2015年11月22日日曜日

日本経済はリセッション入り?中国「わが国経済の減速を喜べない日本」―【私の論評】主要な原因は8%増税によるGDPギャップの放置!中国向け輸出減少は軽微(゚д゚)!


2015年11月22日 14時6分  サーチナ


内閣府は16日、2015年7-9月期の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となったことを発表した。2四半期連続でマイナス成長となったことで、欧米の基準で言えば「景気後退(リセッション)」の局面に入ったとされる。

中国メディアの財新網は17日、日本経済は再びリセッション入りしたと伝えたうえで、中国経済も減速していることについて触れ、「少なくとも日本は中国経済の減速を喜んではいない」と論じる記事を掲載した。

記事は、日本国内では消費が伸びていないことから安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」に対して疑問の声が高まっているとする一方で、日本経済が成長できないもう1つの理由として、欧米メディアからは「中国経済の成長鈍化」が挙げられていることを紹介した。

財務省の貿易統計によれば、日本の9月の対中輸出は前年同月比3.5%減の1兆1139億円にとどまり、2カ月連続での減少となった。鉱物性燃料や自動車部品などの減少が目立った。

記事は、米紙ニューヨーク・タイムズが、「中国への輸出が減少したことで経済活動が停滞し、先行きに対する不安が広まった」と報じたことを紹介。また、英紙フィナンシャル・タイムズが「消費の伸び悩みおよび中国経済の成長鈍化が日本経済の成長を危険に晒している」と報じたことを伝えた。

さらに、日本企業はこれまで中国に対し、インフラ建設や工業生産に必要な資材や機械を輸出してきたと指摘する一方、中国でインフラ建設が鈍化するなかで建設機械メーカーなどの日本企業が危機に直面することは必然と主張。また、日本を訪れる中国人旅行客が年々増加し、日本に大きな経済効果をもたらしていることを指摘する一方、中国経済の成長鈍化によって日本企業が被る損失や直面するリスクを補填できるほどではないと論じた。

【私の論評】主要な原因は8%増税によるGDPギャップの放置!中国向け輸出減少は軽微(゚д゚)!

上のサーチナの記事の記者、日本のマスコミと同様に、日本のマクロ経済を理解していないことを如実に示していると思います。まあ、それにしても所詮外国の記者なのですから、日本経済をあまり知らないというということも無理もないところがあります。

しかし、日本のマスコミは、この中国の記事のようにやれ中国の不況が、日本経済不振の原因だとか、アベノミクスは失敗とか、頓珍漢で奇妙奇天烈な論理を振り回していますが、これは日本のマスコミとしては、絶対に許されないことです。以下に、この中国の見方が完璧に間違いであることと、今後の日本経済の立て直しのためにすべきことを掲載します。

まずは、2015年7-9月期の国内総生産(GDP)に関する内閣府の統計資料を以下に掲載します。




内閣府が今月16日発表した2015年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となりました。

マイナス成長は2四半期連続。物価の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比0.01%増、年率0.1%増でした。

他の統計も以下に掲載しておきます。興味のある方は、ぜひご覧になってください。 

増税前後の実質GDP成長率の推移消費税増税前後の主な経済指標景気動向指数の推移

上のグラフの外需依存度、内需依存度などご覧いただければ、ブログ冒頭の記事は誤りであることが良く理解できます。本当に一目瞭然です。

7-9月期の内需寄与度はマイナスですが、外需寄与度はプラスです。そうして、内需寄与度のマイナス幅は、外需寄与度のプラス幅よりもかなり大きいです。

ということは、中国への輸出が減ったにしても、他国への輸出などで、どちらかといえば輸出はGDPにプラスの影響を及ぼしていたということです。しかし、内需はかなりマイナスに寄与していたということです。

これは、やはり消費税増税の悪影響で、内需が減ったということでしょう。個人消費はプラス傾向にはありましたが、それにしても、増税しなければ本来はまだ伸びていたかもしれません。そんなこともあり、企業の設備投資などが減っているということもあります。

いずれにせよ、7-9月期の日本経済がマイナス成長になったのは、外需の減少によるものではなく、内需の減少によるものであることは、はっきりしており、ブログ冒頭のサーチナ記事のように、中国への輸出が減少したことで経済活動が停滞したためという見方は完璧に間違いであることが理解できます。

ところで、マクロ経済学では、景気後退とは2四半期連続のマイナス成長と定義しています。これに従えば今の日本は景気後退局面に入ったことになります。ただし、前期比ではなく前年同期比、つまり、3カ月前ではなく1年前と比較すれば、4~6月期は1・0%増、7~9月期も1・0%増です。

甘利明経済再生担当相は「緩やかな回復基調にある」との見解ですが、これはまったくの誤りとはいえませんが、欧米のマスコミでは、はっきりと景気後退と言い切っており、甘利氏の説明のみを伝える日本のマスコミとはかなりの温度差があります。

前年同期比プラスといっても、消費増税によって大きく落ち込んだときと比べればややマシというレベルにすぎません。現状でも、
GDPギャップ(潜在GDPと現実との差)は、少なく見積もっても10兆円程度はあります。

しかし、政府は、2014年4月からの消費増税を失敗と位置づけることはせずに、本格的な景気対策も打たないまま効き目が期待できない景気回復シナリオを繰り返してきまた。そうして、
またしても政府の見通しが崩れ去りました。

ところが、秋の臨時国会も開催せずに、年開けに国会を開くそうですが、肝心要の補正予算は3兆円程度と報道されている。これでは完璧に焼け石に水です。これについては、このブログでも以前予測したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【次世代の党ニュース】経済の現状を踏まえた緊急提言を提出―【私の論評】野田聖子も、稲田朋美もまとな政治家の器ではない!まともなのは輝きを増す中山恭子氏だ(゚д゚)!
TW
自民党に政策提言をした次世代の党
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では3兆円規模の予算では、焼け石に水に過ぎないことを掲載しました。

その根拠としては、平成14年度に決められた、今年度の補正予算も3兆円規模でしたが、上記にも示したように、結局のところ二期連続の赤字成長で、今更ながら結局何の役にもたたず、赤字成長になってしまいました。

現状ののGDPギャップを解消しないと、日銀が金融緩和をしても物価は上がらず、失業率も下がりません。いずれ、雇用状況も悪化し始めることになります。

GDPギャップを放置することは、労働力の有効利用を放棄したも同じです。これでは、政府が完全雇用状態(働く意思と能力がある人が全員雇用されていること)を作るという責務を果たすことを放棄したようなものです。

10兆円規模の補正予算というと、必ず巻き起こるのが、財源論争です。結局政府が、国債をさらに発行して、政府の借金を増やすのかという論争です。私自身は、国債を擦り増ししても、10兆円規模の補正予算を組むべきと思います。なぜなら、これによって10兆円の経済対策を行ったとしても、そのお金がこの世から消えるわけではなく、それはまわりまわって政府に再度税金という形でもどってきます。

さらに、補正予算でGDPギャップがいくぶんかでも解消されれば、その分税収が増えることになります。しかし、百歩譲って一時的に政府の借金を増やす国債を擦り増ししなくても、財源はあります。

それは、政府が保有する金融資産です。今の日本は過去の日本とは異なり、アベノミクスの金融緩和によって、円安傾向となったため、外国為替資金特別会計の含み益20兆円があります。さらに、雇用状況が良くなったため、労働保険特別会計の資産負債差額5兆円があります。これらを補正予算の財源として用いることができます。

外為特会の仕組み
そもそも、外為特会は、円高になったときの対策のための積立です。今の日本は、金融緩和によって、円安傾向ですから、外為特会を現状のように積み立てておく必要性は全くありません。であれば、含み益20兆円全部を補正予算に組み入れても良いくらいです。しかし、その半分で良いから、これを補正予算に組み入れるべきです。

場合によっては、労働保険特別会計の資産負債差額5兆円を組み入れても良いと思います。なぜなら、10兆円規模の補正予算を組んだ場合、それはGDPギャップを縮小させ、完全雇用に近づくことになるからです。

いずれにせよ、これらの金融資産は、政府が貯めこんで遣わなければ、単なる死蔵になってしまい、せっかくの資産が有効に遣われないことになってしまいます。

これらのアベノミクス効果の最大の享受者は政府です。その恩恵をどのように国民に還元するかについて、是非とも国会で真摯に議論していただきたいものです。

そうして、その際には、意外にも次世代の党が大活躍するかもしれません。なぜなら、上で私が述べたような政策をすでに、次世代の党は自民党に政策提言として、提出しているからです。

それについては、先にリンクを掲載したブログ記事にその詳細を掲載してあります。おそらく、次世代の党は、次の国会でこのことをさらに国会で話題にするものと思います。

今、経済でまともな政策を掲げるのは、残念ながら次世代の党のみです。自民党は、安倍総理とその側近は、まともなことを考えているようですが、それにしても他の自民党議員は、ほとんどがマクロ経済オンチでまともな経済対策など期待できません。

さらに、民主党などの野党のほとんども経済オンチのオンパレードです。

それにしても、次世代の党とはいっても、あの経済オンチの石原慎太郎氏や、天下国家論を強調した田母神氏などが表看板になっていた頃とは、随分変わりました。特に、従来と異なるのは、マクロ経済に関しては、非常にまともであり信頼できる政策を打ち出す政党に変身しました。

安倍総理とその側近並びに、次世代の党が先頭にたって、日本の経済をまともな方向に導いていって欲しいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年11月21日土曜日

恵山風力発電 廃止へ 維持修繕費の負担重く―【私の論評】風力発電等は本当に代替エネルギーになり得るのか、原発は即時廃炉にすべきなのか?


恵山地区の風力発電事業の風車。ドイツ製で羽根の直径70m、
羽根を含めると高さ95m。風速毎秒3mになると羽根がまわり始める。
函館市は恵山地区で行っている風力発電事業を本年度末で廃止する方針を固めた。故障のため稼働を停止している2基の風車の修繕に4000万円が必要となり、来年度以降も修繕費が発生すると試算。廃止の場合は、建設時に受けた補助金の返還義務が生じるが、費用負担が最も少ないと判断した。

 風車は旧恵山町の第三セクターが2002年4月に事業を開始したが、計画した売電収入が得られず、04年3月に自己破産した。同年12月の市町村合併で、市が事業を継承したが、その後も故障が相次いだ。

 05〜14年度の10年間で、単年度収支が実質黒字となったのは10、12年度のみで、一般会計からの繰入金などで歳出超過を補っていた。風車の耐用年数(17年)以内で事業を廃止した場合、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)からの補助金(約3億6000万円)に返還義務が生じるため、市は18年度までの事業継続を表明していた。

 風車の1号機は昨年11月に羽根の角度制御機能が故障するなどし、2号機は電力制御基盤の不具合により、今年3月27日から稼働を停止した。修繕費は2基で4000万円、2号機のみの場合は1100万円と試算。16年度以降も継続して修繕費用が生じる。2基とも廃止した場合のNEDOへの補助金返還額は概算で6200万円、2号機のみを存続した場合でも2400万円と算定した。

 過去の稼働実績を踏まえて18年度までの歳入や歳出を試算し、市の負担額を検討した結果、㈰2基を修繕した場合は7292万円㈪2号機のみを存続した場合は7442万円㈫補助金を返還し、本年度で2基とも廃止した場合は6527万円−となり、廃止の場合の費用負担が最少となった。

 市は特別会計に関わる条例改正や返還額の予算計上などを来年2月の定例市議会に提出する考え。風車は倒壊など危険な状態ではないが、撤去費用も必要になるため、当面、現状のまま維持する方針。市経済部工業振興課は「耐用年数も近づき、経年劣化が進んでいるため、維持した場合でも売電収入に見合わず、維持費も掛かると判断した」としている。 (今井正一)

【私の論評】風力発電等は本当に代替エネルギーになり得るのか、原発は即時廃炉にすべきなのか?

このブログ、最近はグローバルな記事が多いので、本日はローカルなものをとりあげてみました。風力発電の失敗については、このブログでも以前とりあげたことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
“回らぬ”風車 原因究明へ実験 府、赤字続き 伊根の太鼓山発電所-本物の代替エネルギーとは・・・・・
伊根の太鼓山発電所
この記事は、2009年9月9日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、当時京都府が丹後半島に設置している「太鼓山風力発電所」(伊根町)で風車が効率よく回らず赤字経営が続いている問題で、京都府は8日までに、利用率向上を目指した実証実験をスタートさせたことを掲載しました。実際の風力発電施設を使った実験は当時では、全国的にも例がありませんでした。

太鼓山風力発電所(たいこやまふうりょくはつでんしょ)が、結局どうなったかといえば、その後も複雑な日本海の風力や落雷による故障などが相次ぎ計画した発電量が得られず、赤字の状態が続いていました。

そのため京都府は赤字幅の削減を目的として2011年に一部の風車を撤去する方針を示しましたが、2012年9月から固定価格買い取り制度の対象となったことにより、今後の売電収入増が期待できるとして6基の存続を決定しました。

ところが、その後の故障や事故の影響により、2013年3月15日現在から、6基とも稼働を中止しています。

函館や、京都以外にも結局中止になったという事例もあります。ネットで調べた限りでは、白浜町椿の風力発電所も中止になっています。

やはり、風力発電はまだまだ、事業化するのは難しい面があるということだと思います。

火災した風力発電の羽根
まずは、風力発電は、発電量を人間がコントロールできない発電システムだということを認識すべきと思います。

地熱発電や流水型小水力発電のように、一定の発電量を常時維持できるシステムなら、たとえ発電量が少なくても役に立ちます。その上に別の発電方式の電気を積み上げ、必要な量の電気を得ることができます。

また、火力や貯水式水力のように、発電する時間帯や発電量をコントロールすることができる発電方式であれば、需要に応じて小まめに出力を調整できます。

ところが、風力発電はそのどちらでもありません。30分先の発電量予測さえできません。30分後に定格出力(Max)の電気が得られるのか、風がやんで発電量ゼロなのか分からないのです。
電気が余っている夜間であっても、固定価格買い取り制度により、風が吹いて発電したときは強制的に全量買い取りさせて、風がやんで発電できくなれば、他でまかなうしかない代物が、風力発電の現実です。これでは発電施設として役に立ちません。

さらに、電気が最も不足する「サマーピーク」と呼ばれる真夏の午後1時から4時の時間帯には、ほとんどの風力発電所がまともに発電できていません。猛暑時には風が吹いていないからです。

この根本的な欠陥を補うため、最近ではNAS電池という大型蓄電池を併設し、ウィンドタービンが発電した電気を一旦蓄電し、必要なときに取り出すという方法が採用されるようになりましたが、これもエネルギーロスが大きく、かえって資源の無駄遣いになるというのが現実です。

そもそも、NAS電池は高温にした液体ナトリウムを使うため、もともと電池自体がエネルギー(電気)を必要とします。エネルギー収支の悪さを無視して補助金を注ぎ込むか、果てしなく電気料金を値上げしていくかしない限り、使い続けることはできません。これは太陽光発電も同じです。
 
電力事業はいかに小さなエネルギー消費で大きなエネルギーを取り出すかという計算問題です。取り出せるエネルギーが電力事業はいかに小さなエネルギー消費で大きなエネルギーを取り出すかという計算問題です。取り出せるエネルギーが注ぎ込むエネルギーより小さければ意味がありません。風力発電で1の電気を得るために直接燃やせば2の電気を得られる地下資源を使うのであれば、地下資源を直接使って2の電気を発電したほうがいいに決まっています。

さて、デメリットが目立つようになった風力発電ですが、風力発電のような代替エネルギーが今後どうなっていくか、見極める方策についても、上記のブログ記事で述べました。

その部分を以下にコピペします。
エネルギーの転換に関しては、ある程度年齢以上の方(40歳以上)であれば、かなり多くの人がその転換を身をもって体験されているのではないでしょうか。そうです、家庭用の暖房用燃料の転換です。いわゆる石炭、炭、薪などから、石油への転換です。この転換のスピードはかなり速かったと思います。わずか、数年であっという間に転換しました。この転換の早さは、やはり、化石燃料の中でも燃焼効率が高いとか、石炭などよう灰が出ない、運搬が容易であるためコストが低減されたからです。 
これに比して、太陽光発電、風力発電はなかなか普及しません。その理由は、エネルギー転換効率が著しく低いからです。ドイツでは、補助金を出して無理やり太陽光発電などを増やしていますが、これを続けていけばどういうことになるか、誰もがはっきりわかることだと思います。 
私は、太陽光発電に関しては、よほどのブレークスルーでもない限り、永遠に代替エネルギーなることはありえないと思います。風力発電に関しては、ある程度見込みはありますが、これも大々的にやれば、上記のような問題もおきてきます。そうなれば、将来負の遺産を残すことになります。 
だからこそ、風力発電などは、実験程度にとどめて、ある程度技術的に確立してから本格的に発電所などの施設をつくるべきだと思います。今の段階で、巨大な発電所をつくることには反対です。太陽校発電などはやめたほうが良いと思います。太陽光発電装置には、大量の化学物質を使います。現状では、あまり問題にはなりませんが、大規模な発電所がたくさんつくられた時には、これらの廃棄に関してかなり問題となります。 
今後代替エネルギーの開発も行われ行きます。どれが、本物かを見分けるのは非常に簡単なことです。石炭から、石油に変わったように、黙っていても、あっという間に普及します。目に見えて実際にどんどん置き換わっていくものが本物であり、そうではなく、人々の話題に上っているだけ、あるいは、補助金などで無理に置き換えていくようなものは本物ではありません。 
そういった意味では、太陽光発電、風力発電なども現段階では本物の代替エネルギーではありません。将来原油が継続的に高騰して元にはもどらなくなったり、枯渇しかければ、さまざまな代替エネルギーが一挙に噴出してくると思います。その中から、本物のエネルギーがあっという間に置き換わっていくと思います。風力発電、太陽光発電に限らず、本物ではない代替エネルギーに大きく力を入れれば、将来に禍根を残すことになります。
今回函館(恵山地区)の風力発電が廃止されたので、やはりこの時の私の読みはあたっていたものと思います。この傾向は、最近の原油安によって、ますます助長されることになると思います。

代替エネルギーといえば、原発もその一つです。原発には反対の方も大勢いらっしゃるようですが、私自身は上でも述べたような有望な代替エネルギーが見つかれば、そちらに移行すべきと思いますが、今の段階では、すでに稼働していた原発に限っては、稼働させても良いと思っています。

なぜなら、廃炉をするにしても、核廃棄物が残るわけで、この廃棄物を保存したり、処理したりするにもしても、かなりコストがかかるわけです。廃炉に向けて作業を開始しても、核燃料が残っている限り安全ではないわけです。

そうして、廃炉するにしても、かなりの経費がかかります。であれば、既存の原発で安全対策を行った原発に関しては、稼働させたほうが良いという考えです。安全対策とは、いっても具体的にどの程度かというば、女川原発くらいの安全性ということになると思います。

ちなみに、女川原発は、東日本大震災のときにも無傷で、被災者をしばらくの間受け入れていました。福島原発についても、酷い被害にあったのは、古い原発で、マーク 1というアメリカ製のものです。新しい、日本製のものは、地震直後にすべて稼働を停止して、事故は発生しませんでした。

こんなことを言うと、原発なんて恐ろしいから即座に全部廃炉にすべきという人からすれば、「とんでもない」ということなるかもしれませんが、先に述べたように、即座にすべて廃炉にするにしても、核燃料が残っていて危険であることにはかわりはありません。であれば、同じく危険であっても、稼働させてエネルギーを供給するようにすべきというのが私の立場です。

いずれにしても、エネルギー問題は、単純なものではなく、様々な人の様々な思惑が絡んで、複雑な様相を呈しています。しかし、私達の身近な問題であることには変わりありません。

函館の恵山地区の風力発電の廃止のニュースでまた、エネルギー問題について考えさせられました。

いずれにしても、現在代替エネルギーとされている風力発電や、太陽光発電は、真の意味での代替エネルギーになりきれていないということは言えそうです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年11月20日金曜日

世界銀行の中国人幹部退任へ 習政権との近すぎる関係に米不満 主要ポスト失う―【私の論評】金の切れ目が縁の切れ目!金無し中国にはアメリカの支配階級も魅力も何も感じない(゚д゚)!

世界銀行の中国人幹部退任へ 習政権との近すぎる関係に米不満 主要ポスト失う 

2015.11.20

アジア太平洋経済協力会議(APEC)でも自国主導の経済圏構想を打ち出した中国に大逆風の事態だ。途上国向けに投融資や開発支援を行う世界銀行で中国人幹部の退任が決まり、中国は主要ポストを失うことになる。幹部と習近平政権との近すぎる関係に、米国など加盟国から不満がくすぶっていたとの報道もある。

世界銀行は国際通貨基金(IMF)とともに1945年に設立、途上国に幅広い援助を行っている。日本も戦後、東海道新幹線、東名高速道路などのインフラ建設で世銀の融資を受けた。国際復興開発銀行(IBRD)や国際開発協会(IDA)など複数の機関で構成され、いずれも米国が出資比率トップで、日本が2位となっている。

退任人事が話題になったのは、世銀グループで民間向けの投融資を行う国際金融公社(IFC)の長官を務める蔡金勇氏。中国籍の蔡氏は、ゴールドマン・サックスなどを経て2012年10月に現職に就いたが、IFCは今月11日、世銀前元総裁でフランス出身のフィリップ・ウエルー氏が次期長官に就任すると正式発表した。

蔡金勇
蔡氏が4年間の任期を1年近く残して退任する背景について、英フィナンシャル・タイムズ紙は、「北京(中国政府)との距離が近すぎ、あまりに多くの中国企業とのプロジェクトを推進したことで、加盟国から不満が出ていた」と報じた。

同紙によると、6月に中国国営の中国郵政儲蓄(ちょちく)銀行への3億ドル(約370億円)の出資を決めた際には、25人の理事のうち9人が抗議の意味を込めて棄権した。米国は最近のIFCによる中国企業向け投融資の案件では常に評決を棄権することで不快感を示しているという。

中国との関連では、世銀の最高財務責任者(CFO)でフランス出身のベルトランド・バドレ氏も来年3月に退任すると報じられた。米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、中国が国際的な存在感を高めるためにIDAに10億ドル(約1230億円)の融資と1億7900万ドル(約220億円)の助成金を出したことをめぐり、世銀の内部調査を受けていた。

ベルトランド・バドレ
 この案件でバドレ氏は蔡氏と一緒に働いており、AFP通信は、2人は韓国系米国人のジム・ヨン・キム総裁の側近だったとしている。

米国や日本主導の世銀でも、中国案件が組織を揺さぶる事態となったが、この先、中国主導で発足を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)はどうなるのか。

週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「中国政府の意向を強く受け、採算度外視の融資を行ったあげく、焦げ付きが発生する危険性が常に付きまとう」と警鐘を鳴らしている。

【私の論評】金の切れ目が縁の切れ目!金無し中国にはアメリカの支配階級も魅力も何も感じない(゚д゚)!

以前このブログでも述べたように、中国の金融は空洞化しています。上記の国際金融公社の中国籍の幹部、世界銀行の親中派フランス籍の幹部の退任激は、これと多いに関係あると思います。中国の金融の空洞化を掲載したいくつかの記事のリンク以下に掲載します。

まずは、中国の外貨準備高がかなりのマイナスになっていることを掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には「中国の外貨準備と資金流出入のグラフ」も掲載しました。以下にそのグラフとそのグラフに関する説明を掲載します。


さて、このグラフについては、つい昨日も別の記事で説明したので、その説明の内容を簡略にして以下に掲載します。
外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。 
中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。

中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。 
08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。 
元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。 
中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。
中国の外貨準備高の水準は従来かなりの額でしたが、この金は海外から借りていたものをもかなり積んでいたもので、真水の(外国等から借り物ではなく、正真正銘の積立金という意味)日本の外貨準備高とはもともと異なります。これは、外国からの資金が中国に入ってこなくなったどころか、中国国内の資金が海外に流出していることを示していると考えられます。

実際、中国では以前から天文学的な数値の資金が国外に流出していました。中国では、相当前から資金が国外に流れ出していたということがあります。それに関する記事を以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
中国の統計はでたらめ、現実にはマイナス成長であろうことは、以前のこのブログにも掲載した

この記事では、 保八(注:経済成長8%を死守する政策)も維持できないどころか、本当はマイナス成長といわれる中国経済ですが、金融面でもとんでもないことが発覚したことについて掲載しました。そのとんでもないこととは、中国から「大量のマネー」が姿を消しているという驚愕の事実です。その内容を以下に抜粋します。

まずは、この記事で引用した宮崎正弘氏のメルマガの内容を以下にコピペさせていただきます。
 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル  外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になるのだが。。。。。
****************************************
グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ(GFI,ワシントンの国際金融監視シンクタンク)の調査に拠れば、中国から不正に海外へ持ち出された金額が精密に報告され、驚くべき巨額の事実が浮かび上がって。 
 つい最近まで筆者は1兆800億ドルと、このGFIの数字を援用してきた(これは2002年か2011年の統計とされた)。 
 ところが新しい報告では2000年から2011年までの統計で、実に3兆7900億ドルが不正に海外へ流れた(Illicit flow)。2005年から2011年の統計で2兆8300億ドルとなる新しい数字に上方修正された。 
どの期間の統計かによって、数字が異なるのは当然といえ、もし2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録。邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたる。 
これは中国の金融が空洞化していることを示して余りある。 
以下に掲げる「ワースト・ランキング」はGFIが集計した2002年から2011年の合算統計である。 
1)中国      3兆7900億ドル
2)ロシア      8809億ドル
3)メキシコ     4618
4)マレーシア    3704
5)インド       3431 
桁違いの汚職天国、ロシアのそれも凄いが中国に比べたら何ほどのこともない。
2011年当時ですら、この有様で、最近ではさらに資金流出から加速化したといわれています。だからこそ、最近では、中国の外貨準備高が大幅な黒字から、大幅な赤字に転じたものと考えられます。

さらには、最近では以下のような記事があります。この記事は、今月6日のものです。
【異形の中国】死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた…―【私の論評】今の中国が最も恐れるのは南シナ海ではない! 日銀の追加金融緩和と、アメリカの金融制裁だ(゚д゚)!
天津大爆発は、中国経済に打撃を与えた=8月
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国の金融の空洞化に関係する部分のみ以下に掲載します。
中国の抱える債務はGDPの282%である。2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。つまり借り換え、分かりやすくいえば、ギリシャのように「証文の書き換え」が目の前に来ているということだ。

5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた。

なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。中国は日本株をほぼすべて売却していたのである。

あまつさえ中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も少しずつ売却している。次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。

加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、死に物狂いの金集めを展開している。 
これは末期的症状ではないのか。
ブログ冒頭の記事で、国際金融機関の幹部である、蔡金勇やベルトランド・バドレが退任させられたのは、上で示したように、金につまつた中国の便宜をはかるようなことをしたからです。

今後彼ら、そのまま元の地位につけておけば、中国政府の意向を強く受け、採算度外視の融資を行ったあげく、焦げ付きが発生する危険性がつきまとうことも考えられるため、それを回避するための措置です。

それだけ、中国の金融は空洞化して、末期的症状だということです。

本日は、中国に関する面白いというか、はなはだ疑問に感じる動画を視聴しました。その動画を以下に掲載します。



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この動画では、アメリカに在住し、アメリカのリアリズムに迫った視点から日米関係を分析している伊藤­貫氏をお招きし、「航行の自由作戦」で盛り上がったアメリカ崇拝の虚しさを指摘すると共に、アメリカが中国と戦争出来ない理由を、政治資金の供給源や、第4・第5­の戦場における均衡状態から解説しています。

この動画では、アメリカは、従来からエンゲージメント・グループ(親中派)、コンテインメント・グループ(反中派)があるのですが、結局のところエンゲージメント・グループのうちのアメリカのトップ0.1%の資産家が選挙に金を出しているから、アメリカは米国と戦争しないだろうとしています。

さらに、サイバー戦や宇宙戦では、米中が互角になっているので、戦争をすれば両国とも大変なことになるので、戦争しないだろうというものです。

しかし、上記で掲載したように、中国の金融は空洞化しています。また、このブログでも何度か掲載してきたように、中国の軍事技術は酷く遅れていて、日本の海上自衛隊と本格的な戦争になったとしても、半日で壊滅するほどの水準です。

中国の宇宙産業はロシアから輸入したものです。ロシアにしても、宇宙で中国に覇権を握らるような脅威には晒されたくないので、肝心要の部分はブラックボックスにしていることでしょう。サイバー戦に関しても、実体がどれほどの水準のものなのかわかりません。そもそも、両方とも表に出すようなものではなく、秘匿するものです。

そもそも、金融が空洞化してしまえば、金の切れ目が、縁の切れ目であり、金無し中国にはアメリカの支配階級も何の魅力も感じないのではないかと思います。金があるからこそ、さらに金が集まり、アメリカ支配階級にとっても、価値ある中国だったのに、もうそうではありません。

それに金融が空洞化してしまえば、当然のことながら軍事面の支出もできなくなります。特に、宇宙開発は無理です。サイバー戦くらいなら、金がなくてもある程度できるかもしれませんが、それも行き着く先は、やはり金です。

サイバー戦ともなれば、ハッカーが遊びでどこかのサイトに侵入するのとはわけが違います。多くの人材を育てること、それに機器だってパソコン程度じゃ駄目で、もっと強力なものが必要になると思います。

このようなことを考えると、伊藤貫氏の言っていることが、疑わしく思えてきます。伊藤氏は、アメリカ在住が長いですから、知らず知らずのうちに、過去にはアメリカで多数派だった、エンゲージメント・グループに多大に影響を受けてしまったため、現実を直視できなくなってのではないかと思います。

それに、インタビューしている水島氏は、TPP論議では、TPP芸人の尻馬にのって、TPPに大反対をしていました。しかし、現在ではTPP芸人バブルは完全に弾けてしまいました。こんなことを考えると、水島氏の米中の見方についても、かなり疑問を感じます。

結局のところ、中国は凡庸なアジアの一党独裁国家に過ぎないのですが、それが空前絶後の大国家であったということが、多くの人に期待を持たせたのでしょうが、今のままの体制で金無し中国がいつまでも続くとは考えにくいし、確かに米中が戦争はしないということは考えられますが、今のままの中国がそのままで経済的にも軍事的にも、アメリカと対等になるとか、いずれ追い越すとか、ましてや現在対等であるというのは、やはり幻想に過ぎないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年11月19日木曜日

パリ同時多発テロの根底にある100年の歴史―【私の論評】本当の歴史を知らなければ、今の世界も日本国内の難民・移民問題も見えなくなる(゚д゚)!


同時多発テロがあったレストラン前に集まり、ろうそくに火をともす市民ら
終わらぬ根深い憎しみの連鎖発端は第一次世界大戦

今月13日、パリで130名近くもの死者を出すテロが起こった。直後に「イスラム国」から犯行声明が出され、フランス空軍による報復爆撃が行われたというニュースも流れている。

ちなみにテロが起こった11月13日は、1918年、英仏軍がオスマン帝国のイスタンブールを制圧した日である。つまり聖戦を掲げるイスラム国にとっては、キリスト教徒にイスラム教徒が侵略された恥辱の日であり、復讐にふさわしい日と見ることもできる。

首謀者にはヨーロッパ国籍をもつイスラム国シンパも含まれているといい、戦争の歴史が作り出してしまったヨーロッパ移民社会の複雑さ、暗部をも垣間見るようである。

根深い憎しみの連鎖は、まだまだ終わりそうもない。卑劣きわまりないテロの犠牲者に対しては、哀悼の念を強くするばかりである。

ただ地政学的に見れば、1916年のサイクス=ピコ協定でわかるように、ヨーロッパ諸国がアラブ世界を民族無視で勝手に分割したこと、さらにその後、しっかりコントロールしきれなかったことが、さまざまな形をとって現在にまで及んでいる。例えば、アメリカがイラク民主化のためにフセイン政権を倒したが、その残党が「イスラム国」を作った。このたびのパリのテロもまた、それらがもたらした大きな悲劇の一つであると見るべきだろう。

こうした現代の難問を理解するには、高校レベルの世界史をおさらいしておくといい。

発端は第一次世界大戦である。

中東問題の大元を作ったイギリスの「三枚舌外交」

第一次世界大戦後にドイツの力が弱まり、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、ロシア帝国が崩壊したことで、バルカン半島から東欧にかけての地域には小さな独立国家が乱立した。

ドイツの同盟国として参戦したオスマン帝国の解体では、現代にまで続く中東問題が芽生えてしまった。それを説明するには、第一次世界大戦中のイギリスの多重外交にまで遡らなくてはならない。

1915年、イギリスはフサイン・マクマホン協定によって、オスマン帝国からの独立をアラブ人たちに約束した。

「オスマン帝国との戦いに貢献し、勝利した暁には自分たちの領土を持てる」とアラブ人たちに思わせることで、イギリス陣営への協力を取り付けたわけである。

しかし、これが虚構であったことは、その直後にイギリスがフランス、ロシアと結んだ協定を見れば明らかだ。

1916年、オスマン帝国領アジアをイギリス、フランス、ロシアとで分割、パレスチナは国際管理下に置くというサイクス=ピコ協定が結ぼれる。下図で、青がフランス、赤がイギリス、緑がロシアである。


これは、オスマン帝国の支配下にあるアラブ人が独立できるという、フセイン=マクマホン協定と明確に食い違っている。しかも、定規で引いたような人為的な国境線が後で火種になる。

さらに1917年には、イギリスは、パルフォア宣言によってユダヤ人がパレスチナに独立国家を築くことを認めた。アラブ人にしたように、「独立国家を持てる」と約束することで、ユダヤ人からの協力も得ようとしたのだ。

このようにイギリスは、戦争を有利に進めるために、それぞれの利害関係者に異なる言質を与える「三枚舌外交」を行った。そして、今日にまで続く中東問題の大元を作ってしまったのである。

統治国の勝手が生み出したクルド人問題とパレスチナ問題

ちなみに、サイクス=ピコ協定でオスマン帝国の分割案に参加していたロシアは、戦中にロシア革命が起こったため、単独でドイツと講和条約を締結していた。

ロシアはバルカン半島で勢力拡大し、オスマン帝国までも分割統治することで黒海方面への南下を狙っていたが、その野心は、自国内の革命という足元から崩れることになったのである。

ロシアが途中で戦線離脱したことで、オスマン帝国はイギリスとフランスの決定によって分割統治されることになった。

そこで生じた中東問題の一つは、クルド人問題だ。イギリスとフランスが勝手にそれぞれの委任統治領を決めたせいで、クルド人の地域は、トルコと、イギリス、フランスの勢力下にあるイラクとシリア、イランなどに分断されてしまった。

実は、最初に結ぼれたセーブル条約ではクルド人の独立国家の建国が認められていた。ところが、トルコ共和国の領土回復が認められたローザンヌ条約で、取り消されてしまったのだ。

自分たちの国を持たないクルド人は、各国では少数派だが、全体を合わせれば約3000万人にもなると推定されている。彼らの独立問題は、第一次世界大戦以降、今も中東における最大懸念の一つとなっている。

第一次世界大戦が元となった中東問題は、パレスチナ問題だ。現在のヨルダンを含むパレスチナは、第一次世界大戦後、イギリスの委任統治領となり、パルフォア宣言に基づいてユダヤ人たちはパレスチナに向かった。といっても、この当時は、もともとパレスチナに住んでいたアラブ人と移植してきたユダヤ人は、比較的穏やかに共存していたとされる。とごろが、ユダヤ人入植者が増えるにつれて、次第に土地争いなどが起こりはじめ、バレスチナ人との対立が強くなっていく。

それを、統治国であるイギリスはコントロールしきれなかった。困り果てた末、第二次世界大戦後に責任放棄して国連に丸投げにしたために、パレスチナ問題はますます混迷を極め、いまだ解決されていない。

テロは決して認められないだが100年間の歴史も知っておこう

ひとくちにイスラム教徒といっても、内側は非常に複雑である。彼らの帰属意識は国よりも部族に対してのほうが強く、しかも、先に挙げたクルド人に代表されるように、国境と部族が必ずしも一致していない。

さらに、イスラム教にはスンニ派とシーア派という二大宗派があり、多数派のスンニ派と少数派のシーア派が対立を続けているという長い歴史がある。この宗派とは別に、トルコ主義、アラブ民族主義、ペルシャ主義といった、少しずつ異なる民族意識もある。

宗派や民族意識が異なっても、最大概念であるイスラム共同体「ウンマ」への帰属意識は共有している。しかし、イラン・イラク戦争のように、同じイスラム教国同士で起こった戦争には、スンニ派とシーア派の歴史的対立が絡んでいる場合もある。

こうした背景をいっさい斟酌しようともせず、戦勝国が勝手に勢力図を決め、分け合ってしまったのが、第一次世界大戦の一つの結果だった。アラブ世界の人々は、宗教心や帰属意識もろとも、列強の手前勝手な領土欲に振り回されたのである。

現在では中東は、かつてのバルカン半島をしのぐといってもいいほどリスクの高い「火薬庫」となってしまった。目下、最大の懸案は、やはりイスラム過激派組織「イスラム国」の台頭である。「イスラム国」は、サイクス=ピコ協定の終焉を目指している。

ヨーロッパでは、今回のパリのテロ以外にも、これまでにロンドンやマドリードで一般市民をターゲットにしたイスラム過激派によるテロが起こっている。また言うまでもなく、それ以上の数、規模のテロが、中東の国々では今や日常茶飯事となっている。

この問題は簡単に解決しない。以上で見たように、100年前の話が発端になっていて、100年間も解決されなかったからだ。

テロはいかなる理由があっても認められない。ただ、この100年間の歴史も同時に頭に入れておこう。

(以上は、まもなく出される拙著「世界のニュースがわかる! 図解地政学入門」からの一部抜粋である。詳しくは同書を参考にしていただきたい)。


【私の論評】本当の歴史を知らなければ、今の世界も、日本国内の難民・移民問題も見えなくなる(゚д゚)!

上の記事では、サイクス・ピコ条約による分割を示した地図が掲載されていました。この地図のもっと詳細なものを以下に掲載します。


さて、以上のように過酷な過去の100年の歴史を持つ中東ですが、このあたりのことを良く理解していないと、なぜこれらの地域で騒乱が絶えないのかなかなか理解できないと思います。

このあたりの歴史は現代史の範疇となると思いますが、世界史の教科書では後ろの方になります。私自身は、世界史で勉強した記憶がありましたので、ブログ冒頭の記事を読む前から、当然のこととし100年前のこの地域の歴史を習った記憶があり、これが今のパリ同時多発テロの根底にあることも理解していました。

それにしても、なぜこの地域の歴史を鮮明に覚えているかといえば、大学受験のとき、世界史で受験したということもありますが、それ以外にも『アラビアのロレンス』という映画を観た記憶と鮮烈に結びついているからだと思います。

この映画を観た後で、世界史の教科書や参考書を見直し、さらにいろいろと書籍を購入するなりして、自分なりに調べてみて、当時から内紛などが酷かった中東情勢の真の原因がイギリスの三枚舌にあることが理解できました。そうして、当時のフランスやロシアなどのエゴむき出しの国益優先の結果であることも理解しました。

トマス・エドワード・ロレンス
さて、この映画のことを簡単に以下に触れておきます。
この映画は、実在のイギリス陸軍将校のトマス・エドワード・ロレンスが率いた、オスマン帝国からのアラブ独立闘争(アラブ反乱)を描いた歴史映画であり、戦争映画です。日本での公開は1963年12月でした。 
上映時間は227分。主人公の交通事故死で幕が開く衝撃的な冒頭から、彼が失意の内にアラビアを離れる余りに悲痛な終局までを、雄大に描いています。その中でも、ロレンスがマッチの火を吹き消した後に砂漠に大きな太陽が昇る場面や、地平線の彼方の蜃気楼が次第に黒い人影となるまでの3分間、敵の要塞を陥落したロレンスが、ラクダに乗って夕日が照らす海岸を悠々と歩く場面、そして延々と続く広大な白い砂漠と地平線を背景にロレンスが跨ったラクダが駆ける場面等が名シーンとされています。 
冒頭と休憩と終わりの黒画面に音楽が流れるところは、当時の映画では一般的であった 序曲、休憩、終曲です。 オリジナル版制作から実に四半世紀以上が経過した1988年に、再編集を行って完全版が制作されました。オリジナル版の上映時間は、207分でした。粗筋は、以下のようなものです。 
1914年、第一次世界大戦が勃発し、アラビアはドイツと結んだトルコ帝国の圧政下に­あった。英国は、ドイツ連合軍の勢力を分散させるため、稀代の天才戦略家ロレンスをア­ラビアに派遣する。 
アラビ王族のファイサル王子の軍事顧問となったロレンスは、ハリト­族のリーダー、アリや黄金を探し求めるアウダらとともに、独自のゲリラ戦法を駆使して­反乱軍を指揮し、アラブ国民から砂漠の英雄とうたわれるようになる。 
だが次第に自分が­軍上層部に利用されていることを知り、アラブ民族もまた、部族間の対立からロレンスを­裏切っていく・・・。 (原作 - Lawrence of Arabia) 1962, renewed 1990 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
この映画は、現在でもYouTubeでご覧いただくことができます。以下にそのリンクを掲載しておきます。



この映画などご覧いただき、さらに歴史の書籍など読まれると、現在の中東情勢が理解できるとともに、パリ同時多発テロの背景が理解でき、イギリスがなぜ厳戒態勢にはいつてるのかを良く理解いただけるものと思います。

また、過去にこのブログにも掲載したように、なぜトルコが親日的なのかその背景をさらに、良くご理解いただけるものと思います。そのブログ記事のリンクを以下に掲載します。
【中韓サヨナラ…世界の親日国】100年前エルトゥールル号の恩返しトルコ―【私の論評】中韓は両方ともステルスしよう!トルコのような、まともで親日的な国と付き合おう!なにしろ、世界では反日馬鹿国家は希少な存在に過ぎないのだから\(◎o◎)/!
五輪招致で敗れたトルコのエルドアン首相(右)は安倍首相を祝福した
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事からトルコがいかに親日的であるかを示すエピソードを以下に掲載します。
1980年から始まったイラン・イラク戦争は85年にエスカレートし、イラクの独裁者フセインは3月17日に突然、「今から48時間後、イラン上空を飛行する航空機はすべてイラク空軍の攻撃対象となる」と一方的に宣言した。 
日本政府の対応は機敏さを欠き、救援機派遣のタイムリミットはたちまち過ぎてしまった。各国民が続々と救援機で救出されてゆくのを、在イランの日本人は横目で見送るしかなかった。イランの首都テヘラン北部にはイラクのミサイルが着弾する状況で、一刻の猶予も許されない。 
この時、日本が最後の望みを託したのがトルコであった。日本側を代表して、伊藤忠商事の森永堯イスタンブール事務所長は、旧知のオザル首相(後に大統領)に電話をかけ、懇願した。 
しかし、トルコも多数の自国民を救出しなければならない。断られても当然の依頼であった。「今、日本が頼れる国はトルコしかありません」と迫る森永氏に、オザル首相は長い沈黙の後、ついに「オーケー」と答えてくれた。トルコ航空の2機のDC10がイランに飛び、215人の日本人は無事救出された。
このブログでは、トルコが親日的なのは、100年前のエウトール号の恩返しであることも掲載しました。その部分を以下に掲載します。

写真はオスマン帝国海軍「エルトゥール」。
エルトゥールル号は1890年、明治天皇に勲章を贈呈するために来日したトルコの軍艦であった。しかし、帰国途上、紀伊半島沖で台風に襲われ、座礁して乗組員650人中587人が亡くなる大惨事となった。 
この時、遭難者の救出・看護に自己犠牲的な働きをしたのが、地元・紀伊大島の島民だった。この年は漁獲量も少なく、また米価の暴騰もあり、食糧の乏しい大島ではあったが、島民は貴重な米を供出し、最後の非常食の鶏まで潰して遭難者にふるまった。 
生存者63人(一説に69人)は日本政府の厚遇を受け、2隻の軍艦により丁重に母国へ送り届けられた。この話はトルコの歴史教科書に載っており、トルコ人なら誰でも知っている。トルコはこの遭難事件の恩返しを95年後にしてくれたのだ。
エウトール号の遭難のときの厚遇が、トルコ人を親日にしているのは事実ですが、さらにトルコ人を親日にすることがこの後に起きています。

そのヒントは、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事の中にあります。それは、以下のくだりです。
ちなみに、サイクス=ピコ協定でオスマン帝国の分割案に参加していたロシアは、戦中にロシア革命が起こったため、単独でドイツと講和条約を締結していた。 
ロシアはバルカン半島で勢力拡大し、オスマン帝国までも分割統治することで黒海方面への南下を狙っていたが、その野心は、自国内の革命という足元から崩れることになったのである。 
ロシアが途中で戦線離脱したことで、オスマン帝国はイギリスとフランスの決定によって分割統治されることになった。
トルコからすれば、帝国分割案に参加していたロシアが途中で戦線離脱したことは不幸中の幸いでした。なぜなら、ロシアがそのまま居座って、この地域で勢力を拡大すれば、不凍港獲得を目指したロシアが、さらにロシアに近い、港のあるトルコ領を狙ったかもしれません。

しかし、この野望は日本によって砕かれました。そうです。日本が、ロシアを日露戦争で破ったからです。そうして、日本はロシア革命を煽り立てていました。明石(当時の階級は大佐)は日露戦争中に、当時の国家予算は2億3,000万円程であった中、山縣有朋の英断により参謀本部から当時の金額で100万円(今の価値では400億円以上)を工作資金として支給されロシア革命支援工作を画策しました。

これにはさすがのツアーも参ったことでしょう。以後ロシアは、中東どころの騒ぎではなくなり、上記にあるように帝国分割案から、戦線離脱せざるを得なくなったのです。

それどころか、日本は日露戦争で勝利を収めたわけですから、トルコの人々からすれば、トルコへのロシアの影響を葬り去り、さらに日本がロシアと互角に戦ってロシアに勝利を収めたのですから、憎きロシアをコテンパンにやつけた日本というわけで、親日的になるのもうなずけます。

日露戦争のモンタージュ写真
日本では、上記の歴史にあまり詳しくない人が、中東の難民を日本が受け入れないことに関して非難したりしています。しかし、日本は、現在の中東の問題を英国のような三枚舌で複雑にしたこともなければ、当時のトルコ帝国の領域(現在の中東地域をかなり包摂)を分割して、併合するなどのことはしていません。

さらに、イスラエル建国に関してもノータッチです。そのような日本が、中東難民を真っ先に受け入れなければならないなどということはありません。まずは、イギリスやフランスなどが最初に受け入れるのは当然のことです。

さらに、多くの日本人は、日本には移民問題は全くないと単純に信じ込んでいますが、それは全くの間違いです。多くの日本人は、移民というと、中東人とか南米人、黒人などを思い浮かべると思います。これもちろん移民ですが、日本には在日とか、中国からの移民がすでに多数存在しています。本当は移民なのに移民と呼んでいないだけです。

その実体を以下に坂東忠信氏のブログから転載します。

前回は難民について、未だ発生していない「環境難民」を含めお伝えしておりましたが、今日は移民について。
この移民受け入れに関しても、受け入れ国では様々な障害が発生していますが、実は日本もすでに移民大国なのですよ。
自覚ないでしょ?
・・・移民なんていうと、南米人とか白人黒人なんかをイメージしていませんでしたか? (^_^;)
まず、国連人口部の定義では、移民とは
「市民権(つまり国民としての主権)のある母国から1年以上離れて外国に暮らしている人」
を指し、一般的には留学生技能実習生はもちろん、特別永住者なんか言うに及ばず、1年以上の正規滞在者不法滞在者、さらに帰化した初代「移民」と定義づけられています。

日本にはすでに大東亜戦争以前から滞在している朝鮮人を中心とした移民がいて、朝鮮動乱では済州島から難民が来て定着、さらに国際化する過程で多数の移民が定着して政治活動まで展開しており、現在も難民対策の抜け道が放置されている、移民歓迎難民失敗大国なのですよ。

おまけに他国や多民族に帰属したまま、世襲で日本への滞在を黙認するという、世界に類例のない超人権偏重の「特別永住者」制度を継続中。

さらに今やこの特別永住者は国際結婚で世代を重ね、世襲滞在が可能な朝鮮系外国人とそうでない外国人の「身分格差」や「国籍ロンダリング」を生み出しているのです。
↓ 特別永住者の国籍をご確認ください。http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/187/touh/t187067.htm
その日本で民族紛争が起きなかったのはなぜか?
私達日本人がやられっぱなしだからですよ。
しかもそれを報じるマスコミが機能していないどころか、非難を恐れて正論を封じるヘタレ共が幹部に混在するからですよ。

今回も11月14日にはネットで発生が伝えられていたパリのテロについて、その報道が遅れている上に少ないのは、この情報が移民や難民の流入を阻害するであろうことが明白だからでは?
「ヘイトに繋がる」という、ヘイトの意味も知らないヘタレどもは国家の神経麻痺状態を促進させ、国民が感じるべき傷みや恐怖を伝えず、このため政府も具体的対策を講じることがないのです。

日本では特定民族による爆弾テロこそまだありませんが、個々に殺されている日本人が多数存在します。
警察庁が発表している「来日」外国人の犯罪検挙情況は、「在日」外国人犯罪を除外しているため、外国人犯罪全体の3分の2も公表していません。
(下図 上段の「在日」については、毎年発表される「来日外国人犯罪の検挙情況」に計上されていません 

↑ クリックすると大きくなります。

おまけに既遂の殺人事件に至っては全体の半分しか公表されていません。
これ↓も計上されていませんし、公表されていませんでした。(殺人未遂、傷害致死、強姦致死、過失致死は含まれていません。)



これらの犯罪の比率は外国人の人口比を完全に超えております。
さらに、かろうじて報道された事件の多くは通名報道のため、人々は国民としての傷みを自覚できず、足を貫いている棘がこれを壊死させているのです。

(ブログ管理人注:坂東氏のブログの上記図のリンクは切れていますので、詳しくは以下のリンクを参照してください)

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kokusaisousa/kokusai/H26_rainichi.pdf

はからずも命をもって移民や難民の安易な受け入れに警告を発しているフランスの犠牲者方々のご冥福を祈るとともに、日本はすでに移民国家であり、今も難民失敗国で在り続けていることを自覚しましょう。

そして、無策の政治家は政界から葬り、平和だ平等だなどの耳に心地よい偽善を疑いエセ有識者の「無識」を指摘して、国と家族を守れる政治家に、議席を与えましょう。

世界はとどまることなく流れ、前例のない事態への対処こそが明日の前例となる現在、私は前例がなくとも外国人への入国規制により、日本人の生命・身体、財産を守ることを提唱しております。
~~~~~~~~~~~~
国民と善良な外国人を保護するための入国制限法(案:仮称)」
1「国家防犯」のための入国制限  前年中における警察庁その他政府機関が発表する統計に基づき、以下の各項目における上位3カ国からの入国は、制限する。(1)犯罪検挙率 (2)犯罪検挙数(3)犯罪検挙人口
2「国家防衛」のための入国制限 過去10年間以内に以下の各項目のいずれかに該当する国からの入国は、制限する。(1)日本に到達可能なミサイルでの攻撃を示唆している(2)根拠なき反日教育や反日プロパガンダを国内もしくは国外に行っている(3)我が国に対し明確な武力を示して領土、領空、領海を侵犯している
3「国家防災」のための入国制限 ダム、発電所、その他国民や環境に重大な災害を及ぼす恐れのある施設や地形を破壊し、または人や家畜の生命および動植物生態系を損なうと疑うに足りる相当な理由がある国からの入国は、制限する。

・・・これはヘイトでしょうか?
長くなると嫌われますので(^_^;)詳細は坂東学校もしくは拙著にて。
さて、中東移民・難民が発生する要因を創りだしたのは、あくまで西欧諸国です。そうして、日本には、坂東氏が語るように、そうとは認識されない難民・移民問題が厳然として存在しています。

このようなことは、国際的にはある程度周知されていて、だからこそ、西欧諸国も日本に難民・移民の受け入れを強く要請することはないのでしょう。

中東の状況、そうしてパリ同時多発テロの根底にある100年歴史に関しては、歴史の教科書でもひもとけば、記載は少ないものの、掲載はされています。

しかし、日本の難民・移民問題についいては、坂東氏も述べているように、それを報じるマスコミが機能していないどころか、非難を恐れて正論を封じるヘタレ共が幹部に混在するせいでまるでなきが如くに扱われています。そうして、日本では教育機関も、移民問題を扱わないため、教科書を読むだけでは日本の難民・移民問題を認識することはできません。

中東のことはある程度わかるのに、なぜか日本の移民問題を明らかにしないマスコミや教育機関は、問題だと思います。

いずれにしても、本当の歴史を知らなければ、今の世界を、そうして日本を理解できないのは確かです。

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すでに日本は移民国家、しかも失敗すでに日本は移民国家、し

日本保守党・百田代表「政府の怠慢」「制裁が足りない」初出席の拉致集会で政府批判 「日朝国交正常化推進議連」の解散も要求―【私の論評】日本とイスラエルの拉致被害者扱いの違いと国民国家の責任

日本保守党・百田代表「政府の怠慢」「制裁が足りない」初出席の拉致集会で政府批判 「日朝国交正常化推進議連」の解散も要求 まとめ 百田尚樹代表は、国民大集会で日本政府の北朝鮮による拉致問題への対応を「怠慢」と批判し、経済制裁の強化を求めた。 他の政党や超党派の「日朝国交正常化推進議...