばかりなのだ。リーマンは金融の危機だったが、今回は金融にとどまらず、個人消費、設備投資はもちろん、製造業のサプライチェーンも直撃している。

 加えて、中国、北朝鮮、韓国の政権基盤も揺さぶっている。私は目を覚ますたびに「今日は何が起きているか」と緊張感に襲われる。人々の不安と恐怖は、とてつもなく大きい。そんな心細さはリーマンの時もなかった。

 そうであれば、安倍政権は前例のない大胆な政策で対応すべきだ。言葉ではなく、行動で「政府は国民とともにある」と訴える必要がある。昨年10~12月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥ったのは、消費増税が原因だった。減税は増税の誤りを正す結果にもなる。

 最悪なのは、不十分で小出しの対応である。対応に失敗すれば、夏の東京五輪・パラリンピックは吹っ飛び、政権の足元も危うくなるだろう。ここが「本当の正念場」だ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

【私の論評】積極財政と金融緩和策の両輪で、増税と武漢肺炎による景気低迷に対処せよ(゚д゚)!

武漢肺炎の猛威はすさまじく、北海道では感染者はとうとう90人を超えました、100人を超えるのも間近いでしょう。これにともなう、経済的損失も凄まじいものになるでしょう。

週明けに発表される去年10月から12月までのGDP=国内総生産の改定値について、民間の調査会社の間では、年率でマイナス6.3%だった速報段階から下方修正され、マイナス幅がさらに拡大するという予測が多くなっています。

去年10月から12月までのGDPの伸び率は、先月の速報段階では、消費税率の引き上げなどの影響で物価の変動を除いた実質でマイナス1.6%、年率に換算してマイナス6.3%となりました。

去年10月から12月までのGDPの伸び率は速報値では−6.3%だったが
このGDPについて、最新の統計を反映した改定値が、週明け9日に発表される予定です。

民間の調査会社など11社の予測によりますと改定値は、実質でマイナス1.6%からマイナス2.0%、年率換算ではマイナス6.1%からマイナス7.9%となりました。

11社のうち10社は、速報段階から下方修正されマイナス幅がさらに拡大するとしています。

これは、最新の統計で企業の設備投資が下振れしたためで、2社は前回、6年前の消費税率の引き上げ直後の年率マイナス7.4%よりも落ち込みが大きくなると予測しています。

もうすでに、景気後退局面に入っている可能性もあります。ちなみに、景気後退局面とは一般的に、国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となった場合をリセッションとみなします。日本経済はすでに景気後退局面に入っている恐れもあります。

これは、武漢肺炎前の数字です。さらに、1月から3月までのGDPも新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマイナスになるという予測も出ていて、そうなれば、日本は間違いなく景気後退局面に入ることになります。そうして、これはほぼ確実です。

すぐにでも、消費税減税をしたほうが良いのは言うまでもありません。消費税減税をするにしても、8%未満にするには、法的手続きが必要です。それには、ある程度時間がかかります。

しかし、すぐにできる方法があります。それは、消費税10%はそのままにして、全品軽減税率8%を適用することです。これなら、すぐにできます。これを実行するには、法律を変える必要はありません。安倍政権はまずはこれを速やかに実施すべきでしょう。


さらに、必要とあれば8%未満にできるようにするために新たな法律づくりに着手すべきでしょう。

積極財政には、減税の他にも様々な方法があります。例えば、香港で実施されたように、国民に対する現金の一律支給や、所得減税や社会保険料の減免も考えられます。公共事業の増額もあります。さらには、期限付きのクーポンの支給などもあります。

さらに、今の国債マイナス金利の環境を生かして、政府がマイナス金利で国債発行し、それをそのままマイナス金利で民間に貸し出す「緊急融資制度」を行うということもできます。武漢肺炎で損失を被った個人や企業はマイナス金利で一定額借入できるようにするという方法もあります。

日銀も、武漢肺炎がなかった時期ですら、物価目標を達成できなかったのですか、今後はイールドカーブ・コントロールなどはやめて、異次元の緩和に戻ってもらいたいものです。
中央銀行の資産は金融緩和の度合いに比例する、日銀は緩和しなかったことがわかる

このブログでは何度か掲載してきたように、リーマン・ショックのときには、欧米等が大規模な緩和に踏み切ったにもかかわらず、日銀はほとんど緩和をしなかったために、デフレが深刻化し、円高になりました。

そのため、震源地の米国や悪影響を受けた英国などではいち早く不況から立ち直ったのですが、日本一人だけがなかなか不況から立ち直れず、一人負けの状態になりました。

今回の武漢肺炎による景気に落ち込みは、リーマン・ショック時より酷いことになる可能性は高いです。日銀は、リーマン・ショック時の失敗を繰り返さないように、すみやかに従来の異次元緩和に踏み切るべきです。そうして、それを維持する旨をすぐ公表すべきです。

政府が景気後退局面からの脱出や武漢肺炎対策等のため、国債増発を通じて政府支出を増加させると、長期の市場金利に上昇圧力が加わり、これが次第に民間投資などを抑制するメカニズムが働きます。これに対して、政府支出が拡大するもとでも、中央銀行が市場金利の上昇を抑制すれば、民間投資などへのマイナスの影響は限られ、景気刺激効果の強まりが期待できます。

今般の、景気後退局面と武漢肺炎による経済活動の低下というダブルパンチに対処するためには、政府の積極財政と日銀の緩和政策の両輪で対処するしか方法はないのです。

【関連記事】



2018年5月9日水曜日

トランプ大統領、イラン核合意からの離脱を発表 欧州説得実らず―【私の論評】米のイラン核合意からの離脱の発表で、正念場を迎えた金正恩(゚д゚)!


核合意離脱を発表するトランプ大統領(ホワイトハウス、8日)

ドナルド・トランプ米大統領は8日、オバマ前政権が締結したイラクとの核合意から離脱すると発表した。合意は「衰えて腐って」おり、「市民」として「恥ずかしいものだ」と語った。

2015年に米国と共にこの合意を結んだ欧州各国からの忠告に反し、トランプ大統領は合意の見返りとして解除していた経済制裁を再び実行すると明らかにした。

これに対してイランは、ウラン濃縮再開に向けて準備を始めていると明らかにした。濃縮ウランは原子力発電だけでなく、核兵器開発の要となり得る。

イランのハッサン・ロウハニ大統領は、「米国は約束を守らないつもりだとを明らかにした」と批判した。

「イラン原子力機構(AEO)に対して、必要となれば工業水準のウラン濃縮を無制限で再開できるように、待機するよう命じた」と大統領は明らかにした。

ただし、まずは他の締結国や同盟国と核合意について話すため、「数週間待つ」としている。

「もし他の締結国との協力で核合意の目的が達成されるなら、現状を維持する」


ロウハニ大統領は「イラン核合意離脱なら米国は後悔する」と警告していた

包括的共同作業計画(JCPOA)と呼ばれるこの合意は、イランが核計画を制限することと引き換えに、国連と米国、欧州連合(EU)が同国に科していた経済制裁の解除を定めた。

トランプ氏はかねてから、この合意がイランの核計画を期限付きでしか制限しないことや、弾道ミサイル開発を制止しないを批判してきた。さらに合意によって、中東地域全体に「武器と恐怖と抑圧」をもたらすために使われた1000億ドルの臨時収入を、イランに与えてしまったなどと非難してきた。

「この衰えて腐った合意内容では、イランの核兵器を阻止できないことは自明だ」とトランプ氏は説明した。

「イランとの合意は根本から不完全だ」

核合意を結んだバラク・オバマ前大統領は、トランプ氏の発表を「不見識」と表現した。

経済制裁はいつ始まるのか

米財務省は、イランへの経済制裁はすぐには再開されないものの、90~180日ほどかかるとしている。

ウェブサイトに掲載された声明によると、制裁は2015年の合意に示された業界で再開される予定で、イランの石油産業、航空機輸出、レアメタル貿易、そしてイラン政府の米ドル獲得政策が含まれる。

ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、イランと取引関係のある欧州企も6カ月以内に取引を停止しなければ、米国の制裁を受けることになると述べたという。

世界各国の反応は?

核合意締結国のフランスとドイツ、英国の各首脳は、これまでトランプ氏を説得しようとしてきたが、今回の決定を受けて遺憾の意を表している。同じく締結国のロシアの外務省も、「深く失望した」と述べている。

EUのフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、EUはこの合意を「断固として維持する」と語った。

オバマ前大統領はフェイスブックに、核合意は現在も機能しており、米国の国益にかなっていると投稿した。

「JCPOA離脱は、米国に最も近しい同盟国と、この国の一流の外交官、科学者、そして情報専門家たちがまとめた協定に背を向けることだ」

「対北朝鮮外交を成功させるために全力を尽くしているこの時にJCPOAから離脱することで、まさに北朝鮮と共に目指す結果実現につながる合意に至れない恐れがある」

アントニオ・グテーレス国連事務総長は米国の発表を受けて「深刻な懸念」を表明し、他の締結国に責務を全うするよう求めた。

一方、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相は、トランプ氏が「悲惨な」合意から「思い切って」離脱したことを「全面的に支援する」と述べた。

イランのライバル国サウジアラビアもトランプ大統領の決定を「支援し、歓迎する」としている。

核合意の内容は?

ウラン濃縮作業が行われたイラン・イスファハンの施設(2005年3月30日撮影)

JCPOAはイランと国連安全保障常任理事国の米国、英国、フランス、中国、ロシアにドイツを加えた6カ国で結ばれた。

合意ではイランに対し、核燃料や核兵器に使用される濃縮ウランの在庫を15年間、10年間ウラン濃縮に使われる遠心分離機の設置台数を10年間、それぞれ制限することを定めた。

また、核爆弾に使用できるプルトニウムの製造ができないよう、重水設備を変えることでも合意。見返りとして、イラン経済を苦しめていた国連と米国、EUによる経済制裁が解除された。

イランは同国の核計画が完全に平和的なもので、核合意での取り決めを守っているかどうかも、国際原子力機関(IAEA)によって確認されていると主張している。

<分析>衝突軌道へ――ジョナサン・マーカスBBC防衛・外交編集委員

イランの核兵器開発抑止を目指す唯一の合意を、ドナルド・トランプ米大統領はあっさりと危機にさらした。合意の善し悪しは別にしても。

大統領は核合意とその欠点について容赦ない批判を浴びせた。しかし、代案は示さず、最も緊密な同盟関係にある国々と米国の外交政策を対立させる道を選んだ。

さらに一部では、中東が破滅的な地域戦争に陥る危険性を大幅に高めたと懸念されている。

(英語記事 Trump pulls US out of Iran deal

【私の論評】トランプ大統領のイラン核合意からの離脱の発表で、正念場を迎えた金正恩(゚д゚)!

昨日このブログで予測したとおり、やはりトランプ大統領はイラン核合意からの離脱を発表しました。

昨日の記事を読んでいない方のために、以下にリンクを掲載します。
イラン核合意問題 専門家はこう見る―【私の論評】トランプ氏は、米朝会談を有利にすすめるためイラン核合意問題を活用している(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分のみ以下に引用します。
私は、今回はトランプ氏が「合意から離脱」を発表をすると見ています。そうして、本当にそうするかどうかはわかりませんが、いずれイランへの武力行使の可能性もちらつかせると思います。そうして金正恩を極限まで追い詰めて、米朝会談をかなり有利にすすめるか、金正恩が会談をキャンセルするように仕向け、米軍が武力攻撃をしやすい状況にもっていくものと考えます。 
トランプ氏は元々は実業家です。実業家の場合、常に使える資源は限られていることを自覚しています。だから、優先順位をつけます。現在優先度が一番高いのは、北朝鮮です。優先順位をはっきりつけることと、定めた目標に対しては活用できるものは何でも活用するというのが、優れた実業家の真骨頂です。そうして、本当は米国でさえも、使える資源は限られています。 
イラクの問題と北朝鮮の問題に関して、どちらを優先するかということを考えれば、北朝鮮に軍配があがるのは当然のことです。 
イラン問題は多少複雑になったり、解決が長引いたにしても、イランが北朝鮮のように核ミサイルを米国に発射することはできません。11月の選挙の中間選挙のことを考えても、多少イラン問題が複雑化しようとも、北朝鮮問題の決着への見通しをこのあたりまでにはっきりと、国民に示したいというトランプ氏のしたたかな思惑が透けて見えます。 
これは、政治の専門家や、中東の専門家などにはかえって見えにくい局面だと思います。 
私は、トランプ氏は、米朝会談を有利にすすめるためイラン核合意問題を活用していると考えるのが妥当な見方であると考えます。
このような見方は、日本のメディアは無論のこと、欧米のメディアでもないようです。しかし、私はこの見方に関してある事実を知った後で、さらに確信を深めました。

それは、以下のような事実です。

トランプ大統領は8日に欧米など6カ国とイランが結んだ核合意からの離脱をホワイトハウスで発表した際、ポンペオ長官の4月訪朝に触れ、「北朝鮮と良い関係が構築されつつある」と語っています。

ポンペオ長官は4月に金委員長と会談したことで「良い関係」が生まれたと語った

トランプ大統領は米朝首脳会談について、「会談の予定は決まった。場所も選んである。日にちや時間、全部決まった」と述べました。

トランプ氏はさらに、「結局どうなるのか、見てみよう。うまくいかないかもしれない。しかし北朝鮮や韓国、世界全体にとって素晴らしいものになる可能性がある」と語りました。

トランプ大統領は3月に、北朝鮮からの首脳会談の提案を受け入れると表明し、国際社会に大きな衝撃が広がりました。米国の現職大統領が北朝鮮の最高指導者と会談したことは過去にありません。

トランプ氏は、首脳会談が6月初旬あるいは「それより少し早く」開かれるとし、いくつかの場所が検討されているが米国内ではないと述べていた。

8日には、金委員長が再び中国を訪問し、習近平国家主席と会談したことが明らかになっています。中国のメディアは、金委員長が、朝鮮半島の非核化を実現するため「段階的で同時進行的な」措置を望む、と語ったと報じました。

このポンペオ米国務長官は9日、再び北朝鮮の平壌に到着しました。北朝鮮の核問題をめぐる米朝首脳会談に備え、調整を行います。聯合ニュース(Yonhap News)は韓国の当局者の話として、北朝鮮で拘束されている米国人3人が解放され、ポンペオ氏と共に帰国するとの見通しを伝えました。

ポンペオ氏の平壌入りは同行している代表取材団が明らかにしました。現在は協議を行う柳京ホテル(Ryugyong Hotel)」に滞在しています。

聯合ニュースによると、韓国大統領府の関係者は、ポンペオ氏が「米朝首脳会談の日時を持ち帰るほか、拘束されている人たちを連れて帰るとみている」と語ったそうです。

ポンペオ氏は今月か来月に予定される米朝首脳会談の準備に当たっているほか、北朝鮮側に対し、拘束している米国人3人を解放するよう圧力をかけてきました。


私は4月ポンペオ・金正恩の会談の段階では、イランの原子力開発などを引き合いに出して、段階的で同時進行的な非核化を望んていたのでしょうが、おそらくポンペオ氏は、金正恩に対して米国はイラン核合意からの離脱する旨を伝えて、金正恩の段階的・同時進行的な非核化を断念し、あくまでもリビア方式で完璧に速やかに破棄するように迫ったのだと考えられます。

その後金正恩はすみやかに習近平と会談しています。8日も大連で会談しています。もし、北朝鮮が核を放棄した場合に備えて、北朝鮮が中国の核の傘の下に入ることなどを相談したものと思われます。それとともに、米朝会談が決裂した場合に備えて、制裁が強化された場合の中国が制裁を破る可能性についても、話しいをしたことでしょう。

いよいよ、北朝鮮は米朝会談で、リビア方式の核と核関連施設を完璧に破棄するか、米朝会談で決裂するか、そもそも米朝会談をキャンセルしかなくなりました。

米朝会談が決裂したり、キャンセルすれば、米の制裁はさらにきつくなり、その後に軍事力の行使ということにもなりかねません。

まさに、金正恩とっては正念場です。少しでも対応を間違えれば、米軍に斬首されかねません。

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2015年5月4日月曜日

帰国後の安倍首相を待ち受ける“抵抗勢力” 正念場となる安保・辺野古・70年談話 ―【私の論評】単なる安倍嫌いは、かつて日本からコミンテルンが姿を消したように、国民から見捨てられることになる(゚д゚)!


政府専用機で羽田空港に到着した安倍晋三首相と昭恵夫人
安倍晋三首相は3日午後、4月26日からの米国訪問を終え、政府専用機で羽田空港に帰国した。訪米中はオバマ大統領との首脳会談や上下両院合同会議での演説で「新時代の同盟関係」を打ち出し、大きな外交的成果を収めた。だが、これを担保するのが集団的自衛権の行使容認を含む新たな安全保障法制だ。首相は今夏の関連法案成立を対米公約として掲げ、自ら退路を断った。

「『この国会で(成立)』というのは当然のことだ。そのためにこれから努力していく」

首相は1日、米ロサンゼルスで同行記者団と懇談した際、安保関連法案の成立にかける決意をこう示した。これまでも今国会の成立を表明してきたが、今月中旬の法案提出を前に、その考えに揺るぎがないことを強調した。

だが、首相の前には数々の“抵抗勢力”が立ちはだかる。

安保関連法案の成立方針には、野党が「国会無視」(岡田克也民主党代表)などと一斉に反発。平成25年の臨時国会で成立にこぎ着けた特定秘密保護法の審議では、一時的に内閣支持率が下落したが、今回も一部野党が仕掛ける“レッテル貼り”に、来夏に参院選を控える自民、公明両党内が浮足立ちかねない。9月の自民党総裁選で再選を狙う首相にとって、最大の山場になるのは間違いない。

この記事の続きはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】単なる安倍嫌いは、かつて日本からコミンテルンが姿を消したように、国民から見捨てられることになる(゚д゚)!

日本には、安倍嫌いの方々が多数おられるようです。上の記事では、抵抗勢力などという言葉で表現しておられるようですが、彼らの言論をみていると安倍嫌いと判断せざるを得ない内容が満載です。

本日は、上の記事以外にも安倍嫌いの記事が報道されていました。その記事のURLを以下に掲載します。

【憲法記念日】「すべて安倍のせい」と護憲派が横浜でスパーク  大江健三郎氏「米演説は露骨なウソ」 香山リカ氏「憲法使い切ってない…」
憲法記念日に開かれた憲法集会で発言する作家の大江健三郎さん
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、一部のみ以下にコピペさせていただきます。
 憲法記念日の3日、各地で改憲、護憲両派の集会が開かれた中、横浜市西区の臨港パークでは「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会~戦争・原発・貧困・差別を許さない~」(実行委員会主催)が行われた。会場には作家の大江健三郎さんら護憲派の人々が3万人以上集まった(主催者発表)。それぞれが安倍晋三首相を「安倍」と呼び捨てで批判し、集団的自衛権反対を訴えた。
大江健三郎氏は、七回も「安倍」と総理のことを呼び捨てにしたそうです。作家の雨宮処凛さんは「この暑い中、熱中症で誰か倒れたら全部安倍のせい」と最初から“戦闘モード”だったそうです。この集会では、いろいろなことが語られているようですが、結局のところその本質は"安倍大嫌い"ということにみえてきます。何やら、滑稽さすら感じます。

さて、これだけこの記事や、ブログ冒頭の記事でもおわかりになるように、安部総理は多くの抵抗勢力からかなり嫌われているようです。では、安倍政権はどのような実績をあげたのか、以下に直近のものをまとめたものを田中秀臣氏のブログから引用させていただきます。

[経済]“安倍嫌い主義”の人たちが見ようとしない不都合な事実
倒産件数減少 http://twitter.com/shinchanchi/status/564788152502853632 
非正規から正規へ増加 https://twitter.com/shinchanchi/status/561820637514051585 
総雇用者所得も増税分除くと増加、有効求人倍率上昇&失業率低下https://twitter.com/shinchanchi/status/561818954692165632 
さらに付記 
高校生就職内定率 バブル期並みの水準に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150216/t10015497811000.html 
特別企画 : 2015年度の賃金動向に関する企業の意識調査
賃金改善を見込む企業は48.3%で過去最高
~ 給与・賞与は総額3.2兆円増加すると試算 ~
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p150203.html 
さらにさらに付記
長期失業者、前年から15万人減少し、2008年以来の100万人を割り込む。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS17H3Y_X10C15A2PP8000/
これは、主に金融緩和による成果が大きく寄与したものです。増税ははっきりいって、マイナスばかりで一つも良いことはありませんでした。それにしても、安倍政権以外では、このようなことは全くなかったし、これは「○○を死体」とか「■■をします」などではなく、現実に実現されたことばかりです。

このような実績を持つ、総理大臣を"安倍嫌い"で批判する人たちにとっては、本当に不都合な真実だと思います。

さて、抵抗勢力の人々は別にして、多くの国民は、安倍政権をどのようにみていているのでしょうか。朝日新聞による面白いアンケートの内容の記事がありましたので、以下に掲載します。
安倍内閣支持の理由 「ましだから」53%
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみコピペさせていだきます。
 安倍内閣を「支持する」は55%、「支持しない」は38%で、内閣支持率は高い水準を維持している。内閣支持層に「内閣に期待しているから」か、「これまでの内閣よりましだから」かを質問すると、「期待している」は42%で、「ましだから」の53%が多かった。自民支持層でも「期待派」と、「まし派」がほぼ並んだ。
この結果をみると、"安倍大嫌い"の朝日新聞の悔しさがにじみでているようです。安倍政権を支持する層が多数派であることは、どうあがいても否定のしようがないです。

そうして、朝日新聞としては、自民支持層でも「まし派」がほぼ並んだなどとしていますが、そもそも、民主主義体制内では、およそどんな政党でも、国民にとって全面的に「満足」などということはありえず、すべてに満足がいかなくとも、方向性などが自分とあっていれば、支持するというのが普通です。

チャーチルは、民主主義について以下のように述べています。

「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」

すべてに満足のいく、政治など民主主義体制内ではもともとありえないのです。

ということは、やはり、国民は安倍政権を支持しているということであり、"安倍嫌い"の反対勢力は支持はしていないということです。

かつて、日本は戦前、戦中、戦後にわたって、コミンテルンといわれるソ連のスパイが国内で暗躍し、かなり日本の政治に悪影響を与えてきました。

ところが、池田総理による、「所得倍増政策」などにより、労働者の賃金も上昇した後は、コミンテルンの影響力はなくなりました。やはり、経済がまともになり、賃金が上昇すれば、コミンテルンなどに幻惑される人間もいなくなるということです。

さて、安倍政権はいわゆるアベノミクスという経済対策で、経済を良くしようとしています。この動きは、最初はかなりうまくいきそうでしたが、昨年4月の8%増税で、後退を余儀なくされました。

しかし、金融緩和の効果自体は、増税によって後退させられはしたものの、それでも着実に効果がでており、上記で示したような安倍嫌いの人たちにとっては、不都合な真実である、経済指標の上向き傾向という事実かあります。

国民の多くは、これをかなりまともに評価しているのだと思います。このまま、景気が良くなれば、日本からコミンテルンが消えたように、"安倍嫌い"の対抗勢力姿を消すことになると思います。

だからこそ、彼らはそんなことはさせじと、断末魔の雄叫びをあげ、安倍政権を糾弾し、アベノミクスの頓挫を狙っているのです。

しかし、そのようなことにはなりそうもありません。私自身は、"安倍嫌い"という姿勢も、許容される場合もあると思います。しかしそれは、安倍政権に変わる効果のある対策を示す場合にのみ許容されるものだと思います。ただ反対するだけでは、大多数国民は馬鹿ではないので、単なる"安倍嫌い"に幻惑されることはありません。

代案もなくただただ「安倍が嫌い」と叫ぶだけでは、かつてコミンテルンが見捨てられたように、見捨てられることになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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安倍首相米議会演説 全文―【私の論評】「希望の同盟」を主題とする演説は、米国の保守派はもとより良識のあるリベラル派も味方につける用意周到なものだった(゚д゚)!



日米会談の成否「戦時の歴史に誠実に向き合うかどうかにかかっている」 NYタイムズが安倍首相に歴史直視要求―【私の論評】日米主導によるアジアの平和と繁栄が世界を救う(゚д゚)!



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2014年12月24日水曜日

強まる習政権の「恐怖政治」 胡錦濤派“粛清” 有力者全滅の可能性も―【私の論評】習近平は、権力を掌握できるか否かの正念場!しかし、掌握したとしても対日本政策は変わらないどころかますます悪化する(゚д゚)!


握手を交わす習近平(左)と胡錦濤(右) 写真はブログ管理人挿入以下同じ

中国の習近平国家主席が「恐怖政治」を強めている。胡錦濤前国家主席の側近、令計画・人民政治協商会議副主席が「重大な規律違反の疑い」で共産党の取り調べを受けたのだ。習氏による腐敗撲滅運動の一環で、その標的は、江沢民元国家主席率いる「上海閥」から、胡氏が率いる中国共産主義青年団(共青団)出身者で構成する「団派」に移ったといえる。識者は「団派全滅もあり得る」と分析している。

中国各紙は23日付で、令氏が規律違反の疑いで調査を受けていることを国営通信、新華社電を掲載して報じた。香港紙、東方日報は同日、令氏一家には計370億元(約7100億円)の預金があるほか、日本の京都に豪邸を所有していると報じた。
令計画氏

令氏は山西省出身。共青団で政治活動を始めて胡氏と懇意になり、胡氏が2003年に国家主席になると、政権の大番頭役である秘書として絶大な権力を握った。ところが、12年3月、息子が北京市内でフェラーリに女友達を乗せたまま死亡事故を起こして左遷されていた。

令氏の失脚には前兆があった。山西省政協副主席だった実兄の令政策氏は6月に拘束された。義兄の王健康・同省運城市副市長は8月から当局の調査対象になり、10月には弟の令完成氏も当局に身柄を拘束された。令氏の外堀はすでに埋められていた。

周永康氏
 共産党指導者が失脚すると、その取り巻きも罪を問われる。周永康前政治局常務委員の事件に絡み、すでに約500人が拘束されたといわれる。

「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は「習氏は今後、団派に対する大規模な粛清を行う可能性がある。胡氏は大丈夫だろうが、団派の有力者が全滅することもあり得る」といい、こう続けた。

「月刊中国」発行人 鳴霞氏

 「令氏の腐敗情報は以前から、米国の中華系ニュースサイトが報じていた。京都の豪邸の写真や不動産情報まで流れていた。そこには、令氏以外の共産党幹部の腐敗情報も出ている。習氏は独裁権力を強固にするため、強引な形で“政敵”を次々と失脚させている。先日、失脚した薄煕来・元重慶市党委員会書記の海外資産が没収された。令氏など団派の関係者は日本国内にもいる。日本の政財界に知己も多い。みんな戦々恐々としているのではないか」

【私の論評】習近平は、権力を掌握できるか否かの正念場!しかし、掌握したとしても対日本政策は変わらないどころかますます悪化する(゚д゚)!

昨年3月中国人民政治協商会議の開幕式に出席した習近平国家主席(上段右)と令計画氏(下段)

中国や北朝鮮などの国は、やはり恐ろしい国です。いくら権力の中枢に登ったとしても、権力闘争に負けてしまえば、追放されたり、命を奪われたり、財産を没収され、社会的に抹殺などされてしまいます。要するに、失脚という言葉で表現される、こういう独裁体制の国でおこる惨劇です。

まさに、習近平は、権力闘争の真っ最中であり、次々と政敵を葬り去りつつあるのです。

この件に関しては、前々から兆候があり、このブログでもそれについて掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載させていただきます。
中国、高官ら40人超不審死 事実上「粛清」との声も 汚職撲滅キャンペーンで―【私の論評】二種類の亡霊が示す、中国の政治権力闘争は命がけであることと出鱈目さ加減!こんな国に将来はない(゚д゚)!
不審死を遂げた遼寧省高級人民法院(高裁)ナンバー2の女性副裁判長、徐安生氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国の高官が相次いで不審死を遂げている事実を掲載しました。そうして、さらに、現在の中国には、二種類の亡霊がいることを掲載しました。

亡霊のうち、一つは、超不審死を遂げた人々の亡霊です。もう一つは、実体のない公務員という幽霊です。中国には、仕事をしていないのに政府から給与を得ていた「幽霊公務員」が16万人もいたことが判明しました。

この記事を書いた時点では、高官が超不審死を遂げていたのでずが、これに関しては当然のことながら、権力闘争の一環であるのは間違いなかったものと思います。

ただし、この時点では、地方政府の幹部が不審死を遂げていたのですが、最近では、さらに上の層が対象になってきています。

いずれ、もっと上の層まで行くことが十分予想されます。そうなると、胡錦濤自身にも追求の手がおよぶことも十分考えられます。

習指導部が発足した2012年11月の共産党大会から先月下旬までに、国家指導者級幹部3人、党指導部の党中央委員3人を含む、少なくとも57人の政府機関や地方政府の指導者級以上の幹部が失脚しました。李東生元公安次官など周永康氏の元側近も10人近く含まれます。

習が反腐敗運動を掲げて周氏ら潜在的な対抗勢力をたたくのをみて、中国政府の官僚は、習氏の怒りを買えばあらぬ腐敗を追及されかねないとすっかり萎縮しているようです。「今は目立たないのが得策だ。どこで虎の尾を踏むか分からない」。習氏の明確な意向が見えない分野では大胆な政策提案をできない状況にある、と政府関係者は漏らしています。

反腐敗運動を逆手に取り、出世競争のライバルを汚職の疑いで密告する例も増えているといます。汚職調査を受けることを苦にした公務員の自殺者も相次いでいます。

次の標的は、習氏がまだ人事を掌握しきれていない中国軍のようです。制服組トップだった徐才厚・前中央軍事委員会副主席は10月末に収賄罪などで起訴されました。その後、軍幹部への取り調べは厳しくなり、11月には取り調べを受けた馬発祥・海軍中将が飛び降り自殺をする事件も起きました。
飛び降り自殺した 馬発祥・海軍中将

軍内では軍の既得権益に切り込む習氏への反発が少なくありません。習氏が思惑通り、反腐敗運動を名目に軍をも掌握できるかは依然予断を許さない状況です。

それにしても、中国は完全に狂っています。習近平は、他の官僚らの不正を追求していますが、習い一族の蓄財など、ニューヨーク・タイムズや、ブルームバーグがすっぱぬいており、その額たるや、天文学的であり、四億ドル弱にものぼるとされています。そうして、その資産は、香港不動産が中心だそうです。

それに、以下のような信じがたい報道もされています。
習氏専用機で象牙密輸 国際環境団体が報告
習近平専用機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の犯罪集団が、昨年3月の習近平国家主席や中国政財界幹部によるタンザニア公式訪問を利用し、大量の象牙をタンザニアで買い付けて不法に持ち出したとする報告を発表しています。

タンザニアを訪問した習

このニュースでは、習自体は、直接関係ないような報道ぶりですが、そんな馬鹿な話はないと思います。習自身がかかわっていた可能性も十分あると思いますし、もし仮にそうでなかったとしても、このようなこと、もし日本の閣僚以上のような人が、政府専用機で、このような事態が発生したとしたら、とんでもない大騒ぎになるはずです。

そもそも、政府専用機だからといって、まともに管理もしていなければ、専用機で密輸などという不祥事が発生したら、その専用機を利用した閣僚のクビは飛ぶでしょうし、場合によっては、総理大臣の辞任騒ぎにまで発展する可能性があると思います。

本当に、中国は私達日本人からは、常識を逸脱したトンデモ国家であることは間違いありません。

失脚相次ぐ中国の現実から、現状では、習近平が権力を掌握できるか否かの正念場であることがわかります。しかし、権力を掌握してもしなくても対日本政策は変わらないどころかますます悪化することでしょう。

もう年末で、今年も終わりが近いです。2015年の日中関係はどうなるかなど、予め十分予想がつきます。良くなることは、一切ありえません。来年は、「終戦70周年」にあたります。この時にこそ、習政権は「歴史問題」で日本を激しく叩くつもりだからです。

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