2015年11月20日金曜日

世界銀行の中国人幹部退任へ 習政権との近すぎる関係に米不満 主要ポスト失う―【私の論評】金の切れ目が縁の切れ目!金無し中国にはアメリカの支配階級も魅力も何も感じない(゚д゚)!

世界銀行の中国人幹部退任へ 習政権との近すぎる関係に米不満 主要ポスト失う 

2015.11.20

アジア太平洋経済協力会議(APEC)でも自国主導の経済圏構想を打ち出した中国に大逆風の事態だ。途上国向けに投融資や開発支援を行う世界銀行で中国人幹部の退任が決まり、中国は主要ポストを失うことになる。幹部と習近平政権との近すぎる関係に、米国など加盟国から不満がくすぶっていたとの報道もある。

世界銀行は国際通貨基金(IMF)とともに1945年に設立、途上国に幅広い援助を行っている。日本も戦後、東海道新幹線、東名高速道路などのインフラ建設で世銀の融資を受けた。国際復興開発銀行(IBRD)や国際開発協会(IDA)など複数の機関で構成され、いずれも米国が出資比率トップで、日本が2位となっている。

退任人事が話題になったのは、世銀グループで民間向けの投融資を行う国際金融公社(IFC)の長官を務める蔡金勇氏。中国籍の蔡氏は、ゴールドマン・サックスなどを経て2012年10月に現職に就いたが、IFCは今月11日、世銀前元総裁でフランス出身のフィリップ・ウエルー氏が次期長官に就任すると正式発表した。

蔡金勇
蔡氏が4年間の任期を1年近く残して退任する背景について、英フィナンシャル・タイムズ紙は、「北京(中国政府)との距離が近すぎ、あまりに多くの中国企業とのプロジェクトを推進したことで、加盟国から不満が出ていた」と報じた。

同紙によると、6月に中国国営の中国郵政儲蓄(ちょちく)銀行への3億ドル(約370億円)の出資を決めた際には、25人の理事のうち9人が抗議の意味を込めて棄権した。米国は最近のIFCによる中国企業向け投融資の案件では常に評決を棄権することで不快感を示しているという。

中国との関連では、世銀の最高財務責任者(CFO)でフランス出身のベルトランド・バドレ氏も来年3月に退任すると報じられた。米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、中国が国際的な存在感を高めるためにIDAに10億ドル(約1230億円)の融資と1億7900万ドル(約220億円)の助成金を出したことをめぐり、世銀の内部調査を受けていた。

ベルトランド・バドレ
 この案件でバドレ氏は蔡氏と一緒に働いており、AFP通信は、2人は韓国系米国人のジム・ヨン・キム総裁の側近だったとしている。

米国や日本主導の世銀でも、中国案件が組織を揺さぶる事態となったが、この先、中国主導で発足を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)はどうなるのか。

週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「中国政府の意向を強く受け、採算度外視の融資を行ったあげく、焦げ付きが発生する危険性が常に付きまとう」と警鐘を鳴らしている。

【私の論評】金の切れ目が縁の切れ目!金無し中国にはアメリカの支配階級も魅力も何も感じない(゚д゚)!

以前このブログでも述べたように、中国の金融は空洞化しています。上記の国際金融公社の中国籍の幹部、世界銀行の親中派フランス籍の幹部の退任激は、これと多いに関係あると思います。中国の金融の空洞化を掲載したいくつかの記事のリンク以下に掲載します。

まずは、中国の外貨準備高がかなりのマイナスになっていることを掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には「中国の外貨準備と資金流出入のグラフ」も掲載しました。以下にそのグラフとそのグラフに関する説明を掲載します。


さて、このグラフについては、つい昨日も別の記事で説明したので、その説明の内容を簡略にして以下に掲載します。
外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。 
中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。

中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。 
08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。 
元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。 
中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。
中国の外貨準備高の水準は従来かなりの額でしたが、この金は海外から借りていたものをもかなり積んでいたもので、真水の(外国等から借り物ではなく、正真正銘の積立金という意味)日本の外貨準備高とはもともと異なります。これは、外国からの資金が中国に入ってこなくなったどころか、中国国内の資金が海外に流出していることを示していると考えられます。

実際、中国では以前から天文学的な数値の資金が国外に流出していました。中国では、相当前から資金が国外に流れ出していたということがあります。それに関する記事を以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
中国の統計はでたらめ、現実にはマイナス成長であろうことは、以前のこのブログにも掲載した

この記事では、 保八(注:経済成長8%を死守する政策)も維持できないどころか、本当はマイナス成長といわれる中国経済ですが、金融面でもとんでもないことが発覚したことについて掲載しました。そのとんでもないこととは、中国から「大量のマネー」が姿を消しているという驚愕の事実です。その内容を以下に抜粋します。

まずは、この記事で引用した宮崎正弘氏のメルマガの内容を以下にコピペさせていただきます。
 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル  外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になるのだが。。。。。
****************************************
グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ(GFI,ワシントンの国際金融監視シンクタンク)の調査に拠れば、中国から不正に海外へ持ち出された金額が精密に報告され、驚くべき巨額の事実が浮かび上がって。 
 つい最近まで筆者は1兆800億ドルと、このGFIの数字を援用してきた(これは2002年か2011年の統計とされた)。 
 ところが新しい報告では2000年から2011年までの統計で、実に3兆7900億ドルが不正に海外へ流れた(Illicit flow)。2005年から2011年の統計で2兆8300億ドルとなる新しい数字に上方修正された。 
どの期間の統計かによって、数字が異なるのは当然といえ、もし2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録。邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたる。 
これは中国の金融が空洞化していることを示して余りある。 
以下に掲げる「ワースト・ランキング」はGFIが集計した2002年から2011年の合算統計である。 
1)中国      3兆7900億ドル
2)ロシア      8809億ドル
3)メキシコ     4618
4)マレーシア    3704
5)インド       3431 
桁違いの汚職天国、ロシアのそれも凄いが中国に比べたら何ほどのこともない。
2011年当時ですら、この有様で、最近ではさらに資金流出から加速化したといわれています。だからこそ、最近では、中国の外貨準備高が大幅な黒字から、大幅な赤字に転じたものと考えられます。

さらには、最近では以下のような記事があります。この記事は、今月6日のものです。
【異形の中国】死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた…―【私の論評】今の中国が最も恐れるのは南シナ海ではない! 日銀の追加金融緩和と、アメリカの金融制裁だ(゚д゚)!
天津大爆発は、中国経済に打撃を与えた=8月
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の金融の空洞化に関係する部分のみ以下に掲載します。
中国の抱える債務はGDPの282%である。2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。つまり借り換え、分かりやすくいえば、ギリシャのように「証文の書き換え」が目の前に来ているということだ。

5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた。

なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。中国は日本株をほぼすべて売却していたのである。

あまつさえ中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も少しずつ売却している。次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。

加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、死に物狂いの金集めを展開している。 
これは末期的症状ではないのか。
ブログ冒頭の記事で、国際金融機関の幹部である、蔡金勇やベルトランド・バドレが退任させられたのは、上で示したように、金につまつた中国の便宜をはかるようなことをしたからです。

今後彼ら、そのまま元の地位につけておけば、中国政府の意向を強く受け、採算度外視の融資を行ったあげく、焦げ付きが発生する危険性がつきまとうことも考えられるため、それを回避するための措置です。

それだけ、中国の金融は空洞化して、末期的症状だということです。

本日は、中国に関する面白いというか、はなはだ疑問に感じる動画を視聴しました。その動画を以下に掲載します。



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この動画では、アメリカに在住し、アメリカのリアリズムに迫った視点から日米関係を分析している伊藤­貫氏をお招きし、「航行の自由作戦」で盛り上がったアメリカ崇拝の虚しさを指摘すると共に、アメリカが中国と戦争出来ない理由を、政治資金の供給源や、第4・第5­の戦場における均衡状態から解説しています。

この動画では、アメリカは、従来からエンゲージメント・グループ(親中派)、コンテインメント・グループ(反中派)があるのですが、結局のところエンゲージメント・グループのうちのアメリカのトップ0.1%の資産家が選挙に金を出しているから、アメリカは米国と戦争しないだろうとしています。

さらに、サイバー戦や宇宙戦では、米中が互角になっているので、戦争をすれば両国とも大変なことになるので、戦争しないだろうというものです。

しかし、上記で掲載したように、中国の金融は空洞化しています。また、このブログでも何度か掲載してきたように、中国の軍事技術は酷く遅れていて、日本の海上自衛隊と本格的な戦争になったとしても、半日で壊滅するほどの水準です。

中国の宇宙産業はロシアから輸入したものです。ロシアにしても、宇宙で中国に覇権を握らるような脅威には晒されたくないので、肝心要の部分はブラックボックスにしていることでしょう。サイバー戦に関しても、実体がどれほどの水準のものなのかわかりません。そもそも、両方とも表に出すようなものではなく、秘匿するものです。

そもそも、金融が空洞化してしまえば、金の切れ目が、縁の切れ目であり、金無し中国にはアメリカの支配階級も何の魅力も感じないのではないかと思います。金があるからこそ、さらに金が集まり、アメリカ支配階級にとっても、価値ある中国だったのに、もうそうではありません。

それに金融が空洞化してしまえば、当然のことながら軍事面の支出もできなくなります。特に、宇宙開発は無理です。サイバー戦くらいなら、金がなくてもある程度できるかもしれませんが、それも行き着く先は、やはり金です。

サイバー戦ともなれば、ハッカーが遊びでどこかのサイトに侵入するのとはわけが違います。多くの人材を育てること、それに機器だってパソコン程度じゃ駄目で、もっと強力なものが必要になると思います。

このようなことを考えると、伊藤貫氏の言っていることが、疑わしく思えてきます。伊藤氏は、アメリカ在住が長いですから、知らず知らずのうちに、過去にはアメリカで多数派だった、エンゲージメント・グループに多大に影響を受けてしまったため、現実を直視できなくなってのではないかと思います。

それに、インタビューしている水島氏は、TPP論議では、TPP芸人の尻馬にのって、TPPに大反対をしていました。しかし、現在ではTPP芸人バブルは完全に弾けてしまいました。こんなことを考えると、水島氏の米中の見方についても、かなり疑問を感じます。

結局のところ、中国は凡庸なアジアの一党独裁国家に過ぎないのですが、それが空前絶後の大国家であったということが、多くの人に期待を持たせたのでしょうが、今のままの体制で金無し中国がいつまでも続くとは考えにくいし、確かに米中が戦争はしないということは考えられますが、今のままの中国がそのままで経済的にも軍事的にも、アメリカと対等になるとか、いずれ追い越すとか、ましてや現在対等であるというのは、やはり幻想に過ぎないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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