2016年9月26日月曜日

安倍首相「1月解散」は意外と本気 維新150周年に意欲―【私の論評】年末・年始選挙になれば、安倍超長期政権が誕生が確実に(゚д゚)!

安倍首相「1月解散」は意外と本気 維新150周年に意欲

安倍総理の地元山口県では「山口観光振興条例」を
制定し明治維新150年を盛大にアピールしようとしている
 相次ぐ台風で日本各地に大きな被害が出る中、臨時国会が始まったばかりの永田町では突風のような「解散風」が吹き始めた。きっかけは日経新聞の〈来年1月解散説 永田町に浮上〉(9月17日付朝刊)記事だった。

 麻生太郎・副総理が派内に「理論上は1月解散はありうる。しっかり準備しておけ」と指示を出しており、安倍首相は12月の日ロ首脳会談で〈北方領土問題を前進させる政治決断を下し、その信を国民に問う--との観測だ〉という内容だ。

 とはいえ、首相は7月の衆参ダブル選挙を断念したばかりだ。自民党内では「高齢で強面、決して世論受けがいいとは思えない二階俊博氏が幹事長に起用されたことで総選挙は遠のいた」との見方が強まっていただけに、解散説は寝耳に水。

 選対のベテラン幹部は「複数の新聞記者から1月解散の問い合わせがあったが、ありえないと答えた。官邸から選挙準備の指示は何も出ていない。新聞社がネタがないときによくやる観測記事の類だろう」と一笑に付している。

 しかし、火のないところに煙は立たない。官邸筋は「解散はある」とこういう。

 「官邸の有力なスタッフが総理に1月解散を進言し、総理も本気で解散を視野に入れている。総選挙に勝って国政選挙5連勝となれば、自民党総裁任期を延長して安倍総理が東京五輪を迎えることに党内の誰も文句を言えなくなる」

 実際、自民党の総裁直属機関、政治制度改革実行本部では党内の反対を押しつぶすような強引なやり方で任期延長の党則改正手続きが進んでいる。

 本部長の高村正彦・副総裁は同本部の初会合(9月20日)でいきなり現在2期6年の総裁任期を「3期9年」に延長する私案を提出し、安倍首相から直接、「総裁任期の延長を検討してほしい」と本部長就任を要請された内幕を明らかにした。

 いくら安倍首相が「任期延長は全く考えていない」と否定しても、首相の特命なのはバレバレなのだ。

 首相自身、この夏、地元・山口での講演で任期延長への意欲をにじませた。明治維新から50年後に山口県出身の寺内正毅、100年後に大叔父の佐藤栄作が首相を務めていたことに触れ、こう語った。

 「私は山口出身の8人目の首相。何とか頑張って平成30年(2018年)までいけば、(明治維新150周年も)山口県出身の安倍晋三が首相ということになる」

 明治維新150周年は2018年10月だが、安倍首相の総裁任期はその前の同年9月に切れる。首相として山口で予定されている「明治維新150周年事業」のイベントに出席し、故郷に錦を飾るには任期延長が不可欠なのだ。

 官邸は解散・総選挙をにらんだ政治日程を組んでいる。例年1月の通常国会召集前に開催する自民党大会を来年は3月に延期することを検討していることだ。

 「総裁任期を延長する党則改正は党大会の承認が必要だが、年末にかけて臨時国会、予算編成と日程が立て込んでいる。党大会を1月に開くと意見集約が間に合わない恐れがある」

 自民党幹部はそう解説するが、理由はそれだけではない。

 安倍首相が「消費税増税見送り」を掲げて解散した前回総選挙(2014年12月)の後も、翌年1月の党大会を3月に延期した。今回、執行部が強引に突破すれば1月党大会での党則改正は十分可能なはずだが、あえて党大会日程の延期を検討しているのは、あらかじめ選挙日程を空けておくためとみれば合点がいく。

 ※週刊ポスト2016年10月7日号

【私の論評】年末・年始選挙になれば、安倍超長期政権が誕生することに(゚д゚)!

上の記事のように、新年明けそうそうの解散総選挙について別のソースの報道がありました。それは産経新聞によるものです。

以下にその記事を引用します。
政府・与党に「1月解散」風じわり 日露首脳会談、自民党大会、都議選、新「区割り」、総裁任期、そして弱い野党…にわかに浮上
キューバの首都ハバナで行われた署名式でラウル・カストロ
国家評議会議長(中央右)と拍手する安倍首相(同左)=22日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部だけ引用させていただきます。
 政府・与党内に「早期解散」風がじわりと吹き始めた。安倍晋三首相は12月にロシアのプーチン大統領を地元・山口県に招いて首脳会談を行うが、北方領土返還交渉の「成果」を手に、来年1月の通常国会冒頭で衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方だ。新体制に移行した民進党は勢いを欠き、野党共闘の態勢が整っていないことも早期解散説に拍車をかけている。
そうして、来年の年明け選挙の根拠として、その信ぴょう性を裏付けるデータとして、安倍政権の支持率が最近60%台を回復したということもあります。以下に日経新聞のグラフを掲載します。


いくら、解散総選挙の条件が整ったにしても、支持率が低下していれば、総選挙などなかなかできるものではありませんが、支持率が回復基調です十分解散総選挙を視野に入れることができます。

支持率に関しては、FNNの調査では驚くべき者がありました。


FNNの世論調査によれば、3カ月連続の上昇傾向となりました。
FNNが、18日までの2日間に行った世論調査で、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、8月より1.2ポイント増えて、56.6%、「支持しない」人は、0.2ポイント増えて、33.3%でした。

「10代・20代」に限ると、男性の7割以上(72.2%)、女性の6割台半ば(64.7%)が、安倍内閣を「支持する」と答え、内閣支持率を押し上げています。

安倍首相は今年の参議院選挙前に衆議院を解散して衆参同時選挙を行うつもりであったであろうことは、このブログでも何度か掲載しました。安倍内閣支持率は当時高く、伊勢志摩サミットの直後となれば、さらに支持がアップすることが期待できました。

ところが、熊本地震が4月に発生し、大きな被害をもたらしました。しかも、その後も余震が頻発し、状況が定まりませんでした。結局衆議院解散に踏み込むことはできませんでした。また舛添東京都知事(当時)の一連の問題も騒がれました。自民党が舛添氏を擁立した経緯もあり、安倍自民には決して順風ばかりではなくなってしまいました。

イギリスのEU離脱決定で、世界経済への不安も生じました。仮に衆参同時選挙となっていたら、自民党が衆議院で大勝していたかは分からないです。ぎりぎりの勝利で改憲派で3分の2は難しかったかもしれないです。

これで近々の衆議院解散はなくなったと見えました。安倍氏の自民党総裁としての任期は2018年9月まです。消費税増税は2019年10月まで引き延ばし、影響が当分ない状態にしました。

そうして、2018年夏まで解散せずに、それまでの間に憲法改正まで一気に持ていきたいというのが新たなシナリオになったと見えました。早期の解散をすると、民進党の代表選で決まる「新しい顔」で民進党が善戦したら全てのシナリオが狂うというリスクもありました。

しかし、政治の世界は一寸先が闇と言われますが、状況が一気に変わりました。民進党の新しい顔に蓮舫氏が選出されたのですが、この選挙戦の最中に蓮舫氏の二重国籍問題が浮上しました。

民進党は「つまらない男」から「ユニークな女」への交代で一気に再生を目指す目論みであったのでしょうが、このシナリオは大きく壊れました。代表辞任や議員辞職を求める声さえあります。

代表戦で民進党の代表は蓮舫氏に決まったが・・・・・
今後、手ぐすねひいて国会で徹底追求をしようとする議員が結構存在するものと思います。今までのところ、この二重国籍問題あまりネガティブ・イメージはないようにもみえますが、国会で徹底追求ということにでもなれば、かなり民進党のイメージは悪くなるのは必定です。

民進党は、幹部の中にもこの問題を軽く考える人も大勢いるようですが、決してそうではありません。このブログでも掲載したように、台湾と日本は明らかに利益が相反するところがあります。利益が相反する国の国籍を持った蓮舫氏が国会議員であったこと自体も大問題です。蓮舫氏は代表選を辞退すべきでした。国会で、この問題を複数の保守系議員が徹底追求するのは目に見えています。

はっきり言ってしまうと、民進党も蓮舫代表も自ら茨の道を選んでしまったと言っても過言ではありません。

蓮舫代表と民進党を待ち受ける茨の道?
民主党政権が崩壊してから4年近くが経ち、厳しかった批判もやや和らぎ始めていたのですが、これでまた波に乗るのは難しくなりました。蓮舫氏はこれまでもスキャンダル報道で苦しんできたのですが、民進党代表となるとさらに注目を浴びます。この二重国籍問題だけでもダメージは大きいですが、舛添氏のように次々と批判報道が続く可能性もあります。

現在、自民党総裁の再選を3期、あるいはそれ以上に延ばすルール改定が議論されています。早々の衆議院解散総選挙でまた自民党が大勝するなら、総裁の任期のルール改定も賛同が得られやすくなります。今、解散しておけば、次の解散総選挙は東京オリンピック前か直後でも構わないです。オリンピックの高揚したムードの中で総選挙ということになります。憲法改正までの時間も十分取れるます。

年末・年始の総選挙となれば、野党は準備不足です。この年末には、安倍首相はプーチン大統領との日露首脳会談を山口で持つことが予定されています。北方領土問題での進展もあるかも知れないです。

オバマ大統領が広島を訪問したことに対して、今年は安倍首相がパール・ハーバーを訪れることも提案されています。オバマ大統領との最後のツーショットやもし可能なら、新大統領予定者との対談などができれば、日米間の関係強化をアピールできるでしょう。そうした余韻のもとに年末・年始のいきなりの衆議院解散総選挙は「ありうるシナリオ」です。

安倍政権は超長期政権となる可能性が高まってきたようです。

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