習主席に「パナマ文書」が直撃したが… |
この1週間、世界を席巻しているトピックといえば「パナマ文書」である。史上最大の機密文書漏えいで、アイスランドのグンロイグソン首相は辞任を表明し、英国のキャメロン首相は政治生命の危機を迎えている。
「米国と中国がすでに新たな冷戦に入っている」「しからば日本はどうすべきか」を論じる当連載でも、触れずにいられない大事件である。
民主的な国家では、この種のスキャンダルは政治家にとって命取りになりかねない。だが、独裁国家におけるインパクトは限定的ともみられる。
「パナマ文書」に記載のある世界各国の法人、個人の情報1100万件超のうち、実は、件数が最多なのは中国である。習近平国家主席をはじめ、最高指導部7人のうち3人の親族がタックスヘイブン(租税回避地)に登記された会社の株主に名を連ねていることが、すでに報じられた。
しかし、こうした情報は中国国内では報道されないばかりか、発覚直後、中国のインターネットでは「パナマ」という単語すら検索不可能となってしまった。
筆者は先週、来日していた中国メディア関係者と会う機会があったので、「パナマ文書」についても聞くと、彼は次のように語った。
「報道はないが、多くの国民が『パナマ文書』について知っている。外国と行き来する中国人は多いし、在外の親族や友人から情報を得る人もザラにいる。策を講じて、『壁』(=中国当局によるインターネットの検閲システム)を超え、外国のサイトを見る者も少なくない」
ただ、習氏の親族の件を知っても、中国人はさほど驚いたり怒ったりしないという。日本では「腐敗撲滅キャンペーン」を実施してきた習氏自身が、親族名義で外国に財産を隠していたとなると、国民の怒りが爆発するのではないかと報じられたが、実際はさにあらずと。なぜか? メディア関係者は続けた。
「中国では『汚職をしない政治家や官僚は、この世に1人もいない』という人間界の真理を、皆が知っているからだ。資産を外国に移すことも、程度の差こそあれ、多くの国民がやっている。あなた(筆者)が追及している、中国人が日本の不動産を買いあさっている件も同じことでしょ」
彼は一笑に付しつつ、一方で中国メディアが連日、国内のショッキングな事件報道に力を入れ、「パナマ文書」が大きな話題にならないように陽動作戦を展開していることも明かしてくれた。
中国共産党機関紙「人民日報」傘下の国際情報紙「環球時報」は「『パナマ文書』流出の最大の利得者は米国だ」という趣旨の論説を掲載した。そのまま中国政府の公式見解とはいえず、米国の陰謀というのは早計だとしても、確かに現段階での米国のダメージは意外なほど小さい。まったく的外れな見立てともいえない。「パナマ文書」をめぐる、米中の情報戦の佳境はまさにこれから、であろう。
■有本香(ありもと・かおり)
「米国と中国がすでに新たな冷戦に入っている」「しからば日本はどうすべきか」を論じる当連載でも、触れずにいられない大事件である。
民主的な国家では、この種のスキャンダルは政治家にとって命取りになりかねない。だが、独裁国家におけるインパクトは限定的ともみられる。
「パナマ文書」に記載のある世界各国の法人、個人の情報1100万件超のうち、実は、件数が最多なのは中国である。習近平国家主席をはじめ、最高指導部7人のうち3人の親族がタックスヘイブン(租税回避地)に登記された会社の株主に名を連ねていることが、すでに報じられた。
しかし、こうした情報は中国国内では報道されないばかりか、発覚直後、中国のインターネットでは「パナマ」という単語すら検索不可能となってしまった。
筆者は先週、来日していた中国メディア関係者と会う機会があったので、「パナマ文書」についても聞くと、彼は次のように語った。
「報道はないが、多くの国民が『パナマ文書』について知っている。外国と行き来する中国人は多いし、在外の親族や友人から情報を得る人もザラにいる。策を講じて、『壁』(=中国当局によるインターネットの検閲システム)を超え、外国のサイトを見る者も少なくない」
ただ、習氏の親族の件を知っても、中国人はさほど驚いたり怒ったりしないという。日本では「腐敗撲滅キャンペーン」を実施してきた習氏自身が、親族名義で外国に財産を隠していたとなると、国民の怒りが爆発するのではないかと報じられたが、実際はさにあらずと。なぜか? メディア関係者は続けた。
「中国では『汚職をしない政治家や官僚は、この世に1人もいない』という人間界の真理を、皆が知っているからだ。資産を外国に移すことも、程度の差こそあれ、多くの国民がやっている。あなた(筆者)が追及している、中国人が日本の不動産を買いあさっている件も同じことでしょ」
彼は一笑に付しつつ、一方で中国メディアが連日、国内のショッキングな事件報道に力を入れ、「パナマ文書」が大きな話題にならないように陽動作戦を展開していることも明かしてくれた。
中国共産党機関紙「人民日報」傘下の国際情報紙「環球時報」は「『パナマ文書』流出の最大の利得者は米国だ」という趣旨の論説を掲載した。そのまま中国政府の公式見解とはいえず、米国の陰謀というのは早計だとしても、確かに現段階での米国のダメージは意外なほど小さい。まったく的外れな見立てともいえない。「パナマ文書」をめぐる、米中の情報戦の佳境はまさにこれから、であろう。
■有本香(ありもと・かおり)
最近は、中国のインターネット関連の情報遮断システムである「金盾」は周知の事実となったので、あまり報道されませんが、ブログ冒頭の記事でも『壁』という言葉で報道されているように、今回ものパナマ文書に関しても「金盾」は中国国内の情報統制にかなり活躍しているようです。
全体主義の危険性を訴えたジョージ・オーウェルのSF小説『1984年』に登場する監視システム「テレスクリーン」になぞらえられたり、「赤いエシュロン」「サイバー万里の長城」「ジンドゥンプロジェクト」などの呼び名も存在します。
中国国内のインターネット利用者に対して、中国共産党にとって都合の悪い情報にアクセスできないようにフィルタリングする金盾のファイアウォール機能は、"Great Wall" (万里の長城)をもじってGreat Firewall(グレート・ファイアウォール)と呼ばれています。
グレート・ファイアウォールの概念図(想像図) |
この当時は、日本のインターネットに関しても中国側が検閲を入れているような内容になっていますが、現在はそのようなことはないようです。現在では、中国側の検閲が他国にまで及ばないようにされているのだと思います。実際現在だと、日本国内でチベットなどを検索するとかなりの数がでてきます。
いずれにしても、中国国内では、今でも厳重な検閲が入っています。実際に中国では「パナマ文書」関係の検索は一切できません。
しかし、今回の震源地となったICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)のサイトには様々な情報が掲載さています。そのリンクとサイトのホームページのパナマ文書関連のリンクのバナーの画像を以下に掲載します。
https://www.icij.org/
このサイト、少し前までは見ることができたのですが、アクセスが殺到しているためでしょうか、ここ何日かは見られないようです。おそらく、一部の人のみが見られるようにしているのだと思います。
特に中国関連の中身をもう一度見ようと思っていたのですが、残念なが見られなかったので、このサイトから引用した記事はないかと探していたところ、以下のような記事が見つかりました。
習近平大ピンチ!? 「パナマ文書」が明かした現代中国の深い“闇”習近平一族の資産移転も載っていた
詳細は、このサイト(現代ビジネス)をご覧いただくものとして、以下にICIJのサイトから引用した内容を以下に引用させていただきます。
まずは、習一族の資産移転に関して、次のように記されていました。
鄧家貴は、不動産開発で財を成し、1996年に斉橋橋と結婚して、「紅い貴族」となった。斉橋橋は、かつての革命の英雄でトップ・オフィシャルにいた習仲勲の娘だ。斉橋橋の弟が、中国国家主席で中国共産党トップの習近平である。ブルームバーグ・ニュースは2012年、鄧夫妻が何百万ドルもの不動産を保有していて、他の資産も保有しているという調査レポートを暴露した。
「モサック・フォンセカ」の内部資料によれば、義理の弟が政界の出世街道を駆け上がっていった2004年に、鄧家貴は英国領ヴァージン諸島に、オフショア・カンパニーを設立した。その会社名は、シュープリーム・ビクトリー・エンタープライズで、鄧家貴が唯一の取締役で株主である。だがこの会社は2007年に、英国領ヴァージン諸島の登記から削除された。
2009年9月、鄧は別の二つの英国領ヴァージン諸島の「転売用会社」の単独の取締役兼株主となった。会社名はそれぞれ、ベスト・エフェクト・エンタープライズと、ウェルス・ミング・インターナショナル・リミテッドである。「モサック・フォンセカ」は、鄧がそれらの会社の「判子」を得るのを手助けした。これら2社が、何のために利用されたのかは不明だ。
時を経て、習近平は中国を統治する党中央政治局常務委員のトップ9入りした。習が2012年の共産党大会で総書記に、また2013年に国家主席に選ばれた時までに、この英国領ヴァージン諸島の2社は、休眠状態となった。このサイトにも掲載してありましたが、この記述を読むだけでは、この習近平主席の姉夫婦が実際に行った行為が、分かったようで分かりません。
習近平のファミリービジネスはこのブログにも以前掲載したことがあります。これについては、以下にその記事のリンクを掲載しておきますので、その記事をご覧になってください。
人民解放軍に激震 習政権が軍部のカネの流れを徹底調査 聖域を破壊 ―【私の論評】習の戦いは、中国の金融が空洞化し体制崩壊の危機状況にあることを露呈した(゚д゚)!
今度は人民解放軍にメス。習氏のもくろみは吉と出るか。写真はブログ管理人挿入。以下同じ。 |
今回のパナマ文書は、これらの情報の物的証拠ともいえるものです。これが公表されたということは、単にICIJや英紙ガーディアンのスッパ抜きどころではなく、大激震であるということです。確かに中国人の多くは、もうこのような事実自体は珍しいことでもないので、表面上では今更あまり驚き、怒ったりしないかもしれませんが、反習近平派は、大いに勢いづいていることでしょう。
なお、このブログ記事で私は以下のように結論づけました。
中国では、建国以来毎年2万件もの暴動が発生していたとされています。それが、2010年からは10万件になったとされています。中国の一般人民の憤怒のマグマは頂点に達しているということです。
それでも、今までは幹部や、富裕層は少なくとも、巨万の富を蓄えさせてくれたということで、中国の現体制を支持してきたと思います。しかし、習近平の反腐敗キャンペーンにより、幹部や富裕層も現体制を支持しなくなることが考えられます。
そうなると、様々な不満分子が乱立し、現体制を変えるか、潰そうという動きが本格化する可能性が高いです。そうなれば、現体制は崩壊します。その日は意外と近いと思います。
習のこの戦いは、中国の金融が空洞化し現体制の崩壊も含む危機状況にあることを露呈したとみるべきです。現体制の崩壊は、パナマ文書が公になってさらに加速したものと思います。ブログ冒頭の記事では、結論として、これを米中の情報戦の一環として位置づけていますが、私はその側面は否定しないものの、この情報は中国の内情をよく示すものでもあると思います。
震源地パナマの国旗柄のビキニを着用する女性 |
ちなみに「パナマ文書」には、習近平主席の他にも、中国共産党の新旧幹部たちの親族のケースを暴露している。ICIJのホームページから、その要旨を訳出したものも、このサイトに掲載されていたので、それも以下に掲載します。
【現役幹部】
〈劉雲山〉
共産党トップ7の劉雲山(序列5位)の義理の娘である贾Liqingは、2009年に英国領ヴァージン諸島に登記されたウルトラ・タイム・インベストメントの取締役兼共同経営者だった。
〈張高麗・常務委員、筆頭副首相〉
共産党トップ7の張高麗(序列7位)の義理の息子である李Shing Putは、英国領ヴァージン諸島に登記された3つの会社の株主である。3社とは、ゼンノン・キャピタル・マネジメント、シノ・リライアンス・ネットワーク・コーポレーション、グローリー・トップ・インベストメントである。
【引退幹部】
〈李鵬・元首相〉
李鵬は、1987年から1998年まで首相を務めた。李鵬元首相の娘である李小琳と彼女の夫は、コフィック・インベストメントという1994年に英国領ヴァージン諸島に編入された会社のオーナーである。この会社のファンドは、産業部品をヨーロッパから中国に輸入するのをサポートするためのものだと、李小琳の弁護士たちは述べている。その所有権はは長年、いわゆる「無記名株」(日本では1991年に廃止)という手法で保管されてきた。
〈贾慶林・元中国人民政治協商会議主席〉
2012年まで中国共産党序列4位だった贾慶林元常務委員の孫娘であるジャスミン・李紫丹は、スタンフォード大学に入学した2010年、ハーベスト・サン・トレイディングという名のオフショア・カンパニーのオーナーになった。以来、ジャスミン李は、20代のうちに、驚嘆すべき巨額のビジネスを行った。彼女の英国領ヴァージン諸島にある二つのペーパー・カンパニーは、北京に30万ドルの資本金の会社を創立するのに使われた。この二つのペーパー・カンパニーを使って、彼女は自分の名前を公表せずにビジネスを行うことができた。
〈曽慶紅・元国家副主席〉
2002年から2007年まで国家副主席だった曽慶紅の弟、曽慶輝は、チャイナ・カルチュラル・エクスチェンジの取締役を務めていた。この会社は当初ニウエに登記され、2006年になってサモアに移された。
【死去・失脚幹部】
〈胡耀邦・元総書記〉この現代ビジネスのサイトには、「パナマ文書」に関する世界各国のニュースとして、英BBCによる中国と関連した興味深いレポートを掲載していましたので、それも以下に引用します。
1982年から1987年まで中国共産党のトップを務めた故・胡耀邦元総書記の息子、胡徳華は、フォータレント・インターナショナル・ホールディングスの取締役であり、実質上のオーナーだった。この会社は2003年に、英国領ヴァージン諸島に登記された。胡徳華は、父親が総書記だった時代に使っていた中南海の公邸の住所で登記していた。
〈毛沢東・元主席〉
1949年の建国から1976年の死去まで中国共産党のリーダーだった毛沢東の義理の孫息子である陳東昇は、2011年、英国領ヴァージン諸島に、キーン・ベスト・インターナショナル・リミテッドを登記した。生命保険会社と美術品オークション会社のトップを務めている。陳は、キーン・ベストの唯一の取締役であり、株主である。
〈薄煕来・元中央政治局員、重慶市党委書記〉
失脚した薄煕来元中央政治局員の妻、谷開来は、英国領ヴァージン諸島にペーパー・カンパニーを所有し、その会社を経由して南フランスに豪華な別荘を購入していた。2011年に、愛人だった英国人ネイル・ヘイウッドに、このペーパー・カンパニーのことを暴露されそうになり、ヘイウッドを殺害。その2週間後に、ペーパー・カンパニーのオーナーから退いた。
以上の9人である。これからマネーロンダリングの額を始めとする具体的な情報が、どんどん出てくるに違いない。特に、現役の習近平(序列1位)、劉雲山(序列5位)、張高麗(序列7位)の動向に注目である。
多くの中国人は、社会的に不安定な中国から、自分の資産を移そうと、四苦八苦している。中国共産党の幹部さえ、自分の財産を海外に移している。
今週明らかになったモサック・フォンセカ社から流出した「パナマ文書」は、その実態の一端を明らかにした。同社の最大の顧客が中国で、1万6000社にも上る中国系企業の資産を管理していたのだ。
資産をこっそり移しているのは、政府幹部ばかりではない。多くの中国人富裕層が、香港を経由して、資産をこっそり海外に移していた。そして移した資産の多くを、不動産に変えていた。中国人は昨年、およそ350億ポンドもの海外不動産を購入した。
中国人は、国内の法律により、年間3万5,000ポンドしか海外送金できない。だが、減速する中国経済の影響で自分の貯蓄が消えることを恐れる人や、当局から財産を隠したい人にとって、資産を密かに国外に持ち出すことは、必要なリスクなのだ。
中国政府は資金の国外流出を、間違いなくとても不満に思っているが、これを完全に阻止するのは難しい。そのため、中国の最も裕福な人々は、今日も資金を国外に持ち出して使っている。これは彼らにとって自己保身行為と言えるが、それによって中国は、より危うくなっているのだ。今年に入って、中国国内では、「異変」が起こっていました。習近平政権が「爆買い」を阻止する措置に着手し始めたようなのです。
中国の出入国管理法は、一般国民にパスポートを支給するようになった'90年代半ばに制定されました。それによると、一人5000米ドル以上の海外への持ち出しを禁じていますが、そんな20年も前の法律は、これまで有名無実化していました。それを今年の1月から、空港で厳格に検査するようになったのです。
海外での『爆買い』に関しても、帰国時の空港で厳格にチェックし、どんどん課税していくようです。つまり、いくら海外で免税品を買っても、中国に持ち込む際に高額の課税をされる可能性があるわけです。
現在の中国政府のキャッチフレーズは、「中国の夢」である。でも、庶民のささやかな夢は、そうやってどんどん制限されていきます。一方で、「中国の夢」を実現した中国人は、ペーパー・カンパニーを作ったり、不動産投資などで、資産を海外に移転させるようになりました。
「パナマ文書」は、そのような現代中国が抱える深い闇を、図らずも世界に露呈させたのだった。
そうして、この闇がある限り、中国は中進国の罠(中所得国の罠)からは逃れられないでしょう。
現在中国の個人消費は、GDPの35%に過ぎません。これが日本を含めたたの先進国では60%くらいが普通です。米国に至っては70%です。
個人消費の低さを今のまま放置しておけば、中国は中進国の罠から逃れることはできません。しかし、今の中国では放置する以外に方法はありません。
ゾンビ企業の退治をしても、それだけではこの状況は変えられません。そのためには、今の中国のように、富めるものから富めなどという、トリクルダウンのようなことを期待しても、無理です。
そのためには、このブログで過去に何度か掲載してきたように、経済的な中間層を数多く輩出し、彼らが自由に社会・経済活動ができるようにする必要があります。
そのためには、民主化、政治と経済の分離、法治国家化は避けて通ることはできません。
他の先進国もこのような道を辿ってきました。日本もその例外ではなく、明治維新以降にそれを行ってきました。そのような素地があったからこそ、戦後の高度経済成長を達成できたのです。
現在でも、中国よりははるかに実体経済は強い国です。しかし、過去20年ほどは酷いデフレを放置してきたので、経済が低迷してきただけです。構造改革などせずとも、これから、追記金融緩和策を実施し、10%増税は見送り、積極財政に転ずれば、かなりの経済成長が期待できます。
しかし、中国は違います。民主化、政治と経済の分離、法治国家化という構造改革をしないかぎり、今後経済成長はできません。これは、相当困難というより、絶望的です。
そうなると、考えられる中国の将来は、「中国の夢」ではなく、いくつかの国に分裂して、そのうちの1つか2つの国が、中進国の罠から脱出するという将来と、分裂せずに、そのままの状態で、図体が大きいだけのアジアの凡庸な独裁国家になるという将来です。
「中国の夢」にはもうすでにかなりの綻びがあることが、パナマ文書で明らかになった |
おそらく、中国の将来は、後のほうのアジアの凡庸な独裁国家になるということでしょう。なぜなら、中国は経済・社会は遅れる一方、人民を弾圧するための、人民解放軍、公安警察、城管などは、他の国などでは想像できないほど強力だし、情報操作・統制も格段に優れているからです。それは、これからさらにパナマ文書が解析されるうちに、より一層鮮明になることでしょう。
【関連記事】
【関連図書】
石平 有本香
産経新聞出版
売り上げランキング: 14,228
産経新聞出版
売り上げランキング: 14,228
エドワード ルトワック
文藝春秋
売り上げランキング: 69
文藝春秋
売り上げランキング: 69
0 件のコメント:
コメントを投稿