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2013年1月19日土曜日

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論―【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論

(2013年1月13日 Forbes.com)

厳しすぎる日本の基準


 昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない。

 「しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)」は0.1Sv(10 rem)以下の被曝には当てはまらないが、世界中の自然放射線量はこの範囲にある。そればかりか、この低線量域は、原子力、医学的治療、そして福島のように原発事故で被害を受けた地域にとって最も重要な意味を持つ。

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。



 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。

■福島事故で「健康への影響無し」
 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

 この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。

 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。

 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。

 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。

・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・


■日本人は恐怖ではなく真実に基づき行動を

 報告書によると、福島原発では非常事態に対応していた6人の作業員が0.25Sv(25 rem)を超える放射線を浴び、170人が0.1~0.25Sv(10 ~ 25 rem)を被曝した。このうち健康に悪影響が出た者はなく、おそらく今後も影響は出ないだろう。福島原発で亡くなった6人の死因は、がれきに押しつぶされたり、海に流されるといった事故で、放射能とは一切関係なかった。

 確かに0.1Sv (10 rem)を超える放射線の被曝は健康に影響を与え、それは統計的に1Sv (100 rem)に達するまで増加する。ただこの比較的高い線量域についても、十分に大きな母集団でない限り、影響は観察しにくい。それほどの規模の放射能事件、すなわち大勢が0.1~1Sv (10 ~100rem)の放射能を浴びたのは、第二次大戦中の原爆投下だけである。

 放射線の影響が明らかになりはじめるのは、1Sv (100 rem)以上の高線量を急激に浴びたときだが、そうした状況ですら、考え得る他の要素を排除しない限り、放射能を明白な原因と断定することはできない、とUNSCEARは説く。

 こうした見方が放射性廃棄物の処分にどれほど重大な意味を持つかは、別の機会に譲ろう。

 結局のところ、放射能への恐怖ではなく真実にもとづいて行動するように変わらなければ、われわれは日本、ベラルーシ、ウクライナの人々に責務を果たしたことにならないうえ、今後も見当違いのことに時間とカネを費やすことになるだろう。反核運動家や陰謀説が好きな人々は今回の国連の報告書を受け入れないだろうが、彼らはどのみち国連が嫌いなのだ。

【私の論評】無知と恐怖にとらわれて、人生を棒にふったり、ふらせても良いのか!!

上の記事、現在の日本にとっては、かなり重要だと思いますので、是非ご覧になってとください。新華社通信じゃなかった、日本経済新聞は、経済に関してはとんでもない記事が多いのですが、経済以外については秀逸な記事も多く、放射線に関する上の記事は、時宜を得た本当に良い記事だと思います。


低線量の放射線は従来考えられていたよりは、安全であることはこのブログにも掲載してきました。だから、上の論考は、私からすると何も目新しいいことはないのですが、それにしても、これについては、もっと多くの人々が理解すべきと思ったので掲載させていただきました。

最近は、東京ではさすがに放射能パニックになる人は、あまりいなくなったようです。東京の安全性については、このブログでも以前掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

東京の地表放射性物質 1960年代と同水準 米ソ中が核実験「健康被害なし」―【私の論評】中国の核汚染のほうが余程恐ろしいかも?

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、要するに米ソ中が核実験を頻繁にやっていたときのほうか、放射能ということであれば、福島での原発事故よりも、よほど危険な状況であったということです。さらに、では、その時代に生まれたとか、こども時代をおくった人々に何か深刻な障害が起こったかといえば、ご存知のように何もないわけです。

地盤沈下した石巻市内

MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし―【私の論評】なぜこのような重要な情報が顧みられないのか?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に要点だけコピペさせていただきます。
それに、似たような調査結果は、すでに、1990年代にアメリカでだされており、2000年代に入ってからは、専門家の意見もかなり変わってきていました。それどころか、低線量の放射線は、体に良いという「ホルミンス効果」なども指摘されていました。しかし、これは、昔から良く知られていて、昔は、ネックレスや、指輪などで、放射性物質が含まれているものが、健康器具として販売されていました。あるいは、天然温泉などでも、放射性物質が湯成分としてあるところがあり、そのお湯に入ると健康に良いといわれているところもありました。
これらからみても、上の記事の内容は、まともであり、信ずるに足るものであると思います。以上のような情報も含めて、実際どのくらいが危険なのか、もう一度正しい判断基準を公にすべきと思います。現在放射能汚染から避難生活を余儀なくされているかたの多くも避難しなくても良いのかもしれません。

それから、単純な原発廃止論には、私は反対です。これについては、このブログにも掲載したことがあります。以下にそのURLを掲載します。

デモや集会などの社会運動は本当に脱原発を後押しするか? 開沼 博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでいく」―【私の論評】車社会の是正を考えてみると理解できる脱原発運動の無謀さ!!

このブログでは、脱原発と車社会の是正とを対比して論評しました。特に、車についての部分を以下に掲載します。
さて、脱原発運動の無謀さ、これとは一見関係のないようにみえる、脱自動車社会など思い浮かべると良く理解できると思います。自動車に関しては二つほどの論点があります。


まず最初の論点は、自動車の直接的な危険です。考えてみれば、自動車がかかわる交通事故は、毎年多くの死傷者がでます。これは、原発による直接間接の被害 者をはるかに上回っています。これは、確かに危険です。そうして、事故撲滅などの運動が毎年繰り返されています。しかしながら、車社会は、あまりにも社会 に浸透してしまっているため、車自体を否定してしまっては、社会が成り立たないということで、これを主張する社会運動などは聴いたことがありません。あく まで、事故撲滅をうたっています。


そうして、様々な取り組みがなされています。あのGoogleが自動運転する車を開発していることもこのブログで掲載したことがあります。いずれ、このよ うな自動車も実用化され、今の車よりも、はるかに安全な車が走るようになり、より安全な車により、安全性の高い社会が実現されることと思います。

Google無人自動車ロボット
そうして、二つ目の論点は、電気自動車に関する無邪気ともいえる、期待です。電気自動車が、環境に負荷を与えないなどと いう単純な思い込みです。現在の電気自動車は、ガソリンスタンドのような充電所や、家庭のコンセントから電力を供給します。確かに、電気自動車自体は、電 気を補給したあとは、二酸化炭素も、排ガスも放出さずに、一見クリーンなようにみえます。確かに運転している人には、良いかもしれません。


しかし、良く考えてみてください。これは、本当でしょうか?それは、この電力がもともとどこから供給されるのかを考えてみれば誰にでも理解できる話です。 そうです。これらの電力は、すべて既存にある発電所から供給されているのです。既存の発電所が変わらない限り、何も変わらないという図式です。既存の発電 所がたまたま、火力であったとすれば、電気自動車は化石燃料をつかわず、二酸化炭素も、排ガスも排出しないですが、火力発電所は、電気自動車を走らせるた めに、二酸化炭素や排ガスを放出することになります。それでは何も変わりはないのです。自分の手元で、排出されないだけであって、自分の目に見えないとこ ろで、間違いなく排出されているし、化石燃料が消費されているということです。
 このような論点が、多くの人びとの知るところとなったのでしようか?ひところから見ると、単純で無謀な脱原発論を息を潜めたと思います。特に、昨年暮れの総選挙では、争点にはなりませんでした。これには、本当に安堵しました。やはり、多くの人びとが、脱原発の空気には簡単には流されなくなってきたのだと思います。

原発に関しては、このような状況になったのですから、はやく、放射能による恐怖に関しても、 多くの人びとがまともな情報を得て、正しく判断するようになっていただきたものです。

正しい情報を得ることなく、無知と恐怖にとらわれて、多くの人が人生を棒にふったり、多くの人達の人生を棒にふらせても良いものでしょうか?避難生活を余儀なくされている人のことを考えると、新しい基準をつくれば、安全とみなされる地域も多いのではないかと思います。そうすれば、また元の生活の戻れる人も増えると思います。反核運動家や陰謀説が好きな人々も、このような現実を踏まえた活動をすべきと思います。この問題に関しては、もう一度仕切り直しをして、新たな判断基準を出すべきと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2012年4月9日月曜日

レーザー核融合、連続反応に成功 光産業創成大学院大など−【私の論評】なぜこのような重要なニュースをマスコミは報道しないのか?

レーザー核融合、連続反応に成功 光産業創成大学院大など  

レーザー核融合の実験装置

(2012/4/ 5 中日新聞)


光産業創成大学院大(浜松市西区)は4日、浜松ホトニクスやトヨタ自動車などとの共同研究で、レーザー核融合反応を「爆縮高速点火」による手法で100回連続して起こすことに成功したと発表した。同手法での連続反応は世界初。効率良く大きな熱エネルギーを生み出す手法での達成に、同大学院大の北川米喜教授は「レーザー核融合発電の実現に向けた第一歩を踏み出せた」としている。(上の写真は、レーザー核融合発電の実現に向けた研究がすすむ実験室=浜松市西区の浜松ホトニクス産業開発研究所で)

レーザー核融合発電は、海水に含まれる重水素と三重水素を混合した燃料にレーザーを照射して核融合燃焼を起こし、そのエネルギーを発電に利用する理論。CO2を排出せず、原子力発電に比べ放射性廃棄物も極めて少ないため、次世代技術として注目されている。

爆縮高速点火は、レーザーで燃料を一度圧縮してから、点火する手法で、共同研究では、レーザーの連続照射装置を開発。燃料の2対の重水素の薄膜を回転させ、2方向から照射することで、核融合反応を毎秒1回のペースで連続的に起こすことができたという。今後は実用化に向けて、レーザー装置の高出力化などに取り組む。

今回の成果は9日、米国物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版に掲載される。

レーザー核融合発電 レーザーの力で燃料を圧縮、点火し核融合反応を発生させ、その熱を取りだして発電タービンを回す。熱量100万ジュールのレーザーを使い、100倍の電力を取り出す実験が世界的に行われている。燃料は海水から取り出せる重水素と三重水素を使用するため、燃料資源枯渇の心配がないとされる。レーザー照射の停止で反応が止まり、原子力発電所のように炉内で核の暴走が起きるおそれはない。

【私の論評】なぜこのような重要なニュースをマスコミは報道しないのか?

このニュース、ニュースとしては古いのですが、敢えて掲載することにしました。この、ニュースのもとは、中日新聞の経済欄に掲載されていたものです。他でもない、経済欄ですよ!!このような実験が進んでいることをなぜマスコミは、報道しないのか、それを皆さんに提議するために掲載します。

なお、レーザー核融合発電に関して、詳細を知りたい方は、ここでは、本題ではありませんので、詳細は説明しません。以下のURLを参照してください。

http://www.ile.osaka-u.ac.jp/research/phi/AdvancedOptics/2009/lecture01_2.pdf



レーザー核融合に限らず、一般に核融合は、放射性廃棄物もほとんど出ず、これからかなり有望なエネルギー源になる可能性が高いです。現在、マスコミなどで、良く報道される、代替エネルギーといわれる、太陽光発電や、風力発電など、エネルギー変換効率が極度に低いことと、安定性に欠けることから、次世代の本命の代替エネルギーには、なり得ないと思います。


これに関しては、なにも綿密なデータをあげなくても、風力発電自動車など、思い浮かべていただければ、良く理解できると思います。帆船だって、風がなければ、どうしようもありません。だからこそ、帆船は、廃れたのです。これらの代替エネルギーを使えということは、帆船時代に戻れと言っているのと何が変わりません。私自身は、帆船は、優雅で美しいので、大好きですが、こうしたノスタルジアに浸ることと、実社会のエネルギー源とは別次元の問題です。


いわゆる、自然エネルギーだけで、先進国や新興国のエネルギーをまかなうなどとうていできないということは、誰もが理解できると思います。太陽エネルギーだって、根本的は、同じです。太陽が照らなければ発電できないわけです。以前このブログにも掲載したことが、ありますが、太陽光パネルを船体に貼り付けた船も存在していますが、これは、推力として太陽エネルギーを使っているわけではありません。船内の電気で使う補助にすぎません。これらは、もともと、別にエネルギー源があって、その補助にもちいるくらいの意味しかありません。これらが、代替エネルギーの本命になると思い込むことは、幻想に浸っているのと同じことです。

こんな幻想ばかり報道し、いくら、実用段階にないとはいえ、新しい代替エネルギーの可能性については、全く触れないというのでは、本当にどうしようもないと思います。このブログでは、従来から、似たような事例をいくつかあげてきました。カーボンファイバーや、メタンハイドレート、電気自動車、環境問題、中国、その他いろいろとマスコミが報道しない事実を掲載してきました。私は、これらのことを知った上で、日本の将来を考えるべきであり、既存のものばかり、あるいは、もともと、見込みがないばかりかか誤った事実や、さらには、有益な情報なしに、未来を考えることはできないはずです。

このように、流すべき情報を流さず、虚偽情報を流したり、大事な情報を隠蔽するようなマスコミ。もう、多くの人々に信用されていないと思います。そうして、ますます、信用されなくなっていくと思います。その果てにあるのは、テレビなら、視聴率の低迷、新聞なから、購読者の激減ということで、いずれ、会社を維持できなくなると思います。もう、そうなりかけています。

 



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