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ついに安倍首相は決断するのか |
長谷川氏の注目すべき解説は後述するとして、政府・与党幹部から最近、気になる発言が相次いでいる。
安倍首相の懐刀、菅義偉官房長官は3月31日、ラジオ日本の番組で、「衆参ダブル選は『99%ない』と言えるかもしれないが、『100%ない』とは言えない」と語った。
菅氏は翌日の新元号発表で一躍時の人になった。安倍内閣の支持率は最高で9・5ポイント(共同通信、前月比)も上がり、52・8%になった。
7日投開票の北海道知事選は「与党系候補vs野党統一候補」の激突だったが、野党共闘とは形ばかりで、内実はバラバラだった。9日告示の衆院大阪12区補選でも、共産党前職を「無所属」候補として出馬させる「奇策」を使ってまで、野党共闘にこだわったが、立憲民主党や国民民主党は「自主投票」で、ほころびが生じている。
野党は、夏の参院選で勝敗のカギを握る「1人区」の候補者調整が統一選後半戦(21日投開票)後にずれ込むなど、準備が遅れたままだ。国民民主党と自由党との合併協議も難航している。
安倍首相には“好機到来”というしかない。
自民党の閣僚経験者は「野党が連携不足で、体たらくなのはチャンスだ。今後4年間かけ、憲法改正に腰を据えて挑むためには、リスクはあっても、衆参ダブル選がいい。相乗効果も出る」との本音が漏れてきた。
安倍首相と距離を置く自民党の古賀誠元幹事長も8日夜、BS日テレ番組で「衆参ダブル選はやるべきだ。これを逸したら、衆院解散を打って出るタイミングは難しくなる」と肯定的な発言をした。
世界経済の先行き不安が広がるなか、予定通りに今年10月に消費税率が10%に上がれば、景気の落ち込みが予想される。来年夏の東京五輪・パラリンピック以降になると、野党共闘への時間的余裕を与える。
現在の衆院議員の任期は2021年秋まであるが、さまざまな条件を考えると、解散を打つタイミングは限られてくるのだ。
安倍首相は5月中旬ごろまでには、今年1~3月期のGDP(国内総生産)や市場動向などをにらみ、消費税増税の最終決断を下すとみられる。
立憲民主党会派の岡田克也元外相は3日、「自民党が強いというよりも、野党が弱い。景気の先行きが不透明ななかで、野党をつぶしにかかるダブル選はあるかもしれない」と記者団に警戒感を隠さなかった。
前出の閣僚経験者も「令和元年に、いきなりの増税で景気が悪くなるのもどうか。もし、安倍首相が『増税凍結・延期』を決断すれば、その是非がダブル選の『大義』になるかもしれない」と語る。
一連の動きを、どう分析すべきか。
夕刊フジで人気連載「ニュースの核心」(金曜掲載)を担当するジャーナリストの長谷川氏は、安倍首相が今月22日から29日まで8日間、フランス、イタリア、スロバキア、ベルギー、米国、カナダの6カ国を歴訪することに注目する。
6月に大阪で行われるG20(20カ国・地域)首脳会議(サミット)の成功に向けて「緊密な協力を確認する」といい、米国ではドナルド・トランプ大統領と首脳会談を行う方向というが、これが不可解なのだ。
「トランプ氏は5月末に国賓として来日する。その前に会いに行くのは『別の隠された理由』があるのではないか。内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査など、経済の各種統計は悪化している。米中貿易戦争や、英国のEU(欧州連合)離脱など、世界経済の懸念材料は山積している。安倍首相はG20で議長を務め、『世界経済の成長・安定のために頑張ろう』と各国首脳に呼びかけるが、日本が消費税増税を断行すれば、世界経済悪化の引き金を引きかねない。トランプ氏と4月末に会談して、米中貿易戦争の見極めをして、増税延期に踏み切るつもりではないか」
ここで、安倍首相が世界経済を守るために「増税延期の是非」などを掲げて、衆参ダブル選に打って出る可能性が浮上してくる。2014年衆院選と同じ構図だ。
通常国会は延長しなければ6月26日で閉会となる。今回改選組の参院議員の任期満了は7月28日のため、7月中の参院選が不可欠だ。
もし、会期末の衆院解散となると、公選法の「40日以内」の規定から、衆参ダブル選の選択肢は「7月21日」に絞られてくる。
長谷川氏は「増税延期は4月中にも発表される可能性もある。新天皇が即位された令和元年に、景気を悪化させることは、政治指導者として避けるのではないか。衆参ダブル選の可能性は十分ある」と語っている。
【私の論評】日米首脳会談で消費税凍結が決まる(゚д゚)!
皆さんご存知のように、私は安倍総理を支持しています。なぜかというと、中国の「反日統一共同戦線戦略」を「無力化」することに成功したからです。今、日韓、日ロ関係が再び悪化していますが、それは多分に相手側に問題があり、外交は概ね成功していると思います。特に、過去の政権と比較すれば、かなり良い線を行っています。
さらに、金融政策に関しては最近は、実質的な引き締め状況ではありますが、それにしても過去の政権のときに比較すれば、緩和状況を続けており、雇用は劇的に改善されました。そのため、私は、安倍政権を支持しています。しかし、内政に関しては、いろいろいいたいことがあります。
たとえば、消費税引き上げについてはこのブログの読者ならご存知のように、私は大昔から大反対しています。
いままで日本の消費税は、3回変わってきました。1989年、消費税導入。税率3%に。翌年、バブルが崩壊しました。これは、日銀が本来インフレでもないのに、土地や株価の値上がりを一般物価の値上がりと勘違いして、金融引き締めに転じたのが、最初の引き金でしたが、それに消費税増税が追い打ちをかけました。
いままで日本の消費税は、3回変わってきました。1989年、消費税導入。税率3%に。翌年、バブルが崩壊しました。これは、日銀が本来インフレでもないのに、土地や株価の値上がりを一般物価の値上がりと勘違いして、金融引き締めに転じたのが、最初の引き金でしたが、それに消費税増税が追い打ちをかけました。
1997年4月、消費税率を3%から5%に引き上げ。これが、日本経済に「とどめ」を刺しました。このち直後から日本経済は完璧にデフレに投入しました。96年のGDP成長率は3.1%でした。今の感覚でいえば、「かなり良い感じ」です。しかし、消費税が導入された1997年は、1.07%。98年:1.13%、99年:0.25%。
これについて、「アジア通貨危機のせいだ」とか「ロシアのデフォルトのせいだ」という人もいます。確かにそういう要因もあるでしょう。しかし、他の国々は、97年98年の危機から速やかに脱却しました。日本だけ「暗黒時代」が長引きました。明らかに消費税引き上げが原因です。
消費税をあげても、税収はさほど上がってはいない。それは、増税によって 個人消費が減ってGDPの成長が鈍化したためである。 |
安倍さんが総理になられた2013年には、日本経済は、久々に「イケイケ」でした。といっても、この年のGDP成長率は2%。私たちは、どれほど「低成長」「無成長」に慣れてしまったのかということです。
2014年4月、消費税率が8%まで引き上げられました。この年のGDP成長率は、0.38%。アベノミクスは、いきなり「大鈍化」してしまいました。2015年は1.35%、2016年0.96%、2017年1.74%、2018年1.14%。1%台の成長では、本来は「好景気」などとはいえません。
世界経済、去年から米中貿易戦争の影響で暗雲が漂いはじめています。米国による対中国経済冷戦により、特に中国経済が落ち込みをみせています。そして、日本企業にも影響がでてきています。日本電産の永守さんは「リーマン級だ!」とおっしゃっています。
すでにIMFも、米中貿易戦争が原因で世界経済は悪化すると予測しています。明らかに景気が悪化していく未来が見えているのに、日本は消費税をあげようというのです。愚かとしか言いようがないです。病人にドロップキックをくらわすようなものです。ウォール・ストリート・ジャーナルも、その愚かさを指摘しているのです。
先にも掲載したように、5日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、日本で10月に実施される消費税増税が経済をさらに悪化させる「自傷行為」になるとの見方を示しました。
同紙は、日本の直近の経済指標が低調な上、米中貿易摩擦などで世界的に成長が鈍化し、逆風になっているとするとともに、8年目に突入するアベノミクスは「完全には実現しておらず、投資や生産性への重しになっている」と指摘しました。
同感です。世界的には、米中貿易戦争とブレグジット。日本国内では、消費税率引き上げとオリンピックバブル終焉。悪材料がたくさんあります。
ウォール・ストリート・ジャーナルは本日以下のような記事を掲載しました。
アベノミクス第二の矢を折る消費増税
日本経済は減速しているが、政府は消費税率の引き上げに踏み切りそうだ。むしろ増税を撤回し、ここ数年の経済発展を維持すべきだ。
調査データや消費者態度指数、機械受注統計はいずれも、日本経済がここ何年かで最もぜい弱な状態にあることを示唆している。その一因は中国の減速だ。
それにもかかわらず、安倍晋三首相は人口高齢化に伴う社会保障費用の増加に対応するため、10月に消費税を8%から10%へ引き上げなければならないと主張している。2014年に実施した前回の消費税増税がリセッション(景気後退)入りの引き金を引いたことなどお構いなしだ。
アベノミクスの第二の矢である財政刺激策は、盛んに議論されたが全く威力を発揮していない。国内総生産(GDP)に対する政府債務残高の比率は安倍氏が内閣総理大臣に返り咲いた12年以降、ほとんど変化していない。安倍氏は今や、第二の矢を自身の足元に放つリスクを冒している。
日本が引き続き直面している最大のリスクは成長停滞であって、政府債務の負担ではない。物価変動の影響を含む名目成長率は、第2次安倍政権の初期に改善したものの、その後は実質的にゼロ成長に鈍化した。
一方、債務返済コストはGDPのわずか1%程度にとどまる。現在は国債の半分近くを日銀が保有しているため、投資家の動揺を発端に債務を巡るパニックに陥る可能性は一段と低くなっている。
日本政府は欧州が犯した過ちを回避すべきだ。欧州は成長鈍化に対する有効策を講じることに後ろ向きで、マクロ経済の政策決定が中国政府の動きに影響されている。
確かに、日本では企業利益など他の歳入源に比べ消費税率は低い。だが政策転換は景気が好調な時に、全体的な財政政策を引き締めることなくゆっくりと進めるべきだ。キャッシュレス決済のポイント還元など、増税時の景気対策として打ち出された措置は不十分だろう。
中国を震源とする世界的な景気減速に見舞われた16年、安倍氏は消費増税の延期という適切な判断を下した。日本には今一度、誤った増税を棚上げする余地がある。
米国の有力経済紙がこのような記事を二度にわたって掲載しているわけですから、日本が消費税増税を断行すれば、世界経済悪化の引き金を引きかねないことをトランプ政権も十二分に理解しているのではないでしょうか。
冒頭の記事にもあるように、安倍総理は、トランプ氏と4月末に会談して、米中貿易戦争の見極めをして、増税延期に踏み切るつもりではないでしょうか。
4月のトランプ・安倍会談では当然消費税も話題に・・・・ |
私としては、5%の次は、3%に、3%の次は消費税ゼロにし、その後経済の動向をみて、本当にインフレ懸念が起こったときに3%の消費税にするなどして、これをもって日本の財政政策を機動的な財政政策に根本からつくりかえていただきたいと思います。
減税で、経済成長が実現されれば、税収も増え、これに対して批判をする識者もいなくなるでしょう。さらに、金融政策もぬかりなく、現状実質的に引き締め状況になっている金融政策に関しても、果敢に挑戦し、量的緩和をさらに実行して、日本を再び成長軌道にもどしていただきたいものです。
そうして、いつまでもまともなマクロ経済政策ができない状況を終わりにしていただきたいです。だれが、日銀の総裁になろうが、財務省の次官が誰になろうが、だいたいまともなマクロ経済政策が実施できるように、システムを根底から変えていただきたいです。
それができれば、安倍政権は絶大な支持を受けて、憲法改正もかなりやりやすい状況になるでしょう。増税をすれば、これとは全く反対の状況となり、憲法改正は遠のくことになります。
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