僅差ながら大阪市民から「NO」を突き付けられた橋下氏=18日、大阪市内 |
大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は17日投開票が行われ、反対が賛成を約1万票上回り、大阪市の存続が決まった。大阪市民を二分する激しい戦いを繰り広げた維新の党最高顧問の橋下徹市長は、12月までの市長任期を全うしたうえでの「政界引退」を宣言した。ただ、首相官邸や野党幹部が来年夏の参院選などを見据えて、「橋下争奪戦」に動き出しているという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫った。
「市民のみなさんは重要な意思表示をしてくれた。僕が打ち出した大阪都構想。受け入れられなかったことは、間違っていたんでしょうね」「負けは負け」「政治家は僕の人生から終了です。僕のような敵を作る政治家は必要な時に出てくるワンポイントリリーフに過ぎない。権力者は使い捨てがいい」
橋下氏は17日夜、住民投票の結果が出た後の記者会見で、サバサバとした表情で、こう語った。次期大阪市長選挙には出馬せず、政界からの引退を表明した。笑顔も見せた。
大阪維新の府議は「これまで、橋下氏の失言があっても賛成がずっと上回っていたが、『浪速のエリカ様』こと上西小百合衆院議員(維新の党を除名)の国会病欠問題をきっかけに反対が増えた。『都構想反対』を掲げる自民党と公明党、民主党、共産党の組織戦もあって挽回できなかった。橋下氏は統一地方選から、もう2カ月もぶっ通しの街頭演説で力尽きた感じだ。引退は本音でしょう」という。
しかし、本人がいくら「政界引退」を口にしても、周りはそう簡単には収まらない。
橋下氏は「市長は一種の特別職で公務員ですから全体の奉仕者です。でも、国民の奴隷ではありません。これからは自分の人生をしっかり歩んでいきたい。弁護士としてプロフェッショナルというプライドもある。依頼された仕事を、求められたら結果を出す人生を歩み出したい」と語った。
だが、記者が「原発再稼働問題のときに『野田政権を倒す』とまで言っていたが」と食い下がると、橋下氏はやや気色ばみ、こう続けた。
「国民の奴隷ではありません。職業選択の自由もあります。そういうことであれば、クライアントとして報酬を払ってくれるならやります」
これは、国政転身に含みを持たせた発言ではないのか。
大阪都構想はついえても、橋下氏争奪戦は当分国政を揺るがしそうだ。
■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て、現在、フリージャーナリスト。著書に『最後の小沢一郎』(オークラ出版)、『政治報道のカラクリ』(イースト&プレス)、『ブレる日本政治』(ベスト新書)など多数。
■住民投票開票結果
反対 705585
賛成 694844
(選管最終)
この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!
【私の論評】今のままでは、無理!少し休んで、国政とマクロ経済を学んでから、国政に出馬していただきたい(゚д゚)!
上の記事でも、あるように橋下氏に対する期待の声は、未だ大きいものがあります。橋下氏引退による、喪失感もかなり大きなものがあります。
これについては、以下の記事をご覧いただくと良くお分かりになると思います。
「橋下喪失」続く動揺 維新、涙の慰留 国政転身期待も 民主は静観
維新の党の幹事長室会議の前に、記者にマイクを 向けられる松野頼久幹事長=18日午後、国会内 |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にその一部をコピペさせていただきます。
維新の党は18日、反対多数となった「大阪都構想」の住民投票の結果を受け、対応に追われた。代表辞任を表明した江田憲司氏の後任には松野頼久幹事長が有力だが、大阪選出議員を中心に政界引退を明言した橋下徹最高顧問(大阪市長)を失うことへの衝撃は大きく、動揺は続いた。
橋下氏が記者会見で「敗戦の弁」を述べた大阪市内のホテル。18日午前1時すぎまで約2時間に及んだ会見を終えた橋下氏や松井一郎大阪府知事を、馬場伸幸国対委員長ら大阪選出の議員が別室で取り囲んだ。
「まだまだやることがいっぱいある」
涙を流しながら橋下氏に引退撤回を迫る馬場氏。だが、橋下氏は「そう言わないで。また飲みましょう」と答えるだけだった。住民投票の1週間前から頻繁に大阪入りした江田氏も、党幹部を前に「もっと早い段階から頑張ればよかった。私に責任がある」と“男泣き”した。私自身も、橋下氏の政界引退は非常に残念な気がします。ただし、橋下氏が国政に打って出ることは今のままだと非常に難しいと思います。
そもそも、国政と地方自治体とは言葉では、同じ政治とはいえ全く異なります。
議会制民主主義とはいっても、地方議会と国政は非常に異なります。国政は、個人の力や人気だけで動きません。他の政治家や官僚、民間をうまく動かし調整して初めて動くものです。総理大臣も直接できることはたとえば衆議院の解散などに限られており、現実には議会と政党が力を持っています。だから根回しが第一です。 これが首長に権限が集中している地方議会との違いです。
上の動画をご覧いただくと、国政と地方議会の違いをご理解いただけるものと思います。残念ながら、橋下氏個人で国政を改革することは難しいです。橋下氏が今までやってきた、地方議会のやり方は全く通用しないということです。
そのことは、橋下氏自身も良く知っていると思います。橋下氏が、国政に打って出るなら、今までとはやりかたを随分変えなければならないです。
それと、橋下氏は、今まではマクロ経済など考えなくても良かったのですが、国政に参加するということになれば、それは許されませくん。マクロ経済に関しては、石原慎太郎氏はほとんど理解していなかったようですし、先の選挙で惨敗した次世代の党もあまり理解はしていないようでした。
橋下氏は、マクロ経済、その中でも金融政策をきちんと理解していなければ、石原氏や、次世代の党の二の舞いになる可能性が大です。やはり、マクロ経済に疎くて、結局経済を良くすることに消極的な政治家はどんなに人気があっても、最終的には姿を消すことになると思います。
だから、私は、橋下氏は国政とマクロ経済をしっかり学び、国政にチャレンジして頂きたいと思います。そうして、学ぶ期間は少なくとも一年間、できれば二年間は必要ではないかと思います。
それなしに、国政にいきなりチャレンジしても、うまくはいきません。しかし、しっかりと国政と、マクロ経済を学んで国政にチャレンジすれば、かなり良い政治家になれると思います。そうなれば、かなり期待できます。しかし、そうでなければ、凡庸な政治家で終わります。それなら、出馬しないほうが良いでしょう。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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