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2018年6月7日木曜日

「関与してたら辞める」を歪曲する常軌を逸したマスコミのロジックと財務省の歪んだエリート意識―【私の論評】本当は低学歴で非常識な財務官僚!その弱みにつけ込み真の政治システム改革を(゚д゚)!

「関与してたら辞める」を歪曲する常軌を逸したマスコミのロジックと財務省の歪んだエリート意識

田中秀臣 
財務省

森友学園に関する財務省の文書改ざんについての報告書が、6月4日に明らかになって、またマスコミや野党の政権批判が加速している。

この報告書を読むと、

https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180604chousahoukoku.pdf
1)森友学園問題についての改ざん前文書などを参照にすると安倍首相も首相夫人も一切関係がない、 
2)文書改ざん・交渉記録の廃棄は財務省理財局と近畿財務局を中心に行われた。そして佐川宣寿前国税庁長官が方向性を決定付けた。その動機は、国会での問題の紛糾を回避するためだった、 
3)近畿財務局は本省理財局に抵抗する職員たちもいた

 などが注目ポイントだろう。

 財務省が国民の信頼を喪失させた責任は重大であり、今回の職員20人への処罰だけで終わることなく、同省の体質を含めて監視し、改革を求めていくものだと思う。ところがマスコミや野党は相変わらず政権批判に力を入れているだけだ。

 麻生財務大臣の責任は大きい。麻生大臣の進退については評価が分かれるだろう。私見では、単に文書管理の見直しや綱紀粛正程度では、麻生大臣はなんのために在任するのか皆目わからない。大胆な財務省改革でもしなければいてもいなくても構わない。安倍首相もこの機会に財務省改革と同時に、財務省の生命線ともいえる消費増税路線を終焉させるぐらいの大胆さがほしい。というか、(14年の増税以降)消費が低迷して日本経済を不十分な成長に押さえつけている状況を考えれば、財務省の権力の基盤ともいえる増税路線を廃止することこそ、国民にとって利益になる。財務省への忖度はいいかげんにやめよ。

 他方で、マスコミや野党は、財務省改革などはどうでもいいようだ。麻生大臣の進退も単に安倍政権への痛撃を狙うものにすぎない。野党はまだわかるが、「麻生氏、なぜ辞めぬ」と題した記事を書く毎日新聞などのマスコミはかなり政治的色彩に偏っている。麻生氏の監督責任があるにせよ、さすがに報告書を読めば財務省理財局と近畿財務局がまったく大臣の知らないところで勝手に改ざん・廃棄をすすめている。麻生氏がすべてを監視する目でももっていれば責任は重大だが、これでは予防のしようもない。むしろ監督責任よりも、麻生氏の財務省改革の姿勢のあるなしについて厳しく追求すべきではないか?

 問題は、財務省の役人たちが、まるで国会を仕切るかのように、国会審議でさらなる質問がでないようにすることが文書改ざん・廃棄の目的であったことだ。国会は国会議員が議論リードするべきところであり、財務省の役人が仕切る場ではない。ここに財務省の醜く歪んだエリート根性を見出すのはたやすい。財務省の歪み肥大化したプライドを傷つけることが今の日本には必要だ。その権限を分割・廃止し、さらに他省庁の下部組織にするぐらいの意識を政治家や国民がもつことが必要だ。90年代のような大蔵省改革がいかに無駄だったのかが今回明らかになった。財務省の歪んだプライドと権限の肥大化を正すべきだ。それには繰り返すが、消費増税を核にした「財政再建」を粉砕すべきである。

 いま財務省や国税庁は、小学校などの教育現場で、税や財政についての理解を促す教育プログラムを行っている。厳しい表現を使えば、これは一種の“消費増税のための洗脳教育”の可能性がある。検索すれば、国税庁などのホームページでも事例を確認できる。ただ筆者がみた事例だと、小学生たちは消費税について圧倒的に反対なようで心強い。財務省や国税庁の狙い(?)通りにはいっていないようだ。だが、財務省の増税への執念は“草の根”まで巻き込む悪質さがある。「悪質」と書いたが、それは現状の日本では財政危機の懸念はなく、むしろ上記した増税による経済低迷の方が懸念されるからだ。今の経済を悪くすることは、将来の子供たちの未来を危うくする。それなのに財務省とその周辺の増税政治家、増税マスコミたちの野望は潰えない。文書改ざん問題でも懲りることはないだろう。

 だが、マスコミや野党の多くは、報告書にはまったく書かれていない安倍首相に文書改ざんの責任を結びつけようと必死であるようだ。例の首相と首相夫人が森友学園に関与したら首相の職をやめるとする国会での発言が、文書改ざんの引き金になったというロジックである。

 だが報告書を読めば、そんな経緯はまったく書かれていない。むしろ森友学園に野党議員たちが押し寄せた出来事(テレビ向けのパフォーマンスの類)が大きなきっかけだった。そんな事実はマスコミや野党は無視である。当たり前だ。森友学園問題を無理やり、首相と首相夫人に結びつけようと派手なパフォーマンスをした野党、それを大々的にとりあげたマスコミ自体にいくばくかの批判の目がいくのを避けたいのかもしれない。もちろんそんな見え見えのパフォーマンスや報道姿勢であっても、財務省が文書改ざんや廃棄をした事実を弁護する材料にはひとつもならない。

 ちなみに首相の答弁自体は、森友学園の土地取引や価格交渉に首相と首相夫人が関与していれば辞めるという、当たり前の限定条件がついている。だがマスコミではなんの形であれ関与したらやめるとでもいった形で無限定に報道されている。悪質である。政治を常に距離を置き、その活動を批判的にみるのはジャーナリズムのひとつの在り方だ。だが、今回の麻生大臣の辞任要求とでもいうべき報道姿勢、また安倍首相の「関与」答弁への強引な関連づけなど、マスコミはこの一年以上そうであり続けたように常軌を逸していると思う。

田中秀臣氏

経済評論家 / 上武大学ビジネス情報学部教授

田中秀臣


上武大学ビジネス情報学部教授。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。国土交通省社会資本整備審議会委員、内閣府経済社会総合研究所客員研究員など歴任。 著作『日本経済は復活するか』(編著 藤原書店)、『AKB48の経済学』(朝日新聞出版)、『デフレ不況』(朝日新聞出版)など多数。毎週火曜午前6時から文化放送『おはよう寺ちゃん活動中』レギュラーコメンテーターとして出演中。
https://twitter.com/hidetomitanaka

【私の論評】本当は低学歴で非常識な財務官僚!その弱みにつけ込み真の政治システム改革を(゚д゚)!

財務省の官僚は、実は低学歴である。などというと、皆さんは驚かれるかもしれません。しかし、これは世界水準の見方をするとこういう見方もできるのです。

財務省のホームページに公開されている「採用昇任等基本方針に基づく任用の状況(平成24年度)」という資料には、キャリアおよびノンキャリアの官僚の出身大学と学部の情報が掲載されています。この資料をまとめると次のような恐ろしい事実が判明します。

まずはキャリア官僚の出身大学および学部を見てみましょう(図表5)。

 [図表5 財務省キャリア官僚の出身大学ならびに出身学部]
  〈大学・学部〉        〈人数〉
  東京大学法学部         11
  東京大学経済学部         4
  京都大学経済学部         1
  慶応義塾大学経済学部       1
  慶応義塾大学大学院経済学研究科  1
  信州大学経済学部         1
  名古屋大学経済学部        1
  北海道大学経済学部        1
  早稲田大学政治経済学部      1
  東京大学大学院公共政策学教育部  1
  早稲田大学大学院公共経営研究科  1
  早稲田大学商学部         1
  東京大学文学部          1
  同志社大学文学部         1
  京都大学法学部          1
  慶応義塾大学大学院法務研究科   1
  千葉大学法経学部         1
  東京大学大学院法学政治学研究科  1
  一橋大学法学部          1
  北海道大学大学院法学研究科    1
  明治大学法学部          1
  早稲田大学法学部         1
  東京大学大学院工学系研究科    1
  〈合計〉            36

次に、大学の壁を取り払って学部別の人数を集計してみましょう(図表6)。ここにも驚くべき事実あります。

 [図表6 財務省キャリア官僚の出身学部]
  〈学部〉 〈人数〉〈割合〉
  法学部   20   55.6%
  経済学部  11   30.6%
  その他    5   13.9%

圧倒的に法学部が優位です。経済を取り扱う官庁なのに、大学時代に経済学を学んだ人が3割しかいません。ただし、財務省側の立場にたって、この現状を説明すると、定められた財政を実行するためには、法律に基づいて実施しなければならず、そのためには法学が必要とされているようです。

そしてもう一つ注目しなければならないのは、彼らの学歴です。学歴というのは出身大学という意味ではなく、大学卒の学士なのか、大学院卒の修士なのかという点です。

ちなみに、日本は学歴社会ではなく、大学格差社会ともいえるような状況です。欧米というか、世界では、大卒は学歴あるものとはみなされません。たとえ、どのような名門大学を卒業していようと、大卒は大卒という扱いで、大学院を出ていなければ学歴があるものとはみなされません。日本でいえば、高卒のような扱いです。

日本の場合は、学歴などといっていますが、その実どこの大学を出たかということが、重要視されるので、これは学歴社会ではなく、大学格差社会というべきだと思います。

そうして、世界標準という立場から見直してみると、先ほどの表で数えてみると、大学院卒の修士は7名で、全体の2割しかいません。言い方は良くないのですが、意外にも低学歴です。他の先進国であれば、財務省や中央銀行の官僚のトップや幹部はまずは大学院卒です。

では、次に財務官僚のトップである財務事務次官の出身大学と学部について、前職の佐藤慎一氏から20年ぐらい遡って確認してみましょう。
佐藤慎一 東大経済学部卒
福田淳一 東大法学部卒
田中一穂 東京大学法学部卒業
香川俊介 東京大学法学部卒業
木下康司 東京大学法学部卒業
真砂 靖 東京大学法学部卒業
勝栄二郎 早稲田大学法学部卒業、東京大学法学部学士入学卒業
丹呉泰健 東京大学法学部卒業
杉本和行 東京大学法学部卒業
津田廣喜 東京大学法学部卒業
藤井秀人 京都大学法学部卒業
細川興一 東京大学法学部卒業
林 正和 東京大学法学部卒業
武藤敏郎 東京大学法学j部卒業
薄井信明 東京大学経済学部卒業
田波耕治 東京大学法学部卒業
小村 武 東京大学法学部卒業
小川 是 東京大学法学部卒業
篠沢恭助 東京大学法学部卒業
例外は勝氏、藤井氏、薄井氏ですが、勝氏は学士入学で東大法学部に入り直して卒業しています。80%以上の確率で東大法学部の出身者が財務省のトップになるというシステムであることは明らかなようです。

ちなみに、前職の佐藤慎一氏は珍しく東大経済学部出身です。増税推進派だった佐藤氏は信念を曲げて増税延期を進める官邸にお願いしたといいますから、経済学の知識だけでなく腹芸も達者なようです。

さて、経済の司令塔として財政政策を取り仕切る財務官僚ですが、経済のプロフェッショナルに見えるでしょうか。

法学部出身の新卒プロパー職員が、基本的に内部の研修と職務経験だけで昇進し、最後に事務次官にまで上り詰めるのです。これが日本の経済の司令塔となる人を育てるプログラムということになります。こんなことで良いのでしょうか。

財務省の本来の役割とは、政府の財政方針と目標に従い、専門家の立場から、それを実現するための方策を選んで実行することです。専門家的立場から、方法を選ぶということになれば、やはり大学院卒のほうが望ましいのかもしれません。

しかし、ここにも問題があります。財務省の官僚の出身大学のほとんどが東大です。その東大のいわゆる日本の主流の経済学者のほとんどは増税派だからです。

これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「2%インフレ目標未達」の批判は誤解で的外れ―【私の論評】復興を税で賄おうとか、8%増税の失敗を認めたくない輩の多いこの国で、いつまともな経済論議ができるようになるのか?間違いを認める潔さのない人々のリストはこれだ(゚д゚)!
日銀黒田総裁

この記事は、2015年3月19日のものです。この時期には、2%の物価目標がなかなか達成できないのは、日銀の責任ではなく、8%増税に原因があるとされていた時期です。

このブログには、高橋洋一氏が復興税を支持した、日本の主流派経済学者のリストが掲載されています。これらのリストに掲載されている人々はすべて増税推進派です。

そうして、このリストをみるとやはり東大が多いです。東大の経済学者らは、ほとんどが増税推進派です。

ということは、もし財務省が経済大学院卒を多めに採用するようにしたとしても、増税派の東大大学院の卒業生が多く入ってくることになり、何も変わりないといことになるということです。

結局東大を頂点とする日本の主流の経済学者も財務省の増税キャンペーンに協力しているのです。

これでは、どうにもなりません。しかし、財務官僚は西欧基準では低学歴だということがある意味では突破口になるかもしれません。

財務官僚は省益を優先するため、省益に物事を考えますから、国民のことなどはなおざりで、本当は日本経済そのものや、マクロ経済学には疎いのだと思います。本当は、省益など二の次、三の次にすれば、本当の日本の経済や社会の姿が見えるはずなのです。

それが見えたなら、日本経済のために、日本国民のために何をすればよいのかなどということは高度な経済知識がなくても、常識でわかるはずです。特に現状を見た場合増税などできるはずないと、普通の常識のある人なら理解できるはずです。

政府や政治家は、財務官僚が低学歴であること、それと常識に欠けることを逆手にとり、まずは財政の方針は政府が定めようにもっていくべきです。目標については、最初は実質財務省に定めさせるようにしても良いですが、いずれそれも財務省からとりあげるようにします。

財務官僚が何をいおうと、増税はしない、積極財政に踏み切るなどの方針を定めて、官僚に従わせるのです。もし、従わなければ、財務省の権限を分割・廃止し、さらに他省庁の下部組織にするぐらいの組織変革を行うのです。財務省は、財政の実行部分を担うだけにし、それでも企画と実行部門は別組織にします。

さらに、実行と統治の部分は完璧に分離し、政府が統治の部分を完璧に担うようにするのです。

その後というか、その過程におて、やはり以前このブログにも掲載したように、本格的な政治システム改革が必要になると思います。これについては、以下の記事をご覧になってください。
妄想丸出しで安倍政権の足引っ張るだけの政治家は市民活動家に戻れ ―【私の論評】本当に必要なのは財務省解体からはじまる政治システム改革だ(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただものとして、この記事では、財務省を解体した後に、政党の近代化を図るべきことを掲載しました。

この2つは、日本の政治システムの近代化には必要不可欠であると私は思っています。

【関連記事】 


マスコミ洗脳し財政危機煽る…財務省の災いは日本の好機だ 脱緊縮政策が経済に福となる―【私の論評】財務省は、現在の大企業に比較しても格段に遅れた時代遅れの組織(゚д゚)!

2017年1月25日水曜日

【「帝国の慰安婦」問題】朴教授に無罪判決 名誉毀損認めず「歪曲や捏造、虚偽の意図なし」―【私の論評】裁判になる事自体が極めて異常な韓国社会(゚д゚)!


朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授
慰安婦問題に関する韓国の学術書「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われた朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授の判決公判が25日、ソウル東部地裁で開かれ、同地裁は朴氏に無罪判決(求刑・懲役3年)を言い渡した。

 判決理由で裁判長は、「著書の一部表現には議論の余地があるが、公的事案を盛り込んだ内容が多く、幅広い表現の自由を容認する必要がある。歪曲や捏造、虚偽の意図があったとは思えない」と述べた。

 また「名誉毀損は特定の人や団体を指定しなければ成立せず、著書での『朝鮮人日本軍慰安婦』との表現は、(特定の)元慰安婦を指しているとみるのは難しい」とした。さらに「慰安婦の社会的評価に否定的な影響を及ぼすとも思えず、(著書に)韓日両国の和解のための意図があることは否定できない」とした。

 朴氏の著書は韓国で2013年に出版されたが、元慰安婦の女性らが14年6月、「日本軍と同志的関係にもあった」などとの表現が名誉毀損に当たるとして朴氏を刑事告訴。ソウル東部地検が15年11月、在宅起訴した。

 今回の判決をめぐっては、韓国に「表現・研究の自由」があるのかについて、日本など海外から高い関心が寄せられていた。

 一方、元慰安婦らが起こした損害賠償訴訟では、同地裁が昨年1月、元慰安婦らの名誉を傷つけたとし、朴氏に賠償金の支払いを命じている。

【私の論文】裁判になる事自体が極めて異常な韓国社会(゚д゚)!

今回のこの判決当然のことです。当然というか、そもそも裁判になる事自体が異常でした。朴裕河教授と、その著書『帝国の慰安婦』に関しては、このブログでも以前とりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「帝国の慰安婦」裁判 問われる韓国司法 弁護側は“メディア経由”の曲解報道を問題視 ―【私の論評】韓国で慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代前に時計の針を戻せ(゚д゚)!
帝国の慰安婦 ハングル語版の表紙
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では朴裕河教授ご自身のフェイスブックに掲載されていた『帝国の慰安婦』の要約を掲載するとともに、当時朴裕河教授が起訴されたことに関する、反対の論評を掲載しました。

以下に、そのフエイスブックのリンクを掲載しておきます。ここからも、この要約をご覧いただけます。
https://www.facebook.com/notes/705074766186107
以下には、この記事での私の結論部分のみを掲載させていただきます。
そうして、この書籍(ブログ管理人注:帝国の慰安婦のこと)は、日本語には翻訳されていますが、残念ながら未だ英語には、翻訳されていません。この書籍が、他の多く国々の言語に翻訳されて、多くの国の人々に読まれることになれば、慰安婦問題に関して、他国でも理解が深まるものと思います。

日本側としては、この書籍はあくまで韓国人の視点によって書かれたものであり、レトリックによって、ファンタジーとはらないギリギリのところまで日本側に慰安婦問題での譲歩を求める方向で書かれていること、当時日本が植民地支配していたのだから、日本に責任があるという方向で貫かれていることを主張すれば良いと思います。

そのほうが、かえって、日本の保守派の人が日本人の立場から、書いたものより、理解を得られ易いと思います。

とにかく、この書籍やその他の歴史的資料などによって、日本でも韓国でも、韓国における慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代より前に時計の針を戻すことが、この問題の早期解決につながると思います。
私自身は、この書籍の要約も、書籍の日本語版自体も読みました。その上での感想が以上のようなものです。これに関しては、後日以下のような事実を発見しました。

昨年発売された『歴史通』の9月号に西岡力氏の「朴裕河『帝国の慰安婦』をあえて批判する」が掲載されていましたが、これがなかなか興味深いです。

西岡力氏
この書籍に関しては、秦郁彦・櫻井よしこ両氏が肯定的なコメントをしている程度で、その他あまり保守系の人たちからは、批判も肯定的なコメントもめぼしいものはありせんでした。そのため、右派の論者からのはじめての本格的な批判ということになると思います。

タイトルに「あえて」とあるのは「本来なら批判するのは得策ではないのだが」という含みなのでしょう。だとすれば、リベラル識者の評価に反して、同書は右派にとって基本的に目障りではない、ということの証左となるものであると思います。

批判のポイントは以下の5点です。
(1)まずは、『帝国の慰安婦』は「日本発の強制連行プロパガンダを無視している」ことです。「朝日新聞の捏造」説を前提にした批判であるわけですが、右派から見ても『帝国の慰安婦』は日本の右派の主張をきちんと記述していないということを示しているという意味では興味深いものです。 
(2)「北朝鮮と親北派が韓国社会に広げた「反日自虐史観」に触れていないこと」、としています。これもまた、自分たちの主張が十分に反映されていないという不満として理解することができます。 
(3)「朴氏が同書で慰安婦動員を担った民間業者の存在を浮上させたことは新しい論点ではない」ということです。この点は、私自身もこのブログで指摘し、右派が過去に何度も指摘してきたことです。そうして、これには、明白な証左がかなり存在します。しかも、ここで西岡氏は自分を含む右派の論考ではなく吉見義明・林博史編『共同研究日本軍慰安婦』(大月書店、1995年)所収の論文(尹明淑氏によるもの)を引き合いに出して、「詳細に業者の役割について記述している」としています。 
(4)朝鮮人「慰安婦」と日本軍人の「同志的関係」という主張が根拠を欠くというものです。小野沢あかね氏と同じく、日本人「慰安婦」の証言を根拠に「同志的関係」を主張してしまっている点を批判しているのがとりわけ興味深いです。はっきり明言されてはいないものの、朴氏を訴えた元「慰安婦」の怒りには理由があると言わんばかりの書きようです。 
(5)結びの段落では「千田夏光の著作を史料批判なしに十九回も引用していることや、小説の表現を論拠に論を進めていることなど、議論の進め方があまりにも厳密さにかけることも指摘しておきたい」としています。
「創作がまじっていることが判明している千田夏光の著作」という評価はおそらく原善四郎関東軍参謀の件を念頭に置いていると思われ、そうだとすればこの評価に首肯することはできないのですが、それを除けばこれまで『帝国の慰安婦』に向けられてきた批判を右側からも重ねて行っていることになります。
確かに、以上のような5点はあるものの、それでもなお、この『帝国の慰安婦』に関しては、上に掲載した以前のブログ記事の結論に関しては、未だに正しいものと思っています。

まずは、現在のようにねじれてしまった慰安婦問題をまともに論じるためには、韓国の慰安婦問題による体系的な反日活動がおこる以前の1990年代よりも以前に針を戻すひつようがあります。そうして、それを促すために、この書籍の価値は大きいです。この書籍を多くの韓国人が虚心坦懐に読み、内容を理解すれば、それも実現可能だと思います。

なぜなら、『帝国の慰安婦』を執筆した朴裕河教授は、韓国を貶め、日本を過剰に賛美するような人物ではないからです。彼女は、「慰安婦」の存在が、日韓であまりにもかけ離れて偶像化されていることを批判しているのです。

韓国では悲劇的な「性奴隷」とされ、日本の右派からは単なる「売春婦」とされた「慰安婦」の実情とは、どのような存在だったのかを探り、そうした慰安婦が存在した構造を探ろうという試みこそが『帝国の慰安婦』の執筆の意図です。

日韓で引き裂かれ、偶像化された「慰安婦像」のそれぞれについて、それらは虚像であると主張しているのですから、決して単純な「親日派」というわけではありません。むしろ、日本の保守派が読めば怒りだすであろうような記述も少なくありません。

例えば、朴教授は以下の様に指摘しています。
「数百万人の軍人の性欲を満足させられる数の『軍専用慰安婦』を発想したこと自体に、軍の問題はあった。慰安婦問題での日本軍の責任は、強制連行があったか否か以前に、そのような〈黙認〉にある」(『帝国の慰安婦』32頁)
彼女は決して日本軍、そして大日本帝国が無謬であったと主張しているのではありません。でも、韓国側が主張も極端だとして、韓国人が触れたくない事実も指摘しています。例えば、次の指摘です。
「朝鮮の貧しい女性たちを戦場へ連れていったのは、主に朝鮮人や日本人の業者だった」(前掲書、28頁)
「挺身隊や慰安婦の動員に朝鮮人が深く介入したことは長い間看過されてきた」(前掲書、49頁)
要するに、『帝国の慰安婦』は、日韓の極端な「慰安婦像」を問い直し、本来、「慰安婦」とはいかなる存在であり、そうした慰安婦を生み出した構造を問うという内容の本なのです。しかしながら、このような研究が韓国では禁忌とすべきとされたのです。

しかし、今回の判決により、このような研究はたとえ韓国であっても禁忌ではないということを地裁が示したのです。そうして、当然のことながら、このような書籍を執筆すること自体が、裁判の対象となるこ自体が現在の異常な韓国社会を象徴しています。中国や、北朝鮮ならいざしらず、他のまともな国では裁判になるということは考えられません。

しかし、これは地裁の判決ですから、さらに上告される可能性もあるわけですが、こんなことに長い時間を費やしているくらいなら、韓国にはもっと他にやることがありそうです。

元慰安婦とされる女性たち
それは、昨日も示しました。まずは韓国は悪化している経済を構造改革で対処するというのではなく、まずは強力な金融緩和策を実施し上で、雇用情勢を改善し、景気回復につなげていくべきなのです。

慰安婦問題と、経済とはあまり関係ないようにもみえますが、日本にも衣食足りて礼節を知るという言葉があるように、ある程度経済が良くなければ、韓国内でも慰安婦問題についてもまともな議論などなかなかできないでしょう。

このように、ねじれてしまった問題に関しては、経済が比較的良く、政府にも国民にも多少でも余裕のあるときではないとなかなか、できるものではありません。現在のまま、経済が悪くなる一方であれば、そのうち国民の多くが慰安婦問題などにかかずらわっている余裕などなくなります。

その事例として、昨日の記事では、日本で池田内閣のときに所得倍増計画を実施し、本当に所得がそれまでの倍になった後には、日本国内からソ連の影響がほとんど消えたことを示しました。

この時に、日本経済が高度成長し、所得が倍増しなかったとしたら、その後もソ連の影響が残り、労働運動なども過激なものとなっていたことでしょう。

現在の日本の対処としては、日韓合意を破った韓国に対して、何かを変えないかぎり、安倍政権が以下の対抗措置(実質上の報復措置)を継続し続けることです。この報復措置によって、韓国側が頭を冷やすまで待つ以外にありません。
(1)長嶺安政駐韓大使、森本康敬釜山総領事の一時帰国
(2)在釜山総領事館職員の釜山市関連行事への参加見合わせ
(3)日韓通貨スワップ(交換)協議の中断
(4)日韓ハイレベル経済協議の延期 
韓国側に日韓合意に何らかの変化がないうちに、この報復措置をやめてしまうことは、今度は日本の国民感情が許さないでしょう。

【関連記事】

「帝国の慰安婦」裁判 問われる韓国司法 弁護側は“メディア経由”の曲解報道を問題視 ―【私の論評】韓国で慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代前に時計の針を戻せ(゚д゚)!



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2014年7月17日木曜日

「『性奴隷』は不適切な表現だ」 日本政府代表、国連で表明―【私の論評】『日本の性奴隷』は歴史を歪曲する戦後体制の擁護者たちが生み出した妄想・フィクションに過ぎない、もう戦後体制による日本弱体化政策は時代にそぐわない(゚д゚)!

「『性奴隷』は不適切な表現だ」 日本政府代表、国連で表明

国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)

15日に国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)で始まった自由権規約委員会で、日本政府代表団は同日、慰安婦を「性奴隷」と表現することを「不適切」とする見解を表明した。

日本政府が公の場で「性奴隷」の表現を否定したのは極めて珍しいという。

日本政府代表団として委員会からの質問に回答した外務省の山中修・人権人道課長が、2008年の前回審査で委員会から出た質問に言及し、「質問には『性奴隷慣行』との不適切な表現がある点を指摘する」と述べた。この発言は、事前に公表された回答には明記されていなかった。

「性奴隷」の表現は、1996年2月の「国連クマラスワミ報告書」で認定されて以降、拷問禁止委員会の13年の最終見解でも使用されているほか、米国で設置された慰安婦碑や慰安婦像などでも登場している。

今年3月の参院内閣委員会で三ツ矢憲生外務副大臣は、「国連人権理事会等の場において、慰安婦問題に関し事実誤認に基づく記載が見受けられるため、適宜申入れを行ってきている」として、06年に国連に日本政府の見解を出したことを明らかにした。

自由権規約委員会は、表現の自由や、拷問や残虐な刑罰の禁止などの規定を締約した国々が、規定内容をどのように保障しているかを定期的に審査し、勧告を盛り込んだ最終見解をまとめる条約機関。国連総会の下部組織である人権理事会とは直接関係しない。


【私の論評】『日本の性奴隷』は歴史を歪曲する戦後体制の擁護者たちが生み出した妄想・フィクションに過ぎない、もう戦後体制による日本弱体化政策は時代にそぐわない(゚д゚)!

上の記事の、「国連クマラスワミ報告書」に関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【歴史戦】「慰安婦=性奴隷」に対する日本の反論文書を入手 国連報告は「不当」「歪曲」と批判も撤回―【私の論評】エイプリル・フールなみの慰安婦問題に、そろそろ日本も決着をつけるべき時、本来史実としてあるものは、ないものより断然有利なはず(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、慰安婦募集の強制性を認めた平成5(1993)年の河野洋平官房長官談話を引用し、慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した96年2月の「クマラスワミ報告書」が国連人権委に提出された直後の96年3月に、外務省が反論文書をまとめていたことを掲載しました。

国連に虚偽の報告書を提出したクマラスワミ

この反論文書は、全42ページにおよぶものでしたが、結局は国連には提出されませんでした。撤回した理由について、複数の外交筋は「反論することで、かえって慰安婦問題の議論を起こしかねないと懸念したためだと述べています。

この記事に掲載した反論文書の内容を以下にコピペします。
クマラスワミ報告書を「偏見に基づく」「随所に主観的な誇張」などと強調。報告書が明確な誤りの多いオーストラリア人ジャーナリストのジョージ・ヒックス氏や、戦時中に下関で労務調達に従事し「奴隷狩り」で慰安婦を集めたと虚偽証言した吉田清治氏らの著作を引用していることから、「本来依拠すべきでない資料を無批判に採用」と批判した。
法的議論についても、報告書が日本の法的責任を求めたことを「誤った国際法の解釈」とし、「およそ法的には成り立たない恣意(しい)的な解釈に基づく政治主張」と突っぱねていた。


 ちなみに、クマラスワミ報告書の要点は以下のようなものです。



以上の報告書は、ことごとく虚偽に満ちたものであることが明らかにされています。

そもそも、『性奴隷』という表現そのものが虚偽です。

米国にも、中国やその他多くの国においては、国も認めた『奴隷制度』が過去にありましたが、日本においては身分の制限などは、あったものの、人を人と認めない『奴隷』という概念はなく、したがって、国も認可した『奴隷制度』なるものは存在しませんでした。

この『奴隷』に関する日本の歴史を以下で振り返ってみます。

これは、ある方のブログを引用させていただきました。

"

奴隷制度を憎んだ日本人

日本人は昔から非人道的な奴隷制度を憎んだ。
Slave_boat1869

カール・ツンベルク、日本語表記ではツンベリーといわれています。スウェーデンの植物学者で医学者でもあります。1771年オランダ東インド会社に入社し、ケープタウン、セイロン、ジャワを経て、1775年(安永4年)8月にオランダ商館付医師として出島に赴任。翌1776年4月、商館長に従って江戸参府を果たし徳川家治に謁見しました。ツンベリーは、わずかな江戸滞在期間中に、吉雄耕牛、桂川甫周、中川淳庵らの蘭学者を指導しました。1776年、在日1年で出島を去り帰国し、1781年、ウプサラ大学の学長に就任しました。
 ツンベリーの逸話に日本人から冷たい視線を受けたというのがあります。ツンベリーはオランダ人として来日しているので、日本人にはオランダ人だと思われていました。オランダは奴隷貿易をしており、日本人はそれを蔑んでいたのです。有色人種が白人を蔑視するなど想像もしていなかった彼は随分戸惑ったようです。ツンベリーの著書にも次のような記載があります。
「日本人は、オランダ人の非人間的な奴隷売買や不当な奴隷の扱いをきらい、憎悪を抱いている」
 日本は明治維新以降、人種平等を掲げていましたが、江戸時代からも人種差別を嫌っていたことがわかります。幕末の頃はポルトガル人も日本に来ると見下されるのでわけがわからなかったといいます。幕末の書には「奴隷制度を廃止しない連中は犬畜生だ、人の道に反している」と書かれているそうで、攘夷論とあいまって白人の行いを憎んでいたのでしょう。
 明治5年(1872年)、上海からシナ人を船に乗せてアメリカ大陸で奴隷として売り飛ばすペルー船籍のマリア・ルス号が修理のために横須賀港に入港したとき、脱走したシナ人がイギリス軍艦に助けを求めました。イギリス在日公使からの要請をうけ、副島種臣外務卿(外務大臣)はシナ人救助を命じています。ペルー側は怒りましたが、ロシア皇帝が仲裁裁判を行い、日本側が勝訴しています。(マリア・ルス号事件)
 日本の歴史の中で国家的に奴隷制度を敷いたというようなことは見当たらず、シナの魏志倭人伝に日本人が奴隷を連れてきたと書かれていますが、シナの史書はそもそも政治のために「造る」ものですから怪しい。日本の人種平等的、人道的な考え方は2000年の歴史によって醸造されたものでしょう。
 大正8年(1919年)のベルサイユ条約で日本は「人種平等案」を提出しました。この提案は17票中11票の賛成を得ましたが、アメリカ大統領のウィルソンとオーストラリアが組んで潰されました。ウィルソンは議長であり、全会一致を主張して不採択としたのです。
 豪ヒューズ首相
「日本の提案の真意は、移民に関する諸問題を国際連盟の支配下に置かんとするものにして、斯くの如きは国家の威厳を害し、主権を毀損せしむるものなり」
 日本は伝統的な考えに基づき人種平等を提唱したわけですが、日本の台頭は奴隷制度によって国家を成り立たせている白人にとって危険な存在となっていました。大東亜戦争はこのとき既に始まっていたと言えるかもしれません。


参考文献
PHP「日本はどれほどいい国か」日下公人・高山正之(共著)
PHP「アメリカはどれほどひどい国か」日下公人・高山正之(共著)
徳間書店「GHQ焚書図書開封」西尾幹二(著)
平凡社「江戸参府随行記」C.P.ツュンベリー(著) / 高橋文(訳)
転展社「大東亜戦争への道」中村粲(著)
参考サイト
WikiPedia「カール・ツンベルク」
添付画像
奴隷船 1869年のもの(PD)
"

日本では、もともと奴隷制度なるものは存在しなかったわけですから、「性奴隷」なるものも存在しようがないわけです。無論、昔は公娼制度というものがありましたが、これは身分の制限はありましたが、人を人ではなく家畜と同じようにみなして、扱うという厳密な意味での「奴隷」ではありませんでした。

大東亜戦争当時にも、「性奴隷」などは存在しなかったことをうかがい知ることができる、元朝鮮人慰安婦に関する書籍もあります。それに関しては、このブログにも掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
【産経抄】3月15日―【私の論評】オバマ大統領の外交べたが、安倍総理の痛恨の極みに拍車をかけている!しかしこれは、日本にとって好機となりえるかも(゚д゚)!

 これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には、 『文玉珠 ビルマ戦線楯師団の慰安婦だった私』という書籍についても掲載しました。この書籍には、文玉珠なる、元従軍慰安婦であった朝鮮人女性が、慰安婦だった頃の想い出を掲載しているのですが、そのなかにとても慰安婦が性奴隷だったとは思えないような記載が出てきます。その記載を指摘する文章を以下にコピペさせていただきます。


 ビルマでチップが貯まったとして、文氏は野戦郵便局に500円を貯金したが、《千円あれば大邱に小さな家が一軒買える。母に少しは楽をさせてあげられる。晴れがましくて、本当にうれしかった。貯金通帳はわたしの宝物となった》(76ページ)とある。  
 その後、文氏はビルマ・ラングーンの慰安所に移った。ここでは、少しは自由に行動していたようだ。  
 《週に一度か二度、許可をもらって外出することができた。人力車に乗って買い物に行くのが楽しみだった》(106ページ)  
 《ビルマは宝石がたくさん出るところなので、ルビーや翡翠(ひすい)が安かった。(中略)わたしも一つぐらいもっていたほうがいいかと思い、思い切ってダイヤモンドを買った》(107ページ)  
 文氏は21歳のとき、タイ・アユタヤの陸軍病院で看護婦修行を始めた。同書には、母に小さな家が何軒も買える大金を送金した記述もある。  
 《電報を将校にみせて、『母の葬式に金がいるから、お金を送りたい』というと、許可が出た。貯金からおろして五千円を送金した》(137~8ページ)  
 文氏の境遇には同情を禁じ得ないが、この本を読む限り、とても「慰安婦=性奴隷」とは思えない。

さて、『従軍慰安婦=性奴隷』説に関しては、フィクションにすぎないのですが、藤岡信勝(ふじおか・のぶかつ)氏は、これについて警鐘を鳴らしています。これに関する記事のURLを以下に掲載します。
【元凶追及! 慰安婦問題】クマラスワミ報告の証言は中国の「文化」を投影 創作された「性奴隷」説 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にその一部分をコピペさせていただきます。
 何も実体がないのに「朝鮮人強制連行」という言葉をつくる。「強制連行」という語が喚起する奴隷狩りのイメージに合わせて「小説」が創作される。小説を事実にするために、ついには強制連行の被害者とされた慰安婦本人を登場させる。慰安婦問題を利用した反日工作は、時間とともにますます大仕掛けになっていった。 
 言葉をつくっただけではない。それをもっともらしく見せるために、スリランカの女性活動家、クマラスワミ女史に調査報告書を書かせるよう、国連に働きかけたという。女史は16人の元慰安婦の女性に面会し、裏付けも取らずに証言を記録した(クマラスワミ報告)。次は、チョン・オクスン氏という北朝鮮出身の女性の証言だ。 
 《彼ら[日本兵]は、彼女の衣服を剥ぎ、足や手を縛り、釘のうち出た板の上を釘が彼女の血や肉片で覆われるまで転がしました。そして最後に、彼らは彼女の首を切り落としました。…ヤマモトは、「こいつら朝鮮人女は空腹ゆえわめいているのだから、この人肉を煮て食わせてやれ」と言いました》 
 日本軍はこんな猟奇的拷問にうつつを抜かしているほどヒマではないし、慰安婦の雇用主である業者にとって彼女たちは大事な従業員だ。そもそも、人肉食は日本人の発想にはない。 
 だが、笑ってはいられない。こういう類いのバカ話が、ついには2007年、米下院議会の決議にまで取り入れられていく。決議は日本軍がした悪行として次の行為を列挙する。言いたい放題である。 
 「集団強姦、強制流産、恥辱、四肢切断、死亡・自殺を招く性的暴行」 
 見慣れない言葉は「四肢切断」(mutilation)だ。日本人には、手足を切り落とすなどという発想もない。だが、中国大陸ではよく知られた残虐行為の1つであり、言葉があるのだから欧米にもあることは確かだ。決議は自らの「文化」を投影し、日本兵が朝鮮人慰安婦の手足を切断したと言って日本を非難している。日本政府は同盟国のこの議会決議に、いまだ一言も抗議していない。
この文章の、一番最後に「日本政府は同盟国のこの議会決議に、いまだ一言も抗議していない」と書かれていますが。さすがの日本政府も、これに向けての抗議をしようとしているのだと思います。

大東亜戦争は、アジアの人々が、西欧列強の人々の奴隷になることに反対したアジアでその頃唯一の近代国家であった日本が実施した防衛戦争です。

そうして、日本は戦闘には負けましたが、西欧列強からのアジアの開放には成功して、当初の目的を成就しました。戦争の目的を遂行できたということでは、日本は大東亜戦争に勝利したともいえます。

これによって、現在のアジアの躍進があります。このような考えは、西欧諸国も認めたくないのです。だから、彼らは日本を永遠に弱体化させるために、戦後体制を構築し、「性奴隷」なる妄想も追認してきたのです。

しかし、今や世界は変わりつつあります。いつまでも、戦後体制、しかも70年も前の今や、ほとんどの国々が弱体化した連合国による『戦後体制』が維持できるはずもありません。

随所に綻びが目立ち始めています。ブログの冒頭の記事における、日本政府代表団による、慰安婦を「性奴隷」と表現することを「不適切」とする見解の表明は、戦後体制崩壊の序曲かもしれません。

アジアの植民化、アジア人の奴隷化を目論んだ西欧諸国の目論見は、日本という当時の唯一の近代国家に潰されてしまいました。彼らからすれば、当時のやり方による植民地主義はもう時代遅れですが、形を変えたあらなた植民方法なども、日本に潰されるかもしれないとの畏れがあったに違いありません。

しかし、戦後70年を経て状況は変わってきました。そもそも、アメリカをはじめとして、当時の戦勝国は、当時と比較すればかなり衰退しました。

そうして、時代は変わり、中国が台頭し、中国が世界に向けて、新たな形式の植民をしようとしています。

私たち日本は、西欧諸国による旧来方式の植民、中国による新たな方式の植民に対しても大反対です。

私たち日本人は、昔から自国民、および他国民の植民・奴隷化はどんな形式であっても許容することはできません。

そうして、こうしたことを防ぐためにも、時代遅れの「戦後体制」は最早維持すべきものではありません。

そうして、実際戦後体制は崩壊しつつあります。そんな中で、日本だけが、戦後体制の枠組みを前提として物事を考えようとしています。しかし、多くの人が思っているよりもはるかにはやく、戦後体制は崩れるかもしれません。

崩壊してからものを考えるというのでは遅すぎます。今からしっかり準備しておくべきです。

そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2014年4月1日火曜日

【歴史戦】「慰安婦=性奴隷」に対する日本の反論文書を入手 国連報告は「不当」「歪曲」と批判も撤回―【私の論評】エイプリル・フールなみの慰安婦問題に、そろそろ日本も決着をつけるべき時、本来史実としてあるものは、ないものより断然有利なはず(゚д゚)!

【歴史戦】「慰安婦=性奴隷」に対する日本の反論文書を入手 国連報告は「不当」「歪曲」と批判も撤回

ラディカ・クマラスワミ氏

慰安婦募集の強制性を認めた平成5(1993)年の河野洋平官房長官談話を引用し、慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した96年2月の「クマラスワミ報告書」について産経新聞は31日、日本政府がいったん国連人権委員会(現人権理事会)に提出しながらすぐに撤回した反論文書を入手した。文書は報告書を「極めて不当」「無責任で予断に満ち」「歴史の歪(わい)曲(きょく)に等しい」と厳しく批判したが、非公開のため「幻の反論文書」となっている。

文書はクマラスワミ報告書が国連人権委に提出された直後の96年3月にまとめられたもので全42ページ。撤回した理由について、複数の外交筋は「反論することで、かえって慰安婦問題の議論を起こしかねないと懸念したためだ」と述べる。

報告書は、強制連行の証拠はみつかっておらず「もっぱら被害者自身の口頭証言に基づく」と指摘しながらも、河野談話を根拠として、強制連行を認定した。

これに対し反論文書は、クマラスワミ報告書を「偏見に基づく」「随所に主観的な誇張」などと強調。報告書が明確な誤りの多いオーストラリア人ジャーナリストのジョージ・ヒックス氏や、戦時中に下関で労務調達に従事し「奴隷狩り」で慰安婦を集めたと虚偽証言した吉田清治氏らの著作を引用していることから、「本来依拠すべきでない資料を無批判に採用」と批判した。

法的議論についても、報告書が日本の法的責任を求めたことを「誤った国際法の解釈」とし、「およそ法的には成り立たない恣意(しい)的な解釈に基づく政治主張」と突っぱねていた。

日本政府は反論文書を撤回後、元慰安婦への支援を行うアジア女性基金の取り組みなどを説明し、報告書の否定を求める記述を削除した「日本の施策」とする文書に差し替えた。

報告書の慰安婦問題に関する部分への国連人権委の評価は「留意(テークノート)」にとどまった。当時の日本政府関係者は事実上、不採択の扱いになったとの見解を示し「国際的にはぎりぎり話を収めた」と語るが、報告書の事実誤認は正されなかった。



◇クマラスワミ報告書

国連人権委員会の「女性に対する暴力」特別報告官に任命されたスリランカ出身の女性法律家、ラディカ・クマラスワミ氏が日本や韓国を訪問し、戦争被害者らから聞き取りし、まとめた報告書。北朝鮮には代理人が訪れ調査した。慰安婦に関する記述は「付属文書1」として添付された。日本政府に対し法的責任の受け入れと被害者への補償など6項目を勧告している。

【私の論評】エイプリル・フールなみの慰安婦問題に、そろそろ日本も決着をつけるべき時、本来史実としてあるものは、ないものより断然有利なはず(゚д゚)!



本日も、サイトを見ているといわゆる慰安婦問題の記事が掲載されています。特に、韓国側の主張は、本日の日付を考えると、まるでエープリルフールのように中身がないです。

中身がないにしても、sex slaveなど発想が薄汚いというか、エイプリルフールのように、ウイットやユーモアがあるようなものではなく、多くの人々のただ不愉快にさせる罪深いものです。

意味が良くわかりませんが、これも本日のエイプリルフールの画像らしい?

昨日のブログにも掲載した、倉山満氏の言葉を以下に掲載します。

「そもそも、学問や議論の基礎ができていない人間が平気で経済評論家を名乗れてしまう風潮をおちょくるため、リフレ派最弱のエコノミストと名乗らせていただきます」。

これは、経済に関する倉山氏の言葉ですが、これは経済に関わらず、歴史問題についてもあてはまることです。

「そもそも、学問や議論の基礎ができていない人間が平気で歴史問題専門家を名乗れてしまう風潮」もこの世の中に蔓延しています。そうして、これは日本だけではなく、世界規模の現象です。

ラディカ・クマラスワミ氏もまさに、このような歴史問題専門家の一人です。この方、そもそも歴史家でもなんでもありません。門外漢であり、問題外です。法律家が歴史問題を正しく判断できるとは限りません。この人物の来歴などサイトで調べてみましたが、詳細はどこにも掲載されていません。

謎の人物です。国連もなぜこのような「女性に対する暴力」特別報告官に任命したのか、理解の苦しむところです。事実の裏取りもせずに、吉田清治氏らの著作を引用しているという時点で、問題外です。はっきりいわせていただければ、幼稚です。それにこのような重大な問題の調査など、一人だけで担当するのは最初から無理です。複数の立場による、複数の人間に調査をさせるべきだったでしょう。



このような問題は、やはり歴史学者などで複数の立場の人から構成された、委員会などを設立して解明していくべきでしょう。そうして、委員会のメンバーは、学問や議論の基礎ができていて、定評ある歴史問題専門家であるべきことは、言うまでもないことです。

それにしても、日本もそろそろ、慰安婦問題にははっきりと決着をつけるべきときに来ていると思います。本来、様々なドキュメントとして本来史実としてあるものは、史実として存在しないものより断然有利なはずです。慰安婦問題に関しては、史実としてそのようなものがなかったことを示すドキュメント類は豊富に集まるでしょうが、そうではないもの関しては集めようがないし、集まったとしてもすぐに偽装と見破られるものしか集まりません。

慰安婦問題に関しては、歴史的に古くからある問題ではなく、平成4年あたりから激化したものです。このあたりのこと、マスコミなどでは一部を除きほとんど報道されませんし、報道されるとすれば、韓国側に立った極めて不適切なものが多いので、以下にこの問題に関する最近の決定版ともいえる動画を掲載させていただきます。

まず、動画の解説と、動画そのもの三つを掲載させていただきます。

平成4年の朝日新聞による捏造報道に始まったいわゆる「従軍慰安婦」をめぐる問題は、­官憲等による強制性を韓国に迎合する形で根拠なく認めたことが明らかになっている「河­野談話」による呪縛や、官民挙げての韓国の狂奔などにより、今なお日本人の尊厳を貶め­続けている。いわれなき罪過を次世代へ持ち越さないために、チャンネル桜独自取材によ­る VTR もまじえ、その虚構と「嘘」を徹底的に検証する特別番組をお送りします!







慰安婦問題など、今後も政府が放置しておけば、ますます激化するだけです。そろそろ日本も決着をつけるべき時がやってきたようです。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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