【シェールガスとシェールオイルによるエネルギー大革命:安い石油と天然ガスの時代が始まった!!】
近年、シェールガスとシェールオイルという全く新しいタイプの天然ガスと石油が世界中で大量に発見されています。 この為、国際的なエネルギー状況は革命的に変化しました。一言で言えば、安い石油と天然ガスが大量に供給される時代が始まったのです。
現在の技術で、しかも、現在の価格帯で生産する事の出来る天然ガスは約400年分、石油は約200年あることがほぼ確実に分かっています。これらの天然ガスと石油の生産コストは極めて安く、加えて、これらのエネルギー源は、先進国内にも大量に埋蔵されている事が分かっています。
この7月、日本でも、秋田県でシェールオイル油田が発見され(鮎川油ガス田)、その採掘が急がれています。 このエネルギー情勢の革命的な変化により、日本では、原子力発電を大幅に削減ないし全廃しても、不安のない状況が生まれています。
取敢えず、安全性に最大の重点を置きながら、原子力発電を削減しても、これを完全に補えるエネルギー状況となってきました。電力供給に限って言えば、今後の世界の主流は、天然ガスを燃料とするガスタービン・コンバインド・サイクル(GTCC)による発電となりつつあります。 しかも、このGTCCは、日本の重電メーカーの独擅場である。
このエネルギー革命がもたらす政治的かつ経済的変化には実に大きなものがあります。アメリカ国内のエネルギー生産が増大する為、アメリカの経常収支は改善します。これは、世界の基軸通貨のドルの寿命をより長期化する事に役立つでしょう。
又、アメリカのエネルギー自立度が高まる事は、アメリカの中東に対する外交的干渉へのインセンティブが著しく低下する事をも意味するでしょう。イスラエルにおいても、サウジアラビア並みのシェールオイルが発見され、同国のアラブ諸国やイランに対する外交的立場を著しく強化しつつあります。
エネルギー大革命の先端を切ったのは、シェールガス(Shale Gas)でした。 シェールとは、頁岩(けつがん)の事です。 この頁岩という堆積岩層に含まれている天然ガスの事をシェールガスと言います。 従来から、シェールガスが存在すること自体は知られていましたが、開発・生産コストが高すぎる為、実用化されてきませんでした。 ところが、アメリカの中堅エネルギー企業が、これまでの油田開発などで培った水平掘削、水圧破砕、三次元探査、マイクロセンシング(微細探査)などの既存技術を組み合わせて、シェールガスの商業開発に成功したのです。
21世紀に入ったばかりの頃には、シェールガスの生産コストは100万BTU(英熱量単位)あたり200ドル以上でしたが、技術革新の結果、シェールガスの生産コストは100万BTUあたり2ドルから2.5ドルにまで、劇的に低下しました。 米国のシェールガス生産が本格化したのは2006年からです。 米国の天然ガス生産量は、2005年を大底に、今やうなぎのぼりに急増しています。
【私の論評】世界エネルギー革命を前提に物事を考えよ!!
最近は、デフレやそれを加速する増税、あくまでも、デフレ政策に固執し、金融引き締めばかりやる日銀<いじめなどのいわゆる暗い閉塞感漂うことばかり掲載してきましたし、それに昨日は、韓国大統領の竹島訪問など、さらに、うんざりする報道もなされたことから、ここいらで、少し明るい話題を提供するという意味あいで、上記の記事を掲載させていただきました。
シェールガスや、シェールオイルなど、私も5年ほど、前から知っており、いずれは、これらを掘削する技術がでてきて、実用化されるであろうとは、思っていましたが、それにしても、その当時は、まだ"眉唾"という感じで、あまり信用していませんでした。それに多くの人も、掘削に経費がかかり実用化はまだまだという具合に論評していました。そのため、まだまだ、実用的ではないと判断していました。そうして、最近の原発事故により、日本のエネルギー政策の転換が迫られる中でも、シェール・ガスやオイルのことは選択肢としては、なかなか思い浮かんではきませんでした。
米テキサスのシェール・オイル掘削現場 |
日本では、上の記事でも明らかなように、秋田県で油田が発見されていますが、シェールオイルは、一箇所発見されると、他にもその近辺に多数発見されることが多いそうですから、これからも、期待できます。ここで、秋田の油田についての記事を下にコピペしておきます。
秋田でシェールオイル試掘へ 石油資源開発が来年、わが国初
政府系の石油資源開発は6日、秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」で来年にも、新型石油として注目される「シェールオイル」の試掘に乗り出すことを明らかにした。米国を筆頭に世界で開発が加速しているシェールオイルだが、日本国内での開発は初めて。
これまで存在は確認されながら採掘は難しいとあきらめられていたが、技術の進歩で採算性が見込めると判断した。
同社によると、シェールオイルの埋蔵が確認されているのは、同油ガス田の地下1000~1500メートルにある、頁岩(けつがん)と呼ばれる粘土質の岩盤層。付近の地層で十数年にわたる石油や天然ガスの採掘作業の中で、存在が明らかになっていたという。
シェールオイルは頁岩の中に閉じ込められており、通常の石油のように地層の間に貯留していないため、パイプで掘削しても自噴しない。これまで、採掘は不可能と考えられていた。
だが、米国で水平採掘や水圧を使って岩を砕く技術が発展し、採掘コストも低下。同社は、日本国内でも開発しても「採算に見合う可能性が高まった」として、試掘に踏み出す。
まず、詳しいシェールオイルの分布を調べるため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金交付を受け、探鉱作業を本格化させる。500万バレル程度の採掘が見込める地層が見つかれば、試掘のうえ、来年にも試験生産に着手する計画だ。
シェールオイルは広範囲に分布するのが特徴。同社は、周囲地域でも埋蔵が有望視されるとして、探鉱作業のエリアの拡大も検討中だ。これらを合わせれば、国内の年間石油消費量の数%に当たる1億バレルの採掘も視野に入るという。シェールオイル、なにせ岩盤の中の原油を取り出すことから、地震による地盤沈下などが懸念されているようですが、オイルのかわりに、水を注入するという技術も開発されているそうですから、是非これからも、進めていただき、エネルギー問題を一挙に解消してもらいたいですし、実際にアメリカでは随分生産が進んでいるそうですから、日本でも、そのようにすべきです。
ただ、シェールオイルの採掘は、通常の石油掘削と比べ多くのパイプを土中に埋め込む必要がある。先行する北米などでは環境問題も指摘されており、試験生産に成功したとしても、生産拡大への課題は多い。
これから、数百年くらいは、シェールオイルやガスで人類は、エネルギー問題を解消できます。しかし、これらもいつかは底をつくようになりますから、将来を考えてエネルギーの無駄遣いはやめ、省エネを徹底して、代替エネルギーの開発も進めててくべきでしょう。
いずれにしても、今日の私たちは、当面エネルギー問題に頭を悩ます必要は、なくなりそうです。今後、政治の世界でも、経済でも、事業でも、世界のエネルギー革命を前提に物事を考えていく必要があります。いくつか、はっきり言えるのは、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは、ドイツやアメリかなどでも大失敗していますし、不安定であることから、もはや見込み薄とみておくべきです。これらには、投資することもやめたほうが良いと思います。そうして、新しい原発の建造の必要性もなさそうです。それに、先日もこのブログに掲載したように、地球温暖化二酸化炭素説とか、地球温暖化災厄説など全くのデタラメです。
太陽光発電は魅力的に見えたが・・・今は望み薄 |
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