2014年4月7日月曜日

メルケル独首相、習近平主席に“毒入り”プレゼントを贈る―中国―【私の論評】メルケルは、当面の目先の商売の相手先としてか中国を見ていないことを、習近平と世界に伝えたかったのか(゚д゚)!

メルケル独首相、習近平主席に“毒入り”プレゼントを贈る―中国

メルケル首相
  4日、RFI中国語版は記事「メルケル独首相が習近平主席に贈った中国の古地図が議論招く」を掲載した。メルケル首相が習主席に贈ったプレゼントが“毒入り”だと話題になっている。写真はメルケル首相。

  3月末、習近平(シー・ジンピン)国家主席はドイツを訪問し、メルケル首相と会談。独中両国は緊密なパートナーシップをアピールした。一見すると、良好な関係を築いているかのように見える。しかしメルケル首相が習主席に贈ったプレゼントが“毒入り”だと話題になっている。

  贈られたのは中国の古地図。宣教師がもたらした情報をもとにフランス人が描いたもので、1735年時点での清朝の領域を示している。しかし地図では新疆、チベット、内モンゴル、尖閣諸島は清朝の領域外とされている。表向きは中国との関係強化をうたいながら、領土問題や人権問題できついお灸をすえたとの見方が広がっている。

  さすがにこの地図は問題ありと中国側は判断したのだろうか、一部中国メディアは贈呈されたものとは違う古地図を掲載した。すげ替えられた地図を見たネットユーザーが「メルケル首相は中国のチベット、尖閣領有を支持している」と喜ぶ一幕もあった。

【私の論評】メルケルは、当面の目先の商売の相手先としてか中国を見ていないことを、習近平と世界に伝えたかったのか(゚д゚)!

メルケルが習近平に贈ったとされる古地図

独英は、1年ほど前に中国に擦り寄る姿勢が見られたことを過去のこのブログで掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【脱中国元年】英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢―【私の論評】 対中国政策が示す日が沈むEU、日が昇る日本。すでに不退転の決意を示している日本国民!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして以下に英独の中国刷り寄りに関連するところのみを掲載させていただきます。
 世界情勢は「複雑怪奇」に激変の最中である。日本人はとかく「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。国際政治の舞台裏では「昨日の敵は今日の友」「今日の友は明日の敵」である。 
 NATO(北大西洋条約機構)で団結していたはずの欧米同盟とて、中国と対立する米国に意外な方向から敵対者が出現した。何と、英国とドイツが米国に敵対 的態度を示すようになったのである。英、独は中国に異常接近し、特に、英国は金融市場で、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変え た。
さて、イギリスは昨年中国と200億ポンド程度の通貨スワップ協定を結んでいます。しかし、この程度では元を支えるようなことはとうてい無理です。イギリスが、中国に本気で擦り寄ろうなどとは考えてはいないことは明白だと思います。それに最近では、中国の金融システムは破綻しかけていることが明白で、イギリスを含めた外国の金融機関で、中国から撤退しているところもあります。



中国メディア・環球軍事は今年の3月31日、急速に台頭する中国の機械製造業が、世界市場におけるドイツ企業の地位を脅かしているとドイツメディアが報じたことを伝えています。

ドイツメディアは、中国の機械製造業の世界市場シェアが2008年の23%から12年には37%へ増加、4年以内に50%を超えると見込まれているとしたうえで「ドイツメーカーに不利な影響を及ぼすことは明らか」としました。

さらに、中国メーカーは特に、建築機械市場や、電信設備、風力タービン製造において急速にシェアと伸ばしつつあるほか、測量技術、医療技術、溶接機械など18の業種で、中国メーカーの脅威をとりわけ大きく受けることになると伝えました。

こんなことでは、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変え たなどとは、とても思えません。



やはり、両国とも表向きは中国との関係強化をうたいながら、領土問題や人権問題がどうのこうのという以上に、当面の目先の商売の相手先としてか中国を見ていないということだと思います。

このブログにも以前から掲載してきたように、中国の金融システムはガタガタで、崩壊寸前です。暴動も年間10万件を超える勢いです。

こんなときに、商売としては旨味がなくなっている中国に対して、すり寄り姿勢のみを強調されては、たまったものではないので、毒入りプレゼントを送りつけ、メルケル首相の腹の内をみせ、「あまり好い気になるなよ、旨味のある商売ができなくなったら、すぐにも手を切るぞ」という姿勢を習近平と世界にみせつけてみせたというところだと思います。

そのまま放置しておけば、中国あたりつけあがって、中国が何をしても、世界に向かってドイツやイギリスの世論が味方だなどと言いかねず、それを牽制する意味もあったものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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