2016年3月12日土曜日

安倍首相のブレーン本田参与、6月スイス赴任に高まる“消費増税先送り”―【私の論評】日本の積極財政の夜明けがはじまり、世界経済を牽引することになる(゚д゚)!


本田参与の大使赴任遅れは、増税先送りのサインか
政府は11日の閣議で、駐スイス大使に、安倍晋三首相の経済ブレーンで、「反増税派の論客」として知られる本田悦朗内閣官房参与を充てる人事を決定した。発令は同日付だが、何と赴任は6月上旬という。国内外の有識者らを集め、世界経済の情勢を議論する「国際金融経済分析会合」に参加するためで、来年4月の消費税10%の先送りが高まってきた。

「アベノミクスの意義をしっかり議論していきたい」

本田氏は、16日から始まる「分析会合」について、産経新聞の取材にこう答えた。

同会議には、安倍首相や麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生担当相ら関係閣僚に加え、日銀の黒田東彦総裁、ノーベル経済学賞を受賞した米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授など、海外の著名な経済学者や国際機関の研究者などを招く。

ジョセフ・スティグリッツ教授 彼なら緊縮財政の無意味なことを明快に説明するだろう。
 中国経済の減速や原油価格の低下、金融市場の混乱などをテーマに、5月の伊勢志摩サミットまで5回程度開く予定で、永田町では「消費増税延期の地ならし」(自民党中堅)とみられている。

本田氏がスイス大使に転任するという一報が流れた際、財政再建を重視する政府・自民党内の一部には「反増税派の力が弱まる」という期待感が強まった。だが、本田氏は「分析会合」の全日程に出席し、サミットまでは参与職も兼務するという。

異例の措置に、官邸関係者は「安倍首相の『再増税には慎重』というメッセージが伝わってくる」と語っている。

【私の論評】日本の積極財政の夜明けがはじまり、世界経済を牽引することになる(゚д゚)!

上の記事、消費税10%見送りに向かって、安倍総理が着々と手を打っていることが理解できる記事です。

「国際金融経済分析会合」は、今月中頃からサミットまでに5回程度開催される予定です。伊勢志摩サミットは、5月に開催されます。

本田悦朗内閣官房参与のスイス赴任が、もっと早い時期、たとえば5月より以前であれば、10%増税が実行される可能性が高まったものと判断すべきだったでしょう。

これまでも消費増税決定の前に、経済財政諮問会議の「点検会合」が開かれていました。
2014年4月の5%から8%への消費増税の時には、13年8月26日から30日まで点検会合が開かれました。この会合では、有識者・専門家60人が参加し、消費増税すべきだとする意見が7割超、予定変更すべきだという意見が1割超で、結果として増税が実行されました。消費増税をすべきという意見の人たちは、たとえ増税したとしても、日本経済への影響は軽微としていました。

この点検会合の結果を踏まえ、結局平成14年4月から8%増税が実施されました。しかし、増税後に景気は腰折れし、点検会合で出された意見の多くは間違いだったことがはっきりしました。安倍総理は、これを重く受け止め、点検会合に不信感を抱いたのではないでしょうか。

さらに、当初15年10月に予定されていた8%から10%への消費再増税をめぐり、やはり経済財政諮問会議の点検会合が14年11月4日から18日まで開催されました。この会議でも、増税すべきという意見が大勢を占めました。

平成14年11月18日の点検会合 
一方、安倍首相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議および、20カ国・地域(G20)首脳会合出席のために、同月9日から17日まで外遊しました。

G20に参加し、オバマ大統領と会談した安倍総理
首相はこの外遊期間中に海外から与党要人に個別に電話をかけて衆院解散を伝えた模様でした。総理は点検会合における再増税ありきの議論をまったく受け入れるつもりがなかったのです。

8%増税の悪影響は昨年10月-12月期のGDP成長率が、マイナスになったことでも明らかなように、未だに続いています。さらに、このままだと、アベノミックスの金融緩和による雇用の改善状況も、今年の夏あたりから悪化する可能性すらあります。

現状では、実際には増税による悪影響による景気の悪化を、アベノミクスは頓挫したなどと言い出す政治家や、識者などもでている状況です。これが、さらに夏になり、さらに悪化すれば、マスコミや他の識者まで、それに便乗し、増税は棚にあげ、アベノミクス自体が大失敗と大合唱し、またまた、10%増税を押し切られる可能性が高いです。

そうなれば、景気はさらに落ち込み、とんでもないことになるのはあまりにも明らかです。安倍総理自身もそうなることなど望んではいないことでしょう。

ところで、政府は、伊勢志摩サミットにおいて世界経済のために財政政策と金融政策を同時発動を打ち出す流れになっています。新たな点検会合もこれを補強するのであると考えられます。これは、増税などの緊縮財政とは真逆の積極財政を示すものなので、消費増税もこの流れからすると当然延期ということにならなければ、一貫性がありません。


5月26、27日に伊勢志摩サミット、6月1日に国会会期末という政治日程を考えると、安倍総理による次のシナリオが浮かび上がってきます。

まず、点検会合で「世界経済のためには緊縮財政からの脱却が必要」との方針を打ち出します。サミットで世界の首脳がその方針を確認します。このような外交成果も踏まえて、国会会期末に衆院解散を宣言します。

解散から40日以内の総選挙実施を定めた憲法54条により、7月10日に、衆参ダブル選挙をすることになります。

ダブル選挙の争点の第一は経済になることでしょう。緊縮財政からの脱却を掲げることになれば、増税延期と財源のダブルバズーカが発射されることになるでしょう。

増税推進派からは、積極財政の財源について追求される可能性もありますが、それは、以前もこのブログで掲載したように、外国為替資金特別会計と労働保険特別会計などの埋蔵金が存在します。

これらは、円高対策と、雇用対策にあたられるもので、金融緩和によって、円安傾向や雇用が上向いている現在、その全額を貯めこんでおく必要性などさらさらなく、今こそ経済対策に使うべきものです。そうして、これでも財源としては十分なのですが、さらに奥の手もあります。

これらを整合性を保って、日本の実情にあわせて、合理的に順序立てて誰にでも理解できるように説明できる人としては、現状では本田参与が一番です。

その本田参与が、駐スイス大使に決まってしまったのですが、その赴任がなんと6月ということです。

無論、このようなことは、安倍総理の意思決定によってのみ行われることですが、これはどう考えても、増税延期のスケジュール・シフトと考えて間違いないようです。

それと、本田参与が駐スイス大使になることについては、私なりに考えてみたのですが、最近の国連の動きを牽制するためだと思います。

このブログにも掲載したように、スイス・ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会において、日本における「天皇男系継承は女性差別」と勧告しようとしてみたり、慰安婦問題に関する動きがあったたりで、この問題に対処する強力な人材を必要としています。

本田参与を駐スイス大使にするのは、こうした問題に対処させるという目的もあるのだと思います。

 日本の皇室典範の内容にまで、提言をしようとした、国連女子差別撤廃委員会
それにしても、とにかく、日本は積極財政と、金融緩和で、とっととデフレから完全脱却して、まともな経済に戻すべきです。

伊勢志摩サミットは8つの閣僚会議も開催されるという空前の大規模で行われます。これは、前回の洞爺湖サミットよりもかなりインパクトが大きいです。

このインパクトのある会議で、日本が世界の国々に向かって「緊縮財政からの脱却が必要」と訴えるわけです。そうして、最近では景気が悪いときに「緊縮財政」をしても全く効果はないということが、再確認されているので、各国首脳もこれに合意して、共同声明が出されるに違いありません。

そうなると、日本も当然積極財政をしなければならず、緊縮財政の手段である増税などできません。そうして、この直後に安倍総理が増税見送り、衆参両院同時選挙を宣言するわけです。素晴らしいシナリオという以外にありません。

中国経済が落ち込む中、原油安は日本にとっては良いことですし、中国のように構造的に重大な問題のない日本の経済が復活すれば、アジアや世界経済にとっても良いことです。

これを機に日本は、はやい時期にデフレから完全脱却し、世界経済を牽引することになると思います。そうして、世界の他の国々も、過去の日本のように、デフレなどの不景気なときに増税などの緊縮財政をして失敗するという二の轍を踏むこともなくなり、良い方向に向かうことになることでしょう。

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