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2019年11月25日月曜日

国際社会で模索すべき香港デモの解決策―【私の論評】安倍政権の財界親中派への配慮は、いつまでも続かない(゚д゚)!

国際社会で模索すべき香港デモの解決策

岡崎研究所
 6カ月以上にわたる香港の抗議運動を巡る情勢は、収まる兆候を見せるどころか、益々激化、暴力も起こり、危険な状態になっている。日本人がそれに巻き込まれ、負傷する事件もあった。現況及び今後の香港情勢は、非常に憂慮される。もともと自由と民主主義を求め、2047年まで保証された「一国二制度」を維持するために平和に始まった抗議運動であり、これが、大きな流血事態を招くようなことを許してはならない。天安門事件のような事態は、中国共産党にとっても回避すべきことは言うまでもない。 

引渡法案に抗議する大勢の人々が参加した6月のデモ

 11月13日付の英フィナンシャル・タイムズ紙の社説は、中国共産党政府が、香港基本法の関連規定の実現となる国家安全法の制定と香港行政長官を選出する普通選挙の導入を抱き合わせで行えないかと提案している。それがデモの平和裏の収束と流血回避の唯一の可能性だと指摘する。ただし、これは、中国共産党にとって、デモへの屈服になってしまい、中国の他の地域への波及の可能性もあり、なかなか実行は難しいだろう。そのことは、フィナンシャル・タイムズ紙の社説も認めている。しかし、国家安全法は、以前にも立法化が試みられたことがあり、内容如何にもよるが、理論的には考えられないことではないように思える。興味深い提案であり、これは、フィナンシャル・タイム紙から中国共産党政権に対するシグナルと考えても良いかもしれない。

普通選挙の実施は、デモ側の五大要求(①逃亡犯条例案の完全撤回、②警察の暴力的制圧の責任追及と独立調査委員会の設置、③デモ「暴動」認定の撤回、④デモ参加者の逮捕・起訴の中止、⑤林鄭月娥行政長官の辞任と民主的選挙の実現)の1つとなっている。兎に角、今や、香港当局がデモ隊側に何らかの譲歩をしない限り、現下の危険な事態は解決されない。それへの代案が中国共産党による軍事介入ということであれば、尚更追求すべき方策かもしれない。北京政府も、民主化を求める住民の意思を無視していては、問題は永遠に解決しないし、武力で問題は解決しないことを認識すべきだろう。

抗議デモの長期化により、香港経済が予想以上に悪化しているという。今年第 3四半期(7~9月)の成長率はマイナス3.2%(前期比)となったという。観光業も不振になっている。

国際社会、特に米国と前の統治国である英国がきちっと中国に話していくことが重要である。米国では、「香港人権・民主主義法案」が下院を通過し、上院も承認すると見られている。日本など他の諸国も、適切な形で平和裏の解決を求めていくべきだろう。

【私の論評】安倍政権の財界親中派への配慮は、いつまでも続かない(゚д゚)!

政府への抗議デモが続く香港で24日、4年に1度の区議会選挙が実施され、投票率は過去最高の71.2%でした。中間集計で民主派が300議席を獲得したのに対し、親中派は40議席に留まり、デモに強硬姿勢で臨む香港政府と中国の習近平指導部に民意が明確にNOを突きつけた形となりました。

親中国政府派の候補者が敗北したことを受けて歓声を上げる民主派の人々

ただし、区議会議員はほとんど決定権がなく、町内の顔役のような役割です。ですからこれで物事が決まるとか、状況が変わることはないですが、民意をキチンと伝えるということはできるようにはなるかもしれません。

香港市民は、現在の林鄭月娥(キャリー・ラム)香港特別行政区行政長官も含めて、行政府に対してはNOを、そうしてその裏にいる中国共産党や中国政府に対しても、NOだという民意が示されたというところも大きいです。

この選挙結果が出る直前に、まだトランプ大統領は署名していませんが、アメリカ議会で香港人権・民主主義法案の可決が行われたということが、大きく背中を押したは間違いないと思います。

米下院は、香港が高度な自治を維持しているかどうか米政府に毎年検証することを求める
「香港人権・民主主義法案」など中国への圧力を強める複数法案を可決。写真は14日に香港

特に香港中文大、理工大でのデモが激しくなって来たあたりで、デモ隊が暴力を振るっていて市民の心が離れているということを、勝手に解説する中国の専門家と称するような方がいましが、結局民意はそうではなかったということです。

むしろ、YouTube等で、警察側の暴力が動画が拡散しています。YouTubeで「香港」というキーワードを入れて検索すると、かなりの動画を見ることができます。大学構内で学生が警察に対して完全に屈している、逮捕されますという姿勢を見せている学生に向けて、硬い靴で顔を思い切り踏みつける、背骨を警棒で殴るという状況も拡散されています。

これはもう完璧に暴力による虐待であり、それに対して市民は強い危機感を持っているし、学生に対するシンパシーを持ち続けているということです。今回の区議会選挙の前段で、あのような強行策を取ったということが、逆の方向に出たしまったのでしょう。民意は行政庁からどんどん離れつつあります。むしろ、40議席を獲ったことが不思議なくらいです。

現地のメディア、或いは記者の人が伝えているネットなどを観るとと、得体の知れない投票箱が運ばれて来て、中身を調べろということになっていました。周りで監視していた市民が、そんな得体の知れないものは受け取れないと揉めていました。また、投票しに行ったら「すでに午前中に君の名前で投票されています」とあったとか、選挙そのものがどうなっているのかということも報道されています。

中国国内においては、建国以来民主的な選挙は行われていません。上は、主席から、下は下級役人まで、どのようなポストも指名によって行われています。中国には、民主的な選挙をどのようにコントロールできるのか、ノウハウがありません。

だから暴力の行使というあからさまなやり方を持ち出したのではないでしょうか。そもそも、中国では建国以来毎年平均2万件程度の暴動があったとされ、2010年あたりからは、毎年平均10万件もの暴動が発生しているといわれています。

これらの暴動を城管、公安警察(日本の警察にあたる)、武装警察、人民解放軍などを用いて、鎮圧してきたわけですから、中国からすれば、デモの鎮圧など簡単で香港のデモなど取るに足らないものと見ていたといのが、大きなミスです。

もう1つのミスは、そういう状況が必ずSNSや動画で拡散、それも瞬時に拡散されてしまうということです。中国サイドは、このあたりを甘く見ていたようです。中国本土ではネットも政府の金盾によるコントロール下にあります。だから香港のネットも簡単にコントロールできるかと思いきや、そうではなかったのです。

さらに、香港には、米国籍、英国籍等外国人が多く存在します。さらに、外見は香港人でありながら、国籍は外国という人も大勢います。これらの人々が、逐一海外に様々な情報を伝えているというところも、大陸中国とは異なるところです。



米国で、香港人権・民主主義法案が成立して、米国の香港に対する最恵国待遇が外されることが確実になって来ました。ブルームバーグが報道したところによると、東京都の担当者が香港の金融機関に対して、東京に戻って来ないかと働きかけているそうです。

東日本大震災以降、東京から避難した香港系金融機関がいくつもあるわけですが、そういう金融機関に対して東京に戻って来ないかと言うだけではなく、拠点を香港から東京に移さないかとアプローチしているそうです。

これに対して、香港在住の金融機関がかなり前向きになって来ているようです。そうなると、香港の金融センターとしての役割も危うくなります。これを中国サイドはどう見るのでしょうか。

現在香港では金融機関の多くの職員が在宅勤務のような形になっているそうですし、長期出張として東京やシンガポールなどで業務をしているところが多いそうです。その長期出張が東京への拠点の移動の1つの布石ではないかと、言われています。

在宅勤務ということは、店舗は閉鎖されていることを意味します。実質的に、金融機能は麻痺状態に陥っているのではないでしょうか。

これを中国はどう見るのでしょう
か。習近平政権は腐敗撲滅運動を実施していて、その大きな拠点が香港であるということは見抜いているようです。ただここを潰してしまうと、本土の赤い官僚貴族たちに対して、広範囲に影響があります。

香港には共産党幹部たちの隠し資産があります。そのような金融機関の動きを見てみると、事実上の内戦状態に陥っているともいえます。つまり戒厳令こそ宣告されていなですが、同じ状況にあるといえます。
米国の香港人権・民主主義法案に関しては、後はトランプ大統領の署名を残すのみですが、仮に署名しなくても、また議会で大多数で可決すれば施行することができます。

たとえ、トランプ大統領が署名を拒否したとしても、採決すれば通ってしまいますから、トランプ大統領としても署名するでしょう。そうなると、問題は日本のスタンスなのです。

来年(2020年)、習近平国家主席が国賓待遇で来日しますが、それをこのまま容認して進めて良いのかということがあります。これは考え直すべきです。

ここに来て、ようやく各政党が非難決議や談話を出し始めましたが、遅きに失した感はく免れません。

現在、各国政府、特に西側先進国はかなり強烈なメッセージを出して、中国との条約の見直し作業に入っている状況です。まさに天安門前夜と同じような状況になっているのは間違いないです。それにも関わらず、日本だけが平時と同じような状況で中国との関係を保っているということは、国際社会のなかで日本が孤立することにもなりかねません。

いままで中国に対して、対話のドアはオープンだと言いながら、言いたいことは言ってきました。どうしてここへ来て変わってしまったのでしょうか。

官邸の方針が変わったということは言えると思います。これまでは少なくとも、安全保障と経済問題はバランスを取って来ました。現在の対中政策は、安全保障問題は後退して、経済一本槍です。安全保障問題に対して消極的姿勢になったようにみえます。

しかし、これは、おそらく中国幻想の妄想から冷めやらない、財界親中派に対する配慮に過ぎないものと考えられます。安倍総理は、総理に就任してから6年間も中国に行きませんでしたが、昨年はじめて中国を訪れています。ところがその翌日に中国から帰った途端、インドのモディ首相を別荘に招待しています。この事実が、安倍外交の何であるかを象徴していると思います。

いずれ財界親中派も、世界の潮流が変わったこと、さらには、中国にはもう先がないことなどを理解することになれば、安倍政権も元の鞘にもどることになると思います。ただし現状でも中国に対する厳しい見方は変わっていないでしょう。

米国をはじめ、世界中の国々が中国に対して厳しい態度をとりつつある現在、安倍政権による財界親中派に対する配慮はいつまでも継続できないでしょう。

【関連記事】

2015年2月10日火曜日

オバマ大統領「全ての宗教は暴力的だ」と発言! キリスト教が大激怒!―【私の論評】オバマのレームダック化を感じさせる発言! リベラルな個人の話としても、解決策は示していない無責任な発言! 解決策はこれだ(゚д゚)!


オバマ大統領のとんでも発言が飛び出したスピーチ

2月5日にワシントンで開かれたNational Prayer Breakfast(毎年2月の第1木曜に実施される祈祷集会)にて、オバマ大統領が「歴史上、全ての宗教団体は暴力的な活動を展開してきた」と宗教批判ともとれる意見を述べた。このコメントに対し、キリスト教の関係者が大激怒。イスラム過激派に続いて、キリスト教保守派への警戒も強まっている。

十字軍の兵士 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

オバマ大統領は演説の際、十字軍による異教徒弾圧を引き合いに出し、「人類は過去の歴史の中で、神の名のもとに多くの非道な行為を繰り広げてきた」と陳述。さらに、「我々は謙虚な気持ちを持ち続けるために、奴隷制度や黒人差別を容認するジム・クロウ法などの風習がキリストの名のもとに正当化されてきた罪深い事実を忘れないようにすべきだ」と自身の歴史認識を展開した。

この発言を聞いたカトリック同盟会長のビル・ドノヒュー氏は、大統領のコメントを「宗教徒に対して極めて侮辱的で悪質だ」と批判。2016年大統領選挙の候補党員らも、次々に「大統領の歴史認識は間違っている」と声を荒げている。

2012年の大統領選挙にて当選まであと一歩という所まで存在感を見せつけたリック・サントラム氏は、熱心なカトリック信者としても有名だ。サントラム氏はオバマ大統領の発言を、「ISISの卑劣なテロ行為を正当化する考えだ」と厳しく批判。近頃、残忍な手法で次々と人質を殺害するISISの脅威が国際的に問題視されているが、大半のイスラム教徒は彼らを敵視しているのが実情であり、全ての宗教徒を危険だと一括りにすべきではないと持論を展開している。

今回の件が次回の大統領選挙の争点になることは間違いないが、何よりもISIS打倒に向けて世界が一つにならなければならない今、肝心のアメリカ国内で足並みが乱れているのは極めて由々しき問題である。はたしてオバマ大統領は関係者の信頼を取り戻せるのだろうか。

―海外の反応
・キリスト教徒は真実から目を背けるのが好きらしいな。
・信仰と真実は真逆だからね。
・実際キリスト教はイスラム教と同じくらいひどいことをしてきただろ。痛い所を突かれたからって逆ギレするなよ。
・こいつら、そんなに過去の歴史を正当化したいのか?やっぱり宗教徒は異常だ。
・オバマ大統領は「全ての宗教徒はアホだ」と発言するべきだったな。
・真実を認めようとしない保守派の存在は、アメリカにとって本当に懸念材料だよ。
・共和党はいつもこうやって戦争を始めやがる。
・人間を生きたまま焼き殺す行為が許されていいはずがない。何故人は宗教なんかに固執するんだろうな。
・オバマ大統領、どうか今はISISの問題に専念していただけませんか?
・心配することないよ。キリスト教の保守派共はオバマ大統領が何を言っても怒り出すから。
掲載元
http://www.reddit.com/2v0dzy/

【私の論評】オバマのレームダック化を感じさせる発言! リベラルな個人の話としても、解決策は示していない無責任な発言! 解決策はこれだ(゚д゚)!

上の記事に関しては、藤岡信勝氏がフェイスブックにコメントを掲載していましので、そのコメントの内容を以下に掲載します。

アメリカのオバマ大統領がイスラム教徒を名乗るテロリストについて語る際、キリスト教徒による十字軍を引き合いに出した発言をしたことについて強い反発が起こっています。久しぶりに、ケネディ日砂恵さんの投稿をシェアーします。なお、ケネディさんの文章はまず英文で書かれ、次にご自身の日本語訳が添えられています。引用するのは日本語訳のみですが、元の英文も見事なら、翻訳の日本語も素晴らしく、英文和訳(もしくはその逆)の教材に使えると思います。(以下、引用) 
ケネディ日砂恵さん
【イスラム教テロリスト達による殺戮と、何世紀も前のクリスチャンの行ないを同列化した、木曜日の大統領朝食会に於いてのオバマ大統領の発言は、強い反撃にあっています。 
『我々はこれが全く他では行なわれた事が無いかのような傲慢な態度でいてはならない。十字軍や宗教裁判が行われていた頃には、人々はキリストの名によって酷い行ないをしていた事を思い出すべきだ。我々の国では、奴隷制度やジム・クロウ(人種差別主義の代名詞)がしばしキリストの名前で許されていたではないか。』

この大統領の発言について、スタンド・アメリカの創始者であるE.W.ジャクソン司教が金曜日、フォックステレビのエリザベス・八セルバックに、オバマ大統領へのメッセージを託しました。 
「私は、オバマ大統領と彼のオフィスに宛てて、尊敬を込めて次のメッセージを送ります。 
『大統領閣下、もしあなたがテロリスト達に対して、新メンバー募集の動機を与えるつもりがないならば、グアンタナモ収容所を閉鎖するより、あけすけに申し上げて宜しいなら、ご自身の口を閉じられた方が良いでしょう。何故なら、あなたはたった今、彼らの為のプロパガンダの道具を与えてしまわれましたから。彼らは我々を十字軍と呼び、あなたはそれを認めてしまわれたのですから。 
司教は続けてオバマ大統領がアメリカのクリスチャンではなくイスラム教徒を援護した事を非難して続けました。 
『大統領閣下、我々は"傲慢"なのではありません。我々は警戒をせざるを得ないのです。そしてアメリカ人は、ただの一度でも、あなたがイスラムを援護するのではなく、キリスト教徒とアメリカを守る覚悟がある事を確かめたいのです。 
元海兵隊であった司教は、何故十字軍が行なわれたのかについても述べました。 
『私は大統領閣下に思い出して頂きたいのですが、十字軍は1096年、聖地を侵略して東方のクリスチャンたちを迫害していたイスラム教徒の暴行に対抗して行なわれたのであり、それについての反撃もありました。ですから大統領が十字軍を例えとして引用されるなら、歴史をキチンと学んでからにして頂きたい』 
オバマ大統領が"イスラム教過激派"という言葉を使わない事に関して、ジャクソン師は断言しました。 
『この大統領はイスラムを擁護する事であったら、どんな事でもやってのけるが、この国の名誉を守る事の為には全く何もしないと言って良いでしょう。そして、彼は、奴らが望んでいる事、そのものを与えてしまっているんです。エリザベス、ご存じのように、奴らは我々に対して笑っているんですよ。何故なら、奴らが目にしているのは我々が弱いという印しですから。アメリカは今、力を持って立ち向かわなければなりません。』
ジャクソン師は彼のコメントをクリスチャンへのメッセージで締めくくりました。 
『大統領の為に祈って欲しい。私は彼が心底騙され、混乱しているのだと思う。我々の国の為に祈って欲しい。我々が必要としているのは我々の国の威儀を守る指導者なのだから。』 
---------------- 
この司教の仰った事にはすべて同意致します。 
オバマはキリストの名に於いて人々が酷い行ないをした時期があったと言いました。悲しい事ですがその通りです。けれど、キリストの名に於いてそれらの酷い行ないを正そうとした人々があった事も確かです。 
不思議な事に、オバマが行なっているのは今日行なわれている悪業を止めようと声をあげている人々を非難する事なのです。 
オバマが十字軍の時代に生きていたら、十字軍に抵抗して戦っていたイスラム教徒に対して、「カルディアのネブカデネツァル大王の時代の事を覚えている?あなた方はあの時代に酷い事を行なっていたよね」とでも言うつもりでしょうか。 
そんな理屈が通る筈はありません。 
過去を引き合いに出して責めるやり方は、今日行なわれている犯罪を止めようとする我々の注意を逸らすだけです。 
けれど、今日の犯罪は今日止めなければなりません。
私自身は、ケネディ日砂恵の主張は、正しいと思います。オバマ大統領に関しては、米国大統領としての立場としては、とんでもない発言だったと思います。すでに、レームダック化しているので、あまり発言に責任を持っていないのではとさえ、感じてしまいます。

それにしても、上のケネディ日砂恵さんの記事の中にもあったように、「オバマはキリストの名に於いて人々が酷い行ないをした時期があったと言いました。悲しい事ですがその通りです」と述べています。

これは、厳然たる事実です。たとえば、十字軍の遠征もかなり残虐であったことは史実として残っています。

十字軍(じゅうじぐん、ラテン語: cruciata、英語: crusade)とは、中世に西ヨーロッパのキリスト教、主にカトリック教会の諸国が、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に派遣した遠征軍のことです。みに、この時代にはヨーロパは文化的にも後進地帯でした。中東のほうが、数段文化的に進歩していました。

この十字軍ですが身の毛もよだつ蛮行を犯しています。戦いによってイスラム教徒を討ち取れば、その首を砲弾代わりに相手の軍勢へ撃ち込みました。

食糧が尽きれば殺した相手の肉を調理して食べました。

「大人の肉は薄くそぎ取って鍋に、子供の肉は串刺しにしてそのままあぶった。孔雀の肉に独特の役身を加えたような風味が美味だった」と、人肉の味を詳細に記録した書物もあります。

200年あまり続いた十字軍の遠征は、時が経つごとに残虐なものになっていきました。 金品を奪う。女子供を凌辱する。 そういうことは当たり前になっていきました。

そのためオバマ氏のこの発言も、リベラルな一個人の話としてはうなずける部分もあるのですが、それにしても解決策を示していないという点では、全く無責任だし、無駄な発言だと思います。

ただし、ここでは厳然たる区別をつけないといけないところがあります。現状のテロリスト集団「イスラム国」は国を名乗っているものの、テロリスト集団であり、これには断固として反対していく必要があります。

しかし、テロリス集団「イスラム国」が生じた、背景にある宗教的対立については、解決の処方箋があります。宗教的対立を最小限にとどめる方法はあります。

さて、解決方法ですが、以前のこのブログにも掲載したことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。
【イスラム国殺害脅迫】後藤さん殺害か 「イスラム国」がネットに映像公開―【私の論評】宗教を信奉しつつも、その根底には霊性を重んじる精神があり、その精神界においてはどのような宗教の人々とも理解し合える、そんな世界を目指せ!!
日本の巫女

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、以下のように結びました。
世界から、宗教的な対立をなくすためには、今一度人類は、霊性を取戻す必要があります。そうならなければ、これからますます、宗教的対立が世界を覆い、収拾がつかなくなり、人々は閉塞感にさいなまされ、自分たちの未来を信じることができなくなります。だからこそ、マルローや、ユングは今世紀は、霊性の時代になると予言したのだと思います。

こういうことを考えると、私は、今回の「いわゆるイスラーム国」による人質殺害事件は、宗教のみによる世界観では限界があることを象徴しているように思えます。そうして、霊性の精神世界を忘れた世界への警鐘であると思えてなりません。

そうして、世界がもう一度霊性を取戻すことにより、今回の人質事件を含む、宗教的な対立はこの世から消えいくのではないかと思います。

日本のように、宗教を信仰しつつも、その根底には霊性を重んじる精神があり、そのことにより多くの宗教を鷹揚に受け入れ、対立することもない世界。その精神界においてはどのような宗教の人とも理解し合える。そんな世界になることを願います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
霊性の世界とは、日本に、古くからある神道の世界です。神道では、人は無論のことあらゆるものに霊が宿るとされます。 そうして、世界中のあらゆる民族でも、キリスト教やイスラム教が支配する前には、アニミズムやシャーマニズムという形で、霊を重んずるということが行われてきました。

しかし、キリスト教、イスラム教、仏教などの宗教が世界に根付くとこの霊性の世界は忘れ去られてしまいました。日本だけが、神道という形で、現在にいたるまで、その精神を継続し、昇華させてきました。

どの宗教を信奉したにしても、日本人の精神の根底には、「霊性」の世界が今なお息づいています。しかも、それはほとんど意識しなくても、多くの人々が知らず知らずのうちに、無意識にでも想起させるような仕組みが日本人の生活に組み込まれています。

日本人には、宗教のさらに根底に「霊性の世界」が息づいています。日本独特の宗教共存を可能にしたのは、八百万の神々を崇拝する神道が基盤になったからです。神道には、もともと包容性があり、客人(まれびと)を大切にして、異文化との接触による文化変容を可能にする素地がありました。

だから、世界の人々が、現在信奉している宗教を捨て去ることなく、霊性の世界に戻ることができれば、宗教による対立は少なくなると思います。

そうして、それはここ日本で実現されています。架空の話や、理想論ではありません。

ただし、これは無論のこと長期的な話です。世界が霊性の世界を取り戻すには、かなり時間がかかると思います。短期的には、様々なことに取り組んでいかなければならないでしょう。

しかし、短期的なことがらにだけ、着目していれば、宗教的対立がますます深まり、混沌とした無秩序な世界になることは明らかです。完璧にそうなってしまってからでは手遅れです。今世紀を霊性の時代にすることは、難しいことだと思いますが、人類のあり方を大変革する、挑戦になると思います。

私は、そう思います、皆さんはどう思われますか?

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