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2016年12月1日木曜日

農協改革でまさかの大炎上進次郎部会長の2つの誤算―【私の論評】経済落第生の自民党若手は今のままでは将来の総理大臣など目指せない(゚д゚)!

農協改革でまさかの大炎上進次郎部会長の2つの誤算

TPP推進論者だったが・・・・

「負けて勝つかな」

 11月25日、自民党の農協改革案が了承されたのを受け、小泉進次郎党農林部会長(35)は疲れた表情で記者団にこう語った。

「自民党は2014年に農協に5年以内の自己改革を求める方針を打ち出していましたが、今年の11月11日になって政府の規制改革推進会議が一部組織の縮小を『1年以内』と求め、実現しなければ国が『第二全農』を設立するといった急進的な改革を迫ったのです」(農政担当記者)

 抜本改革に前のめりだった進次郎氏さえも「非常に高いボール」と漏らしたこの案。官邸と党の間で板挟みとなって調整に奔走したが、結局、農林族も許容する規定路線に近い内容に戻った。ライターの常井健一氏が敗因を語る。

「『長老と世論』を味方につける進次郎流の突破術が、ことごとく裏目に出た」

 進次郎氏の目論みは、JAの分断にあった。改革派と組んで、守旧派をぶっ壊す。進次郎氏は部会長就任直後からJA全中の奥野長衛会長に猛アプローチ。参院選では奥野氏の地元・三重県度会町を演説会場に選び、選挙カーの上で揃い踏みまでして見せた。

「単独取材を嫌う進次郎氏が、『文藝春秋』11月号では奥野氏と対談し、自ら蜜月ぶりを演出しました」(同前)

 だが、あまりに高圧的な規制改革推進会議の案に、JA関係者は激怒。昔ながらの抗議集会に否定的だった奥野氏も周囲の突き上げに態度を変えざるをえず、地域農協の幹部ら1500人を都内に集めて政府改革案に抗議した。

「JA内には奥野会長が弱腰だとの批判も出ている。進次郎氏の勝算が誤算に変わった形です」(同前)

 もう一つの誤算が、進次郎氏の“発信力”だ。議論大詰めの10月から11月に集中的に講演を入れ、報道陣のいる場で“抵抗勢力”を挑発した。

「実力者のところに行って『なんとかしてください』と泣きつく。しかも連日。こういった動きが逐一耳に入っていることを、やっている側は気づかない」(10月28日)

 慎重派を「悪者」に仕立て、農林族の敵意を増幅させた挙句が今回の結果だった。自民党のベテラン秘書はこう嘆く。

「彼も認めたように『雑巾がけ』の役職なんだから目立たないところで汗をかいて、咬ませ犬になりきって同情を呼び、見えないところで協力者と手を握るんだ」

 初当選から7年。進次郎氏は正念場を迎えている。

【私の論評】経済落第生の自民党若手は今のままでは将来の総理大臣など目指せない(゚д゚)!

小泉進次郎氏についは、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
総裁任期「3期9年」に延長=26日に全体会合へ提示―自民―【私の論評】財務省とわたりあえる人材が出てくるまでは安倍総裁とすべき(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部分を以下に引用します。
現在の民進党の議員のほとんどは、増税推進派で、経済や財政について語るときは、まるで財務省のスポークスマンのようです。民主党政権だったときの、民主党は上記の事実でもわかるように、財務省の使い捨て政党です。その性質は昔から変わらず、現在もそうであり、将来も継承続けていくことでしょう。

一方自民党はどうかというと、これも民進党と同じように、財務省の影響下にあったのは間違いないです。というより、自民党でも安倍総理が、衆院を解散してまで、財務省に反旗を翻して増税を阻止して、真正面からわたりあった最初の総裁ということになります。

自民党も民進党の財務省の使い捨て政党というところまではいかないものの、同じように財務省の影響下にあって、財務省にはなかなか正面切って逆らえなかったというのが実体です。

ただし、今の自民党は、安倍総理と一部の安倍総理に近いブレーンが財務省と渡り合っているだけであって、他の自民党議員はなかなか財務省に諜略されているか、諜略されないまでも正面切って逆らえないというのが実体です。

例えばかって小泉純一郎元首相は在任時に「景気が回復すると構造改革ができなくなる」と明言していました。これは、平たくいうと、構造改革をするためには、金融緩和や積極財政はしてはならないということです。これでは、まるで財務省のスポークスマンのようです。

実際に8%増税は、大失敗だったことは統計数値をみれば明らかなのに、民進党は先ほど述べたように、ほとんどが増税狂です。

しかし、自民党でも安倍総理とこれに近いブレーンは別として、ほとんどの議員は金融政策の意味や、財政政策の正しい運用の仕方を理解してないか、理解していたとしても、財務省に正面切って逆らえないでいるようです。

ちなみに自民党の中の「ポスト安倍」と目されている人たち、たとえば、稲田朋美防衛大臣、小泉進次郎衆議院議員、石破茂衆議院議員らの過去の発言をみれば、消費増税ありきの財政再建主義か、もしくは金融政策中心のデフレ脱却への懐疑的であったり批判的であることが明瞭です。

稲田大臣は、先の再延期の前には「消費税をまず1%引き上げる」案をだしていましたが、そもそも消費増税を経済が低迷しているときになぜ増税にそこまでこだわるのか、その背景についての説明は全くありませんでした。最初から消費引き上げ自体を目的とした発言としか思えません。
そうして、小泉議員はより深刻です。先の再延期のときの報道を読むかぎりでは、消費増税先送りへの懐疑的な態度にくわえて、親譲りなのでしょうか、とにかく社会保障の見直しなどで、倹約という視点しかありません。景気循環的な発想が全くありません。増税延期が決まった直後の、「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。 そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言にはほんとうに驚いてしまいました。これでは、まるで財務省のスポークスマンであり、経済・財政などに関しては、民主党議員とほとんど変わりありません。

小泉議員の経済に関する、知見もこの程度のものです。消費増税は積極的に先送りすることで、経済成長を安定化させ、そこで財政再建(社会保障制度の積極的な拡充)も実現していくべきなのですが、その手の発想は過去の発言をみるかぎり皆無です。

それに、現状では以前もこのブログに掲載したように、財政再建は終了間際です。間際というか、もうすでに終了したか、終了は間近です。その記事のリンクを以下に掲載します。
蓮舫氏が語る経済政策 実行されたなら景気低迷で雇用改善はブチ壊し―【私の論評】財政再建はすでに終わっていることを知らない民進党に先はない(゚д゚)!
 

統合政府(日銀なども含めた政府全体)ベースでの日本国の貸借対照表ベースでは、政府債務残高は以下の様な状況です。これに関しては、その根拠もこの記事で説明しています。

2017年には、国の借金はなくなるどころか、借金がマイナスつまり、借金どころか、国以外に金を貸し付けている状態になるのです。これでは、増税をする根拠など全くないのです。


にもかかわらず、民進党の議員はもとより、自民党の小泉進次郎議員、稲田朋美大臣なども、財務省が垂れ流す国の借金1000兆円説に幻惑されて、それを真に受けているのです。

だからこそ増税延期が決まった直後に小泉議員は、「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。 そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言したのです。

こんな有様ですから、小泉議員をはじめ、自民党の多くの議員は経済では、安倍総理大臣の足を引っ張っているとしかいいようがありません。それでも、自民党の幹部連中は、安倍政権の支持率が高いので、本当は経済のことなど良くはわかっていないのですが、それでも安倍政権を盛り立てようということで、現状では一致しているのだと思います。

そうして、金融緩和による雇用状況の良さもあります。以下に最近の雇用情勢を示すグラフを掲載します。


総務省が29日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月と同水準でした。完全失業者数は前月比5万人減の197万人と、1995年2月以来、21年8カ月ぶりに200万人を下回りました。同省は「雇用情勢が引き続き改善傾向で推移している」(労働力人口統計室)と判断しました。

完全失業者数は、男性が6万人減った半面、女性は1万人増えました。雇用者数(季節調整前)は前年同月比89万人増の5793万人と、比較可能な53年以降で最高でした。

厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.40倍でした。91年8月以来、25年2カ月ぶりの高水準で、2カ月連続で改善しました。同省は「医療・福祉や宿泊・飲食サービスなどで人手不足感が強く、求人倍率を押し上げている側面がある」(雇用政策課)と分析しました。
求人倍率はハローワークに申し込んだ求職者1人当たりの求人数を示します。10月は、求人数が1.4%増加した一方で求職者数は0.3%減少しました。正社員の求人倍率は0.89倍と、2004年11月の集計開始以降で最高となりました。 

これに関しては、さすがに経済に疎い、民主党議員でも、それに負けず劣らず疎い自民党議員でも、雇用がかなり改善していることは認めざるをえないでしょう。

ただし、彼らの多くは、金融緩和政策が世界標準では雇用を改善する手段であるということを認識していないので、この状況を単に運が良かったとか、偶然運が良かったくらいにしか認識していないかもしれません。



この状況では、安倍総理は安心して次の世代に政権を譲ることはまだまだできません。だからこそ、総裁の任期を延長したのでしょう。安倍総理としては、この延長した期間の中で、次期総理大臣の器を持つ人を育てる腹なのでしょう。これが育たなければ、やめられないという思いなのでしょう。

日本経済は、雇用が改善したとはいえ、まだまだ改善の余地があります。雇用もまだ改善する余地があります。完全失業率は、3.0%ですが、最低でも2.7%、もしかすると2.5%までの水準にできる余地があります。そもそも、物価目標2%はまだ達成できていません。

これを成就するためには、さらなる量的追加金融緩和が必要です。しかしこんなことは、民進党の議員はほぼ全員、自民党の議員ですら大部分がそうは思ってないのだと思います。


そうして、本来は増税はおろか、減税なども視野に入れた機動的財政政策も本来実行すべきなのです。今の日本経済は、8%増税により、個人消費が抑制され、デフレに舞い戻りかねない状況です。このようなこと、本来国会議員全員が認識してなければならないことです。

しかし、そうではないというのが本当に残念なことです。

小泉進次郎議員について、ブログ冒頭の記事では、「進次郎氏は正念場を迎えている」としていますが、無論現在の農政の仕事でもうまくいかなければ、将来の総理大臣の道は閉ざされることにもなるかもしれないのですが、現状のように財務省の使い捨て議員のような状況では、さらに将来の総理大臣の道が遠のくと思います。

とにかく、現在の自民党議員、マクロ経済を学んで、財務省と対峙できる人材が一人でも多く育たない限りは、安倍総理は後進に道を譲ることもできないし、日本の将来も危ぶまれます。

そうして、進次郎議員のような若手議員も、あたかも大きな政治集団であるかのように振る舞う財務省の存在こそが、日本の大きな政治問題であることを認識しなければ、将来の総理大臣候補になることはできないでしょうし、そうさせるべきでもありません。

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