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2020年7月4日土曜日

82日連続!中国尖閣侵入で暴挙続く 分散行動や追い回しなど“新たな手口”も 一色正春氏「このままでは日本はやられ放題」―【私の論評】尖閣での中国の暴挙は、未だ第一列島線すら確保できない焦りか!(◎_◎;)

82日連続!中国尖閣侵入で暴挙続く 分散行動や追い回しなど“新たな手口”も 一色正春氏「このままでは日本はやられ放題」

中国武装公船

 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で、中国の武装公船による暴挙が続いている。領海侵犯や接続水域への侵入を連日繰り返すだけでなく、日本漁船を追い回したり、複数艦船による「分散行動」といった“新たな手口”で、海上保安庁による警備態勢をすり抜けようとしているのだ。4日午前も、中国公船2隻が領海侵犯を行った。日本政府には「遺憾砲」以外に、中国側を阻止する方法はないのか。元海上保安官の一色正春氏が読み解いた。

 「東京と北京双方の外交ルートで、(中国側に)厳重に抗議している」「(接近の)動きを直ちにやめ、速やかに領海から退去するよう強く求めている」「引き続き、冷静に毅然(きぜん)として対応していきたい」

 菅義偉官房長官は3日の記者会見で、こう語った。

 海上保安庁によると、4日朝の時点で、尖閣周辺で中国公船4隻が確認できるといい、うち2隻が領海内に入ったため、退去を命じたという。尖閣周辺での領海侵入は3日連続となり、今年で15日目。尖閣周辺への侵入も82日連続となる。

 民主党の野田佳彦政権が2012年9月、十分な配慮もなく尖閣諸島を国有化して以降、同海域の緊張は日に日にエスカレートしている。

 関係者によると、中国側は日本側を上回る軍艦並みの「大型船」を続々と就役させているうえ、公船4隻が2隻ずつに分かれて航行する「分散行動」を繰り返しているという。

 第11管区海上保安本部(那覇)は「(中国公船が)まとまっていても、分散していても、こちらは必要な隻数を配備して対応している」と語るが、現場の負担が増えるのは間違いない。

 前出の一色氏は「中国側が、尖閣周辺海域での行動を増やせば練度は上がる。分散行動をとれば、海上保安庁は基本的に警戒に当たることは難しくなり、より高度な守備を求められる」と解説した。

 日本政府は対抗策として、中国公船が日本漁船を追い回した卑劣な映像の公開を検討している。衛藤晟一領土問題担当相は「尖閣諸島をめぐる情勢の情報発信をより一層、効果的に行っていかなければならない」と語ったが、外務省などが慎重姿勢を崩していないという。

 尖閣沖中国漁船衝突事件(10年9月)後、当時の民主党政権が公開を渋るなか、一色氏は動画サイト「ユーチューブ」に映像を流出させ、国民に「中国の脅威」を伝えた。

 日本政府の対応について、一色氏は「このままでは具体的に止める手段もなく、日本はやられ放題になりかねない」と警鐘を鳴らした。

【私の論評】尖閣での中国の暴挙は、未だ第一列島線すら確保できない焦りか!(◎_◎;)

かつて当時の石原慎太郎・東京都知事が主導して魚釣島などを東京都が購入して恒久施設を建造しようとしました。すなわち「誰の目にも明らかな形で」日本の領有権を示そうとしたのです。

沖ノ鳥島に上陸した石原都知事(当時)

その際には、日本政府は慌てて尖閣諸島を国有化して、東京都の企てを阻止しました。 その後も日本政府は、「誰の目にも明らかな形で」日本の領有権を示すような努力をしていません。そうして、海上保安庁巡視船による尖閣周辺海域のパトロールを強化して、日本国民による魚釣島への上陸を禁止し、接近すら制限している状態が続いていました。 米国政府も日本政府が中国側を刺激するような行動をとらないことを暗に支持している状態が続いていました。

たとえば米海軍は、沖縄返還(1972年5月15日)以前より、尖閣諸島の黄尾嶼(こうびしょ)と赤尾嶼(せきびしょ)を射爆撃場に指定し、かつては砲爆撃訓練などに使用していました。沖縄返還後、日中間での尖閣諸島をめぐる紛争が表面化したものの、1978年8月12日に日中平和友好条約が締結されると、米国政府も尖閣諸島での砲爆撃訓練を実施することによって中国側を刺激することを差し控える方針に転換しました。

そのため日中平和友好条約が締結される前後から今日に至るまで、黄尾嶼と赤尾嶼の射爆撃場は全く使用されていません。 そして過去10年来、中国の海洋戦力が飛躍的に強化されてきたのに対抗して、日米海洋戦力の結束をアピールするために、尖閣諸島周辺海域での日米合同軍事訓練を実施すべきであるという声が、米海兵隊や米海軍の対中強硬派から上がることが少なくありませんでした。ところが、米国政府はそのような中国側を刺激する行動を許可することがない状態が続いていました。

米国政府がそのような立場を取っている理由は推測可能です。尖閣問題の一方当事者が同盟国の日本であるとはいえ、第三国間の領域紛争に巻き込まれたくないからです。米国の伝統的外交方針の一つが、第三国間の領域紛争には中立を保つことを鉄則としている以上、当然といえました。

実際に米国政府は、これまで尖閣諸島が日本領であると明言していません。ただし、日米安全保障条約が存在しているため、尖閣諸島に対して全く言及しないわけにもいきませんでした。。そこで歴代の米政府高官たちは、「アメリカ政府は尖閣諸島に対して日本の施政権が及んでいるとの認識を持っている。そして、施政権を日本が保持している以上は、尖閣諸島も日米安保条約がカバーしていると解釈している」と語るのが常となっていました。

ところが、最近風向きが変わってきました。「日本の尖閣諸島への中国の領有権を認めてはならない」「中国の尖閣海域への侵入には制裁を加えるべきだ」このような強硬な見解が米国議会で超党派の主張として改めて注目され始めたのです。

先にも述べたように、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関して、これまで米国政府は「領有権の争いには中立を保つ」という立場を保ってきました。ところが、中国が米国にとって最大の脅威となったことで、東シナ海での膨張も米国は阻止すべきだとする意見が米国議会で広まってきたのです。しかも、その意見が上下両院での具体的な法案として打ち出されています。

中国の尖閣諸島領有の主張に対する明確な反対は、6月中旬にワシントンで公表された連邦議会下院の共和党議員13人による政策提言報告書で改めて強調されました。 13人の議員は「下院共和党研究委員会・国家安全保障と外交問題に関する作業グループ」を形成し、「アメリカを強化してグローバルな脅威に対抗する」という報告書を作成しました。この報告書は、米国主導の既存の国際秩序を侵食し破壊しようとする脅威として中国、ロシア、イランなどの動向を分析しています。

120ページほどの報告書のなかで、最も多くの部分は中国の脅威について記されていました。南シナ海と東シナ海における中国の軍事志向の膨張は、国際合意にも、地域の安定にも、米国やその同盟諸国の国益にも反する危険な動きであると断じています。そうして、日本が領有権を宣言し施政権を保有する尖閣諸島に対する中国の攻勢についても、「平和と安定を脅かす」として反対を表明し、中国の領有権主張を否定する立場を明確にしました。 また同報告書で注目されるのは、「南シナ海・東シナ海制裁法案」への支持を打ち出していることです。

2019年5月に、ミット・ロムニー(共和党)、マルコ・ルビオ(共和党)、ティム・ケイン(民主党)、ベン・カーディン(民主党)など超党派の14議員が「南シナ海・東シナ海制裁法案」を上院に提出しました。6月には、下院のマイク・ギャラガー議員(共和党)とジミー・パネッタ議員(民主党)が同じ法案を下院本会議に提出ました。

ミット・ロムニー(共和党)議員
今回の下院共和党研究委員会の報告書は、その法案に米国議会の立場が表明されているとして、法案への支持を明確にしました。

なお上院でも下院でも法案は関連の委員会に付託されましたが、まだ本格的な審議は始まっていません。今回、下院共和党研究委員会は改めてこの法案の重要性を提起して、その趣旨への賛同と同法案の可決を促したのです。

今回、新たな光を浴びた「南シナ海・東シナ海制裁法案」の骨子は以下のとおりです。
 ・中国の南シナ海と東シナ海での軍事攻勢と膨張は、国際的な合意や規範に違反する不当な行動であり、関係諸国を軍事的、経済的、政治的に威嚇している。
・中国は、日本が施政権を保持する尖閣諸島への領有権を主張して、軍事がらみの侵略的な侵入を続けている。この動きは東シナ海の平和と安定を崩す行動であり、米国は反対する。
 ・米国政府は、南シナ海、東シナ海でのこうした不当な活動に加わる中国側の組織や個人に制裁を科す。その制裁は、それら組織や個人の米国内での資産の没収や凍結、さらには米国への入国の禁止を主体とする。
同法案は、中国に対する経済制裁措置の実行を米国政府に義務付けようとしています。つまり、米国は尖閣諸島に対する中国の領有権も施政権も否定するということです。米国政府は、中国当局の東シナ海での行動は、米国の規準でも国際的な基準でも不当だとする見解をとり、従来の「他の諸外国の領有権紛争には立場をとらない」という方針を変更することになります。

最近の、82日連続の中国尖閣侵入で暴挙は、このような米国の動きへの反発もあると思います。さらには、最近日本では、中国の潜水艦が日本近海を潜航しているのを日本に発見され、それを河野防衛大臣に公表されてしまったこととも関係していると思います。

河野太郎防衛相は23日の記者会見で、18日に鹿児島・奄美大島沖の接続水域内を潜ったまま西進した外国潜水艦について、「中国のものだと推定している」と述べました。潜水艦の国籍や種類の情報は自衛隊の把握能力(対潜水艦哨戒能力等)に関わるため、公表は異例です。

河野氏は「尖閣諸島をはじめ、さまざまな情勢に鑑みて、潜水艦の国籍を公表すべきと判断した」と強調。接続水域の潜航自体に問題はないとの認識を示すとともに、「外務省から中国に対して『関心表明』は行っている。中国の意図を明確に推し量っていく必要がある」と指摘しました。

私自身は、日本側は潜水艦の音紋などを取得しているため、この潜水艦の型名も分かっていたと思います。ただ、さすがにそこまでは公表しなかったのでしょう。なぜなら、そこまですれば、中国の恥の上塗りをすることになるからです。

そもそも潜水艦は中国の潜水艦はもとより、世界中のいかなる国の潜水艦も隠密行動をするのが常です。敵はもとより、味方にも動向を探られることがあってはなりません。だから、日米の潜水艦などは、東シナ海や南シナ海や、もしかすると黄海など中国の領海なども潜航しているかもしれませんが、一度も中国側に探知され、中国のメディアで報道されたことはありません。無論、日米メディアにもその動向は知られていません。

ところが、中国の潜水艦は日本側に易々と発見され、しかも日本のメディアで報道されているのです。これは、中国の対潜水艦哨戒能力が日本に比較して遥かに劣っていることを示しています。

さらに、中国の潜水艦が日本側に発見されるということは、中国の潜水艦いまだに、ステルス性において性能が低く、日本側に簡単に発見されてしまうということを意味しています。

中国海軍には、明確なロードマップがあります。それは以下のようなものです。
  • 「再建期」 1982-2000年 中国沿岸海域の完全な防備態勢を整備 ほぼ達成済み
  • 「躍進前期」 2000-2010年 第一列島線内部(近海)の制海権確保。
  • 「躍進後期」 2010-2020年 第二列島線内部の制海権確保。航空母艦建造
  • 「完成期」 2020-2040年 アメリカ海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止
  • 2040年 アメリカ海軍と対等な海軍建設

ロードマップによれば、2020年に「躍進後期」であり第二列島線まで、確保することになっていますが、現在の中国はそれどころか、尖閣を含む第一列島線すら確保できていません。

そこにきて、米国による南シナ海、東シナ海での中国に対する対抗の表明と、自国の最新鋭潜水艦が日本にいまだに簡単に発見されてしまうという事実を見せつけられ、中国海軍としてはかなり焦っていると思います。

その焦りの現れが、82日連続中国尖閣侵入と暴挙なのではないでしょうか。中国としては。何とかして、第一列島線をわがものにしたいので、艦艇を分散したり、漁船を追い回したりしているのでしょうが、彼らも命がけでしょう。

何しろ、日米の潜水艦がどこに潜んでいるのか、彼らには発見できないのですが、中国の潜水艦はすぐに日米に発見されてしまうのですから、味方の潜水艦はいざというときには、ほとんど用を為しません。

自分たちが、暴挙を繰り返せば、日米の潜水艦に撃沈される恐れもあるのです。ただ上層部からは、日本がどの程度まで暴挙に耐えるのかを確認するように、命令されているのだと思います。

ただし、私自身は、このような状況にあるから中国の暴挙を放置しておけというつもりは全くありません。

日本としては、せっかく米国が、中国の領有権主張を否定する立場を明確にしたわけですから、米軍に黄尾嶼と赤尾嶼の射爆撃場の使用を再開してもらうとか、尖閣諸島に日米のブイなどを設置するなどのことをしたり、あるいは日米合同で、尖閣諸島そのものを用いて、尖閣奪還作戦の訓練をすることなどが考えられます。

そのような訓練をすれば、当然のことながら、中国潜水艦やその他の艦艇や航空機を派遣するなどして、その訓練を監視するでしょうが、彼らの目の前で、模擬の中国侵略軍の艦艇を撃沈するところを見せたりすれば、かなり効果的でしょう。

何しろ、彼らは、いずれの航空機か、艦艇なのかも全く発見できないにも関わらず、模擬の中国の艦艇が次々と撃沈されていくの見て、恐怖に駆られることになるでしょう。次は、自分の番かもしれないと恐怖に慄くかもしれません。

それでも、中国が諦めなければ、彼らが発見できない潜水艦からソナーを発信して、すぐに離脱して姿をくらますようなことをするとか、模擬魚雷を発射したり、本物の魚雷を故意に艦艇の近くで爆発させるとか、やり方はいくらでもあります。それも、一隻二隻ではなく、複数の潜水艦で実施するとか、本当にやり方は、無尽蔵にあると言っても過言ではありません。

ただ、米国が覚悟を決めた現在、日本が覚悟を決めず、いつまでもグズグズしていれば、米国から見放されることもあり得ます。そうなると、ますます中国は増長して、最終的には尖閣を奪取してしまうかもしれません。私としては、そちらのほうが不安です。

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2020年2月19日水曜日

政府、広がる批判に焦り 「水際で失敗」、支持率に影―新型肺炎―【私の論評】ダイヤモンド・プリンセス号の教訓を活かし、挙党一致で武漢肺炎対策にあたれ(゚д゚)!

政府、広がる批判に焦り 「水際で失敗」、支持率に影―新型肺炎

首相官邸に入る安倍晋三首相=18日午前、東京・永田町

 新型コロナウイルスによる肺炎への政府対応に批判が広がっている。安倍晋三首相が先頭に立って取り組んだ水際対策は奏功せず、国内で感染が拡大。横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する措置でも、乗客乗員を船内にとどめ置いた判断が「かえって集団感染を悪化させた」と指摘された。「未知の感染症」への国民の不安は内閣支持率にも影を落とし、政府・与党は危機感を強めている。

乗客下船、19日開始 新たに88人の感染確認―クルーズ、21日に完了か

 「事態を小さく見せようとし、水際で失敗した」。野党共同会派が18日に開いた新型肺炎に関する合同対策本部の会合で、国民民主党の泉健太政調会長は政府の対応を厳しく批判した。

 政府は当初、発熱症状や中国・武漢市への渡航歴、武漢滞在者との接触がある人らをウイルス検査の対象にしていた。ところが2月に入り、感染経路の分からない感染例が続出。首相側近は「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」と頭を抱えた。

 政府関係者によると、習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から「大ごとにしないでほしい」と要請があったといい、これも後手に回った要因だとみられる。

 ダイヤモンド・プリンセス号への対応に関し、政府高官は「最初から3700人を下船させたらパニックになっていた」と批判に反論する。ただ、ある閣僚は「本当は早く下ろして隔離すべきだったが、全員を収容できる施設がなかった」と内情を明かした。

 国会で「桜を見る会」をめぐる問題が連日追及される中、各種世論調査で安倍内閣の支持率は軒並み下落。新型肺炎への対応を通じて危機管理能力をアピールすることで、局面転換を期待していた政権幹部を落胆させた。

 自民党の鈴木俊一総務会長は18日の記者会見で「国民は必ずしもポジティブに政府の対応を評価していない」と指摘。菅義偉官房長官は会見で「良かった点、悪かった点をしっかり検証し、次につなげていきたい」と語った。

【私の論評】ダイヤモンド・プリンセス号の教訓を活かし、挙党一致で武漢肺炎対策にあたれ(゚д゚)!

日本では、ダイヤモンド・プリンセス号で知られるようになったクルーズ船ですが、これについては、知られていないことが多くあるようです。

ダイヤモンド・プリンセス号

世界のクルージングのビッグスリーは「カーニバル・コーポレーション(Carnival Corporation)」、「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(Royal Caribbean International)」、「ノルウェージャン・クルーズ・ライン(Norwegian Cruse Line)」である。この3社で世界のクルージングの82%のシェアーを持ち、それぞれ本社は米国にあります。

クルーズライン国際協会(CLIA)に加盟しているクルージングの主要船会社は58社あるという。水、食品、医療、下水設備、乗客安全などの守るべき規定がCLIAで定められています。

現在、世界で運行しているクルージング411船の内の70%はバハマ、パナマ、バミューダ諸島、マルタの4カ国の国籍になっているそうです。これらの国では環境規制が緩く、タックスヘイヴンの国でもあります。また客船の耐久性への規制は緩く、20年以上運行しているクルーズが結構あるといいます。

ブラックな労働環境、汚物の海洋投棄

前述のクルージング最大手3社は米国に本社を構える船会社ですが、乗組員は季節労働者のようなもので労働契約条件はその船が登録してある国籍の基準に従うことになっているそうです。

乗組員の契約は最高9カ月で、週労70時間、休暇はなく、家族と離れての生活で、しかも通勤があるわけではなく、同じ船内での寝泊まりとなります。乗客の目には見えない乗組員のこのような厳しい勤務事情があります。

更に、環境保護という面において、3000人の乗客が1週間乗船している客船の場合の人的廃棄物は7万5000リットル、浴室トイレそして食器洗浄に使用する水量は37万リットル。

加えて、洗濯などに使用される水も必要です。それに廃棄されるゴミの処理も必要です。これらの汚水そして汚物は海に捨てられるわけです。地球の環境保全という面において客船は必ずしも綺麗な観光業ではありません。

港に停泊している間もエンジンは作動しており、その間も汚水・汚物は海に流れ、大気中にCO2を放出しているわけです。シンフォニー・オブ・ザ・シーズの6つの発電機は1時間に14.9トンの燃料を消費しており、この量は5655台の車が約50kmの距離を移動するのに必要なのに匹敵するそうです。

乗船後の行方不明者も少なくない

また、日本でも寄港地周辺における万引きやポイ捨てなどの迷惑行為が目立つため、商店
街の中には、「クルーズ船客お断り」の貼り紙を掲示する店もあるといいます。

日本以上にクルーズ船が寄るスペインのマジョルカ島では、普段の人口は111万5999人ですが、一昨年8月は客船の入港で人口が一挙に207万8276人に膨れ上がったそうです。同島の人口がひと月でほぼ2倍近くになったのです。

その結果、地元市民にとって生活に不自由を感じるようになったのです。しかも、クルージングに乗船しての観光客は上陸して思い出になる商品を僅かに買って、記念写真を撮るだけというパターンが大半で地元の富の蓄積にはならないとしています。

そのため、シンフォニー・オブ・ザ・シーズの各寄港地では環境汚染や地元市民の生活を脅かすことになるとして市民から寄港反対の声が上がっているほどです。

さらなる問題もあります。それはなんと、「乗客が消息不明になる」問題です。

クルージング犠牲者協会(Cruise Victims Association)によると、2000年から現在まで200人が乗船したあと行方不明になっているといいます。大型客船はあたかも海上に浮かぶ小さな町といった感じですが、しかもそこには警察はいません。厳密に言えば船長などは警察と同様の権限を持つのですが、客の数から考えると、あまり機能しているとは言い難いです。

乗船した後、酔ぱらって海に落ちたり、殺害されたり、盗難やセクハラに合ったりで、乗客の安全という面においては些かどころか、かなり問題ありなのです。旅行中に何やら、問題があったにしても、飛行機なら何日もそれに付き合うこともないですが、クルーズ船では、かなりの長時間それにつきあわなければならないです。

クルーズ船の教訓

クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客・乗組員隔離の状況は、CNNやBBCなど、世界中にニュースで広がりました。2月16日現在、全乗客3711人のうち355人が感染しました。

クルーズ船には、日本人だけでなく海外からの乗客も多数乗船していました。この中に1月下船した後に感染が発覚した香港人男性が感染源の可能性があるとされ、その後の2次感染3次感染が急速に広がったと考えられています。この例からも、新型コロナウイルスの感染力は非常に強いものと考えられます。

クルーズ船の教訓として以下の2つあげたいです。

第1として、感染拡大のために長期間下船させずに隔離という状況が良い判断だったか、隔離を解除して下船させるタイミンがあるとすればそれはいつだったかと、振り返る必要があります。

2月18日現在、一部下船ははじまりましたが、いまだにクルーズ船の非感染者の隔離は続いています。この中で、米国やカナダはチャーター機で乗客を自国に戻し、自国で隔離を継続することになっています。台湾やオーストラリアでも同じような動きがあります。

ダイヤモンド・プリンセス号の中を消毒する自衛隊員

しかし、当初の隔離処置が必要であったと言う判断自体が一概に間違っているとは言えないです。国内感染が明らかでない状況の中で、客船から感染の可能性のある乗客を下船させなかった決定は、致し方ないといえます。

感染の正体や今後の見通しが誰もわからない中、誰かが決定しなければならないのです。この中で、感染者を隔離という処置は、基本的考え方です。ただし、あとで振り返る必要はあります。どの時点で隔離に限界があると考えるか、下船させるべきか、見直す必要があります。そして今後の教訓にする必要があります。

第2として、換気の問題です。

感染経路が、飛沫感染(くしゃみや咳)や接触感染(手すりなどに触れること)以外に、注意すべき点はなかったのでしょうか。この点で、個人的には、空調環境の整備に注意する必要性があるのかもしれないと考えます。

ダイヤモンドプリンセス号は設備に優れた豪華客船であることは間違いないし、他の船に設備で劣ったところはないと思います。その上で、空調の新鮮空気量(外気の量)が、新型コロナウイルスのように感染力の強いウイルスの感染予防には、不十分となった可能性があるのではないかと考えます。

通常の風邪のウイルスでは問題にならない換気も、新型コロナのような強い感染力があるウイルスには、新鮮空気量100%の外気換気を行う必要があるのではないかと考えます。

平常時のダイヤモンドプリンセス号の換気は、通常はキャビン30%、公室・階段室50%、病院・ギャレ100%です。なお、今回の新型コロナウイルスの感染が問題となって以後は、外気換気が十分に行われているとのことです。

平常時に外気100%では、室内は快適な温度が保てない可能性があるので、普段の豪華客船なら乗客から不平が出るかもしれないです。平常時には新鮮空気量100%を行うことは難しいかもしれないです。

しかし今後、未知のウイルス感染が考えられる状況下では、少なくともすぐに、換気を十分にする措置を取る必要があります。

室内の空気を循環させるシステムを使った乗り物や建物では、ウイルス濃度が高められたまま感染を広げるリスクがあります。室内循環でも、もちろん通常の風邪のウイルスでは問題にならないです。

しかし、新型コロナウイルスは感染力が高いです。換気をすることで、ウイルス濃度を下げ感染率を下げることが出来ます。また、外へ放り出されたウイルスも、濃度が低ければ感染するリスクが低くなります。このため、換気が難しい場所でも、外気100%の換気システムの開発が望まれます。言うまでもなく、単純に窓が開けられれば、窓を開けることも重要です

挙党一致でウイルス対策にあたれ

日本のマスメディアでは連日新型コロナウィルス関連の報道で満ち溢れており、国民の関心は自分や家族の身をどうしたら守れるかに集中しているようです。ところが永田町では相変わらず「桜を見る会」の追求に明け暮れています。

野党は「桜」を安倍総理の最大の弱点と見て、政権交代へ追及の矛先を緩めようとはしていません。おそらく野党の見誤りであることは直ぐに明らかになることですが、もし総理が追い込まれて、今の時点で総辞職を余儀なくされた場合を考えるとゾッとします。

将来的に安倍内閣が無能政権だったと烙印を押される可能性はありますが、それでも今は挙党一致で新型ウィルスに対抗すべきです。

4月になって暖かくなり、湿度が高くなれば自然とウィルスの脅威も薄れると思います。少なくともそれまでは意味の無い政権攻撃は止めたら如何でしょうか。実際、東日本大震災のときには野党自民党は、いっとき与党民主党と休戦して、崩壊寸前だった菅内閣が命拾いしたということもありました。

黒岩氏(左)は安倍首相から反論される場面も=27日、衆院第1委員室

一刻も速い感染症対策が求められているのですから、国会議員の質問もやはり9割は武漢肺炎(COVID2019)への対策の現状と反省、および今後の対応へ充てられてしかるべきです。

厚労省直轄で対応することには無理があり、地方自治体でも独自の防衛対策が検討されつつあると思いますので、各党の県連を通して地方議会での議論を国会に吸い上げて、より有効な対策を打ち出す必要があります。

誤った方針の下で政権追求ばかりをしていると、国民は呆れ返ってしまい、次の総選挙では野党は大崩壊するでしょう。

内閣支持率は安倍政権のダイヤモンドプリンセスでの検疫失敗で大分下落を続けていますが、下がったポイントは野党には流れてはいないようです。

今回安倍総理は、危機管理の弱さを露呈しましたが、それでも代わりの適任者が浮かばないという、現実があります。まずは、ここしばらく4月あたりまでは、挙党一致でウイルス対策に邁進すべきです。

日本の住民一人ひとりが、感染予防のエキスパートに

新型コロナウイルスの感染力は、これまでに考えられないほど強いようです。これだけ多くの日本人医師が初めに感染を確認されていることは、これまでに例がありません。

おそらく空気感染を起こす結核よりも感染力が強いといえるかもしれないです。基本的には、飛沫感染と接触感染です。くしゃみや咳からウイルスがまかれ、そこから感染するのです。

感染者がウイルスのついた手で、手すりやつり革にふれ、その上を第3者が触れ、その手で自分の鼻や口をさわれば、ウイルスが体内に取り込まれます。だからこそ、手洗い・うがい・マスクは、非常に大切であり、感染予防の重要な行動となります。

私たちは、自分への感染も、他人への感染も、手洗い・うがい・マスクで、予防するのです。そして、自分を守り、他人を守り、日本を守り、世界を守るのです。私たち一人一人が、感染予防のエキスパートになって、早くマスクを取れるようになるべきです。そして、感染予防対策の先進国として世界に認められるようになりたいものです。

特に、ダイヤモンドプリンセスの例は、詳細に研究して、今後の対策に役立てるべきです。

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2014年4月12日土曜日

景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!

景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化

景気刺激策は取らないと強調する李克強首相
   
 中国の景気減速がはっきりしてきた。輸出が2カ月連続で前年を下回ったのだ。不動産バブルの崩壊も指摘されており、中国経済の先行き懸念が高まりそうだ。李克強首相らの発言にも焦りや弱音が感じられる。中国共産党幹部の対日姿勢にも変化が出てきた。

 「今年の成長率は目標の7・5%前後を上回ることも下回ることもあり得る。経済を一時的に上向かせるため、短期的な刺激策は用いない」

 李氏は10日、海南省で始まった博鰲(ボアオ)アジア・フォーラムで、こう演説した。先月の全国人民代表大会(国会に相当)で採択した経済成長率目標を、早々と諦めるような発言だ。

 中国税関総署が同日発表した貿易統計によると、3月の中国の輸出は前年同月比6・6%減。2月の18・1%減からは減少幅が縮小したが、同国経済を支える輸出が振るわない。1~3月の累計でも輸出は前年同期比3・4%減で、足元の景気減速の深刻さが浮き彫りになっている。

 米国経済の回復に伴い「3月の輸出は増加する」との見方が多かっただけに、税関総署は「一時的、短期的なもので、5月からは貿易総額が増加する」と強弁し、市場の動揺抑制を図った。

 経済の混乱は、中国共産党の独裁体制を直撃しかねない。焦りの表れなのか、日中関係改善に向けた動きも出てきた。

 李氏は冒頭のフォーラムに先立ち、参加国の代表ら十数人とともに、福田康夫元首相と会談した。安倍晋三首相の靖国神社参拝後、最高レベルでの日中接触になった。

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【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!

中国の経済崩壊が、近づいているようです。中国は日本などと異なり、GDPの40%以上は、輸出によるものです。だから、輸出の伸びが減少するということは、日本以上に経済にとって痛手です。日本の場合15%程度ですから、輸出減はさほど痛手ではありません。それに、日本は過去20年ほど、デフレ続きで内需が衰えたためもあってか、輸出を伸ばしてきたという経緯があります。

20年前は、輸出がGDPに占める割合は、8%程度に過ぎませんでした。それが、20年くらいで倍になったというのは、やはりデフレで国内需要が低下したため、これに対応するため日本企業が輸出を伸ばしてきたということです。だから、デフレを克服さえしていれば、内需も維持されていて輸出を伸ばす必要もなかったものと思います。現在でも、GDPに占める輸出が占める割合は世界的にみれば、日本は少ないですし、日本より少ないのは世界でもアメリカ(数%)くらいです。

さて、現在、中国経済の崩壊が不安視されています。中国バブルが崩壊すれば、日本はとんでもないことになるなどと声高に叫ぶ人もいます。

不良債権化する可能性が高いのは理財商品ですが、日本の個人や金融機関のこれへの投資はほとんどないでしょう。したがって、それが不良債権化しても、直接の影響を受けることはないでしょう。

これは、リーマンショックの時と同じ状況です。日本の金融機関の、モーゲッジの証券化商品への投資はほとんどありませんでした。だから、直接の影響はありませんでした。当時の経済財政担当相が「蜂がさした程度」と言ったのもそのためです。少なくとも2008年の夏頃まで、日本では米国の金融危機が対岸の火事だと思われていました。

しかし、リーマンショックは、経済の屋台骨を揺るがすほどの甚大な影響を日本に与えたました。影響は、貿易を通じて生じました。自動車を中心として日本の対米輸出が急減し、結果的には戦後の日本で最大級の経済危機になりました。

鉱工業生産指数(10年=100)で見ると、リーマン前のピークである08年2月には117.3に達していましたが、09年2月には76.6にまで低下しまた。その後回復したものの、13年7月の指数は97.7でした。つまり、ピークより17%ほど低い水準です。

中国の不良債権の規模は米国金融危機の場合より大きくなる可能性があるかもしれません。したがって、バブルが崩壊した場合の日本経済への影響は無視できないでしょう。

しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。

その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。

本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。

日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。

その後、大震災が発生したときにも、日銀は金融緩和をしませんでした。大震災が発生すれば、円の需要が高まるのが当たり前で、その最中に金融緩和をせずに金融引締めをしていれば、円高になるのは当然です。震災直後に急激な円高があったことは皆さんの記憶にも新しいところだと思います。



白川体制までの日銀は何があっても、金融引締め一辺倒だったのが、昨年の4月から黒田体制に変わり、異次元の包括的金融緩和を実施するようになりました。そうして、黒田総裁は、2%の物価目標が達成できなけば、さらなる金融緩和策も辞さないという声明を発表しています。

もし、リーマンショックのときのように、中国バブルの崩壊後に各国が金融緩和策を実施し始めたら、黒田体制の日銀ならおそらく、それに呼応して金融緩和を実施するでしょう。そうなれば、中国バブルの崩壊は、リーマンショックの時のように日本に大きな影響は及ぼさないということが考えられます。

ただ、懸念されるのは、中国の本格的バブル崩壊により、日本もその影響を多少は受けて、一時日本国内の株価が下がるなどのことは懸念されます。それに、馬鹿な政治家が、中国に対する経済援助などを言い出す可能性も高いです。こんなことをしても、中国の経済は立ち直りません。ただ、中国の古い体質を温存させるだけです。民主化、政治と経済の分離、法治国家化がないがしろにされるだけです。現体制を打破しなければ、中国の経済は立ち直りません。

しかし、それも一時のことです。中国がどうのこうのと心配する前に、日本は日本の国内のことを考え、一刻もはやくデフレから脱却することです。中国がどうなっても、日本がデフレから脱却さえすれば、実体経済に大きなダメージを被るなどということはありません。これに向けて、適切な経済運営をすれば、中国のバブル崩壊は、日本にとって対岸火事ということになることでしょう。

そのためには、このブロクでも前から掲載しているように、10%増税はしばらく控え、公共工事の供給制約があることから、公共工事を経済対策として大々的に用いることは効率が悪いので、所得税減税とともに、経済刺激策に直結する給付措置をすぐにでも行うべきです。

経済対策というと、海外からの投資を呼びこむとか、経済特区をつくるとかなど馬鹿なことを言う人が多いですが、こんなことは発展途上国のやることであり、まさに過去の中国が大々的に行い、今回のバブル崩壊につながる原因ともなっています。先進国の日本はこのようなことはすべきでありません。まずは、目の前のデフレを克服することです。これにより、日本は、外国などとは全く関係なく、内需を拡大することができ、強靭でしなやかな体制を築くことができます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年8月29日木曜日

消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか―【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!

消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか

須田慎一郎

来年予定されている消費税増税。その雲行きについて、ジャーナリスト・須田慎一郎氏が指摘する。

* * *

安倍晋三首相は、最終的に消費税率アップを決断するのかどうか各マスコミの関心がこの点に集中しつつある。

というのも、この一件を巡って、これまで安倍首相の快進撃を支えてきた「チーム安倍」が空中分解しかねない要素をはらんでいるからだ。リフレ派の面々は「増税すれば景気は一気に悪化する」(浜田宏一・内閣官房参与)として、消費税増税に反対の立場をとっている。

これに対し財務省に近い勢力は、麻生太郎・財務相を筆頭に「当初の予定通りやらせて頂きたい」と強硬に税率アップを主張している。安倍首相としては完全に股裂き状態に置かれてしまったかのようだ。だが、財務省幹部は自信満々にこう話す。

「マスコミは面白おかしくこうした”政権内対立”を煽っていますが、実はすでに決着はついているのです」

この記事の続きはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!

須田真一といえば、竹島問題ではとんでもない見解を表明していました。それは、以下の動画をご覧いただけれは良くお分かりにと思います。


全くおかしな論理です。何で加害者たる韓国の事を我々が思いやらねばならないのでしょうか?韓国の社会・経済の問題を国民からそらすために、組織的、体系的な反日活動をする韓国の気持ちを理解する必要など全くありません。

須田真一といえば、アベノミクスに対しては最初から大反対でした。それに関する動画を以下に掲載します。金融緩和で、一般の人たちにも影響がでてくるのは、少なくとも2年くらいたってからです。財政出動の場合は、もっと速やかに効果がでますが、その効果も長持ちはしません。だから、金融政策と財政政策を同時にすすめるべきだし、今は金融緩和をする時期であることははっきりしています。金融緩和のみをしている現状では、一般の人への効果は後からでてくるのが当たり前のことです。しかし、須田はそんなことはおかまいなしに、効果がでていないとまくしたてています。全くの馬鹿です。では、これに変わる経済対策で、効果がすぐにでて、長持ちする対策をあげるへぎと思います。そんな対策はないです。そんなことはわかりきっているから、須田はとにかくアベノミクスが駄目だとわめいています。


現在日本による金融緩和の副産物としての、円安により、韓国経済はズタボロになっています。中国もその状況にあります。須田は、こうなることが予めわかっていたので、アベノミクスに大反対していたのではないかと思います。

それにしても、須田の論理はまるでポエムです。しかし、ポエムだからこそ、論理的思考を欠く人には、直截に響く口調です。理詰めで話をしても、論理が破綻していることは最初からわかっているてので、意図して意識してポエム仕立て(論理に欠いた筋立てということ)にしているとしか考えられません。増税派にとっては、もう情感に訴えるとか、色仕掛けで訴えるとかそのくらいしか手段が残されていないのだと思います。

増税派に残さた手段はポエムと色仕掛けしかいない?
この動画のポエム仕立てを確認してから、上の記事を見てみると、これも増税が財政再建におよぼす影響とか、増税の時期に関するまともな分析などもなく、浜田参与の論考など引用するということもなく、ただただ、単なる官僚などの内輪話による展開で、論理を欠きポエムのような筋立てになっています。増税派には、もう残された時間も、手段もほとんどないのだと思います。論理を展開すれば、そぐにその齟齬を見破られ、白日のもとにさらされてしまいます。よほど、愚鈍か鉄面皮な人間でない限りできなくなりました。

それに、浜田参与は、昨日のテレビ報道では以下の動画のような発言をしています。


完落ちした人が、昨日の段階でこのような発言をするとはとても思えません。

増税すれば、またぞろ日本は、デフレスパイラルの深みにはまりなかなか抜け出すことができず、円高が進行し、中国・韓国の経済を一時延命するだけのことになります。これら両国が、まともになるには、かつて西欧諸国が数百年かけ、日本が数十年で達成した、民主化、政治と経済の分離、法治国家家を進めて、中間層を増やし、中間層の活動で国の富を増やす方向性しかありません。それ以外の日本の円高政策は、一時の延命策にすぎません。

中国人民や、韓国の国民のことを考慮しても、日本の円高政策は一時しのぎのものに過ぎず、いままで長期にわたって円高政策を継続してきたことが、中韓の社会・実体経済の進歩を阻み今日のような脆弱なものにしてしまっのです。これに関しては、かつて私はこのブログで中韓に対する日銀による麻薬の注入であるとして揶揄しました。しかし、日銀による長年の、デフレ・円高政策は確かにそのような効果があったと思います。実際日本がほんのすこしでも、円安に振れると、大騒ぎという構図はまともではありません。

こんなことは、須田には理解できないでしょう。中国や韓国をまともさせる、正気にさせるためにも、ここで日本は増税しては絶対に駄目です。それに、日本国民も、自らの経済や雇用など犠牲にして、中国や韓国のほんの一部富裕層に奉仕するつもりなどさらさらありません。



須田が騒ごうが、官僚が騒ごうが、マスコミがさわごうか、来年4月の増税はあってならないことなのです。ならぬことは、ならぬものです。もう安倍総理の腹はとうに決まっていると思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年8月3日金曜日

デモの参加者にも広がり始めた焦りと無力感「脱原発」意識の二極化現象に覚える違和感の正体 ―【私の論評】生存の危機を身近に感じることのなかったニッポン人!!絶対などということがあり得ないと悟っていた日本人?

デモの参加者にも広がり始めた焦りと無力感「脱原発」意識の二極化現象に覚える違和感の正体


大飯原発の再稼働を機に、「脱原発デモ」が再び盛り上がっている。だがその一方で、世間では「脱原発」への意識が二極化し、一部でトーンダウンの兆しも見える。昨年、生存の危機に晒された日本人の意識が変化している背景には、何があるのか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当然、既存の労働・政治団体には、しっかりした主張を展開している団体も多い。しかし、一般参加者については、「原発について専門的な知識があるわけではない。でも、わからないからこそ怖いし、もっと知りたいと思う」(前出のEさん)という人がほとんどだ。


だからこそ、今のデモが「運動のプロ」ではない幅広い層を集めることに繋がっている一方、素人であるがゆえに政策への反映プロセスがわからず、ジレンマに陥っている側面もある。

繰り返し述べるが、原発問題については様々な意見があり、まだまだ議論を深めなければならない。国民の不満や疑問と正面から向き合うことを政府が避け続けていれば、火に油を注ぐことになりかねないことだけは、理解しておく必要があるだろう。

この詳細はこちらから!!

【私の論評】生存の危機を身近に感じることのなかったニッポン人!!絶対などということがあり得ないと悟っていた日本人?


上の記事、生存の危機に晒された日本人の意識が変化しているということを述べていますが、どのように変化しているのかを述べてはいないと思います。この日本の変化は、いくつもありますが、上の記事の内容は不十分です。不十分であるがゆえに、無力感など十分に説明できないでいます。これだと、以前似たような記事をこのブログに掲載しましたが、そちらのほうが理解しやすいと思います。


ニッポン人の多くは、今回の震災が発生して、原発事故が発生して、はじめて、絶対安全などということは到底あり得ないということを悟ったと思います。震災が起こって間髪を入れず、各地を津波が襲う動画がテレビで多く映しだされました。津波に直接襲われた人は、もとよりそうではない人にもこのことを直感的に悟ったことでしょう。そうして、次の日は、炎に包まれる多くの地方都市が放映されました。


そうして、極めつけは、しばらくたって津波の水がひいた震災地の惨状です。現在の日本人は、ほとんどの人が爆撃の経験はないですが、それにしても、テレビなどでその映像を見たことのある人は大勢いることでしょう。そうです、多くの被災地がまるで爆撃を受けたかのように、建物などが、跡形もなく消え去っていました。


それから、少ししてから、あの原発事故です。原発の建屋が吹き飛んだり、原発を冷やすための放水作業などが映され、しばらくは考える暇がないほど、次々といろいろなことがありました。


そうして、まもなく、原発反対運動が盛り上がりを見せるようになりました。そうして、私自身はといえば、この時点では、情報が少ないことや、いわゆる理論武装のようなものもしようがなかったのですが、最初から原発全廃、原発反対という考えは頭をよぎりもしませんでした。ただし、すぐに全廃ということはなくても、時間が随分かかったとしても、危険な原発はいずれ廃止したほうが良いとか、そこまでいかなくとも、減らしたほうが良いとは思いました。


なぜなら、すぐに全廃などすれば、日本の社会の隅々まで入り込んで、いわゆるユビキタスの代表のようにいわれている、電気が、なくなれば、経済が停滞するし、それに社会が混乱することは目にみえていたからです。だから、全廃など叫んでデモをする人々を目にしたときは、なんて愚かなことをするのだろうと思いました。


それから、いろいろ、考えてみましたが、結局自分も原発の電気を使っていて、いわゆる安全神話は、心底信じてはいなかったものの、やはり、そんなに危険はないだろうと考えていたことに思いが至りました。そうして、安全神話を流布した、自民党政権や、民主党政権に対する怒りの感情が目覚めました。そうして、現在進行形で、原発事故への対応の悪さがはっきりしてきた民主党政権や、東電などにも怒りを感じました。そうとはいいながら、東電にばかり、非難の矛先が向かうことに疑問を感じました。


いずれにせよ、原発事故によって、完璧に安全神話が崩れたことは間違いありません。多くの人が、信じていたことが、そうではなかったこと、さらに、原発だけではなく、いくら、日本か戦争などのない安全な国であると思っていても、地震や津波などで、思ってもみないほどの甚大な被害にあい、それによって、多くの人々がなくなるということもあり得るのだということに思いいたったと思います。これは、誰もが認めると思います。


そうして、何事にも、絶対安全とか、確実とか、絶対正しいとか、絶対間違いであるなどということはあり得ないということを意識的か無意識であるか別にして、悟ったものと思います。これほどの惨事に見舞われて、そう悟ることができない人は、右、左とか、上、下などの思想の違いとか、立場を乗り越えてほとんどいないと思います。


そこにきて、反原発運動のうねりです。上の記事とは、裏腹に現実には、最高にデモ参加者が、増えたときでも、おそらく数万人であろうと言われています。この人達というか、少なくとも、このデモを主導する側の人たちは、原発を廃炉にすることが絶対の善である、疑問の余地がないほど何が何でも絶対正しい主張していると思います。とにかく放射能は、怖いし、原発は危険だし、何が何でも反原発は正しいと主張しています。


しかしながら、良く考えてみて下さい。少し前まで、日本は絶対安全、原発は絶対安全という神話を完璧ではないまでも、多くの人達が、かなり信じていたわけです。しかし、それが、現実に脆くも崩れたわけです。


だから、多くの人達が、原発全廃が絶対に正しいなどとは信じられなくなっていると思います。危険だから、危ないからといって、すぐにも廃止してしまえば、それが、絶対善であると単純に信じてしまう人など、意識している意識していないは別にして、潜在意識の中では、絶対ということは信用しなくなっています。


そうして、私は、およそ、いかなる社会現象においても、それが、社会現象である限り、どのようなことも絶対などということはあり得ないと思います。絶対安全、絶対安心などということは、永遠にないと思います。そうして、この平和日本に長く生きて、そのことを半分忘れかけていたことに気づきました。


一番典型的なのは、「家を出るときは、今生の別れ」ということを忘れてしまったということです。こんな当たり前のことを久しく忘れていたように思います。そうして、一度挨拶をしたら、後は、絶対に振返らないということも、。私は、子供の頃からそのように躾けられていましたので、社会人になってからも、それは、実行していました。しかし、最近は、少し曖昧になっていました。震災以来、このことに気付き愕然としたものです。


あの震災の時に、「家を出るときは、今生の別れ」になった人々が大勢いました。そのことを語っていた人が多く実際に、テレビで放映されていました。しかし、これは、震災、津波があろうがなかろうが、真実です。一旦家を出たからには、外で何が起こるかなどは、分かりません。あるいは、家にとどまっている家人にだって何が起こるかなどということはわかりません。だからこそ、普段から、思い残すことがないように、古の人々は、「家をでるときは、今生の別れ」と言ったのです。そうし、別れ際に、思いを残さないように、一歩家を出たら決して振り返らないようにと戒めたのです。


私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、日々このような緊張の中で生きているのです。私を含めて、多くの人がその事実を忘れていたか、見ないようにしてきたに過ぎません。だから、政府が正しいとか、間違いとか、原発の安全を司る組織がどうのこうのという前に、原発を推進するにしても、廃止するにしても、この世で何が絶対に正しいのだなどということはあり得ないということです。


だからこそ、原発廃止絶対善などもあり得ないということに多くの人々が気づきつつあるのです。何事においても、絶対善を主張する人間がいたとしても、もう誰も簡単には信じないと思います。最初は、騙されても長い間には、騙されなくなってくると思います。社会現象は、何事も、相対的なのです。原発絶対廃止が絶対善などではあり得ないことは、以前このブログで掲載したことがありますので、それについては、当該ブログをご覧いただくこととして、ここには、詳細を記載しません。


私は、社会事象を考えるときは、いわゆる絶対正しいとか、絶対間違いという呪縛から逃れるべきであり、そこから、新たな良い社会が生まれていくものと確信しています。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どうお考えになりますか?


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