2015年8月27日木曜日

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う ―【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う 

習氏(下)と、江氏(上)の暗闘は、最終局面に突入した

一体どうしたことか。バンコクの「エラワン様」のたたり…ではあるまいが、中国・天津や、タイ・バンコクの後、アジア各地で大爆発が続発している。中国では、各地の化学工場が爆発炎上し、わが国でも24日、相模原市の在日米陸軍相模総合補給廠で爆発が起き、大炎上した。

本連載のタイトルがいっそう不謹慎と感じるほどに、いまアジアから世界へ、不吉な暗雲が漂い出ている。

中国では、当局発表で「130人死亡」という天津市の大爆発(12日発生)が、いまだ収拾できていない。共産党指導部は全国に対し、安全管理徹底の指示を出したが、それを嘲笑うかのように、22日には山東省●(=さんずいに災の火が田)博(しはく)市の化学工場が爆発し、1人が死亡した。23日には江蘇省蘇州市、24日には河南省鄭州市のいずれも化学工場で大火災が発生したと報じられた。

一般人の安全をも脅かす「事故」の多発に、国民の批判も高まっている一方で、虚実入り交じりの情報が、中国国内と世界を駆けめぐっている。

中国では、何か事があれば、当局によって情報が遮断、隠ぺいされるため、かえって突拍子もないガセネタが飛び交うことも珍しくない。

例えば、数日前、天津の大爆発の黒幕として江沢民元国家主席が逮捕されたとの「怪情報」が流れた。当初これを伝えたのは「大紀元時報(Epoch Times)」だ。長年、中国政府から弾圧されている気功集団「法輪功」が外国で運営するメディアで、強烈なアンチ共産党を旨とするため、時折、「願望」と思えるような記事が載る。
この不確かな情報はまたたく間に日本のネットでも広まり、後にまことしやかな写真までが拡散されかけたが、現在は「デマだ」という否定が広がりつつある。

さらなる「衝撃情報」も出た。

天津での大爆発は、習近平国家主席の暗殺失敗から起きたという説だ。反体制派が、習氏が乗る予定だった列車の爆破・暗殺を企てたが、計画が直前に漏れたため、証拠となる爆薬を爆破消滅させたというのである。

裏付けが乏しいため、これを容易に信じることはできないが、その後、連鎖的に起きた化学工場の炎上を含め、逆にすべてを単に不運な事故と信じることもまた難しい。

少なくとも、「習氏vs江派中心の反体制派」の暗闘が、クライマックス局面に入ったことは確かと見える。

こうしたなか、中国経済の先行きを不安視する心理が世界に広がり、とうとう今週、中国発の世界同時株安「ブラックマンデー」が起きた。実体経済のガタガタぶりはすでに露見していたが、政治的リスクも高まっていると世界が見てしまったのだ。

まさに、天津の大爆発は、史上初かつ最大のチャイナショックの号砲となったかのようである。

有本香(ありもと・かおり)
【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

上の記事では、中国内の権力闘争が最終段階をむかえていることを主張しています。確かにそうでしょう。

以下に、最近失脚した幹部らの派閥関係の図を掲載します。



この権力闘争は、習近平の腐敗撲滅キャンペーンが始まりました。習近平・国家主席は2012年11月、中国共産党の最高指導者に就任した際に、第一声で「トラもハエも叩く」と宣言し、大幹部だろうがヒラだろうが汚職や腐敗は許さないと公言しました。

その後の2年あまりで党や政府、企業などを含め25万人以上の幹部が摘発されました。そうして、すでに今年の5月に最終局面を疑わせるような事実が浮かび上がっていました。

それは、何かといえば、中国の労働節(メーデー)連休明けの5月4日に上海市の党・政府合同幹部大会において公布された、市の規定です。上海市でこの幹部大会が開かれたのは2006年9月に当時の市トップである陳良宇・党委書記が汚職などで解任されて以来、約9年ぶりのことでした。

この規定規定は、『上海市の指導幹部の配偶者と子女、および子女の配偶者の商業活動を管理することについて、上海市がさらに一歩規範を加えることに関する意見』という極めて長い名称のもので、簡単にいえば、「上海市幹部のファミリービジネス厳禁」とするものです。

そうして、この規定の適用範囲は中国共産党委員会や市政府、裁判所、公安(警察)、大学、国有企業、軍、港湾など市内の110以上の機関を含む公務員全体に及んでいます。

それにしても、全国的に厳しい腐敗取り締まりが続くなか、上海市だけで「幹部のファミリービジネス厳禁」が定められるのは不思議というほかありません。上海は江沢民の牙城です。習近平の狙いは、江沢民ファミリーを摘発し、いまだに隠然たる影響力を持つ江沢民を黙らせることのようです。

習は昨年9月と10月の2度にわたって、腐敗を取り締まる党中央規律検査委員会の中央巡察隊を100人規模で上海に送り込み、党・政府・軍機関はもちろん、江沢民の息がかかった国有企業などを徹底的に調べ上げて大量の重要文書を押収しました。その上で、「一部の幹部の配偶者や子女らが経済・商業活動に携わり、不正な収入を得ている」とし、上海市幹部のファミリービジネスを禁止する規定を早急に作成するよう通知しました。

中央規律検査委が調査報告のなかで、江沢民の息子の江綿恒や、その息子の江志成の名前を挙げ、「合法とは言い難いビジネスに手を染めている」と名指しで批判していました。

いずれにせよ、江沢民派はかなり追い込まれていたのは事実で、江沢民派の立場からすれば、自らも不透明なファミリー・ビジネスを営む習が我々を潰すというのなら、黙って座して死を待つくらいならと、反撃に出るというのは当然といえば、当然です。




この権力闘争の行き着く先は、どうなるのでしょうか?これについては、私の考えを以前のこのブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!
天津市内の惨状
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、今回の中国の天津の大爆発は、かつてのソ連のチェルノブイリ原発事故に相当するものであり、当時のソ連の社会・政治体制の遅れが、結果としてチェルノブイリ原発事故の原因となったものと推論しました。

その後も社会・経済体制が改善されることもなく、これがソ連崩壊に結びついたと結論づました。そうして、今回の天津の大爆発事故は、チェルノブイリほど大規模なものではないのですが、それにしても、当時のソ連がそうだったように、これは中国の遅れた、社会・経済状況を象徴するものであり、この事故をきっかけとして、中国の崩壊もあり得ることを示唆しました。

しかし、その後状況は変わり、天津の大爆発から時を経ずして、ブログ冒頭の記事にもあるように、山東省でも河南省でも大爆発が起こり、現時点でたて続けに三件もの大爆事故が発生していることから、この推論は、さらに正しい可能性がかなり高まったと思います。

習近平と江沢民の、大権力闘争は、どちらが勝ったにしても、大きなしこりを残し、行き着くその最終段階として、ソ連が崩壊したように、中国も現体制も崩壊する可能性が増してきたと思います。

私は、そう思います、皆さんどう思われますか?

【関連記事】

【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!





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