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2015年11月21日土曜日

恵山風力発電 廃止へ 維持修繕費の負担重く―【私の論評】風力発電等は本当に代替エネルギーになり得るのか、原発は即時廃炉にすべきなのか?


恵山地区の風力発電事業の風車。ドイツ製で羽根の直径70m、
羽根を含めると高さ95m。風速毎秒3mになると羽根がまわり始める。
函館市は恵山地区で行っている風力発電事業を本年度末で廃止する方針を固めた。故障のため稼働を停止している2基の風車の修繕に4000万円が必要となり、来年度以降も修繕費が発生すると試算。廃止の場合は、建設時に受けた補助金の返還義務が生じるが、費用負担が最も少ないと判断した。

 風車は旧恵山町の第三セクターが2002年4月に事業を開始したが、計画した売電収入が得られず、04年3月に自己破産した。同年12月の市町村合併で、市が事業を継承したが、その後も故障が相次いだ。

 05〜14年度の10年間で、単年度収支が実質黒字となったのは10、12年度のみで、一般会計からの繰入金などで歳出超過を補っていた。風車の耐用年数(17年)以内で事業を廃止した場合、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)からの補助金(約3億6000万円)に返還義務が生じるため、市は18年度までの事業継続を表明していた。

 風車の1号機は昨年11月に羽根の角度制御機能が故障するなどし、2号機は電力制御基盤の不具合により、今年3月27日から稼働を停止した。修繕費は2基で4000万円、2号機のみの場合は1100万円と試算。16年度以降も継続して修繕費用が生じる。2基とも廃止した場合のNEDOへの補助金返還額は概算で6200万円、2号機のみを存続した場合でも2400万円と算定した。

 過去の稼働実績を踏まえて18年度までの歳入や歳出を試算し、市の負担額を検討した結果、㈰2基を修繕した場合は7292万円㈪2号機のみを存続した場合は7442万円㈫補助金を返還し、本年度で2基とも廃止した場合は6527万円−となり、廃止の場合の費用負担が最少となった。

 市は特別会計に関わる条例改正や返還額の予算計上などを来年2月の定例市議会に提出する考え。風車は倒壊など危険な状態ではないが、撤去費用も必要になるため、当面、現状のまま維持する方針。市経済部工業振興課は「耐用年数も近づき、経年劣化が進んでいるため、維持した場合でも売電収入に見合わず、維持費も掛かると判断した」としている。 (今井正一)

【私の論評】風力発電等は本当に代替エネルギーになり得るのか、原発は即時廃炉にすべきなのか?

このブログ、最近はグローバルな記事が多いので、本日はローカルなものをとりあげてみました。風力発電の失敗については、このブログでも以前とりあげたことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
“回らぬ”風車 原因究明へ実験 府、赤字続き 伊根の太鼓山発電所-本物の代替エネルギーとは・・・・・
伊根の太鼓山発電所
この記事は、2009年9月9日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、当時京都府が丹後半島に設置している「太鼓山風力発電所」(伊根町)で風車が効率よく回らず赤字経営が続いている問題で、京都府は8日までに、利用率向上を目指した実証実験をスタートさせたことを掲載しました。実際の風力発電施設を使った実験は当時では、全国的にも例がありませんでした。

太鼓山風力発電所(たいこやまふうりょくはつでんしょ)が、結局どうなったかといえば、その後も複雑な日本海の風力や落雷による故障などが相次ぎ計画した発電量が得られず、赤字の状態が続いていました。

そのため京都府は赤字幅の削減を目的として2011年に一部の風車を撤去する方針を示しましたが、2012年9月から固定価格買い取り制度の対象となったことにより、今後の売電収入増が期待できるとして6基の存続を決定しました。

ところが、その後の故障や事故の影響により、2013年3月15日現在から、6基とも稼働を中止しています。

函館や、京都以外にも結局中止になったという事例もあります。ネットで調べた限りでは、白浜町椿の風力発電所も中止になっています。

やはり、風力発電はまだまだ、事業化するのは難しい面があるということだと思います。

火災した風力発電の羽根
まずは、風力発電は、発電量を人間がコントロールできない発電システムだということを認識すべきと思います。

地熱発電や流水型小水力発電のように、一定の発電量を常時維持できるシステムなら、たとえ発電量が少なくても役に立ちます。その上に別の発電方式の電気を積み上げ、必要な量の電気を得ることができます。

また、火力や貯水式水力のように、発電する時間帯や発電量をコントロールすることができる発電方式であれば、需要に応じて小まめに出力を調整できます。

ところが、風力発電はそのどちらでもありません。30分先の発電量予測さえできません。30分後に定格出力(Max)の電気が得られるのか、風がやんで発電量ゼロなのか分からないのです。
電気が余っている夜間であっても、固定価格買い取り制度により、風が吹いて発電したときは強制的に全量買い取りさせて、風がやんで発電できくなれば、他でまかなうしかない代物が、風力発電の現実です。これでは発電施設として役に立ちません。

さらに、電気が最も不足する「サマーピーク」と呼ばれる真夏の午後1時から4時の時間帯には、ほとんどの風力発電所がまともに発電できていません。猛暑時には風が吹いていないからです。

この根本的な欠陥を補うため、最近ではNAS電池という大型蓄電池を併設し、ウィンドタービンが発電した電気を一旦蓄電し、必要なときに取り出すという方法が採用されるようになりましたが、これもエネルギーロスが大きく、かえって資源の無駄遣いになるというのが現実です。

そもそも、NAS電池は高温にした液体ナトリウムを使うため、もともと電池自体がエネルギー(電気)を必要とします。エネルギー収支の悪さを無視して補助金を注ぎ込むか、果てしなく電気料金を値上げしていくかしない限り、使い続けることはできません。これは太陽光発電も同じです。
 
電力事業はいかに小さなエネルギー消費で大きなエネルギーを取り出すかという計算問題です。取り出せるエネルギーが電力事業はいかに小さなエネルギー消費で大きなエネルギーを取り出すかという計算問題です。取り出せるエネルギーが注ぎ込むエネルギーより小さければ意味がありません。風力発電で1の電気を得るために直接燃やせば2の電気を得られる地下資源を使うのであれば、地下資源を直接使って2の電気を発電したほうがいいに決まっています。

さて、デメリットが目立つようになった風力発電ですが、風力発電のような代替エネルギーが今後どうなっていくか、見極める方策についても、上記のブログ記事で述べました。

その部分を以下にコピペします。
エネルギーの転換に関しては、ある程度年齢以上の方(40歳以上)であれば、かなり多くの人がその転換を身をもって体験されているのではないでしょうか。そうです、家庭用の暖房用燃料の転換です。いわゆる石炭、炭、薪などから、石油への転換です。この転換のスピードはかなり速かったと思います。わずか、数年であっという間に転換しました。この転換の早さは、やはり、化石燃料の中でも燃焼効率が高いとか、石炭などよう灰が出ない、運搬が容易であるためコストが低減されたからです。 
これに比して、太陽光発電、風力発電はなかなか普及しません。その理由は、エネルギー転換効率が著しく低いからです。ドイツでは、補助金を出して無理やり太陽光発電などを増やしていますが、これを続けていけばどういうことになるか、誰もがはっきりわかることだと思います。 
私は、太陽光発電に関しては、よほどのブレークスルーでもない限り、永遠に代替エネルギーなることはありえないと思います。風力発電に関しては、ある程度見込みはありますが、これも大々的にやれば、上記のような問題もおきてきます。そうなれば、将来負の遺産を残すことになります。 
だからこそ、風力発電などは、実験程度にとどめて、ある程度技術的に確立してから本格的に発電所などの施設をつくるべきだと思います。今の段階で、巨大な発電所をつくることには反対です。太陽校発電などはやめたほうが良いと思います。太陽光発電装置には、大量の化学物質を使います。現状では、あまり問題にはなりませんが、大規模な発電所がたくさんつくられた時には、これらの廃棄に関してかなり問題となります。 
今後代替エネルギーの開発も行われ行きます。どれが、本物かを見分けるのは非常に簡単なことです。石炭から、石油に変わったように、黙っていても、あっという間に普及します。目に見えて実際にどんどん置き換わっていくものが本物であり、そうではなく、人々の話題に上っているだけ、あるいは、補助金などで無理に置き換えていくようなものは本物ではありません。 
そういった意味では、太陽光発電、風力発電なども現段階では本物の代替エネルギーではありません。将来原油が継続的に高騰して元にはもどらなくなったり、枯渇しかければ、さまざまな代替エネルギーが一挙に噴出してくると思います。その中から、本物のエネルギーがあっという間に置き換わっていくと思います。風力発電、太陽光発電に限らず、本物ではない代替エネルギーに大きく力を入れれば、将来に禍根を残すことになります。
今回函館(恵山地区)の風力発電が廃止されたので、やはりこの時の私の読みはあたっていたものと思います。この傾向は、最近の原油安によって、ますます助長されることになると思います。

代替エネルギーといえば、原発もその一つです。原発には反対の方も大勢いらっしゃるようですが、私自身は上でも述べたような有望な代替エネルギーが見つかれば、そちらに移行すべきと思いますが、今の段階では、すでに稼働していた原発に限っては、稼働させても良いと思っています。

なぜなら、廃炉をするにしても、核廃棄物が残るわけで、この廃棄物を保存したり、処理したりするにもしても、かなりコストがかかるわけです。廃炉に向けて作業を開始しても、核燃料が残っている限り安全ではないわけです。

そうして、廃炉するにしても、かなりの経費がかかります。であれば、既存の原発で安全対策を行った原発に関しては、稼働させたほうが良いという考えです。安全対策とは、いっても具体的にどの程度かというば、女川原発くらいの安全性ということになると思います。

ちなみに、女川原発は、東日本大震災のときにも無傷で、被災者をしばらくの間受け入れていました。福島原発についても、酷い被害にあったのは、古い原発で、マーク 1というアメリカ製のものです。新しい、日本製のものは、地震直後にすべて稼働を停止して、事故は発生しませんでした。

こんなことを言うと、原発なんて恐ろしいから即座に全部廃炉にすべきという人からすれば、「とんでもない」ということなるかもしれませんが、先に述べたように、即座にすべて廃炉にするにしても、核燃料が残っていて危険であることにはかわりはありません。であれば、同じく危険であっても、稼働させてエネルギーを供給するようにすべきというのが私の立場です。

いずれにしても、エネルギー問題は、単純なものではなく、様々な人の様々な思惑が絡んで、複雑な様相を呈しています。しかし、私達の身近な問題であることには変わりありません。

函館の恵山地区の風力発電の廃止のニュースでまた、エネルギー問題について考えさせられました。

いずれにしても、現在代替エネルギーとされている風力発電や、太陽光発電は、真の意味での代替エネルギーになりきれていないということは言えそうです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年9月22日月曜日

経産相「原発なしは難しい判断だ」―【私の論評】あたり前のど真ん中!ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択(゚д゚)!


小渕経産相 写真はブログ管理人挿入 以下同じ


小渕経済産業大臣はNHKの日曜討論で、原子力発電所の再稼働に関連して「資源の乏しい日本はエネルギーのバランスが大事だ。原子力発電所を持たない選択をするということは難しい判断だ」と述べ、安全性を最優先にして原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働させていく考えを示しました。

この中で小渕大臣は、日本のエネルギーの現状について「原発がなくてもわれわれの生活は回っているという話を聞くが、古くなった火力発電所をフルに使っていて、安心できる状況ではない」と述べました。

そして「化石燃料の輸入額は東日本大震災の前と比べ1日に換算して100億円増えている。電力コストは家庭が2割、企業は3割増え、中小企業や零細業者にとって経営問題になっている」と述べ、火力発電への依存が家計や企業に重荷になっている現状を説明しました。

そのうえで小渕大臣は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力だけでは供給が不安定だとしたうえで、原子力発電所の再稼働に関連して「資源の乏しい日本はエネルギーのバランスが大事だ。原子力発電所を持たない選択をするということは、将来を視野に入れたエネルギー政策を考えたとき難しい判断だ」と述べ、安全性を最優先にして原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働させていく考えを示しました。

【私の論評】あたり前のど真ん中!ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択(゚д゚)!

このブログの管理人である私は、現在北海道は札幌に住んでいますが、北海道では全国に先駆けて、北海道電力が電気料金の再値上げを申請しています。

北海道電力側からすると、北海道は原子力発電に頼るところが、最も高い地域なので、値上げもやむなしということのようです。

これに関しての詳細は、以下の北電HPをご覧になって下さい。
電気料金の値上げ申請について
北海道電力社長川合克彦氏

ご存知のように、北海道は酪農王国でもありますが、現在の酪農は自動化が進んでいて、かなり電力を用いますので、電力料金が上がると大ピンチです。

現在では、農業や水産加工でも電力を用いることが多いので、農水産業の盛んな北海道では大変なことです。

というより、今や私達の身の回りでは、電気で成り立っていて、電気料が値上がりするということは、すべての人に影響が出ます。

酪農農家で子牛の世話をする南沢奈央

これに関しては、以下の様なニュースもあります。
原発再稼働なら料金下げ=北海道電再値上げに条件-経産省
 経済産業省は5日、有識者でつくる電気料金審査専門小委員会を開き、北海道電力が申請した家庭向け料金の再値上げを認可する際、泊原発が再稼働した場合、速やかに値下げを行うよう条件を付けることを確認した。北海道電は同委で、早ければ運転再開から2カ月以内に料金を引き下げる方針を表明した。
 北海道電は、2015年11月から16年3月の間に泊原発の全3基が順次再稼働することを想定して再値上げを申請した。経産省は、1基が運転を再開すれば、残りの2基の再稼働が不透明な状況でも値下げを求める考えだ。今後、他の電力会社が再値上げを申請した場合も同様に対応する。
経産省は、泊原発が稼働すれば、元に戻すという条件で、北電に電力料金の値上げを認めたということです。このあたりの判断はどうかと思います。本当は、原発が稼働していて時の料金に戻すようにすべきではないかと思います。

こういうところに、電力会社の古い体質が現れていると思いますし、それを認めてしまう経産省もいかがなものかと思います。純然たる民間企業であれば、原発稼働時の料金に戻すまではいかなくても、現行料金よりは下げるのが当然と思います。

それは、それとして、私としては、原発の稼働を止めている現在でも、原発には核燃料が保存されていて危険であることには変わりはないということですし、廃炉にするには、とてつもない経費が発生するということなどを考えると、やはりある程度安全(何事にも完璧などあり得ない)であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが、最も良い選択だと思います。

たとえ、新たな油田が発見されても、それを実際に掘り出し供給できるようにするまでには、10年くらいの年月を要します。発見されたからといって、すぐに市場に出回るわけではありません。シェールガス・オイル景気で沸いているアメリカですが、あまり掘りすぎると、環境汚染や、地震を誘発するという問題があります。

もう、原発問題に関しては、かなり議論がされてきていますが、現実を考えるとこのような結論になるのが妥当だと思います。

もし原発を即時廃炉にするなどのことをすれば、本当にとんでもないことになりそうです。

コスト・プッシュインフレなどになり、大変なことになりそうです。経済的にみても何も良いことはありません。節電のために、停電が恒常的に行なわれるようになるかもしれません。そうなると、そのために死人が出るということにもなりそです。

日本が経済的にも、社会的にも破壊されることは明らかです。

日本が経済的に落ち込めば、中国が喜ぶだけです。

原発反対運動をするウクライナの女性

吉田調書などで、すっかり有名になってしまった吉田氏。そもそも、彼はなぜ原発を管理する人になったのか、あの原発事故で彼が守りぬこうとしたのは何だったのか、原発反対派は、そのあたりを理解していないと思います。

このようなことを考えると、小渕経産相が上の記事で述べていることは、あたり前のど真ん中であると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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2013年9月15日日曜日

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される―【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される

台湾を訪れた菅直人元首相

菅直人元首相が15日、訪問先の台湾から帰国した。菅氏は台湾の原発反対グループの招きで台湾を訪れ、福島原発事故や、再生可能エネルギーについて語ることを宣言していた。

菅氏は15日に更新したブログで台湾における原発の関心レベルについて言及。「台湾では福島原発事故について話をするために訪問した私の言動について、連日新聞やテレビが大きく報道してくれた」とのことで、菅氏への注目度は高かったようであり、歓迎されたようだ。

この背景には、台湾で原発反対の世論が盛り上がっていることもあるという。台湾ではこの半年以上、反原発の集会が毎週行われており、中心は映画監督、作家、俳優など幅広い文化人だという。

菅氏が13日の集会でスピーチを行ったところ、大きな拍手を受け、テレビや新聞などのメディアから報じられたようだ。菅氏は参加している人気俳優に「仕事を干されることはないか」と聞いたところ、「それはない」と言われたようだ。これを受け、「日本より民主的で自由な社会の雰囲気を感じた」と感想を述べている。

【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅元首相が台湾を訪れたそうですが、この人の勘違い人生も相当なものです。もともと、菅さんのせいで、福島原発の惨劇が大きくなったということではありませんでしたか?なんで、わざわざ、官邸をあけて、福島までヘリコプターで乗り込む必要があったのでしょうか?これに関しては、あの枝野ですら、現地視察をやめるべきだということを進言していたことがわかっています。


余計なことをしたので、現地での対応が遅れてしまったということは否めません。

日本では、なぜか報道されませんが、台湾で菅さんを招いた市民団体とは、無論プロ市民団体です。それも、左翼系です。

こうした動きに対しては、当然台湾でも大反対の動きもありました。これに関しては、なぜかほとんどのメディアが無視です。まあ、そもそも、もと総理大臣とはいえ、今民主党の一国会議員にすぎないですし、それも、主流派ではなく亜流の政治家です。だから、報道しないのでしょうが、それだったら、最初からこんなものの台湾訪問など、報道すべきではありません。

しかし、以下のような反対運動の写真もあります。


台湾だって、メディアがありますし、それにインターネットもみることができます。それに、台湾では日本語が読める人もかなりいます。菅の原発事故での不手際も知っている人は大勢います。


菅は、日本では、メデイアがほとんど報道しないですし、台湾の報道はみないでしょうから、歓迎されていると思いこんでいるのです。菅さんは、総理大臣だったときに、政権の末期でも、現地に行くと、歓迎されたので、民主党も自分の政権も、まだまんざらではないと思い込んでいたようです。

以前コミュニケーションについて、このブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
消費税増税に7割が賛成 結論見え見えの有識者会議の意味 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】確かに、これだけ増税賛成派ばかりだと作為的である。最終的には安倍総理はこれを吹き飛ばし、官僚を震撼させ覚醒のための大ショックを与え政治主導を勝ち取る腹か?
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ドラッカーはコミュニケーションについて以下のように語っています。
人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。コミュニケーションの発する側が、何かを話したとしても、受け取る側は、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取ってしまう。  
菅さん、まさにドラッカの言っているように、「期待していないものを近くすることに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗」しているのだと思います。 そうして、コミュニケーションの発する側が、何か話したとしても、菅さんは、自らの既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取っているだと思います。

ようするに、いくら批判されても、自分の既知の枠組みの中にあてはめて受取、既知のものとして受け取っているのです。要するに、批判は一切受け取れず、自分の都合の良いように解釈をしてしまうとうことです。

上の菅さんの事例は、ドラッカーのいう「人は期待するものしか受け取らない」というコミュニケーションの最大の障害を如実に示す格好のケース・スタディーではないかと思います。

ドラッカーは、こういうときには、相手の期待を木っ端微塵に打ち砕く、覚醒のためのショックが必要としています。要する、「叱る」ということです。

しかし、叱って言うことを聴かせることも、あらがじめある前提をクリアしておかないと不可能だとしています。

それは、何かといえば、「経験の共有」です。これをクリアしておかないと、コミュニケーションは成立しないのです。しかし、菅さんや、民主党の幹部などと「経験の共有」をするというのは本当に難しいことです。大学で学生運動をやってみたり、「プロ市民」をやったり、プロ市民のデモにでも参加すれば、「経験の共有」ができるかもしれません。

しかし、そんなことはやりたくないです。であれば、もともとコミュニケーションなど成り立たないのかもしれません。

ドラッカーは、コミュニケーションの本質をコミニケーションとは私からあなたへ一方的伝えるものではないし、あなたから私へと一方的に伝わるものでもないとしています。

そうして、「コミュニケーションとは私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるもの」としています。このためには、普段からコミュニケーションをかわさなければならない人々と、「経験の共有」をしておかなければならないとしています。

そうなると、民衆党の人々とはなかなか「経験の共有」などできませんから、結局本当の意味でのコミュニケーションはなりたたないということです。

そうでしょうね。これに関しては、民主党のほうから、他の人たちに歩み寄る必要があるのだと思います。そうしなければ、彼らいつまでも多くの人々のコミュニケーションを交わすことができないということです。それに彼らは気づいてません。菅さんも全く気づいていません。

これは、民主党に限らず、最近では、いわゆる増税派の人々のも同じことなのだと思います。彼らが、気付くのは、増税が見送られ、景気が良くなり、本当にデフレから脱却できたときだと思います。そうなれば、増税の間違いが誰にでも理解できるようになります。

しかし、増税派にもそういうまともな人も少数かもしれません。やはり、なんだかんだと理由をつけて、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受けって、いつまでたっても、増税見送り派とコミュニケーションをまともに交わすことはできないのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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上の三冊は、有害図書です。良い子は買って読んではいけません。

2013年1月19日土曜日

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論―【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論

(2013年1月13日 Forbes.com)

厳しすぎる日本の基準


 昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない。

 「しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)」は0.1Sv(10 rem)以下の被曝には当てはまらないが、世界中の自然放射線量はこの範囲にある。そればかりか、この低線量域は、原子力、医学的治療、そして福島のように原発事故で被害を受けた地域にとって最も重要な意味を持つ。

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。



 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。

■福島事故で「健康への影響無し」
 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

 この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。

 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。

 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。

 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。

・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・


■日本人は恐怖ではなく真実に基づき行動を

 報告書によると、福島原発では非常事態に対応していた6人の作業員が0.25Sv(25 rem)を超える放射線を浴び、170人が0.1~0.25Sv(10 ~ 25 rem)を被曝した。このうち健康に悪影響が出た者はなく、おそらく今後も影響は出ないだろう。福島原発で亡くなった6人の死因は、がれきに押しつぶされたり、海に流されるといった事故で、放射能とは一切関係なかった。

 確かに0.1Sv (10 rem)を超える放射線の被曝は健康に影響を与え、それは統計的に1Sv (100 rem)に達するまで増加する。ただこの比較的高い線量域についても、十分に大きな母集団でない限り、影響は観察しにくい。それほどの規模の放射能事件、すなわち大勢が0.1~1Sv (10 ~100rem)の放射能を浴びたのは、第二次大戦中の原爆投下だけである。

 放射線の影響が明らかになりはじめるのは、1Sv (100 rem)以上の高線量を急激に浴びたときだが、そうした状況ですら、考え得る他の要素を排除しない限り、放射能を明白な原因と断定することはできない、とUNSCEARは説く。

 こうした見方が放射性廃棄物の処分にどれほど重大な意味を持つかは、別の機会に譲ろう。

 結局のところ、放射能への恐怖ではなく真実にもとづいて行動するように変わらなければ、われわれは日本、ベラルーシ、ウクライナの人々に責務を果たしたことにならないうえ、今後も見当違いのことに時間とカネを費やすことになるだろう。反核運動家や陰謀説が好きな人々は今回の国連の報告書を受け入れないだろうが、彼らはどのみち国連が嫌いなのだ。

【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

上の記事、現在の日本にとっては、かなり重要だと思いますので、是非ご覧になってとください。新華社通信じゃなかった、日本経済新聞は、経済に関してはとんでもない記事が多いのですが、経済以外については秀逸な記事も多く、放射線に関する上の記事は、時宜を得た本当に良い記事だと思います。


低線量の放射線は従来考えられていたよりは、安全であることはこのブログにも掲載してきました。だから、上の論考は、私からすると何も目新しいいことはないのですが、それにしても、これについては、もっと多くの人々が理解すべきと思ったので掲載させていただきました。

最近は、東京ではさすがに放射能パニックになる人は、あまりいなくなったようです。東京の安全性については、このブログでも以前掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

東京の地表放射性物質 1960年代と同水準 米ソ中が核実験「健康被害なし」―【私の論評】中国の核汚染のほうが余程恐ろしいかも?

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、要するに米ソ中が核実験を頻繁にやっていたときのほうか、放射能ということであれば、福島での原発事故よりも、よほど危険な状況であったということです。さらに、では、その時代に生まれたとか、こども時代をおくった人々に何か深刻な障害が起こったかといえば、ご存知のように何もないわけです。

地盤沈下した石巻市内

MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし―【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に要点だけコピペさせていただきます。
それに、似たような調査結果は、すでに、1990年代にアメリカでだされており、2000年代に入ってからは、専門家の意見もかなり変わってきていました。それどころか、低線量の放射線は、体に良いという「ホルミンス効果」なども指摘されていました。しかし、これは、昔から良く知られていて、昔は、ネックレスや、指輪などで、放射性物質が含まれているものが、健康器具として販売されていました。あるいは、天然温泉などでも、放射性物質が湯成分としてあるところがあり、そのお湯に入ると健康に良いといわれているところもありました。
これらからみても、上の記事の内容は、まともであり、信ずるに足るものであると思います。以上のような情報も含めて、実際どのくらいが危険なのか、もう一度正しい判断基準を公にすべきと思います。現在放射能汚染から避難生活を余儀なくされているかたの多くも避難しなくても良いのかもしれません。

それから、単純な原発廃止論には、私は反対です。これについては、このブログにも掲載したことがあります。以下にそのURLを掲載します。

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」―【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!

このブログでは、脱原発と車社会の是正とを対比して論評しました。特に、車についての部分を以下に掲載します。
さて、脱原発運動の無謀さ、これとは一見関係のないようにみえる、脱自動車社会など思い浮かべると良く理解できると思います。自動車に関しては二つほどの論点があります。


まず最初の論点は、自動車の直接的な危険です。考えてみれば、自動車がかかわる交通事故は、毎年多くの死傷者がでます。これは、原発による直接間接の被害 者をはるかに上回っています。これは、確かに危険です。そうして、事故撲滅などの運動が毎年繰り返されています。しかしながら、車社会は、あまりにも社会 に浸透してしまっているため、車自体を否定してしまっては、社会が成り立たないということで、これを主張する社会運動などは聴いたことがありません。あく まで、事故撲滅をうたっています。


そうして、様々な取り組みがなされています。あのGoogleが自動運転する車を開発していることもこのブログで掲載したことがあります。いずれ、このよ うな自動車も実用化され、今の車よりも、はるかに安全な車が走るようになり、より安全な車により、安全性の高い社会が実現されることと思います。

Google無人自動車ロボット
そうして、二つ目の論点は、電気自動車に関する無邪気ともいえる、期待です。電気自動車が、環境に負荷を与えないなどと いう単純な思い込みです。現在の電気自動車は、ガソリンスタンドのような充電所や、家庭のコンセントから電力を供給します。確かに、電気自動車自体は、電 気を補給したあとは、二酸化炭素も、排ガスも放出さずに、一見クリーンなようにみえます。確かに運転している人には、良いかもしれません。


しかし、良く考えてみてください。これは、本当でしょうか?それは、この電力がもともとどこから供給されるのかを考えてみれば誰にでも理解できる話です。 そうです。これらの電力は、すべて既存にある発電所から供給されているのです。既存の発電所が変わらない限り、何も変わらないという図式です。既存の発電 所がたまたま、火力であったとすれば、電気自動車は化石燃料をつかわず、二酸化炭素も、排ガスも排出しないですが、火力発電所は、電気自動車を走らせるた めに、二酸化炭素や排ガスを放出することになります。それでは何も変わりはないのです。自分の手元で、排出されないだけであって、自分の目に見えないとこ ろで、間違いなく排出されているし、化石燃料が消費されているということです。
 このような論点が、多くの人びとの知るところとなったのでしようか?ひところから見ると、単純で無謀な脱原発論を息を潜めたと思います。特に、昨年暮れの総選挙では、争点にはなりませんでした。これには、本当に安堵しました。やはり、多くの人びとが、脱原発の空気には簡単には流されなくなってきたのだと思います。

原発に関しては、このような状況になったのですから、はやく、放射能による恐怖に関しても、 多くの人びとがまともな情報を得て、正しく判断するようになっていただきたものです。

正しい情報を得ることなく、無知と恐怖にとらわれて、多くの人が人生を棒にふったり、多くの人達の人生を棒にふらせても良いものでしょうか?避難生活を余儀なくされている人のことを考えると、新しい基準をつくれば、安全とみなされる地域も多いのではないかと思います。そうすれば、また元の生活の戻れる人も増えると思います。反核運動家や陰謀説が好きな人々も、このような現実を踏まえた活動をすべきと思います。この問題に関しては、もう一度仕切り直しをして、新たな判断基準を出すべきと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2012年7月4日水曜日

オール電化の家庭に衝撃! 経産省専門委がオール電化割引に廃止要請【話題】―【私の論評】長期のエネルギー政策がなければ、こういうことになる!!これからも!!

オール電化の家庭に衝撃! 経産省専門委がオール電化割引に廃止要請【話題】:


キッチンや風呂のエネルギーも電気でまかなうのが「オール電化」。取り入れている家庭も多いだろう。だが、そんな家庭に衝撃的なニュースが飛び出した。

オール電化の家庭にはいままで料金割引が適応されていたのだが、これの廃止を経済産業省の電気料金審査専門委員会が要請したのだ。

ガスを利用するよりお得だから……という理由でオール電化にしていた家庭も多いのでこの要請に「かなり割高になりそう... 続きを読む

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【私の論評】長期のエネルギー政策がなければ、こういうことになる!!これからも!!

太陽光パネルも設置されたオール家電住宅
オール電化住宅は、家庭内で用いる全てのエネルギーを電気に統一した住宅です。対義語にはウィズガス住宅があります


利用される電気機器は主に以下のとおりです。この他電力消費を抑える目的で発電用に太陽電池を設置する場合もあります。
・給湯:エコキュートまたは電気温水器
・調理:IH調理器(またはラジエントヒーター)
・冷暖房:エアコン、蓄熱式電気暖房器または床暖房システム(電熱式、PTC式、蓄熱式、またはヒートポンプ温水式)などを組み合わせる。これらの機器は100ボルトの電圧では能力不足であることから、一般に200ボルトを使用する。

1980年代後半からモデルハウスの展示が行われるようになりました。1990年にはそれまでの深夜電力(1964年10月施行)に加え、時間帯別電灯料金制度が導入されました。また、IHクッキングヒーターやエコキュートが登場しました。

オール家電住宅の内部
閉鎖的環境の屋内で高温の燃焼ガスを発生させないという点から、住宅の高気密化が進む昨今においては、ガス・石油を室内で使用しないことが「安全」、「クリーン」、あるいはある面においては「省エネ」であるとして、オール電化設備やオール電化住宅の販売が行われています。

裸火を扱わず火災リスクが少ないメリットから住宅ローンの金利優遇を行う金融機関や、火災保険の特別割引を行う保険会社があります。 また、リフォームの際に一部分のみを電化機器に置き換えるポイント電化を行うケースもあります。

ガス業界は、"住まいの原点は「洞窟と火」"、"火を使わないと、火の怖さ、火傷することすら分からない子供が出てくるとしたら、それも怖い。"などと、安全性を逆手に取ったPR戦略をとっています。

戸建住宅においては、2007年度より、優秀と認められたオール電化住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック」という表彰制度が創設され、オール電化住宅の普及促進に拍車をかけていました(第1回大賞はスウェーデンハウスと一条工務店)。
東京電力管内では2008年以降急速に普及し、3年間で原子力発電プラント2基分にあたる約200万kW分の電力消費が増えた可能性が指摘されています。

以上のような経緯から、オール電化住宅がどんどん推進されてきたわけですが、今日、このオール電化住宅の電力料金割引の廃止が検討されているわけです。


そうして、なぜこのようなことになったのかといえば、昨年の震災と、それに伴う原発事故、さらに、最近の原発の稼働停止により、電力生産の縮小によるものだと考えられます。

そうして、これは、原子力ムラや、自民党時代からの政府による、原子力安全神話によるところが大きいです。安全な原子力で、低価格の電力を供給できるから、安全なオール電化を推進すべきという大前提が大幅に狂ってしまったということです。


にもかかわらず、驚いたことに7月1日、すでにドイツで失敗した「再生エネルギー買い取り」がスタートしています。太陽光や風力、地熱、バイオマスなどで発電した電力を経済産業省が認定し、電力会社が 買い取るもので、原発依存から脱却するために再生エネルギーによる発電の新規参入を 促すのが狙です。

しかし、買い取り制度は、かなりの確率で失敗に終わることでしょう。 経済産業省は、今年度中に認定するのは計250万キロワット超になると試算しており、 原発約2基分にあたります。 

太陽光は1キロワットあたり42円、風力は23円~58円、地熱は27円~42円で、電力会社が 買い取ります。買い取り価格は電気料金に転嫁されるため、結局は消費者の負担となります。 標準家庭の今年度の負担増は平均87円となりますが、今後普及がすすむほど、負担は増えていきます。全量買い取りのため、参入する企業は、再生可能エネルギーで発電するほど、売り上げが立ちます。 



しかし、その売り上げは、すべて家庭の負担となります。しかも、これは、火力発電の燃料コスト増による値上げとは別枠での負担増となります。 要するに、家庭の負担を原資とする補助金を、ソフトバンク、ローソン、ヤマダ電機といった再生エネルギー発電への参入企業にばらまくという話です。


しかし、原発を再稼動させれば、これらの負担は必要ありません。 長期的には、代替エネルギーの普及向けた取り組みは重要ですが、現段階において、供給体制や コストの問題で普及できないでいるものを、家庭の負担を強いる形で、無理やり市場に流通させる必要が どこまであるのでしょうか。 




しかも、この政策は、同様の制度で先行しているドイツでは、すでに破綻しています。 ドイツでは2000年に同様の制度を導入しましたが、消費者負担が増える一方となって、今年2月には全量 
買い取りを断念しています。買い取り価格も段階的に引き下げることが決まっています。クリーンエネルギーの助成の約6割を太陽光につぎ込んできたにもかかわらず、全発電における太陽光の比率は、わずか3%に とどまっています。太陽光発電は、天候に左右される上、実際の発電量は発電容量の3割程度と非効率のため、 結局、高くつく上、普及もしなかったのです。 




 経営として採算が合わないエネルギーを、無理やり補助金で普及させても、最後には破綻するということです。 再生可能エネルギーの研究は必要ではあります。しかし、現段階において普及するには時期尚早です。研究開発への助成なら、話はまだ分かりますが、電力の買い取りは明らかな間違いです。再生可能エネルギーへの 企業参入がブームになれば、それはバブルになる可能性が高いと言えよう。

一方でこのようなことをしながら、他方では、上の記事のように、オール電化の家庭の割引は、停止するということです。これって、何か非常に矛盾しているというか、かなりハチャメチャな話です。

それにしても、地震が発生して、原発事故が発生したのは、昨年の3月です。それから、今年の7月で、随分時間があったはずです。なのに、この体たらくです。本当に困ったものです。

私は、ここにはっきり提言させていいだきますが、この電力買取制度も、今後政権交代があっとして、どの政党が政権の座につこうとも、もともと、無理なものは、無理なので、早晩破綻すると思いす。

やはり、原発があてにできなくなった今日、総合的なエネルギー政策をはっきり策定して運用してく必要があると思います。そう思うのは、私だけでしょうか?





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2012年5月23日水曜日

MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし―【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?

MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし:

アメリカでも、トップクラスのマサチューセッツ工科大学(MIT)
MITからマウスで低線量被曝のマウスを用いた研究論文が出され、それと同時に広報からプレスリリースが発表されました。

自然放射線の400倍というレベルでマウスを5週間飼ってもDNAへの過剰な影響は認められなかったというもの。(追記:外部被曝の実験です)

同様の研究はこれまでにもありますが、今回の研究は DNAへの影響の最新の評価法を多数用いているという科学的なものに加え、

・米国の環境放射能の8倍という退避基準は疑問
・福島での避難は犠牲に見合ったものか疑念を表明
と、明確にしていることで反響を呼んでいます。



特に、福島での非難に関しては、以下のように掲載されています。

「興味深いことだが、およそ10万人が避難したにもかかわらず、日本政府はさらなる避難を強制していないことで、批判された。我々の研究からは、避難せずに福島に残った人に過剰なDNA損傷は起こらない、と予言できる。これが、私たちが最近実験室で開発した技術を使って検証できる成果です」

染色体異常の例(↑)
なお、『DNAへの悪影響なし・ダメージ無し』と書いておられる方もいますが、自然放射線レベルでもDNAへの修飾や切断は起こっていますので、『過剰な影響無し・リスクの増加なし』と読みかえてください。

また、発がん率や寿命についての影響を直接評価した試験ではないことにもご注意ください。

【MIT news】
A new look at prolonged radiation exposure
MIT study suggests that at low dose-rate, radiation poses little risk to DNA.
http://web.mit.edu/newsoffice/2012/prolonged-radiation-exposure-0515.html

【原著】
Integrated Molecular Analysis Indicates Undetectable DNA Damage in Mice after Continuous Irradiation at ~400-fold Natural Background Radiation
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/fetchArticle.action?articleURI=info:doi/10.1289/ehp.1104294

【日本語ブログでの紹介】
MIT(マサチューセッツ工科大学)の新研究は 低線量率放射線被ばくはDNAに対してほとんど害がないことを示している

http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-87.html

【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?
本日は、放射能に関しての正しい知識を多くの人々と共有したかったので、上記の記事を掲載することにしました。本日は、珍しい優秀なMITのビキニ姿の女の子たちの画像とともに提供させていただきます。



MITのの上の、「大量一発被ばく」と「少しずつ長期間被ばく」は、トータルの被ばく量が同じでも影響は「別物」なのだということが、改めて明らかにされたと思います「積算被ばく線量」だけでなく、むしろ「線量率」=単位時間当たりの放射線量に注目すべてぎであることがはっきりしました。


MITといえば、アメリカの私学の中でも、トップクラスの大学です。しかも、私学です。私学であるということは、政府の補助金とともに、寄付金で成り立っている大学です。この大学の研究成果には、定評があります。まずは、内容は、ほぼ信用しても間違いはないでしよう。



それに、似たような調査結果は、すでに、1990年代にアメリカでだされており、2000年代に入ってからは、専門家の意見もかなり変わってきていました。それどころか、低線量の放射線は、体に良いという「ホルミンス効果」なども指摘されていました。しかし、これは、昔から良く知られていて、昔は、ネックレスや、指輪などで、放射性物質が含まれているものが、健康器具として販売されていました。あるいは、天然温泉などでも、放射性物質が湯成分としてあるところがあり、そのお湯に入ると健康に良いといわれているところもありました。



皆さんも、ラドン温泉や、ラジュム温泉などという温泉名を聞いたことがあると思います。ラドンやラジュウムは、無論放射性物質です。これらの温泉が体に良いことは、昔から知られていました。

ホルミンス効果などに関しては、以下の動画をご覧いただくと良くわかります。



だから、私自身は、このMITの結果報告に関しては、別に驚きもしません。そのせいもあるのでしょうか、住んでいるところが、函館ということもありますが、あまり放射能を気にしたこともありません。


また、実際チェルノブイリでは、かなり放射線が高いはずなのに、そこから退去せずに生活している人も存在しています。これらの人で、特に影響もみられない人が多数いることが指摘されています。



それにしても、このようなことが理解されれば、遅々として進まない、瓦礫の処理がもっと進むと思います。それにしても、こうした情報が日本で顧みられないのは、なぜでしょうか?石油メジャーとか、電力、天然ガスを日本にも売りたいと考えているロシアの影響もあるのでしょうか?とにかく、みえないももの恐怖にさいなまされて、真実を見失うことだけは、避けたいものです。



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