2014年4月12日土曜日

景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!

景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化

景気刺激策は取らないと強調する李克強首相
   
 中国の景気減速がはっきりしてきた。輸出が2カ月連続で前年を下回ったのだ。不動産バブルの崩壊も指摘されており、中国経済の先行き懸念が高まりそうだ。李克強首相らの発言にも焦りや弱音が感じられる。中国共産党幹部の対日姿勢にも変化が出てきた。

 「今年の成長率は目標の7・5%前後を上回ることも下回ることもあり得る。経済を一時的に上向かせるため、短期的な刺激策は用いない」

 李氏は10日、海南省で始まった博鰲(ボアオ)アジア・フォーラムで、こう演説した。先月の全国人民代表大会(国会に相当)で採択した経済成長率目標を、早々と諦めるような発言だ。

 中国税関総署が同日発表した貿易統計によると、3月の中国の輸出は前年同月比6・6%減。2月の18・1%減からは減少幅が縮小したが、同国経済を支える輸出が振るわない。1~3月の累計でも輸出は前年同期比3・4%減で、足元の景気減速の深刻さが浮き彫りになっている。

 米国経済の回復に伴い「3月の輸出は増加する」との見方が多かっただけに、税関総署は「一時的、短期的なもので、5月からは貿易総額が増加する」と強弁し、市場の動揺抑制を図った。

 経済の混乱は、中国共産党の独裁体制を直撃しかねない。焦りの表れなのか、日中関係改善に向けた動きも出てきた。

 李氏は冒頭のフォーラムに先立ち、参加国の代表ら十数人とともに、福田康夫元首相と会談した。安倍晋三首相の靖国神社参拝後、最高レベルでの日中接触になった。

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【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!

中国の経済崩壊が、近づいているようです。中国は日本などと異なり、GDPの40%以上は、輸出によるものです。だから、輸出の伸びが減少するということは、日本以上に経済にとって痛手です。日本の場合15%程度ですから、輸出減はさほど痛手ではありません。それに、日本は過去20年ほど、デフレ続きで内需が衰えたためもあってか、輸出を伸ばしてきたという経緯があります。

20年前は、輸出がGDPに占める割合は、8%程度に過ぎませんでした。それが、20年くらいで倍になったというのは、やはりデフレで国内需要が低下したため、これに対応するため日本企業が輸出を伸ばしてきたということです。だから、デフレを克服さえしていれば、内需も維持されていて輸出を伸ばす必要もなかったものと思います。現在でも、GDPに占める輸出が占める割合は世界的にみれば、日本は少ないですし、日本より少ないのは世界でもアメリカ(数%)くらいです。

さて、現在、中国経済の崩壊が不安視されています。中国バブルが崩壊すれば、日本はとんでもないことになるなどと声高に叫ぶ人もいます。

不良債権化する可能性が高いのは理財商品ですが、日本の個人や金融機関のこれへの投資はほとんどないでしょう。したがって、それが不良債権化しても、直接の影響を受けることはないでしょう。

これは、リーマンショックの時と同じ状況です。日本の金融機関の、モーゲッジの証券化商品への投資はほとんどありませんでした。だから、直接の影響はありませんでした。当時の経済財政担当相が「蜂がさした程度」と言ったのもそのためです。少なくとも2008年の夏頃まで、日本では米国の金融危機が対岸の火事だと思われていました。

しかし、リーマンショックは、経済の屋台骨を揺るがすほどの甚大な影響を日本に与えたました。影響は、貿易を通じて生じました。自動車を中心として日本の対米輸出が急減し、結果的には戦後の日本で最大級の経済危機になりました。

鉱工業生産指数(10年=100)で見ると、リーマン前のピークである08年2月には117.3に達していましたが、09年2月には76.6にまで低下しまた。その後回復したものの、13年7月の指数は97.7でした。つまり、ピークより17%ほど低い水準です。

中国の不良債権の規模は米国金融危機の場合より大きくなる可能性があるかもしれません。したがって、バブルが崩壊した場合の日本経済への影響は無視できないでしょう。

しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。

その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。

本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。

日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。

その後、大震災が発生したときにも、日銀は金融緩和をしませんでした。大震災が発生すれば、円の需要が高まるのが当たり前で、その最中に金融緩和をせずに金融引締めをしていれば、円高になるのは当然です。震災直後に急激な円高があったことは皆さんの記憶にも新しいところだと思います。



白川体制までの日銀は何があっても、金融引締め一辺倒だったのが、昨年の4月から黒田体制に変わり、異次元の包括的金融緩和を実施するようになりました。そうして、黒田総裁は、2%の物価目標が達成できなけば、さらなる金融緩和策も辞さないという声明を発表しています。

もし、リーマンショックのときのように、中国バブルの崩壊後に各国が金融緩和策を実施し始めたら、黒田体制の日銀ならおそらく、それに呼応して金融緩和を実施するでしょう。そうなれば、中国バブルの崩壊は、リーマンショックの時のように日本に大きな影響は及ぼさないということが考えられます。

ただ、懸念されるのは、中国の本格的バブル崩壊により、日本もその影響を多少は受けて、一時日本国内の株価が下がるなどのことは懸念されます。それに、馬鹿な政治家が、中国に対する経済援助などを言い出す可能性も高いです。こんなことをしても、中国の経済は立ち直りません。ただ、中国の古い体質を温存させるだけです。民主化、政治と経済の分離、法治国家化がないがしろにされるだけです。現体制を打破しなければ、中国の経済は立ち直りません。

しかし、それも一時のことです。中国がどうのこうのと心配する前に、日本は日本の国内のことを考え、一刻もはやくデフレから脱却することです。中国がどうなっても、日本がデフレから脱却さえすれば、実体経済に大きなダメージを被るなどということはありません。これに向けて、適切な経済運営をすれば、中国のバブル崩壊は、日本にとって対岸火事ということになることでしょう。

そのためには、このブロクでも前から掲載しているように、10%増税はしばらく控え、公共工事の供給制約があることから、公共工事を経済対策として大々的に用いることは効率が悪いので、所得税減税とともに、経済刺激策に直結する給付措置をすぐにでも行うべきです。

経済対策というと、海外からの投資を呼びこむとか、経済特区をつくるとかなど馬鹿なことを言う人が多いですが、こんなことは発展途上国のやることであり、まさに過去の中国が大々的に行い、今回のバブル崩壊につながる原因ともなっています。先進国の日本はこのようなことはすべきでありません。まずは、目の前のデフレを克服することです。これにより、日本は、外国などとは全く関係なく、内需を拡大することができ、強靭でしなやかな体制を築くことができます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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