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2008年5月7日水曜日

胡錦濤主席来日-その裏の目的は?

こんにちは。胡錦濤主席、いよいよ昨日から訪日しました。中国の壊れ具合ますます酷くなってきましたね。国民一人当たりのGDPが日本の1/10に達するまでに、今の経済成長率を維持したとしてあと 20年かかる発展途上国(中国発表ではなく、日米のアナリストの推計値による)、中国。その中国が抱える、100兆円もの不良債権!!この事実を中国中央政府はひた隠しに隠しています(中国の公の発表では年々不良債権はかなり減っていることになっている)。

中国のGDPは160兆円とされています。日本のバブル崩壊のときの、GDPは500兆円で120兆円の不良債権でした。だからこそ、独力で解消できたと思います。中国はどうするつもりなのでしょうか?自国だけではどうにもならないのは、明らかです。私のブログでは、中国分裂の筋書を10回にわったって掲載しています。7回目では、中国の不良債権の実態についてレポート しました。是非ご覧になってください。



胡錦濤の訪日の裏の目的は、この不良債権がらみで、資金援助の下工作の意味あいがあると思います。最近中国は、アメリカ、日本、中国3国間で東アジアに関する経済問題の話し合いをしようとの提案をしていますが、アメリカに蹴られています。この事実からしても、明らかです。この裏の目的に関しては、現段階では公にはされないでしょう。しかし、本格的に中国経済がおかしくなってからだと、不利な状況になるため、今のうちに下工作をしておくという意味あいがあるものと思います。下工作としては、無論「困ってますから、よろしく」などと頭下げるような最悪の方法ではなく、そのようなことはおくびにも出さず、いざというときに言質をとりやすくしておくこと、中国の可能性をアピールし経済的な問題が起こったとしても何とかできるという潜在可能性をアピールすること、政府だけではなく各方面の人にも会い、いざというときのチャネルを確保するなどです。言質をとりやすくするため、日中共同声明の中などに、いくつかの言葉を忍ばせておき、日本が中国にとって不都合な動きをしたときには、その言質をとる行動に備えていると思います。戦略的互恵関係という言葉だけでも、いろいろな言質が取りやすそうですね。しかし、これは中国にとっても同じことで、諸刃の剣になることでしょう。日本も、中国が日本にとって不都合な動きをし場合には、戦略的互恵関係などという言葉から、どんどん言質をとるべきだと思います。

この話あいを日本とだけするとなると、日本に対する発言力が大幅に減ってしまう。アメリカとだけ話を進めると、現在の韓国のように外資系のファンドによる経済植民地のようになってしまう可能性が大です。ここは、日本とアメリカと話をして、互いに牽制させることによって自国をできるだけ有利にもっていこうという腹が見え見えです。

皆さん、胡錦濤がわざわざ、日本に来るわけ、オリンピックを円滑にするためとか、パンダのためなど、ゆめゆめ思わないでください。あのしたたかな、胡錦濤がわざわざ日本に来るにはそれだけのことがあります。これが、朝日新聞などには掲載されない国際外交の真実です。この話の筋書きその後の展開としては、日本は、アメリカといろいろ話をするでしょう。福田首相(あるいは総理大臣が変わったとしても)は、胡錦濤に手玉に取られているようにみせかけつつ、結局中国がアメリカの経済植民地になるための手助けをすることになるでしょう。

もし中国がWTOに加盟していなければ、不良債権に関しても、国内問題としてご破算にすることもできたかもしれませんが、いまや国際経済と結びついた中国はそのようなこともできません。やはり行き着く先は、現在の韓国のようにアメリカの経済植民地しかないのかもしれません。ただし、日本への発言力が低下することを厭わなければ私が、「中国分裂の筋書」の10回目で書いたような、大繁栄のシナリオも描くことができるかもしれません。

外交上や、商売上の話もそうですが、表面で話されていることは、実体のほんの一部しか現れていません。氷山の一角という言葉がありますが、氷山が海面上に姿を現しているのは全体の1/10だといわれいます。外交上や商売上の話もそれと同じことだと思います。表に出てきたことだけで判断すると大きな判断違いをすることもあります。昔の日本人は、このへんを読み取る能力が長けていたので、腹芸などということもあり、相手の腹を読み取ることが重要だという認識があったのですが、最近日本人は、表面づらだけ追いかけるようになってきたと思います。アメリカではここ10年近くはコミュニケーションの研究が進んできて、いわゆる腹芸に近い概念としてコンテクストという言い方をしています。コミュニケーションを成り立たせるためには、コンテクストを理解することが重要だとしています。最近の阿倍前総理大臣をはじめとする、最近の日本人の発言には、こうした観念に欠けているのではないかということが、しばしばあります。

最近では、アメリカ人がかつての日本人のように腹芸ができて、日本人が一昔前の馬鹿なアメリカ人のように見えてくることがあります。私は、自分では、やはり昔の日本人のように表面だけではなく、アメリカの研究者が言っているコンテクストも読み取れる能力を磨いていきたいと思っています。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。


■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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