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2010年7月18日日曜日

宮崎駿「iPadは自慰行為そのもの」 「iナントカじゃ大切なものは手に入らない」―日本解体を頑なに信じる妄想老人の仲間か?

宮崎駿「iPadは自慰行為そのもの」 「iナントカじゃ大切なものは手に入らない」(この内容すでにご存じの方は、この項は読み飛ばしてください)


宮崎駿監督

   映画監督の宮崎駿さんが、アップルのタブレット型端末iPadにダメ出しをしたとネットで話題になっている。iPadを使っている人は新製品にとびついて得意になっているだけの「自慰行為」そのもので嫌悪感すら覚える。誰もがiPadで入手できる程度の情報はたいしたものじゃない、というのだ。

   宮崎さんのこの発言はスタジオジブリが発行しているフリーマガジン「熱風」(2010年7月発行)の7号に掲載されている。同誌の編集部が宮崎さんにインタビューをし、それを元に宮崎さん自身が新たに書き起こしたものだ。
仕事で使うものは鉛筆と紙で充分

   宮崎さんはインタビューでiPadに何の関心も感動も持てない。人がそれを触っている様は気色悪いだけで嫌悪すら感じる、とし

「その内に電車の中でその妙な手つきで自慰行為のようにさすっている人間が増えるんでしょうね」
と話した。質問者がiPadは欲しい情報が居ながらにして手に入るなど、先進技術や利便性を説明すると、

「あのね、誰でも手に入るものは、たいしたものじゃないという事なんです。本当に大切なものは、iナントカじゃ手に入らないんです」

と切り捨てた。宮崎さんは仕事で使うものは鉛筆と紙、わずかな絵具があれば充分だという。

   宮崎さんはiPadで得られない大切な情報として、「安宅(あたけ)型軍船」を挙げた。欲しい情報はこの軍船の漕座の雰囲気や、漕手の生活や心理状態。こうしたことはiPadを使っても探し出すのは不可能。「安宅型軍船」の情報は、様々な記録から自分で推測するしかないし、大切な情報は自分でその場に出かけていって想像力を注ぎ込んで初めて得られるものだという。

説教臭いのは年寄りの特徴?
   iPadをありがたがっている人達は、1960年代に大きなラジカセを買ってどこへ行くのにも誇らしげに持ち歩いた人たちと同じで、新製品を手に入れると得意になるただの消費者だとしている。そして宮崎さんは最後に、
「あなたは消費者になってはいけない。生産するものになりなさい」
という言葉で結んでいる。

   ITジャーナリストの佐々木俊尚さんはこの記事についてツイッターで、宮崎さんの今回のインタビューは強烈な内容で、これを掲載した「熱風」編集部は凄い、とし、「あなたは消費者になってはいけない。生産するものになりなさい」の言葉には共鳴したとつぶやいている。一方で、

「iPadが消費しかできないデバイスかどうかは別問題だけどね」

と疑問を投げ掛けた。ネットの掲示板やブログでも相当な話題になっていて、

「一理ある言葉だがiPadで幸福感に浸っている人にわざわざ言わんでもいいこと。説教臭く口にしてしまうのは年寄りの特徴」

「文明の否定ではなく、生きる事が物主体で道具に使われ、あなた方は死んでいますよ!(精神的な意味で)生き返りなさい、と(宮崎さんに)言われているんだよ」

「(アルプスの少女)ハイジ描くためにわざわざスイスの山に登ってヤギの鈴の音を録音していた人だ。言い分も理解できるさ」
などの書き込みが出ている。

日本解体を頑なに信じる妄想老人の仲間か?
さて、宮崎駿監督、現在69歳です。ギリギリ60歳台ですが、団塊の世代の世代より少しはずれています。しかし、この世代とも共通点があります。それは、大学に入り、大学で学生運動の洗礼をうけたといことです。

これに関しては、以前のブログ、「日本赤軍・重信被告の懲役20年判決確定へ―妄想60歳台?少数派妄想老人の野望を阻もう!!」にも書きました。最近の特に60歳台あたりの老人は昔の老人とはメンタリティーが明らかに異なり、それ以降の70歳台とも、それ以前の50歳台とも明らかに異なることを書きました。この世代のメンタリティーなどについての、詳細は、以前のこの記事をご覧になってください。まあ、簡単にいうと、その当時の平等で政府の規制が網の目のようにめぐらされていて、まるで共産主義の体制の中にあったような日本の中で、今にも共産主義革命がおこるという妄想を信じ込んでいたというメンタリティーです。

さて、宮崎氏のメンタリティーを示す事柄として以下のようなできごとがありました。これは、「ハウルの動く城」のアメリカ興行の直前のインタビューに宮崎氏が答えたものです。

宮崎監督、毛語録引用し若手に助言 MoMAで会見


「若いこと、貧乏であること、無名であることは、創造的な仕事をする三つの条件だ。そう言ったのは毛沢東です」。宮崎駿監督(64)は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で6日にあった「ハウルの動く城」の北米初上映前、米国の記者に「若いアニメ作家へのアドバイスを」と聞かれ、とにかくいいものを描き続けること、と強調した。

宮崎監督の作品を全部みたというネイサン・カーン君(12)は、ネットに記事を書くように誘われて、記者団の中であこがれの監督と対面した。「米国での監督の作品の興行成績はどうでしょうか」と質問し、監督は「興行的には、米国での成績は日本に比べればとても小さいでしょう」と説明した。
「ハウルの動く城」は10日、米国の一般劇場での公開が始まった。(2005年06月11日asahi.com)

宮崎駿氏と毛沢東を繋ぐ線をご存知ない方は、不思議に思うかもしれませんが、宮崎氏は以前から共産党支持者で、「トトロ」くらいまでは共産党のアピールによく名を連ねていました。ところが「世界のミヤザキ」になるにつれて、取り巻きが押さえたのかだんだん日本共産党と距離を置くようになって、いましたが、この時は、アメリカには取り巻きがどうこうしなかったのかもしれず、思わず本音が出てしまったのだと思います。
宮崎がなぜ共産党支持者になったのかはオタキング岡田斗司夫氏の「オタク学入門」(大田出版→新潮OH文庫)の記事に的確にまとめられている。そこから該当部分を引用します。
●赤旗でマンガ連載開始
宮崎駿の父は、戦争中は戦闘機を作る下請け工場の工場長だった。社長は伯父さんで、つまり彼はお金持ち一家に生まれた坊ちゃんだったのだ。
空襲のさなか、
無一文で空襲を逃れて避難する人たちの中を、宮崎一家は自家用車で移動したというのだから相当なブルジョアだ。その当時の彼は、戦車や飛行機が大好きで、手塚治虫のマンガが大好きだった。勉強もよくするいい子として成長した。
高校生の頃、思春期を迎えた彼は好きだった兵器関係の洋書を庭で燃やした。生まれ育った環境から、何の疑問も持たないままに、大好きだった戦車や戦闘機といったメカを「戦争の道具」として初めて認識し、これではいけないと思った、というのが彼の弁だ。当時盛んになり始めた学生運動の影響で「虐げられた人民が無理矢理行かされる戦争」というイメージも大きかった。
高校卒業後、彼は典型的なおぼっちゃまコース・学習院大学に進学する。ここで彼はマンガ家を志し、マンガの連載を始めた。それも、よりによって赤旗で、だ。『砂漠の民』というSFとマルクス主義を合体したようなマンガだった。しかししばらくして、彼は連載をやめてしまった。どうしても手塚治虫を越えられない、というのが理由だったという。
彼は悩んだ末、あっさりマンガ家を断念してしまう。

●米帝ディズニーに対抗できる人民アニメの拠点
学習院大学卒業後、宮崎駿は東映に入社し、アニメーターとなる。その理由が凄い。
「米帝ディズニーに対抗するアニメの拠点を日本で作る」
というのが、青年・宮崎駿の志望動機だった。
何のことか判らない人も多いだろうと思うので説明する。「米帝」というのはアメリカ帝国主義のことで、つまり植民地主義のことだ。
貧しい国の国民を低賃金で働かせて、アメリカばかりが豊かになるような政策といったような意味。学生運動が盛んだった60年安保の頃にはアメリカ批判としてよく使われた言葉だ。
確かにディズニーはアメリカンな考え方全面肯定の映画ばかり作るし、戦争中は戦意高揚映画もいっぱい作ったりもしている。それにしても「米帝ディズニー」と熟語みたいに言い切るところがスゴい。
その「米帝ディズニー」に対抗する東映で彼は、高畑勲という先輩に出会う。高畑勲は東大仏文科を卒業してヤクザ映画会社東映に入社した、という変わり者だ。仏文科なんか選んでサルトルを読むような奴は、マトモに就職する気なんかなく、もちろん屈折しまくっている。
その高畑勲に、宮崎駿はモロに思想的な影響を受ける。思想の根幹は共産主義だ。裕福な自分の生い立ちに疑問のあった宮崎駿は、そういったことに見識の深い高畑勲にイチコロでまいってしまった。
僕にはなんだか、素直に育ったムーミンが、ひねくれ者のスナフキンに人生の裏を教えられてるイメージを投影してしまう。
(大田出版版「オタク学入門」P.209-210)
先程の毛語録からの引用は、米帝ディズニーに自分の映画を配給させた得意絶頂にあって出た言葉なのでしょうか?

ただ、氏のご子息である宮﨑 吾朗氏などは別にして、スタジオ・ジブリから
才能ある若手がぜんぜん出て来ないあたり、私は宮崎氏が若手を単なる労働者として搾取しているようにしか見えないのですが、手塚治虫氏などとは対照的だと思います。手塚氏などは、年齢的にもずっと上ですから、メンタリティー的には宮崎氏とは異なるノだと思います。

同世代にあたる、鳩山さんや、菅さん、小沢さんなどが、若い頃の妄想を現在なって、日本国解体法案の導入などによって実現しようとしているのですが、宮崎さんのiPadに対する発言も、これ似たようなもので、思わず本音が出たという事だと思います。

彼らとの違いといえば、宮崎さんは、政界などには入らず、若い頃からの妄想をまったく異なる方面に出すことができたという事だと思います。考えてみると、宮崎駿監督のアニメ作品は、どれも現実世界のことではなく、すべてが妄想といえば妄想です。

妄想が、今日のネガティブな政治家のようにとんでもない方向に出てしまったのとは対照的にせっかく、良い方面である漫画の創造性などで開花したわけですから、iPadに対する発言など慎んでいただきたいものだと思います。

氏のiPadに対する発言等、単純なもので、これが米アップル社から出されているからあのような発言になったのであり、あれが、中国や韓国などで最初に開発されていたものであれば、あのような発言にはならなかったのではないかと思います。


かの経営学の大家ドラッカー氏は、「偉大な人物の召使ほどかわいそうなものはない、その人物を偉大たらしめている、属性とは全く関係のない他の属性を毎日みせつけられるのだから」と語っていました。まさしく至言だと思います。宮崎さん、おしゃべり召使が外部にご主人さまのことをばらすような行為を自分でしてしまったということだと思います。

iPadなど、単なる道具に過ぎないと思います。使うものにとっては、それが、アメリカ発祥であろが、中国発祥であろうが、韓国のものであろうがかまいません。たとえば、カンナは大工の道具です。カンナで電動カンナがでてきたり、あるいはもっとすごいような、ミクロン単位まで制御するようなカンナが出てきたとしても、カンナはカンナに過ぎないと思います。iPadはたまたま、最初に開発して、最初に世の中に出したのが、アップルというアメリカの会社だったというにすぎません。それに対して、使っている人などに説教口調でものを言ってしまっては、ただの老害だといわれても仕方ないと思います。

iPadは、直感的に操作できるので女性にも人気だ

iPadに関しては、すべての旧来メディアはiPadに集まると、News Corpのマードック氏が予言しているように、iPadに限らず、これから販売される他社の似たような製品でも、旧来のメディアが集まるようになるのだと思います。すなわち、従来のテレビ、映画、書籍、漫画など全部集約されるようになるわけです。iPadを否定するということは、旧来メディアをも否定することになると思います。

私は、以前にもこのブログで書いたように、iPhoneでの読書しますが、読書しているときには、あくまで、作家の著作を読んでいるのであって、iPhoneは単なる道具にすぎません。著書へ橋渡ししてくれる便利な道具にすぎません。iPadだって、同じことだと思います。ただし、iPadやスマート・フォンやパソコンなどのデジタル機器は、いろいろ汎用的に使えるので、人によって異なることはいうまでもありません。これは、使う人の能力や個性の問題なのであって、それをとやかく言う必要はないと思います。


それに、書籍など将来的に電子出版でかなり安くそれも、短期間で出版できるようになるとか、ポジティブな面がたくさんあります。これは、たまたま出版の世界のことをいいましたが、これはほんの一例にすぎません。アートの世界でも、変革を起こせるかもしれません。漫画の世界だって、劇場公開などの前に、動画で安くはやく配信できるようになるでしょう。

まあ、宮崎さん、どうせ、社会一般には疎いでしょから、妄想癖をポジティブなほうに使い、漫画の世界で頑張ってください。余計なことに口を出して、自らを貶めるような行為は慎むべきと思います。それに、これからの時代は、もう、宮崎さんたちの妄想世界ではなく、現代の若者たちの新しい世界です。宮崎さんのこの発言は、私にとっては、宮崎さん自身の自慰行為にも等しいようなもので、みにくいとしか受け取れません。このような、メンタリティーの妄想老人には、妄想をやめて現実に立ち返れないというのなら、後進に道を譲り政界からも、漫画の世界からも早く消え去っていただきいと思います。そのほうが世の中のためです。

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