2015年8月30日日曜日

【倉山満の砦】次世代の党の経済政策を紹介―【私の論評】次世代の党はすべてのマクロ政策が個々の企業の業績や、個々人の生活にどうかかわるのかを明確に訴えよ(゚д゚)!




かなり画期的なので、紹介する。

中山恭子次期次世代の党党首 写真はブログ管理人挿入

 中山恭子次期党首(正式には10月1日)の政策が発表。

次世代の党公式FBより

 その中で、喫緊の経済政策について。

・デフレ脱却まで徹底した金融緩和・消費増税10%の延期外為特会の含み益20兆円を活用した補正予算を組み景気対策

 さらに、新たに就任した和田幹事長が名目経済成長率5%のインタゲを明言。
次世代の党新幹事長の和田政宗さんが「金融緩和で名目成長率5%をめざす」と街頭で演説。他党ではあるがぜひ頑張ってほしい。 #だれが言っても正しいものは正しい

 なぜか民主党の金子洋一さんのツイッターより。ここで、名古屋での立会演説会の様子を詳細してくれている。

 今まではアベノミクスに関して、反対派は「さっさと金融緩和やめろ、増税しろ」しか言ってなくて、

その屁理屈として、「実質賃金がぁ」とか「ハイパーインフレがぁ」とか、意味不明な反対論しかなかった。

 これからは、

「安倍さん、黒田さん、生ぬるい!」という視点での議論ができるようになる。

 安保法制にしても、野党が愚論しか言っていないので、
与党が主張する線が生ぬるくても、それ以上は言えなかった。

公明党と妥協できる案を出している時点で、生ぬるいのに。
(その時点で、攻勢限界点が設定されていた)

 これからは、「与党は生ぬるい!」と正論を言う野党が出てくることで、国会での議論、ひいては国政が健全化に向かうと思う。

 明日です。こちらもよろしく。

【ニコ生(2015/08/30 16:00開始)】【次世代の党党首選2015】次期党首・中山恭子決意表明~今がそのとき~
#次世代の党首選 http://nico.ms/lv232740219
※募集内容 中山恭子 次世代の党次期党首へのご意見・ご質問をお待ちしております。

【出演者】
中山恭子 次期党首和田政宗 幹事長浜田和幸 議員平沼赳夫 党首(VTR出演)倉山満(憲政史研究者/ゲスト)次世代の党事務局/司会(おもしろすぎる政党職員)
倉山満


【私の論評】次世代の党はすべてのマクロ政策が個々の企業の業績や、個々人の生活にどうかかわるのかを明確に訴えよ(゚д゚)!

本日は、維新がらみのことも掲載しようとも思いましたが、橋本氏の場合はあまり画期的な政策もなく、結局大阪にこだわり、緊縮的な政策にはあまり期待できないように思われたのでやめました。

結局確かに大阪を良くすることは、良いことではあるとは思いますが、まずは国政がしっかりしてないと、大阪も良くはなり得るはずもなく、その中で経済はどうしても避けて通ることのできない問題です。しかし、橋本氏からは、まともな経済に関する主張はありません。

そんなところに、中山恭子氏が、次世代の党次期党首に決まったという報道が入ってきたし、政策が画期的なので、本日は上の倉山満氏の記事を掲載することにました。

まずは、次世代の党の昨年の選挙での大敗北について思い出しておくべきと思います。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。この記事は、今年1月4日のものです。
山本太郎「僕が総理大臣になったら」―【私の論評】マクロ的政策・天下国家論が欠如している山本氏。しかし、多くの政治家が、左右上下の立ち位置の違いこそあれ、山本氏と変わらず、ミクロ的な見方しかできない(゚д゚)!
山本太郎氏 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では山本太郎氏の「僕が総理大臣になったら」という新春の言葉について、ほとんどすべてがミクロ的な見方しかしていないことを批判しました。氏の中で唯一マクロ的なのは、消費税をなくすという提言ですが、それにしても、金融緩和について全く触れずで、全く頓珍漢ですし、そもそも消費税撤廃のための財源などのことはには一つも触れていません。これでは、あまりにも無責任です。

しかしながら、山本氏のようにミクロ的な見方しかできない、政治家も多く存在することも現実です。そのことについても、この記事で以下のように批判しました。

しかし、ここで考えてみると、山本氏に限らず、日本のほとんどの政治家が、ミクロ的なことばかり語っています。山本氏と立ち位置が異なっていても、発言内容が一見まともに見えたにしても、ほんどがミクロ的なことばかりです。本当は、こんなことで良いはずはありません。

無論ミクロ的な見方も重要なこともありますが、国政レベルになれば、本来はマクロ的な見方、マクロ的な政策が重要なはずです。

しかし、そうは言っても、「マクロ的」な見方というと、平たくいえば、「天下・国家」を論じるということですから、多くの人にとっては興味の対象外です。

年末の選挙で勝利をおさめた安倍総理
だから、今回の選挙でも、安倍総理は「天下・国家論」よりも、よりミクロ的な側面も大きい「経済」に争点として、勝ち抜きました。これと対照的だったのは、次世代の党です。彼らは、文字通り「天下・国家論」を争点として、「マクロ的」な事柄を争点として、結果として惨敗してしまいました。私は、このことが、彼らが敗北したことの大きな原因の一つだと思います。 
しかし、先ほども掲載したように、本来であれば、国政レベルでは、経済であれば、国の金融政策をどうするか、財政政策をどうするのかその大きな方向性が重要なはずです。
次世代の党は、選挙で大敗したが・・・
それに、国政であれば、経済だけではなく、安全保障をどうするのかという問題もあります。さらに、日本国自体の統治「ガバナンス)をどうするのか、もっと根本的ことをいえば、私達の国の「国柄」がどういものであり、これからはどうしていくかという大きな問題もあります。

本来は、これが国政レベルの話です。それ以外は、もっと小さなレベル、都道府県、市町村、コミュニティーの問題です。しかし、この国政レベルの「マクロ的」なことがしっかりしていなければ、「ミクロ的」な考えや、対策でいくら頑張ってみても何も変えることはできません。

だから、「マクロ的」なことはおざなりにはできないのです。しかし現在においては、多くの政治家がこれをおざなりにしてきました。だからこそ、経済も、まともな金融・財政政策ができず、とんでもない長期にわたるデフレを放置することになってしまいました。

経済が、デフレスパイラルの底に沈んでいるとき、いくら国民生活を良くするとか、雇用を改善すると叫んでみて、実際に雇用のミスマッチなどの改善などの、ミクロ政策を熱心に実施してみても、デフレを放置しておいては、何の解決にもなりません。

デフレでも頑張っていますなどと、虚勢をはってみても、何かミクロ的な手を打ってみても根本は解決しません。水道管が破裂したときに、水を必至で汲み出しているようなものです。水道管の破裂を修理しなければ、これは解決しません。デフレも同じことで、まずは金融緩和政策、積極財政で、デフレを脱却しなければ、様々な問題に個別で対応しても、全く解決できません。

しかし、ながら多くの政治家がマクロ的なことは何もせず、個別のミクロ的なことばかりに注力して、結果として、古今東西に例を見ない、長期間のデフレを放置してきました。

しかも、昨年は8%増税などという馬鹿げたことをしてしまい、せっかくアベノミクスの効果が、目に見えて顕著になってきたにもかかわらず、最近では、その効果は帳消しになり、元の状態に近くなってしまいました。
この記事では、次世代の党についても批判しましたが、その内容としては、次世代の党は、マクロ的なことである天下・国家論を全面に強く打ち出しましたが、残念ながら経済対策については強くは打ち出していないかったことが敗因であるとしました。

無論、次世代の党は結党してから、最初の選挙までにあまりにも時間がなかったことから、準備不足という点は否めないです。この点は、割り引いて評価すべきとは思います。

国政とは、確かにマクロ的な政策を扱うのが本筋であり、次世代の党はその点は間違ってはいませんでした。しかし、私はミクロ的な側面(個々の企業の業績、個々人の生活)に直接大きな影響を与えるマクロ政策である経済政策については、魅力的なビジョンを提供でなかったことが、間違いなくあの大敗北につながったと思います。

有権者としては、天下国家ばかり論じられても、自らの現実からはかけ離れていて、ピンと来ません。だから、有権者には、たとえ天下国家を論じたとしても、それが結果として、有権者にどのように関わりがあるのかを単純明快に訴えなければ、関心を示したりはしません。

だから、こそ多くの政治家は、ミクロ的な話ばかりしがちで、それこそ山本太郎議員のように無責任になってしまうのです。

一番良いのは、天下国家の話をしつつも、それが有権者の実生活にどのように関わるか、あるいは関わることになるかを訴えることです。そのためには、国政をつかさどる政治家としては、ミクロ的な話をするにしても、マクロ的に裏打ちされた話をしなければなりません。

ミクロ的な政策に関しては、政府はどうにもできません。政府ができることはマクロ的なことに限られます。このあたりの区別のつかない政治家があまりに多すぎます。

その点、安倍自民党は、財政に関するマクロ的な政策でありながも、具体的に10%増税を延期するということで、大成功しました。このように経済的な政策は、マクロ政策でありながらも、有権者の日々に最も関わりがあることなので、有権者も理解します。

しかしながら、次世代の党はこのようなことは、せずに天下・国家論を中心に据えたために大敗北を喫しました。

天下国家を論じ、マクロ経済には無頓着だった石原慎太郎氏が退いたこともあり、次世代の党はこうした反省をして、ブログ冒頭に示してあるように、今度は日本の経済をまともにするために、ここ1〜2年で実施しなければならないことを政策に盛り込み、素晴らしい内容になっていると思います。

外為特会の含み益20兆円については、説明が必要だと思いますので、以下に若干説明をします。

通称外為特会、正式名称は外国為替資金特別会計です。これは、政府が行う外国為替等の売買に関し、その円滑かつ機動的な運営を確保するため外国為替資金が設置されるとともに、その運営に伴って生じる外国為替等の売買、運用収入等の状況が区分経理するために設置された特別会計です。

外為資金として127.9兆円(2013.3末)。このうち外貨債権は103兆円(証券は99.5兆円、貸付3.5兆円)です。ちなみに、外貨証券の満期は1年以下1割、1年超5年以下6割、5年超3割)となっています。一方、外貨負債はありません。ということは、円安は資産を膨らませるだけであり、政府財政にとっては確実にプラスです。ざっくりみると、外為資金での円安による評価益は20兆円程度です。



上のグラフでみてもわかるように、元々我が国の外貨準備高は他国に比較してかなり多いです。円高の現在、このような会計はあまり意味をもたなくなりました。しかし、これを取り崩さなくても、含み益が20兆円もあるわけですから、これこそ、この時期につかうべぎてす。

次世代の党、これからこのような経済政策をどんどんと訴えていき、政府がまともな経済政策を実施しやすい環境をつくっていくべきです。

ここ1年くらいは、このくらいで良いかもしれません。急いては事を仕損じるという諺もあります。現状ではこのくらいで、良いと負います。

将来的には、日銀法の改正をして、日銀の独立を世界水準のまともなものにしていただきたいものです。また、政府の子会社ともいうべき日銀と政府との関係を別々に捉えるのではなく、通常の企業のみられる親会社と小会社の関係のように構築しなおすことを統合政府化といいますが、統合政府化しただけでとてつもないことが起こることも明確に示してほしいです。

とてつもないこととは、統合政府の連結決算です。銀行のバランスシートは単純にいえば、資産に国債、負債は日銀当座預金と日銀券です。日銀当座預金は日銀券と代替可能なので、日本銀行の負債は日銀券のみです。

となると、アバウトには、日本銀行のバランスシート(2014年3月末)は、資産の国債200兆円、負債の日銀券200兆円とみてもいいです。これを国のバランスシートに合算すれば、負債の中の公債・政府短期証券が200兆円減少し、その代わりに日銀券200兆円が入るわけです。

ここで、日銀券200兆円は、形式的には負債ですが、利息負担もないし、返済義務もありません。いってみれば、この分は負債とみなさない考え方もありえます。その考え方にたてば、債務超過額は490兆円から290兆円になるわけです。このあたりについて、公会計で定説はないと思いますが、日銀保有国債分については、国にとって償還も利払いも必要ないので、債務超過額が減ったみなすべきです。


このように、日銀のBSと政府のBSsを連結すると、統合政府全体の負債超過は200兆円減となるのです。となると、これは、他の先進国と比較しても、さほど負債は大きいということにはなりません。

ちなみに、統合政府のような考え方はまやかしだと言われる方もいるかもしれませんが、企業会計では、連結決算は必須です。連結決算をしないと、親会社が小会社に赤字を押し付けて、親会社だけは黒であるように装うようにすることもできます。

ギリシャのような国では、統合政府ベースでみても、真っ赤な大赤字で、外国から金を借りないと同しようもない状態になっています。しかし、日本はそうではありません。それどころか、日本は対外金融純資産(外国に貸し付けているお金)の額は、過去20年間世界一です。

さて、いろいろ課題はあります。これは、次世代の党が活躍できる場面がこれからもいくでもあるということです。

さて、次世代の党は、マクロ政策である安全保障政策についても、もし憲法解釈による集団的自衛権の行使ができないなどということにでもなれば、具体的に企業や国民一人ひとりどのような脅威があるのか、誰にもわかるように説明責任を果たして行くべきです。

このように、次世代の党は、マクロ経済政策におよばす、安全保障政策も含むすべてのマクロ政策が個々の企業の業績や、個々人の生活にどうかかわるのか、それを明確に訴える党に変身していただきたいものです。

そうすることにより、与党政府も影響され、日本の政治風土も、官僚主導から政治主導へと変身していくものと思います。さらに、このようなことを本当に実施できれば、次世代の党は発展し、倉山氏も指摘するように、中山恭子総理大臣が日本初の女性総理大臣になる日がやってくるかもしれません。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?


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以下に次世代の党に関連する書籍三冊をチョイスさせていただきました。


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2015年8月29日土曜日

潘国連総長「抗日パレード」参加、身内からも疑問の声 中国の軍拡を正当化―【私の論評】奇行を繰り返す中韓は、ますます国際社会から遠い存在になる(゚д゚)!


中立性を欠く行動が目立つ潘基文国連事務総長

国連は27日、潘基文(パン・ギムン)事務総長が中国・北京で9月3日に開催される抗日戦争勝利記念行事に出席すると発表した。日本政府は「国連は中立の立場で臨んでほしい」とする懸念をニューヨークの国連代表部を通じて伝えたが、軍事パレードにまで出席する予定の潘氏の行動は中国の軍事力強大化に正当性を与えかねない懸念があり、国連関係者の間にも疑問の声が出ている。

外務省幹部は28日、「いたずらに過去のことに焦点を当てる行事に、国連事務総長がのこのこと出掛けていくのはいかがなものか」と指摘。かつて天安門事件が起きた場所で軍事パレードが行われることを念頭に「国連が掲げる自由や人権などの精神を体現して(事務総長が)出席するのか」と懸念を示した。

記念行事にはロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領ら30カ国の元首や首脳級が出席を予定しているが、オバマ米大統領や安倍晋三首相は出席しない。欧州メディアによれば、出席する欧州連合(EU)の首脳・元首は、チェコのゼマン大統領のみだという。

日本は潘氏の行動に「懸念」を示したが、国連関係者は「日本は、(ロシアの対ドイツ戦勝70周年式典を批判した)ウクライナと同じぐらい声高になれるのか? 中国に一体、誰が立ち向かうのか」と述べ、公然と批判を強めるべきだと訴える。

潘氏は2010年、北京で中国の胡錦濤国家主席(当時)と会談した際、獄中でノーベル平和賞を受賞した民主活動家、劉暁波氏の解放に言及しなかった。事務総長再選を目指していたためで“弱腰”と批判された。

香港で昨秋、民主的な行政長官選挙を求めて約2カ月半続いた大規模デモと当局の対応について潘氏は「内政問題」とだけ片付けた。国連外交筋は「拒否権という強大な権限を持つ常任理事国の中国に対する気の使いようは異常なほど」と指摘している。

米誌ニューズウィークに「歴史的にレベルの低い国連事務総長のなかでも際立って無能」と書かれたこともある潘氏。次期韓国大統領の最有力ともいわれるが先が思いやられる。

【私の論評】奇行を繰り返す中韓は、ますます国際社会から遠い存在になる(゚д゚)!

潘国連事務総長といえば、昨年も国連事務総長としては、問題のある行動をしていました。その記事のリンクを以下に掲載します。この記事は昨年、10月のものです。
潘国連事務総長に高まる疑問の声 ソウル前支局長起訴に沈黙 韓国世論優先? ―【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部を以下にコピペさせていただきます。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長に対し、その資質を問題視する声が強まっている。産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損で在宅起訴された問題について、一切の態度表明を見送っているためだ。出身国・韓国の世論を気にかけるあまり、「基本的人権」や「言論・報道の自由」を軽視しかねない姿勢に、「史上最低の事務総長」という評価も定着してきた。

国際政治学者の藤井厳喜氏も、潘氏を「史上最低の事務総長だ」と断じ、「韓国内の評判を気にして、沈黙を続けているのは明らかだ。本来、出身国と一線を画すことができる人でなければ、事務総長という立場に就くべきでない」と切り捨てた。 
もっとも、事務総長としての中立性に疑問符がつく潘氏の言動は、今に始まったことではない。 
昨年8月には、ソウルの韓国外務省での記者会見で、安倍晋三政権の歴史認識や憲法改正の動きに絡み「日本の政治指導者は極めて深く自らを省みて、国際的な未来を見通すビジョンが必要だ」「正しい歴史認識を持ってこそ、他の国々から尊敬と信頼を受けられるのではないか」と語った。 
国家間で主張が対立する問題について、国連事務総長が一方の国への否定的見解を示すのは極めて異例で、「国連関係者の中立性堅持」を定めた国連憲章100条に違反する可能性もある。

潘氏がここまで露骨に韓国世論におもねたり、韓国に影響力を持つ中国に気兼ねするのは、次の韓国大統領職に意欲を示しているからだとみる向きもある。
この記事では、国連が反日的であることは当然ながら、それにしても潘基文は、連合国側の常識に従うべきことを掲載しました。其の部分も、以下にコピペさせていただきます。

国連の事務総長が、反日的発言をするのは、許容されるものの、韓国におもねるのはどうかと思います。

このように書くと、驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、国連の事務総長という立場であれば、反日的発言をするのは当然のことです。

たまたま、今の国連事務総長が韓国籍ということで、話が複雑になってしまいますが、これは事実です。

『国際連合』というと、日本では世界の殆どの国が属した平和目的のための組織と思われているようです。そうして、多くの日本人が、国により力の強弱はあれ、’正義’というモラルに反しない、反することを許さない拘束力がそこにはあるはずという思い違いをしているようです。

そもそも、国際連合を英語で何というのかを知れば、その実体は自ずと分かるはずです。

ニューヨークの国連本部 クリックすると拡大します
国際連合は、英語では『United Nations 』―直訳すると「連合した国家」ということです。 この言葉には、InternationalとかGlobal という日本語でいう「国際」という単語は入っていません。 
そうして、第二次世界大戦の『連合国』も、英語で『United Nations 』です。

なぜ、わざわざこのような名称にしたのか考えてみれば明らかです。"United Nations"には、何のための連合であるかということすら示されていません。 
日本人の感覚からすれば、United Nations for International Peace 略してU.N.I.P であれば、受け入れやすいかもしれませんが、現実はそうではありません。 
歴史的にいうと、日本では戦中は『United Nations』を『連合国』と訳していましたが、戦後に『国際連合』と訳を変えています。 
中国では現在も「聯合國(連合国)」と呼んでいます、日本以外の国では、『連合国』と意味で国際連合をとらえています。 
今更、「日本人は『国連』と『連合国』を別物だと思ってましたなどと言えば、外国人、特に戦勝国の人間には、笑われてしまうかもしれません。特に英語圏の人に笑われてしまうかもしれません。 
彼らにとっては、"United Nations"は、そのままであり、昔から今に至るまで、『連合国』であり、変わりようもないからです。 
そうして、第二次世界大戦の『連合国』と『国際連合』が英語では同じというのが、まさに実態を表しています。 
安保理の常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)は第二次世界大戦の戦勝国で国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあり、拒否権も与えられています。 
日本やドイツが常任理事国入りするためには、国連憲章の改正が必要で、5常任理事国すべてが賛成しなければならないのです。そうして、国連憲章には敵国条項があり、日本は敵国であるという条項が今でも生きています。

そんな、国連の事務総長が反日的な発言をするというのは、ある意味当然といえば当然です。

世界は今も第二次世界大戦の戦勝国のルールで動いています。日本がいかに世界平和に貢献しようとどんなに多く国連分担金を納めようと(世界2位、下表)常任理事国入りを目指そうと、中国が反対するから無理です。

国連分担金の多い国
順位国名分担率(%)分担金額
(百万未満四捨五入)
1アメリカ合衆国(米国)22.0006億1,850万
2日本10.8332億7,610万
3ドイツ7.1411億8,200万
4フランス5.5931億4,250万
5英国5.1791億3,200万
6中華人民共和国(中国)5.1481億3,120万
7イタリア4.4481億1,330万
8カナダ2.9847,600万
9スペイン2.9737,580万
10ブラジル2.9347,480万

(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2011-13年 国連通常予算分担率・分担金」(2013年))


日本の常任理事国入りを認めると、日本を許し、反日を解除しなればならなくなり、中国共産党の正当性が崩壊してしまうことになります。「5常任理事国すべての賛成が必要」という国連憲章も、改正するには5常任理事国すべての賛成が必要です。だから、中国が自滅するまでは、ほとんど不可能です。

とは、いいながら、実はこれも確かなことではありません。そもそも、日本と現在の中国、中華人民共和国とは、戦争をしたことがありません。

日本が正式に戦争をしたのは、あくまでも、現在の台湾である、中華民国です。そもそも、戦争中には、中華人民共和国など存在しませんでした。中華人民共和国が建国したのは、1949年10月1日であり、終戦後のことです。

であれば、現中国は、戦勝国ではないわけです。それが、"United Nations"という組織の矛盾です。
1942年1月1日,国連宣言を表象する世論形成
ポスター「連合国:自由のために戦う国際連合」
ましてや、朝鮮人は、戦争中は日本に併合されていましたから、戦勝国ではありません。中国も、韓国も戦勝国ではないのですから、今の国連のあり方は、本当に矛盾しているわけです。

しかし、このような背景を考えてみても、やはり、今の国連事務総長の潘基文が、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損で在宅起訴された問題について、一切の態度表明を見送っているというのは疑問です。

本来であれば、連合国側の常識に従って、韓国に対して苦言を呈するくらいのことはすべきです。

しかし、そうしないのは、やはり韓国世論を考えてのことでしょう。特に、韓国大統領になりたいという下心があるに違いありません。
潘基文が中国で開催される抗日戦争勝利記念行事に出席することについて、石平氏は以下のようにTweetしています。
このTweetにあるように、国際連合なども私物化され、自分の国の国益に利用するというのは前々から指摘されていることです。これが世界の現実です。国際連合も、国際機関などというと、耳障りは良いのですが、結局のとこ国同士の利益の衝突の場であり、しかも、第二次世界大戦の戦勝国のための組織であるということです。

しかも、その戦勝国の中に、日本とは戦争したこともないのに、抗日記念行事を行う中華人民共和国が常任理事国となっており、さらにこれも日本とは戦争もしたこともないのに、あたかも戦争したかのように歴史を修正する韓国という国の人間がトップになっているのが現在の国際連合なのです。

それにしても、中国、韓国などまたまた、国際連合の常識に反する行動をしてしまいました。国際連合に所属するアメリカや、EUのほとんどが抗日記念式典に参加しないというのに、中国はこのような式典を開催し、韓国は大統領と、潘基文も参加するという国際社会のからの逸脱ぶりです。

それにしても、世界史をまともに学んだ人間ならば、中華人民共和国が建国したのは、194年10月1日であり、韓国が建国したのが、1948年8月13日であり、しかもアメリカから承認を受けて李承晩が独立を宣言したことなど知っているはずです。

日本の大東亜戦争の敗北は、1945年8月15日です。中国が、10月1日に、独立記念日を祝うというのなら、理解できますが、戦争をしたこともない日本との戦勝を祝うというのですから、全く常軌を逸しています。これは、単なる反日プロパガンダであることは、明白です。だからこそ、第二次世界大戦の本当の戦勝国のアメリカやヨーロッパの国々のほとんどがこれに参加しないのだと考えられます。

中国は、東シナ海の埋め立てなどの奇行を繰り返し、韓国はその中国に追随して、米国を激怒させたうえに、今回も奇行を繰り返しました。このことにより、中国と韓国は、ますます国際社会から浮き上がった存在になりました。今後も、反日を続けるならば、さらに国際社会から遠い存在になっていくと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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朴大統領“自殺行為”で日米韓連携から脱落寸前 支持率急落で安保犠牲に―【私の論評】頭の悪い朴槿恵は、やるべきことはせず、中国の属国になることにより急場をしのごうとするばかりである(゚д゚)!


【関連図書】

中韓が、なぜ抗日記念式典なる馬鹿げた奇行をするのか、このような奇行が繰り返され真の理由は何なのか、そのような疑問に答えてくれる書籍三冊を以下にチョイスさせていただきました。

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2015年8月28日金曜日

“奇行”止まらぬ鳩山元首相に「公開書簡」 旧友、江口克彦氏が「最後の助言」―【私の論評】我が国には、鳩山氏も真っ青の奇行癖のある方々が大勢いる(゚д゚)!

“奇行”止まらぬ鳩山元首相に「公開書簡」 旧友、江口克彦氏が「最後の助言」


12日韓国・ソウルにある「西大門刑務所歴史館」で、靴を脱ぎ、ひざまずき、
合掌し、土下座した鳩山由紀夫の姿を見て、後ろで笑いをこらえる韓国人たち
鳩山由紀夫元首相に対して、旧来の友人だったという次世代の党の江口克彦両院議員総会長(参院議員)が「公開書簡」をしたためていたことが分かった。韓国・ソウルの西大門刑務所の跡地(西大門刑務所歴史館)で“土下座”するなど、首相経験者らしからぬ言動を繰り返し、日本人の誇りと名誉を傷付け続けてる鳩山氏に、堪忍袋の緒が切れたようだ。

江口克彦両院議員総会長(参院議員)

「鳩山さんには耳に痛いことを書いたかもしれないが、私と鳩山さんは20年ほど前、親密に交流していた友人だ。私ができる最後の助言だと思っている」

江口氏はこう語った。当初は進言することを躊躇(ちゅうちょ)したが、鳩山氏を首相にした民主党は「離党した人だから…」と、責任を放棄したような状態。「今後も同じことが起こる」「日本のためにならない」と筆を執り、23日に投函(とうかん)したという。

注目の書簡は「鳩山由紀夫先生」との書き出しで、まず、西大門刑務所歴史館での“土下座”について、「多くの日本国民が不信と疑問と軽蔑を抱く行為を、どうして敢えてなさろうとされたのでしょうか」「私は、先生に寂しさと悲しみを感ぜざるを得ませんでした」と指摘した。

今年3月、ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島への訪問についても、「日本国民の皆さん多くは、失望と憤怒の思いを強く抱きました」「日本の北方領土を占拠しているロシアのクリミア占拠を、なぜに容認されたのでしょうか」と疑問をぶつけた。そのうえで、鳩山氏の「日本に帰れないかもしれない。ここクリミアに永住してもいい」といった軽口を批判し、「クリミアに永住されるべきであった」と突き放した。

江口氏が鳩山氏に送った公開書簡

政府と沖縄県の意見が対立している米軍普天間飛行場の移設問題についても、「先生の、『TRUST ME(トラスト・ミー)!』の軽いひと言が大きな原因」「日本全体が、沖縄が、悩み、苦しみ、混迷、そして、相互不信に陥ってしまいました」「そのことに対して、先生は、ひとかけらの責任もお感じになっておられる様子もなく」「このままでは『宇宙人』どころか、『異常人』と言われかねない」などと斬り捨てている。

まさに、多くの国民が共感する、核心を突いた進言といえる。

江口氏は書簡で、元首相という存在について、「その言動は、1億2千万の日本国民の命運、日本国の命運を左右しかねない」「『公から逃れられない存在』『私人としては許されない存在』としての責任が求められます」といい、鳩山氏にこう呼びかけている。

「(元首相として)『私人にあらず、公人なり』の意識を堅持され、『品格と威厳』『謙虚な誇り』『友愛に満ちた威厳』を損なわれることのないよう」「先生が、今の『その場、その場の友愛』『哲学なき友愛』ではなく、『真の友愛』に立ち戻られることを念じます」

鳩山氏は、古い友人の進言に耳を傾けられるのか。

公開書簡そのものは、こちらから!

【私の論評】我が国には、鳩山氏も真っ青の奇行癖のある方々が大勢いる(゚д゚)!

鳩山氏は、古い友人江口氏の進言に耳を傾けることは永遠にないことでしょう。これは、ある意味、認知症の患者の方に、認知症の症状について語り、それを改めるように諭すのと同じようなものです。

鳩山氏は、自分の奇行を自分では奇行とは思っていないことでしょう。しかし、振り返ってみると鳩山氏は非常に目立つのですが、鳩山氏と同じく奇行をする人々が日本には大勢います。

こんな奇行なら見ていて楽しいが、鳩山氏の奇行は・・・・・

それは、どのような人々かといえば、たとえば一昨日このブログにも掲載したように、通貨安戦争なる考えを単純に信じ込んで、流布するマスコミや学者などはその典型例だと思います。

ここでは、通貨安戦争なる概念は妄想に過ぎないことなど、詳細は述べませんが、この通貨安戦争の妄想に関しては、何も難しい経済理論を知らなくても、他の学問的背景がなくても、普通の人の常識ですぐに看破できるものです。

しかし、マスコミや、学者や、官僚、政治家等本来常識を有していなければならない多くの人々が、通貨安戦争なる妄想を信じ込み、信じ込むだけならまだしも、それを大声で流布しています。

これは、鳩山氏と比較すれば、あまり目立ちはしませんが、鳩山氏と同じく奇行だと思います。

それに、通貨安戦争のほかにも、金融緩和政策を実施すると、ハイパーインフレになるとか、国債が大暴落するなどと主張した人たちも大勢いました。これも、奇行の類です。デフレの最中に金融緩和をしたとしても、こんなことは起こり得ないことは常識の範囲で理解できることでした。

そうして、実際に金融緩和をしてみても、彼らのいうように、ハイパーインフレにもなっていないし、国債は暴落していません。それどころか、国債の金利は下がり、短期国債などはいっとき金利がマイナスになったほどでした。

以上のことは、多くの人は、マクロ経済など理解していれば、誰にでも理解できるなどといいます。確かにそうかもしれません、学問的には確かにそうかもしれません。

しかし、マクロ経済学を完璧に理解してないと、理解できないなどということはないと思います。私は、このブログで、通貨安戦争の妄想に関しては、誰にでも理解できる言葉で、それこそ小学生にでもわかるように、平易に解説してみました。そうして、別にマクロ経済の知識がなくても、これらのことの原理は誰でも理解できるというこに、気づきました。

円安にするのは簡単だ徹底なデフレ政策をすればすぐに実現できる
マクロ経済の考え方は、確かに定量的に考えるのは難しいです。さらに、様々な事柄が複雑に絡み合うと、たとえ定量的にではなくとも、理解するのは難しいです。

しかし、マクロ経済も筋道をたてて、常識的に考えれば、少なくとも、どの方向性が正しいのかくらいのことは誰にでも見当がつきます。

ただし、実際にマクロ経済的な政策を導入するという立場で、それを実行するということにもなれば、それは話が違います。また、極端なデフレとか、極端なインフレなどのわかりやすい現象なら、誰にも理解できまずが、極端ではない事象がいくつも重なった場合は、誰もが理解できるものではなくなります。

しかし、通貨安戦争が妄想であること、はっきりとしたデフレやインフレのときに、金融政策や財政政策をの、積極財政をどの方向性で実施すれば良いかなど、統計数値などをみて、その意味も理解すれば、実は誰にでもできる常識的なことであると思います。

しかし、信じがたいことに、マスコミや識者、学者の中には、こうした常識に欠ける人が大勢いて、デフレからまだ脱却してないにもかかわにらず、8%増税をすべきという主張を繰り返すという奇行を行い、とうとうこれを実行してしまいました。その過程で、多くの人々が奇妙奇天烈、摩訶不思議な論理で、8%増税の経済に対する影響は軽微といいたてました。

8%増税の影響は軽微と主張し続けた奇行の持ち熊谷亮丸氏
そうして、これは大失敗であったことがはっきりしました。この奇行など、鳩山氏の奇行よりもまだたちが悪いかもしれません。なぜなら、もはや総理大臣でもないし、議員でもない鳩山氏あたりが奇行を繰り返したとしても、確かに恥ずかしいことですが、それでも、日本の政治・経済に直接的な影響を与えるものではありません。

しかし、増税すべきという主張は、最初から明らかに間違いで、それに対して批判する人も大勢いたのに、学者から、政治家から、マスコミから「増税すべき」と大声をはりあげ、増税に慎重だった安倍総理も導入せざるをませんでした。これは、日本国民に甚大な直接的な悪影響を及ぼしました。

さすがに、安倍総理も!0%増税などすれば、8%増税ですら悪影響が大きかったのですから、日本経済は壊滅的な打撃を受けることになり、そうなれば政権も大打撃を受けると考え、増税見送りを公約にかかげ、昨年の解散総選挙を行い、勝利して見送りを決めました。

8%増税を4月に実施した昨年の夏あたりには、もう増税が大失敗したことは誰の目にも明らかでした。にもかかわらず、大勢の学者、マスコミ、官僚、政治家が10%増税をすべきと大合唱していました。これを奇行と言わずして、何を奇行と呼ぶべきでしょう。

10%増税を主張していた谷垣禎一氏
私は、少なくとも、このような奇行を繰り返してきた人たちは、鳩山氏の奇行を非難することなどできないと思います。何よりも、まずは自分の奇行を直すか、直せないというのなら、鳩山氏のように引退すべきです。

さて、この奇行は、マクロ経済だけにおよばず、日本では様々な方面にみられます。あげれば、きりがないのですが、最近の安保関連の審議における、マスコミ、官僚、学者、政治家などの奇行も酷いものです。

安保法制を違憲とした憲法学者ら

特に憲法学者など、憲法解釈による集団的自衛権の行使は、「違憲」であると述べていました。そもそも、憲法学者の中にも少数ながら、京都学派などの主張があり、彼らは「憲法9条は、国際紛争を解決する手段として武力を行使することは認めていないが、集団、個別にかかわらず、自衛権を否定するものではない」としています。

実際に、国連憲章でも集団、個別問わず、すべての国の自衛権を認めています。また、多くの国々の憲法典でも、集団、個別に関わらず、自衛権は当然の権利であるため、あえて掲載していません。独立国が自衛権を持つというのは、世界の常識です。

こういう常識は、完璧に無視して、しかも合憲か否を判断するのは、司法であり、最終的には「最高裁判所」であることも、常識であるにもかかわらず、はっきりと「違憲」と断定していました。これは、言葉遣いが完璧に間違っています。

少なくとも、「違憲の疑いがある」とすべきでした。そうして、「少数派だが京都学派のような考えもあるが、自分の立場としては違憲の疑いがあると考えている」などと付加すれば、ベストだったと思います。

しかし、彼らは常識を逸脱して、「違憲」ときっぱりと言い放ちました。これも、完璧な奇行です。彼らも、鳩山氏を批判することなどできません。

若者の奇行
この奇行は、学者、マスコミ、官僚だけではありません。日本では若者にまで及んでいます。最近は、安全保障関連法案の成立を目指している、安倍晋三首相や同政権に反対する反対デモが行われています。このデモなど、ツイッターなどで、人数をかなり割増していることが写真つきで掲載されていたりして、実際はどの程度の規模かわからないところがあります。

そうして、大学生や高校生などによるデモもあるそうです。実際には、自主的に集まる大学生や高校生などはほとんどいないようで、左翼系が動員しているがほとんどのようです。

それにしても、実数や参加の動機ははっきりしないものの、若者もデモを加わっているのは事実です。そうして、一部の学生は「安倍死ね」「バカ」といった暴言を繰り返し、「戦争抑止法案」である安保法案を「戦争法案」と言い換えて、攻撃しています。

現役の総理大臣に「死ね」「バカ」はないと思います。さすがに、鳩山氏が首相だったとき、厳しい批判をする人はいても、はっきりと「死ね」「バカ」など公言した人はいなかったと思います。そんなことは常識だと思います。そもそも、総理大臣といえば、民主主義的手続きである選挙で勝利して、最大与党となった政党のトップですから、これを「死ね」「バカ」というのは、常識を完璧に逸脱した奇行です。

彼らは、中国が南シナ海の岩礁を次々と埋め立てて軍事基地化していることを知らないのでしょうか。中国の新疆ウイグル自治区やチベット自治区、内モンゴル自治区の人々が弾圧を受けている事実を知らないのでしょうか。日本とアジアにとって「今そこにある危機」は、中国の軍事的覇権主義による脅威であるのはもはや常識です。

炎天下子供連れてデモをするという奇行をするママたち

彼らが行っているのは、期せずしてかしていなかは別にして、中国応援デモです。中国のトップは習近平ですから、習近平応援デモと言っても良いかもしれません。

このような奇行を繰り返す人は、日本にゴマンと存在します。私たちは、鳩山氏一人を奇行癖の持ち主として批判するわけにはいきません。

それにしても、奇行癖のある方々は、他人を批判する前に、自らを省みて、奇行を改めていただきたいです。改めることができないというのなら、年配の方々なら、引退すべきです。中年層より若い層の人たちは、意思決定をする様々な活動に関わるのは無理ですから、自らの発意で仕事をするのではなくて、人に言われてその範囲の中で作業をするという平凡な人生を送るべきです。本来は、経済の話や、政権批判などすべきではないです。

奇行の持ち主ができることは、鳩山氏が如実に示しています。奇行の持主は、たとえ日本の総理大臣になったとしても、まともな仕事ができないばかりか、多くの人々を幻惑し、困らせるだけです。

日本においては、鳩山元首相を頂点に様々な奇行の持ち主が大勢存在します。この奇行を阻止しなければ、日本はとんでもない方向に行ってしまう可能性が高いです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

鳩山氏を最初の総理大臣とした民主党政権はどのように酷い政権だったのか、喉元すぎれば熱さを忘れの格言通り、忘れている人も多いです。しかし、民主党の本質は政権与党時代から何の反省もなく、そのままです。その本質を表す書籍三冊を以下にチョイスさせていただきました。

民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (中公新書)
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破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか-完全まとめ
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2015年8月27日木曜日

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う ―【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う 

習氏(下)と、江氏(上)の暗闘は、最終局面に突入した

一体どうしたことか。バンコクの「エラワン様」のたたり…ではあるまいが、中国・天津や、タイ・バンコクの後、アジア各地で大爆発が続発している。中国では、各地の化学工場が爆発炎上し、わが国でも24日、相模原市の在日米陸軍相模総合補給廠で爆発が起き、大炎上した。

本連載のタイトルがいっそう不謹慎と感じるほどに、いまアジアから世界へ、不吉な暗雲が漂い出ている。

中国では、当局発表で「130人死亡」という天津市の大爆発(12日発生)が、いまだ収拾できていない。共産党指導部は全国に対し、安全管理徹底の指示を出したが、それを嘲笑うかのように、22日には山東省●(=さんずいに災の火が田)博(しはく)市の化学工場が爆発し、1人が死亡した。23日には江蘇省蘇州市、24日には河南省鄭州市のいずれも化学工場で大火災が発生したと報じられた。

一般人の安全をも脅かす「事故」の多発に、国民の批判も高まっている一方で、虚実入り交じりの情報が、中国国内と世界を駆けめぐっている。

中国では、何か事があれば、当局によって情報が遮断、隠ぺいされるため、かえって突拍子もないガセネタが飛び交うことも珍しくない。

例えば、数日前、天津の大爆発の黒幕として江沢民元国家主席が逮捕されたとの「怪情報」が流れた。当初これを伝えたのは「大紀元時報(Epoch Times)」だ。長年、中国政府から弾圧されている気功集団「法輪功」が外国で運営するメディアで、強烈なアンチ共産党を旨とするため、時折、「願望」と思えるような記事が載る。
この不確かな情報はまたたく間に日本のネットでも広まり、後にまことしやかな写真までが拡散されかけたが、現在は「デマだ」という否定が広がりつつある。

さらなる「衝撃情報」も出た。

天津での大爆発は、習近平国家主席の暗殺失敗から起きたという説だ。反体制派が、習氏が乗る予定だった列車の爆破・暗殺を企てたが、計画が直前に漏れたため、証拠となる爆薬を爆破消滅させたというのである。

裏付けが乏しいため、これを容易に信じることはできないが、その後、連鎖的に起きた化学工場の炎上を含め、逆にすべてを単に不運な事故と信じることもまた難しい。

少なくとも、「習氏vs江派中心の反体制派」の暗闘が、クライマックス局面に入ったことは確かと見える。

こうしたなか、中国経済の先行きを不安視する心理が世界に広がり、とうとう今週、中国発の世界同時株安「ブラックマンデー」が起きた。実体経済のガタガタぶりはすでに露見していたが、政治的リスクも高まっていると世界が見てしまったのだ。

まさに、天津の大爆発は、史上初かつ最大のチャイナショックの号砲となったかのようである。

有本香(ありもと・かおり)
【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

上の記事では、中国内の権力闘争が最終段階をむかえていることを主張しています。確かにそうでしょう。

以下に、最近失脚した幹部らの派閥関係の図を掲載します。



この権力闘争は、習近平の腐敗撲滅キャンペーンが始まりました。習近平・国家主席は2012年11月、中国共産党の最高指導者に就任した際に、第一声で「トラもハエも叩く」と宣言し、大幹部だろうがヒラだろうが汚職や腐敗は許さないと公言しました。

その後の2年あまりで党や政府、企業などを含め25万人以上の幹部が摘発されました。そうして、すでに今年の5月に最終局面を疑わせるような事実が浮かび上がっていました。

それは、何かといえば、中国の労働節(メーデー)連休明けの5月4日に上海市の党・政府合同幹部大会において公布された、市の規定です。上海市でこの幹部大会が開かれたのは2006年9月に当時の市トップである陳良宇・党委書記が汚職などで解任されて以来、約9年ぶりのことでした。

この規定規定は、『上海市の指導幹部の配偶者と子女、および子女の配偶者の商業活動を管理することについて、上海市がさらに一歩規範を加えることに関する意見』という極めて長い名称のもので、簡単にいえば、「上海市幹部のファミリービジネス厳禁」とするものです。

そうして、この規定の適用範囲は中国共産党委員会や市政府、裁判所、公安(警察)、大学、国有企業、軍、港湾など市内の110以上の機関を含む公務員全体に及んでいます。

それにしても、全国的に厳しい腐敗取り締まりが続くなか、上海市だけで「幹部のファミリービジネス厳禁」が定められるのは不思議というほかありません。上海は江沢民の牙城です。習近平の狙いは、江沢民ファミリーを摘発し、いまだに隠然たる影響力を持つ江沢民を黙らせることのようです。

習は昨年9月と10月の2度にわたって、腐敗を取り締まる党中央規律検査委員会の中央巡察隊を100人規模で上海に送り込み、党・政府・軍機関はもちろん、江沢民の息がかかった国有企業などを徹底的に調べ上げて大量の重要文書を押収しました。その上で、「一部の幹部の配偶者や子女らが経済・商業活動に携わり、不正な収入を得ている」とし、上海市幹部のファミリービジネスを禁止する規定を早急に作成するよう通知しました。

中央規律検査委が調査報告のなかで、江沢民の息子の江綿恒や、その息子の江志成の名前を挙げ、「合法とは言い難いビジネスに手を染めている」と名指しで批判していました。

いずれにせよ、江沢民派はかなり追い込まれていたのは事実で、江沢民派の立場からすれば、自らも不透明なファミリー・ビジネスを営む習が我々を潰すというのなら、黙って座して死を待つくらいならと、反撃に出るというのは当然といえば、当然です。




この権力闘争の行き着く先は、どうなるのでしょうか?これについては、私の考えを以前のこのブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!
天津市内の惨状
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、今回の中国の天津の大爆発は、かつてのソ連のチェルノブイリ原発事故に相当するものであり、当時のソ連の社会・政治体制の遅れが、結果としてチェルノブイリ原発事故の原因となったものと推論しました。

その後も社会・経済体制が改善されることもなく、これがソ連崩壊に結びついたと結論づました。そうして、今回の天津の大爆発事故は、チェルノブイリほど大規模なものではないのですが、それにしても、当時のソ連がそうだったように、これは中国の遅れた、社会・経済状況を象徴するものであり、この事故をきっかけとして、中国の崩壊もあり得ることを示唆しました。

しかし、その後状況は変わり、天津の大爆発から時を経ずして、ブログ冒頭の記事にもあるように、山東省でも河南省でも大爆発が起こり、現時点でたて続けに三件もの大爆事故が発生していることから、この推論は、さらに正しい可能性がかなり高まったと思います。

習近平と江沢民の、大権力闘争は、どちらが勝ったにしても、大きなしこりを残し、行き着くその最終段階として、ソ連が崩壊したように、中国も現体制も崩壊する可能性が増してきたと思います。

私は、そう思います、皆さんどう思われますか?

【関連記事】

【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!





【関連図書】

中国の経済・社会は根本から変革する必要があります。今のままでは、いずれ制度疲労をおこし、黙っていても、崩壊します。それらについての知識を深める書籍を以下にチョイスさせていただきました。

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2015年8月26日水曜日

【日本の解き方】「通貨安戦争」報道に要注意 深刻なマスコミや学者の無知 ―【私の論評】小学生がわかる理屈を理解できない政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るな(゚д゚)!

【日本の解き方】「通貨安戦争」報道に要注意 深刻なマスコミや学者の無知 

2015.08.26
通貨戦争なる考えは、マクロ経済を知らない人のフィクションに過ぎない

中国の人民元切り下げを受けて、ベトナムも通貨を切り下げた。欧米の一部のマスコミでは「通貨戦争(currency war)」という言葉さえ出始めている。日本のマスコミも安易に「通貨安戦争」を使っているが、こうした報道をうのみにしてはいけない。

マスコミが好む「通貨安戦争」という言葉はミスリーディングだ。この言葉を使う人の多くは、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争で激化したという「神話」を信じているのだろう。

この考え方は経済理論的には間違っていたことが、最近の国際経済学研究で明らかになっている。たとえば、カリフォルニア大学のバリー・アイケングリーン教授とコロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、戦間期の為替切り下げ競争が壊滅的な結果をもたらしたのではなく、各国にとって好ましい結果になったことを示している。

その理由は以下の通りだ。どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的に外国はマイナスの影響を受けるが、その国も金融緩和をすると、両国ともにインフレ率が高くなる。両国とも許容できるインフレ率に限界があるので、際限のないインフレにはならないように、金融緩和競争はいつまでも続かない。

要するに、各国が自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争は続かないのだ。その結果、一時的な通貨切り下げによる「近隣窮乏化」は、実は各国経済が良くなる「近隣富裕化」で、世界経済全体のためにもなる。

特に、世界の先進国は2%程度のインフレ目標を設定しているので、4~5%のインフレにはならない。中国やベトナムは、中央銀行の独立性がないので、厳密な意味でのインフレ目標とは言いがたいが、それでも国家目標として、中国は3%程度、ベトナムは7%以下としている。実際のインフレ率はこれらの目標には達しておらず、その意味で、中国やベトナムの通貨切り下げは、正当化される。

マスコミが「通貨安戦争」と報道するのは、通貨の価値とインフレ率との間に、一定の関係があることを理解できずに、際限のない通貨切り下げになると思い込むからだ。通貨切り下げは、固定相場にしても変動相場にしても、一定の通貨量の拡大があり、それはインフレ率を引き上げる。マスコミが、こうしたマクロ経済の関係を理解できないのは問題だ。

マクロ経済の無知は学者にもある。4~6月期国内総生産(GDP)のマイナス成長で「アベノミクス失敗」と喜んでいる人がいる。そういう人は、金融緩和をして1ドル120円になったら日本が破綻するとも言っていた。実際にはアベノミクスの円安で日本破綻どころか、外国為替資金特別会計で20兆円も含み益ができたので、マイナス成長に対応した景気対策の財源もできている。

いずれにせよ通貨に関する話はウソが多いので注意しよう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】小学生がわかる理屈を理解できない政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るな(゚д゚)!

上の記事で、高橋洋一氏は、「通貨の価値とインフレ率との間に、一定の関係があることを理解できずに、際限のない通貨切り下げになると思い込むからだ。通貨切り下げは、固定相場にしても変動相場にしても、一定の通貨量の拡大があり、それはインフレ率を引き上げる。マスコミが、こうしたマクロ経済の関係を理解できないのは問題だ」としています。

確かに問題です。この程度のことが理解できなければ、話にも何にもなりませんが、このくらいの話定量的にまで理解しようとしたら、難しいところもありますが、原理的なことは、決して難しくありません。全くの常識の範囲です。難しい数学や、他の学問の背景がなくても小学生にも理解できます。

特定の国が、金融緩和策(様々な方策で、市場により多くのお金を供給すること)を行えば、世間に出回るお金は金融緩和策を行う前よりは増えます。それは、国内だけではなく、国外でも同じことです。相対的に特定の国のお金が金融緩和前よりも、お金が増えるわけです。

そうなるとどうなるか、当然のことながら、その特定の国のお金の価値は下がります。そうなると、その国の通貨は安くなります。逆に金融引き締め(様々な方法で、市場に流通するお金を少なくすること)をすれば、通貨高になります。これって、小学生にも理解できる簡単な理屈ですよね。お金も、モノも同じことです。世の中にすこししか、モノがないとそのモノは高くなります。逆に多数になれば、モノは安くなります。

通貨の変動の原因は小学生にも理解できる

通貨も同じことです。世界の中で、特定の国の通貨が増えれば通貨安になります。通貨が減れば、通貨高になります。単純化すれば、こういう話になります。これは、小学生にだって理解できる単純な理屈です。しかし、こう考えると、通貨安、通貨高など、常識の範囲で動いているということが良く理解できると思います。

無論、これだけで、その時々の通貨高、通貨安を正確に予測することなどできませんが、それにしても、根底にこうした考えがなければ、他の要因も加わり、全く予測も何もできないということになります。

ここで、架空の話をしていても、現実世界のことに当てはめることができなければ、意味がありません。以上のことを知った上で、東日本大震災のときに、なぜ空前の円高になったのか、簡単に説明してみましょう。

東日本大震災 巨大津波

東日本震災が起こった直後から、被災された人を救助したり、行方不明の人を探したり、非難している人たちに対して、水・食料を供給しなければなりません。最初は、水・食料の供給ですんでいても、いずれ衣服が必要になります。そうして、供給が止まった、電気・水道・ガスなどを復活させなければならなくなります。

さらに、物資を運ぶために、震災で破壊された、道路・港・空港などを修復しなければならなくります。

さらに、少したてば、避難した人々を避難所から普通の住宅に避難した人々を住まわせなければなりません。

これに必要なものは何でしょうか、そうです。先立つものは、銭です。銭がなければ、政府や自治体なども、食料も水も、建築資材も、建築資材を使って工事をする人たちの賃金をまかなうことはできません。だから、震災のない時と比較すれば、随分とお金がかかることになります。

そうなると、どうなるでしょう。日本国のお金である円が普段よりも使われることになります。これを経済用語でいえば、円の需要が高まるわけです。

円が普段よりも使われて、円の需要が高まれば、どうなるでしょうか。そうです。他の国々の通貨は、震災などに見舞われていないので、需要は高まっていないのに、円の需要だけがかなり高まればどうなるでしょう。

無論円高です。日本以外の国でも、自然災害などが発生すると、これと同じような経緯で、当該国の通貨が割高になることは良くあることです。実際、2011年1月、日本の東日本大震災直前にオーストラリアで、大規模な水害が発生したときに、オーストラリア・ドルが値上がりしていました。

オーストラリア大水害で取り残されたカンガルー
しかし、それも少しの間で、オーストラリア・ドルはすぐに元の水準に戻りました。なぜ、元に戻ったかといえば、上記の小学生にでもわかる理屈を知っていれば、すぐに理解できます。

オーストラリアでも、大きな災害がおこると、日本の東日本震災と同じような理由で、オーストラリア・ドルの需要が高まります。これをそのまま放置しておけば、オーストラリア・ドルが市場全体で少なくなり、オーストラリア・ドル高になります、自然災害からの復興もスムーズにいかず支障をきたしかねなくなります。

そこで、オーストラリアの中央銀行、日本でいえば、日本銀行にあたる、オーストラリア準備銀行は、金融緩和に踏み切りました。こうすれば、普段よりオーストラリア・ドルの需要が高まり、オーストラリア・ドル高になったのですが、通貨高はおさまり元の水準に戻り、復興に支障をきたすこともなくりました。

そうして、大きな災害時は、中央銀行がこのような施策を実行するのが当たり前のことです。

しかし、日本の東日本震災のとき、日銀は何をしたかといえば、オーストラリア準備銀行のように金融緩和をするどころか、震災以前も金融引き締めぎみだったのに、緩和をすることもなく、そのまま放置したため、日本は震災直後から空前の円高になりました。

この期間は、日本では野田政権のときにあたり、当時の為替れー土は70円台であったことを思い起こして下さい。この状況を招いたのは、当時震災の復興を増税で賄おうとして、時限的に、復興税制を課したという他の事情などもありますが、最大の要因は、日銀が金融緩和をしなかったためです。

野田政権のときの為替レートと株価 通貨安戦争などの妄想を
抱く輩の言うとおりにすれば、またこの時代にもどってしまう!
以上のようなことを良く理解して、本当に先の理屈を理解していれば、通貨安戦争などという妄想にふけることはないはずです。

ところが、そのような人が、マスコミや学者の中にも多いことを高橋洋一氏は指摘しています。

ある国が通貨安になる原因は、主に当外国の中央銀行が、上記のように、何らかの必要性があって、金融緩和政策をする場合がほとんどです。しかし、いつまでも金融緩和政策を続ければ、とんでもないインフレになります。それでも、金融緩和を続けていれば、ハイパーインフレにもなりかねません。

だから、いずれの国でも、中央銀行がいっとき金融緩和をして、その結果として通貨安になったとしても、金融緩和をどこまでもつづけていれば、インフレになるため、その政策をいつまでも継続するということはあり得ないのです。そもそも、通貨戦争をするために金融緩和をするのではなく、様々な要因によつて、金融緩和策を実行すると通貨安傾向になるということです。

このことを高橋洋一氏は、指摘しているのです。実際そうです。確かに、金融緩和をすれば、いっとき通貨安にはなりますが、だからといって、金融緩和を通貨安のためだけに、継続したとしても、いずれインフレに見舞われ、そのインフレが通貨安を帳消しにして、実体経済に害悪をもたらします。

こうなれば、元も子もなくなるわけで、実体経済を悪化させてまで通貨安にする国などは、あり得ないわけです。

それにしても、こうした小学生にでも理解できる、理屈も理解せず結果として、マクロ経済が理解できない、政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るなと言いたいです。そんなことをしても、彼らは害悪を撒き散らすだけです。

このような輩どもの発言に惑わされないためには、私が上記で示したように、特に難しい勉強をしなくても、常識を働かせれば十分対抗できます。この常識に反するような言動を見つけたら、私はこのブログで徹底的叩いていきます。私達は、普段から常識を働かせて、嘘を吐き散らす、学者やマスコミどもの言動に惑わされるべきではありません。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】






【関連図書】

本質は、小学生にでもわかる経済・金融の理屈、それらを無視して、まことしやかに、嘘を語る、似非学者どもの嘘を見破るれるようになるための、参考書として以下に三冊の書籍をチョイスさせていただきました。


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2015年8月25日火曜日

【スクープ!】母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない―【私の反論】安倍嫌いもここに極まれリ!これは、単なる醜悪な妬み、嫉み以外のなにものでもない(゚д゚)!

 【スクープ!】母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない

眠そうにしている安倍総理 しかし、他にも眠そうな議員、眠っている議員もいるが・・・・
もういい、十分やった、見ていられない。安倍総理の母、洋子さんが、心を痛める。「ゴッドマザー」と呼ばれた勝気の女性を、ここまで心配させるほど、総理の心身は、ボロボロになっている。

~中略~

「総理は、相当疲れているようで、富ヶ谷(渋谷区)の自宅に帰るとバッタリと眠ってしまうそうなんです。 

本当なら、安全保障、原発、労働者派遣法、TPPなど、ストレスの種となる難問が山積していて、これらについて勉強しなければいけないのに、『起きていられない』状態だといいます。

トイレに駆け込む回数も増えています。ストレスで持病の潰瘍性大腸炎が悪化している可能性が高い。私邸に帰るのも、たいてい午後10時前と早くなっています」(官邸スタッフ)

精神的な負担も積み重なっている。官邸スタッフが続ける。

「自民党議員の失言もあり、イライラして、官邸でも頻繁に怒鳴っている。感情のコントロールが効きにくいようです。これは、持病の薬の副作用もあるらしい。
大腸炎の薬、ステロイドは、量が増えると躁鬱気味になり、感情の起伏が激しくなりやすいと言われています。おそらく、服用量が増えているのでしょう」

結果的には誤報と分かったが、一時は安倍総理が吐血したという情報が永田町を駆け巡ったのも、総理の現状を物語る。

いま、こうした安倍総理の体調、精神状態の悪化を、誰にも増して心配している女性がいる。総理にベッタリの側近よりも、自民党の代議士よりも、誰よりもだ。

それは、安倍総理の母、洋子さんである。

「最近、洋子さんはしきりに、『晋三の体調が心配』と周囲に漏らしています。洋子さんは、総理私邸の3階、安倍夫妻が暮らすワンフロア上に住んでいますが、ことあるごとに総理の所へ行き、
『体重は減ってない?』『今日は何を食べた?』『夜は眠れているの?』と聞き、これ以上ないほど気をつかっているのです。

総理は慶応大学病院で定期的に人間ドックを受けるのですが、その予定についても、『そろそろ健康診断する頃だったわよね』と念入りに確認しているそうです。

総理の体調がすぐれない時は、消化にいい具材で雑炊を作っている。いままではお手伝いさんに作らせることが多かったらしいのですが……。 

洋子さんがここまでするのに驚いています。若くして亡くなった夫の晋太郎(元外務相)さんを重ねているのでしょう」(安倍家と親しい関係者)

~中略~

かつての洋子さんは、いいニュースに対しても、悪いニュースに対しても、きわめて冷静だった。'03年、晋三氏が幹事長になったとの非公式の報を受けた際には、各所に電話を入れようとする夫人の昭恵さんを、

「政界では、何が起こるか分からない。公式発表があるまで待ちなさい」

とたしなめたという。目標達成のために、決して舞い上がらない。この強い母あってこその安倍総理だった。

その洋子さんが、いまひとつの決断を下そうとしている。

「晋三さん、もういいのです。あなたはお祖父さまやお父さまの無念を晴らし、私の期待に立派に応えてくれました。これで十分なのです」

母から息子への引退勧告である。

いまや、安全保障法制の整備は参議院の通過を待つだけになっている。

現在、洋子さんは87歳。岸内閣が退陣した'60年から55年の歳月を経て、父、夫、息子の3人の力で、悲願である憲法改正への足がかりは確実なものとなった。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の反論】安倍嫌いもここに極まれリ!これは、単なる醜悪な妬み、嫉み以外のなにものでもない(゚д゚)!

安倍首相の体調不良説は、このサイト記事の以前にも週間文春によるものもありました。週刊文春の記事の一部を以下に引用します。

6月30日、JR東日本社長や稲田朋美政調会長との会食の時に、
突然、気分が悪くなった総理が、トイレに駆け込み、血を吐いたというのです。その場に控えていた今井尚哉秘書官が慌てて別室を用意し、慶應大学病院の医師を呼び、総理は診察を受けたと聞きました。(官邸関係者)
 この記事は、匿名の、しかも「聞きました」という間接コメントですから、どこまで信憑(しんぴょう)性があるかは、はなはだ疑問です。

この文春の記事に関して、安倍首相の事務所は20日、19日発売の週刊文春に、「安倍晋三首相『吐血』証言の衝撃」との見出しで首相の体調に関する記事が掲載されたことに対し、週刊文春の新谷学編集長と、発行元の文芸春秋の松井清人社長あてに、記事の撤回と訂正を求める抗議文を郵送したことを発表しました。

抗議文では、「全く事実無根の内容が含まれており、個人を中傷し、読者に著しい誤解を与える悪質極まりないもの」と批判し、法的措置も検討するとしていました。

このサイトの元記事となる『週刊現代』(8/29)の記事でも、ブログ冒頭のサイトの記事のように、
結果的には誤報と分かったが、一時は安倍総理が吐血したという情報が永田町を駆け巡った。
として、最終的に誤報であったとしています。

それにしても、この『週刊現代』の記事といい、サイトといい、酷いです。このタイトル『母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない』はとんでもないものです。

洋子さんが「引退勧告」したなどという内容は、一言も掲載されていません。推測で、「いまひとつの決断をくだそうとしている」と断定しています。全く信ぴょう性に欠けます。

安倍総理(左)と、安倍総理の母である安倍洋子さん(右)

本来なら、こういうタイトルにするなら、安倍洋子さんにインタビューして、はっきり洋子さんの発言であることを確認してからにすべきです。そうでないなら、このようなタイトルにすべきではないです。

それにきの記事、事実の断片のつぎはぎでしかありません。 また、文体も報道記事ではなく、まるで三文小説調で、妄想記事に過ぎないことが一目瞭然です。実際に安倍総理とも直接話をすることもできる、関係者なら体調を見分けるポイントを知っていると思います。しかし、ブログ冒頭の記事など熟読すると、これを知らない人が書いていることがミエミエです。

山本一太議員は、自身のブログで安倍総理体調不良説に以下にようにコメントしています。

山本一太議員
 安倍総理だって人間だ。 これだけ忙しく活動していれば、時には疲れることもある。 たまには風邪くらい引くかもしれない。 が、今の安倍総理は心身ともに強靭だ。 「日本の再生は自分の手でやるしかない!」という強烈な自負心と使命感が、身体全体の免疫力を増幅させている。 
 加えて、安倍政権の下で「日本の国際社会における存在感が復活しつつある」という明白な事実と、自分自身が今、世界で最もリーダーシップのある首脳の1人として注目を浴びているという実感が、総理のインセンティブを益々、高めている。 
 あれだけの試練を乗り越えて、再びトップの座に上り詰めた初めての政治リーダーなのだ。「地獄から生還した」と言ってもいい。 政治家としての覚悟と決意が違う。 
 永田町で時おり流される「安倍総理の体調不良説」は、安倍政権に不満を抱く人々の「願望」に過ぎない。申し訳ないが、彼らの「期待」は間違いなく裏切られるだろう。 もう一度、言う。 生まれ変わった安倍総理は(あらゆる意味で)強靭だ。
山本議員がこう述べているわけですから、安倍総理の体調不良説は本当に根拠がないと思います。もし、本当に安倍総理の体調が悪いのなら、ここまではっきりと否定することはないと思います。

安倍総理に対する嫌がらせも末期症状に達したようです。マスコミは、 60年安保の時のように国民扇動して内閣支持率を10%台まで叩き落としたかったのでしょうが、結局うまくはいっていません。 安保反対デモもヤラせデモ以上には発展しませんでした。

それにしても、ここまで事実をねじまげて捏造するというのですから、安倍嫌いもここに極まれリという感じがします。

結局、マスコミ、それも文春、現代などの週刊誌は安倍嫌いということなのだと思います。安倍嫌いはどこから来るかといえば、もう上の記事など見ていると、信ぴょう性も何もなく、安倍総理の体調が悪いと印象操作するわけですから、もうこれは正当な理由もなにもなく、ただの感情的安倍嫌いと見て良いと思います。

それにしても、人間には誰にも感情がありますから、安倍嫌いになるなとはいいません。誰でも、嫌いなものは、嫌いなものであり、そんな感情に説明などつけられません。しかしどんな場合でも、好き嫌いを仕事に持ち込むべきではありません。

仕事上で、好きな人とはいくらでも話ができて、コミュニケーションもとりやすいものです。しかし、嫌いな人と話をするのは、難しいし、えてしてコミュニケーションもとりにくいものです。しかし、仕事上では、嫌いな人とでも話をして、コミュニケーションをとっておかないと、とんでないことになります。ブログ冒頭の記事を書いた記者も、とんでもないことをしています。

安倍晋三氏が嫌いだからといって、ただ感情に走って、印象操作をするのは単なる妬み、嫉み以外のなにものでもありません。こういう人が存在する職場って、どんなところなのか、容易に創造がつきます。本当に醜悪です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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