2015年4月9日木曜日

「国立大で国旗、国歌を」首相、入学式などで―【私の論評】「筋」を通し、「けじめ」をつける社会にするためには、まずは国立大学から国旗・国歌を(゚д゚)!


予算案が可決、成立し、一礼する安倍首相=9日午後
安倍晋三首相は9日の参院予算委員会で、国立大の入学式や卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱に関し「税金によって(運営が)賄われていることに鑑みれば、教育基本法の方針にのっとって、正しく実施されるべきではないか」との認識を示した。同時に「学習指導要領がある中学、高校ではしっかり実施されている」と強調した。

次世代の党の松沢成文氏が、国立大での実践例がほとんどないと指摘したのに対し答弁した。

松沢氏は「各国立大に実施するよう指導すべきだ」と下村博文文部科学相に要求。下村氏は「各大学で、適切な対応が取られるよう要請していきたい」と述べた。

【私の論評】「筋」を通し、「けじめ」をつける社会を復興するため、まずは国立大学から国旗・国歌を(゚д゚)!

ここ数日、マスコミを賑わせた例の上西議員について、このブログでも掲載して、「筋」を通して「けじめ」をつけることのできない国会議員がでてきたことについて、いろいろと掲載してきました。

このようなことは、2年ほど前にもありました。2013年3月22日の参院予算委員会で、安倍晋三首相が、ヤジを続けていた民主党の小西洋之氏に対し「うるさいから黙ってもらえますか。 小西さん。子供みたいですよ」と指を指して自粛を求める一幕がありました。

小西氏のヤジは、自民党の憲法改正草案の条文解釈をめぐって議論がヒートアップしていた最中でした。

首相は「指を指さないと分からなかった」と説明。議事を進行する石井一予算委員長が「委員会の気分が緩んでいる。 閣僚席も委員席も私語はやめてください」と一喝すると、騒然としていた議場は静まり返りました。

首相は3月29日の予算委で、憲法の条文に関して細かい質問を続けた小西氏に対して
「クイズのような質問は生産的ではない」とたしなめた経緯がありました。



三馬鹿元首相もこのようなことができないのですから、このような首相を許容した社会にも問題があり、とうとう小西議員や上西議員のような国会議員が出てきてしまったのです。

その背景として、戦後のGHQのWGIPにより、日本人が洗脳されてしまい、日本は悪、欧米の戦勝国は善という刷り込みを受けたなかで、戦前からある価値観がことごとく破壊されてきたということが大きかったと断じました。

「筋」を通し、「けじめ」をつけるということは、社会人として、当然のことであり、これは戦前であろうが、戦中であろうが、戦後であろうが、当たり前のことです。しかし、この当たり前のことができない人が、巷に溢れ、挙句の果てに国会議員や、元総理大臣のなかにもそのような人がいることは実になげかわしいことです。

ここで、もう一度日常生活でも、職場でも、不可欠な「けじめ」と「筋を通す」ことについて考えてみましょう。こんなことは、本来このブログにも何やら上から目線のようでもあり、それに本来はこんなことは学生や新社会人に言うべきことなのですが、敢えて以下に述べてみます。

社会で生きていく上は勿論のこと、日常生活でも、仕事をする上でも「けじめ」は、なくてはならない大切なことです。それは、人としての「礼・義」を示すことであり、「筋を通す」、「誠実さ」を表すことでもあります。

これは、人から愛されたり、尊敬されたり、親しまれるために、私生活で信用、信頼され、職場では、キチンと円滑に業務を行い信頼され期待される人となるために必要です。

自らの立場を弁え(わきまえ)、人として確り(しっかり)とした「精神の指標」(=筋)を弁えた上で「言うべき時か、否か」や「正しい・良し悪し」の判断をし、「言うべきことは言う」、「言うべき時には言う」
をすることが「けじめ」であり人として「筋を通す」ことです。

それには、先ず、社会や職場の ルールをキチンと守ること。また「良いことは良い、悪いことは悪い」と判断し、「出来ない時は出来ない、出来る時には出来る」などの、「けじめ」や「筋を通す」ことを心掛けることです。

そうして行く中で、何が良いのか、何が悪いのかが、少しずつ理解出来て来ます。そうして同時に、正しい判断の仕方や決断力が身に付くようになります。

大切な人に接する時の心構えに、「けじめ」と「筋を通す」ことが有ります。「けじめ」とは、“今は、何をする時か?”をよく考えてすることを指しています。たとえば、お葬式のときに、「ニタニタ」してはいけないなどは、その典型的な例です。「筋を通す」とは、“道理にかなうようにする。物事の首尾を一貫させる。”ことです。

人は、「和」を大切にする余り、「けじめ」を忘れたり、人として「筋を通す」ことをから逃避してしまう場合もあります。よほど悟った人でない限り、人間は放っておくと、楽で安易な方に流れてしまいます。中途半端な考えから「和」を実践しようとすると、人間関係が乱れてしまいます。

必要特定の人に対し、大局から見て「けじめ」をつけること、人としての「筋を通す」ことは、長い時間の流れから見て、人間が性善であることの表れと言えます。

先にあげた、お葬式の時に、「ニタニタ」してはいけないなどということは、当たり前のど真ん中のように思われるでしょうが、これは非常にわかりやすい例です。

しかし、国の教育機関である、国立大学などが、入学式で国旗掲揚、国歌斉唱が執り行われていないという事実があります。これは、そもそ国立大学が、国立であることを考えれば、国の教育機関としては、落第です。

これを国が義務化したとすれば、国立大学として、義務とし実行すべきです。そうして、国旗掲揚や、国歌を斉唱することに忌避感を持つ方々は、間違いなく、自虐的歴史観の呪縛にとらわれています。



日本国の教育機関である国立大学がこの有り様ではとんでもないことが起こってしまうのも無理はありませんでした。その顕著な例として、忘れもしない、民主党が政権交代をして、鳩山総理が、新しい内閣を組閣したとき、各大臣が記者会見したときに、会見場に設置してあった日章旗に鳩山首相などほんの数名だけが、登壇の際に挨拶をして敬意を示ていましたが、他のほとんどの閣僚がそれをしませんでした。

この記者会見、私はテレビで見ていましたたが、あの様は異様であり、民主党政権とはこんなものかと思いました。そうして、これは大変なことになったと思いました。ある自衛隊の元幹部の人は、あれを見て、「こんな奴らのために、国を守るのかと思うと情けない」と言い放っていました。

日の丸を背負って戦った澤穂希
そうして、案の定民主党政権の三年間は、何もできず、何も決められず漂流していたというような有り様でした。しかし、これは私の予想通りでした。というのも、私は会社でキチンと挨拶のできる新人は、その後期待通りの活躍をしてくれるのですが、そうではない新人はほんどが挫折することを経験的に知っていたからです。

無論、きちんと挨拶ができる新人が、入社十年後、二十年後までも全員がキチンと仕事ができるなどとはいいません、そこに至っては、挨拶以上のものもあるからです。しかし、入社して数年間では、挨拶がキチンとできる新人は即戦力になるという傾向が強く、そうではない新人は、挫折するか、即戦力になるまで相当苦労するというのは事実です。

これは、やはり挨拶がコミュニケーションの第一歩であるということがあるのだと思います。そうして、挨拶にも様々な段階があります。最初は、当たり前の挨拶を元気にできるだけでも良いのですが、その時々で間のとり方や、表情、態度などで、挨拶によってかなりのことを相手に伝えることがてきます。ここまでできるようになるには、意図して意識して練習して場数を踏んでようやっとできるようになります。

ここまでくると、普通の組織では、管理職はもとより、それ以上も目指すことができるようになっているものです。挨拶を馬鹿にする人には、そのような機会は訪れません。

新人の挨拶

記者会見などで、登壇する際に、壇上に国旗が配置してある場合、これは組閣記者会見などでなくても、国旗に会釈して敬意を示すのでは日本では当たり前のこととされています。国旗を掲揚するとか、国歌を斉唱する、国旗に敬意を表するという行為は、それ自体がコミュニケーショでもあるのです。

コミニケーションに問題のある人は、当然仕事も支障がでるはずです。それは、新人でも、議員でも、閣僚、総理大臣いや、社会人にはあてはまる現実です。

荒川静香さんはなぜ最後のオリンピックのウィニングランで日章旗を手にしたのか

しかし、これができない閣僚が多数存在したというのは、本当にショックでした。こういう人たちが、海外に行ったら他国の国旗や、権威の象徴などにどのような態度をとるのだろうと思い、忸怩たる思いがしました。

閣僚や国会議員なども、国旗に敬意を表することもできない人たちは、新人がまともな挨拶ができないのと同じようなもので、やはりまともに仕事はできないのだとつくづく思いました。

今後、こういう馬鹿な閣僚や、その他にも「筋」を通して、「けじめ」をつけられない、首相や議員をこれ以上出さないように、またそのような閣僚や、議員を許容する社会を醸成しないためにも、まずは国立大学から、国旗掲揚、国歌斉唱などを実行するようにしていくべきです。それも、ただ掲揚する斉唱するというだけではなく、その意味を新入生認識させながら実施するということが肝要です。

天皇皇后両陛下は、本日パラオ・ペリリュー島をご訪問され、献花をされました。戦後七十年の節目にあたって、素晴らしい「筋」の通し方と、「けじめ」のつけ方だと思います。

「筋」を通して、「けじめ」をつけるということが希薄となってしまった今の社会、これはそのまま放置できません。それこそ、どこかで「筋」を通して「けじめ」をつけて、まともな社会に復興していかなければなりません。これは、東日本大震災からの復興にならんで、今の日本では重要な事柄であると思います。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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2015年4月8日水曜日

上西議員垂れ目風アイメークが不評 「ものすっごく癇に障るんです」とまで...―【私の論評】「筋」を通して、「けじめ」をつけることができない、上西議員や三馬鹿元総理が出る背景には、米国によるWGIPがあったことを認識せよ(゚д゚)!

上西議員垂れ目風アイメークが不評 「ものすっごく癇に障るんです」とまで...
2015/4/ 7 19:33

国会病欠前後の行動が問題視され、維新の党から除名された上西小百合議員(31)。2015年4月5日には無所属で議員活動を続けていくことを発表したが、世間の目は依然冷ややかだ。

6日放送の「モーニングバード」(テレビ朝日系)では、コメンテーターが上西議員の「メーク」にまで不快感を示した。

ばっちりメークは新人議員として初登院した2012年当時から
クリックすると拡大します

黒のマスカラは下まつ毛にもたっぷり塗られている

番組では3日の記者会見の様子を中心に、一連の騒動を詳しく紹介した。VTRが終わると、コメンテーターの住田裕子弁護士(63)は開口一番に「もうあり得ないと思いました」と厳しい言葉を口にした。その後、上西議員の行動や説明に対する疑問点を指摘するうちにヒートアップしたのか、
「そして女性からいくとね、なんかあのウソついているあのお化粧が、あのアイメークが、ものすっごく癇に障るんですよねぇ」

と顔をしかめた。

住田裕子弁護士

上西議員の目元はいつも太めのアイラインが入っており、まつ毛はしっかりと上を向いている。黒のマスカラは下まつ毛にもたっぷり塗られていて、いわゆる「垂れ目風」のアイメークに仕上がっている。

これも「浪速のエリカさま」ともてはやされるようになった所以の一つかもしれないが、騒動後には一転、ばっちりメークがどうやら不評に拍車かけてしまっているようなのだ。

実際、インターネット上には、
「あの化粧、全く好感が持てない」
「これ周り誰も突っ込まんの?」
「上西議員はメークで絶対に損してると思う」

といった声がいくつも投稿されている。報道陣の前で謝罪した3日の会見にも普段と変わらぬメークで登場していたことから「TPOをわきまえてない」という声も目立つ。

【私の論評】「筋」を通して、「けじめ」をつけることができない、上西議員や三馬鹿元総理が出る背景には、米国によるWGIPがあったことを認識せよ(゚д゚)!

元キャンギャル出身の上西議員は、2012年の出馬のころから「浪花のエリカ様」とのニックネームがつけられていました。ところが今回の騒動により、愛称が各メディアで繰り返し報じられると、顔が似ていないことから「沢尻エリカ様に謝れ」「沢尻エリカに失礼だと思わないの」などとネット上では突っ込みの声が相次いでいます。

上西議員(左)とかみおかすみこ(右)
そこで新たに浮上したのが女芸人・にしおかすみこ(40)説。少ししゃくれたアゴに、目元の下のアイシャドーは、SM女王様コントをやっていたころのにしおかに確かによく似ています。もっとも、比べられるにしおかにとっても迷惑な話でしょう…。

SM嬢王様コントをやっていたころのにしおかすみこ

上西事件が起きてから、私自身も上西議員の過去を調べてみました。だいたいのところは、以下に集約されるようです。

1983年4月30日生まれ(現在31歳)、大阪府羽曳野市生、大阪教育大学付属天王寺高校卒業、神戸女学院大学卒業。

日新火災海上保険入社(2年間勤務後退社)、阪南理美容入社(「プラージュ」運営会社)。

2012年12月衆院選に維新の会公認で出馬選挙区で敗れるも、比例代表で復活当選。

2014年12月衆院選に維新の党公認で出馬、選挙区で敗れるも比例代表で復活当選

大学在学中には、天神祭の「ギャルみこし」や「うちわ娘」などのキャンペーンガールとして活動。

上西百合子 ギャル.jpg
キャンギャル時代の上西議員
上西議員は、阪南理美容という会社に入社しています。この会社、あまり馴染みがないようですが、実は「プラージュ」という屋号で美容院や理容店を全国展開しており、業界では15年連続売上日本一だそうです。

上西議員はプラージュの本社勤務であり、社長秘書として勤めていたそうです。

今回の騒動では上西議員は、親分の橋下徹氏の辞職勧告を拒否して、維新の党を除名処分となりました。とにかく議員辞職する気は毛頭ないとのこと。

橋本氏が公表した上西氏の年収は経費込みでおよそ3300万円になることが明らかになっています。にもかかわらず、衆議院の本会議をなぜ出席しなかったのでしょうか。 しかも前日には飲食店をはしごしているにも関わらずです。

もちろん、この上西議員の議員報酬や経費は税金で賄われています。前回の衆院選で比例で当選としたとはいいながら、上西議員に投票した有権者の方々もいらっしゃるはずです。この方たちは、どのような気持ちなのでしょうか。このようなことも、上西議員は忖度できないようです。

無論これができるようであれば、上西議員は今回のような馬鹿真似はしなかったと思います。

それにしても、今回の件に関しては、事実関係はともあれ、やれ化粧がどうした、沢尻エリカさまに似ていないとか、さまざまなことが言われています。

沢尻エリカ
しかし、このようなことは物事を本質をついてはいません。本質をつかない論議はいくら積み重ねても砂上の楼閣です。

私は、上西事件の本質が語られないまま、このままでは、歴史の泡沫として消え去るのではないかと思い危機感すら、感じたので、このブログに二度にわたって記事を掲載しました。本日は三度目になります。

以下に過去の二度の記事のURLを掲載します。
上西氏「エモーショナルな処分」と除名の維新を批判 騒動後初の本会議出席 議員続行を強調―【私の論評】三馬鹿元首相のいる日本では、上西議員のように筋を通して、けじめをつけらない人が出るのは必然か!これを阻止するため歴史を語り継いでいこう(゚д゚)!
 
上西議員を除名処分、大阪維新の会 「あんな議員につきあって1時まで…」橋下氏陳謝―【私の論評】国立大が入学式に国旗掲揚も国歌斉唱もしないという「けじめ」の欠如した社会が、「モンスター」を生み出した?

詳細は、これらの記事をご覧いただくものとして、この二つの記事で、私は日本国の教育機関である、国立大が入学式に国旗掲揚も国歌斉唱もしないという「けじめ」の欠如した社会が、「モンスター」を生み出したと断じました。そうして、筋を通して、けじめをつけらない三馬鹿元首相のいる日本では、上西議員のように人が出るのは必然かであると断じました。

しかし、これらの記事で、私はなぜ今の日本においては、昔にはあり得なかったような、筋を通して、けじめをつけられない国会議員や、総理大臣がでてきたのか、その原因にまでは触れていませんでした。

私は、その原因は、やはり戦後の歪んだ、本来の歴史ではなく、米国などの第二次世界大戦の戦勝国による修正された歴史とそれらによる教育にその根源があると思っています。

「筋」を通して、「けじめ」をつけるという行為は、前前から行われてきたものです。しかし、米国などによる日本弱体化のための歴史修正は、戦前の価値観をことごとく破壊しつくしただけではなく、本来戦前であろうが、戦中であろうが、戦後であろうが、変わらないあらゆる組織における規範や、序列、禁忌、価値観まで破壊してしまったのだと思います。

これらは、終戦直後からどんどん崩されてきました。それでも、戦前生まれの多かった時代には、それらが残ってはいたのですが、戦後七十年も経て、最後の砦でもあった総理大臣まで、それを失ってしまった馬鹿者がでてきたのです。そうして、日本社会がそれを許容したのです。

「筋」を通して、「けじめ」をつけることすらできない日本の三馬鹿元総理大臣
おそらく、今から30年ほど前までには、保守・革新を問わず、総理大臣になったものは、在任期間中は無論のこと、退任した後も全員が少なくとも、「筋」を通して、「けじめ」をつけることができない者はいなかったと思います。

中には近衛文麿のような、コミンテルンの一派ではないかと疑われるような総理大臣もいましたし、はっきりと無能のそしりを受けている者もいましたが、それでも、総理大臣を退いてから、老醜・老害を晒すような馬鹿真似はしませんでした。やはり、現在の三馬鹿元総理大臣などとは異なります。

誰もが、少なくとも最低限の、「筋」を通して、「けじめ」をつけていました。というより、それが、総理大臣や、国会議員としては、当たり前のことでした。少なくとも、これらの人たちは、一般の他の国民に対して模範的な存在でした。

しかし、現在はそれが崩れつつあるわけです。確かに、これは諸外国でも崩れつつあるのですが、日本のそれは、もうすでに許容の限界を超えつつあるようです。だからこそ、今回の上西議員の県のようなことが起こってしまったのです。そうして、そもそも、「筋」を通し、「けじめ」をつけるなどの観念のない上西議員にとっては、維新の党からの除籍処分は、エモーショナル(感情的)に見えるのです。

さて私は、本来「筋」を通して、「けじめ」をつけて模範にならならなければならないような人まで、これらが欠如してきているのは、米国などの第二次世界大戦の戦勝国による修正された歴史とそれらによる教育にその根源があると掲載しました。

そうして、その最たるものは、米国によるウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムです。これに関しては、本日産経新聞にそれに関する記事が掲載されいたので、以下にそのURLを掲載します。
【月刊正論】これが戦後の元凶だ! 米占領軍の日本洗脳工作「WGIP」文書、ついに発掘
この記事は、幻ともいわれた「WGIP」文書がついに発掘されたことと、その中身について簡単に振れたものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の要点だけ掲載します。
 WGIP(War Guilt Information Program)とは、大東亜戦争後の昭和20(1945)年からサンフランシスコ講和条約発効によって日本が主権回復を果たした昭和27年までの7年間の占領期間に、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が占領政策として行った、戦争への罪悪感を日本人の心に植えつける宣伝計画です。 
 WGIPが残した毒は、政、財、官、法律、教育等あらゆる分野で、今も枢要の地位を占める人を含む、多くの日本人の思考を今も縛っています。最近も、戦後70年の首相談話を検討する「21世紀を構想する有識者懇談会」の北岡伸一座長代理が、「総理に侵略だといわせたい」などと、およそ信じがたい発言をされました。自民党の三役の一人が、「慰安婦問題は終わっていない」などと、歴史事実を知りもせず、韓国に媚びた発言をする光景には、あきれ返るばかりです。普通の国では起こりえない、自虐的な発想や、非常識な外交対応などが頻発する背景には教育などさまざまな要因があるでしょう。ですがその源流はWGIPによる洗脳にほかなりません。そしてその洗脳から日本人は解放されていないのです。 
 このままでは日本は、どうかなってしまうのではないか。諸悪の根源を突きとめ、その元凶を絶つ必要がある。そのために多くの日本人にWGIPについてしっかりとした認識を持って欲しいという思いがありました。 
 そのようなわけで文書を探し始めた私はまず私は国会図書館に足を運びました。検索で資料が出ないか、と試みましたがどうにもうまく進みません。自宅でも検索を重ね、目当ての文書がどうやら明星大学(東京都日野市)戦後教育史研究センターに所蔵されていることがわかりました。早速、明星大学に足を運びましたが、2万5千点もの膨大な資料があって、この中から目当ての文書を特定しなければなりません。全ての文書に目を通すことは到底できないし、絞るにしても目録だけで500ページ近くあって、至難のワザでした。 
 高橋史朗教授や勝岡寛次氏にもアドバイスをいただき、さらに私なりの“読み”を加えながら、丹念に絞り込んでいきました。そしてようやく目指す文書を手にすることができました。
 GHQ は、日本人を洗脳するために、どのように日本のメディアを操り、どのような情報を流すかを考え実行したわけです。その内容が、私が収集した原資料に繰り返し出てきます。これに対して日本人に知られたくない情報を日本人から隠したのが、焚書(占領軍にとって有害な図書の没収)や、報道の削除や禁止を定めた命令でした。 
 しかし、いずれの場合でも、占領軍は、日本の一般人に対しては直接実行する方式ではありませんでした。日本政府や日本の報道機関を通じて実施した間接統治であったことが、この作戦の巧妙な所であり、多くの日本人は、それらの思想が、占領軍から押し付けられたことに気づかない。日本政府や日本人自らが行ったと錯覚させられてしまう。そういう巧妙な構造のもとで進められました。 
 WGIPには、積極的に日本人を洗脳する作戦と、アメリカにとって都合の悪いことを糊塗する作戦の二つの側面があります。 
関野通夫氏 昭和14年神奈川県鎌倉市生まれ。39年、東京大学工学部航空学科卒業後、本田技研工業に入社。フランス、イランなど海外駐在が長く、米国ではホンダ関連法人の社長を務めた。平成13年に退職。実務翻訳に従事。
この内容は、月間『正論』に詳細が掲載されているそうです。是非ご覧になって下さい。今回のこの文書の発見により、前から言われていたのですが、GHQの日本人に対する洗脳工作がよりいっそうはっきりとした疑いのないものになりました。

現在の日本では、マスコミはもとより、多くの日本人がこのGHQによる日本人洗脳ブログラムの影響を受けたままであり、この洗脳により戦前の日本はことごとく悪という認識が形成され、大人として当たり前であった「筋」を通して、「けじめ」をつけるということが、議員はおろか元総理大臣までかそのようなことができなくなりつつあるのです。

この状況はまことに危機的なものであります。これが、進めば、日本という国は統治不能となります。しかし、今回の維新の党の上西議員に対する処分は厳正なものでした。これで、一定の歯止めがかかったものと思います。

それにしても、GHQのWGIPの悪影響や、終戦直後の占領地法にすぎない日本国憲法がそのまま残されていれば、ますます日本の弱体化は、進み、上西議員のような議員や、無責任な輩が増えどうしようもない混沌状態になると思います。

それだけは防ぐべきです。だからこそ、上西議員の今回の行為を個人のせいにするのではなく、その背景まで知った上で、何が日本を弱体化させているのかを多くの人々に知らせ、啓蒙していく必要があります。それなしに、まともな議論はできません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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独首相の“助言”に違和感…日本とナチスを混同か―【私の論評】習近平に毒入りプレゼントをしたメルケルは商売上手だが、これが世界の現実であることを日本人も肝に命ぜよ!そうでなければお花畑の住人になるだけ(゚д゚)!

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2015年4月7日火曜日

上西氏「エモーショナルな処分」と除名の維新を批判 騒動後初の本会議出席 議員続行を強調―【私の論評】三馬鹿元首相のいる日本では、上西議員のように筋を通して、けじめをつけらない人が出るのは必然か!これを阻止するため歴史を語り継いでいこう(゚д゚)!


衆院本会議を終え、記者団の質問に答える無所属の上西小百合氏=7日午後

国会病欠前後の行動などに問題があったとして維新の党を除名された上西小百合衆院議員(比例近畿)は7日、「エモーショナル(感情的)な感じで処分となったことは残念だ」と述べ、維新の対応を批判した。除名後、無所属として初めて出席した衆院本会議後に、国会内で記者団に答えた。

上西氏は「事実と異なる報道が連日なされていた。(3日夜の)3時間の記者会見でできる限り誤解を解くように努めたが、かなわなかった」と述べた。維新が求める議員辞職については「法律で議員を継続することが認められている以上、国民の声を国政に届けると選挙時に約束したことを貫いていきたい」と議員活動の続行に重ねて意欲を示した。

ただ、記者団に「維新の比例で復活当選したが、維新の議員でなくなったのに議員でいる正当性はどこにあるのか」と問われ、答えに窮する場面もあった。

【私の論評】三馬鹿元首相のいる日本では、上西議員のように筋を通し、けじめをつけない人が出るのは必然!歴史を語り継ぎこれを阻止しよう(゚д゚)!

上の記事の「エモーショナル」という言葉遣いには、驚かされました。日本語でいえば、「感情的」ということですが、今回の処分は、「感情的」なものではないと思います。私自身は、社会一般通年に照らして、国会議員の規範から照らして、非常によろしくない行いをしたということであり、国会議員としての「筋を通さなかった」あるいは、「けじめのなさ」ということが、問題視されたのであり、決して「感情的」なものではないと思います。

このことについては、すでに以前このブログでも掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
上西議員を除名処分、大阪維新の会 「あんな議員につきあって1時まで…」橋下氏陳謝―【私の論評】国立大が入学式に国旗掲揚も国歌斉唱もしないという「けじめ」の欠如した社会が、「モンスター」を生み出した?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、石橋湛山氏が総理大臣だったとき、予算の審議にどうしても出席できなかったため、総理大臣を辞職したことを例にあげました。そうして、予算の審議はそれだけ重要な事であること、この重要な会議にどうしても出席できなかった石橋湛山氏が、首相の座を辞するということで、筋を通してけじめをつけたことを掲載しました。

しかし、現在の社会は、たとえば国立大学であるにもかかわらず、入学式に国旗を掲揚しないとか、国歌を斉唱しないという、「けじめ」なく、「筋」も通さないという風潮があり、こうした社会の有り様が、国会議員でありながらそれが欠如した上西議員のような「モンスター」を生み出しているのだかもしれないということを掲載しました。そうして、まさに、上西議員は、私達の社会をうつしだしている鏡なのかもしれないということを掲載しました。



社会や、組織には、序列や規範が存在します。これらは、昔と比較すると、緩くはなっていますが、厳然として存在します。特に、社会や組織には、やってはいけないこと、すなわち「禁忌」というものが、あります。

国会議員は、今では芸能人がなったりするので、多くの人があまり意識しなくなりましたが、当選序列としては高い地位にありますし、それだけ規範も一般の人よりも高いところまで要求され、そうして厳しいです。

上西氏は、これをはっきりと破ってしまったわけです。ことの重大性に上西氏は全く気づいていないのです。そもそも、政治家としての、「筋」を通したり、「けじめ」をつけることができなかった場合、それなりの償いを自らできれば、今回のような処分はなかったかもしれません。

というより、そもそも、最初から「筋」を通して、「けじめ」をつけて、予算審議に無理をしてでも出るべきでした。そうすれば、後は旅行に行こうが、何をしようが、許容されたのです。

上西氏とその秘書については、「筋を通す」とか、「けじめ」ということに関しては、もともとかなり全く無頓着であると思います。以下の動画をご覧下さい。


この記者会見で、小西氏の秘書は、上の動画でもわかるように、まるでゲームをしているかのように、スマホをいじくりまわしています。何やら、信じられない光景です。たとえ、ゲームをしていなかったにしても、これは不味いでしょう。全く礼儀を欠いています。通常、記者会見のときにこのような馬鹿真似はすべきではありません。

当たり前のことですが、橋下氏はもとより、集まった取材陣に対しても、礼儀としてスマホをいじくりまわすなどということはすべきではありません。普通は、このようなことはしません。このような振る舞いをすべきでないことは、普通の大人なら誰もが理解できることと思います。

どうしても必要なら、会見が終わってからにしても、特段問題はないはずです。にもかかわらず、この秘書は他の人々の目も氣にすることもなく、臆することもなく、堂々とスマホをいじくり回し、この行動に関して、小西氏も気づいているようなのですが、注意するでもなしで、本当に見苦しいものだったと思います。

このような会見で、スマホをいじくり回すような人は、政治家の秘書として、そもそも不適切です。本来、政治家として議員に対して「筋を通す」とか「けじめ」についてアドバイスできるくらいの人でなければ、勤まらないと思います。


それにしても、先に述べたように、国立大学でありながら、入学式に国旗も掲揚しない、国歌も斉唱しないということもあり、こうした風潮が上西議員のような振る舞いをする議員を生み出している土壌にもなっているのだと思います。

そうして、このような風潮は以下の事例でますますはっきりすると思います。
「首相の肩書なくてもよかった。たまたまなったからつきまとっている」…村山・鳩山・菅…困った元首相トリオのおかげで日本中が混乱?
村山、鳩山、菅の三元首相

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に要約を掲載しておきます。
 村山富市、鳩山由紀夫、菅直人の3元首相が、メディアやブログを通じて自由な言動を繰り広げている。3人に共通するのは、安倍晋三政権は「許せない」ということだが、日本国内が混乱している印象を国外に与えかねないものばかりで、元首相の肩書を外したいという者まで出るありさまだ。 
 村山氏は、香港フェニックステレビが3日までに行ったインタビューで、9月3日に北京で行われる中国の「抗日戦争勝利70周年」記念式典に出席する意向を示した。 
 鳩山氏は、政府の沖縄政策の最大の障壁となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設をめぐり、3月28日の東京・MXテレビ番組で「最低でも県外と言ったが、県外でなくて国外に求めるしか回答はない」と述べ、とうとう「県外」さえも否定した。別のインタビューではは「私が動くと何でも国益に反するとなる。首相なんていう肩書は、もともとなくてもよかった。たまたまなってしまったから肩書がつきまとっている。もっと自由に動きたい」とも語っていた。 
 菅直人氏は、安倍首相に近い中西輝政京都大名誉教授の論文にかみついた。
中西氏は月刊誌「Voice」(PHP)4月号に掲載した論文で「反原発」運動について「人びとの不安に乗じて原発アレルギーを高める半面、わが国が置かれた深刻なエネルギー・電力不足の危機には目をつぶる、これはまさに『反日本』運動といってよい」と批判した。 
 菅氏は3月12日付のブログでこう反論した。 
 「原発ゼロを実現しようとしているドイツのメルケル首相は『反ドイツ』ということになるのか。あまりにも非論理的で、学者の論文とも思えない」 
 今月3日付のブログは「安倍体制翼賛政治」との題で安倍政権を批判した。

ちなみに菅氏は、副総理時代の22年3月の国会答弁で「議会制民主主義とは期限を区切ったあるレベルの独裁を認めることだ」と述べ、衆院選後に首相指名された人物に次の衆院選まで「独裁」を認めるという内容の発言をしていた。
このようなどうしようもな、元総理大臣が三人もいるわけです。この三人はいずれも、石橋湛山氏のように、「筋」を通して、「けじめ」をつけるということとは、無縁のようです。

今の日本社会は、ともかく、このような元首相トリオを誕生させてしまったような社会です。こんな社会では、上西氏のような議員が出てくるのは、必然と行っても良いのかもしれません。


しかし、私はここではっきりといいたいです。右や左、上や下などどうでも良いから、とにかく自分の立場に応じて「筋」を通して、「けじめ」をつけるような人になるべきであると。

どうしても、「筋」を通して「けじめ」をつけられないなら、高い地位につくことはあきらめて、一生人に命令されて作業員でもやっているべきです。

しかし、作業員であったとしても、「筋」を通して「けじめ」をつける人は存在するわけで、そういう人は、多くの人から尊敬されることはあれ、馬鹿にされることはありません。

しかし、高い地位にありながら、「筋」を通して、「けじめ」をつけられない人は、多くの人から馬鹿にされることはあれ、尊敬されることはありません。

それにしても、「筋」を通して、「けじめ」をつけなかった、上西氏を除籍処分にした、維新の党は、何とか「筋」を通して「けじめ」をつけられたと思います。ここで甘い処分をしてしまえば、とんでもないことになったかもしれません。国会議員の規範が一気に緩んでしまったかもしれません。

それにしても、「筋」を通して、「けじめ」をつけられない、三馬鹿首相には誰も処分は下さないのでしょうか?

いや、私達が下そうではありませんか。私達が、歴史の証人となって、次の世代に向かって、「筋」を通して、「けじめ」をつけられない、元首相の存在を後世に語り継いでいこうではありませんか。

実は、日本ではこうしたことがあまり行われていません。過去の歴史が伝えられておらず、先に述べたような、石橋湛山のような素晴らしい首相の行動についても語られませんが、どうしようもなく愚かだった首相や、軍人や、官僚のことなどが語り継がれていません。

このようなことは、歴史の生き証人が語り継がなければ忘れられてしまうのです。後世の人々のために、現在の記憶を忘れることなく、正しく後世の人に伝えていくべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

筋を通し、けじめをつけるということは、どういうことなのか、以下の書籍をご覧いただけれは、お判りいただけるものと思います。

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2015年4月6日月曜日

黒田日銀、異次元の緩和から2年、「2倍、2%」 を批判する前に、もっと勉強しないといけない左派新聞、左派文化人たち―【私の論評】雇用と金融政策の関係を理解しない左派、左翼は百害あって一利なし!そんな輩はすぐにも活動を停止せよ(゚д゚)!

黒田日銀、異次元の緩和から2年、「2倍、2%」 を批判する前に、もっと勉強しないといけない左派新聞、左派文化人たち



2年前の4月4日、黒田日銀総裁は、2年で2倍、2%を目指す異次元緩和を行った。

左派系3新聞の社説がそっくり

この2年間の評価について、4月4日には左派系3新聞が社説を出している。

朝日新聞「黒田緩和2年 拡大続行よりやめ方を」(http://www.asahi.com/articles/DA3S11687276.html

毎日新聞「異次元緩和2年 柔軟な政策へ転換を」(http://mainichi.jp/opinion/news/20150404k0000m070099000c.html

東京新聞「異次元緩和2年 目標未達の説明果たせ」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015040402000156.html

いずれも似ている。円安を罪悪視し、インフレ目標が達成できないことや日銀が国債を買うリスクを問題視している。そして、左派系であるにもかかわらず、雇用の改善はまったく無視している。さらに、消費増税の影響も無視だ。

かつて、東京新聞は金融政策や消費税ではいい社説もあったが、今や朝日新聞や毎日新聞の補完で、安倍総理の行うこと、アベノミクス憎しなのだろうか。

異次元緩和の正確な表現は、つぎのとおりである(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf

日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する。このため、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長するなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を行う。

2年で2倍なのはマネタリーベースの拡大であり、2%は「2年程度の期間を念頭に置いて」という程度の話だ。

異次元緩和反対派の予想は完全にはずれ

そもそもインフレ目標は「ガチガチ」のルールではない。かといって「ユルユル」の裁量的なものでもない。バーナンキの言を借りれば、ルールと裁量の双方の性格をもつ「制約された裁量」であり、彼は市場とのコミュニケーションツールともいっている。

インフレ目標ではプラスマイナス1%が許容範囲といわれている。先進国のこれまでの実績では、その許容範囲に7割程度収まっておるが、それが達成できない場合には、説明責任を果たさなければいけない。

マスコミの人は、2年で2%のインフレ目標というのを、「2015年4月で消費者物価総合指数対前年同月比2%」と思い込んでいるが、「2015年4月~2016年3月という1年間で消費者物価総合指数対前年同月比1~3%」という程度である。

ともあれ、過去4年間で、異次元緩和の前後2年の経済パフォーマンスをみてみよう。

インフレ率を消費者物価指数総合の対前年同月比でみると、異次元緩和の前にはマイナス基調だった。その後、異次元緩和で上がりだし、消費増税前までは順調に上昇していた。量的緩和がスタートした2013年4月に▲0.7であったが、2014年5月には1.6%まで上昇した。ところが、消費増税に影響で消費が減退し、2015年2月には0.1%まで低下している(消費増税による見かけ上の影響が2.1%として計算)。(図1)



図1 CPI総合(対前年同月比)の推移
日経平均では、異次元緩和の前までは1万円にもならない横ばい傾向だったが、異次元緩和以降、かなりのペースで上昇している。(図2)



図2 日経平均(月末値)の推移
ドル円は、株価と似た動きだ。異次元緩和の前までは1ドル80円程度の円高であったが、異次元緩和以降、円安が進んでいる。(図3)



図3 ドル円(月中平均)の推移
長期金利は、異次元緩和の前まで低下し、もうそれ以上の低下はないと思われていたが、さらに低下を続けている。異次元緩和になったことは、これ以上の低下はないので、逆に金利上昇し、財政破綻もあるという批判が、異次元緩和への反対論者から出されたが、金利は低下し、そうした人たちの予想はまったく外れている。(図4)





図4 10年国債金利(月末)の推移

左派系には雇用が重要なはずなのに…

雇用はどうだろうか。左派系にとって、雇用が重要なはずだ。しかし、異次元緩和を批判したいために、株価は上がるが、人々の暮らしはよくならないという。しかし、その批判は完全にそらしである。

金融政策による雇用の安定化に着目して、いち早く正統性を主張したのは、ヨーロッパの左派である。ヨーロッパの社会民主主義政党の集まりの「欧州社会党」や共産党などの集まりである「欧州左翼党」の主張を調べてもらえればいい。

「欧州社会党」(ヨーロッパの社会民主主義政党の集まり)は、雇用確保のために欧州中央銀行の政策変更を要求していし、金融政策と財政政策が協調して雇用を確保するために、欧州中央銀行を民主的に管理することを求めている。そして、欧州中央銀行の役割として、物価の安定のみならず、雇用の確保も必要とすべきという。

雇用政策を勉強しなければいけない人たち

なお、米国では、FRB(連邦準備制度)の責務として、物価の安定とともに雇用の確保も入っている。米国の大統領選では雇用や失業は、常に大きな争点である。

筆者はマスコミに雇用問題でどこに取材するかと聞く。ほとんどの人は厚労省に取材するという。もし米国だったらどうだろうか、労働省ではなくFRBだ。政府は統計数字を作るだけで、雇用を拡大することができるのはFRBである。

欧米では、金融政策は雇用政策とほぼ同義であるとされている。というのは、短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線と呼ばれ、右肩下がりとなる)があり、犠牲率の概念が広く共有されている。

その上で、就業者数について、異次元緩和の前後2年をみると、明暗がはっきり分かれる。異次元緩和はしかりと雇用を作り出したのだ。(図5)


図5 就業者数(万人)の推移

雇用を新たに作り出したので、その人たちの暮らしはよくなった。賃金が上がらないとか、雇用が非正規とかいうが、失業がなくなったことをまず評価しよう。経済理論が教えることは、失業がなくなるにつれて、賃金は上がりだし、非正規は正規に変わっていくということだ。つまり、金融政策を否定するのではなく、それを評価し、それを継続すればいいわけだ。

株価と半年後の就業者数には相関関係がある

左派系知識人は、すぐに株価は上がるから資産家はいいが庶民は大変だというレトリックを用いる。これはやめたほうがいい。というのは、株価は半年先の就業者数ときわめて相関しているのだ。つまり、株価が上がると半年先の雇用が増えるのだ。(図6)


図6 日経平均(左軸、円)と6月先就業者数(右軸、万人)

断っておくが、これは株価と半年先の就業者数に因果関係があるというわけではない。景気がよくなると、株価はそれを先取りし、就業者数は半年遅れて上がり出すというわけなのだ。

雇用が増えているので、雇用者などの所得の合算ともいえるGDPも増えている。ただし、消費増税以降、GDPは大きく落ちている。GDPの動きは、インフレ率の動きと若干似ているところがあり、ともに消費増税による需要減退の影響を受けて、消費増税後はさえない。(図7)


図7 実質GDP(兆円)の推移

ちなみに、インフレ率については、マネタリーベース(対前年同月比、3ヵ月ラグ)と消費増税(6ヵ月ラグ)でよく説明できる。(図8)


図8 インフレ率(現実と予測値)の推移

むしろ問題は金融政策ではなく、消費増税であった。このように明らかに消費増税の影響があるにもかかわらず、黒田総裁は言わないのは、ちょっと理解に苦しむ。マスコミからそうした質問が出ないのも理解に苦しむ。黒田総裁もマスコミもともに、消費増税の影響が軽微であると間違ったからである。

インフレ率について、まったく目標に達していないというのではないが、今の状況の説明責任をしっかり果たせば自ずと対応策もでてくる。

もし消費増税の影響とはっきり言えば、消費増税の影響を相殺するためには、一番いいのは、消費減税である。財政策の枠内で、消費減税に似たような効果のある対策はいくらでもだせる。おそらく、年後半になれば、減税補正予算などが政治的課題になってくるはずだ。

左派系知識人、マスコミ、政党がもう少し賢ければ、金融政策ではなく、消費増税を攻めるだろう。

安倍政権も金融政策はいいが、消費増税という失敗があった。そうであるにもかかわらず、左派系知識人は財務省のいいなりで財政再建のためには消費増税というまったく間違ったことをいってきた。消費増税は民主党時代に仕組まれたとはいえ、その地雷を踏んだ安倍政権を攻められない今の左派系はまったく情けない。

安倍首相が、政労使会議に乗り込んで、左派政党のお株を奪う賃上げを要請する姿を見て、民主党は悔しくないのだろうか。このままだと、経済政策で安倍政権にはまったく歯が立たないという状態がつづくだろう。

高橋洋一

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】雇用と金融政策の関係を理解しない左派、左翼は百害あって一利なし!そんな輩はすぐにも活動を停止せよ(゚д゚)!

さすが、高橋洋一氏の解説です。過不足なく、現状の経済の内容を伝えています。そのため、上の記事に関しては、私が付け足すようなことは全くありません。しいて、いえば実質賃金の問題もありますが、それはここでは解説しません。しかし、実質賃金の低下したのは、一時のことであり、その原因はやはり消費税増税であることは、あまりにも明らかです。

消費税が上がれば、どう考えてみても、実質賃金が目減りするのは当然のことであるので、高橋洋一氏はわざわざ解説しなかったのだと思います。それにしても、実質賃金の低下は増税のせいではなく、これも金融緩和のせいであるとか、アベノミクスのせいであるとするマスコミや、似非識者が多いのには本当に困りものです。

上の高橋洋一氏の解説における現状の経済の状況は、短くまとめてしまうと、以下のようになると思います。
そもそもインフレ目標は「ガチガチ」のルールではない。かといって「ユルユル」の裁量的なものでもない。これは、ルールと裁量の双方の性格をもつ「制約された裁量」であり市場とのコミュニケーションツールでもある。 
金融政策は雇用政策とほぼ同義であるとされている。短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線と呼ばれ、右肩下がりとなる)があり、犠牲率の概念が広く共有されている。 
消費増税以降、GDPは大きく落ちている。GDPの動きは、インフレ率の動きと若干似ているところがあり、ともに消費増税による需要減退の影響を受けて、消費増税後はさえない。
この三つに関しては、常識的なものであり、特に経済の勉強などしなくても、まともな報道など見ていれば、良く理解できるはずの筋合いのものです。そんなに難しいことはではありません。しかも、高橋氏は上記のように現実の数字をグラフにして解説しています。これは、何も今始まったことではなく、随分前から実施していることです。なのに、左派新聞や、左派文化人たちはこれを理解してないというから驚きです。

特に左派新聞や、左派文化人、左翼が金融政策と雇用政策が密接な関係があり、ほぼ同義とされることを知らないということは、驚きです。それも、今に至るまで理解できないというのは、全くのん驚きです。 ということは、彼らは、雇用問題に関しては全く理解できないし、していないということです。

これについては、随分前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

この記事は、平成12年9月のものです。この時期は、無論のことまだ野田政権の時代でした。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に雇用政策と金融政策との関係について述べた部分のみ以下に抜粋します。
若年層の雇用情勢の改善に向け、野田佳彦首相の肝いりでまとめられた今回の若者雇用戦略。ただし、その内容は全国の大学にハローワークの窓口を設けるなど、既存の政策を拡充するものばかりだ。 
・・・・・・・・・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「雇用のことって正直、よく分からないんだよね」。今春まで約8年間、東京都内のハローワークで契約職員として勤務していたある女性は、正規職員の上司が何気なく発した言葉に愕然としたことがある。
これは野田政権のときの、野田首相の若者雇用戦略について述べたものですが、野田政権は、金融緩和にはノータッチで、ハローワークなど既存の政策を拡充することばかりで、結局若者雇用も、それ以外の雇用政策もことごとく大失敗していました。全く効き目がありませんでした。

第三次野田内閣の綿々 誰一人金融政策の意味を知らない


それは、そうです、デフレであるにもかかわらず、金融緩和はせずに、ハローワークを強化してたとしても、そもそも雇用枠が少なくなっているのですから、意味はありません。この記事では、ハローワークの契約社員の方が、「雇用のことって正直、よく分からないんだよね」と正規職員の上司が発した言葉に愕然としたとありますが、私は、この上司の正規職員は正直な方だと思います。

さらに、この記事に続けて、私は金融政策と雇用政策に関して以下のような論評を行いました。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRBの舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。
民主党政権時代の女子就活は聞くも涙、語るも涙の惨憺たるありさまだった
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。 
日銀が、やるつもりもないインフレ目処1%など無視して、インフレ率を本当に2〜3%上昇させたとします。そうすれば、日本でも、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学上で昔から知られているし、経験則としても成り立っている法則です。 
無論、雇用対策のため、のべつまくなく、インフレにするというわけにはいきません。ある程度以上、インフレになれば、ハイパーインフレとなり大変なことになる場合もあります。そういうときは、中央銀行は、すぐにはインフレ率を高めるわけにはいきませんから、これは、打ち出の小槌のようにいつもできるというわけではありません。雇用枠が増えても、ハイパーインフレということにでもなれば、雇用が増えたという経済に対するブラス要因が、ハイパーインフレというマイナス要因によってかき消されるどころか、経済が悪化してしまいます。
それに、経済のその時々の状況で、インフレ率を高める方法もいろいろあります。いろいろある方策のうち、雇用に悪影響を及ぼす方策もあります。同じ二つ三つの金融政策を実施するにしても、順番があります。順番を間違えると、かえって、雇用に悪影響を与える場合もあります。こうしたことを認識しながら、雇用調整を行うことは、本当に難しいことです。だからこそ、アメリカではFRBの金融政策の専門家が専門家的立場から、これを調整して、雇用対策を行います。
このように、雇用と金融政策との間には密接な関係があり、それは他の先進国では当たり前のことであり、日本だけが特殊であるということはありません。

しかし、未だに上の高橋洋一氏の記事にも掲載されているように、「筆者はマスコミに雇用問題でどこに取材するかと聞く。ほとんどの人は厚労省に取材するという」という具合に、マスコミは未だに雇用というと、日銀は全く関係なく、厚労省の管轄であると思い込んでいるようです。

しかし、先のハローワークの正規職員の上司のように、厚生労働省は、雇用枠を増やすことなどできません。定まった雇用枠の中で、職業の斡旋や、仲介をするだけです。ですから、厚労省に雇用情勢のことを聴いても分からないのが当たり前です。

厚生労働省と雇用情勢との間に直接の関係はない

それにしても、この記事の当時はまだ平成12年であり、野田政権の時代で、金融緩和もされておらず、この当時であれば、まだ雇用と金融政策の関係について知らなかったとしてもまだ許せるような気がします。無論本当は、全く許せないのですが・・・・・・・・。

しかし、金融緩和をしてから2年たった現在、確かに増税の影響により、雇用は悪化したところもあり、実質賃金も下がった時期もありました。それでも、全体的に見れば雇用は明らかに野田政権のときと比較すれば、大幅に改善しています。動かぬ証拠もあります。上の高橋洋一氏のグラフ以外にも証拠はあります。


このグラフをみれば明らかです。この内定率は、バブル崩壊前の水準に戻っています。増税の影響などなきがごとしです。いや、あったのかもしれません。もし増税がなけば、さらに良くなっていた可能性もあります。

民主党政権下ではこのようになったことは一度もありません。たとえマクロ経済学など勉強しなくても、上の高橋洋一氏のグラフや、このグラフ、その他の様々な数値をみていれば、経済が相対的に良くなってきていることは実感できます。

にもかかわらず、この期に及んで、雇用と金融政策との間の関係を理解できないというのは全く信じられません。他のことは目をつむっても、このことだけは絶対に許せません。

これができない、左派新聞や、左派文化人や、左翼は、百害あって一利なしです。日々頓珍漢で奇妙奇天烈な、言説を振りまき、多くの人々を惑わすだけです。もう活動を休止しなさいと言いたいです。

私は、そう思います。皆さんは、どうおもわれますか?

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若者の雇用を奪うのは一体誰なのか?−【私の論評】根本原因は、デフレであってこれを解消しなければ何も解決されない!!

【関連図書】

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2015年4月5日日曜日

菅官房長官「辺野古移設が唯一の解決策」 翁長知事は移設反対を主張、首相との会談要求―【私の論評】今後の問題は、いつ翁長知事が一旦振り上げた拳を、どう引っ込めるかだけだということはあまりに明白(゚д゚)!


沖縄県宜野湾市の米軍西普天間住宅地区の返還式典に
同席した菅義偉官房長官(左)と翁長雄志沖縄県知事
菅義偉(すが・よしひで)官房長官と翁長雄志(おなが・たけし)沖縄県知事は5日午前、那覇市内のホテルで初めて会談した。

会談は1時間ほど行われた。

菅氏は、普天間飛行場の辺野古移設について「国の安全を守るのは国の責務だ。日米同盟と抑止力の維持、危険性除去を考えたときに辺野古移設は唯一の解決策だ」と述べた。また「一つ一つ負担を軽減し、沖縄と連携しながら信頼を取り戻したい」とも述べ、沖縄の基地負担軽減に努めていくことも伝えた。

翁長氏は「(辺野古に移設しなければ)本当に普天間の固定化につながるのか。危険除去のために負担しろという話をすること自体が日本国の政治の堕落だ」と反論、「辺野古の新基地は絶対に建設できないと確信を持っている」と主張した。さらに「首相に会う機会があればありがたい」と述べた。

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】今後の問題は、いつ翁長知事が一旦振り上げた拳を、どう引っ込めるかだけだということはあまりに明白(゚д゚)!

今回は、双方にとってまったくの手探り状態での会談でした。官邸は強気で面会を拒否してきました。菅氏としては1回会って、批判を和らげようということでしょう。ただ、辺野古移設は日米間の国際公約で、変更はできません。一方、翁長氏としても移設反対で当選したため、簡単に譲歩できません。これから、世論の動向を見ながら、双方が時間をかけて着地点を探ることになることでしょう。

普天間飛行場の移設は、日米両政府が1996年4月に合意しました。それが19年経ても未だ実現していません。私は、沖縄県・尖閣諸島周辺には連日のように、中国艦船や中国航空機が侵入しているのに、「今そこにある危機」から目を閉ざしているようにしか思えません。

1996年4月12日、普天間移設合意を発表する、
橋本龍太郎首相とモンデール駐日アメリカ大使

辺野古埋め立てに関する沖縄県の関与について、制度を確認しておきます。仲井真弘多前知事が埋め立てを承認したのは、公有水面埋立法に基づく県知事の承認によるものでした。同法では「国ニ於テ埋立ヲ為サムトスルトキハ当該官庁都道府県知事ノ承認ヲ受クヘシ」(第42条)とされ、国土利用上適正かつ合理的であること、環境保全・災害防止に配慮していることなどを条件としています。

この県知事の承認は、2013年12月に行われました。もちろん、法律上の要件を満たしているから、承認が行われたわけです。その後、国からの一部変更申請も承認されています。これらの承認に基づき、国は既に埋め立て設計、水域生物等調査検討などの事業を行ってきました。

仲井真全沖縄県知事
既に埋め立て事業が行われてきた中、14年11月の沖縄県知事選で、翁長氏は、辺野古移設反対を政治的に実行できる可能性はほとんどないのに、それを公約としてしまいました。この公約は現実問題として実行するのは所詮最初から無理筋でした。

日米両政府が普天間返還に合意した1996年以降5回の知事選において、翁長知事は、辺野古移設反対を掲げて初めて勝利した知事でした。逆にいえば、それまで反対しなかったので、辺野古埋め立てへの既成事実が積み上げられてきたともいえます。

知事選中、翁長氏は、承認決定をひっくり返すために「過程を検証し、法的問題があれば承認を取り消せる」と主張していました。沖縄県は今年2月に第三者委員会を立ち上げて、6月までに結論を出す予定です。今回、翁長知事が作業中止指示を出したのですが、後からとってつけた強引な話でした。政府はこの中止命令を無効としています。今後司法手続きになるでしょうが、その時に翁長氏の「無理筋」ぶりが明らかになることでしよう。

民主党政権時代、鳩山由紀夫首相(当時)は何の裏付けもなく、普天間基地は「国外、最低でも県外」と言い出しました。しかし、結局のところ辺野古に逆戻りとなりました。ここ20年近くの事実の積み重ねを考えると、辺野古移設以外に解決策を見いだすことは難しいです。

普天間基地移設問題について無責任な発言をした鳩山

この意味で、政権交代で国民、とりわけ沖縄県民に甘いことを言った民主党の責任が大きいです。沖縄県民の期待を裏切り、日米関係を傷つけ、時間を浪費した責任は重いです。鳩山氏は先日も、ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島を訪問し、日本政府の立場と180度違う言動を繰り返していましたが、まさに「国賊」といういわれても仕方ない所業だったと言わざるを得ません。

さらに、普天間飛行場は、住宅密集地に強引に建設されたのではありません。畑作が営まれていた丘陵地に基地を建設したら、その後、周辺に人々が住むようになり、学校がつくられたのです。多くの住民は、基地周辺に自ら住むようになったのに、「危険だから、基地は出ていけ」と訴えているのです。



翁長知事は、より安全な辺野古への移設に反対していますが、反対するのみで安全保障や環境を見据えた、現実的な代替計画案を発表したことはありません。単に「普天間飛行場を県外に」「辺野古移設反対」と主張しているだけであり、本質的に先の鳩山氏の主張と何も変わりありません。

私は、国民1人ひとりに「国を守る」という強い意識があってこそ、日本は「真の独立主権国家」たり得ると考えます。米国に国防を依存する意識を脱却して初めて、日米は真の同盟関係になることができます。しかし、辺野古移設とそれとは全くの別問題です。

翁長知事は、政府との交渉だけでは、早晩行き詰まることは明らかと考えてのことでしょうか、米国と直接辺野古移設反対を訴えようとさえしています。

翁長氏は選挙公約で、辺野古移設に反対する自らの考えを、日本政府を通じてではなくアメリカ政府に直接伝えることが目的の、沖縄県駐在職員をアメリカに配置することをうたっていました。4月1日には、2014年9月まで在沖アメリカ総領事館の政治担当特別補佐官を務めた平安山英雄(へんざん・ひでお)氏に辞令が交付されています。

平安山英雄(へんざん・ひでお)氏
平安山氏は、約30年にわたって経済や政治担当として歴代の総領事を支えた。これまでアメリカ国務省職員として辺野古移設を推進する立場にあったことについて、平安山氏は記者団に対し、「知事の命を受け誠心誠意頑張るしかない」としており、「まず国務省、国防総省の方々と会って、知事の考え、県民の考えを伝える」と語りました

こんなことをしても、米国としては、誰かは平安氏と会って話を聴くくらいのことはするかもしれませが、ではそれで何かが変わるかといえば、そんなことは全くあり得ないでしょう。出来ることといえば、情報集収集くらいなものでしょうし、その情報も政府が得られるもの以下ということになるでしょう。

なぜなら、米国にとっては、辺野古移設問題を話あう相手は、日本国の代表であり、それを曲げて、沖縄の代表と話し合うわけにはいかないわけです。

これは、たとえば、ある製品の販売を日本のある総代理店に任せたとすれば、その代理店以外の会社や個人から何か申し出あったとしても、受け付けることはあり得ないのと同じ理屈です。

もし、受け付けてもらいたいとするなら、現状の総代理店を廃し、自からが総代理店になる以外に方法はありません。しかし、主権国家において、安全保障は国の専権事項であり、沖縄県が日本国の代理となることはできません。

どう考えても、辺野古移転は、既製事実であり、翁長知事に勝ち目は全くありません。これで、翁長知事の言い分が通るようであれば、最早日本はまともな民主国家とはいえません。そんなことは、翁長知事も重々承知のはずです。だとすれば、これは単なるパフォーマンスなのでしょうか。

今後の問題は、いつ翁長知事が一旦振り上げた拳を、どう引っ込めるかだけです。政府としては、引っ込めやすくするのか、あるいは強硬に引っ込めさすか二つに一つです。どちらが、最も効果のあがり早期に解決できるか、方法を選択すれば良いだけの話です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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