ラベル 7月、海外、中国、直接投資、前年比35.7%減、インフレ、スタグフレーション、市場冷え込み、投資減少、高次元社会、日本 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2009年8月17日月曜日

7月の海外から中国への直接投資は前年比35.7%減―ここしばらく、中国の内需頼みも利かなくなるか?

7月の海外から中国への直接投資は前年比35.7%減(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

中国美人コンテストの入賞者達、こうした華やかさの反面経済は・・・・・。

中国商務省が17日発表した1─7月の同国への海外直接投資は、前年比20.3%減の483億ドルだった。7月単月では前年比35.7%減の53億6000万ドルだった。対中直接投資の減少は10カ月連続となり、減少幅は6月の6.8%を大幅に上回った。1─6月は17.9%の減少だった。

 一方、商務省の姚堅・報道官は、輸出の減少ペースは年末にかけ鈍化し、前年比でプラスになる月もあるとの見通しを示した。報道官は「輸出の減少幅は今年下期に縮小するとみる。昨年の世界的な金融危機発生後に輸出が落ち込んだことから、前年比でプラスになる月さえあるだろう」と述べた。

 政府が11日発表した貿易統計によると、7月の輸出は前年比23.0%減少。輸入は同14.9%減少した。一方、労働日数調整ベースでは7月の輸出は前月比5.2%増、輸入は同3.5%増となった。

 Zhong Shan商務次官は、中国は輸出業者を支える努力を緩めることはない、と語った。一方、次官は政府機関誌Seek Truthで、政府は国家備蓄の拡大に向けエネルギーや資源製品の輸入を拡大することで、貿易黒字の削減を目指している、と述べている。次官はさらに、政府は国際収支の黒字を削減するため、国内企業に外国での製造業の立ち上げを奨励する意向だ、と付け加えた。


ここしばらく、中国の内需頼みも利かなくなるか?

中国はどこに向かうのだろうか?

■難局迎えた中国経済「インフレ」「市場冷え込み」「投資減少」
昨年の大地震が起こる少し前に、中国経済の最高責任者である温家宝首相は、中国経済は未曾有の危機にあると公表していました。さらに、今年1月末に「今年は中国経済にとって最も困難な年になる可能性がある」と国営ラジオのインタビューで語っていました。温首相はその理由として「世界経済の不確定要因や、中国経済の多くの困難と矛盾」をあげました。

第一の困難はインフレの再燃である。過去10年間落ち着いていた消費者物価が昨年春からじりじりと上がり始めました。2月までの2%台から7月に5%台、8月から6%台、今年1月は大雪被害も加わり7%台乗せが確実視されています。

疫病の流行などによる食肉価格の急騰が引き金となりましたが、構造的要因も大きいです。人民元切り上げを見込んだ投機マネーの流入などで資金がだぶつく中で、石油、工業原材料、穀物といった基礎物資が軒並み上昇。供給過剰で長い間落ち着いていた工業品の出荷価格にも波及しています。

昨年は、上海の食料品店で油の特売に人々が群がり、死傷者がでています。ことしも、引き続きスーパーの特売で多数の死傷者が出るほどで、これ以上のインフレ高進は社会不安につながる恐れがあります。1月からの大雪災害復旧のため、温首相自ら地方各地で陣頭指揮を行ったのもこれと無縁ではありません。

一方、この数年急騰を続けた株式や不動産相場が陰り始めた。株価は上海総合株価指数が昨年10月16日の6092・06(終値)をピークに下げ始め、現在は4000台半ばで推移しています。北京、上海、深センなど大都市の不動産取引は昨年末から急減、値崩が始まり、仲介業者の夜逃げや店舗閉鎖が相次いでいます。

昨年1-11月の個人向け住宅ローンは約8000億元(約12兆円)と前年1年間の約4倍に激増した。かねて国有銀行の与信管理の甘さが指摘されており、不動産バブルが本格的に崩壊すれば、中国版のサブプライム危機が起きる懸念もあります。

インフレや労賃、人民元の上昇を嫌って外国企業の対中直接投資が減り始めました。昨年の日本、米国、欧州連合からの投資はそれぞれ25%、13%、29%減りました。この間に広東省の製靴業者(5000-6000社)のうち、1000社が工場を閉鎖しました。

深刻な環境破壊や所得格差の拡大などで、中国経済は量的拡大一辺倒から効率や品質、公正な所得分配といった質的向上への転換が大きな課題となっています。

政府は過熱傾向が強まった昨年(国内総生産11・4%成長)から、今年はやや速度を落とし持続可能な安定成長軌道に軟着陸をめざしていました。

そこへサブプライム問題による欧米経済の減速が重なり、昨年は欧米向け輸出で3000億ドルの貿易黒字を稼いだが、昨年12月の鉄鋼輸出が前年同月比14%減るなど影響が出始めました。米国の成長率が1%落ちると中国の輸出が5%減るとの試算がありますが、欧米が同時に減速すれば減少幅はほぼ倍増します。

「サブプライム危機による外需不振は中国の過剰生産問題を暴露し、成長鈍化と労賃や資源価格の上昇によるインフレをもたらす」--2月2日北京で開いた中国の代表的エコノミスト50人による経済討論会で、中国マクロ経済学会の王建秘書長はこう警鐘を鳴らしました。温家宝首相の憂慮には深い理由があったわけです。

■中国の単純な経済対策はもう通用しない?

いろいろ、上で書いたことは、昨年から今年始めに至るまでの中国経済の新聞などに書かれていたことの俯瞰です。いろいろ、書くと複雑にみえますが、中国の経済対策は至って簡単・単純・明瞭なものです。そうして、随分前から繰り返されてきました。今や、古典的になったともいえる手法です。

それは、
「失業率が、危険水域に達すると、そこから戻すために補助金を注ぎ込みます。そうして、多少のインフレは、許容します。

次に、再び失業率が危険水域に達するまで合理化を進める。そして、再びインフレ政策をとる。こうして、徐々に合理化を進めていく」
というものです。

しかし、この方法ももうそろそろ、昨年あたりから利かなくなってきているということです。これを今後繰り返していては、今度は本当に深刻なスタグフレーションに見舞われることになります。

深刻な環境破壊や所得格差の拡大などで、中国経済は量的拡大一辺倒から効率や品質、公正な所得分配といった質的向上への転換が大きな課題となっていますと、上にも書きましたが、本格的にこの過大に取り組まなければ、おそらくこれから、深刻なスタグフレーションに突入し、なかなか回復しないことが予想されます。

その解決策としては、いくつかの分野に資源を集中し、業績をあげる企業を育て、外国資本を惹きつけるというものです。過去に上海がとった道であり、うまくいっている道です。これを国家レベルで行うというものです。

いずれにせよ、このままでは、中国は深刻なスタグフレーションに見舞われて、なかなか回復できないか、新たな解決策を打ったとしても、すぐには、新たな産業を興すこともできないでしょう。ここ、5年くらいは、中国の内需はあまり当てにできなくなると思います。

昨日は、三越伊勢丹が上海に進出する予定であるというを掲載しましたが、その戦略の中には、上記のような状況を織り込んであるのでしょうか?織り込んでおけば、十分成長できる可能性もあります。しかし、織り込んでいなければ・・・・・・・。

これは、何も流通業の問題だけではありません。日本の産業全般にあてはまることです。中国これから、構造転換をするか、構造転換ができなければ、しばらくの間落ち込みます。いまは、その分水嶺にあります。ここ、5年くらいは、中国投資に関しては、こうした状況を織り込んだ上で慎重に進めていく必要があります。

いずれにせよ、私自身は、この中国の状況はまさに日本にとって僥倖かもしれないと思っています。おそらく、これから日本は、高次元の社会をつくりあげていく必要があります。ところが、お隣に以前のような中国があったとしたら、そこに投資すれば、てっとりばやく、儲けることができます。そうなれば、日本国内や、ましてや、日本の社会の高度化などに目が向かないと思います。

しかし、現在中国が、構造転換の最中にあるため、大きな内需拡大が望めないとすれば、他の国も金融危機から立ち直る最中にあるため、投資先がなくなります。しかし、良く探してみれば、まさに日本という国があり、そちらに投資すれば良いわけですから、日本の内需拡大、そうして、日本の社会の高次元化に向かわざるを得なくなるわけです。これからの5年どうなっていくのか、随分面白いことになりそうです。思ってもみなかった、想定外のことが起こる可能性も大です!!

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